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黄色い目の魚
黄色い目の魚
佐藤多佳子/新潮社
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総合評価

130件)
4.2
64
27
29
3
2
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    10代の頃のひりひりした感じが伝わってきた。 絵を描くときの情熱、描かれる時の気持ちの表現も鮮やか。 ちょっぴり胸キュンなのは、ほどよいスパイス。

    9
    投稿日: 2025.05.28
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    痛くて切なくて頑なで…こんな物語に若い頃出会いたかった! 木島悟と村田みのりの心情が、小説というキャンバスの中に広がって見えた。 「りんごの顔」 小学五年生の木島悟はろくでなしの父親、テッセイの暮らすアパートで一晩を過ごすことになる… 悟の意地らしさに思わずうるっときた。夢の中でりんごが「顔を描け」と迫る。怖くて泣き出す悟の代わりにりんごの顔を描くテッセイ。この夜の父の後ろ姿を悟は決して忘れないだろう。 「黄色い目の魚」 みのりちゃん、魚は動物じゃないのよ… 家でも学校でも嫌われる村田みのりは、イラストレーターの叔父、木幡通のアトリエに入り浸る。 テンポが良くさくさく読める。 中学生になり、知り合ったみのりと美和子。 みのりを『サンカク』三角の目をした魚のサザナミヤッコに、美和子を『オサシミ』マヌケなアワビに例えて、女子二人の関係が描かれていく。 最後はホロリとさせられた。 「からっぽのバスタブ」 高校で同級生になった村田みのりと木島悟。絵の上手い悟と絵(を見ること)が好きなみのり。敏感で傷つきやすい"思春期"の表現がとても上手い。 後ろの扉は閉ざされて前の扉には手が届かない。暗い廊下のような場所で私はぼんやり佇んでいる。 前に歩いて行けるだろうか。 次の扉を開けるだろうか。 「サブ・キーパー」 木島悟は母と妹と、葉山のおじいちゃんの家で暮らし始めた。おじいちゃんがいいなぁ! 「彼のモチーフ」 「ファザー・コンプレックス」 「オセロ・ゲーム」 「七里ヶ浜」 サッカー部のこと、家族のこと、好きの気持ちとジェラシー、大人に少しずつ近づく悟とみのり。二人の心の機微が繊細に描かれていた。 「りんごの顔」と表題作「黄色い目の魚」が特に良かった。 後半は少し長めに感じられた。 悟が描いたみのりの水彩画を見てみたい!著者は「心の空洞」「居場所」「大切なもの」を上手く文に落とし込んでいると思う。 過ぎ去った遠い日々が寄せる波のように現れては消えていき、海の音がいつまでも心に残った。

    24
    投稿日: 2025.05.28
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    木島は何かに真剣に取り組むことから逃げている。限界を知るのが恐いから。 村田は他人と付き合うとすぐに嫌いになってしまう。その子のことをよく知ろうとしないから。 そんな悩みを抱えた2人が、出会ってから変わっていく様はおもしろい。 私も彼と付き合ってから変わっていったように。彼も私と出会って変わっていったのかな。そうだといいな。

    2
    投稿日: 2023.08.05
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    感想 狭い世界を自分で満たす。居心地が良く抜け出せない。抜け出す理由がない。しかし幸福はそこにはない。高校から大学、社会へと歩みを進める。

    0
    投稿日: 2023.03.30
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    高校生のときに読んで甘酸っぱい気持ちになった思い出があった作品。 10年ぶりくらいに読んでみて、全然違う印象でした。甘酸っぱい気持ちは変わらず、でも高校生の頃のほうがすらすら読めていたかも。 今は通ちゃんや似鳥ちゃんなど、大人側の気持ちにも共感したりどう思ってるのか考えちゃうようになりました。 絵の描写が多く、たくさん想像しながら楽しめます。

    2
    投稿日: 2021.10.30
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    はじめて読んだ時は感動と興奮でいてもたってもいられず、事あるごとに何度も何度も読み返し、毎回登場人物の誰かに共感し、毎回違う感動を得る。 自分の中のベスト3に必ず入る名作です。

    1
    投稿日: 2021.08.15
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    木島君は、真面目に高校生活を送って、キーパーと誰も経験できないポジションを逃げずにやってる。絵も描ける、村田さんという彼女もいる。 読み終わって木島うらやましーと思いました。 私は、テッセイに似た父さんです。

    0
    投稿日: 2021.05.23
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    感情の迸り、絵を通しての個性、自分自身もここまでじゃないけれど通じるところがある。大人になるって切ない。 喧嘩をしないでいるためには嘘つきにならないといけないのかな。ホントの気持ちも隠して少しお芝居をして。いろんなこと考えて失敗しないように地雷を踏まないように。いっぱい気をつかって生きているのかも大人になるってそういうこと? もっと一緒にいたい。一緒に色んなものを見たい。一緒に色んなものにぶつかりたい。もっと知りたい。消そうと思っても消えないくらい大きな存在になりたい。お互いになりたい。消えない女になりたい。 ここで会えたのが奇跡みたいな気がした。絶対的な運命の様な気もした。多分、俺たちはこんな風にここで出会う必要があったんだ。もう一度あらためて。

    0
    投稿日: 2021.02.23
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    全部が繋がってた 最初のはちょっと:::って思ってたけど 最後まで読むと、納得 これも絵の話 よかった

    0
    投稿日: 2020.11.15
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    う〜ん、やっぱりワタシは この作家の作品は好きだなぁ♪ 瑞々しくて甘酸っぱくて切なくて懸命で不器用な二人の16歳の 気が付けば愛だった過程が描かれて行く。二人が近づくきっかけは絵だけど片や絵を描くことに片や絵を観ることに惹かれているだけのこと。そんな二人が それぞれの悩みや葛藤や挫折体験などを経てハートウォームなゴールへ 笑。

    2
    投稿日: 2018.11.03
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    この読後感の良さは久しぶり。青春っぽい、恋愛小説っぽいこってり甘ったるさがなく、心にすこーし染み入るのが良かったです。 設定としては少女漫画にもできそうだけど、この雰囲気は小説ならではだと思います。

    0
    投稿日: 2018.02.22
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    青春小説は嫌いだ。正確には青春小説に出てくる「登場人物」が嫌いだ。 彼らは自分勝手で思い上がっていて中途半端で性に飢えている。 恥ずかしい過去の自分と重なってしまう。だから嫌い。 タイトルに惹かれて手にとった本作。 読みはじめて気づいた。青春じゃないか。 読むのをやめようかどうしようか、そう迷っているうちに、迷っていることも忘れ読み終えてしまった。 あろうことか余韻に浸りながら。   確かに青春濃度はかなり高く、そういった意味では間違いなく青春小説なのだが、登場する人物は決して「登場人物」ではなく、木島悟と村田みのりという二人の人間なのだ。 彼らは真っ暗な道をか細い懐中電灯(よく電池切れになる)の光を頼りに進むしかないあの不安と闘いつつ、時に逃げ時に真正面からぶつかっていく。 陳腐な表現ばかりになってしまうが、懸命に生きている。 何かある度すぐ死んだほうがマシというくせに、ちゃんと生きている。 ともすれば自分なんかよりもずっと。 なんだよ、青春小説はうんたらかんたら言って、汚い自分から逃げていたのはぼくのほうじゃないか。 このままではぼくは死んだ魚の目になってしまう。 願わくば黄色くありたい。

    0
    投稿日: 2017.08.18
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    実は作者の作品は二作目です。 最初に読んだ『一瞬の風になれ』が強烈で、 スポーツ小説の先駆者とばかり思っていました。 奇妙なタイトルにひかれて読んだのですが、 これはスポーツの青春ものではなく、 絵を通してふれあう男女の高校生の物語で ちょっと意外でした。 10歳の少年木島悟が 離婚して10年近く会っていない父親と再会します。 父親テッセイの家で見つけた画材セット。 二人の会話がそこからはずみます。 悟のスケッチ癖は父親ゆずりだったのです。 イラストレーターの叔父を慕う村田みのり。 勝気でクールな感じの少女は ただ叔父の書く絵が好きでよくアトリエに手伝いに行っていました。 なんだかどこで二人の接点があるのか、 わからないまま読んでいきましたが、 作品の中盤あたりから、やっと接点がみえてきました。 作品の出来にこだわらず、 頭に描いたイメージをそのまま書くのが好きな悟と 絵を描くよりも、 書かれた絵をじっくり見ていたいみのり。 いつしか、悟はみのりを書きたいと思うようになり、 徐々に二人の距離は縮まっていきました。 作者が『黄色い目の魚』を初めて書いたのが 大学二年生の頃だったそうです。 そのあと、切れ切れに浮かぶイメージを組み立てて、 10年後にこのようなひとつの作品に仕上げたとか。 全体的に漂う、未完成なあやふや感と 酸っぱいレモンのような爽やか感は そこからきているのかもしれません。 スポーツ小説ばかりが、 青春小説ではないのだな、と正直思いました。

    0
    投稿日: 2016.10.16
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    特定の家族(父親、叔父)にコンプレックスを持つ高校生の男女の恋愛(?)を描く青春小説。2人の主人公、木島悟、村田みのりそれぞれの視点で各章が交互に描かれる。 正直、2人の子供時代のエピソードの2章は、「ちょっととっつきにくいな」と感じたのだが、高校生になって絵を通して惹かれあう2人のやりとりが始まってからは惹き込まれるように読み進めた。 ただ、堂々と店で飲酒したり、年上の女性と性交渉したりする描写が出てくることについては、そういう高校生活を自分が送っていなかったこともあり、ちょっと違和感を覚えた。

    0
    投稿日: 2015.11.28
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    前半は★5のすばらしさで、すごいって思ったんだけど・・・後半、設定が高校生なのにお酒を飲む話や木島があまりに素敵すぎるっていうか、あまりにきれいにすぎるんだよね。とても残念。

    0
    投稿日: 2015.11.20
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    木島悟と村田みのり、二人の高校生の視点で交互に語られる、ほろ苦い青春小説です。 幼い頃に別れた父の面影にさいなまれる少年と、家族の皆に嫌われ、家に居場所がない少女との交流を軸に、葛藤に満ちた思春期の子どもたちの心情が描かれます。

    0
    投稿日: 2015.09.05
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    すきだなぁ。 海がある街に住みたくなる。 キジマとムラタの関係性もすきだよ。 ニトリちゃんだけちょっとわからなかったなー。

    0
    投稿日: 2015.05.29
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    若い感性で読まないと物語を斜めから見てしまう。登場人物が卑屈すぎて、なかなか自身を投影して没頭できない。10代のときに読みたかった。

    0
    投稿日: 2015.02.22
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    自分をうまく表現するのが下手で、まわりとケンカばかりしてしまうが、絵を見る才能はある女の子と、離婚した画家の父親の幻にとらわれつつも、自分なりの絵のスタイルを見つけようと模索している男の子のラブストーリー。 ストーリーオムニバス(そんな言葉があるのかはわからないが)形式。 この本を読んでイメージされる言葉は「透明感」。ラブストーリーと言ってしまうにはちょっと語弊がありそうなほど、どちらもピュアで、懐かしさと切なさが入り混じったようななんともいえない後味をのこす物語。 何かにつまずいたり、自分を見失っているような時に読むと元気になれるかもしれない。

    0
    投稿日: 2014.12.29
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    キャラクターが濃い。 一瞬の〜から読むと、キャラクターの濃さ、強さにおののいた。 読みながら、ドキドキした。この作家さんすごい。

    0
    投稿日: 2014.12.27
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    高校生の話。 面白いと聞いて読んでみたけど、素直じゃない高校生は好きじゃないので感情移入できませんでした。話としては面白いと思います。

    0
    投稿日: 2014.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私の読書人生に影響を与えた本の一つ。 この作品に出会ってから、恋愛以外の文学に興味を持つようになった。 「りんごの顔」は、今でも読むと涙が出てしまう。 そんなに悲しい話でもないはずなのに。 当時、読書は全て図書館で借りていた。 でもこの本は読んだ後、どうしても欲しくてお小遣いをはたいて買った。 高校生にとって1500円は大金だった。

    0
    投稿日: 2014.07.26
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    定期的に読みたくなる本です。 学生時代にこんな風に何か打ち込めることを見つけられるのって滅多に無いし、それに対しての2人のまっすぐさがとても素敵でした。 似鳥ちゃんのくだりは少し「ん?」となりましたが、人間らしさもまたいいのかと。 大人と子供の関係の仕方もいいなと。 要するに学生のころこんな風に茅ヶ崎の海の近くでこんな経験したかったと思わせる、そんな話でした。

    0
    投稿日: 2014.04.27
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    お勧めいただいた本。 同作者の「一瞬の〜」では気にならなかった口語体?が今回非常に読み辛かった。 序盤はなかなか読み進めるのに時間がかかりましたが、読後は爽やかな作品でした。 綺麗事ばかりではない、思春期の葛藤。 思っていた内容とは少し違ったけど、孤独な少年少女の心の拠り所を描くのが上手いですね。

    0
    投稿日: 2014.02.11
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    【図書館本】初読み作者。友達に薦められて。 連作短編だったのか……。少年少女の青春物語。リアルで心が痛い。精神を抉られる……。 少年少女の恐怖や緊張。葛藤、悩み。必死さがモロに伝わってきて、切なかった。 決してキレイゴトに収まらない青春が好ましかった。

    0
    投稿日: 2014.01.13
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    この作家さん、丁寧な感じがします。 この10代の頃の感覚を表現できるなぁ、と不思議。 エネルギーがあり余ってて、行き場が分らない感情が 違和感なく読める。

    1
    投稿日: 2014.01.09
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    絵を描くことが好きな少年 と 絵を見ることが好きな少女 の 高校ラブストーリー 一生君の絵を描き続けるっ! だってさ、熱いねぇ。青い春だよ。全く。心模様が大変良く描写されていた。良かった。 一人でも平気なタチなんだけど、学校というのはヘンなところだ。誰かが一人でいると犯罪者のような目で見られるし、そんな気持ちにさせられる。

    0
    投稿日: 2013.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・バスタブ。 銀色のバスタブ。 ステンレスのバスタブ。 冷たいバスタブ。 からっぽのバスタブ。 私の宇宙船。 虚空を飛び、数多の世界へ旅立つ船。 ・「自分の顔ってわかんないよ」 私は言った。 ・「もう、入らない」 私は言った。 「入れない」 言い直すと、得体の知れない悲しさが、じわじわとわきあがってきた。 ・「いいな、木島くんは」 村田はポソリと言った。 「やれることが、いっぱいある」 「やれてないってば」 「やってるじゃん」 村田はきつい調子で言った。 「私は何もしてない。限界が見えるようなこと、何もできない」 俺は黙っていた。 村田も口をつぐんだ。かなり長いこと黙っていてから、 「でも」 と言いだした。少し照れ臭そうに目を細くして、 「何が好きかだけは、わかってるんだ」 「何サ?」 「絵だよ」 ・後半、監督から交替の指示はなかった。 円陣が解けてベンチから出ていく時、本間さんは一言だけ俺に言った。 「いったい何を恐がってんだ?」 いったい何を恐がってんだ?その言葉が何度も俺の頭の中を駆けめぐった。恐い?恐いさ。何もかもが。特にヘマでヘボなこの俺自身が恐くてたまらねえんだよ。 ・「俺の、俺のー絵、見る?」 おじいちゃんは返事をしなかった。俺は顔が熱くなるのを感じた。なんか馬鹿みてえだ。 「今日、試合で・・・」 俺はぼそぼそと言った。 「俺、初めて、試合に出て」 「ぜんぜん駄目で・・・」 「でも、絵が描きたくなった」 「見ていいのか?」 とおじいちゃんは聞いた。どっしりとした感じの声だなと思った。嬉しくても悲しくても、簡単に声からはわからないだろう。 「うん」 と俺は答えた。 ・「俺が描きたい村田さんって、もっとチガウんだよ」 「どう・・・チガウの?」 木島の細い目がいよいよ細くなった。 「もっと突き抜けた感じ?強い感じ?うまく言えねえけど」 わかんないよ。 「似てればいいっていうんじゃなくて、なんか、こう、印象みたいなのをはっきり形にしたいんだよ」 木島は説明した。 「俺が村田さんを見て感じるものを形にしたいんだ」 ・「俺たちは、もう、いいかげん、あの男から解放されてもいいんじゃないか?歩美が悪いんだ。いつまでも、あいつのことばかりグチグチ言って」 俺は赤く染まりだした西の空に目をやった。胸の奥がかすかにうずく。 「好きなことをやるんだ」 おじいちゃんは言った。 「最後は自分だけだ。誰かのせいにしたらいけない」 その言葉は、重く、強く、厳しく、俺の心と身体を貫いて、背筋をピンとさせた。 ・「木島さんがいいです」 俺は苦笑した。まあ、本間さんはおっかねえし・・・。 「だってね、本間さんは”できない”ってことが、わからないんですよ」 三宅は心底困ったように訴えた。俺は思いきり吹き出した。 「そう、そう!そうなんだよな!」 わかるぜ。 「天才の弱点だよな」 ・「変わるって、いいことかな?」 私は焼きそばをわりばしでつつきながら聞いた。 「よく変われば、いいこと。自分がいいと思えば、いいこと」 スガちゃんは半分冗談みたいに答えた。 そんな自信なんてない。今の自分。これからの自分。だけど、止まっているのをイヤだと思ったんだから、変わるって、きっと、すごくいいことだよ。 ・「どんどん好きになる。きっと、もっと好きになる。自分の気持ちみたいなの、どんなふうに言ったらいいのかわからなくて、絵ばっか描いてたけど、絵じゃないと伝わらないって思ってたけど」 照れた子供みたいにパッと笑った。 「言っちゃったし」

    0
    投稿日: 2013.04.08
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    高校生の時に読んでたような本・・かな。思春期特有のとがり感というか潔癖感というかがよく表れている。大人になっていくって妥協の積み重ね。大人になりたいなりたくないってまんま思ってたのを思い出した。

    0
    投稿日: 2013.03.29
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    海辺の高校で、同級生として二人は出会う。 周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。 友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。 16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。 。・゜*・。・゜*・。・゜*・。・゜*・ H25.3.7 読了 1年程前に一度読んで、その衝撃についハードカバーで買ってしまった本。 久しぶりに読み返してみたけれど、やっぱり胸を締め付けられて苦しかった。 でも、この感覚に触れたくて、これからも読んでしまうのだと思う。 「本気って、ヤじゃない?」 「こわくねぇ?自分の限界とか見ちまうの。」 “通ちゃんチにいると、私はどっかが育たない気がする。木島だけがぐんぐん育っていって、どんどん歩幅が違ってしまって、息をきらして走ってもついていけなくなるかもしれない。どうすればいいのか、わかんない。何をすればいいのかもわかんない。でも、考えないといけないんだ。通ちゃんのいないところで。通ちゃんにヒントをもらったりせずに。通ちゃんの手伝いをして自分も何かをしてるような錯覚をしないで。一人で。”

    0
    投稿日: 2013.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    14歳からずっと、心の支えになっている本。 本気になれよ、とみのりちゃんは私にいつも話しかけてくれます。 心にまっすぐに生きている人は、ただただ美しくて、とてもまぶしい。 そんな人でいたいな。

    0
    投稿日: 2012.10.16
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    この人の本は本当に読みやすい。 絵を書くことへの無意識のこだわりと、サッカー部で青春している木島のギャップがすてき。

    0
    投稿日: 2012.08.19
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    高校生のときにこの本に出会えてよかった。あのころの自分にすごくマッチする。あの年頃特有の痛々しさ。みのりの不器用さが苦しみが痛いほどわかる。これからも度々読んでいきたいです。私にとって大切な本。

    1
    投稿日: 2012.03.09
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    痛いところをグリグリついてくる。 高校生の恋愛だけど、何かが欠落した大人たちが沢山かかわってくるのでストーリーも面白かった。

    0
    投稿日: 2012.02.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サッカー少年で、離婚した父”テッセイ”に会ったことで絵に目覚めた木島 家に居場所が無く、イラストレーターの叔父”通ちゃん”ちに入り浸っている村田みのり 高校生って学校で友達に見せる顔と違う顔を持ち始める それが魅力  2人は絵を通して それに気が付いた ゆっくり恋愛が始めっていく みんな悪い人すぎず、良い人すぎず、普通に描かれていて好きだな ----------------- 「もっと描いたら?絵をたくさん」 「もっと」「本気で」  … 『本気って、ヤじゃない?』 僕が聞くと、村田は理解できないという顔つきになった。 『こわくない?自分の限界とか見ちまうの?』  … 「いいな木島クンは やれることがいっぱいある」 「私は何もしていない。限界が見えるようなこと、何もできない」  … 「でも何が好きかだけは、わかってるんだ」

    1
    投稿日: 2012.02.15
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    これを読んでずいぶん経ったけど、 未だに忘れらない作品。 読み始めは、正直おもしろいとは思わなかったけど、読み進めていくうちと…… おもしろい!! 2人の視点で描かれていて、それぞれに感情移入してしまった。 もう一回読みたいと思います!!

    0
    投稿日: 2012.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

     親子と恋愛ものの連作。男の子(木島)と女の子(村田)視点で話が進みます。  母親いわく「いい加減で最低な」父親に、幼い頃に一度だけ会った木島。いつの間にか、父がただ描き続けていたように、絵を描いている。  家庭内で浮いていると感じる村田。叔父である通のところに入り浸るが、叔父以外とはどうもうまくいかない。  という二人が出会うのですが、お互いと、そして自分自身を理解していく過程がゆっくり丁寧に書かれていて、他の人でなく、この二人だったんだなあというのがすんなり入ってきます。よかったねと思える。そして、幸せであってね、と。    中学生高校生の頃って、そう言えばこんな風だったかなーとか思ったり。周りが子どもだと思うほど、本人たちは子どものつもりじゃなかったんだけど、やっぱり振り返れば子どもなんだよなー。  さて、分からなかったのは通ちゃんと似鳥ちゃん、の出会い?というか、なんだろ? 昔、モデルとして適当に撮った写真の中に、色々諦める前の似鳥ちゃんがいたのかしら。で、その少女をずっと描き続けていた、と。・・・なのかな?  あの二人にも話がありそうだなー、読みたいなーと思ったのです。

    0
    投稿日: 2011.12.11
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    マジになるのって、こわくない?自分の限界とか見えちゃいそうで。木島悟、16歳。世界で最高の場所は、叔父の通ちゃんのアトリエ。ずっと、ここに居られたらいいと思ってた。キライなものを、みんな閉め出して…。村田みのり、16歳。鎌倉、葉山を舞台に木島とみのり、ふたりの語りで綴られるまっすぐな気持ちと揺れる想い。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 面白かった!! みのりちゃんがツンツンしてるとこも憎たらしくて可愛かったけど、最後の方で落ち着いて行くのがなんとも落ち着くね! あと木島くんのサッカー部でのいざこざのとこも好きだ!!

    0
    投稿日: 2011.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本気ってこわくない?限界見えちゃいそうで。 見たこともない限界にたいして、おびえていた頃。 あの頃、あんなにもまっすぐで、伸びやかだった気持ち。 いつのまになくしちゃったのかな。 ふたりがであってくれてほんとうによかった。 14歳は大人が考えるよりずっと大人なんだと思う。 確かそうだった。 自分と重なるところもあったせいか、木島にも村田にも終始心がゆさぶられてばかりだった。 大人になった今に、こんなにも十代の恋愛をテーマに書いた小説に心揺さぶれるなんておもっていなかった。 本当に、10代の頃にであっておきたかったな、ってつくづく思った。 でも今でも出会えてよかったと思う。

    0
    投稿日: 2011.10.15
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    これがどうして中学生の推薦図書なんだろう?? ヒジョーに疑問。 未成年の飲酒、未成年に対してのアルコール販売、肯定すてるの?それともいいじゃないって?アルコールは、適切な量の摂取以外は体に悪いことは証明されているのに。 さらに、ベルスコーニ首相の事件も最近あったけど、未成年それも15歳と40歳のカップルなんて・・・。 親も親だけれども、子も子。 崩壊した家庭をなんとなーーーくかっこ良く書いているように思えて嫌だった。

    0
    投稿日: 2011.09.28
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    中学のとき模試のテストの問題文で惹かれて買った。すごくせつなくて苦しくなった。本気ってこわくない?限界見えちゃいそうで。っていい言葉にわたしは共感した。

    0
    投稿日: 2011.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     いわゆる青春小説。適当にハッピーエンドで終わらせず、しっかりドロッとしたとこを盛り込んでるあたりがエライ。高校生のときに読みたかったような気もする。  これまで考えてもみなかったけど、人物画を書くってすごいことだよなあ。 胸がちぎれそうなさびしい気持ちになるのに、いつまでも、そこにいたいと思う。 世界に俺を出していくことはできなかった。だから、世界を俺の中に入れているのだ。 いい顔になりたい———とふと思った。 「最後は自分だけだ。誰かのせいにしたらいけない」

    0
    投稿日: 2011.07.20
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    表紙で予想した内容とまったく違った。 絵を描く人と、見る人の話。 共感できるところは無いけどおもしろかった。

    0
    投稿日: 2011.07.18
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    中学生のころに一度読んで、おもしろかったので頼み込んで中学校の図書館にも入れてもらったほど好きな作品。でも内容をまったく覚えていなかったので、もう一度読んでみようと思って借りてみた。 絵を描くことが好きな木島と、絵を描いている人を見るのが好きなみのり。二人の共通点はただ「絵」だけ。木島とみのりそれぞれの一人称で語られる物語。思春期の、まだ人間が出来上がっていない二人の恋。 木島の描く絵、通ちゃんの描く絵、みのりが描いた絵をとおして物語が広がっていく。黄色い目の魚からはじまって、鉛筆だけのりんごや、口元に傷のある「あのコ」まで。 青春の甘酸っぱい感じがとてもよかった。最初は中学生のときの自分がこの作品を何でこんなに好きだったのかよくわからなかったのだけれど、読み進めていくうちによさがわかってきた。

    0
    投稿日: 2011.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2,3年前 佐藤多佳子にはまってたことがあった。自分の若かったころにだぶったせいだろうか、黄色い目の魚が、一番思い出に残っている。

    1
    投稿日: 2011.03.21
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    まっすぐな気持ちが伝わってくる作品だなと思いました。 このお話は、絵を通して二人の距離が少しずつ近づいていくのですが、少女漫画のようなわざとらしさもなく、凄く自然に青春の甘酸っぱさが描かれていました。私が教師なら推薦図書にオススメしたいなぁと思えるような小説でした。 また私自身、絵を描くことが好きなので本を読みながらわかるわかる!と思うことが多々ありました。 場面も想像しやすく、懐かしい気持ちや純粋な気持ちに浸りたい人にオススメの小説です。

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    投稿日: 2011.02.15
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    読み終えた後、余韻が残る小説が好きです。この小説もそうでした。未来を感じさせる終わり方。その一方で、十代の儚く脆い瞬間をありありと感じる。 二人がお互いに影響を受け合い、惹かれ合っていく様子が丁寧に書かれていて良かったです。 文体がリアルな言葉遣いで、世界観により入り込めました。

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    投稿日: 2011.02.04
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    本当に上手い!3作しか読んでないけど佐藤多佳子作品で一番面白かった。主人公女子の「描けないけど好き、大好き」って気持ちに共感。後半アダルトな話が出てくるけどアダルトだからこそ思春期の青臭い感じがより強く出てそこも良し。最近小説で当たりが多いのでこの波に乗って色々と小説を読みたい気分。

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    投稿日: 2011.01.18
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    初めてよんだ時は、10年前。短編集の中のひとつでした。それが4年ほど後に長編化されたのがこの作品。 中学生の頃のわたしには、 痛いくらい響いたのをすごく憶えてます。

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    投稿日: 2010.09.12
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    私めちゃくちゃ好きですこの本。 サッカー部(しかも冴えない)で絵を描くのが好きとか神。彼の言葉がいちいち良い。良いこと言ってるわけじゃなくて、彼の言葉の雰囲気がとても好き。 何が良いとかじゃなくて、この本から醸し出されるすべてが大好きです。みんなに読んでほしいです

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    投稿日: 2010.09.10
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    青春物でもあるし、恋愛物でもあるし、家族の物語でもあって…。 深い、深いお話し。 徐々に成長していく二人から、目が離せなくなる。 私なんかの拙い感想では上手く伝えられない気がする。 上手く伝えられないので、みんなに読んで貰いたい。

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    投稿日: 2010.06.17
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    も~キュンキュンきたぁ~! 佐藤さんってほんと悩んでる人物書くのがうまいなぁ。 2人の悩みや苛立ちがじんじん沁みてきて だんだん育っていく恋心にドキドキして とにかくいい本やった。 文化祭の背景画を描いてるときの木島のひと言 「え?あ、村田」 っていうとこすごい好き。

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    投稿日: 2010.06.03
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    わたしは普段ミステリーばかり読む。 だからというわけではないが、恋愛を主題にした小説は苦手だった。 主人公の心理描写(特に、好きなのか嫌いなのかといった答えのでない悶々としたもの)に、7ページも費やして欲しくなかった。 …恋をしたせいなのだろうか、いやにその7ページが心に沁みる。 恋する女子よ、手に取るべし

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    投稿日: 2010.05.24
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    佐藤多佳子さんが大学2年生の時に初めて書いた「黄色い目の魚」、その後10年後、20年後に出来てきた「黄色い目の魚」。キャラクターが立っていて、その存在感は圧倒的だ。文体は、「一瞬の風になれ」に近いと思っていたが、最初にMOE童話大賞を獲った「サマータイム」もこれに近く、これがスタイルのようだ。  性格的に相性が良いのか、自分が青少年時代に憧れを持っているのか、子供の心情がそこにいるように見える佐藤さんの作品は読むのが楽しい。  この作品の大人バージョンが10年後?と著者が言っており、そろそろ10年に近づいているので心待ちにしていうる。”テッセイ”や主人公の母親、通ちゃんなど、キャスティングは十分子供達に負けてはいない。早く出ないかなぁ。

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    投稿日: 2010.04.03
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    佐藤多佳子を初めて知った作品。 表紙のキレイさに買ってみたんだけど 中身がもう私好みで一気に好きになった! いいな、なんかこういうふうに仲良くなるの でも男ってどうして大人の女の人に惹かれちゃうんだろうねぇ。

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    投稿日: 2010.03.31
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    短編がいくつも時間枠が重なっていると言う出会ったのは中学三年生で、不思議な文章だなというのが初めの印象であった。 他の作品には手を触れていないが、この本は大好きだ

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    投稿日: 2010.01.16
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    面白かった…! 視点が2つあったのが良かったです。 次の章に行くごとにどきどきしてました* しかし 本当この書き方良いなぁ、わくわくするなぁ。

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    投稿日: 2009.10.26
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    読み始めるまで忘れてたけど ずっと前に読んだような記憶がある。 大人のヤな部分がヤな感じで書かれてたというか 大人がカギかっこ付きの「オトナ」っていうの? マンガとかでありがちな「オトナ」。 主人公みのりの変化もなーんか少女マンガちっくで ぶっちゃけこの作品は好きになれない。 恋愛で自分の何かが変わった経験がないからかもしれませんが。 結婚する前に読んでいたら違う評価ができたかも。 (09.07.27) ------------------------------- 図書館 (09.07.18)

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    投稿日: 2009.07.27
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    図書館にて。 相変わらず人物描写が丁寧で、くせのある登場人物がみんな生き生きしていた。 セリフも秀逸。

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    投稿日: 2009.06.07
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    ■あ、これも高校生活脱落時の、 膨大な読書数の内の一つになった本。 確か、保健の先生に勧められて買ったんだと思う。 ■絵に触れている人が沢山出てきて、 とても他人事としては読めなかった。 ■今でも引っ張り出して読むなぁ。 大好きだから、星5つ!

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    投稿日: 2009.05.03
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    叔父にだけ心を開いている女の子と、サッカー部だけど絵を描くのが好きな男の子。 最初は「絵を描く側」と「絵を描かれる側」だったけれど 次第に距離を縮めていって、くっつく。 ストーリーは面白いのに、最後恋愛にしちゃったのが勿体ないなぁと思いました。 描写とか両方のサイドから書いてるのが好きだったので、★五つ!!

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    投稿日: 2009.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    このもどかしい感じ、すごく好き。 曖昧で半端で、でもまっすぐに進もうとする二人の主人公の姿が眩しい。 胸を突き上げてくる感情。付かず離れずの関係。ツボにハマる。 でも無理にそれを「恋」っていう枠でくくってしまった事が残念。 愛だとか恋だとか、そういうのじゃなくて、もっと深くて繊細で微妙に違うニュアンスの感情だと思うんだよな。 でもかなり私好みだったから、星5つ。木島が良い。

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    投稿日: 2009.03.13
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    図書館で借りた本。 自分を取り巻くすべてが敵で、自分を含めてあらゆる物が 大嫌いな思春期。 諸刃の刀を両手に持って、力一倍振り回し続けてる時期。 ものすごく共感できた部分と、当時逃げ場がなかった私には ねたましい部分が共存してた。 よくできた青春小説。

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    投稿日: 2009.03.11
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    想像していたのとは違った作品でした。 青春小説かな? でも熱いんじゃなくて爽やかで不安定な感じ。 話の展開が面白かったです。 最初は木島くん視点だったのに、突然みのり視点になったので短編かと思いました。 こう繋がっていたのか!と納得。 この作品のテーマは『絵』 全く詳しくないけれど楽しめました。 高校時代に読みたかったなあ〜。 あー戻りたい! 佐藤さんの作品は心の動きがわかるから好きです。 一人称視点で読みやすいです。 文章の引力がすごい! 止まらなくなりますね。 通ちゃんとみのりの関係が好き。 こういうの女の子の憧れだよね! ってか私が通ちゃん好き!笑 でも最後の木島くんは反則だと思います。 あんな事言われたら…きゅんきゅんです。 主人公みのりのようなつんつんしている女の子好きです。 こんなに強い女の子には、なりたくてもなれない。 だから自分の思っていることを素直に言えるって凄いことだと思います。 あと限界まで頑張れる事見つけたいと思いました。 キライばかりの心の中に、こんなに大きな「好き」があったのか。まるでマグマみたいに熱くてどろどろしていて恐ろしげだけど。雲みたいにつかみどころがなくて、しっかり足を乗せて立つ場所にはならないけど。熱くて不安定な気持ちに動かされて、身体までぐらぐらと揺れそうな気がしてきた。 しょうがないか。私は――私たちは、グレイ・ゾーンではやっていけない。オセロのゲームはまだ終わったわけじゃない。真っ黒のボードの上に一個も白がないわけじゃない。まだひっくりかえせる。木島を嫌いになったんじゃない。はじっこの見えない巨大ボード。人生のボード。恋のボード。

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    投稿日: 2009.03.01
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    大好きな作品。高校の時に出会って、何度も何度も読み返している。 すごく、ドキドキする。 前に鎌倉に行って江ノ電に乗ったときは、感動しました。

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    投稿日: 2008.12.27
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    すごくよかった。鎌倉を舞台にした高校生の青春小説。ドキドキして読めます。こういうの私はすきなんだなあー。 他の佐藤さんの本を読んでみたいと思いました。

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    投稿日: 2008.11.24
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    真っ直ぐで澄んでいる。 登場人物の心情に飾りが無くて、でも泥臭く無くて必ずどこか澄んでいる。だからスッと入り込んでいけた。 ・これは恋愛小説じゃなくて、話の先に、おまけのように、でも必然的にお互いに好きだと伝えただけ、と感じた。 それ以前の過程で二人はそれぞれ自分の生き方に悩んで、その時に相手が支えのような導きのような存在であり、そこで人として好きになっていって、その先に男女として好きになったんじゃないかな、と思う。 ・そして、この話があまり都合よく出来て無いんですね〜。今度こそ、と思うところで木島くんはことごとく上手くいかない。いい加減成功させようよ、とか思いながら。でも、そこでも読者に対しての押し付けがましい悔しさやアツさは無くて、ほんとに作者はこの世界観を最初から最後までずっと守り続けてるな、と思う。そこが一番すごい。 ・通ちゃんとミンの関係が好きだな〜。あの空間。非日常的だけど自由にいられる場所。 ・恋を書くんじゃなくて、人間を描いているこの話がすごく好きだな、と思った。

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    投稿日: 2008.11.17
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    ふたりの視点からの連作短編。核にあるのは絵。 これは面白かった。 何がってわかんないけどすごく面白かった。

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    投稿日: 2008.10.11
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    中学生のときに途中少し読んで、高校二年のときに図書館で見つけて全部読んだ。 高校生のときに読んでおいてよかったなぁ。心がざわついてドキドキする、十代の大切な心情が丁寧に書かれています。 一生大切にしたい本。

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    投稿日: 2008.08.14
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    誤解している。 将来木島が村田宅にあいさつをしに行ったら 両親は大反対した後、結局は同意するんじゃないかなあ。

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    投稿日: 2008.08.05
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    最初から先が読める展開だったので、途中じれったくてイライラ。 心の病とか、自分は特別とか、そういう思い込みが高校生やなあ。 そして初恋と言いながらもさわやかさがない。

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    投稿日: 2008.08.04
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    16歳、木島悟、サッカーと落書きが好き。いつも誰かの似顔絵を描いている。ある日、自分の描いた似顔絵を非難した、同級生村田みのりの顔を描かなくてはいけなくなった。でも、どうしても上手く描けない。その日から、村田の顔を描きたい気持ちで、いつも村田を目で追うようになった・・・・。誰かを描こうと思う、描く時間・・って、その相手を想わないと上手くいかないものだけど、まだ16歳の悟も、みのりも、その感情に気がつかないし、自信がない。そんな、遠回りで、でも、16歳らしいお話でした。

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    投稿日: 2008.06.18
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    高校生の時に読んで何年も経った今でも「心に残ってる本は?」って聞かれたらまずこれを思い浮かべる。 青臭いんだけど誰の中にでもそういうものがあって、思春期の時に読むと凄いジンとするんじゃないかな。 そうじゃない時に読んだら「自分もこうなりたい」って思えると思う。 ちょっと変わった形式で書いてるので初めはびっくりするけど慣れれば平気というかそれがいい!って思う。 青春、その一言に尽きます。

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    投稿日: 2008.05.28
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    デビュー前の作品らしい。異様に設定が青い。クラスメイトをデッサンするうちに恋に落ちる、ってこれまた青すぎてくらくらしてしまう。

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    投稿日: 2008.05.23
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    初めて「読み終えてしまうのが勿体無い」と感じた作品。 主人公は16歳の木島悟と村田みのり。はじめに小5の木島の章と中1のみのりの章、3章からは高校2年で同じクラスになった木島とみのりの物語がはじまり、各々の視点で交互に6章が描かれている。 青春小説の傑作。これは、おすすめ。

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    投稿日: 2008.05.11
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    初めてこの方の文を読んだのは高校時代の国語の模試で、でした(笑)。 恋の戸惑いとか心の揺れとか、読んでてくすぐったくなる爽やかなお話です。オススメ!

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    投稿日: 2008.04.27
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    この本は、私が大学受験の時にひたすら現代文を何題もこなしているときに巡りあった。 問題文にはもちろん一部しか載せられてなかったけど、一気に引き込まれた。 すぐに本を探して、受験生にも関わらず夢中になって読んだ。笑 そんな経験多々あり。 私にとって現代文の勉強は、読書の本を探す絶好の場所だった。

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    投稿日: 2008.04.21
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    短編連作。表題作がとても好き。けど、ちょっと物足りないかなぁ。 「Mのこと」を読んでみたいな。って思った。そして何より、似鳥ちゃんが怖いです。

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    投稿日: 2008.04.09
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    めっちゃくちゃ面白かった!!小鳥ちゃんが個人的に好きw名前忘れたけど、主人公の男の子と女の子の関係がすっごくいいなぁと思った。普通にお互いの家行けたり部活応援に行ってみたいとか。男の子の今まで本気になったことがない、っていうのがすごく共感できたなー。あと、読みやすかった(^ω^)この本は買っても損はないと思う。

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    投稿日: 2008.03.08
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    2008/02/19息継ぎできない、疾走感。 どんな話?どんな話?読み始めはとっつきにくいのに、続きが気になってよくわからないまま、引き込まれてる。高校生の、普通なようでいて、普通でない恋愛。すごく当たり前のように書かれているけれど、私は「彼ら」にはなれない。疎外感と、うらやましさを感じる。 絵を描くって、どんな気持ちなんだろう。絵を描く世界に入ってみたい。佐藤さんは「世界観」を表現するのが非常に上手いんだな。

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    投稿日: 2008.03.04
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    二人の絵を通して、お互いのことを意識していく過程がすごくドキドキした。 一人称が交互にくるんだけど、他のたとえばクラスメートから見た二人は、また全然印象が違うんだろうなと思う。 ドキドキしたし、絵を見たくなった。

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    投稿日: 2008.02.26
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    中学生のときに途中少し読んで、高校二年のときに図書館で見つけて全部読んだ。 高校生のときに読んでおいてよかったなぁ。心がざわついてドキドキする、十代の大切な心情が丁寧に書かれています。 一生大切にしたい本。

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    投稿日: 2008.02.12
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    なんかね、うまくいきそうなのにうまくいかない感じ。 うまくいかなそうなのにうまくいきそうな感じ。 村田みのりと通ちゃん、 村田みのりと木島悟の関係がすてきだねー。*

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    投稿日: 2008.01.16
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    この時期とにかく活字が読みたくてまとめて一気に吸収していってたので大事な部分をあまり覚えてない・・・ということはお話自体にはそこまで惹かれてなかったのかもしれないです。そもそも読もうと思ったのは、タイトルに惹かれたからというだけだったし。作品中の女の子のキャラクターがそうだから仕方ないんだけど、セリフでない文までもが乱暴な言葉づかいだったので読んでて心がカピカピしてしまった。 普段は自分もそんなによくないというか、一時期はひどかった・・・。 そういえば、本当に小学校の3・4・5年の頃は相当口の悪い男子ってくらい汚い言葉遣いですぐ人をなじってたけど、そのうちそういう言葉遣いを人がしてるのもムカつくようになって、気づいたら中学校上がった頃には自分がざけんなテメーとか言う方が恥かしいッ思うくらいになってたけど、これが成長ってやつなのかなー?

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    投稿日: 2008.01.13
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    木島と村田の恋愛にほろりときてしまった。読み終わったときにさわやかな気持ちになれた。(h19.12.31)

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    投稿日: 2008.01.03
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    美術室の匂いとか、教室で親しくない人と机をくっつけるときの違和感とか、誰かが廊下を走る音とか、窓から見下ろすグラウンドとか・・・「学校」という、今から思えばかなり特殊な場所で、自分が得たものは一体何だったのだろう。私は決して学校が好きではなかった。 でも、この小説を読むと「なんだかんだで楽しかったのかな」と思える。 高校生の頃って、自分がどんな人間なのかがなんとなくわかりはじめた気になってつい調子に乗ったりすることがあった。良く言えば、自分と本気で向き合おうと思い始めた大事な時だったのかもしれないけれど。 この物語の主人公のふたりも、まさにそんな時期の真っ只中にいた。学校はだるくてうっとおしくて腹立つことも多いけど、夢中になれるものが一個だけあって、それを守るためになんとか日々をこなしていた。 不器用で素直じゃないふたりが少しずつ心を通わせていくさまがとても心地よい。「セカチュー」とかつまんないのを映画化する暇と金があるなら、この作品につぎ込んだほうがずっと良かったのにとつい思ってしまう。

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    投稿日: 2007.11.29
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    最初短編かと思った。この本は痛い。青春時代をとうにすぎたわたしにも。くっきりはっきり思い出した。「一人キライになるごとに、自分の居場所がごりごりと侵食されていく。」「自分の出す毒にやられて自分がよごれて苦しくて死にそうになる。」そうだった。自分がいやで仕方がなかった。ちょっとしたことに一喜一憂して自意識過剰だった。人を好きになる過程がいい。好きが増えていって世界が広がっていく。絵がうまく絡み合っている。高校生くらいの人に一番読んでほしい。

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    投稿日: 2007.11.19
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    痛くて切なくて。でも、こんな青春時代を送りたかったなあと思ってしまう。こういう必然的な出会いって、憧れます。

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    投稿日: 2007.10.22
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    日常を切り取るのが上手いなぁと楽しめました。気持ちの表現が素直にできなかったり、今ある環境に迷ったり…10代のうちに読めばもっと共感できる部分、リアルに感じる部分があったかなと思います。

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    投稿日: 2007.10.13
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    「何かに本気になるのって怖くない?自分の限界が見えそうで」 本気になるのが怖い男の子と、周りを敵視しているような女の子が絵を通じて変化していくお話。 思春期にあるもやもやした気持ち。期待したくて、でも怖くて。未来が見えそうで見えない。誰もが不安を持っていたこの時期を、佐藤多佳子さんが爽やかに書いてくれてます。男の子と女の子が絵が好きという共通点で出会い、素敵に変化していきます。

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    投稿日: 2007.10.07
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    むきだしで、曖昧な心がどんどん削られてシャープになっていく。だけどそれは冷たい変化じゃなく、生々しい変化。 だけど読んでる印象がさっぱりとしているのは、どこか無性的な主人公達だからかなと思います。

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    投稿日: 2007.09.18
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    070902読了。ようやく図書館に行き、本を借りることが出来ました。良かった良かった。そしてこの本、すごく良かった!男みたいな女の子村田みのりと、落書き男木島の視点で交互に語られる。絵を通してコミュニケーションする二人。青春成長小説。とても好き。

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    投稿日: 2007.09.03
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    本屋大賞受賞で波に乗る佐藤多佳子。面白いということで他の作品も読書。マジになるのが怖い高校生、木島悟。親、クラスメイト、世界と衝突してしまうが、唯一叔父とだけ打ち解け、叔父のアトリエに入り浸る村田みのり。鎌倉を舞台に、ふたりの語りで綴られるまっすぐな気持ちと揺れる想い。率直過ぎるために周囲とぶつかる少女、みのり。マジになるのが怖く、いつもどこか抜いている木島。彼らが絵を通し、不器用ながらもまっすぐな衝突を通して、徐々に打ち溶け合っていく姿がとても素敵。彼らの絵に対する情熱や、部活、友人関係で悩む姿が本当に眩しいなぁって感じる作品だった。久しぶりにいい恋愛小説、青春小説を読んだなぁと思いました。いいね!!

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    投稿日: 2007.08.14
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    淡ーい高校時代とか思い出したりする話。 高校時代に読んで、自分の何もない高校生活をすごく陳腐なものに思ったりした。 こういう水色っぽい学校の話が好きです。

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    投稿日: 2007.08.11
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    最初のお父さんとのお話がよくってジーンとしてたら、短編連作でナルホドと。譲れない好きなもの、本気になって跳ね返ってくるものの怖さ、大人の事情も、いろいろ共感。

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    投稿日: 2007.07.31
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    キライなものばっかりという女の子、マジになるのがこわいと思う男の子、ふたりの高校生のものがたり。明るすぎず、ずっしりと重い気持ちを持ちながら、なんとなくさわやかで、高校生らしいなぁって思う。高校生なのにお酒をがんがん飲んでいるシーンが出てくるのが、チョット気になる。

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    投稿日: 2007.07.30
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    初めはじれったかったけれど、最後はすっきりした記憶が。読んで3年以上経つのでうろ覚え。でも、本屋大賞をとったのも見てみたいと思う今日この頃。

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    投稿日: 2007.07.12
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    これぞ「青春」という感じの青春小説。みずみずしさ、さわやかさ、もどかしさ・・青春のすべてが詰まっていて読んでいるだけで高校生に戻れる・・気がする。 「自分の居場所が無い」とか「何のために生きてる?」ってよく自問自答したな。

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    投稿日: 2007.07.06
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    『背中を向けて歩き出す。大股でゆっくりと歩く。私がついてきてるかどうか時々確かめるように振り返る。』そんな男の子、結構好きだわ。海は必ず青春が生まれる気がする。羨ましい。

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    投稿日: 2007.06.16
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    マジになるのって、こわくない?自分の限界とか見えちゃいそうで。木島悟、16歳。世界で最高の場所は、叔父の通ちゃんのアトリエ。ずっと、ここに居られたらいいと思ってた。キライなものを、みんな閉め出して…。村田みのり、16歳。鎌倉、葉山を舞台に木島とみのり、ふたりの語りで綴られるまっすぐな気持ちと揺れる想い。 「一瞬の風になれ」で興味を持って読んでみました。どっちが好きかと聞かれれば「一瞬の〜」ですが、こっちはラブの要素も入っていて、「一瞬の〜」よりもシリアスなカンジで、これはこれでアリかと。絵の上手な人はマジで尊敬します!!

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    投稿日: 2007.06.02