
総合評価
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powered by ブクログ初見も多い。杜子春はやはり好き。心に正直な諦める心、高尚なものを裏切るほどの愛情など、肯定的なメッセージは勇気をくれる。白のプロットは、「子どもだまし」ではない「子どもの鑑賞に耐えうる」子ども向けといえる。ディズニー映画化希望。
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログどれも捨てがたいが、個人的には「蜜柑」と「白」がとりわけ印象に残った。 蜜柑を読むと、鬱屈とした苛立ちがもやもやと吹き溜まっていたところから一転、びゅうっと爽やかな風が心に吹き抜けていく感じがする。 白は、あの時ああしておけばという取り返しようのない悔やみを抱えても、その先の生き様によっては救いはあるのではないか?という希望を見出させてくれるような優しさがある。
1投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ芥川龍之介の入門編。とても読みやすい。「蜜柑」はいつ読んでも目の前に鮮やかな映像が思い浮かぶ。美しい文章。「犬と笛」「白」が好み。「トロッコ」は少年の冒険心と傷つきやすい心をノスタルジックに描く。「仙人」は権助、してやったり!
0投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ収録短編は蜘蛛の糸(教科書でお馴染み)・犬と笛・蜜柑・魔術・杜子春(教科書でお馴染み)・アグニの神・トロッコ・仙人・猿蟹合戦・白の10。人間のささやかな欲や煩悩は抑えられてもゼロにはできないんだなと子供にも諭させるミスラ君が登場する魔術が好きなんですが、逆に蜜柑は蒸気機関車に載ったことがないのでぴんとこなかった。トロッコは田舎に住んでた自分の子供のときの広い世界に感じる不安に思いを馳せると意外としっくりする。やはり芥川龍之介は寓話を借りた児童文学を書かせると抜群に上手い
0投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ昔話のような、教訓を含んだものが多かった。 今読んでも十分面白い。 子供向けに書かれた話が多いせいか、丁寧な言葉遣いが美しいと思ったが、よく見る写真のイメージとのギャップがあっていい。 特に、「杜子春」や「トロッコ」は国語と授業で習った記憶があり、改めて読んでもやはり好きな話だなと思ったし、「蜜柑」や「白」もよかった。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『蜘蛛の糸』 生前に一度だけ蜘蛛を助ける善行をした悪人に、お釈迦様が極楽へとつながる蜘蛛の糸をお下ろしになった。 追って糸につかまる悪人どもを蹴落としてひとり助かろうとした男だが、糸は切れて地獄の底へと姿を消して…。 昼前の極楽浄土の些事。
1投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログ大学時代、文学といふものを改めてやつてみようと思ひたち、試みに手にした一冊。表紙は2017年のプレミアムカバー。多分カバーに惹かれて買ってる。 『魔術』と『杜子春』とはほぼ同じプロットっぽいな。たまたまではあるが『無双OROCHI』を最近やっていてまさか左慈がここで出てくるとは思わなかった。どこで繋がるか本当にわからないもの。 『トロッコ』のようなトラウマは覚えがある。幼い頃、家族で温泉旅行した時のこと。旅館から出発する家族の車に置いていかれるところだったことがある。あの時の恐怖は度々フラッシュバックする。 なんかでも飛び抜けて面白いわけじゃないんだよなと思ってしまう。こういうもんかと思えばそれまでなんだが、賞として名が残るくらいだからと勝手に期待値を上げてしまったのかもしれない。筒井康隆のように出会った時代の問題か? そういえば今思い出したが『蜘蛛の糸』は幼稚園の絵本で読んだ気がする。
7投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ日本の作家の中でもかなり異才で、文体にあまり感情がこめられておらずいつ読んでもさらっと愉しめるのが特徴です。『蜘蛛の糸』は教科書で読んだとき説教くさいなと思ったのですが、今読むと性格わるい話としか読めなくて笑ってしまう。題名は伏せますがインパクトのある話は外してありますので安心して読めます。物足りないと思ったら他の小説もぜひ読んで欲しい。
1投稿日: 2025.02.26
powered by ブクログ『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』とともに杜子春を読むため、蜘蛛の糸も合わせて読了。 杜子春、展開の目まぐるしさと垣間見える人間らしさが面白い。ファンタジーだが話の重きは人間性に置かれている。
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログトルストイの晩年の民話風小話は素朴なキリスト教民間信仰がベース、芥川はニヒリスト。『杜子春』「親子の情愛も抹殺するような共産主義的人間に人生の価値はない」とか「他人を蹴落とし犠牲にすることばかり考えているから地獄なのだ」『蜘蛛の糸』といった教訓話は浅薄に感じる。『仙人』医者が田舎者を仙人になれると二十年こき使って、挙げ句に高い松に登らせて「右手を離せ/次に左も」と指図すると雲が湧いて仙人になってしまった。師匠が理不尽な無茶いう奇人でも弟子が大成するのはよくあること。 『アグニの神』日米戦争を必然とし神託で開戦の時機を探る場面がある。 娘にこの本をくれた創価学会の姉さんは何を伝えたかったのだろう?
0投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログオモコロのみくのしんさんの本を読むにあたり、収録されている「杜子春」を未読だったため先に読んでからみくのしんさんと並走したいと思い購入。 蜘蛛の糸は既読でしたが、最後のセクションがとてもいいなと思いました。
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ教科書で初めて読んだ芥川龍之介は『蜘蛛の糸』だったと思う。とても、胸に刻まれたから。 自分の事だけ考えて他人を貶めるような人は結局地獄行きなんだ…みたいな強烈な印象が残り、私は子供時代イジメに加担させられるくらいなら1人になったっていいんだと転校する先で度々一人ぼっちになりながらも、逞しくしていたら、最終的には周りの方々に別れを惜しんで頂ける人生を送られていると思うと本作には感謝しかない。 そんな蜘蛛の糸の他、実は未読だった杜子春も改めて読むと、これも最終的に自分だけ良ければいいという考えを改めたくなる話で他にも、そう言ったニュアンスを感じる作品が多いなと実感。 本作は、年少文学を集めているので、教訓が滲む話ばかりで、懐かしい気持ちになる。 そして、巻末の解説は2人の方が書かれていて、それぞれの見解は面白い、御丁寧に年表まであるので、芥川龍之介好きには宝物になる本でした。 東京都北区の田畑文士村記念館では、来年(令和7年1月)までクラウドファンディングで芥川龍之介記念館の建築を計画されてるので、ご興味のある方は北区のホームページを覗いてみてくださいませ。
11投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログ人も殺し家に火つけることもした大罪人が、気まぐれで蜘蛛を殺すのをやめたくらいで地獄から脱する術を得るの狡いと感じたが、結果自身の無慈悲な心・自己中心的な考え故に地獄へ堕ちるのはスッとした。こんなやつが極楽に上がらなくて良かった。他者が登ってくると切れると思うのは当然だけど、そういう考え方が罪人の浅ましさって感じ。自分より下の糸切れば解決したと思うけどそうしないで馬鹿正直に叫ぶのも、知恵もない奴だろうなと推測できた。昔話は割と悪い奴でも悪知恵で助かるパターンあるから、そういう助かる才がなかったんだね…と思うと気の毒なようにもなる。 でもあのまま登り続けて辿り着けたのかな?かなり長い距離だったらしいし大変そう。かなり序盤のうちに疲れて休み休みしててし、そこまでの根性あるように見えないからどっちみち失敗してそう。そう思うと御釈迦様も性格悪いね。上から見て楽しんでた説もある。1番趣味悪いし関わりたくない。 あと主役の名前、かんだた、、、おぼえにく!
0投稿日: 2024.11.26
powered by ブクログ最高におもろい!洗練されすぎている なんで昔の話なのにこんなに今面白いんだろうと思うけど、結構その時代の話ってよりファンタジー要素みたいな創作の部分がでかいからなのかもしれん
5投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログふと、昔から有名な本を読んでみようと思って最初に手に取った一冊。 どの話もすごく綺麗。 少年文学すごい。 とくに杜子春と白が好きだった。
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『蜘蛛の糸』は芥川龍之介が初めて書いた児童向け文学で、仏教説話としても有名な名作短編です。私も僧侶という仕事柄、この『蜘蛛の糸』のお話を法話や仏教書で見聞きすることは数多くありますが、このお話はお寺関係という枠を超えて日本人全体に親しまれてきた作品ではないでしょうか。 そして本書巻末解説では『蜘蛛の糸』制作についての詳しい解説が説かれていたのですが、これが私にとってかなりの驚きでした。簡単に要点をまとめると、⑴『蜘蛛の糸』が元々仏教由来なのかどうかはわからないということ、⑵この作品がドストエフスキーやトルストイとも関係があるという2点があげられます。 これは興味深かったです。
1投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ青空文庫で読みました。 難しそうかなと思いましたが、意外と読みやすかったです。 なんとなくですが旧約聖書を思い出しました。
1投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログ学生時代に読みましたが、大人になって改めて読むと学びがあるのだと実感しました。 杜子春が好きですね。人としてどうあるべきかを ストレートに伝えてくれるお話の数々。
16投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログ芋粥が好き。邪宗門の(未完)にはひっくり返った。続けて読むと、芥川龍之介という作家を少しずつ理解できてくるような気がする。
2投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ『羅生門』を授業で習ったので読んだ。 1年ぐらい前に読んだ『こころ』などよりは、この本の方が分かりやすかった。 難しい漢字には振り仮名があって、こんな読み方をするんだという発見になった。
1投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ蜘蛛の糸 改めて読むと「人間ってこんなもんだろ」と思う様になってしまった。 激混みする電車のなかで広告として流したらいいと思います。( ᐛ )و
2投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ講義で芥川龍之介の作品を読んで、「蜜柑」が気に入ったため、「蜜柑」が収録されているこちらを購入しました。どの作品も読みやすくて面白い。「蜜柑」「杜子春」がお気に入り。
3投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ再読に次ぐ再読。 大好きな作品集。 何度読んでも、面白さは変わらない。 トロッコが特に好き。少年の心細さを体感してしまう。 この時代の作家は凄いですね。
22投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログメモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1750716945471787077?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
1投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログ「魔術」、「猿蟹合戦」、「白」がお話としてとても好きだった、「蜜柑」は文章が綺麗で好き、読書ノートの感想めちゃ長になった
1投稿日: 2024.01.17
powered by ブクログ「蜘蛛の糸」 「犬と笛」これぞ龍之介の短編!!ってかんじがして大好き 「蜜柑」 「魔術」谷崎潤一郎の『ハッサン・カンの妖術』のマテイラム・ミスラを巧妙に利用して試みた二重虚構。粋。 「杜子春」 「アグニの神」 「トロッコ」帰り道のあの泣きたくなるような不安感が分かりみすぎる… 「仙人」 「猿蟹合戦」最後の一文、“君たちも大抵蟹なんですよ。”……!!??恐怖!!そもそもこれはEテレの昔話法廷そのものでは? 「白」
7投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ芥川龍之介と言えば羅生門を教科書で読み、地獄変、蜘蛛の糸を思いだしたんです。 こちらは少し物語がやさしい、わかりやすい感じでした。 その中でもはじめて読んだ蜜柑にとても惹かれました。 これは…好みのやつだ。 どの時代も、平然たる、日常の、生活での感情の機微は凹凸があるのだと思うが、作品そこにトリップしたような後読感で気持ちよかった。 こういう生活感があって、そこでのちょっとした非日常がすきなのかも。 龍之介目線。 列車でどこぞへ向かうのだが、ほぼ客のない列車内で、発車まで座席でなにを思うでもなく退屈に待つ龍之介。 やっと発車の笛がなる中、一人の娘が乗り込んでくる。 身なりがいかにもいなか者然としている娘。 その娘の存在が龍之介の退屈を払拭してゆくイメージなんですが、龍之介が娘を見る目の変化と、娘の境遇、諸々がわたしにはとても善き。でした。
25投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログこうしてまとめて芥川を読めてようやく教科書の呪縛から逃れられそう。 年少者向けの短編をまとめたものだということで 大人目線のものは『蜜柑』だけ。 でもどれも不思議が当たり前にある世界が楽しい。
0投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログああ、思い込みって勿体無い。 羅生門、地獄変、蜘蛛の糸あたりを子供の頃に読んだせいか、芥川龍之介=仄暗い怖い話を書く作家、と思い込み、あまり読んだ事がなかった。 こんなに素敵な作家の作品を今まで読まなかったなんて、私のバカ!
2投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログ今の時代に読んでもどれもが読みやすく、また、どれにも教訓を得る。世代を重ねて読みつがれる本というのはこのようなものを指すのだろう。
1投稿日: 2023.09.27
powered by ブクログ教訓的なお話からマジカルなお話まで、10作品収録。読みやすい文章で、移動時間に読むのもおすすめの短編集です。 1番印象に残ったお話は『トロッコ』です。梯子が外された気分の時に思い出しそうなストーリー展開でした。
9投稿日: 2023.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短い絵本むきの話がたくさん載っており、起承転結がくっきりしていて読みやすい。芥川龍之介の文章は本当に読みやすい。 「蜘蛛の糸」あまりにも有名な話なので、芥川の作品とは知らなかった(仏典やロシア版もあるようだけど)。 「杜子春」別の話と勘違いしていた。仙人になるための試練の話だけど、「封神演義」を彷彿とさせた。 「猿蟹合戦」童話の後、裁判になったらどうなるか、という話。「昔話法廷」と同じ形式。 「白」主人公の犬自体は不幸だけど、人助けをする伝説の犬みたいになってる! 巻末に芥川の人生の概要が載っている。子供の頃から読書が好きで本当に利発なようだけど、母親も義兄もそして芥川も精神を病んでいる様子から、遺伝的素養があるのかも、と感じた。
1投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログ芥川龍之介が残した児童向けの短編童話集。 表題の蜘蛛の糸、杜子春以外にも短くてすぐに読める短編が収められている、 表題の2作はもちろんよかったが、個人的に蜜柑もとても良かった。 ストーリーが面白いだけでなく訓示めいたものもあり、皮肉の効いたユーモアもありでなかなか面白い
0投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログどれも面白くて楽しく読めた。 芥川ってこんなに読みやすかったんだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。 大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。 魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。 少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。
1投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログ短編の名士である芥川龍之介の作品の中でも、 児童文学よりの作品が多く収録された一冊。 ひと昔前の文学作品はどうにも、取っ付きにくいイメージがありますが、とても読みやすかった。 王道ですが、印象深いのは以下の作品。 「蜘蛛の糸」 どんな人間にも慈悲深いほんの一面はあるが、やはり強欲、我欲が先に立ってしまう人間に本物の福は訪れないということ。。 「杜子春」 愛情に勝ちうるものは何もないということ。 達観した仙人になるよりも、愛の感情を持って生きることのが幸せかもしれない、、時に大変だけど。 「トロッコ」 この作品は最後まで読んで共感できた物語。 社会人になってゴールの見えない仕事に邁進する中で、小さな頃に体験した、日が暮れていく中1人帰路を急ぐ先の見えない心もとなさをふと連想する。 うーん、、確かに似ている。。 「蜜柑」 人を見た目で勝手に思い込み判断してはいけないですね。とても短い話ですが印象ぶかかった! アグニの神、魔術 もミステリアスで面白かった。 なんだかんだ、ほとんど印象に残りました!
6投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログ芥川龍之介の少年少女向けに書かれた短編集とあるが、読んでみてとても面白かった。何よりも読みやすい。「蜘蛛の糸」は有名な作品なので知っていたが、「杜子春」「トロッコ」「蜜柑」は、特に良かったです。「杜子春」は子供の頃読んだきりで大人になってから読むと別の面白さがある。「トロッコ」は少年の目から見た冒険心や心細さがうまく表現していて、「蜜柑」は汽車に乗り合わせた田舎の少女の行動に、男の心情が変化する様が心地いいです。2023年7月15日読了。
1投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ引き続き昔の文学を…の流れで、芥川龍之介作品を。 オーディオリスニングにて読める代表作をパラパラ(蜘蛛の糸、蜜柑、羅生門、トロッコ、杜子春、鼻)と…代表して感想をここに記載。 いや…何かエモいやん、芥川龍之介・大先生( ̄∇ ̄) 美しいながらも読みやすい…程よく装飾性のある文章、個人的にはスゴく心地良かったです。 今読むと話自体は決して珍しくはないんですが… 芥川龍之介作品とは、その超絶王道なストーリーを「巧みな筆力」と「偉大なる文豪の肩書き」を命綱にして読む作品なのかなぁと…我ながら、結構なお手前で…( ̄∇ ̄)wwwww あと、どの作品も最後(あたり)の一文が素晴らしいですね。 羅生門で言うところの「下人の行方は、誰も知らない。」的な(笑) 綺麗なフリオチのストーリーを、最後の圧倒的な美しい文章で仕上げつつ、ピリッとした緊張感を持たせる…コレが「文学」感を出してるんかなぁと。 「ええ感じのオチ書いたやろ」って、ほくそ笑んでる芥川龍之介さんの顔が浮かんできますね…うっすら漫才の最後で言ってんなぁ…「もうええわ」って…したり顔で…(´∀`) <印象に残った言葉> ・下人の行方は、誰も知らない。(P18) ・ーこうなれば、もうだれも嗤うものはないにちがいない。内供は心の中でこう自分に囁いた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。(P29) ・しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。その玉のような白い花は、お釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら蕚を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、なんとも言えないよい匂いが、絶え間なくあたりへ溢れております。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。(P70) ・暮色を帯びた町はずれの踏切と、小鳥のように声を挙げた三人の子供たちと、そうしてその上に乱落する鮮やかな蜜柑の色とーすべては汽車の窓の外に、瞬く暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。そうしてそこから、ある得体の知れない朗らかな心もちが湧き上がってくるのを意識した。(P152) ・塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細々と一すじ断続している。……(P236) <内容(「BOOK」データベースより)> この天才を越えた者がいただろうか? 近代知性の極に荒野を見た作家の珠玉作品集。 小説家の登龍門である「芥川賞」に、その名をとどめる芥川龍之介は、深刻な人生の悩みに耐えながら、機智と諧謔と博識を駆使し、みごとな短篇小説を書き残した。 平安時代、荒廃した都で途方に暮れていた下人は、若い女の遺体から髪を引き抜く老婆に怒りを燃やす……「羅生門」。 蜘蛛の糸につかまって自分だけ助かろうとした男のエゴイズムの果てを描く「蜘蛛の糸」。 贅沢と転落を繰り返し、人間に愛想をつかした若者が仙人になりたいと望んで……「杜子春」。 新鮮な抒情、傑出した虚構、そして明晰な文章で、今なお人々を魅了してやまない不世出の天才の代表的作品を、一冊に収めた21世紀への日本の遺産。
18投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ芥川作品のうち、主に児童文学チックなものを集めたもの。 蜘蛛の糸は、天国から地獄、そしてまた天国、このコントラストが素晴らしく、カメラワークを通した情景が目前に浮かんでくる。 杜子春は、仙人になるよりも人間らしく生きることを肯定する、道徳的、倫理的美しさが映える。 そして何といってもトロッコ。個人的には芥川作品でベスト。良平の心理の変転、帰途を急ぐ様子、村で母に抱かれた際の描写、全てが大人になった今でも深く心に刺さってくる。
3投稿日: 2023.05.13
powered by ブクログ昔から何度も読み返している作品。 読み返せるだけの深みと面白さがやっぱり詰まっている。短いストーリーだからこそ印象に残って、後世に伝えたいと思えるのだろう。たぶん笑
33投稿日: 2023.04.08
powered by ブクログ深みのある童話 大事な事が書かれている童話 という感じです やっぱり芥川はいいですね 蜜柑、泣いてしまった
5投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ短いお話の中に素晴らしい情景描写と、人生の教えのあるお話でした。 あまり古さを感じさせない内容です。
3投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログ「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」の十作品を掲載する。 あまり硬くなりすぎずに読める作品集ではあり、やはり短編の切れは素晴らしい。 だからと言って内容、特に蜘蛛の糸・蜜柑・杜子春・トロッコについては短いながらも秀作と言えよう。 特に蜜柑、トロッコの主人公の心理描写や心境変化については、読者は必ず主人公と一体となるように受け取れてしまう。 ともに中学の時?に読んで以来だったが、古臭くもなく、また杜子春については鉄冠子は三国志の左慈のことだったのかなどと新たな発見もあり、しかも単に古典に典拠するだけでなく、そこに時代を超えた日本人における普遍性を見据えて創り上げていくことは、まさに芥川の妙手と言えよう。
3投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ文学作品は苦手という方にもおすすめの短編集。小学校や中学校でも触れたことがある「蜘蛛の糸」や「トロッコ」などを中心に10編が収録されている。 多少言葉遣いが難しい部分もあるが、物語自体は平易なものが多い。しかし、内容は深く考えさせられるものが多い。人間のエゴイズムについて書かれた「蜘蛛の糸」や「魔術」、人間の浅はかさに触れ生き方について書かれた「杜子春」などなど、バラエティに富んだ作品集。 芥川龍之介を初めて読む人にはいいかもしれない。
3投稿日: 2023.01.18
powered by ブクログ少年少女のための寓話的な短編集だけど、 中国の伝記を題材にしながらも、 スマートに研ぎ澄まされた日本語の物語が紡がれていることに感嘆する。 また、大人になっても忘れない、子どもの頃のあの思い出を描いた『蜜柑』『トロッコ』にセンチメンタルを感じた。
8投稿日: 2022.10.18
powered by ブクログ芥川龍之介の少年少女向けの作品を集めた短編集。芥川は短編の名手と言われますが、さもありなんという素晴らしい出来。個人的には、たった6ページで鮮烈な印象を与えてくれた「蜜柑」が大好きです。
3投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログ有名な『蜘蛛の糸』、『杜子春』を含む10編の短編からなる。少年物と言われるだけあって、王朝物に比べるとずっと理解しやすい。
9投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログ国語の授業でしか読んだことがなかった芥川龍之介。又吉直樹さんの著書でお勧めされていたので読んでみた。児童向けに書かれた短編集で読みやすい。勧善懲悪的な教訓めいた話もいくつかあったけど、それだけにとどまらない面白さ、特に題材の豊富さに魅かれた。犬好きなので「白」という犬が主人公の話にきゅんときた。
7投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ芥川作品は、時を超えて、その時時の私の心に迫ってくる。 生徒に教える時には勿論、何気無く読みたくなることがある。 特に「トロッコ」の少年の心理描写は、何度読んでも素晴らしい。小学1年生の時に年上の人と遊んでいたのに、「一人で帰る」ことになり迷子になった経験と重なる。 最後の現在の描写に気持ちが重なる時期もあったが、今は違う。 その時々の読みができて素晴らしい。
2投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ芥川龍之介の作品が10編収められた作品集。 芥川龍之介の作品は、『羅生門』と『蜘蛛の糸』ぐらいしか読んだことがなかったが、この作品集は読みやすくとても良かった。それもそのはず、この作品集は、主に少年少女のために書かれた作品を集めたものらしい。教訓めいたものが多かったが、大人が読んでも十分に面白く楽しめた。
7投稿日: 2022.07.17
powered by ブクログ自分は「蜘蛛の糸」が1番印象に残りました短い文章なのに、犯罪者たちの幸せになりたいという感情が逆に自分を追い込んでしまっているように思え、当時や現在の社会の形を物語っているような気もしました。
2投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ全十編。たとえ周囲の人間の利己主義や薄情さに辟易し、世間に愛想を尽かしたとしても、自身の身近な人に対する気持ちだけは捨て去ってはいけないと教えてくれる芥川の杜子春は印象深い作品ですね。
2投稿日: 2022.04.18
powered by ブクログ学生時代の教科書で読んだきりの芥川 実家の父の書棚にいくつかあったのを拝借 ■蜘蛛の糸 お釈迦様のいる極楽の美しさ、穏やかさと地獄の暗さ、絶望のコントラストがいいですね 子供の頃はそんなことより、人を蹴落として自分だけが助かろうとするとバチが当たるんだと教訓めいた読み方しか出来なかった 大人になると、さてこれは自分ならどうするよ? となる うんうん考えてみたが、とりあえず誰にも追いつかれないようにダッシュで糸を登ってみる…という何とも器の小さい結論に 大した人間じゃないことがバレます ■犬と笛 植物、動物すべての生命体を魅了し、神から褒美まで貰える笛を奏でる主人公 どんな音色かぜひとも聞いてみたいものだ まさに芸は身を助ける 最後に二人の姫のどちらと結婚したのか気になるなぁ だってこれって一波乱ありそうじゃないですか(笑) ■蜜柑 短いながらも見事に映像化される作品 主人公の疲れ切った倦怠感とうんざりする平凡な日常 そこに現れた嫌悪感を抱かせる少女 ザラっとした男の心が爽やかな旋風が吹き飛ばされ、美しい情景に変わる鮮やかな筆術 ■魔術 凄い魔術を扱うインド人の不思議な館で人の欲深さが試される この不思議な雰囲気のある館が気になり、妄想が止まらない 妄想→古くて埃っぽくて暗い よくわからない調度品が無秩序に配置されている 微かにエスニックなお香の香りが漂う 出されたティーカップは古くて茶渋がこびりついている ティーソーサーは少し欠けている………なんて感じ そしてジンが登場 どうやら芥川は「アラビアンナイト」の翻訳を試みた事があるようだ ■杜子春 舞台は唐の都洛陽 主人公杜子春はお金のある贅沢な暮らしと無一文の暮らしを仙人に操られ、人間に愛想を尽かす そして仙人の弟子になるのだが… この修行により人間らしい正直な暮らしに目覚める… この修行がなかなかのものでちょっと杜子春を見直した ようやく彼は大切なものに気づいたのだ 大切なことは目立たなくて案外近くにあるってやつですな ■アグニの神 上海が舞台 強欲な魔法使いのインド人老婆 その婆さんの元に香港の日本領事館の娘が拉致られている 救世主はピストルを所持している遠藤という日本人 いつも婆さんが魔法を使うときに呼び出すのがアグニの神 最後はこの神の怒りに触れお陀仏になるのだが… これはよくわからなかったなぁ 内容はともかく、「杜子春」の華やかだが柔らかい雰囲気の都、洛陽とこの華やかだが下世話な感じの上海の雰囲気がそれぞれしっかり浮かび上がる ■トロッコ もうこれは誰しもが味わったことのある酸っぱ苦い思い出だ それを思い出す大人の疲れた、特に明るい未来があるかわからない先の見えないような日常が重なる… という描写 個人的にはこの「あるある体験」の生々しい少年の感情が鮮明で悪くない ■仙人 うわー これまた強欲な人間の登場 えげつないわ この医者夫人のおばさん でも正義は勝つのです ああ、良かった! ■猿蟹合戦 なんとまぁ「猿蟹合戦」のその後の話 猿と仕留めた蟹たちは警察に捕まり、監獄に投ぜられ、主犯格の蟹は死刑に 社会の風刺を取り入れて面白く話を展開させて膨らませているパロディ作品なのだろう 面白さが全く理解できなかったが… ■白 罪を冒した犬が命をかけて(本心は生きる事を諦めて)罪滅ぼしをしていく これが最後に報われる こういう話は子供の情操教育にとても良さそう 複雑さやヒネリはないが、素直に読めて心が洗われる 個人的に好きである 道徳や哲学が散りばめられており、とにかく全ての作品に余韻があり、読書後暫く考えさせられる 映像描写の素晴らしさと奥行き感が見事である ただ、好みではないなぁ うーん ワタクシの情緒が欠落しているのでしょう まぁ正直になることは大切なはず…
27投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ芥川龍之介さんに出会えた作品。 短編集で一話一話が短いので読みやすい。 この人は、 凄く丁寧な言葉遣いだった。 このような言葉遣いの人は 初めてだったけど 読みにくいなと感じることはなかった。 それは、話が面白いからだと思った。 この中では「猿蟹合戦」が一番好き。 「猿蟹合戦」は、昔話のさるかに合戦の 続きをえがいたもの。 猿を殺した蟹は死刑になる。 昔話だけを読んだ読者は蟹を可哀想だと思うだろう。 だが、蟹の死は当然だ。 蟹は必ず天下のために殺されるのだ。 昔話の奥深さを知って改めて面白いなと思った。 「白」も好き。 臆病な自分を見返せる。 大切な仲間を見捨てると、自分も見捨てられる。 忘れられる。必ず自分に返ってくる。 でも、ただ悲しいと思うだけではだめなのだ。 それを反省して心を入れ直す。 臆病な自分を捨てることが大切なのだ。 この本で自分を見直すことができた。 臆病になってしまったり、欲張りになってしまった時は この本を読もう。 人間の現状が今、ここにある。
79投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログジャンルが違う物語がたくさん、どこで思いつくのだろうと言うような設定のものがいっぱい。 文体が読みやすかった。「魔術」と「アグニの神」が個人的には好きだった。
2投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログ【読み終わって感じたこと】 想像以上に読みやすかった。どれも作者から読者へのメッセージが伝わりやすかった。「欲を捨てること」「相手を思いやること」この二つの大切さをひしひしと感じた。 【印象に残った作品】 「魔術」が一番面白かった。実は主人公は魔術を教わっておらず、夢を見させられていただけだったということに、主人公と同様に驚かされた。 【好きな言葉】 「しかし私はなれなかったことも、反って嬉しい気がするのです」 杜子春の言葉。仙人になれなくても、両親を愛することができた自分に誇りを持つ姿が素敵だなと思った。 【こういう人におすすめ】 ・芥川龍之介の作品を読みたい人 ・短編集が好きな人
3投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログこの文庫は芥川龍之介の年少文学と言われる作品で構成されているとの事。全ての物語に道徳的な要素、善悪に関する気づきや戒め、父母への愛などが織り込まれていて面白く、また語り口も優しく何か懐かしさを思わせるところも良かった。 『蜘蛛の糸』はあまりにも有名なので割愛しますが『犬と笛』の最後「どちらの御姫様が主人公のお嫁さんになりましたかそれだけは何分昔の事で今でははっきりとわかっておりません」とか、『蜜柑』の最後、蔑みの目で少女を見ていた主人公の見る目が瞬時に真逆に変わる様とか、『トロッコ』で少年が最後に堪えきれずに泣いてしまう昔の思い出を大人になって思い出す主人公とか、、何か読後に暖かさを感じ心地よい気持ちになれたものでした。 「喜んだの、喜ばないのではありません」といった様な言い回しがふんだんに出てくるのですがこの感じが好きです。昔昔、田舎のおばあちゃんの家にあったおそらく大正時代か昭和初期の児童文学雑誌を見た時のことを思い出し、大袈裟かもしれないですが私が覗いてみたい良き時代の日本にタイムスリップしたような、そんな気分に浸れる感じもするのです。
2投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ無駄のない美しい文体とはこういうものかと勉強になった。 テーマもわかりやすく、読後にすとんと手のひらに残された感覚。魔術、アグニの神は想像してどきどきした。大正、昭和の少年少女も同様に楽しんだのかなと思うと感慨深い。
5投稿日: 2021.11.05
powered by ブクログ平成21年8月15日 82刷 ー芥川龍之介と鎌倉 特別展 来鎌105年 来訪記念再読 ー 105年って刻みが細かいなと思ってはいたが、コンパクトな文学展でした。直筆の原稿、手紙等貴重な物も見学できたので良しとしましょう。 代表的な短編集。このあたりが鎌倉で書いていそうだったのでチョイス。各作品、印象的なエピソードと教示的な結末。 「蜜柑」の華やかな情景と少女の哀愁が好み。横須賀線での体験談と知って、身近に感じた。
10投稿日: 2021.10.21
powered by ブクログ★3.5 「猿蟹合戦」 「蜘蛛の糸」や「トロッコ」「杜子春」などをまともに読んだことがなかったので。
6投稿日: 2021.08.22
powered by ブクログ年少者向けの短編で読みやすかった。子供の頃に教科書で読んだと思っていたが、記憶していた内容と違ったので読み返して良かった。杜子春など自分が大人になり父母も年老いた今読み返してみると親子の情愛が特に身に染みた。
2投稿日: 2021.05.22
powered by ブクログ龍平さん主演のドラマ「上海の芥川龍之介」に出てきた『アグニの神』読みたさに買ったんだけど、『蜜柑』が芥川さん作品で一番好きと思えるくらい良かった
3投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログ蜘蛛の糸 自分ばかり地獄から抜け出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰を受けて、元の地獄へ落ちてしまったのが、お釈迦様の御目から見ると、浅ましく思し召されたのでございましょう。 杜子春 そうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友達も、今日は門の前を通ってさえ、挨拶ひとつしていきません。 母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思いやって、鬼どもの鞭に打たれたことを、怨む気色さえも見せないのです。大金持ちになればお世辞を言い、貧乏人になれば口も利かない世間の人に比べると、なんという有難い志でしょう。 何になっても人間らしい、正直な暮らしをするつもりです
3投稿日: 2021.03.05
powered by ブクログ内容、量に関しては読みやすかったが、文体は慣れてなくて難しかった、また読み返したいと思う作品だった。良いを好い、肝心を肝臓と書いてあり、不思議に感じたが、この時の人たちからすると自分たちのほうが変で、なにが正しいというのはアバウトなものだなということを感じた。「蜘蛛の糸」や「猿蟹合戦」など幼い頃から触れいた作品も、今読んでみると心情や行動など細やかに書かれていて当時と違う楽しみができ、楽しめる幅が広いことに驚いた。 個人的には、「杜子春」が一番よかった。金遣いのあらい青年に、仙人が彼の過ちをみをもって知らせ、真面目に働くこと、家族を大切にすることを教える。誰でも言える普通のことかもしれないが、美しいなと感じた。また「白」もすごく感動した。自分の犬でないとバットで叩くところには傷つき、再会を果たしたときにはとても嬉しかった。 河童も読んでみたい
5投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ子ども向け?の短編集。どれも寓話めいているけれど、いやらしくないところが読みやすかったです。 「蜜柑」「魔術」「猿蟹合戦」が好きです。
2投稿日: 2020.10.17
powered by ブクログ蜘蛛の糸・杜子春 (和書)2010年05月01日 21:46 1968 新潮社 芥川 龍之介 読み易く、とても面白い作品でした。 芥川龍之介の評論など読んでいきたい。全集を借りてみようかな。
2投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログ日本文学の金字塔、王道、一番有名な文学賞に名前が付けられている方なのに、恥ずかしながら小中学校の教科書に載っていた「トロッコ」「羅生門」「蜘蛛の糸」を読んだくらいで、もうすっかり分かった気でそれ以降まともに読んでいなかったことに愕然とした。 「トロッコ」の主人公の少年の心細さは、当時小学生だった自分が等身大で入り込めるくらいの心理描写だったが、今読むと結末の大人になった主人公と同じようにその当時の自分の心理を回想出来る。実際にはトロッコのあった風景は自分の人生の中にはなかったのに。 やはり、さすがに「芥川賞」の芥川龍之介さんである。明治の方というと難しい感じがするが(この本の作品は年少者向けのものを集めているせいもあるが)、どの部分の表現も美しく、優しく、易しく、品があり、それでいてキリッとして締まりもあり、非常に短い作品ばかりであるが心に残る。 良い映画を観ているような錯覚にも陥る。「蜜柑」という作品のクライマックスのシーンはそのまま額縁に入れて飾っておきたい。「杜子春」の冒頭、「或る春の夕暮…唐の都洛陽の西の門の下にぼんやり空を仰いでいる一人の若者がありました。…油のような夕日の光の中に…土耳古(トルコ)女の金の耳輪や…絶えず流れていく様子はまるで画のような美しさです。」この下りを読んだだけで、もう私は遥か唐の時代の洛陽に立っている。カメラを使っていないが、言葉の表現、文字の表現で舞台、衣装、光などを作り、映画を撮影している。異国情緒もあり、国名など難しい漢字が使われていたりするが、教養をひけらかすようなものではなく、東京の外国人居留区に近い所で育ち、新聞社員になってからは中国に派遣されたこともある人生の中で見てこられた光景だと思うので、味がある。 でも晩年の頃の暗い思想に裏打ちされた作品も読まなければ芥川龍之介は語れないのだろうと思う。
40投稿日: 2020.09.18
powered by ブクログ芥川の「年少文学」と言われる作品を集めた本書。古典などに材を取った作品だが、著者の思いを込めた良い仕上がりになった。有名な「蜘蛛の糸」も味わい深かったが、特に印象が残ったのが、犬を主人公にした「白」だった。黒犬の危機を見て見ぬふりをしてしまった報いに、自らが黒犬として飼い主家族から見捨てられる。自らの死に場所を求めて、様々な危難に身を置くも、逆に活躍につながってしまう。そんな中、心身ともに疲れ、自殺を考えてしまう白。ここに著者の苦悩が垣間見えたように思った。
4投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログ久しぶりに純文学に分類される本を読んだが、面白い。 どの話も読みやすく、すぐに読み終わってしまった。 芥川はなかなか読まないが、たまに読むと深々と人の欲の有様を実感させられる。
3投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログどれも年少向け短編ということで読みやすい。芥川龍之介入門としてよい一冊だと思う。 タイトルになっている蜘蛛の糸、杜子春はいずれも文章が簡潔で主題も明確であり、気づかされることが多い素晴らしい作品。
4投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログ久しぶりに短編が読みたいと思い、芥川の短編を読んだ。 蜘蛛の糸、杜子春は教科書にも載るような世に知られた名著の為に敢えて言及はしない。 どの作品も、著者の言いたい主題が最後に明確となるもので、三編ほど連続して読むと作者の癖みたいなものが掴めてきた。 白や、猿蟹合戦は巻末にあるからかもしれないが、印象に残っており、白については犬の心理が人のように面白かった。 蜜柑は情景がはっきりと脳内に浮かび、タイトルが効果的だなぁと素直に感心した。
3投稿日: 2020.02.24
powered by ブクログ全て言葉で言いようのない素晴らしい作品だった。 蜜柑は最後はっとさせられる文章でこの本が初めて読んだ芥川先生の作品だが、先生が出した小説全部読みたいと思った。
11投稿日: 2019.12.13
powered by ブクログ書評を書くのが恥ずかしいくらい洗練された美を感じさせる文章だ。無駄なく漏れなく的確で適切な密度。文章もさることながら中国古典をモチーフにしたストーリーも素晴らしい。『蜘蛛の糸』『トロッコ』は言わずもがな『杜子春』が特に気に入った。『猿蟹合戦』のような芥川らしいシニカルなお話も面白かったが、教養めいた読後感の良い作品に芥川の才能を感じる。
10投稿日: 2019.11.19
powered by ブクログ芥川の年少文学作品が集められた短編集。犬と笛、魔術、杜子春、アグニの神はファンタジーのように楽しめた。蜜柑、トロッコは文章から情景や心情が伝わってきた。濃厚な短編ばかりだった。短い中でシーンがすっと入ってきて、ストーリーも楽しめて、最後には教訓を示してくれる。個人的に好きだったのは、蜘蛛の糸、杜子春、アグニの神、白。
5投稿日: 2019.11.03
powered by ブクログ蜘蛛の糸と羅城門くらいしか読んだことがなかったので、これを機に芥川龍之介を読んでみる。 イメージより明るいストーリーが並んでいたが、少年向けの作品を集めたもののようである。 少年向けのものとはいえ、本の最後の解説ほどにはテーマを読み解けていない。
3投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説に「『猿蟹合戦』は古来から伝わる伝説的童話のパロディーであり、気の利いた社会の風刺になっているが、しょせんは気軽な戯作である」とありますが、その風刺と理不尽さに一番心が動きました。 「君たちも大抵蟹なんですよ。」という文末がなんだか悔しい。
6投稿日: 2019.08.25
powered by ブクログこれが320円!?お値打ちすぎない!?ってのが一番の感想。 猿蟹合戦ののち、蟹は裁判で死刑宣告を受け、臼ほか共犯者は無期徒刑に処された。蟹の行い対する世論は果たして———。と、こんな面白そうなスタートを切り、予想通りの、そしてある意味予想外の展開を辿る4ページの短編。お伽噺の「その後」を世知辛い現実を以って描く。その着眼点も書きようも凡人の自分には到底思いつかない。浅い感想だけども、とても面白かったの一言に尽きる。 その他もほぼ5ページ前後の短編で構成されており大変読みやすく、どの話も一文目から面白くなる予感にワクワクする。 蜘蛛の糸:この話を手元に置いておきたくてこの本を買った。だらだらと冗長でもないのに、見たこともない極楽と地獄を目の前にありありと想像できる描写の的確さ。 犬と笛:わかりやすく教科書に載っていそうなお話。勧善懲悪、読みやすい。 蜜柑:子供のころに読んでいたら違う感想を持ったはず。大人になってしまったから、前半の田舎娘を疎ましく思う気持ちを多少理解できてしまったことが辛い…爽やかに終わったが語り手の身勝手さが残る。無論語り手とは、読み手である私でもある。 魔術:蜘蛛の糸と似たテーマ。言うは易し。人生は欲との闘い。 杜子春:教科書以来。時間がかかっても学びが大切。家庭によるが親からの愛情は本当に無償で泣ける。前半の群がっては引いていく友人達と同等の人間にならない自信が、自分にあるか? アグニの神:ストーリーは面白かったものの、本書ではパンチが弱かった印象。他が面白すぎたからかも。 トロッコ:子供のころの感想は???だったが、大人になったのでさすがにノスタルジーを感じずにはいられなかった。誰でもいつかの自分と重なる話。 仙人:こちらもあまり強い印象には残らなかった。ひたむきに学べば実ることもある?にしても、少しお人好しすぎるわ。 白:皮肉の詰め合わせ。嬢ちゃん坊ちゃんどないやねん。 白は立派だったけど、白に戻りたかったから戦ったのではなくて死にたかったから、というのが予想外だった。 どの話も面白くて文体も新鮮で、これが320円なんてありがたい時代だなあと思う。教科書以来の芥川だったけど、これは子供時代に一度読んで大人になってまた読んで、という読み方をした方がいい。誰が読んでも面白い。
11投稿日: 2019.08.16
powered by ブクログ杜子春をオーディオブックで聞く。子供の頃にテレビの人形劇で見て以来かもしれない。 びっくりするほど面白かった。 骨太で迫力あるストーリーと、
4投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログ「お釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終を、じっと見ていらっしゃいましたが、やがてカンダタが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうなお顔をなさりながら、又ぶらぶら御歩きになり始めました」(「蜘蛛の糸」13p) 文章として1番洗練されていたのは、やはり「蜘蛛の糸」であると思う。鈴木三重吉に頼まれて初めて書いた芥川の童話集である。研究によって、元ネタが判明し、更にはトルストイの童話にもほぼ似た話があることが判明した。芥川の凄いのは、その2つとも最後に小難しい教訓をつらつら述べているのに、芥川はラストをお釈迦様の顔でさらりと流したことである。 私が20世紀最大の知識人と評価している加藤周一の「青春ノート」を覗き込むと、青年加藤は芥川に影響を受け、かつそれを如何に超えるか苦心していた。よって、単なる短編小説家と思っていた私の芥川龍之介評価は変わりつつある。確かに芥川の知識は、当時の日本の知識人の水準を遥かに超えていたと思う。この小さな童話集だけに絞っても、インド、中国、日本古代の知られざる典籍が元になっていて、更に短編小説の手法はヨーロッパ文学が基になっている 。それでも彼は自殺せざるを得なかった。大きな課題が、加藤周一の前に立ちはだかっていたとしても不思議はないと思うのである。 「アグニの神」は、在り来たりなジュブナイル・ストーリーなのだが、驚くことにその発端は「いったい日米戦争はいつあるか」という占い師への問いかけだった。日米開戦の16年前の記述である。 約40数年振りの再読。320円で、お釣り調整のために買ったのだが、下手な現代小説よりも考えるところがあった。
34投稿日: 2019.07.15
powered by ブクログ芥川作品は高校時代に現代文で「羅生門」を読んだ以外に手に取ったことがなかったので今回こちらを読むことにしました。 羅生門以外読んだことがないと自分では思っていたのですが、「蜘蛛の糸」や「蜜柑」は有名過ぎるためか私でも「あ〜このお話ね!」となりました。 「杜子春」がお気に入りです。これも漢文でやったようなやってないような。終わり方がいいですね。やはり文豪と呼ばれる方達の作品は一度は読んでおくべきだな、と感じました。
6投稿日: 2019.06.20
powered by ブクログ芥川龍之介が少年・少女向けに執筆した作品が収められていた。私のお気に入りは、「犬と笛」、「白」。「魔術」も結構好き。芥川龍之介は犬が苦手だったと聞いたけど、作品の中に犬が出てくるものがあるのが気になる。
7投稿日: 2019.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川作品を読むのは何年ぶりだろう。たぶんブクログには1冊も登録していない。いわゆる文学作品を、私はあまり読んでいない。 読もうと思ったきっかけは、勧められたから。図書室の福袋。これを読んだ人、次はこれ、という感じで。 なるほど、芥川龍之介はこういう文章を書くのか。面白さあり、メッセージ性あり。正直さ、誠実さが大事で、そういう人は報われる。そうでない人は、地獄に落ちる。シンプル。いろんな文体があって、不安定さや、迷いともとれる。短編は気楽に読めていい。なぜこの本を勧められたのかはよくわからないけど、勧められなかったら読まなかったのは確か。こういう機会も、いろいろと考えるチャンス。
8投稿日: 2019.05.22
powered by ブクログ【いちぶん】 彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?---塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。
4投稿日: 2019.03.13
powered by ブクログ『杜子春』って「カネの切れ目が縁の切れ目」って話だったよね、って嘯いていたら、本当はどんな話だったのかまるで覚えてなかった。「何言ってるんですか。こういう話ですよ」と職場の人間に諭されて、改めて読んでみた。なるほどね。人間らしく生きていきたいよね。でも現代では、消費することが生活の中心になっていて、人間らしく生きることと、消費経済が切り離せないだろうね。 ところで『蜘蛛の糸』も何十年ぶりかで読んだけど「お釈迦様って案外器量が小さくないかい」。こんなこと言ってると、また本質を忘れちゃうかな。
4投稿日: 2019.02.10
powered by ブクログどういう経緯で購入したかはすっかり忘れたが、 (小学校の時の読書感想文は鼻だった気がする) やはり、格調高い文章で、その表現の度合いに蜘蛛の糸を読んでクラクラした覚えがある。 すでに大人になったので特にクラクラはしなかったが。 太宰と読み比べてみよう。そういえば太宰はあまり読んだことない。 そして、kindleに芥川の全集が入っているんだっけな。
3投稿日: 2019.01.25
powered by ブクログ芥川の作品は今まで国語の教科書でしか読んだことがなかったけど大人になって改めて読んでみると意外と面白かった。特に「魔術」の不思議な雰囲気に引き込まれた。 「杜子春」では母親の子を思う愛情と親を思う子の思いとに涙が出そうになった。
3投稿日: 2018.12.30
powered by ブクログ本書の中にある「トロッコ」を再読したくて手に取った。トロッコは、精読の経験が初めて出来た中学1年の国語授業の題材だ。何コマかかけて読み込んだ授業だった。主人公の少年が弟たちと立ち入り禁止の作業現場でトロッコを動かした時の心理、後日作業員に声をかけてトロッコに乗せてもらった時の心理、動かしているうち思いがけず遠くまで運ばれてしまった時の心理、日没近くに不安の中で走って帰った時の心理…。なかでも、行きと帰りで風景が違うことと、その不安の重なりが印象的だった。小説とはこんなにも丁寧に人を描いているのかと驚き、忘れられない授業になった。そしていま再読すると、そこに描かれている心理が、長い人生にもうまくはまることに気づく。大人になっても初めてやることは怖いのだ。この本に収録されている作品は元々は子供向けに書かれた小説ばかりではあるが、大人が読んでも感じることが多い。だから長年読まれ続けるのだろう。
4投稿日: 2018.12.12
powered by ブクログ大人向けの童話という印象。読みやすく考えさせられる短編集です。そして秀逸なオチが用意されています。トロッコのみ子供のころに興味と冒険、そして恐怖を描いて異色ですね。どの短編も味わい深いと感じました。
5投稿日: 2018.09.07
powered by ブクログ昔、NHKの人形劇で杜子春をやっていた。 金持ちになる度に言い寄ってくる取り巻きが嫌で嫌でしょうがなかった気がします。 年少者向けに集められた短編なだけに『蜘蛛の糸』や『白』『魔術』などは子供のうちに読んで何かを感じ取ってほしいなぁと思った。 全篇とおして短めで読みやすいのでアッという間に読めます!
6投稿日: 2018.08.08
powered by ブクログ数ある作品の中でも表題作他、年少者向けの話を収めたとのこと。確かに、長さと言い読み口といい、イソップ物語も彷彿とさせる話が多い。 そのまま素直に読むこともできるが、解説を読みながら元の話との違い(著者の考え方の違い)を知ると更に深い。特に「杜子春」は、主人公である杜子春が仙人になろうと試練に挑む話だが、結局乗り越えられなかった。乗り越えられなかったことに続くオチがいい意味で予想外だったが、これについても解説で原作との違いなんかに触れていて成程なぁと思った。
5投稿日: 2018.06.26
powered by ブクログどの作品も面白かった、引き込まれました! ストーリーはもちろんのこと、社会や人間に対する鋭い洞察がちりばめられている点が非常に良い!そしてそれを、ユーモアを加えて美しく表現している。本当にどの作品も引き込まれました。 寝る前に毎日1作品!という感覚で読んでいました。数年後にまた読み返したいですね。
5投稿日: 2017.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何だこれ。 山もオチもない。 さらっとしすぎ。 って思って読んだら、これは年少者のための作品だったみたい。 童話的なもの。 たぶん今の子供はこんなんじゃ喜ばないと思う。 ワンピースとかすごいから。 一番面白かったのは、あの有名な猿蟹合戦の後日談的な物語。 タイトルはずばり「猿蟹合戦」。 猿を殺したあと、蟹は死刑に、臼や蜂たちは無期懲役になったそうですよ。
1投稿日: 2017.09.12
powered by ブクログ表題2作を小学生以来の再読。どちらも救いの無い、残酷な話の印象だったが、歳を重ねて読み直すと、なんともヒトの業(ごう)を感じる短篇であった。 感性も肥えて鈍くなってしまったかな。
2投稿日: 2017.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・羅生門 人の心の容易い善悪の移り変わりを 表した作品。 芥川作品にこういった心の動きは 多く見られる気がする。 ・鼻 人間は無い物ねだり 隣の芝生は青い ・煙草と悪魔 とんちのような話。 自分の意図した結果のようでも 全ては悪魔の策略の手の中にあるのかもしれない。 ・戯作三昧 滝沢馬琴が主人公。 童心への回帰、趣味道楽を愛好し楽しむ心こそ 文学作品、その他あらゆる芸術作品の原点かなと思った。 ・蜘蛛の糸 独占欲は我が身を滅ぼす。 ・蜜柑 こういった文学は個人的に好かん。 つまらん。 ・魔術 欲の少ない人間も目の前にぶら下がった 人参を追いかけてしまうもの。 ・杜子春 個人的に一番関心深かった。 莫大な財を成そうとも、地獄の沙汰へおちようとも 最後に信ずれるものは母の愛情と知った。 芥川の内を垣間見た。 その後、芥川の母が龍之介の生没後すぐに 狂人と化した事実を知った… ただ杜子春は我が子に読み聞かせてあげたい。 ・トロッコ 芸人又吉が文学の道を歩むきっかけを 作った作品。 確かに妄想からなる過度な期待から 裏切られたように感じることや、 他のことが気になり 心ここに在らずになるような経験も あるにはある。 が、そんなにも心打たれるか?と思った。 正直別に好かん。 ・雛 日本昔ばなし。 幻想だろうが物理的なものであろうが 見たとゆう事実には間違いない とゆう点には納得。 ・白 ハッピーエンドでよかったね。 ・少年 窮地の底に立たされた時 母の愛を無意識と求める って話 マザコンやね。 携帯で読んだ河童が なかなか関心深かった。 精神的に狂気じみていきながらも 社会を風刺した 芥川の強い芯の部分に惹かれた。
1投稿日: 2017.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
蜘蛛の糸は、釈迦はある日の朝、極楽[10]を散歩中に蓮池を通して下の地獄を覗き見た。罪人どもが苦しんでいる中にカンダタ(犍陀多)という男を見つけた。カンダタは殺人や放火もした泥棒であったが、過去に一度だけ善行を成したことがあった。それは林で小さな蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けたことだ。それを思い出した釈迦は、彼を地獄から救い出してやろうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。 暗い地獄で天から垂れて来た蜘蛛の糸を見たカンダタは「この糸を登れば地獄から出られる」と考え、糸につかまって昇り始めた。ところが途中で疲れてふと下を見下ろすと、数多の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは重みで糸が切れてしまうと思ったカンダタは、下に向かって「この糸は俺のものだ。下りろ。」と喚いた。すると蜘蛛の糸がカンダタの真上の部分で切れ、カンダタは再び地獄の底に堕ちてしまった。 無慈悲に自分だけ助かろうとし、結局元の地獄へ堕ちてしまったカンダタを浅ましく思ったのか、それを見ていた釈迦は悲しそうな顔をして蓮池から立ち去った。 キリスト説話にも同様の逸話あり。 唐王朝の洛陽の都。西門の下に杜子春という若者が一人佇んでいた。彼は金持ちの息子だったが、親の遺産で遊び暮らして散財し、今は乞食同然になっていた。 そんな彼を哀れんだ片眼すがめ(斜視)の不思議な老人が、「この場所を掘る様に」と杜子春に言い含める。その場所からは荷車一輌分の黄金が掘り出され、たちまち杜子春は大富豪になる。しかし財産を浪費するうちに、3年後には一文無しになってしまうが、杜子春はまた西門の下で老人に出会っては黄金を掘り出し、再び大金持ちになっても遊び暮らして蕩尽する。 3度目、西門の下に来た杜子春の心境には変化があった。金持ちの自分は周囲からちやほやされるが、一文無しになれば手を返したように冷たくあしらわれる。人間というものに愛想を尽かした杜子春は老人が仙人であることを見破り、仙術を教えてほしいと懇願する。そこで老人は自分が鉄冠子(小説『三国志演義』などに登場する左慈の号)という仙人であることを明かし、自分の住むという峨眉山へ連れて行く。 峨眉山の頂上に一人残された杜子春は試練を受ける。鉄冠子が帰ってくるまで、何があっても口をきいてはならないのというのだ。虎や大蛇に襲われても、彼の姿を怪しんだ神に突き殺されても、地獄に落ちて責め苦を加えられても、杜子春は一言も発しなかった。怒った閻魔大王は、畜生道に落ちた杜子春の両親を連れて来させると、彼の前で鬼たちにめった打ちにさせる。無言を貫いていた杜子春だったが、苦しみながらも杜子春を思う母親の心を知り、耐え切れずに「お母さん!」と一声叫んでしまった。 叫ぶと同時に杜子春は現実に戻される。洛陽の門の下、春の日暮れ、すべては仙人が見せていた幻だった。これからは人間らしい暮らしをすると言う杜子春に、仙人は泰山の麓にある一軒の家と畑を与えて去っていった。 原作との相違点[編集] 原作の『杜子春伝』では、杜子春に大金を与えるのは仙人ではなく道士である。杜子春は地獄に落ちた後、女に生まれ変わって誕生するが、やはり全く物を言わず、結婚して子を産んでも喜びの声一つ発しなかったため、怒った夫が赤ん坊を叩き殺し、そこで妻(杜子春)が悲鳴を上げたところで現実に戻り、道士は声を出さなかったら仙薬が完成し、道士と杜子春は仙人になれたのに、と言って突き放す。芥川は、親が地獄の責め苦を受ける場面に変えて「あの時もし声を出さなかったら、お前を殺していた」と仙人に言わせ、より人間味にあふれた話へ変えるとともに、児童向けの教育的な物語にアレンジしている。 このほかに、有名な短編が収録されている。
1投稿日: 2017.07.26
powered by ブクログお釈迦さまが天国から地獄を見下ろすところから始まります。主人公のカンダタは生前大泥棒で様々な悪行を行なってきました。ただ一度だけ蜘蛛を助けたことでお釈迦さまから情けをかけられることとなります。お釈迦さまから地獄に一本の蜘蛛の糸が垂らされ、カンダタはそれを登って脱出を試みます。しかしふと下を覗くと他の亡者たちも後をついてきています。 カンダタは蜘蛛の糸を自分だけのものとして、他の亡者たちに来るなと喚きます。 それを聞いたお釈迦さまは蜘蛛の糸を切ってしまい、カンダタは再び地獄に戻ることになってしまうというお話しです。 他を顧みず自分のことだけを優先すると、結局は自分に返ってくるという教訓であると感じました。ただ自分も同じ境遇であったとしたら、同じことをしてしまうのではないかとこわくなりました。カンダタは盗みを働かないと生きていけないほどの環境だったため、罪を重ねていたのだろうと思います。命を大事にする考えを持っており、根っからの悪者ではないことから、お釈迦さまも最後のチャンスを与えたのではないかと思いました。 人間の欲深さを知りながら、良心を試したお釈迦さまは凄いなとも感じました。
1投稿日: 2017.04.16
powered by ブクログすごく堅いイメージだったけど、全然違くて驚いた。短編で児童向けということもあり読みやすかった。素直に感動できる話。 杜子春、トロッコ、白がすき。
1投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログ蜘蛛の糸・・まず、「極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当っております」→極楽と地獄は紙一重で接している事を表しているのでしょうか?「何ともいえない好い匂いが、絶え間なくあたりへ溢れております」→良い匂いが極楽を表す何らかの隠喩なのでしょうか?悪党の男が無慈悲な心を顕したと同時に蜘蛛の糸が切れる事は、色々と示唆に富んでいると思います。 杜子春・・序盤、杜子春が金持ちになる事に愛想を尽かすのは、彼が小利口ではない事を表していると思います。彼が修行中に残酷な事に直面して、それに黙って耐えていく事は、孤独や絶望に忍耐をして立ち向かっている事を比喩で表していると思います。最後、母の愛情で杜子春は健やかな自分に生まれ変わって終わります。愛情によって、人が良い方向に変わる、これは文学だけに限らない、人間の一つの宿命だと思います。 「蜘蛛の糸」「杜子春」を骨組みにして、想像で肉付けしていけば、他の文学作品との類似、他の文学作品の痕跡を見出せると思います。文学では、罪=絶望を背負っている人々をよく作品に登場させていると思います。 (革命に革命を重ねたとしても、我々人間の生活は「選ばれたる少数」を除きさえすれば、いつも暗澹としているはずである。しかも「選ばれたる少数」とは「阿呆と悪党と」の異名に過ぎない。)・・侏儒の言葉より。 「蜘蛛の糸」に悪党の、「杜子春」に阿呆の一つの宿命を視た様に感じました。ここでの阿呆は、小利口でない・ある意味純粋な人の事でしょうか? ドストエフスキーの「白痴」の主人公を連想しました。 悪党と阿呆に共通しているのは、共に社会から拒絶された・隔絶した人々である事だと思います。悪党も阿呆も主に社会との摩擦によって罪=絶望を背負っていると思います。罪を持っている事、そして能動的か受動的か・必然か偶然かは分かりませんが、罪と向かい合い続けている事が彼らを「選ばれたる少数」に導いているのでは?と思いました。
1投稿日: 2017.01.13
powered by ブクログ児童向け作品を中心として編まれた短篇集。僕が好きなのは「蜜柑」と「トロッコ」。読了から数か月を経てこのレビューを書いているわけだが、強く印象に残っているのはこの二篇であった。 「蜜柑」は列車内でのある出来事を描くもので、巻末の解説(吉田精一)によれば、芥川自身の体験に基づくらしい。暗から明への鮮やかな転回。 「トロッコ」が描き出すのは子供時代のちょっとした冒険。向こう見ずな好奇心が少年を日常の外側へ連れ出す。ひどく懐かしい気分にさせられる作品である。
1投稿日: 2017.01.07
powered by ブクログ蜘蛛の糸は小学生の時に知って、それからすごく鮮明に覚えている物語。 結構人格形成に影響しているような気がします。 今、思えば、、。
1投稿日: 2016.12.08
powered by ブクログ今さらながらの芥川龍之介(苦笑)。 “いまさら”過ぎて、感想を記すのも気恥ずかしいので、簡潔に、簡潔に・・。 【杜子春】 真実の愛。無償の愛。 【鼻】 覆水、盆に還った。 【羅生門】 生きるが勝ち。 ※昔話の「羅生門の鬼」と「羅生門」とが別モノだと知ったのは、いつだったっけ…? 【芋粥】 足るを知る。 【トロッコ】 逃避と現実? 【蜜柑】 えたいの知れない朗らかな心もちになった。 【地獄変】 まさしく地獄。 【大導寺信輔の半生】 ・・・未完?・・なのか? 【白】 良質の児童文学。 こういうのも書くんだ…と、新鮮な驚き 【槍ヶ嶽紀行】 ???・・・・「付録」だ(苦笑) 「今さらながら」に読んでみると、思いのほか読みやすい文体、味がある文体にして、魅力ある物語の数々・・・。本書は少年少女向けに書かれたと思われる作品が集められたようだが、芥川さんの他作品も読んでみようという気にさせられた一冊。 ★3つ、7ポイント半。 2016.11.09.図。
2投稿日: 2016.11.07
