
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読者をいかに退屈させないか。そうした現代潮流に生きる自分には下巻は非常に退屈で冗長に感じてしまった。 ロビンソンの新たな冒険譚がいよいよ始まる! 的な宣伝を表紙でしているくせにいざ読み始めたら上巻の後日談が200ページも続いて頭を抱えた。 後日談の長いトンネルを潜り抜けてさてようやくロビンソンの冒険だと気を取り直したのも束の間で、上巻の信仰心篤いロビンソンはどこいったのと幻滅してしまう行動の数々が続く。襲撃を受けて反撃するのはまだしも、ロシア近くの偶像崇拝集団を醜悪で気に入らないからといって焼き討ちにするのはちょっと引いた。 祖国心が強いのか知らないが、中国の国力や国民性をけちょんけちょんにけなしたりもしている。 ロビンソンはこんなにも傲慢な人柄だったろうか? …という感想も、読書が大衆化した現代人の感覚故かもしれない。 解説の一文には、極限状態下では実直な人間性が損なわれて不義な振る舞いをしてしまう、というデフォーの考えが掘り下げられていた。 ロビンソンの「攻撃」という側面は、この解説で少し腑に落ちた気もする。 とすれば、上巻は極限状態下のロビンソンの物語で、下巻は大所帯で移動する身辺豊かなロビンソンの物語と捉えることもできる。 現代人の感覚からすると、確かに下巻はつまらないが、下巻があることでロビンソン(デフォー)の人物像に厚みが生まれて作品をさらに滋味深くしているのだと思った。 知名度の高くない下巻、さらには続編の『反省録』なるものまであるらしい。 機会があれば目を通してみたい。
0投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ訳:平井正穂、原書名:THE FARTHER ADVENTURES OF ROBINSON CRUSOE(Defoe, Daniel)
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ元々漂流記であるロビンソン・クルーソーが、中国やインドや全世界を旅することになるとは。 人生は冒険だ!!
0投稿日: 2017.03.05
powered by ブクログ有名作品で他多くの人のお勧め記事も見るが、実際には読んだことがなかった。夏の読書に良いかなと思って、初めて読んでみる。 「不幸に見まわれ、無人島に漂流するがなんとか帰ってくる話」かと思っていたら、冒険心あふれる主人公が何度も難破しかけそれでも、船を止めず、ついに無人島にや、上巻ではもう無人島から帰ってきて下巻は61歳になっているなど大分印象が違ったな。 また、子供向けかと思っていたら、人喰い蛮族との殺し合い、宗教心など読みづらくはないが、重めの内容。 中国からロシアにいくつもの砂漠を越え行くなど冒険心は掻き立てられる。昔に人の「深夜特急」的読み物なのかなとか思った。 一方、海外文学の読みづらさも感じ、色々挫折してきたが、ようやく理由がわかった気がする。これをやったアレをやったは綴られているが連が、どう思った、他の人との関わり他の人物の心の動きが少なく、有ったとしても時代、地理背景からかイマイチピンと来ないものも少なくなく、同調しづらいのかな。 心の叫びの言葉だとしても、古語なので、私の心に届かない感じ。 【良いね】 漂流した後、良いところと悪いところを書き出してみた。
0投稿日: 2016.08.21
powered by ブクログさて,下巻はガリヴァーと同様に,元来の放浪癖から再び航海に出る,という始まり。船長になった甥の船に乗せてもらい,いろいろ物資を積んで再び彼が1人で生き抜いた島に行く。その頃は数人のイギリス人だの,十数人のスペイン人だの,野蛮人だのが住んでいる。この時点では,この島はロビンソン個人の植民地ということになっている。単独生活時代に家を作り,家畜を飼い,農産物を栽培し,とできうるかぎりの文明的生活の礎を築く。その後にこの島に住むようになった人間はすべてそういった彼が築いた物資やノウハウに頼らざるを得ない,というところがこの島が彼個人が統治する植民である所以である。そこでは明らかに奴隷制度が横行しているほか,男性だけが住む土地に彼は家畜と同様に女性を連れて行くのである。 ロビンソンは個人生活をしていた時に,漂流の結果彼だけが生き残ったことや,自然の恵みを食することについて,彼は有り余る時間で神に祈り,聖書を読み,プロテスタント派のキリスト教徒になる。そして,再び甥の船でその島に向かう途中,遭難しかけた船を救出し,そこに乗っていたフランス人のカトリック派の司祭とともに,島に向かう。島の住人たちをみた司祭は,かれらをキリスト教徒へと改宗することをロビンソンに提案し,かなりのページが宗教談義に費やされたりする。 結局,3週間ほどの滞在でロビンソンは島を後にし,甥の船の目的地である東インド諸島(現在のインドネシア辺りのことか?)へと向かう。しかし,ここでも災難は降り掛かる。その途中でブラジルに寄ったりもしているが,なんやかんやでロビンソンは乗組員から疎んじがられ,最終的には船から降ろされてしまう。そこで出会った人と共同して船を購入して中国方面への航海を始めるのだが,今度はその船が曰く付きの船で,オランダ人たちに海賊船扱いされて尾行されるのだ。なんとかかんとか,危機を乗り越えて中国にたどり着く。この辺りで最終的にその船は日本に寄ったりする話が書いてあるが,ロビンソンはその航海には参加しない。 結局,中国から陸路,モスクワ帝国を抜けてヨーロッパへ帰るという旅を実行するのだ。その道中では砂漠を横断したり,韃靼人(中央アジアのタタール人)の来襲から身を守ったり。ところで,この韃靼人が島の野蛮人に続いて差別的対象として登場する。キリスト教で禁じている偶像崇拝をかれらが行っているということだけでひどい仕打ちをするのだ。まあ,ここでは自ら危機を招いているわけだが,それも最後に切り抜けてヨーロッパへたどり着く。 訳者である平井氏はトマス・モア『ユートピア』も訳していたりするが,訳者あとがきで,本書がプロテスタントと資本主義精神の関係性を示した典型だと書いていることに妙に納得。といっても,ウェーバーは読んでいないのだが,本作でロビンソンはプロテスタントにこだわっているし,意外に金儲けにも固執している。やはり,いろいろと歴史的なことについて思いを巡らすことができる作品でした。
0投稿日: 2011.11.27
powered by ブクログ上巻よりも物語がテンポよく進んでて、ロビンソンが次々と事件に巻き込まれ(あるいは事件を巻き起こし)てて退屈せずに楽しく読めた その時代の人々の宗教に対する考え方や、影響力が読み取れておもしろい。 カトリックとプロテスタントの違いを乗り越え、互いに尊敬しあったロビンソンと神父のところがすきです
0投稿日: 2011.03.12
powered by ブクログ上巻よりはちと劣るかな。でもやっぱ魅力的なのは変わらない。 上巻以上に宗教色が濃く西洋中心主義が甚だしくてレヴィ=ストロースが好きな僕には辛い部分があったけどそこはデフォーのご愛嬌ということで。 まさか後の「四畳半神話体系」につながることになろうとは…世の中、不思議なつながりばかり。
0投稿日: 2010.09.17
