
総合評価
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powered by ブクログ日経新聞に早川書房社長のコラムの連載があり、その中で著者のクラーク氏のことが触れてあったのを読んだら無性にクラークSFを読みたくなってしまいました。 未読の本書があったので読んでみる。 人類の月着陸船プロジェクトを詳細に描く本作はもちろんアポロ計画より前に発表されながらも実にリアルに描かれた、あり得たかもしれない宇宙計画だ。宇宙へのあこがれや地上の諸問題をほっぽらかしてなぜ宇宙へ行くのかといった観点を正面から描き清々しい。第二次対戦をのりこえて世界がむかうべき道が宇宙に広がっているとか、成層圏の外側に国境はないとか、今読めば赤面するくらい真っ直ぐに描く。月へ向かう多段式ロケットは原子力エンジンで、オーストラリアの砂漠に建設された長い斜路を核汚染物質を撒き散らしながら滑走していく。原子爆弾の諸問題がまだ尾を引いている最中でもこの設定だよ。だけどそれがなんだ!天の光は全てなんとかで描かれたような独りよがりの胸焼けするようなきもい妄想ではない。クラークには明確なビジョンがあるのだ。この2作あとに「幼年期の終わり」が発表される。クラークはやっぱり最初からクラークなんだね。このストレート感がたまらない。なんだかちからが湧いてくる。もう一回クラーク読み直すかな。 現実世界のアルテミス計画がコスパ優先のしょぼいプロジェクトに終わらないことをお祈りする。
17投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログキャンベル「月は地獄だ」の前編みたいな感じ 表紙 6点長谷川 正治 展開 5点1951年著作 文章 6点 内容 550点 合計 567点
0投稿日: 2016.08.25
powered by ブクログA・C・クラークの訃報を知ったのは、ついこの前のような気がする。 そういえば、彼の作品を読んだことがあったっけ? あったような、なかったような、記憶が非常に曖昧であった。 ならば、この機会にどれか読んでみようと思い立った。 クラーク最初の長編ということで、とりあえずこの作品を手にとってみた。 人類が初めて月へ行くお話である。 アポロ11号が人類最初の有人月着陸を果たしたのが1969年7月。 今さら何を??なお話だし、 この本に登場する宇宙船プロメテウス号の月飛行計画とアポロ計画とではずいぶんと食い違いがある。 読み始めはとても不安だった。 ところが、なかなかどうして2008年現在でもけっこう読ませてくれるのである。 この作品が書かれたのは1951年。 プロメテウス号の月飛行計画はなんと、現在のスペースシャトルと同様な方式(巻末の解説によると「地球周回邂逅方式」)を採用しているのだ。 1回ごとにサターン5型ロケットを使い捨てにしたアポロ計画よりも、 スペースシャトルに近いプロメテウス号のやり方のほうが合理的。 クラークの未来予測の方がアメリカのアポロ計画よりも時代を先取りしていたのである。 彼の英国空軍時代は技術畑でレーダーの開発等に取り組んだこともある経歴の持ち主。 テクノロジーをよく知っている強みがこの作品に発揮されているのだろう。 もっと他の作品も読みたくなってきた。
0投稿日: 2014.03.04
powered by ブクログ副題:PRELUDE TO SPACE 著者:アーサー・C・クラーク/山高昭訳 出版:早川書房 価格:480 初版:1992-3-31 クラークの近未来小説。月への人類初の旅について語る処女長編。1947年に書かれた作品。 歴史学者であるダークの目からみた、はじめての月旅行までの道のりが題材。ストーリー性から言えば、同じアーサーのヘイリーなら、もっとうまく小説にしただろうと思われる部分(最後に反対派が破壊工作に来る部分など)が非常に多くあるが、初期のクラークの作品という事で 許してしまおう。最後のエピローグでは、ダーク(これはどうしてもダーク・サイド・オブ・ザ・ムーンを連想してしまうが)の回想という形で、その後の事が書かれているが、この部分がもっともクラークらしい部分である。近未来のテーマは、少なくとも私はあまり好きではない。海底牧場もまたしかりである。
0投稿日: 2011.09.03
powered by ブクログ月へ行くまでの物語。 単純明快です。 ある程度SFを読んだ人には 単純で退屈してしまうかもしれないけれども、 よく刊行年を見てください。 そしてその後にあった出来事を思い起こしてみてください。 あるいみびっくりでしょ? もう一つびっくりするシーンがありますけどね…
0投稿日: 2010.06.26
powered by ブクログアーサー・C・クラークの長編処女作。 草の根レベルから宇宙開発(当面の目標は有人月面探査)への関心を高めんと、 物語形式で著された科学啓蒙書。 軸足はあくまで科学の啓蒙に置かれているため、 反対派の妨害工作等の描写はあるものの、ストーリーは全体的に起伏に乏しい。 小説のつもりで読むには辛いが、ソ連との宇宙開発レースの影響で歪められてしまった アポロ計画の、本来あるべきであった姿を偲ぶには最適のテキストなのかも知れない。
1投稿日: 2010.05.31
