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凶気の桜
凶気の桜
ヒキタクニオ/新潮社
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総合評価

32件)
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    メルカリで買ったおまとめセットに入ってたもの。 タイトルだけは聞いたことある。 読みにくい訳ではなかったんだが、あまり感情移入できなかったな。 景子の存在にあまり必要性を感じない気もするし…。 単なる繋がりでしかないのは残念。 『結局、暴力が全て』、『長いものには巻かれろ』みたいな印象を受けたので、非力で小心な人間からすると、何言ってんだ的な印象。 ワルにはワルのルールがある、的なものはわかるけど、それをドヤ顔されて言われても…って感じかな。 信念に基づいてやってる、と言っても法を犯したら普通に考えて悪でしょ。 そこに信念とか関係ない。 他の方は結構いい評価だったので、俺の感覚が捻じ曲がってるんでしょうね…。 うん、自覚ある。 有意義な読書タイムをありがとうございました この読後感を噛み締めつつ 映画版の評判もいいようなので、どこかで観てみようと思う。

    3
    投稿日: 2025.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    星4.1 何度観たかわからない映画 物語の良さより、映像としての気持ちよさにハマり何度も観た映画 の、原作をようやく読んだ 面白い 本気で唱えてはいるが中身は軽薄な思想、正義感 誰もが中学生くらいに持ったことのある感情 調子にのってたらホンモノの大人に食われる話 映画は観ていたけれど、とにかく先が気になって読書がノってくる、読んでて楽しい、そんな理想的な作品 登場人物がみんな魅力的で、それぞれの行動にそれぞれの考え、筋が通っている 映画は映画でよい 原作は、そこにより深みが出た印象 青田とタエさんが繋がる展開がよい 小説で気持ちいいところ 登場人物の心情を割と会話で説明くさく表現していると感じなくはない でも、テンポが良いからそこまで気にならなかったかな

    0
    投稿日: 2022.11.24
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    ネオ・トージョー 宗旨替え 売国奴の森 厚顔無恥の亀井静香 奪還強制排泄フルコース スケボー狩り 大人もどき ラクロスのスティック 孫悟空の如意棒 初台 甲州街道 こいつらの戦闘服 渋谷に現れた新しいナショナリスト 防刃性 千駄ヶ谷の焼肉屋の個室 体の穴という穴から内容物を垂れ流す 後悔する時間も死を覚悟する時間も与えられず中島安子の一生は終わった 金属の塊から泡状の血液が黒い油に混じってジュワジュワと塊の表面に浮き出る 説諭 基本理念 さんみ三位一体 強姦魔と喧嘩上等と泥棒お宅が仲良くやってる不思議な集まりなんだよ ボノボと呼ばれる猿の群れ クラック ガキに薄利多売するんです メガトン級にはまる根性はないんです それは背中から首筋に一気に刺々しい快感を乗せて駆け上がった 最初は強烈に襲ってくる射精感ですね 次に来るのは渇望です 強烈に覚醒します ほとんど猿のセンズリ状態ですね コロンビア 高さ五十センチほどの甕に注意深く漬け込む 排斥 挺身隊に駆り出される年齢 縁故疎開で富山に出され 苦虫を噛み潰したよう顔で太めの眉を曲げ 玉砂利 注進 薄汚れて精彩をた街並みの色と大勢が歩調を合わせる重い靴音が張り付いていた オモニのキムチ漬け 特高警察 JR中野駅 拘禁反応 オカマの料理は早くて美味くて気が利いてんだ ビルといっても軽量鉄骨の安普請だった 一番大事なのは警察に事件の"事"の字も感じさせないことなんだ 「あはははは、消し屋ってのは、生きている人間の痕跡を消して、自分の戸籍を消して、刑事の功名心も消すんだよ」 ハードゲイがフィストファックの時に肛門から腸壁に塗るゲル状の麻痺剤をチューブから手の平に五センチほど絞り出した 市川は善悪を超えた憧れを実現しようとしている 野良猫の生き方だよ 後は野垂れ死ぬだけさ 精神構造化原始的にできてるのかもな… 豆腐が固まりかけている途中なんだ 少し怒気を含んだ声 山口は宮下公園から見えるホテルから視線を逸らさない 渋谷の古い博徒の親分が白昼にシマ内で撃ち殺されたんだもんなあ 事後承諾 義憤に駆られた右翼小僧が撃ち殺した 宇田川町交番の警察官 勢いのある奴は無駄な動きしないから決断が早いんだ。市川はその勢いに呑み込まれしまったということだな 猪口が割れそうなぐらい強く握り冷酒で舌を湿らせた 経済摩擦を笠にきた執拗な内政干渉 ノアの箱舟に乗れた社員にとっては、夢のような話だろうよ 侵略されても隷属していけば、やがてこちらも天国を味わえる。それも、一度は地獄を体験させられた後にな 弱みを見せたら致命傷の稼業だからな 年寄りの繰り言 清廉なことやろうたって 揺戻し 頭の中にある光景が綿で霞んで見えなくなる 長曾根虎徹 一級品の贋作 私利私欲 「これでは、俺の頭の中に降り積もる白い闇を切り裂くことはできないのさ」脂で光った青田の額には深い皺が刻まれていた。その皺は土から水分を吸い上げる力をなくした巨木の樹皮に入った裂け目のようだった。 パープー=阿保 度量 戸籍係のような顔 脊髄損傷 ズバンって音が頭ん中でしたんだ 相撲崩れ シマ=地面 でいり=戦争 筋者のシノギ=仕事にアヤ=文句つける ハジキ=拳銃 ナガモノ=日本刀 アディクト 阿片中毒者 会長は中毒の泥沼から這い上がってきたんですもんね 横恋慕 松濤しょうとう 潔し どん底の青 酢を一升 大勢の前で啖呵を切る時はトリッキーな道具立てが抜群なんだ 生々しい欲望のまったくない存在に安らぎを感じ、同時に欲望を抑えることを試していた。 骨が軋むほど強く抱いた腰は、内臓が詰まっているかどうか不安になるほど細かった。 夜が明けはじめ、ゴミを漁る食欲旺盛な鴉の鳴き声が街に響いた。 小さなそ徐さん 狂い咲き 玉砂利 ラス=金網で簀巻きにして海に捨てた 薗田賢次 行間に「色」と「艶」を感じる。色彩表現をこれほど感じる文章も、そうないのでは? 仮想敵のいない憤り 枠 粋 読後感

    0
    投稿日: 2018.05.26
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    最初読んだ時には 思想がない右翼青年のイメージで ネオトージョー という下りには 苦笑した。 この右翼の青年たちは どうなるのか という関心も持てなかった。 ハズレの小説という感じだったが、 ヤクザモンの世界にはいりこんで、 ぐいぐいと 引き込んでいった。 とりわけ 消し屋「三郎」が 実に存在感があった。 殺しのテクニックが、並外れていた。 兵藤のたくらみ、そして 青田の過去からの連綿とした ヤクザの すごみと 鬱症になって、綿がつもる。 その中で、やっと 山口くんが 少しづつ 光り始めるのだが、圧倒的に 三郎の力量に、 屈せざるを得なかった。 無理やり 在日に結びつけていくが、 ある ロールモデルがあるのだろうね。 徐くんが 「西原くん」だったことは、驚いた。 過去に そんな話が あって、記憶に残っていた。 文体が 不思議なくらいに 活力がある。

    0
    投稿日: 2015.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【本の内容】 怖い大人がいねかえら、脳ミソのぱさついた阿呆がのさばるんだ。 生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやる―。 渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。 その名はネオ・トージョー。 薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、“掃除”を繰り返していた彼らは、筋者の仕掛けた罠にはまっていた。 『時計じかけのオレンジ』の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。 [ 目次 ] [ POP ] 渋谷、ナショナリスト、筋者の世界。 自分にとって、とんと興味のない世界にもかかわらず、きちんと凶気の世界に誘導されていった。 共感もできないし、価値観も違うけれど、若くて荒っぽくて、未成熟な登場人物の魅力が、興味のない者をも引き付ける磁力となったのだろう。 渋谷の街は、とくに週末の夜は人があふれていて、土地柄と集まってくる人のパワーが互いに煽り煽られて、独特の雰囲気を醸し出している。 パワーに圧されたものはすごすご退散するしかないような、そんな排他的な感じすらする。 その中で生きる人々を描いたこの物語、映画化されるのがわかるような、派手さとスピード感のあるストーリーだった。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    0
    投稿日: 2015.01.18
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    ・あらすじ いきがってたら大人でてきた。 ・かんそう 中二病。江口洋介的な殺し屋像のほうがいいね。映画の勝ち。

    0
    投稿日: 2014.12.09
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    映画化されると知って気になって読んだ本。 窪塚洋介さんらが載った帯で想像しながら読んだ。 当時、衝撃を受けた一冊。

    3
    投稿日: 2014.10.18
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    文体が独特。 話にまとまりが無いかと思っていたらスゴくハッキリした筋に沿って実は進んでいる。 話は綺麗に纏まるけど、最後に何の教訓が残っているのかは良く分からない。

    0
    投稿日: 2014.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あんまり読まないタイプのぶっとんだ小説だけど、たまには。極右の少年たちとホンモノのヤクザの戦いは、若者と大人の対決と見てとれるけれども、そうだとすると切ないラスト。

    0
    投稿日: 2013.10.25
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    映画から入りましたね、てか本あるの知らんかったし。 窪塚が出てて、キングギドラが歌ってて、中学生の時の私にはもってこいの映画だった。 そして高校の図書室においてあったこの本w 図書室に置く本って、内容とか確認しないんだねw とにかくアンダーグラウンドな世界で生き抜くのって辛いよね。 また映画見たいなー

    1
    投稿日: 2013.06.19
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    昔に映画みたの思い出して、読んでみたんだよ。 いやあ、おもしろかった! こういうのはスカッとして、いいね。 あとがきも、なかなか。 こんなん読んだら、自分がむっちゃ喧嘩強い気がしてくるね。ガリガリやけど。

    1
    投稿日: 2013.01.13
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    普段読まない類いの本なのですが 結構面白く読めました。 映像向きだなぁ〜と 思いましたら 映画化されてるみたいですね。 でも 読んだあとはぐったり疲れました〜

    0
    投稿日: 2012.04.09
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    青春特有の鋭く尖った感じが良くでてた。 映画のイメージ先行で読んだけれど良い意味でも、悪い意味でも、あまり印象が変わらなかった。

    0
    投稿日: 2011.10.14
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    面白いの一言。 表題、表紙から見て難しい言い回しでナショナリズムやらについて語った小説かと思いきや、わかりやすく若者のイラつきや社会の汚さをつづっていた、映画を先に見たけど、これほどまでに見事に原作を壊さない映画ってのもすごいと思う。

    0
    投稿日: 2011.01.24
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    映画DVDのパッケージを観たことがあるだけで、特に内容も知らず、ただ窪塚くんのイメージだけが頭にある状態で読む。 なかなかカゲキやねぇネオ・トージョー。このまま行くなら嫌いやぞと読み始め、気付けばハマっておりました。 山口はもう窪塚くんぴったりで、完全に脳内で変換。 自称ナショナリストのイキりなお兄さんやらやくざさんやら、いろいろでてきてえげつないことをいろいろするんですが、生き方やら表現方法の別はあるにしても皆さんなかなか根っこが魅力的。 いろんな人が酷いことになるんですが、それぞれが主人公になる回があるから、読み手は誰も悪役にできないんだろうな。 ラスト80ページ、それまでの布石や「凶気の桜」がどう繋がるのか、楽しみながら読めると思います。 ただ、救えないけど。

    0
    投稿日: 2010.11.05
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    ・9/4 この本が前から気になってたから思い切って読むことにした.これも映画化済みだから、面白かったら映画も観てみることにしよう. ・9/5 なかなか面白い. ・9/8 と思ったけど、任侠小説になってきた.なんかこういうのって調子いい時にはいいんだけど、疲れてるときは本当読むと疲れて切ない気持ちになるよね.本日読了だけど、どうしよう、映画観てみる?

    0
    投稿日: 2010.09.05
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    「時計じかけのオレンジ」の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。 そのキャッチのとおり、白と黒が際立った、疾走感ある小説だと思った。ネオ・トージョーと名乗り、理由なく大人を、たむろする若者を、秩序を壊し、力でねじふせようともがく3人の若者。怒りと苛立ちを吐き散らして駆ける彼らの渇きは、彼らが一番軽蔑する、ヤクザという名の大人たちによっていとも簡単に絡めとられてゆく。あしらわれ、翻弄され、ぱっくりと自分達の青さをさらけだして崩れ落ちてゆく。いともあっけなく。 ナショナリストを語るネオ・トージョーの中心人物・山口が掲げる理想にはたいしたバックボーンはない。BGMのように思想をかじり、目についたふやけた若者たちをつぶすことに快感を覚え、自分達の撒き散らす刺に、正論を被せているだけなのだ。 ほどけそうな精神の糸を縦にちぎろうとするのがヤクザであり、雇われて人を「消す」三郎であるならば、細くなった山口の糸に撚りを戻すのが、ひょんなことからネオ・トージョーにかかわることになった景子であり、その祖母のタエである。この小説の中心で綾をなすのはヤクザと山口ら暴力を喰らう男たちなのだが、他のヒキタ作品同様に、いやもしかしたらひときわ、この作品には女性の影が匂い立つ。山口には景子が、青田には小夜子が(もしかしたらタエが)、兵藤には涼子が。女性に対峙するそれぞれの男たちは、初めて少しだけ潤って私たちの前に現れる。 この小説を、時計じかけのオレンジの冷笑には及びもつかないと言った人もいたが、それは比べる方法が違うと思う。 前者が人間を組織との対比の中で明らかに部品として書ききった作品、いうなれば俯瞰ないしマクロをフォーカスすることで部品に言及した作品であったとしたら、後者は組織の中の部品としての人間を、同じく部品との係わりの中でディテールを明らかにしたミクロ視点の作品なのだから。 部品をじっくり見れば、全体像の中では埋没してしまう傷もある。油の染みもある。その傷や染みといった個性を書くことで、この作品には独特の湿った感じが加わっているのだ。この湿った熱こそが、時計じかけのオレンジでは一切省かれた人間性と人間の甘さであり、渇ききれない人間臭さなのだと、私は思う。 冷笑?ヒキタクニオがこの作品に込めたのは、冷たいどころか、めちゃめちゃアッツイ想いだったと思うぜ?

    0
    投稿日: 2009.12.17
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    ヒキタクニオの【凶気の桜】を読んだ。 この作品は2年くらい前に窪塚洋介主演の映画を先に見ている。 原作の【凶気の桜】は映画では映像化されなかった場面やストーリーがあり、読後感は映画を見終わった 時よりも良い。 「ネオ・トージョー」と呼ばれる若者3人が渋谷を舞台に繰り広げるバイオレンス作品。 ネオ・トージョー(日本人なら東条英機、がこの名の由来)の1人である山口が放つ言葉「暴力こそが正 義」の通り、渋谷の街を異様な白装束(彼らのいう戦闘服)に身を包み、そこいらにたむろするアメリカ かぶれの若者達に「奪還、強制、排泄」と称した「カツアゲ、暴行、強姦」を繰り返す。 ネオ・トージョーのイデオロギーはナショナリズムを背景としている。つまり、思想は「国家主義」「民 族主義」である。そうなれば、当然出てくるのが「右翼」の存在だ。【凶気の桜】では大東亜青雲同盟な る政治結社(任侠右翼)が、ネオ・トージョーの3人に目をかけ、利用しようと目論む。 本職の誘いに憧れを抱きつつも、「自分たちはネオ・トージョーという独立した立場。誰の下にもつかな い」という立場を貫こうとするが、大人たちの甘い誘いに3人の思いと団結は次第に離れていき、それぞ れの道を歩んでいこうとする。 筋者の任侠右翼を相手に立ち回るには彼らは若すぎた。なぜなら彼らのナショナリズムの根本が若者特有 の「やり場のない怒りと不安」のはけ口を探す憤りに過ぎないからである。 次第に本職に翻弄され、利用されていることにも気付かず、破滅の道へと向かっていくネオ・トージョー の面々。大人の裏社会に足を踏み入れ、彼らが見た想像を絶する過酷な世界とは・・・。 色々な意味で色々と考えさせられる作品であった。 本当の意味でのナショナリズムとは何なのだろうか? 我々が街頭でよく目にする特攻服で軍歌を鳴らし政治的主張をする、いわゆる「右翼」は、根本を辿れ ば、政府が作り出したものである。急増する過激派左翼(反日思想や共産主義)の鎮圧のために、昔から 政治の裏で切っても切れない関係である任侠団体にその鎮圧を依頼したのが右翼団体の始まりである。政 治思想的な右左はそれ以前の大昔からあるものだが、右翼団体の登場はこれがきっかけらしい。(もちろ ん真っ当な右翼団体もある。右翼すべてが任侠団体というわけではない) 暴力団は取り締まれても、任侠右翼を執拗に取り締まれないのはこのためだ。実から出た錆びとはこのこ とかもしれない。 話が大幅に脱線してしまったが、本作の大東亜青雲同盟の兵藤が語る言葉の裏に「任侠右翼と名を変えて もヤクザはヤクザだ」という意図が読みとれる。この作品はそんな世界の内情をリアルに教えてくれる。 渋谷の街をじっくりと歩いたことはないが、おそらくはヒキタクニオが描く文章の行間に「リアルな渋谷 の現状」がぎっしりと詰まっているのだろう。「リアルな日本の憂い」とも言えるかも知れない。 右左の思想についてはここで簡単に語れるものではない。自民党が右翼思想を根源に持つとは言え、我が 日本は「民族主義」かと言えばそうではないし、左翼代表の共産党や社民党がテロをやるかと言うとそう ではない。時代の流れに伴いやり方は変わるものである。 右翼だ左翼だということに、興味もなく、意味も知らない次代の日本を背負う若者たちが、これからどう 生きていくのか。政治に関心がない世代とはいえ、人間が3人あつまれば政治は必ず生まれる。 社会への不安や不満。日常生活で生まれるやり場のない怒りや憤り。それをどう処理していくべきか。 間違った方向へ進む訳にはいかない。この作品はそんな若者世代に警鐘をならす作品であるように僕の目 には映った。

    0
    投稿日: 2008.11.04
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    暴力の世界の話なんだけど。。 主人公の一本筋が通ったところはかっこいい。。 映画では窪塚洋介が原作のイメージ壊さず演じている。。

    0
    投稿日: 2008.09.20
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    なかなかよかった。 色鮮やかな描写と、よけいな言い回しのない率直な文体でとても読みやすかった。 とてもリアルな感じで、話に引き込まれるというよりは、ノンフィクションでも読んでるかのようだった。 内容も、そこまで深くはつっこんではいないものの、右翼思想についてすこし学べた。 窪塚主演の映画、ぜひ見てみようと思う。

    0
    投稿日: 2008.06.22
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    純粋さと自身の信条を貫くことは、いつの世でもカッコ良い事なんじゃねぇか? そして、そのかっこよさを目立たせる様に配置される、発情ボノボと薄汚れた大人カッコよさの概念を書いた本。結局バンカラですよ(笑)

    0
    投稿日: 2008.03.18
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    渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。より強い刺激と標的を求め暴走する彼らが、いつしか踏んでいた地雷…。シニカルでホット、ブラックに笑える暗黒小説。

    0
    投稿日: 2007.05.09
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    怖い大人がいねかえら、脳ミソのぱさついた阿呆がのさばるんだ。 生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやる―。渋谷に 若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。 薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、“掃除”を繰り返していた 彼らは、筋者の仕掛けた罠にはまっていた。『時計じかけのオレンジ』 の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。

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    投稿日: 2006.12.10
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    ナショナリズムの名の下に そこらへんの若者と何ら変わりのない 悪ふざけを繰り返してきた3人の少年が ヤクザとの接触をきっかけにそれぞれの道を進むため いつしか心まで離れていく。 と、こんな風に書くと ありきたりな若者の風潮をかじった 青春小説のように思われてしまうかもしれないけど ヒキタクニオさんの小説はいつも どこか堅い筋が一本通っているような 上っ面だけじゃなく ちょっとアウトローだけど 本当に大切なものが何かって事をきちんと伝えてくれる 素晴らしい小説家だと思う。 でも僕は映画のラストの方がしっくりきたな。

    0
    投稿日: 2006.11.05
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    怖い大人がいねえから、脳ミソのぱさついたアホがのさばるんだ。生まれてきて、すみません、って思いを味わわせてやる。 渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、^掃除^を繰り返していた彼らは、ヤクザの仕掛けた罠にはまってしまった。

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    投稿日: 2006.09.25
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    世の中にこんなことがホントにあるんだろうか?と怖くてたまらなくなる。映画より本の方が怖い。リアルな未知の世界。

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    投稿日: 2006.03.11
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    侠気、とか狂気じゃなくって「凶気」って所がミソらしいです。 映画化されたそうですが、映像を見てみたいな。

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    投稿日: 2006.03.07
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    映画とは違い個人個人のキャラクターの設定、アイデンティティーなども細かく書かれています。 映画の前に小説を読んでおくとより楽しめると思います。

    0
    投稿日: 2005.10.10
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    かっこいいのに、すごいのに、どんどんだめになっていく。 そこがまたよかったです。 まさに桜が散るような、小説でした。

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    投稿日: 2005.08.01
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    映画で見てから本が気になって2回ぐらい読み直しました。内容がちょっとむずかしかった気がしますが映画の方が楽しかったですね

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    投稿日: 2005.05.20
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    惜しい。「うぉしいぃ!」ちう感じでしたですよ。 若人の、なんとも言えないエネルギー、憤懣、大人になんざ!ちうのは、 よく解かるのだけれども、読んでる感じをジュースで言ったら果汁50%

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    投稿日: 2004.11.01
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    後ろのあらすじ欄に『「時計じかけのオレンジ」の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説』とあり、暴力表現がきつすぎるといやだなと思いつつページを開いてみたが、思っていたよりキツく感じませんでした。 ちょっと突き放した感じの文体のせいかな。 直接的な暴力シーンより消し屋・三郎が指紋を採取する場面が一番怖かった。 映画が公開されますが、青木の玉砂利の庭をキレイに撮ってほしいです。(2002.10.3)

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    投稿日: 2004.10.24