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アンの娘リラ―赤毛のアン・シリーズ10―
アンの娘リラ―赤毛のアン・シリーズ10―
モンゴメリ、村岡花子/新潮社
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総合評価

27件)
4.5
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6
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    原題:Rilla of Ingleside、炉辺荘のリラ 原題の通り娘のリラの目線から物語は描かれている。 のどかで平和だったカナダの田舎の町が戦争によって色褪せたようなイメージだった。大変な中でもリラはたくましく成長した。読み終えて清々しい気持ちになった。 【赤毛のアンシリーズを全て読み終えて】 アンの目線で書かれているのは2巻までではないでしょうか。アンが2行くらいしか出て来なかった巻もありました。 それはさておき。カナダの景色をずっと思い浮かべながら読む事ができました。 この物語が1908年頃に書かれていた事に驚きます。

    15
    投稿日: 2025.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとあろうことか11巻の文庫本の裏で盛大すぎる一番のネタバレをされてしまったのでもうどうしようもない。悔しすぎる。ウォルターが戦死したって、せめてもう少しぼかせ。 そして序盤だったので忘れそうになったけど、たった1文でマリラが死んでたと書くなんて!マリラの筆跡に手の震えを感じる記述があってから、マリラが死んだらアンがどうなるかと心配してきたのに呆気ないにも程があった。 ウォルター大好きだ。そりゃあんな美しい自然があったらそうなりますよ。一緒に語る妄想をした。忠犬マンディも素晴らしい。スーザンが炸裂しているという感想をどこかで見た気がしたけどよくわかった!笑えるし良いキャラをしている。当時のカナダでは家政婦が当たり前にいて羨ましい。 所々感性がわからないという箇所もあった。自分の一番大切な猫を溺死させた完全にサイコパスのブルースにはドン引き。また、ご近所さんに問題があるのはどこも同じか。高地のサンディじいさんがスコットランドのハイランド出身だという意味が何人にわかるだろう。 戦時中には選挙に熱中し、世界の地理に詳しくなり、味方が勝てば喜び、負ければあんなに落ち込むのだろうか。第一次大戦だって終わって100年ちょっとなことにびっくりする。いつ終わるかわからない中生きるのは辛そうだった。ブライス家が貧困に陥らなかったのは良かったけど、ギルバートどんだけ稼ぎあるんだ。 飛行機や自動車がやってきた時のプリンス・エドワード島は元に戻らないという記述に共感し、切なくなった。だから昔の生活に惹かれるのだろう。 戦時中の辛さを表現した一冊だったので、次は平和を感じたい。辛い1冊のはずなのに面白く感じたのは自分の調子が良かったからだろうか。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    赤毛のアンのシリーズ10を読み終わりました。 実質的な最終章とのことでしたが、全般的に第一次世界大戦に突入した背景の中でのお話で悲しかったです。 最後の最後で感動しました。大好きな終わり方。 次は、赤毛のアンのシリーズ11に入ります。

    12
    投稿日: 2024.10.23
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    “赤毛のアン”の名前を知らない人はいないと思います。 男の人でも。 でも、一冊目は読んでる人でも、アンのシリーズの後半まで読んでいる人はそういないと思います。 (私が一番好きなのは最終巻で、アンが出てこない「アンの友だち」なんだけど、読んだ、という人に会ったことがない。大好きな短編がいくつもあるのに) もしくは大昔読んだことある人も、いま読み返すと、おそらく、ええ?こんな話だったっけ?と愕然とするのではないかと思うのです。 なぜかというと、これは銃後の話だからです。 この話のヒロイン、アンの娘リラは、このとき10代の美人……。 この年頃はたいていそうですが、熱血で元気で、あまりまだよくものがわかっていない。 大陸で戦争が始まり、中立国のカナダは参戦するかどうかためらっているところからお話は始まります。 でね、若くてきれいな女の子に、義を見てせざるは、な〜んて演説されちゃったら、その気になる男の子は出てきちゃうわけですよ。 で、友だちに、人の彼氏に何言ってくれてんのよ!? とブチ切れられたりする。 もちろん戦争に行ったら無事に帰ってこられる保証なんかないわけですから、それがわかってる女たちは、当然息子や恋人に行ってほしくないわけですよね。 そうして、いままで凄く仲良くしてて、ちゃんとした人だとわかってたドイツ人のおじさんが、いきなり村八分になったりもする。 アンの家の女中さんも、普通の人だったのに、ドイツ野郎なんて信用できませんよ、みたいなことを、したり顔で鼻高々といいだしたりしてしまう。 モンゴメリーはもともと田舎の人たちの口さがなさや詮索好きな嫌らしさを持った、生身の人々、を書いてきた作家です。 ですから本当に単なる家庭小説の一環として、戦争の世界を女たちの視点から、ありのままに平凡に綴っていく……。 そういうのって、子どものときに読んだときにはわからなかった。 筋は追えても。 でもこの本を読んだときになんかよくわからないけど、もやもやする、違和感を感じる、これはなんだろう、と思ったんです。 それがようやく、今回もう一度読んでみてわかった気がした。 モンゴメリは、反戦思想じゃないんです。 もちろん、この時代、反戦思想は、まだほとんど存在していなかった。 今でもアメリカやイギリスでは主流の思想ではありません。 リラが一番愛している穏やかな兄のウォルターだけが、戦うこと自体を嫌がります。 人の体を銃剣で刺すなんて、考えただけでも耐えられない、といって。 でもそのウォルターですら、出かけていかざるを得なくなる。 そのすべてをモンゴメリーは反戦思想ではなく、ありのままに描くのです。 日本の戦後の児童文学は、そのほとんどが反戦思想の立場から描かれています。 第二次世界大戦後は、アメリカやイギリスでも反戦思想を底にして描かれる本が増えました。 ある意味、反戦思想ではない、物語、というのを子どもの私は初めて読んだのです。 そしてそれは衝撃でした。 モンゴメリはカナダやアメリカではそう評価されてない作家です。 カナダに行ったときに、B級作家扱いをされていてとても驚いたものですが、彼女は日本でだけ! 有名なのです。 それはこの思想性の浅さ、にあるのかもしれません。 モンゴメリは、人は生まれは関係ない、といいながら、あの人はパイ家の者だからね、と、つい書いてしまいます(実際に人々はそう振る舞うのだろうし)。 女性が自立するのはいいことだ、といいながら、結婚していない女は一人前ではない、という“感情”から抜け出せませんでした。 仕事をして功成り遂げたとしても……。 同じ頃のジーン・ポーターの「リンバロストの乙女」などと比べると、同じ生身の口さがない人々を描きながらも、その違いは明らかです。 ポーターの描く女の人は自立しているのです。 この物語は浅はかだったリラ、が苦しみを経て成長していく姿を描いているのですが、最後の五行は衝撃でした。 正直、どう考えたらいいのかわからない。 子どもだったときは意味がわかっていませんでした(だから、覚えていませんでした)。 というわけで、これは大人の皆さんに読んでみて、いただきたい1冊なのです。 2024/02/29 更新

    0
    投稿日: 2024.02.25
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    赤毛のアンシリーズの最終巻。このシリーズの中で一番好きな巻で、これまで何回読み返したかわからないし、これからもまた何回も読み返すと思う。 戦争の中でリラが成長していく様子が見事に描かれている。 何度読んでも毎回泣いてしまうシーンがあり、今回もやっぱり泣いた。 次読むのはまた来年の今頃かな。

    1
    投稿日: 2023.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンの少女時代とアンの娘リラの少女時代の対比ですごく心を打たれた。最後にケネスと結ばれてよかった、、

    0
    投稿日: 2022.07.30
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    いよいよアンシリーズの最後。アンを取り巻く人たちのお話でまだ読んでいないものはあるようだけれど、私の中ではいったん、最後と位置付けたので、ついに、という感じで読み進めた。 アンとギルバートの末っ子、リラの視点で物語は進む。アンシリーズではこれまでになかった戦争(第一次世界大戦)が物語に大きく影を落とす。 アンの息子も3人とも戦地に赴くことになり、辛く苦しい時期が続く。そんな中でも、戦場と化していない場所では生活は続くのだと改めて認識した。女性は女性なりにできることをし、戦況に一喜一憂しながら、日々は続いていく。本作の一番の見どころは、リラの成長だと思う。本来なら若く楽しく美しいばかりのはずの10代を、こんなはずではなかったと思いながらも戦争という時代とともに生き、素晴らしいひとりの女性へと成長していく。特に戦争孤児のジムスの存在は大きかったのだろうと思う。 物語の序盤では、さらっと、すでにマリラが亡くなっていることが描かれていて、当然だけど、もうアンもいい歳なんだなーと感慨深かった。 リラのお相手、ケンが帰還し、「リラ・マイ・リラ」と呼びかけるエンディングは、アンの想像力に負けず劣らずロマンチックだったような気がする。

    3
    投稿日: 2022.04.21
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    この本は『赤毛のアン』シリーズのうちの一冊、だれもが聞き覚えあるだろう赤毛のアンの、末の娘であるリラが主人公の物語です。アンが誰と結ばれたのかは物語を読んで楽しむべきでしょうから、ネタバレはしません。周りの人々の話も物語を通して楽しんでほしいところです。 リラは、物語の初めはまるで小さな女の子で、まさに末っ子でした。イングルサイドで過ごす10代の幸せな時代……しかしそんな時に、戦争が始まってしまいました。リラと同じく子供だった男の子たちは戦場へ、女の子たちも国のために寄付を集めたり服を作ったりと活動します。そんななかリラはひょんなことから一人で赤ちゃんを育てることになりました。ただの女の子だったリラが、苦悩し立ち向かい成し遂げる、立派な大人になる姿を追うことができます。 私が赤毛のアンを読んだのは中学1年生の時です。それから一気にすべてのシリーズを読んでしまいました。 アンがグリーンゲーブルズで幸せな暮らしを手に入れ、青春を謳歌する姿を読んだ後に知る、そのころのアンと同じくらいの年齢のリラ。そのたくましい姿には心動かされるものがありますよ。もちろん『赤毛のアン』シリーズには、他にもたくさんの素敵な物語があります。アンの学生生活や恋愛、幸せな子どもたちとの暮らし……どれも物語に浸れる素晴らしい作品です。 (読プロ現役学生:マゼンタ)

    0
    投稿日: 2021.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず『Anne of Green Gables』を生み出してくださったルーシー・モード・モンゴメリ女子に感謝を。 『赤毛のアン』として日本で初めて出版しシリーズ10冊を私たち読者に届けてくださった村岡花子さま、関係者の皆様に心から感謝を。 第一次世界大戦下のアンと周囲の人々の生活をアンの末娘リラを女主人ヒロインに据え描かれる。 『リラはあまり突然に、そして完全に、この新しい世界へ移し植えられてしまったので、自分でわからないほど当惑してしまった。』(作中引用) 全くその通り。 現実では新型コロナで生活は一変してしまった。 戦争と比べるべきではない。 しかし、こういう現実だからこそ、今こそ今作は読まれるべき作品だ。

    0
    投稿日: 2020.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンとその家族が第一次世界大戦下を どう生きたのかを一番下の娘である リラの目線で描いた物語である。 今回久々に読み返したが、新型コロナによる 予想だにしない生活を強いられている今 読み返すと実感できる部分は多かった。 しかし、新型コロナは戦争ではない。 戦争と比べてはいけない気がした。 全てを読み比べているわけではないが、 改訂版として追加になっている部分の 多くは戦況についてのやりとりで、 もっと詳細に描かれている。 カナダは戦場になることはなかったが、 家族や親しい人々を離れた戦地に送り出し、 新聞などで戦況を知っては気持ちを 浮き沈みさせる日々。 その一方で、戦争のさなかにあっても、 日々の暮らしの中にささやかなおかしみや 笑いもあるということを個性豊かな登場人物を 通してユーモアたっぷりに描いている。 そして誰もが心労を抱えながら、気持ちを 奮い立たせて日々の暮らしを守ろうとする。 その言葉や行動は勇敢で力強く、読んでいて 心底励まされる思いだった。 10代のリラが精神的に成長してゆく様は 実に頼もしい。 辛い思いをしただけの価値があると言って、 その日々を面白いことがぎっしり詰まっている日々と 取り替えたいようとは思わないとキッパリ断言するリラ。 それは人生の真理だ。 昔から一番好きなシーンは決まっている。 リラが戦死したウォルターの手紙をユナに手渡すところ。 何度繰り返し読んでもそれは変わらない。 『「ありがとう」ユナはこれだけしか言わなかったが、 その声を聞いてリラは自分のささやかな犠牲が 報われたことを感じた。』 込められている深い意味、言い尽くせない多くの感情で 重たくなっているにもかかわらず、どこか軽やかで 清々しいこの一文はしなやかな名文だと思う。 リラの目を通して描かれている本作だが、 私はアンの目線で描かれた物語も読んでみたい。 年齢も50代となったアンは今の私と同年代。 感受性の豊かなアンが母として、一人の女性として どんなことを思いながら戦時下の日々を過ごしたのか 知りたくなった。 戦争から帰還したジェムは言う。 「古い精神を追い出すだけでは足りない ー 新しい精神を導入しなくてはならないのだよ」 まさしく今に通じる言葉だと思う。

    0
    投稿日: 2020.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    毎日毎日、本を読んでいるけれど、読書でこんなに泣いたのはホントに久しぶりだとおもう。 個人的には、「赤毛のアン」に匹敵するくらい好き。 第一次世界大戦が始まり、悲しいことが山ほど起こり、最初は悲しくて泣けます。 が、最後の最後は命の大切さが見に染みて感じられる心からの涙を流すことになりました。 マンデイの健気さ、心が締め付けられます。

    0
    投稿日: 2016.02.09
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    戦争がはじまって、リラはアンとはまったく違う青春を過ごすことになりました。 母であるアンが「戦争があなたをはやく大人にしてしまった」と話すシーンは切なくなります。 戦争が起これば子供たちから子供時代を奪うことになります。 アンとリラには悲しい別れもあり……お手伝いのスーザンの明るさ、たくましさが救いです。 プリンスエドワード島というカナダの田舎で、人々がWW1をどのように受け止めたかという貴重な記録でもあります。 著者のモンゴメリも戦争のニュースに一喜一憂し、疲れ果ててしまったようです。 新潮文庫では順序が変わっていますが、執筆時期は『炉辺荘のアン』の方があとだったそうです。

    0
    投稿日: 2014.11.22
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    kindleにて。アンの末子、リラが主人公。第一次世界大戦の頃の話で、内容はかなり悲惨な部分も含まれているのだが、それでも夢中になって読んだ。これでシリーズ10冊読破。ばんざい!

    0
    投稿日: 2014.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カナダの戦争に対する態度を知ることができる。 アンの娘リラが年頃になり、難しい問題に直面する。 カナダの置かれていた状況を知ることにより、物語の深みを感じることができるかもしれない。 映画の三作目で、なぜ戦争を題材に取り上げたのかが分かった。

    0
    投稿日: 2013.04.24
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    第一次世界大戦中のカナダの状況や人びとの心が、小説を通じて伝わってくる。 最後に読んだのは何年も前(もしかしたら10年くらい経つかも?)だけど、毎年ライラックの咲く季節に「リラ・マイ・リラ」の愛称を思い出す。

    0
    投稿日: 2012.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンシリーズの最終巻。 そして、シリーズの中では異色の巻である。 一つは、物語がアンの末娘リラの視点を中心に綴られていること。 本巻で我々は、アンの心中も、主にリラの視点を通して知ることとなる。 そしてもう一つは、戦争の描写が多いこと。 第一次世界大戦が開戦し、アンの家族もその渦へと巻き込まれていく。 アンが「私の赤ちゃん」と呼び、自らの実母と養母の名をつけた末娘、 バーサ・マリラ・ブライスは物語冒頭では15歳。 「兄弟の中で唯一、なんの野心も持ち合わせていない」リラは進学をせず、かといって「家庭的で、お料理が好きというわけにもいかない」うえに裁縫や掃除も苦手という女の子。家族から子ども扱いされるのにはもううんざりで、社交界デビューを待ち望んでいる。 「人生を味わうですって?わたしなら食べてしまいたいわ」 来たる人生最良の時期をひたすらに楽しみに待つ彼女は、 すらりと背が高く、とても美しい。そしてその美しさを自分でもよく 心得ている、少しうぬぼれ屋さんなところもある。 そんな愛すべきうぬぼれ屋さんのパーティーデビューの夜、 イギリスはドイツへ宣戦布告する。 長兄のジェムはすぐに義勇兵として出征し、村の人々の話題は戦争一色となる。 その慌しい変化の中でリラは「勇敢で、雄々しく、わがままを捨てようと決心」し、 赤十字少女団を結成したり、ひょんなことから赤ん坊を預かって育てたり、 難局に立ち向かっていく。 新聞に戦死者名簿が載るようになり、リラの笑顔も消えていく。 こんな風に暗い娘時代を送らなければならないリラをかわいそうに 思いながらも、その困難の中で成長していく娘を誇りに思うアンの母親としての視点はいつくしみ深く、温かい。 ケネスとリラの婚約を知った時の、アンの寂しさが胸に迫る。 そしてウォルターの戦死。 シリーズを愛しているからこそ、次々と起こる辛い状況の描写に 読み手も胸が引き裂かれそうになる。 あのダンスパーティーから4年。 リラの内面が大きく成長したころ、戦争が終結する。 ラスト一行、このたった一行だけが この巻で心の底から「よかった」とほっとできる描写である。

    0
    投稿日: 2011.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    末娘のリラが、アンとは対照的な環境の中で大人になっていくのが切なかったです。この後、アンの青春時代のものを読み返すと、平和でほっとします。 個人的にはマシュウの次にウォルターが大好きだったので、悲しかったです。

    0
    投稿日: 2011.08.30
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    最初に「リラ」を読んだのは、もう40年ほど前。確か中学生の時である。「アン」シリーズが好きで、シリーズ一冊目の「赤毛のアン」から十冊目の「リラ」まで、何度も通してよく読んでいた。 この新潮文庫版は、約50年前に世に出た村岡花子の翻訳に、時代に合わせて一部手直しを加えて2008年に刊行された改訂版である。 舞台は第一次世界大戦下のカナダ。大切な人々が戦地に赴き、不安と緊張の日々が続く中で、十代のリラは、少しずつ成長していく。母アンの、のどかな青春とは色合いの違う、くらく、心沈む毎日。それでも人々は生きていかなければならない。希望やユーモアを織り交ぜながら。そして、その日々は、リラの心に深い色を加えていったようだ。 この本を、初めて訪ねた丸善東京本店の松丸本舗の書棚で見つけた。こんな所にリラが? その書棚には、東日本大震災を受けて、苦しい日々をどのように生きていくか、といったテーマの本が並んでいた。被災地に住む我々は、あの日以来、逃れることのできない不安と緊張の中で生きている。それは、リラの青春の日々と重なるものだ。 このような視点から「リラ」を見ることができるとは、新鮮な驚きだった。 「リラ」が、「アン」シリーズのうちの一冊、という以上の価値を与えられたようで、古い馴染みの私としては、思いがけない喜びだ。 この時代に生きる若い人たちに、共感してもらえる一冊ではないかと思う。

    0
    投稿日: 2011.07.11
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    赤毛のアンシリーズの最終巻。この10冊を読むのに、三年近くかかったように思う。 赤毛のアンの物語なのに、最後はアンの娘であるリラの物語になっている。あまり期待していなかったが、読み進めるうちにどんどん引き込まれていった。シリーズの中で、一番好きな巻かもしれない。 他の巻は、どちらかというとバラ色のストーリーだが、この最終巻だけは戦時色が濃く、とても暗い。そして大事な人の死にも直面し、とても悲しくなるところがある。 そんな中でも、末っ子のリラが日々成長していく姿が素晴らしい。戦争の中で、今までの楽しい生活が一変し、大事な人をこの世から無くしてしまうといった不幸に直面する。そういった困難を乗り越える中で、初めて人は成長できるのかと思った。 先日、東北地方太平洋沖地震が発生し、多くの人の命が奪われ、各地で深刻な被害が出ている。原発事故も近隣諸国を含めてとても危険な状態だ。こんな理不尽なことがどうして起こるのだろう?平和な日本に起こった危機的な状態。この困難を皆で乗り越えることで、一人ひとりが成長できるはず。リラのように。

    0
    投稿日: 2011.03.14
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    最初は生意気な印象だった末娘のリラの成長がすばらしい。 シリーズの中で異色に感じる程人生のシビアな面が描かれているが、それはモンゴメリ自身が第一次世界大戦を経験したからに他ならない。それでも、アンから引き継がれた想像の世界や、希望を失わない人々に勇気づけられ、読者はシリーズを終えることになる。 最後にこの1冊があることで、シリーズの読後感が引き締まる。

    0
    投稿日: 2010.09.19
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    赤毛のアンシリーズ最終巻。最初の巻を読みはじめてから1年くらいかかったかな。ゆっくり読んできました。 この最終巻だけは、のんびり平和な今までとは違い、戦争のせいで全体の雰囲気が暗め。でもリラの成長とともに書かれたこの巻は私は結構好き。

    0
    投稿日: 2010.09.16
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    赤毛のアンシリーズで一番好きな巻です。 20歳のころ読んだのが最後だから、もう一度読みたいな。

    0
    投稿日: 2010.08.31
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    これまでのアンのシリーズとは一線を画したお話です。 一冊すべてが戦争で彩られている。 その中で青春時代を過ごさなくてはならなくなったリラちゃんのお話。 「リラ・マイ・リラ」という愛称がマリラと通じていてどうにも切なくなりました。 アンの物語全編にわたって言えることなんですが、生活習慣とかとらえ方とかの違いをすごく身近に感じられる物語です。

    0
    投稿日: 2010.06.06
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    2010.4 アンがアンではなく「ブライス夫人」になってしまい、ちょっとさびしい。WWⅡほどWWⅠの記憶(知識)がなかったので、世界史の本を久しぶりにひっくり返してみる。戦争の政治的な話が多くて、少しつまらない。カナダが参戦していたことを、昔歴史で勉強した時は知らなかったっけ。

    0
    投稿日: 2010.04.26
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    アンブックスのよさは「何気ない日常の中に含まれる人間たちの豊かなペーソス」だと思う。 起きる事件といえばせいぜい自分ちの牛がお隣のキャベツ畑を荒らしてしまったとか、ケーキを持って歩いているところを見られるのは恥ずかしいことだと思い込んで、思わずケーキを川に投げ込んでしまったとか、その程度のこと。 そんなささいな出来事に潜む小さなおかしみや悲しみなどの感情を豊かに描きだしているところが、アンブックスの一番の特色だと思う。 でもそんなアンブックスの中で、この『アンの娘リラ』だけは「世界大戦」という大きな史実が下敷きにあるので、他のアンブックスと比べて登場人物の喜びや悲しみの質がまるで違う。 作中でアン自身が言っている通り、同じ10代の頃のアンとリラの経験を比べると、なんという大きな差があるのかと愕然とする。

    0
    投稿日: 2009.12.12
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    最初は四苦八苦しつつでしたが、途中からは楽しく読むことが出来ました。 リラの精神的成長と、それを見守りながら一喜一憂する家族の姿がしっかり描かれていて、とてもよかったです。 さらにすごかったのが、風景描写。 単なる描写に留まらず、モンゴメリならではの表現がちりばめられ、主人公の心理ともきちんとリンクさせているところは、さすがです。

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    投稿日: 2009.04.21
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    読んだ後、暗い気持ちになった。第一次世界大戦が世界の人々に与えた暗い影響。それが重くのしかかった話だった。反戦本だと思う。

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    投稿日: 2008.10.04