
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本を読んでいる時、今にも壊れそうな橋の上を渡っているような不安定さと、慢性的な緊張を感じていた。 母親が鳴海の父親と会っているところを確かめるシーンでは、母親が友達の父親と寝ているという事実に生理的な嫌悪感を抱いたし、鳴海と春也が親しくしているのに嫉妬するシーンでは、漱石の「こころ」を読んでいる時と同じような感覚になった。 春也との友情も酷く歪で、決してハッピーエンドでは無い結末の後味の悪さも相まって、非常に気持ちの悪い作品だった。
0投稿日: 2026.01.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
息苦しいような閉塞感。焦り。自分だけが取り残されていくような感覚。何もかもが上手くいかないことに対する言葉に出来ないような苛立ち。小学生の慎一が感じている微細な心のもやもや感が、細やかな風景描写とリンクして伝わって来ました。直木賞受賞作とのことですが、純文学のような雰囲気を感じました。
0投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログ2人の少年が両端から綱渡りするみたいに保っていたバランスが、鳴海が加わることで崩壊していき、さらに人生まで狂っていく様子を直視したくなくて、半ば祈るような気持ちでページをめくっていた。小学生って、自分の欲望に対してある意味で大人よりはるかに残酷だ。加減を知らないというか、浅はかさ、認識の甘さが裏返って悲惨な結末を呼ぶ。それを針の返しに喩えた道尾さんはすごい。刺さるのはあっけないけれど抜くときに激痛を伴う。これって何気ない一言や行為が、とんでもない恥や痛みを連れてくるのと同じだ。 子どもの、死に触れるまでの鈍感さと、誰かを亡くしてから極端に鋭敏になる死への恐れが見事に表現されていた。死という概念を、身体を以て理解するタイミングは人それぞれなのだろう。祖父がくちびるの皮をべろんとめくるところとか、人間の老いた部分を直視する暴力性が現れている。自分が小学生の頃、背中の曲がったおばあちゃんを見るだけで胸がきゅうとなって居心地の悪さを覚えた。心が綺麗とかそういう問題ではなく、自分が悲しくならないために目を背けたいだけだという、あのなんとも言えない罪悪感と哀愁。 そんな中で語られる祖父のセリフが悲しいし心にずっしりくる。「お前、あんまし腹ん中で、妙なもん育てんなよ」という一言に、母よりもずっと孫を見つめてきたのが凝縮されている。男同士だからか、漁師だった祖父のさっぱりとした気性なのか、年の功なのかわからないけれど。女である私が(いや、女だからこそかもしれないが)母親に嫌悪感を抱くのは、慎一を通して子ども時代の心細さや母への依存を想起し、しかし実の母とは重ならないフィクションの母(純江)に情が生まれるわけもなく、ただ怒りを覚えるからだろうか。あるいは大人になった身として、慎一が不安定になる原因は純江の監督不行き届きだと感じるからかもしれない。過去と現在、二重の怒りが存在しているような気がする。 傷ついて傷つけて恥ずかしくて、その痛みや後悔や恥や矛盾に耐えられなくなった結果、苦肉の策で痛みに鈍感になることが、大人への第一歩なのか? その過程で、どうすれば相手を不快にさせ、自分をすっきりさせられるのか、賢くなっていくのだろうか。諭すような口調の方がいっそう相手を傷つけられると発見するように。そして、自分の加虐性を自覚して、それに恐れを抱いてようやく、むやみに人を攻撃すべきではないと理解するのかもしれない。動物だったらそのうち淘汰されていくだろうけど、なまじ賢くてしぶとい人間はそれくらいじゃ死なないので、たまに行き過ぎた一部の人だけが、法を破ることになるのかもしれない。子供とは、大人が予想できないような罪を犯す危うさとつねに背中合わせな生き物に思えてくる。
1投稿日: 2025.12.05
powered by ブクログ筆者名からたまにはまたホラーでも読もう、と選んだ本が、ホラーじゃなかったよ、というのが第一印象。で、暗い。が、引きずり込まれるような暗さはないので、読後感は意外とすっきりだった。いびつな家庭の子供達の歪んだ集まり。危うい場面はいくつもあるが、意外とフツーに戻っていく。おそらくこういった環境下で育つ現実の子達も、お話の中の子達もフツーの人になるのだろう。人はそれだけ振れ幅があるということか、子供は強いからなのだろうか。
6投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ小学高学年頃の人間は、嘘もつくし、隠し事もする。自身ですら己の行動原理がわからず、感情の言語化もできず、世界が狭くて仕方ない。そんな中なのに親は否応なしに刺激してくる。そういう返しの付いた釣り針をみんなが心の奥深くにもっていたよな。
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ海辺に引っ越してきた小学生の慎一と、似た境遇の春也は、学校に居場所がないもの同士で仲良くなり毎日のように海辺で遊んでいた。あるとき山の中に手頃な窪みを見つけ、そこに潮溜まりをつくり、海辺で捕まえた生き物を飼おうと画策する。その中で捕まえたヤドカリを神様「ヤドカミ様」と称して燃やすと願いが叶う、という遊びを実行した。その後、同級生の女の子・鳴海の参加や家族の変化があり、2人の周囲を取り巻く環境が変わっていく…というストーリー。 海辺の風景描写が鮮やかで、潮の香りが感じられるようだった。生き物の描写もかなりわかりやすい。 登場人物は小学生が多いものの、大人から見たかわいらしい子どもという感じではなく、子どもらしくない面もあるリアルな小学生の心情や態度を上手く表現していた。この年代の子ども特有の生き物を平気で殺してしまう残酷さもしっかり描かれていた。小学生が主人公の物語にしてはかなり暗くてドロドロした印象。子どもは大人が思ってる以上に物事を理解しているぞ、というのがわかる作品だった。
0投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ道尾秀介の作品は子どもの世界を描いたものが多い印象。 「月と蟹」も、高学年の小学生3人がメインです。 ただでさえ大人になりかけの微妙な時期。少ーしだけ見える子どもらしく無邪気な部分にやたら安心するのは、ほぼずっと息が詰まりそうな展開だからかも。 子どもって大人が思うよりも大人を冷静に見てるものですよね。 どうしたって大人の事情に心が振り回されてしまうのが、仕方ないけど辛い。 大人が言い訳したり取り繕ろったりするのも、子どもにとってはさらにキツい。 子どもの世界にもいろいろあるなぁ、しかもけっこう残酷。 なんとか自分を守ってほしいと思いながらも、それぞれに立ち向かう姿に苦しくなりました。
1投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ小学生の慎一と春也、鳴海の危うい関係と、子どもならではの自分ではどうしようもないことに苦しむ閉鎖感が味わい深い一冊だった。何かが違っていれば一緒に危ないことに手を染めてしまったかもしれない慎一と春也の関係が特に印象的だった。
0投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ消失感を抱えた少年が奇妙な儀式を友達と始める。そこから段々と少年に内包されている自我が変化していき、悲しみや寂しさが溢れてそれは暴力性や非倫理的な思いや行動へとつながっていく。 話の中に流れる描写が少年たちの行動や心情を生々しく描いている。その少年少女たちも家族を失っていたり、家族に暴力を振るわれていたりと家庭の愛をどこか感じられていない心にすっぽりと穴があるような人たちである。それが交わり交流していく中で改めて主人公に訪れる妬みや嫉妬、それらがいつか主人公の人格もどこか変えてしまう。 どうして人生は上手くいかないのだろうか、どうして大人になるのは難しいのか、そんな誰しもが抱える気持ちをこの本の読みに捧げながら、溶かしながら読み進めていくと、腹の中にドロドロとした様々な感情が読み手の中に生まれると思う。
17投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログあまり自分の感情を味わったり気にかけたりすることなく大人になってしまったので、子供ってこんなん…か…?という困惑、不可解さを感じてしまった。 あらすじに「誰もが通る"子供時代の終わり"が鮮やかに胸に蘇る」とありましたが、ごめん私は通ってきてない道だったかも。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ子どもながらの繊細で無邪気で不安定な感情が表現されていて、自分の子ども時代を思い出した。 今思うと何であんなことしたんだろうとか、自分の感情を頭の中で理解することができなくて、上手く折り合いをつけられないこともあったなぁ。 何度か読み返してますが、初めて読んだ時は春也の「何で上手くいかへんのやろな」のところでなぜか涙が出てしまいました。
0投稿日: 2025.03.12
powered by ブクログ少年少女の想いが鮮烈に表現されている。 最後にかけてまでの展開。とても楽しめました。 道尾秀介と言えばミステリー、叙述トリック、どんでん返しというイメージが多いですが、こういう想いが爆発したかのような作品も心に強く刺さるものです。
0投稿日: 2025.03.05
powered by ブクログ再読。なんとなく好きな作品だった憶えはあるものの内容は例の如く忘れており、でも読み終えて今回も好きであることを再確認。私は道尾さんオタクですが、中でもこういった少年(少女)の苦悩が鮮やかに描かれている系統の作品が最も好きです。(他に「向日葵〜」「龍神の雨」など。)道尾さんの才能ここに極まれり。今作も主人公の小学生慎一の感情の機微が、序盤〜中盤までムズムズ、ヒリヒリと繊細で引き込まれます。さらに後半284Pでがらりと変化した心境は鬼気迫るものがあり、そのあとはさらに息がつけない展開。ほんと天才。
6投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小学生男子はこんなものといってしまえば それまでかもしれないが、ヤドカリを度々殺すのが 不愉快だった。 しかもヤドカミ様と言いながら神殺しを行う。 更に女子が仲間に入ってきても同じようにして 女子がそれを止めたり気持ち悪がったりしないのが疑問。 学校など色々なところから盗みを繰り返すし それだけで嫌な気持ちになる。 蟹と癌の話を始めたときはそういう話なのかと思ったが その方向でもなかった。 登場人物の年齢がもう少し上なら少しは納得がいったかもしれないが、 それでヤドカミ様と言い出したら痛すぎる。 不倫でもないのに親が恋愛を始めて 相手を殺したいほど憎むのはどうだろう。 親を気持ち悪いと思ったり怒ったりならまだわかる。 骨を折られるくらい問答無用で殴られていたのに 親に虐待されていて逆切れて刃物をちらつかせても、 高校生くらいでもなければ逆襲されるのがオチ。 それでしゅんとなって虐待をやめてくれるような 毒親はそうそういないと思う。 タイトルに期待して手に取ったが、タイトルの付け方にも納得できなかった。
0投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ登場人物に狂気を感じてしまったけど、それは自分自身の境遇が幸せだから理解できないだけで、彼等にしたら当然の感情の動きなのかもしれないと思わせる力があった。数ある道尾作品の中では、どちらかといえばあまりハマらない方だった。
0投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログ子供が持つ無邪気さと残酷がこれでもかと表現されていていた 道夫さんは向日葵の咲かない夏のイメージで、物語の構成が上手い人、というイメージだったのですが心情描写が今作はきめ細かくて好きです。 最初は遊びのようにザリガニを火に炙る春也がサイコパスに見えたのですが、読み進めていくうちに違うと感じる。それはタバコの持ち方がわからず照れ隠しするところだったり、鳴海に心惹かれてしまうこと、そして鬱屈した環境の中で慎一に救いを見出していたこと。彼も残り二人のようにまだ大人になれない子供だったんですね。
0投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログだいぶ昔の作品なので一度読んだかも…と思いきや、たぶん初。 2人の少年の友情が、じわじわ危うさを醸してくる感じ。道尾秀介ならではのひりつく感じが味わえる。 そういえば初期の作品は少年時代を題材にした物語が多かったような気がする。 クライマックスは慎一の焦りと共に、どうなる⁈やっちゃうのか⁈とハラハラしながら先を急いで読みすすめた。 こうゆうなんとも言えない状況や感情の変化を、繊細に巧妙に描写する上手さに、いつもどの作品にも引き込まれてしまうんだろうな。
0投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログど田舎の小学5年生の、子供から大人への過渡期に感じる葛藤や、複雑な家庭環境への思いを表現した作品。小学5年生ってこんな深い思考するっけ?と思ってしまった部分はある。中学2年ぐらいのイメージ。だが、子供ならではの悩み、例えばいじめなど、に加えて、子供でもこれくらいの思考力で持って物事に向き合うことは確かにできるのかもという思いもある。子供の本当の思考力と、大人が子供に対して想定している思考力との間のギャップは少なからずあるのではないか。そして、子供はそのギャップを薄々感じ取っているのではないだろうか?
0投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログ302ページからの展開が凄い 最初の方の2人だけの空間の空気が伝わってきていて読んでいて、子供の頃に戻ったような気分になれた まだ理解できない部分があるので今度読み返そうと思う
0投稿日: 2024.07.11
powered by ブクログ直木賞受賞作品です。 舞台は鎌倉。小学4年生という 幼い少年の心の内を描いた小説です。秘密基地的な遊び、子ども時代特有の生き物に対する残酷さ、背伸びをした悪い遊びなどを描きつつ、話は進んでいきます。 主人公の慎一、春也そして鳴海という同級生。皆、家庭や過去に悩みを抱えています。 基本的には慎一の内省を描いた暗めのタッチですが、クライマックスでの疾走感溢れる文体と、ラストの静かな終わり方が印象的です。 小学生の高学年という、子供から脱皮していく微妙な時期の心のうちを見事に描いた素晴らしい作品です。
0投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログ子供の残虐さと繊細さ、弱さと強さがバランスよく描かれていると思う。 弱いものを痛めつけることで、相手を思い通りにできる優越感や自己優位性を得て、ストレスを発散させる。死んだヤドカリを神として崇め奉ることは、神を創造した全能感や、大きなものから護られ赦される追体験。いずれも、現実を生き延びる為。 3人それぞれの家庭内のシンドさのぼやかし方と、山の上でのヤドカリ炙りのしつこいくらい詳細な描写のコントラストの、子ども目線での描かれ方は絶妙。 子供は、大人がおもってるより、何でもよく見てよく聞いてよく想像してカンをはたらかせて、物事を解釈するスピードは速い。一見短絡的にみえるけど、そこにいたる背景は想像以上に複雑だったりする。 おとなは子供をなめすぎて、甘えすぎ。大人の事情ってのを一方的に押し付けすぎ。繊細で、自分の心の変化や情報の多さを消化しきれず、頭も心もパンパンなのを、昭三さんみたいに、敏感に感じ取って見守る存在がいなくなって、それでも前に進んでいくってことが、大人になるってことなのかな。 心理描写は丁寧でよかったけど、最後の急展開に至るまでの経過が長すぎて間延びが半端ない。
0投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ子供ならではの素直で残酷な世界を垣間見た感じストーリー展開は飽きなかったし、関係性の描き方が良かった
0投稿日: 2024.06.10
powered by ブクログこういう少年や少女が主人公の小説で、日本人が書いたものは何だか読んでいてつらくなる。何度もやめてくれ、と思いながら読み飛ばしてしまった。 スティーブン・キングとかのは楽しめるのに。あまりに自分の子供時代と近すぎるからか。 逆に多分小説としては秀逸なんだろう。
0投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ父親を亡くした慎一、母親を亡くした鳴海、親から虐待を受ける春也。 それぞれ悩みを抱えながら日々過ごす。 ありきたりな設定で面白くはなかった
0投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ小学生の少年がヤドカリ様に祈りをするというストーリー。子供ならではの残虐性や考え方など、もう子供じゃない自分が読むと感慨深いものがあった。大人になるということについて考えさせられたのもよかった。物語自体はすごくダークで惹き込まれる。誰もが経験したことのある感情が比喩を用いて明瞭に描かれており、共感することが多かった。直木賞は伊達じゃないと思われされる作品だった。
2投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
両親の離婚、クラスに馴染めず不登校、母が出会い系で別の男を探してた、わたしの中学生時代の何もかも嫌になった時期を思い出した。 1つ嫌なことがあると、他のことも上手くいかないって思ってどんどんネガティブ思考になって抜け出せないんだよなぁ。周りの些細な表情や言葉も敏感に感じ取っちゃって生きづらかったあの頃は...。 「何か、粘着質の音が聞こえた。鳴海の父親の、微かな声。同じくらい微かな、純江の声。そしてふたたび静かになった。その静けさの中に、先ほどと同じような粘着質の音が、また聞こえた」(P222) 慎一が車にて、母と鳴海の父の密会現場に潜むシーン。口付けを「粘着質の音」と表現してるのが印象的。母が他の男と性的行為をしてるのを想像するだけでもゾッとするのに、慎一は現場に居合わせちゃうんだからすごい度胸。俺だったらその後、まともに母と顔合わせられないかも。 「鳴海は昼寝から覚めたように、しばし春也に顔を向けていたが、さっと恥ずかしそうに身体を硬くし、それから相手に笑いかけた。前髪で隠れた額は軽く汗ばみ、耳たぶが熱ってピンク色になっていた」(P259) 慎一、春也、鳴海の三角関係は台詞を使わず表情や仕草だけで、照れ、嫉妬、ショックなどを表現してるのが上手い。鳴海と春也の距離がだんだん近づき、慎一が可哀想になってきて切ない。 「『ね』って、逃げてく奴をロープか何かで捕まえとるみたいやろ。このほら、縦の棒が人やとして、首んとこからぐるぐる巻いて、ぎゅっと掴んで」(P34) 春也が「ね」を書きまくる場面が狂気を感じで怖い。他にもヤドカリを躊躇なく潰したり「あ、こいつサイコパスや...」って序盤から感じた。慎一宛のイタズラ手紙はなんとなく「春也が書いたんだろうなー」と予想してたので、慎一が春也が書いたのだと見破るシーンの驚きは少なかった。 最後鳴海の車に乗ってたのは春也なのかヤドカリ神なのか気になる。でも父親を結局殺せなかった春也が慎一のためとはいえ、鳴海の父を殺そうとするかなぁ。モヤモヤして気になる。
4投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログそれぞれが暗い現状に悩まされている少年少女の慎一、春也、鳴海。彼らは理不尽を打破するために、海と山に囲まれた小さな町でヤドカリを使った神様を作り出す…! 小学生の抱える闇を圧倒的な筆致で描いた青春小説とでも言えるだろうか。心理描写には息を呑むものがあるが、話は終始暗い雰囲気が漂う。 道尾秀介さんはラストに伏線が次々回収される技巧派のイメージがあったので、それとは対を成すといえる。 自分の勝手な期待でしかないのは重々承知しているが、もっとどんでん返しのような展開を期待してしまった。 ただ、心理描写をメインにした純文学作品としては楽しめると思う。直木賞受賞作と聞いていたのだが、エンタメに全振りしたものだけが直木賞ではないようだ、不勉強を痛感…。
2投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ海辺の町で小学生の三人はヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを始めるが……。 大人になるにはこの運命は辛すぎる。 大人たちの「本当の顔」に気づく時の衝撃度はそれほどではないが、一つの小説として面白い作品と言える。郷愁に吹かれる一作だ。
1投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログまず読後にやったことは、ヤドカリの殻無し画像検索。 初めて見た。結構グロテスクで、生々しさ、艶かしさ、そして主人公の子供たちならではの残酷性、危うさのシンボルとしてピッタリ。ヤドガミ様とはうまく言ったものだな。 クライマックスで慎一が身を挺してヤドガミ様への祈りを撤回したのは本人にとっても春也にとっても良かったと思う。 読者からすると、春也の方が慎一より救いがない状況なんだけど、当事者だとわからないだろうな。 慎一の母親は同じ女性として理解できる部分もあるけど、人としても母親としても頼りないところがリアル。ただ最後、引っ越して男性と決別することにしたのは慎一にとって救いだったろう。春也とはここが違う。ヤドカリの赤ちゃんを綺麗と言いながら指で潰してしまう春也の哀しみにも胸を締め付けられる。 昭三というお祖父さんの存在がどれだけ慎一の救いになったか。大人の目線だと、お父さんが亡くなり家族という意味では微妙になってるけど、それでも登場人物で一番印象的だったのは昭三だった。慎一もずっと後、大人なってから気づくんだろう。 慎一のことも、慎一の母親のことも、全部わかってたんじゃないかな。自分の足も失い、鳴海の母親を死なせたという罪悪感をずっと持ち続けながら生きてきた昭三の哀しみが胸に迫る。 病院での父親と昭三の姿が被る。ふと遠くを見るような瞬間の描写で、自分の父親の亡くなる間際の様子が思い出された。新聞で自分の持ってる株価のページ見てたりして、私としては他にみたいものは無いのかと少し寂しい気持ちになったけど、今になって、本当にあの時父は新聞を見てたのかと思えた。見てるようても頭に入ってなかったんじゃないか、他に話したいことがあったんじゃないか、と。年を経てわかることも多いね。 この本を読んで改めて思ったのは子供は大人が思うよりずっと「わかっている」ということ。 自分の境遇は選べないし、解決もできない。 もし辛い中にいる子供がいれば、大人になるのも悪くないよ、と伝えたい。
2投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ文庫ではなく、単行本で。 途中から、引き込まれるようにあっという間に読んでしまった。 どこか、祈りながら読んでた。
2投稿日: 2023.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一体、何匹のヤドカリが炙られただろうか。海から取ってきたヤドカリを『ヤドカミ様』として崇め、少年たちは願う。心が『無』になるまでの過程が丁寧に描写されており、かつての言葉にし難い感覚に共感を覚えた。心の廃退とヤドカリの子の成長の対比が印象的。物語の後半~終盤にかけての畳み掛ける疾走感。暗闇の中の月は悲しくも美しかった。
2投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログ微妙…最後を期待して読んでたけど別に最後はおどろおどろしいとかびっくりすることはない。でも面白くないかと言われるとそーでもない…一気読みしちゃう!っていう面白さではないけと、小学生の頃の自分の心理がうまく表現されていて、むむ、これはありある…と思った
1投稿日: 2023.09.09
powered by ブクログ道尾秀介さんが好きな友からのお勧め。 読んでいるこちらが苦しくなるような灰色の閉塞感が終始漂っていて、 「今のタイミングで読むのしんどいかも…」なんて思っていたが、鳴海が慎一家に遊びに来た辺りから目が離せなくなった。 子供の無邪気な残酷さ、後ろめたさや不安からくる、下腹の辺りがムズムズするあの感覚。 心理描写が見事で、子供の頃抱いた事のある仄暗い感情を思い出した。 道尾さんの作品はどれも一気読みしてしまうなぁ。
3投稿日: 2023.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何も知らずに読み始めたので、いつ殺人事件が起こるんだろう、、と思ってたら読み終わった 読後感がなんとも言えない、叫び散らしたい 小学校高学年ともなれば思考は大人、でも経験値の浅さからか物事の判断力は子供、みたいなちぐはぐさが、なんとも懐かしいような、恥ずかしいような気持ちになった あと爺ちゃん好き
5投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログどんよりと暗く重い灰色の印象の作品でした。 子供特有の残虐性、繊細さ、悲哀が詰まっています。心の機微をこれ程までに細やかに表現できるのかと驚きました。 当たり前ではありますが、子供といえども社会があり、自己があり。大人が思うよりもずっと複雑で繊細なのだと改めて考えさせられます。 そして、子供だからこその歯止めの効かない狂気も感じる事ができました。 ひたすらに苦しく報われず幸せになれない作品です。じゅくじゅくとした擦り傷を砂で汚れた指で弄くり回すような陰湿な痛みが表現されています。が、人生ってきっとこうなのだよなと個人的には清々しく感じました。
2投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログ小学5年生、少年から大人に向かおうとする子ども達の話。 心理描写が的確過ぎて、昔を思い出して 胸が痛くなる。
1投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ子どもたちの世界が舞台だが おじいちゃんの「腹の中で変なもの育てすぎるなよ」が見事に話をシビアにしてく感じがして、のどかだけど緊張感のあるいい話でした
5投稿日: 2023.05.11
powered by ブクログ道尾さんの作品の中で直木賞を受賞された作品とのことで期待して読んだ。子供ながらの残酷感はあったし、子供ながらの悩みの中で苦悩するのもとても伝わった。どんでん返しという点を期待して読んでいたこともあり、そこまで衝撃を受けなかったため評価はこの程度。ただ、登場人物へとても感情移入できた。人に勧めたくなるという訳では無い。
0投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログこれはきっと純文学ですよね? 主人公慎一の心理描写が凄い。鎌倉の情景も目に浮かんでくるようです。 道尾秀介の描く少年はぶっ飛んでいることが多いですが笑この主人公もあと一歩のところであちら側に足を踏み入れていましたね。 どちらかというと芥川賞っぽい感じの作品でした。
4投稿日: 2023.03.07
powered by ブクログなんともいえない嫌な小説だった。後味が悪い系というか、なかなかに形容し難い小説だったが、これはこれで等身大の人間らしさがあって私は好きだった。 小説はフィクションなので、どうしてもテコ入りされて上手いこと行くように書かれてしまうことが多いが、これは良い意味でフィクションっぽさがなかった。設定も話も、「こんな小学生がいてたまるか」という感じだが、でも登場人物の行動や感情の揺れが人間臭くて良かった。 すごく面白かった。話としては何も起こっていないのに、何かが起こっているという話の展開の仕方が上手かった。
1投稿日: 2023.01.25
powered by ブクログ子どもって純粋で残酷で。そして少し大きくなって周りが見え出した頃には寂しさや処理できない感情に戸惑ってしまう。作者は僕が子どもだったころの気持ちを知ってるのか?と思うくらい自分の苦い思い出がよみがえる・・・。
3投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ直木賞受賞作ということで期待して読んだが,どちらかというと純文学っぽいなと思った.道尾さんは本格ミステリの印象があるので,そのような内容を期待していると肩透かしを食らうと思う.
0投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログ直木賞、納得。 少年の閉塞感、胸に迫る。 読んでいて、目が離せない、やるせない、しんどい。こんなに感情移入して読むのは久方ぶり。
3投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログ子供の持つ、純粋がゆえの心の奥に巣くう闇の部分が静かに描かれていて、はやくここから脱したい、そう思ってしまうほどの不安に心が苛まれました。少年ゆえの苦悩、人生を生き様々な経験を積んだ祖父の心の内。大人である昭三が子供である慎一に対して対等に、一人の人間として向き合う姿・言葉がとても響きました。数十年後、大人になった慎一は、いつか自分の子供の頃のあの体験や気持ちを、どんな想いとともに思い出すのでしょうか。
6投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ2011年直木賞受賞作 ミステリーかと思ったら人間ドラマでした 小4の慎一、春也、同クラスの女の子の鳴海、慎一の母と祖父、鳴海の父親との間の複雑な人間関係に、慎一達が願いを託す「ヤドカミ(神)様」が絡む不思議な物語 でも最後はメッチャ緊張して手に汗を握ってしまいました
0投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログ少年期の純粋さと哀しみと残虐性が子供達を寡黙にさせるているかのようで、暗然とした小説でした。 父を病気で亡くし、海の事故で片足を失った祖父と母親と暮らす少年。貧しく父親からの暴力を隠し通す友人。少年の祖父との事故で母親を亡くした少女。三人は、いつしか親しくなり、ヤドカリを神様に見立てた秘密の儀式に、願いを込めるようになる。 それぞれの子供達から見た大人達が描かれる。大人達への寂しさからの不満が彼らの気持ちを支配していく。気持ちを表現できないのではなく、耐えている姿が痛々しい。抑えきれなくなった気持ちをぎりぎりのところで親達が受け取る。大人になるには、まだ早すぎたんですね。 直木賞受賞作として読み始めたら、鎌倉の建長寺が登場してきて、そうだ、建長寺へ行こうと思い立ち半僧坊まで登ってきました。なかなかハードなのでお子様は気をつけましょう。鎌倉の街や相模湾まで見れます。お天気が良かったので富士山も見えました。
58投稿日: 2022.11.10
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2022.03 図書館借本 * 簡単には言い表せない物語な気がする。小学生の純粋さが凄い。春也は何で手紙を入れてたんだろう、慎一のことが羨ましかったからなのか、いまいち春也という人物が掴めない。鳴海は大人になりたがってる女の子という感じがする。慎一はいちばん小学生っぽいけど、クライマックスが凄かった。 物語的にはつらつらと日常を書かれてるのかと思いきやクライマックスの疾走感が衝撃だった。実はおじいちゃんがキーマンなようでキーマンではない気がした。でもタイトルはどちらもおじいちゃんの言葉がキーになってる。慎一の思想はおじいちゃんの言葉が大きいということかな。
6投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ「道尾秀介」の長篇作品『月と蟹』を読みました。 『鬼の跫音』、『龍神の雨』、『球体の蛇』、『光媒の花』、『月の恋人―Moon Lovers』に続き「道尾秀介」作品です。 -----story------------- あの夏、海辺の町で少年は大人になる涙を知った 孤独な子ども達が始めた願い事遊びはやがて切実な思いを帯びた儀式めいたものに――深い余韻が残る少年小説の傑作。 海辺の町、小学生の「慎一」と「春也」はヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。 無邪気な儀式ごっこはいつしか切実な祈りに変わり、母のない少女「鳴海」を加えた三人の関係も揺らいでゆく。 「大人になるのって、ほんと難しいよね」―誰もが通る“子供時代の終わり”が鮮やかに胸に蘇る長篇。 直木賞受賞作。 ----------------------- 2011年(平成23年)に第144回直木賞を受賞した作品なので期待しつつも、小学5年生の少年が主人公の物語で、ミステリ色が薄そうだったので、イマイチかなぁ、、、 と思っていましたが、子どもたちの心理描写にリアリティがあり、自分が子どもの頃に抱えていた思いや、子どもならではの不可解な行動や遊び、狭い世界での閉塞感、仲間外れ、嫉妬、自意識過剰等の封印していた傷の部分を含め、当時のことが掘り起こされた感じがして、とても印象深い作品でした。 小学5年生の「慎一」と「春也」は、秘密の場所でヤドカリを神様に見立てた「ヤドカミ様」なる願い事遊びを考え出す… 100円欲しい、いじめっ子をこらしめる――他愛ない儀式はいつしかより切実な願いへと変わり、子どもたちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける、、、 東京から転校してきて、地元の子どもたちとは馴染めず、癌で父を亡くし、祖父の家で母と一緒に暮らしている「慎一」、関西から転校生で父から虐待を受けている「春也」、そして、クラスメイトで父子家庭の「鳴海」… 複雑な家庭事情を抱える三人の、家族を含めた微妙で複雑な関係が、ひと夏の出来事を通じて瑞々しい筆致で描かれていました。 愛する家族や友人にとって、自分はナンバー1でありたいという強い願望と、それが裏切られたと感じたときの憎悪や怒り、、、 愛する家族や友人との間に第三者が出現することによる嫉妬や焦り、猜疑心、やり場のない気持ちと複雑な心境… 等々の描き方は、ホントに巧いなぁ と感じましたね。 三人っていうのは、二人に比べ関係性のバランスが保ちにくくて、ちょっとしたバイアスがかかるだけで崩れてしまうんですよね、、、 そのバランスが崩れたときに生じる感情の奥底から突き上げてくる奇怪な瘤のような塊、惨酷な興奮、その暗い感情を抑制できなくなったときに、邪魔と思える人物を消したいと願うようになり、殺人を犯しかねないまでの事態に発展… 終盤はミステリを読んでいるようなドラマティックな展開で、どんどん先を読みたくなる気持ちを抑えるのが大変でした。 子どもって、素直さと惨酷さが同居しているし、心がピュアなだけに、周りの影響を受けて反応しやすいんですよね… でも、最後の最後で、自分の暴走に気付いてくれたので、救われた感じがしましたね、、、 三人は、これで大人への一歩を踏み出せたんだと信じたいですね。 「鳴海」の父と、自分の母の密会… 逢引きで使われているヴァンの前に飛び出したあと、、、 「慎一」の目に映った、ぎくしゃくと動く影… 二人の背後から後ずさるように遠ざかって行った影は、「春也」だったのか、それとも自分の分身だったのか… 答えは、読み手に委ねられていますが、私はきっと後者だったんだと思います。 読み応えがあり、印象に残る作品でしたが… ちょーっと、暗い面が強調され過ぎな感じはしましたね、、、 でも、それが「道尾秀介」らしさかな… ミステリではなかったけど、興奮したし、深い余韻が残った忘れられない作品です。
3投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログ著者の記念すべき直木賞受賞作品。子供の気持ちを描く事にこれより前までの作品では苦労されていたのだろうに。ずっと読んできた読者からしても、不遇な少年少女のミステリで受賞したことは、作風に対する評価でもあると納得できたのではないだろうか。この先もあっと驚かすミステリを期待してしまう。
7投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログ大人になった今もこんな感情を抱くことはある ましてや子供時代はもっと複雑だった 見事に表現されているが、読後感は良くない しかし一読の価値はあり
2投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログ鎌倉市にほど近い海辺の街で、父を亡くした小学五年の少年(利根愼一)と父親から虐待されている友人(富永春也)、母親を水難事故で亡くした同級の少女(葉山鳴海)の三人が絡み合う、〝子供時代の終わり〟に立つ思春期の不安と葛藤に喘ぎ、動揺する姿を描いた直木賞受賞作品。 愼一の母(純江)と祖父(昭三)、鳴海の父親ら゙大人゙たちの背負った哀しみの心情は、「終章」の胸せまるエンディングで一気に炸裂、昇華する。
8投稿日: 2022.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小学生の男の子が主人公だけれど、とてもヘビーな心理描写だった。初めて本物の殺意を抱いた少年がどんな顔をしていたか、考えるだに恐ろしい。 ただただ友だちと馬鹿なことをして笑い合っていた頃から、闇が押し寄せるまでの経緯が、丁寧に大胆に描かれていて引き込まれた。少年が色んな気持ちを味わうのがひしひしと伝わってくる。少年の心に「上手くいかない」と思わせる細々とした色んなこと。人がどのようにして引き返せないところまで来てしまうかがよく分かる。 子どもの頃の謎の遊び、残酷な思い付き、飢えたような感覚、自分たちで決めたルールや暗黙の了解、急によそよそしくなる瞬間。子どもの頃に経験した色んな気持ちが呼び覚まされていった。 口に出さないだけで誰しも内に抱えているものがあって、なんとかバランスを取って生きているということを、登場人物たちに再認識させてもらった。物語はハッピーエンドとはいかなかったけれど、生きていればいつでも再スタートできるから、慎一には頑張ってほしいな。親戚の子か何かを見守るような気持ちだ。
3投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログ初めて道尾秀介さんの小説を読んだ。 読んでいてもやもやさせられた。 天才作家をまた発見してしまった。
1投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ小学生は悩みなんてなさそうでいいよな、なんていつからか思うようになっていた。 かつて自分が大嫌いだった大人がそうだったように。 読み終えてそんなことに気づかされました。 メインキャラクターとなる慎一・春也・鳴海たち三人は皆「悩み」を抱えている。逃げ場がない分、彼らにとってその辛さは時として大人以上のはず。 自分自身、子どもの頃は少なからずしんどく、憂鬱で何かが削れていく感覚を味わう日々があったことが、道尾さんの解像度の高い心理描写でまざまざと蘇りました。 中盤、慎一の感情に引っ張られてズブズブと黒い感情が溢れていたかと思えば、春也の事情と吐露で一気にそうだような辛いよな...となったり。とにかく揺さぶられました。 終盤の疾走と焦燥といい、劇的な展開があるとは言えないのにすっかり引き込まれる物語としての引力が強い。 どんでん返しがとにかく有名な作者が、本作で直木賞を受賞したというのも読んでみて納得しました。 読後は決してすっきりとは言えませんが、行きついたその景色は目が離せない程に自分の原風景と重なるような気がしました。
0投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログもう少し爽やかなことが起きてもいいような舞台(海のある田舎、葉山かな?)で、すごくグロい、ハラハラしてしまうような日々の描写。 しかし、なんていうか子どもたちは人の心が読めすぎ、爺ちゃんを除いて大人たちは何も気づかなすぎ(気がついても見なかったことにするのも含めて。)大人と子どもの違いなのか。
0投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
たまに間違うねん、って「人差し指と中指で挟んでいるが、手の甲が顔の方を向いていて、あれではピースサインだ。」←好 p.268 p.310 最後てっきりお互いに願い事叶えるんだと思ってたのに全然違うエンド! スピード感あって実際の読むスピードも速まった もやもやした エモい
1投稿日: 2022.03.16
powered by ブクログ月と蟹、最後にタイトル回収! カミサマへの最後の願い事。 ラストは、慎一が思い直して 取った行動の描写がたたみ込む ようなクライマックスだった 道尾秀介の描写は、登場人物の 心情表現が秀逸
2投稿日: 2022.03.10
powered by ブクログ大人と子供の境目、見えないのに確かにある気がしている。「子供なんだから」「大人のくせに」日常会話にもよく出てくる。乳飲み子にはなかったはずのドロドロとした負の感情は、いつから子供の心に芽生え育ち始めるのだろう。自分の古い記憶に、楽しさや喜びと同じ数くらい、憎しみや恨みなんかもあることを、この子たちの物語を辿り終えた時、自覚させられた。
0投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ小学生らしからぬ考えや思惑と思いきや、小学生らしい衝動的な行動もあり、その心情を読み取るのがおもしろかった 情景描写がリアルすぎて本から目を逸らすほどだった
0投稿日: 2022.01.25
powered by ブクログ少年少女の心の脆さが溢れて、悲しくなる。 胸の奥には寂しさが 本当はいっぱい詰まってるんだろうに、、大なり小なり皆そういう事を乗り越えて大人になって行くんだね。振り替えると私など なんの苦労も知らず、平々凡々と生きてきたので、 こんな心の苦しみは計り知れないけど、こんな子ども達はたくさんいるんでしょうね。皆幸せになってほしいね。
0投稿日: 2022.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子供ならではの独占欲とか嫉妬心みたいなものが明瞭に書かれていていいなあと思った。 いつかのことを語る春也が印象的。彼らはそれぞれどんな大人になるんだろう。
0投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ国語の受験問題に出てくる本って、問題の中ではわからなかったけど、ちゃんと読んでみるとこんなに面白いんだって気付かされた本。 向日葵の咲かない夏と同じ著者って知らなかった。 グロテスクでダークな表現が上手で、すごく好みな文章。 他の作品も読みたい
0投稿日: 2021.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
慎一も春也も残酷な描写が多い。丸っきり残酷なのではなく、身近な人を心配したり悲しんだりするような心はもっているが、『どうすればいいの』『逃げ出したい』と傷ついているときに一層残酷的になっていたと思う。 春也が何を考えて慎一を追い詰めるようなことをしていたのかが個人的にははっきりとはわからなかった。 一周目の前提を踏まえて、二周目を読んだときに行動の動機等また新たに気づくことができるかもしれない。
1投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ直木賞と言う事で読んでみた。子供の話しなのに読み始めると暗くなかなか前に進まない。何度か止めようか迷いつつ読破。でも読んで良かった。小学生の不器用さや純粋さ、成長過程での迷い等が上手く表現出来る作者に脱帽でした。
0投稿日: 2021.10.09
powered by ブクログ少し難しい内容だなと思った。少年少女の成長が描かれている。面白いことは面白いが他の作品と比較すると少し退屈に感じた。
0投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログ直木賞受賞作と聞いて買った一冊。 少年少女の成長の話だった。 前半部分の、秘密基地みたいなのを作ったり、生き物を捕まえたり、隠れてタバコ吸ってみたり生き物を無意味な殺生など、自分が昔やった事と似た事が書かれていて共感できる事がたくさんあった。 しかし後半の人の不幸を願い実行に移すのはさすがにやっていない。 少年の心理や行動が細かく書かれていてよくわかった。 全体通してなんか暗い感じがする話だったが、少年少女の成長が感じられる小説でした。
3投稿日: 2021.08.31
powered by ブクログこの人の作品は、人の心の奥底にある忘れていたどす黒いものを白日に晒すのだけれど、それが嫌ではなくどこか懐かしかったりして、心に残る。
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ道尾秀介がようやく直木賞(第144回)を獲得した作品。 小学5年生の慎一は、父の都合により祖父の住む鎌倉に引っ越してきた。 しかし級友と馴染めず、 同じ転校生で大阪出身の春也、そして活発で誰にも分け隔てなく話す鳴海と話す程度であった 祖父は元漁師で、鳴海の母親を海難事故に巻き込んで死なせてしまう。 そして母は鳴海の父親と逢瀬を繰り返しているらしい。 そんなモヤモヤした状況の中、慎一と春也は「ヤドガミ様」という遊びを思い付く。 彼ら2人だけの秘密の場所で、目を付けたヤドカリを火で焙って貝から出した後、 粘土で固定して焼きながら祈る、という残酷なモノだった。 何故かその祈りの内容は、翌日に実現しているのであった。。。 道尾秀介作品は基本的に嫌いではないのだが、苦手な部分がいくつかある。 一つが「作品の根底にドロドロとした暗い雰囲気がある作品」 もう一つが「子供が主人公の作品」だ。 この直木賞受賞作は、見事に2つとも当てはまっている。 表層部分だけをなぞると、若干暗いものの、まぁ普通のジュブナイル小説という趣である。 (ラスト付近は狂気に満ちているが) 子供さながらの残酷さ、無邪気さ、率直さなどが色々と書かれており、 特に中盤の慎一、春也、鳴海の三角関係とでも言うべき部分は読んでいて甘酸っぱい気分にもなれる。 しかし、先述した「ラスト付近の狂気」の部分は 同じ道尾秀介作品である『向日葵の咲かない夏』に通ずる怖さがあり、 いやがうえにも“救いのないラスト”“最悪の結末”を想像してしまう。 結果的には少なくとも「最悪」ではなかったし、 何だか普通に終わった感じではある。 道尾作品に良く見られる「伏線回収」も特になく、 ミスディレクションも特にない。 ただただ、だんだんと「何か」に取り憑かれたようになる慎一が描かれる。 (最後には戻る) 果たしてこの作品は何だったんだろう、とも思わないでもない。 …と批判的な感じで書いているが、やはり上手いのか読むのに夢中になってしまう。 “いつか大変なことが起きてしまうのではないか”というマイナスの期待が膨らんで どんどんと読み進めてしまうのだ。 そして読後、何となく「あれで良かったんだな」と思えてしまう。そんな作品。
0投稿日: 2021.03.14
powered by ブクログ小学5年生の主人公。 親友と共におこなうヤドカリを使ったヒソカな儀式 そこに少女が加わることによってバランスが崩れてゆく 加害者家族、被害者家族、虐待と 様々な内容をはらんだ 思春期前の子供の残酷さ、鬱屈、葛藤を 突きつけられる1冊
0投稿日: 2021.03.04
powered by ブクログ女の子が大人というキャラクターが何か好きになれない こどもの残酷さが1冊まるまる書かれている 他の道尾秀介作品の方が好きかな
2投稿日: 2020.12.23
powered by ブクログ泣いた。ありがとう。キラキラしすぎてなくて読みやすかった。紡がれる世界が好き。 助けてと言えなかった子どもの頃の自分が浄化された気がする。もし、彼らと出会って、一緒にヤドカミ様にお願いしていたら、当時の私はなにができただろうか。 大人も子供もみんながんばって1日いちにちをのりこえていて、じゃあ正解はなんだったのだろうって言われても、やっぱりわからないけれど。人間は生きてる限り人間を傷つけちゃうのかな。 うまくまとまらないけど、もうちょっと生きようと思えた気がする。 こどもの考え方を感じ方をここまで描けるのがすごいな。懐かしく思いながら読んだ。 お気に入りの本がまたひとつ増えた。
2投稿日: 2020.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
道尾秀介さん直木賞受賞作品。読友さんの感想を読み、口渇感でたまらず購入。終始、少年・少女が暗闇の中で生きる様を描いていて辛い内容だった。転落事故、病死、虐待。慎一、春也、鳴海がそれらに翻弄される。行きつく先は「ヤドカミ様」、残酷にヤドカリを炙り殺す。解説にもあるが「危うい少年時代」。自分の感情表現がうまくできないため、自分が支配できるモノへの転嫁。この少年時期はとても繊細で、何をするのか分からない時期。ラストは、慎一が鳴海とサヨナラができたが、慎一にとって暗闇を浄化するイベントだったのかもしれない。
8投稿日: 2020.08.12
powered by ブクログ最後までミステリと信じて読み進めてしまったが、これは……青春小説じゃん! しかもとびっきり暗い。 友人と秘密の場所を見つけ、ヤドカリを神と崇めるごっこ遊びが、やがて実生活とリンクして暗い切実な願掛けとなってゆく。 事故の加害者家族と被害者家族の子供。親から虐待を受けている子供など、それぞれの事情を抱えながらも親しくなって行く主人公達。 親友と感情を共有する熱い思い。しかしそこに女の子が入る事で微妙にすれ違って行く。 まだ名付けることも知らなかった嫉妬、独占欲などの感情に振り回されて主人公はぐじゃぐじゃになってゆく。 子供時代ってこんなにもセンシティブだったか? 意外にも鋭く大人の嘘を見抜き、かと言って全体を見る事が出来ずに思い込みだけが暴走して行く。 圧倒的な筆力で小説世界に取り込まれて行くが、その世界はグロテスクで痛々しい。 読後感はあまり良くない。
12投稿日: 2020.07.22
powered by ブクログ久々の道尾秀介、直木賞を受賞作ということで攻めた奇想天外な物語性は抑えられ、狙いにいっているのではと訝しく思っていたけど、しっかりとグロテスクな表現が随所に散りばめられていて、あぁこれこれという感覚。 疑心、嫉妬、裏切り、暴力、精神的に蝕まれる感情がごちゃ混ぜに幼い主人公を襲う、容赦なく破壊する。何とも爽やかでない展開が続いていくけど、最終的にはみんな痛みを抱きしめて少し大人になってる気がする。 しかし、ヤドカリの描写はほんと食欲がなくなる、もちろん褒め言葉です。
3投稿日: 2020.05.29
powered by ブクログ子どもの残酷さ。目の前の事象に執着し過ぎて、その行動が引き起こす結果を考えられずに行動してしまう姿がよく分かる。初めはもっとキラキラした少年期の話かと思ったが、全くそんなことなく、むしろ後味は悪い結末。 親、親友、気になる異性といった自身の大切なものが奪われる恐怖に起因するとはいえ… でもお祖父ちゃんの存在と、鎌倉の海の風景のおかげで、妙な明るさも感じる物語。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログなかなかよい 少年少女の話だが、思考や会話は大人の物語。あっけなく死ぬ爺さんが時々よいことを言う。お前、あんまし腹の中で妙なもん育てんなよ。誰もが通る子供時代の終わりとカバーにある。
0投稿日: 2019.09.17
powered by ブクログいまいち 第144回直木賞受賞作品! ってこれが?(笑) すき・嫌いで言えば、嫌いな物語(笑) どちらかと言うと純文学に近い印象を持ちました。 「子供時代の終わり」ということで、友達関係の危うさ、自己顕示欲、ねたみ、あまずっぱい初恋のときめきや、嫉妬、母親への愛、大人への不信などなど、さまざま場面を通して語られています。 しかし、その場面場面が嫌な感じ。 また、ヤドカリを神様に見立てた願い事遊びが残酷。 そして、その願い事が切実な祈り。辛い祈りとなっています。 主人公の子供達の会話と心理描写も読んでいて辛い。 読み進めていくと、どんどん自分もネガティブな気持ちになっていきます。 救いようがない.. そもそも、この主人公の子供も、友達も、女の子も好きになれない(笑) さらに終わり方もスッキリしない.. ということで、道尾さんのミステリー、サスペンス作品に期待
3投稿日: 2019.08.31
powered by ブクログ2010年直木賞受賞作品。 少年時代の親や友達への感情の変化や抗えない環境の取り巻きを如実に描いた作品。純文学のような世界観で主人公の哀しみが主軸にある。今なら大人の事情もよくわかる。
2投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログここまで痛くしなくてもいいのに、と悲しくなる。 地元民としては、お祖父さんの口調がリアルで入り込んでしまいました。
0投稿日: 2019.07.28
powered by ブクログ道尾さんの描く少年少女は本当に息苦しいほどリアルです。何もかもが上手くいかない、上手くやる方法もわからなければその感情を消化する方法もわからない、子供同士の小さな世界も簡単ではなく、友情も危うく脆い。そして大人が想像する以上に子供は残酷で容赦がありません。大人の世界も理解しています。そんな経験を自分もしていたことを思い出していました。決して爽やかな読後感ではありませんが、このテイストでこの長さを一気に読ませてしまう筆力はさすがだと思います。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ親友、女友達、母に対する、恋とも愛とも友情とも判別のつかない感情が独占欲と嫉妬心を生む。 そんな中では何も上手くいかないというもどかしさが、少年らしさなのかなぁ と思いましたが、結局大人もそんな感情ともどかしさの中に生きているので、人間らしさなんだろうな。 そんな読後感です。
0投稿日: 2019.05.24
powered by ブクログ子供が持つ無邪気さと残酷さ、そして純粋さが危うくバランスを崩しそうな、いや、 少し崩れたものを子供ならではの稚拙さで繕おうとも足掻いているような。 それが成長ってものなんだろうか。上手く繕えたから大人になれたんだろうか?歪ん で繕ったから大人になったんだろうか。 『大人になるって難しいね』
1投稿日: 2018.11.11
powered by ブクログそれぞれ家庭的にままならない問題を抱えた3人の小学生:慎一・春也・鳴海を通して、「子供時代の終焉」をえがいた直木賞受賞作品。子供から大人になる物語といえば、大きなことを成し遂げて立派になるビルドゥングス・ロマンを想像するだろうが、本作は違う。ここにあるのは、シンプルに楽しいことだけを摂取できた子供が、ズルさ・憎悪・嫉妬・誤魔化し・欺きといったネガティブなものを吸収して穢れていくプロセスだ。成長とは、汚染とほぼ同義であるということを突きつけられる、とても苦い物語だった。
0投稿日: 2018.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本作は確か直木賞受賞作だったと思いますが、個人的には純文ぽく感じられ、ちょっと感情移入しづらかったです。 蟹とガン(どちらも英語でCancer)とかけているところや、その象徴と思われるヤドカリを生贄にする行為がとても記号的。加えて、それぞれの登場人物が内向的で人に話しづらい何かを抱えている(あとがきで「危うさ」と表現されているもの)ところに、本作はそれらを読み解かないと真価がわからない作品のように思います。 そのような行為を読者に強いる点に、娯楽性よりも国語の授業のような要素を強く感じ、それが純文ぽさを連想させるのかな、と。 結末のスッキリしなさもあって、正直あまり楽しめませんでした。知力の低い私的には、もっとわかりやすいエンタメ作品の方が合っているのだと思います。
1投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログ少年の残酷なヤドカリ遊びはいつからかヤドカミ様に願いを届ける儀式めいた遊びへと姿を変えた。 何処にも行けない場所で、それは何度も色を変えた。 宗教なんて大それたものじゃない、ごっこ遊びと暗黙の了解から生まれた自分たちだけの架空の神さま。 神さまの役目はひとつだ。
0投稿日: 2018.08.17
powered by ブクログもう少し若いころに読んでいれば、主人公と一体化し共感することができたはずだが、母親の気持ちもわかる年齢になってしまったからつらい。 描写が正確。著者のミステリー小説は読んだことがあったが、こんな繊細な心情を表現するタイプだとは思わなかった。
0投稿日: 2018.06.21
powered by ブクログクラスに馴染めない転校生同士。 お互い話せない家庭の事情。 二人だけの無邪気で残酷な遊び。 小学生の不器用で真っ直ぐなストーリー。 とにもかくにも重くて気持ち悪い。 小学生が抱えるには重すぎる現実に、必死に立ち向かい、時には逃げて。 読んでてしんどくて、読み終わってもすっきりしない。
0投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログ子供の繊細かつ不器用な気持ちを揺るがす数々のエピソードが主人公慎一、春也、晴海を揺さぶる。中だるみするような場面もあるが、中盤以降の慎一が抱く疎外感から、3人の仲たがい、それに起因する終盤の緊迫した場面と一気に読める。 ヤドカリをいぶり殺すシーンは痛々しいが子供ってこんなことを平気することもありますね。それにしても、1980年代を時代背景にする必要があるのでしょうか。
0投稿日: 2018.01.16
powered by ブクログ小学生の慎一と春也は同級生たちからはみ出していた。 そんな二人が見つけた遊びは、山の上にある岩場で採ってきたヤドカリに願い事をすること。 人は大人も子供も時に残酷になる。 そんなことを改めて実感させる話だった。 2018.1.14
0投稿日: 2018.01.14
powered by ブクログ2018.1.5 道尾さんにしか書けない切なく危ない世界観が大好きだが、 今回は自分の心と噛み合わず読んでて辛くなる時間が多かった。 なのにグイグイ読まされるのはさすが! どういう人なんだろう道尾さん。 直木賞ぽくない芥川臭ただよう作品だった。
0投稿日: 2018.01.06
powered by ブクログ道尾秀介氏の作品のおける少年像・・・ と解説に書かれていたが、 私としては、今一つ私の道尾秀介像と違う気がした。
0投稿日: 2017.11.25
powered by ブクログ最後の1ページを読み終えた瞬間、私は涙を流しました。慎一、春也、鳴海から見る大人への描写が、私の遠い記憶の中に埋め込まれたものと通ずるものがあったからです。きめ細かい描写が、私をこの物語の魅力に誘ってくれました。
1投稿日: 2017.06.15
powered by ブクログとにかく、嘘がない。引き込まれました。 大人が隠すことも、子供はストレート。 結局、大人も隠して生きているだけで、本質は子供と変わらない。変わらないんだけど、「隠して生きる」という大人のやり方が、決して汚いわけじゃなく、清濁合わせて呑み込みながら生きていくからこそ、人の傷みや共感ができるようになって、人生の深みも増していくんだと思う。 そういう意味でも爺ちゃんの存在が何気なく光っている。 良い小説だった。
0投稿日: 2017.01.27
powered by ブクログ2016年11月25日読了。海辺の街に暮らす孤独な少年慎一は、親友の春也と山の上の秘密の場所で「ヤドカミ様」を祭る儀式を始めるが…。道尾秀介の直木賞受賞作。少年の頃の、身悶えするほど恥ずかしくて自意識過剰で青くさい葛藤が生々しく、読んでいて胸苦しく切なくなった。常に不幸な結末を予感させつつ、最悪な結末は回避して清々しく終わるのがこの人の特徴だな。少年たちの地味ーで重苦しい日々の描写から、ラストのまさに空と海に駆け出すような急展開は読んでいてドキドキした。ミステリやどんでん返し、といった趣は薄いけれど、面白かった。
1投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログだらだらとしたストーリーで何回も途中で辞めて再開してを繰り返した。ヤドカリを炙る描写が気持ち悪く感じた。小学生の、大人になりきれてない描写は共感するものがあった。鎌倉のことや、歴史について学べた点は良かった。
0投稿日: 2016.11.19
powered by ブクログとにかく暗い。 子どもを使って人の持っている嫌な部分を描きます。 まだ、成熟しきっていない子どもだからこそ、 人の嫌な部分が際立ちます。 人ってなんなんだろうな。。
0投稿日: 2016.09.19
powered by ブクログ苦手な道尾秀介作品だった。 子供ならではの閉塞感や、心情の移り変わりをい描く点では非常に秀逸なのだが、やはり物語に共感しきれなかった。
0投稿日: 2016.08.08
powered by ブクログ2016/07/31 最後の盛り上がりがすごい。 一気に引き込まれた。 子どもの複雑な気持ちを、どうしてこんなにも表現できるんだろうなぁ。
1投稿日: 2016.07.31
powered by ブクログ2016年、19冊目は道尾秀介の第144回直木賞受賞作。 あらすじ:慎一は、小学3年生の時、東京から父の実家であり、祖父の住む、鎌倉近くの、海辺の町へ転校してきた。しかし、5年生の今もクラスに馴染めない。彼が心を許したのは同じく、関西から転校してきた、春也だった。彼らは海辺で遊ぶうちに、「ヤドカリ」を「ヤドカミ」として、願い事をするようになる。やがて、同級生の女子、鳴海を加え三人となるのだが……。 正直、読後のファースト・インプレッションは「どベタじゃん」。 ただ、慎一の家庭で内弁慶的になったり、クラスでは当たり障りないようにしたりとするなどの表現、描写は上手い。それが、嫌みじゃないし、だから、引き込まれてしまう。多かれ少なかれ、思春期男子が感じた違和感や、呑み込んだ言葉の数々を的確に表現していると思える。その点では、最大公約数で編まれた、トンでもなくイビツな成長譚ともとらえられる。ソコをクローズアップすれば、直木賞の受章も納得。 ソレでも、★評価が伸びなかったのは、生き物虐待へのアンチではなく、自分は道尾秀介に、展開の意外性やどんでん返し、張り巡らされた伏線やミスリードに誘う仕掛け、もっと読む者をグイグイと引っ張って行くドライブ感を求めているのだから。そういった意味でも「どベタ」。
0投稿日: 2016.05.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『シャドウ』に続き、道尾作品三作目。直木賞受賞作。なにかとても懐かしい気持ちになる作品。わたしが小さい頃によく鎌倉を訪れたからだろうか…。慎一、鳴海、春也と三人の子供たちそれぞれの心情の描写が巧く「わたしにもこんな頃があったなぁ」と、少しセンチメンタルチックになりました笑 それにしても道尾さんっていろんな作風を描けるんだと感心しました!次は何を読もうかしら^^
0投稿日: 2016.03.09
