
総合評価
(216件)| 58 | ||
| 82 | ||
| 46 | ||
| 3 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代小説...と言っても舞台は18世紀ロンドン。解剖教室のダニエル先生の教室に見知らぬ遺体が隠されていたという話。弟子達がダニエル先生の研究が存続できるよう、自らを犠牲にしてまで必死に守る姿に心打たれる。 皆川博子氏の作品は初めて読みました。この時代のロンドン物も初めてて新鮮でした。 まず、正式に認可された国家警察、裁判所がない事。殺人を犯しても誰かが訴えなければ罪にならないし、裁判も公金が使われる訳ではないので、お金次第で判決が決まる。正義が通らない事が当たり前という時代背景でのミステリー。 そうしてダニエル解剖教室も解剖学事体が忌み嫌われ、犯罪者の様に扱われ、解剖する死体も墓あばきから買わなければならない時代。 犯人を暴く事を必要としない社会でのでの謎解きに最初は戸惑ったが面白かった。そうして、この時代設定だからこそ、誠実であることに価値があり、人間関係の深さ義理や恩情が人々を動かす最もな理由になる。この話は切なくそして暖かかった。
0投稿日: 2012.11.05
powered by ブクログ久しぶりに読み応えあり! 最後まで、エドに振り回されっぱなし。 キャラ立ちしていると、感情移入してしまうんだわなぁ。 皆川さんの存在に、今更ながら気づかされました。別作にもアタックせねば。
0投稿日: 2012.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
18世紀ロンドンの、解剖医とその弟子たちの物語。 登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、読者から真実を遠ざけます。 読んでいる最中、もしかしたらこうかな?という推測はいくつも浮かぶのですが、なかなか真相へ辿り着くのは難しかったです。 当時司法という存在はあってなきが如し、むしろない方がよいのでは……と言いたくなるくらい有名無実化していて、あらゆる裁判も、エドを駆り立てた出来事も本当に哀しい。 白い目で見られていた解剖学のみならず、古いイギリスの時代背景が興味深かったです。 わたしも小悪魔なナイジェルの虜の一人となってしまったのですが、彼の正体が気になります。
3投稿日: 2012.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。最後の最後まで息つく間もなく物語が展開して、ラストもそこそこ納得する展開。 ただきれいなミステリというよりは、解剖が異端の学問だった時代の解剖学教室の師弟愛と友情の物語。 青年たちの倒錯的な雰囲気をお楽しみください。 ただ、個人的には令嬢の扱いがかわいそう。
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログ全体的に切れが悪い。ほぼ伏線が無い状態で、最後まで考えずに連載しながら継ぎ足していったのではないかと感じる出来。なぜ評価が高いのか疑問。6.0
0投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログ脳が痺れそうなほどの腐敗臭が漂う解剖学教室、無残な死体、増えてゆく謎。 ミステリ要素があるもののベースには確固たる皆川さんの世界があり、犬が喜び勇んでバケツに顔を突っ込む瞬間ですら美しいと思えてしまう。 「愛している」 読ませていだたき光栄です。
0投稿日: 2012.09.24
powered by ブクログ18世紀のロンドンを舞台にしたミステリー。外科医ダニエルは死体解剖に熱心に取り組んでおり、5人の弟子達と非合法すれすれの手段で死体を調達し、解剖をする日々を暮らしている。 ところが、ある令嬢の死体を解剖していたことがきっかけで当局に目を付けられ、さらには想定しない死体がその家から発見されたことで、捜査の矢面に立つのと同時に、自らも死因の究明に乗り出す。 そこに個性的な弟子たちが絡んでくるのだが、さらには「死体」の1人である、古語をあやつるネイサンという少年のストーリーが入ってくる。 皆川博子さんとしては、比較的くだけたスタイルの文章であり、彼女の作品の中でも読みやすい部類に入るだろう。個人的には、耽美系の作品や歴史系の作品の方に強く魅力を感じるが、普通のミステリーとは趣が大きく異なる作品であり、多くの人に読んでほしいと思う。
0投稿日: 2012.09.18
powered by ブクログ私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2012.9.10読了 素晴らしい! 読みやすい平易な文体で書かれているのに、読んでいるとスッと18世紀のロンドンの街が立ち上がってくる。 解剖の場面の描写もかなり正確で、まったく読みごこちを削ぐようなことが無い 登場人物のキャラクターも立っていて、そこだけでも面白い小説が約束されているようだ。 謎解きも特別、複雑なトリックを使っている訳ではないのに、とても楽しませてくれる。まあ、犯人当てに挑戦とか、見たこともないようなトリックを楽しませる小説ではないですが。 何かあるんだろうなとは思わせられていたが、最後のひとつ前のシーンまで、全貌がわからなかったのは、わたしだけ? 難を言えば、中盤から後半では、物語のスピードを上げるためか、分量の制限か、はたまたストーリーをラストに向けて回収するためか、前半から中盤にかけての丁寧な描写が少し欠けていることと、かなり膨らませそうな内容があっさりと、もしくは回収されずにラストを迎えていることぐらい。 少しさみしいラストではあったが、読後感も良く、何かまとまりの無い紹介ですが、読まれることをオススメします。 何より、皆川先生には頑張っていただいて、シリーズ化とはいわないけれどPart2ぐらいはお願いしたいです。特にエドとナイジェルは、これで終わりにするには惜しいキャラクターです。 そして、これはハリウッドで映画化とかあっても良いんじゃないでしょうか? 誰か、スピルバーグのところに持って行ってくれないかな。
0投稿日: 2012.09.11
powered by ブクログ綿密な物語構成は圧巻。二転三転する謎に引っ張られて読み進めていける。表紙の耽美な雰囲気も文章に合っている。
0投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログ面白かったー。 犯人ははっきりしているのだけど、最後まで流れが読めなかった。 物語の中心になる青年二人は不思議な魅力があり、どこか萩尾望都の「ポーの一族」を思い出した。 人でありながら人の手に負えない、妖しい引力。 この読後感をなんと言えばいいのか分からない。 久しぶりに、上質なミステリを読んだ。 別に最近読んだ他のミステリを貶めているわけではない。 この作品を一段上に感じたというだけのこと。
1投稿日: 2012.08.25
powered by ブクログ18世紀ロンドンの解剖教室から事件が始まる。そういったシチュエーションゆえ、グロテスクな描写が多く、あまり好きではない。また、文章もボクの好みではない。ただ、82歳でこの創作は凄いと思った。どんでん返し系のグロテスクなハッピーエンド・ミステリ。
0投稿日: 2012.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評判を聞いて期待。皆川先生、なんと御年81!いやはやすごいパワー。 今回はロンドンが舞台で、敢えて文体も英語風に。一昔前のロンドンの解剖教室で学ぶ、エドとナイジェル。ある日、検体以外の遺体がどんどん見つかる。一体誰の仕業なのか?ダニエル先生の兄に動機がある、と見せかける2人。しかし、途中で2人の共謀だと盲目の刑事に見破られてしまう。法廷で裁かれようとした、まさにその時ー2人の友人ー殺されたはずのネイソンーが現れる。先の先を見通していた、エドとナイジェル。二転三転の展開に、見事やられてしまった。ラストの2人の深い思いには、ぐっとくるものがある。
0投稿日: 2012.08.15
powered by ブクログ舞台は18世紀のロンドン、医療のための解剖など異端扱いだった時代。 外科医のダニエルの解剖教室では、解剖するはずだった妊娠六ヶ月の女性の遺体が消え、代わりに四肢を切断された少年と顔を潰された男性の遺体が見つかった。 増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、盲目の判事は捜査協力を要請する――。 皆川作品らしい耽美的・幻想的なゴシックミステリ。 冒頭の弟子たちのユーモアとウィットに富む軽口の応酬が、するりと物語の世界に没入させてくれる。 たたみ掛けられ、二転三転する謎が精緻に盛りこまれ、読みだしたら止まらない。 一筋縄ではいかない登場人物たち、気持ちよく読者を騙すテクニック、どれも皆川さんの平常運転といった感じです。 また、時代背景や風俗がリアルに描きこまれているので、社会の不条理に翻弄される若者たちの苛立ちや諦観もダイレクトに伝わってきます。 ユーモアがあるからこそ過酷な現実に対峙できる、そんな力強さを感じることのできる作品です。 それにしても、80代でこれを書くなんて! 長生きしてね、皆川さん。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログ「このミステリーがすごい 2012年版」で国内部門3位の作品。 舞台は18世紀、産業革命真っ只中のロンドン。解剖学の先生とその弟子達、判事等が主人公のミステリー。 なんかすごいしっかりとした文章のミステリーでした。基本的に横文字の登場人物の名前が出てくるのは苦手(ファーストネームだったり敬称だったり一人の人物の呼び方が色々だから・・・)なのですが、この作品では難しい名前でなかったせいか特に不便は感じなかったです。
0投稿日: 2012.08.12
powered by ブクログ最初にどんどんっと死体が増えたので それだけでもう好み。 そしてしっかり解決。 ちょっと寂しい終わり。 よかったです。
0投稿日: 2012.08.07
powered by ブクログ舞台は18世紀ロンドン。外科医のダニエル・バートンは内科医である兄のロバート・ダニエルが経営する解剖教室で5人の弟子と準男爵令嬢、エレイン・ラフヘッドの遺体を解剖していた。するとそこへ、ボウ・ストリート・ランナーズ(警察のような存在)の二人が来訪する。まだこの時代には死体を解剖するという行為が珍しく(本文中にも「死体に傷つけるなんて、なんてことを!ジーザス!!」みたいな表現が出てきます)、そのため解剖に利用してもよい死体はなかなかまわってこない状況であった。そこで、ダニエル率いる"バートンズ"はお金で死体を買っています。「墓あばき」という仕事をしてる人に金を渡し、死体を解剖教室に運びこませるのです。あ、一応言っておくと、この人たちは別に人体を切り刻むのが大好きとかじゃなくて、解剖の経過を記録しておいて、後に出版したいという思いからやってることなので悪しからず。 ま、そんな事情があっても、やはりそれは合法とは言えず、警察にバレると厄介なことになるのでしょう。解剖教室は閉鎖するなんてことにもなりかねません。ましてや今回の場合、準男爵令嬢ですから一際ヤバイと思ったのでしょう、警察の来訪が告げられると「隠せ!」と助手の一人が切迫した声で囁くのです。本書はこの「隠せ!」というセリフから始まるので、読者は「おや、なんだなんだ?」とあっという間に引き込まれると思います。警察は一応取り調べはしますが賄賂をもらい、早々と引きあげます。ほっと安堵した彼らは「ルパート王子の暖炉」から隠した令嬢を取りだそうとするが、そこで四肢を切断された少年と顔を潰された男性の屍体を発見することに...。 黒幕は物語の中盤で判明する。その段階でなんとなく結末を予想していた。正直に申せば、「本格ミステリ大賞を受賞してるわりには普通だな」そのような感想を抱いていた。しかし、僕のこの評価は最後の最後でがらりと変わった。いわゆる「どんでん返し」なのだが、全く予想していなかった。この小説をそんな目で読んでいなかったのがよかったのかもしれない。いやはや恐れ入りました。それと、作者は日本人なんだけど、日本人が書いたとは思えないような、外国の翻訳本を読んでいる気になった。僕はあまり翻訳ものを読んだことがないので根拠をはっきりと述べられないことが心苦しいのだが...(汗 ユーモアの使い方かなあ...。 今のロンドンの街並みは雑誌やテレビで見ているので想像に難くないのですが、18世紀のロンドンの街並みは見たことがない。でも、皆川さんのおかげで頭の中には「18世紀のロンドン」の画が広がりました(もちろん、この「18世紀のロンドン」のイメージは読者それぞれ違うだろう)。レディーに対して年齢に触れることは騎士道精神に背くことになるだろうが、御年82歳の皆川さんの筆力を堪能することができてよかった。読ませていただき光栄です。
0投稿日: 2012.07.24
powered by ブクログ最後まで読み終わって、あ〜なるほど、と思ったが、私には合わない感じだった。 登場人物に感情移入できなかったのが敗因かも。 でも、細かく計算されていて、緻密な作品だと思う。
0投稿日: 2012.07.16
powered by ブクログ著者の作品を読むのは 3 作品目だが、 毎回魅せられるなあ。 今回は + ミステリーまで味わえて、 十分な満足感。 ただデニス・アボットが、 なぜあの動きをしたのかだけがわからなかった。 ご高齢の皆川さんにはぜひ長生きしていただきたい。 2012 年 第 12 回本格ミステリ大賞受賞作品。
0投稿日: 2012.07.09
powered by ブクログ18世紀のロンドン、解剖教室に増える屍体。 解剖教室の外科医ダニエルとその弟子たちや治安判事との掛け合い、または駆け引きにハラハラして引き込まれる。 真相までに二転三転して、一気に読み終えました。 題材の割にはあまりエグい表現もなく読みやすかったです。 シニカルな解剖ソングがラストは哀調を帯びて、先生のつぶやきも悲しい。
0投稿日: 2012.07.07
powered by ブクログ舞台は18世紀ロンドン。 外科医ダニエルの解剖教室から見知らぬ死体が二体現れることにより物語が動き出す。 ひとつは顔をつぶされた中年、もう一つは四肢を切断された少年。 少年を知るという弟子、事件を捜査する盲目の判事。詩人を目指す少年。 真相は徐々に明らかになっていく。 導入部から一気にこの物語、この舞台に引き込まれる。 非常に質の高いミステリー小説。 解剖学の限界と可能性がうまくこの時代を表現している。 盲目の判事という設定も面白い。 物語が進むにつれ、誰が嘘をついているのか、から、なぜ嘘をついているのかに切り替わっていくさまが見事。 その理由が明らかとなった後の思い、さらにラストの伏線回収には涙を誘う。
0投稿日: 2012.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
当時の人々の生活がとてもリアルに感じられた。 時代背景や週間、風俗を丹念に調べ消化したうえで 作品として昇華していると思う。 ストーリー自体は実はあまり好みではなかったが 筆者の年齢を知ると感覚の瑞々しさに驚いてしまった。
0投稿日: 2012.06.28
powered by ブクログとてもとても好きな文体と雰囲気だった。 妊婦の屍骸と四肢を切断された少年の屍骸が出てくる導入から引き付けられる。その衝撃的な出来事の顛末が気になるのは勿論だが、この気品のある文章を読みたくて先を追っていた。 18、19世紀の英国はどこかオカルティックでゴシックで、灯火の少ない夜には何かが起きる舞台が整えられている。この汚穢と唾棄すべき権威主義こそが英国の愛すべき要素というか、まあ、嫌悪すべき要素というか。 理不尽に苦しめられる登場人物がいる中で、弟子のシニカルなおかしみに救われる。クラレンスの鬱陶しさと、ダニエル先生の微妙に間の抜けたところが本書の癒しだと思う。 初読の皆川博子さんだったのだが、著者紹介で御高齢なのを知ってたいへん驚いた。この文量と精緻さ。書くのも体力がいるはずだ。つくづく感心してしまった。凄い。
0投稿日: 2012.06.28
powered by ブクログ時の歴史、文化、風俗、世界観の吸収にドップリ嵌まる。数々の死体の謎は…時間軸を変えて語る悲運への同調と友情、師尊心から。粋な多キャラの躍動を含め刻々の細かい描写、深い掘下げ、転がる展開は最後まで予想を裏切る。聡明で見事な解剖劇に大満足。
1投稿日: 2012.06.25
powered by ブクログすごく面白かった 二転三転するストーリーなので特に中盤以降は凄い勢いで読み進めてしまいました 結末にも驚かされたし 最後はエドとナイジェルの気持ちを思うと胸が痛んで痛んで… 先生の最後の言葉にはうるっとしてしまいました
0投稿日: 2012.06.19
powered by ブクログ解剖学が偏見に晒された時代、18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から妊婦の屍体が消え、四肢を切断された見知らぬ少年の屍体が現れた。背後には稀覯本贋作をめぐる謎が…。 「2012このミス」「2011文春ミステリ」でともに3位に入った作品。それだけ高評価ということは凄いオチがあるのだろう、だとすればこうでは…?と思いながら読んだら果たしてその通りだった。皆川博子の作品を初めて読み、力量は申し分ないと感じたが、本作に限っては??? (C)
0投稿日: 2012.06.16
powered by ブクログ【内容紹介】 18世紀ロンドン。 外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。 増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。 だが、背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。 そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。
0投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログ流れに乗るまでページが進まなかったが、中盤からは怒濤のページ繰り。読み応え抜群でお腹イッパイです。最後の最後にとびきりの爆弾をかまされた感じ。萌えキャラ二人にいいように騙された。けど嫌いじゃない。
0投稿日: 2012.06.12
powered by ブクログどんどん読み進めたくなる(このボリュームのものを一日で一気に読んでしまう)素敵なミステリーでした。 二転三転するストーリーも、読者を飽きさせなくてよいかな、と。 ただ、このネタあかしにちょっと納得行かないなあ……と思ってしまったり。
0投稿日: 2012.06.07
powered by ブクログ第12回本格ミステリ大賞小説部門大賞受賞作品。最高齢受賞記録を更新したそうだ。 噂には聞いていたが大変面白かった。一気読みしたかったけど時間の都合で二気読みに。 18世紀の医学も司法もまだまだなロンドンが舞台。歴史に疎い私は時代背景をロクに知らなかったが、この小説を読む事で少し理解が増した。 外科医ダニエル・バートンと五人の弟子による解剖学教室を中心に、15世紀の古語を自在にあやつる詩人志望の少年ネイサンが絡んで巻き起こす事件。話す者の嘘を見抜く盲目の判事による公正な調査、尋問。判事の目となる男装の麗人。著者の意図だろうけど、まるで翻訳ものを読んでいるように錯覚した。 当時は斬新であったろう解剖による死因の特定や死亡時刻の推定シーンが、グロいながらも見事であった。またネイサンのシーンで、本が仮とじの状態で書店に並べられ、購入が決まってから革表紙と箔押しで製本する出版事情も興味深かった。そしていつの世も上流社会は腐敗し底辺社会は悲劇だなぁと。 濃密な内容、スピーディな展開、どんでん返し、心より堪能しました。読ませていただき光栄です。解剖ソング最高でした。特にFが(笑) 最後は予想通りだったけど、詳細までは見抜けなかった。まだまだ修行が足りない。
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ18世紀ロンドンの路地の淀んだ空気、閉塞感、解剖室の生臭さ、金で爛れた裁判所、いかがわしいクラブ…。詳細な時代調査・設定と、まるで翻訳もののような重厚な文体がすばらしくマッチしていた。それに負けず劣らずキャラクターの立った登場人物たちも印象的。彼らの人間臭さと濃厚な舞台設定で、大変満足な読書体験でした。これぞ皆川ミステリという一冊。(…まあ『本格ミステリ』かはよくわからないが…)
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ凄い小説なんだろう?本格なミステリーなんだろう。しかしこの時代と言うか、英国(ロンドン)の設定に馴染めませんでした。登場人物の名前と人物の把握がしにくい。もう再読したいとは思はない作品。自分の読解力がないのかも知れないだけなのかもしれない。
0投稿日: 2012.06.01
powered by ブクログ【本格ミステリ大賞受賞】 舞台は18世紀ロンドンの解剖教室。笑いありの本格ミステリー。個性ある登場人物達が事件をかき乱す展開にハラハラ&ワクワク!読後感良し!
0投稿日: 2012.05.31
powered by ブクログ舞台は18世紀ロンドン。全体に流れる雰囲気も、登場人物の会話もまるで翻訳物。解剖学教室を中心にスプラッタな事件が繰り広げられるというのに、読後感はなぜか清々しいのです。しかも著者は80代ですか? 今まで手に取らなかったのが悔しい~。皆川博子氏、おそるべし。 他の方も書かれてましたが、萩尾望都さんが漫画化したらしっくり来そう。望都さんの絵で見たらラスト泣けるだろうな……。 (Amazonで「なか見!検索」できますよ!)
0投稿日: 2012.05.25
powered by ブクログ18世紀のロンドンが舞台で物語が繰り広げられる。 はじめは世界観や登場人物の名前、文化などの違いから取っ付きにくい話だなあ・・・なんて思っていた。 たしかに、物語に入り込むのに時間が掛かりました。 でも中盤からの謎解き、二転三転の最後まで気の抜けないドキドキハラハラ。 気づいたらとことん魅了されていました。 最後の最後での展開に驚かされ、読了後の余韻がハンパ無いです。
0投稿日: 2012.05.24
powered by ブクログ"「一年間に公に下げ渡される罪人の屍体はたった六体だぞ。それも、床屋外科医組合が占有する。これで、満足な解剖実習ができるか」"
0投稿日: 2012.05.16
powered by ブクログ全体的に洒落ている。日本の小説家の作品とは思えない。 ドンデン返しに次ぐドンデン返しで、ラスト1ページまで楽しませてくれる。
0投稿日: 2012.05.11
powered by ブクログ悩んだ末、やっぱり買ってしまった。ヤッテモター。 単行本は値が張る。 これなら文庫本が二冊いや三冊は買えるぞ。 と、贔屓にしている作家さんの新刊を見る度、自分に言い聞かせる。 働いているからと言って無駄遣いは出来ないし、何より万年金欠の私にとって三桁以上のお金は大金なので、なかなか購入まで踏み切れない。 酷いときは半年くらい悩むし、どうしても買えないときは「新刊なんて見ていない。そんなものは刊行されていない」と思い込む。 まぁほとんどは気が付いたらレジで会計を済ませているのだけれど。 あと、表紙の佳嶋さんのイラストがなんとなく苦手なのもあって、今回は大人しく文庫化を待つつもりだった。 が、しかし、ヤツは来てしまった。 そう、"我慢の限界"である。 ふとイラストと目があった気がして、やはりと言うか、いつも通り、気が付いたら会計が終わっていた。 社割、なんて甘美な響き。
0投稿日: 2012.05.10
powered by ブクログ挫折しては手に取り、ようやく読了。 解剖教室で次々と発見される死体の謎解き。 ネイサンが令嬢と近づきとなり、本を読んで聞かせる場面が好き。 盲目の判事の設定が新鮮だ。
0投稿日: 2012.05.04
powered by ブクログ某雑誌で某人が本書の紹介をされていたこと、著者は御歳82で執筆を続けていらっしゃるとうことに興味を持ち、読みました。 18世紀ロンドン。解剖教室を主催するダニエルとその弟子たち。妊娠した令嬢の屍体に四肢が切断された少年、顔を潰された男性屍体。盲目の治安判事の捜査に協力するがその真相は…?といったミステリー。 時代の描写が緻密で、綿密に調査されているなと感じた。物語の中盤を過ぎたあたりで一見話の道筋は通ったような感じがするのだけど、そこから登場人物の思惑が色々と絡んできて二転三転し、最後の裁判ではアッと言わせられました。 読み進めていくうちに主要人物の印象もちょっとずつ変わって面白かったです。エドとナイジェル、なかなかのやり手ですね(笑)彼らにはそのままダニエルの弟子であってほしかったなぁ…。 ミステリや幻想小説は好物なので、著者の他の作品も読んでみようと思います。
0投稿日: 2012.05.01
powered by ブクログ解剖学教室で発見された死体を巡り、解剖医と弟子たち、治安判事が繰り広げる謎解きと駆け引き。 死体の描写も登場人物の内面も結構エグい描写が続くんだけれど、全編に渡りドタバタ喜劇なテイストで統一されています。これは面白い。 どんでん返しの続く謎解きも素敵で、最後まで気を抜けません。
0投稿日: 2012.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作家生活40年のキャリアを誇る著者の集大成にして新境地 開かれたのは、躰、本、謎。 18世紀ロンドン。増える屍体、暗号、密室、監禁、稀覯本、盲目の刑事…… 解剖医ダニエルとその弟子たちが辿りついた真実とは? のっけから死体を隠ぺいするシーンで幕を上げるこの物語は、 その死体が2つ、3つと増えて一気に引き込まれてしまう。 前半はその死体をめぐる話と、詩人志望の少年・ネイサンの話が交互に挿入される。 このネイサンの心理描写が思春期の人間のそのものとして実に印象的だ。 後半はさらに連続殺人事件が発生。 登場人物のそれぞれが、それぞれの思惑から微妙な嘘をつき、複雑に絡み合っていく。 そして読者と共に謎を追うのは、盲目の治安判事・ジョン・フィールディング。 この探偵キャラクターも相当に練られたもので印象深い。 ラストは少年たちの友情と、師に対する尊敬で余韻が残った…。 ミステリ:☆☆☆☆☆ ストーリー:☆☆☆☆☆ 人物:☆☆☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆☆
0投稿日: 2012.04.23
powered by ブクログ読んだ直後の感想は「舞台設定に助けられているかな」と。 舞台は18世紀のロンドン、鑑識技術も悪ければ、検視も無いに等しいく非常にずさん。殺人が起きても告訴する方が費用を払う当時の法律。だからこそ、この物語は成り立つ。 ストーリーの構造は面白いです。 この死体は誰なのか、犯人の本当の目的は何なのか。 いくつかの思惑が区雑に絡み、最後に一つにつながる。 この犯人は強かで、天才。 誰かの為に犯罪を犯している訳ではなく、きっちり自分の復讐も遂げている。 カタカナ英語や登場人物の名前が愛称になったり、個人的には読みずらい部分も若干あるけれど、一つにつながるスッキリ感を味わえるのはいいですね。
0投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログ初の皆川さん。 なんと80歳を越えてるとか。 久しぶりにやられました。 ミステリって感じのお話。 外国物は得意ではないけど、これは良かったです。
0投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログお薦めされて読んでみましたが、私には合いませんでした。 ミステリー小説。 時代背景は詳細で18世紀ロンドンの雰囲気は目に浮かぶようでした。
0投稿日: 2012.04.13
powered by ブクログ世評が高いようだが、著者としては標準的な一作ではないだろうか。しかし確かに捩れに捻れた動機や、時代描写は非常に読み応えがあることには違いない。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログ外国、しかも時代設定がむかしの小説なので読みづらい(;^ω^)一人の呼び名が何種類も出てくるので理解するの大変でしたw
0投稿日: 2012.04.10
powered by ブクログ18世紀ロンドンが舞台。 翻訳本を読んでいるような錯覚を覚えるが、著者が82才と聞き、ビックリ。 エドとナイジェルを別の角度からみたスピンオフも読んでみたいと思った。
0投稿日: 2012.04.03
powered by ブクログ解剖学が黎明期でまだ偏見にさらされていた18世紀ロンドン。 外科医ダニエルの解剖学教室で見知らぬ遺体が出現し、彼とその弟子たちは治安判事に協力して事件に関わることになる… 序盤はカタカナ名が覚えづらかったが、すぐに話に引き込まれて一気読みだった。 専門以外のことは疎い外科医とそれを慕い教室の存続を心配する弟子たち、盲目の判事が指揮をとる捜査、詩人志望の少年の運命などさまざまな視点から物語が進み、出現した遺体が誰なのか、誰が殺したのか、なぜ解剖学教室に隠されていたのかが徐々に明らかになってくる過程はまったく飽きさせない。 一つ驚いたのは、この時代のイギリスでは民間人が訴えなければ裁判にならず、費用も告訴する側が負担するので、被害者が泣き寝入りすることも多かったらしい。 それにしても80代でこんな話を書いてしまう作者には脱帽。
0投稿日: 2012.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(重大なネタバレあり☆) 至極まっとうなミステリー。 誰が誰を殺したのか。誰が何を知っているのか。何をしたのか。 それらの謎が、先生の他作品に比べてバラエティー豊かに読者に提供され、読み進んでしまう作品。 展開も本筋である事件の経過と、詩人少年の側から描かれる筋が絡み合い、このへんも飽きさせず。 そしてやはりなんといってもキャラクターの妙……! 萌える。そしてのめり込む。 一人一人が個性的に、魅力的に描かれていて、なんとも楽しい。 欲を言えば、エドとナイジェル以外の弟子がもっと描かれているとヨカッタかも……! そいでもって妖精王と妖精女王をもっと出して欲しかった……! んでもって最後の法廷でのアレ。 ギョエー!てびっくりした^^; よくよく考えると、あそこまではエドやナイジェルを犯人扱いして読んでしまっていた。 「萌えるけど、酷いやつ……!」と。 つまり、登場人物たちと同じく、彼らを信じ切れていなかった。 ところがところが。 「そうキター!」と絶叫。ハー、どこまで読者を躍らせる、皆川先生!!好きだ!! 他作品よりも、明らかにストーリー進行に重きが置かれている感じ。 こういうのもありかな~とは思いますが、やはり私は先生独特の濃いけれど繊細な描写、切な過ぎて圧倒される展開のほうが好き。 というわけで、☆は四つ。 最後もなんとも想像が膨らむ終わり方ですよ。 続編熱望!! 皆川先生ビバ!!
0投稿日: 2012.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
18世紀ロンドンで解剖教室を主宰するダニエル・バートンの教室で違法に入手した屍体の解剖中、突然ガサ入れが入った。慌てて隠した暖炉の中には既に先客〈屍体〉があった。手足を切断された少年と顔を潰された男の二体の死体は事件として捜査が開始されるが、その背景には一人の詩人少年の動向が…。 いきなり死体が3つも出てきて(しかも一つは妊婦の解剖中…個人的に今は特に受け付けない)解剖シーンばかりだったら食傷気味になるかもとはじめは不安があったが、詩人志望の少年ネイサンの動き(途中まで過去の事だと気づかず)と捜査の進展を巡って二転三転し、面白くて読み出したらあっという間。 ダニエルの五人の弟子、容姿端麗エド、天才細密画家ナイジェルらが良くも悪くも捜査を撹乱し、思いがけない結末へなだれ込む様はなかなか侮れない。 最後の法廷でそんな隠し球が用意されてるとは思わなかった。はあ~。そっちだけでも無事で良かったよ。ほんと。出だしの解剖中の妊婦の正体に気づいてからは(名前が出てたのに生前の生き生きした印象が強くて同一人物だと気づかず)あまりいい気持ちがしてなかったから、嫌な結末になると思ってた。 登場人物が多めでそれぞれ特徴的だったのもストーリーに彩りを添えたと思う。中でも、治安が整備されず法曹界でも不正が当たり前の中で公正な裁きを信条とする盲目の治安判事ジョン・フィールディングと助手アンの関係がリンカーンライムとアメリアのような緊張感ある師弟関係で個人的に萌えポイント。 18世紀のロンドンは舞台設定としては大好物な時代。使い走りのピーターが、ホームズ譚のベイカーストリートイレギュラーズやグラナダTV版ホームズで描かれる道路の馬車の馬糞掃除をする貧しくも逞しい労働児達を彷彿とさせ、貧富の格差が激しい時代を表している。 事件解決後、大切な人のためとはいえ殺人を犯した彼らの選択は切なかった。ダニエルの最後の言葉をもっと前に聞いていたら、違う選択肢もあったんじゃないかなぁ。 装幀、装画がとても素敵だった。
0投稿日: 2012.03.12
powered by ブクログ舞台はガス灯がともり馬車が行きかう18世紀のロンドン、黎明期の解剖学者ダニエルと若き弟子たち。彼らは当局の目を盗んで墓から盗んできた遺体を買い取り解剖を行っていた。ところがそこから有り得るはずのない四肢を切断された少年と顔をつぶされた男の遺体が出現する。盲目の検事やその助手の女。古語を操る詩人志望の少年またその片思いの令嬢など魅力的な個性の持ち主が登場し、事件の行方は2転3転する。読み応え満点の推理小説。
0投稿日: 2012.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大どんでん返しがあったけど、なんとかついていけた、面白かった。 開いたり切り取ったり、グロテスクなはずなのにあまり感じさせないところがうまいと思った。 また普通に男×男がでてきた。さすがイザクさん。
0投稿日: 2012.03.02
powered by ブクログホームズの活躍したロンドンの香りのする物語。解剖教室を舞台にどんどん増殖する遺体と四肢の無い少年ネイサンの謎。何もかもが面白かった。頭脳明晰容姿端麗なエドと天才画家のナイジェル。妖精王と妖精女王とはこれからの行く末を暗示するようなネーミング。次巻が読みたいです。最後にダニエルが『愛している』とつぶやいたこと、その気持ちはきっとエドに届くでしょう、と思いたいです。
0投稿日: 2012.02.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
極上の、エンターテイメントでございました。 そのまんま、映画にしても面白そう。 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。《「BOOK」データベースより》 このあらすじを読むだけでも心躍るではないですか!! 死体、ではなく屍体。このような耽美さや18世紀ロンドンという響きや豊かなキャラクターたち。 高まってゆき追いつめられるラスト。 そして最後の仕掛け、哀しみと不吉さの漂うエンディング。 クレッシェンド、クレッシェンド、デクレッシェンド、リトルダンド。ピアニッシモでラスト。音楽が聴こえてきそう。 これをエンターテイメントと言わずしてなんと言う!
0投稿日: 2012.02.22
powered by ブクログ18世紀イギリスを舞台のミステリー。 久しぶりに文学的なミステリーを読んだ感じです。 前半の構成(事件後と事件前の話が交互)から、 読者はミスリードされると思います。 後半は盲目判事ジョン・フィールディングの独壇場です。 事件発生及び関係者が解剖教室に関係していることから、 医療ミステリーになるかと思いましたが、 オーソドックスなフーダニットミステリーでしたが、 最近の主人公の活劇があるわけではなく、 ラストは見事な法廷劇ともなっていて、 読後感も爽快でした。
0投稿日: 2012.02.17
powered by ブクログ皆川博子が82歳で、18世紀イギリスを舞台に描いた小説。 外科医の地位が低く見られ、解剖など忌み嫌われていた頃、医学の発展のために解剖に取り組んだ外科医とその弟子たちが巻き込まれた事件。 外科医のダニエル・バートンは警吏に解剖教室に踏み込まれ、弟子達が急いで遺体を暖炉の内側に隠します。 そういう場合に隠せるように改造してあったのでした。 遺体は墓あばきから買い取ったものですが、家族から訴えがあったのです。 その場はごまかしますが、後でその下にもう一体見覚えのない死体が…しかも、殺されたのはありあり。 余分な死体は、一体誰が? ダニエルの内弟子で頭の切れるリーダー格のエドと、デッサンに才能があるナイジェルら5人の弟子たちは、この事態を切り抜けられるのか? 暖炉の構造の秘密を知る仲間に容疑が掛かることを恐れて、嘘を重ねていきます。 18世紀当時はまだ警察組織がしっかりしていなかった時代。 警察のようなものに強い権力を持たせることが危ぶまれていたのです。 もともと治安判事は名誉職のようなもの。判事邸で尋問を行っていました。 先代の治安判事ヘンリー・フィールディングが初めて組織を改革し、直属の保安要員を雇うことにした。判事邸のあるボウ街の名を取って彼らはボウ・ストリート・ランナーズと呼ばれていました。 その跡を継いだ異母弟のジョン・フィールディングは盲目。 声を聞いただけで犯人を見抜くという評判が立つほどの敏腕で、実際に声や触っている手の震えで嘘に気づくこともままありました。 利発な姪アンを目の代わりに、力持ちのアボットも助手に連れ歩きながら、事件の捜査に当たります。 ネイサン・カレンという17歳の少年が田舎からロンドンに出てきて、大いに戸惑いながら、何とか生きていこうとする様子が挿入されます。 猥雑で、汚物が道路に溢れ、掏摸が横行するロンドン。 ネイサンは父が譲り受けた古本の中から古書を発見して、本屋にそれを見せ、また自分が描いた詩を持ち込んで、詩人としてやっていきたいという夢を抱いていました。 ハリントンが主催する新聞に、風刺詩を書く仕事にありつくネイサン。 本屋で出会った令嬢エレインに、フランス語の「マノン・レスコー」「モール・フランダース」を喫茶店で読んで翻訳して聞かせることになります。 良家の娘が家で読むことは許されない内容に、近くの席の娘達も集まってくるのでした。 当時、盗みは大きな罪とされて、金額にかかわらず死刑が当たり前。 減刑されて新大陸送りになる場合も。 そういう話は「マノン・レスコー」「モール・フランダース」にも出ています。 産業が起こり、株式投資が始まって、大きく揺れ動く時代。 世界初のバブルの崩壊も起きた頃です。 時代色豊かで、スリリング。 ディケンズ的な要素もあります。 当時の裁判の特殊性なども絡んで、二転三転する推理も面白く、最後まで興味が尽きませんでした。
1投稿日: 2012.02.16
powered by ブクログ前半は洋名に手こずり時間がかかったが後半は一体犯人はだれなのだろうと振り回されっぱなしで一気読みしてしまった(゚o゚;; 中世イギリス陰鬱な雰囲気を楽しめる一冊でした。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログなかなかです。 難点は、登場人が途中でよく分からなくなること。 でもこれは、僕が片仮名の名前をよく覚えられないから。。。 よく出来た話だと思います。 でも、18世紀のロンドンって本当にこんなにひどかったのかな?
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログ舞台は18世紀のイギリス、という時代設定から、勝手に「薔薇密室」や「聖餐城」、あるいは「死の泉」や「伯林蝋人形館」のような雰囲気の作品を想像していたのだが、まったく空気感は異なり、どちらかというとシンプルで分かりやすいミステリーテイストに仕上がっている。 といいながら、死体解剖や男色などの風味を効かせているところはいかにも“らしい”し、微妙にズレたカットバックを最後に帳尻合わせる構成力はさすがである。 ただ、読後に覚える得も言われぬ作品のスケール感、という意味においては、「冬の旅人」も含め、先に挙げたような傑作群の方に分があるように思われる。 いずれにせよ、皆川博子氏の筆力と懐の深さを改めて感じられる作品にはなっている。 ナイジェルのバックグラウンドが結局最後まで明らかにされなかったことが、少し残念だ。 2011年「このミス」3位に選ばれたことが影響しているのだろうが、この作品によって一気に皆川氏の認知度が高まったように見受けられる。 齢80を超えた今、ようやく時代が追いついてきたのだろうか!
2投稿日: 2012.01.31
powered by ブクログ面白かったー。 見たことも無い情景を見事に感じさせていただきました。 つい一月ほど前、「折れた竜骨」で中世イングランドを読みましたが、勝手にこれと脳内比較してる自分がいました。 暗闇の濃密さのようなものが違うんだよなぁ、と思いました。 これは女性作家さんに対して個人的に感じることなのだけど、文章の背景に抽象的な色彩を纏っている作品が多いように思えます。個性プラス女性の感性なのかな。 それにしても、最後のトリックには衝撃が走りました。 ひさびさに「やられた感」がありました。 この作家さん、80歳を越えてるの?すごい知性。完全にはまりました。
0投稿日: 2012.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんか、フワフワとした感じで最後まで読んだ気がする。 腕が切られた変死体に中世においてそこまで興味をもつのが不思議だった。 常日頃、道端で死人が出ている世界では、一握りの金持ち以外に興味を持たないんじゃないかと。
0投稿日: 2012.01.28
powered by ブクログ18世紀のロンドン。ダニエルの解剖教室で謎の死体が・・・ 謎解き部分もよくできているが、個性豊かな弟子たちの偏見にさらされながらも真摯に研究に励む姿や、友情、師弟愛などに、より好感が持てた。
0投稿日: 2012.01.25
powered by ブクログこのミス3位ってことで読んでみました。 舞台は18世紀のロンドン。 ダニエルバートンの解剖教室で次々と不思議な死体が出てきてしまう。 事件の背後にはダニエルの弟子たちと詩人を目指してロンドンに出てきたネイサンカレンがからんでいるみたいだ。 登場人物それぞれの思惑が絡み合って謎が解き明かされていく。 解剖というとなんだか暗くなりがちなのだがダニエルとその弟子たちのユーモラスなやりとり(解剖ソングなど)で割りと楽しく読めました。 翻訳物の苦手な僕は(翻訳物じゃないけど)カタカナの登場人物の名前がなかなか覚えられずちょっと苦労しましたが最後の種明かしもお見事でさしがこのミス3位だなっと納得。
0投稿日: 2012.01.19
powered by ブクログこの本の、初版の時の腰帯のキャッチコピーが確か、 「開かれたのは、躰、本、謎・・・」 でした。うまいコピーですね。 どうです、読みたくなったでしょ?(笑)
0投稿日: 2012.01.15
powered by ブクログ死の泉、ドイツを舞台にした2作品に続く皆川作品。 想像していたのは暗い恐怖やグロテスクな人間模様、ところが意外にもこの小説は友情と師弟愛が溢れた青春を描いた小説でもあった気がします。 随所に皆川さんらしい、禁断の世界がピンポイントで入ってはきます。でも、今回はなぜか、犬があんなことしても気持ち悪いけど笑える、真摯に解剖しているからグロくても解剖の歌で救われる、妖精女王だってちゃんと先生を愛している。 同じ禁断の世界を描いても、ちゃんと愛ある世界に戻ってきてくれるあたりが、今回の小説が今までとは違うところでしょうか。 ダニエル先生の弟子たちは、みんな最高!
0投稿日: 2012.01.15
powered by ブクログ面白かったなぁ。最後の最後まで真実が分からなくてハラハラしながら一気に読みました。伏線もちゃんと回収してくれているし、ミステリーとして素晴らしい!そして、18世紀のロンドンというのも良かった。現在と過去が交互に描かれているけど、過去のネイサンが特に生き生きとしていてすごく好きだった。
0投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログ18世紀ロンドン。 解剖教室主宰ダニエル・バートン。 情景を想像しながら読むのが心躍ると言うのかな。 明るくはないし、解剖とか死体とかなのに、好きな文体なんだろうな。 章毎に場面が変わり、変わる度に真相が近付いてくるのに、「え~っ!まだなの?」っていうドキドキも楽しく且つ「よし。まだ終わらないんだ。」っていう安堵感も。 このミスで上位だったから手に取ったんだったかな。 読んでよかったわ。 表紙もすてき。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ読みにくかった~! いろいろ忙しくて全然読書の時間を取れなかったとはいえ、読了に実質4日もかかってしまったなんて、「虐殺器官」以来…。 つまらなくはない。 プロットも凝っていてじっくり腰を落ち着けて読めば楽しめたのだろうが、どうにも読みにくくて読みにくくて全然集中できず、この作品を堪能できなかった。 読んで頭に浮かぶイメージと、描かれていく展開がかみ合わない感じがいつもあって、ストーリーの流れにうまく乗れず混乱してしまう。 つまるところ、著者の文章が私には合わないということなのだろう。 作中ちょっと触れられる、ある裁判で汚職の影響を排除するために直前で陪審員を総入れ替えする、というエピソードは、なんだったかなあ~、映画で観たことがある気がするのだが。思い出せない~。
0投稿日: 2012.01.08
powered by ブクログこのミスで順位が高かったので読んでみた。18世紀ロンドンの解剖学教室が舞台なので不気味なものが苦手な方にはおすすめできないが、そうでない方は是非!読みながらずっとふにおちなかったことが、最後にちゃんと辻褄があって、ナルホド~でした。
0投稿日: 2012.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
18世紀ロンドン。当時はまだ人々から理解を得ることの難しかった「人体解剖」にまつわる。ミステリー。 解剖の湿った雰囲気、男色、狂気といたこってりとした要素がわりとあっさり書かれてしまっていて、ちょっと物足りなかった。 でも当時のロンドン風俗が細やかに描かれているのは読んでいてわくわくした。 現代医療は「倫理感」が重んじられるが、当時はそんなもの希薄。解剖用の人体はお墓を掘り起こして勝手に仕入れるし、不要な部位は犬に食わせてしまう。そういう歴史がなければ今の医学はもっと遅れていたのかも・・・なんて。思ったり。
0投稿日: 2012.01.04
powered by ブクログ2012年年明け一冊目。去年から読んでいたけど年が変わって読み終わった。 綺麗にまとまってる、という印象。時代設定とか登場人物の設定とかも面白い。ただ、「引き込まれる」「夢中で読む」という感じではなかった…。いろんなところに手を広げすぎて、設定を活かしきれてない感じが少ししたような。 ちょっとミステリが読みたいなーと思ったときにさらっと(という量でもないけど)読むのがいいのかもしれない。
0投稿日: 2012.01.02
powered by ブクログ継続して読めなかったので、途中からストーリーに入り込めず、若干退屈してしまった。 18世紀ロンドンの雰囲気や社会背景など、骨格はよくできている。中心となる解剖チームも興味深かったが、人物の多さの割りに描写が似たり寄ったりなので、誰が誰が少し混乱した。 混乱するのは推理のプロットも同じで、ありきたりな展開で引っ張るのが逆に違和感で、絶えずふわふわした居心地の悪い感覚に支配されていたように思う。がっつり本格だと思わない方が楽かもしれない。 全体的にもう少し整理されてればもっと面白く読めただろうと思う。ただ、少年のロンドンでのくだりは吸引力が強く、先が気になって仕方なかった。この作者は初めてだが、合う部分とそうでない部分があるみたい。
0投稿日: 2011.12.24
powered by ブクログ18世紀ロンドン。 犯罪が蔓延る街の、その喧騒や猥雑さや混沌の中に放り込まれた錯覚に陥ってしまった。 重苦しさと陽気さのないまぜが、読んでいて飽きない。 一気読みしたかった。。。 騙し騙され−。その中で明るみになった本当の事は、深い深い愁いに満ちている。 解剖ソングのYとZが、この物語を表わしているように感じた。 皆川さんの他の作品も読んでみたくなる。 そこでも、ワンコが内臓食べちゃう事を期待します笑!!!!
0投稿日: 2011.12.19
powered by ブクログロンドンでどんでん返し舞台は18世紀ロンドン。解剖医と5人の弟子たちの前に突如現れた四肢切断屍体と、続々と現れる屍体。久々に読んだがっつりしたミステリ。おもしろい。まさに『解剖医ハンター』の世界で、今と違い死者の同定、死因、死亡推定時刻などが曖昧なのがミソ。不確定要素が多いため、めくるめくどんでん返し天国が現出する。
0投稿日: 2011.12.11
powered by ブクログ◎このミステリーがすごい!2012年版 第3位。 ◎週刊文春ミステリーベストテン国内 第3位。 ◎2012本格ミステリ・ベスト10 第3位。 ◎ミステリが読みたい!2012年版 第3位。
0投稿日: 2011.12.11
powered by ブクログここ数年間に読んだ本の中でも、群を抜いて素晴らしい作品。 最後の最後まで、どのような結末が待っているのか全く読めない展開に引き込まれて、一気に読み終えてしまいました。 一言で表現するのなら、圧倒的な面白さを持った作品であるということです。 物語の舞台となるのは、18世紀のロンドン。外科医ダニエル・バートンが主宰する解剖教室に運び込まれた令嬢の遺体に端を発する、ダニエルと五人の弟子の物語は、突然発見された二つの遺体によって幕を開けます。 四肢を切断された少年と、無惨にも顔を潰された男性の遺体。その場にあるはずのない遺体の背後には、驚くべき結末が待っていました。 身元不明の遺体の捜査と並行して語られる、詩人志望の少年ネイサン・カレンの物語が意志を持った運命のように、本筋であるストーリーに絡み合っていく様は圧巻の一言です。 YはYou all (あなたがたすべてに)、深い愛を捧げる ZはZanies (道化役者)、これにて退場 物語の最後である人物によって発せられた『愛している』の言葉がいつまでも、心地良く哀しげな響きを心に打つ物語です。
0投稿日: 2011.12.05
powered by ブクログ解剖とは自らの内側にあるドロドロとヘドロのような暗黒物質を斬り裂いて暴露することである。気持ち悪いものである。だが、誰かがしないと、その膿が溢れてくるのでしかたないのだ。ある意味でいえばスケープゴートである。まあ、それが好きという好事家もいるんでしょうけど。
0投稿日: 2011.12.04
powered by ブクログこの時代のイギリス事情がもっと詳しく理解出来ていたら 良かったのに、と思えた。 イギリスという国の正義と不義、罪と罰。 犯人や犯行理由等はそうなのかも、と考えられても、 皆が正しい事を言ってないのだろう、 と思えて、判事と同じように惑わされてしまった。 一番可哀想なのはダニエルなんだろうけど、 一番頑張ってほしいのもこの先生だったなあ。 去っていく彼らはどういうその後を送るのか。 弟子達の楽しそうに過ごしている様子が、 解剖の時だけだったのもおかしいけども、 特別付録に笑ってしまいました。 この作者さん、名前は知ってたんだけど、 この作品で初読みでした。 本屋で見かけて興味を持ったので、 イメージしていたのと少し違った物語だった。
0投稿日: 2011.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
18世紀ロンドン。まだ解剖学が忌み嫌われた時代。 四肢を切断された死体そして増えていく死体。 プライド高き孤独な青年と解剖教室の才能ある弟子たち。 盲目の判事サー・ジョンなど魅力的な人物たちと猥雑なロンドンの描写。 品があるけれど重過ぎずユーモアある文章に夢中になった。 (確かにポーの一族っぽい雰囲気。) シリーズ化を望みますが作者80代…いや敢えて強く希望!装丁もいい! 解剖ソングを含めて映像化も見てみたい。
0投稿日: 2011.11.30
powered by ブクログ読み始めてまず、片仮名の名前に参りました。 最近は海外ものはあまり読まないというのもありますが、漢字や英語のスペルなどの視覚から入ってくる情報の多さにあらためて気付かされました。 片仮名はパッと見た瞬間に理解できないです。 たくさんの登場人物に「誰だっけ?」と最初の登場人物のページを何度見たことか・・・・ 面白そうな本なのに、最初の3,40ページは片仮名の名前が気になってしかたがなかったです。 18世紀のロンドンの様子はとても分かり易く、すっと雰囲気に入って行けました。 解剖教室の描写が本来はグロテスクなものなんだろうけど、それ程抵抗なく読めたのは文章のせいなのか、センスの良い表紙絵のせいなのか・・・ とにかく片仮名に時間を取られてややうんざり気味でしたが、読み進めるほどに面白くて最後は「久しぶりにミステリーを読んだ!!」って気持ちを味わわせてもらいました。 盲目の治安判事さんの洞察力や、登場人物のピュアなところなど、片仮名で混乱した割にキャラもしっかり印象深かったです。 ちょっと大変でしたが、読んで良かったです。^^
0投稿日: 2011.11.29
powered by ブクログうわぁ面白い!なんて緻密なストーリー。 私何度騙されてるの? グロいの我慢して読む価値は多大にありました!! http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-800.html
0投稿日: 2011.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いつもの博子先生の作品とは思えないくらい、オチが明るかった。 新しい。 でも淫猥な雰囲気とか、街の悪意とかが文章に溢れていて、 やっぱりそういう所は変わっておらず愛おしくなる。 牢獄にぶちこまれてサラリと囚人に犯される場面は凄くよかった。 監獄あたりのひたすら不潔で憎悪にまみれた場面は、 本当に博子先生らしくてよかった。 好き。博子先生大好き。
0投稿日: 2011.11.14
powered by ブクログ初めて皆川さんの作品を読んだ。 読後にお年を知ってびっくり…! 昔のロンドンの喧騒だったりちょっと不気味な情緒を感じさせる。 時系列が違う内容を挿入しながら物語が進んでいくので、途中まで混乱しながら読んでた。 え?どうなるの? ええ?違うの?? と、二転三転しながらラストへーー。 明るい解剖ソングが、かえって切なさを出してる。 読み終わったときに、もう一度読み返さなければと思った人、少なくないんじゃないかな?
0投稿日: 2011.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
●皆川先生は1930年生まれなので、おんとし80歳。その御年齢で新作が出ること自体に驚愕せざるを得ない。ありがたやありがたや(-人-) ●舞台は18世紀ロンドン。 医術の進歩の為、墓暴きから死体を買ってまで解剖研究を行う外科医バートン&弟子達の解剖教室で異変が起きた! 事の始まりは、妊娠中の貴族令嬢の死体を“違法に”手に入れ、喜び勇んで解剖しようとする彼らの前に、治安隊が現れたこと。 急ぎ火を入れていない暖炉に死体を隠して治安隊を撃退したバートンズだったが、解剖を再開すべく令嬢を引き上げたら、なんと別人の死体にすり替わっていたのである。 その後もあるはずのない死体が更に増殖した上、敏腕と名高い盲目の判事も介入し、田舎から出てきた詩人志望の少年も入り交じって事態は混迷を深めていく・・・・。 ●・・・・読む前に抱いていた期待値が若干高すぎたかも。あら?(‐ー;) バートンの弟子五人のうち、エドとナイジェル以外の3人の印象が薄かった。おのぼりネイサン視点と死体事件に関わるバートンズ視点が交錯する構成は、好き嫌いの範疇ですね。 しかし臭気と喧騒と猥雑がかたまりになって襲って来そうな往時のロンドンの描写はさすが。微妙に淫靡なあたりと言いちょっと山田風太郎みたいですね。と思ったら、なんともう山風の享年を超えてた。やっぱ怪物だ!←超敬意を払っている。 ●皆川作品はまだまだ読みたいので、御健康&御長寿を祈念します。 贅沢を言うなら、こりゃすごい!てのをあと1作品だけ読みたい。『死の泉』並みでなくてもいいから。あれは読む方も気合が必要なので・・・。
0投稿日: 2011.11.05
powered by ブクログ時系列が現在→過去→現在→過去と移り変わるので慣れるまで頭がこんがらがりますが、なかなか面白かったです。 解剖学を絡めた話ですが、グロくはなく寧ろサッパリ描かれてます。
1投稿日: 2011.10.29
powered by ブクログ18世紀のロンドンを舞台に、解剖教室の面々と治安判事が謎に挑む。 妖しく暗い雰囲気が漂っていますが、登場人物達がコミカルで重苦しさはありませんでした。 なぜか次々に謎の死体が現れる暖炉、「解剖ソング」を歌う弟子達、人肉を食べちゃう犬など、ブラックなユーモアも満載です。 当時のイギリスの社会状況や法律に詳しくなければ分からない所もありますが、それでも犯人の叡智には驚嘆しました。 盲目の治安判事が自分の人間評に自信を無くしていく程、ある人物の印象が変わっていくのがおもしろかったです。 最後まで犯人の手に平で転がされ爽快感もありますが、それ以上に切ないラストでした。 人望はあるものの専門バカでドジな外科医のダニエルが、最後に抱く想いが胸を打ちます。
0投稿日: 2011.10.25
powered by ブクログこの著者の本はこれが初めてです。なんとなく雰囲気がいいな~、と思って手に取りました。 最初、タイトルは『聞かせていただき光栄です』だと思ってたのですが、よく見ると『開かせていただき~』であり、実は死体の解剖を巡って起こる事件の話だったのでビックリ(笑)。表紙もよく見ると美しいけど怪奇的ですね。 舞台は18世紀のロンドン。解剖教室を開いている外科医のダニエルと5人の弟子たちは、人体の仕組みの解明のため、墓から死体を盗んで研究を行っていたが、ある日、盗んだ死体を警吏に見つからないよう暖炉に隠したところ、その暖炉から見覚えのない別の死体が発見されて・・・といった話。 作品の雰囲気が独特な上、登場人物の名前がなかなか覚えられないので挫折しかけましたが、慣れると結構楽しいです。 18世紀のロンドンの様子があまりにも残酷。すごい格差社会であり、貧しい者はまともな裁判を受けることができず、ひどい待遇となっても文句を言うことすらできません。これは、そんな世界を生きる少年の物語。 そんな腐臭の漂ってきそうな雰囲気の作品ですが、残酷なのにどこか滑稽な趣があり、しかもなぜか上品な感じのする物語です。 例えていうなら、マザー・グースの詩みたい。理不尽だけど美しい、そんな作品でした。
2投稿日: 2011.10.23
powered by ブクログこれが八十歳をこえる方の書かれたものとは!まったく圧倒される。「死の泉」以来久々に読んだ皆川作品だったが、独特の世界は健在で、「衰え」とか「枯れる」なんて言葉とは無縁なのだなあと感嘆した。 出だしから血と腐肉の匂いが漂う。18世紀ロンドンの容赦のない階級社会のただ中に引き込まれていく。殺人があり、無実の罪での投獄があり(ここが実にオソロシイ)、墓暴きがあり、もう戦慄する出来事の連続。それなのに、皆川作品を読むとよく思うのだが、どこかヒューマンな感じがするのだ。そこが不思議で、大きな魅力だ。
1投稿日: 2011.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
キャラクターの魅力、舞台の雰囲気、ミステリーとしての面白さ、全て期待以上だった。お人好しの天然マッドドクターのダニエルとか、男装強がりっ娘のアンとか超萌えるし、盲目の判事もアクロバティックな思考の一切入らない、超堅実な探偵ぶりで最高。作者が80歳とは思えない感覚の若さ。ただ感嘆するばかり。 ラストシーンでダニエルが2人からの質問の答えを思い返して後悔するくだりは、まさに「その時になってみないとわからない」という返事が率直なものだったことの証明とも言える。エドは父を失った悲しい事件から、ナイジェルは直接描かれはしないけれども<薔薇亭>での行動などから、2人とも満たされない思いや世の中と相容れない感覚があったと思われる。だからこそ、ダニエルの飾ることを知らない率直な態度と言葉が特別に響いた。そして、「そのとき」になっても自分たちを愛してくれることを確信していたんじゃないだろうか。 あのシーンはダニエル視点で書かれているからああいう表現になってるけど、ダニエルは天然さんだから、十分に愛を伝えられなかったと勝手に後悔してるだけで、2人は本当に晴れやかな気持ちで去れたんじゃないかと思う。
4投稿日: 2011.10.13
powered by ブクログ【開かせていただき光栄です DILATED TO MEET YOU】。最近読んだ本の中ではダントツで好きなタイトル!表紙もかなりのインパクトです!皆川さんが書く18世紀ロンドン&解剖学ものということで、ニヤニヤしながら読みました。誰も彼も怪しいもんだから、最後の最後までラストが想像できず、気づけばまさかの結末(笑)
0投稿日: 2011.10.08
powered by ブクログ読み易かった。描写が丁寧で18世紀のロンドンという舞台に、すんなり入っていける。 外科医の地位が低く、解剖が異端だった時代…ダニエル先生と弟子たちの懸命な姿勢が、時に感動的で時にユーモラスで。 ラストは切なく胸に響いた。
0投稿日: 2011.09.30
powered by ブクログ18世紀のロンドンが舞台。 その時代の風習や警察、裁判制度などが描かれていて、興味深かったです。 事件を解決に導くのは、盲目の判事と彼の目になる助手。 無駄な描写はなく、飽きることなく読ませる手腕はさすが。
0投稿日: 2011.09.28
powered by ブクログ作者独特の耽美さと、ミステリー要素が上手く混じり合った作品。状況が二転三転して、最後まで読者を飽きさせない作りになっている。
0投稿日: 2011.09.24
powered by ブクログ18世紀ロンドンの退廃的な世の中をたくみに泳ぎ回る悪人たちと、増える屍体の真相を追い求めるダニエル先生とその弟子達、そして盲目の治安判事サー・ジョン。 ともすれば暗い話になりがちなところを、弟子たちの陽気さがストーリーの流れにあかりをともし、治安判事の、この時代としては珍しい公明正大な捜査方針が、読み手に安心感と爽快感を与えてくれます。 そして何といっても極めつけは弟子たちの合作である「解剖ソング」。 この歌があるとないとでは、読後感がずいぶんと違ったものになったと思います。 ラストはまるで映画のワンシーンのようでした。
1投稿日: 2011.09.22
powered by ブクログ素晴らしい。 最後まで、伏線(らしいとこっちが気づいたものもそうでないものも)は緩まず、しかも登場人物の魅力が読んでいくうちに各人くっきりと浮かんでくる。 このまま、少し仄暗いトーンの英国映画になりそう。 うん、素晴らしい。
0投稿日: 2011.09.19
powered by ブクログ皆川博子さんは、すごい。 『倒立する塔の殺人』を読んだときも、衝撃的だったけど、この本はさらに……。 作家さんは生涯現役と言われるけど、それにしても……。 いやぁ、ただひたすら稚拙な感想しか……。 ラスト近く、「ほぉ〜」と声に出して言ってしまいました。
0投稿日: 2011.09.19
powered by ブクログ登録100アイテム目! 初めて読む作家さんだけど、あらすじと表紙が気になって買った本。「18世紀ロンドン」「ミステリー」のあたりとかね。 第一印象は翻訳を読んでるような文章だなーという感じ。レビュー見ると、他の作品とは文体をあえて変えてるみたい。後で知ったけど、80歳を越えてるとは! めっちゃ面白かったよ! 過去と現在(?)の時系列に分けて書かれていて、それにちゃんと意味がある。物語の構成が素晴らしい! 色んな人が関わったちょっと複雑な事件なんだけど、2転3転するわ、伏線張りまくりだわでひとつの作品で何回騙すんだと。でも、この騙され方はむしろ気持ちいい。 最後はちょっと切なくて、余韻が残る。 エドとナイジェルとアンが好きです。 いい本に出会いました。満足!今年No1かもしれない。 映画とかになったら面白そうなんだけどなー。 他の作品もチェックしてみよう。
1投稿日: 2011.09.14
powered by ブクログ18世紀ロンドン。増える死体、暗号、密室、監禁、稀覯本、盲目の判事・・・・・・ 解剖医ダニエルとその弟子たちが辿りついた真実とは?
0投稿日: 2011.09.14
powered by ブクログ18世紀のロンドン、猥雑で劣悪な環境のその町にある解剖室から始まる増える屍体と暗号と密室に彩られた殺人事件の物語。作者ならではと思っていた幻想的で重厚な語り口は、今回は翻訳文調のあっさりとシニカルな形に姿を変えています。その効果があって、キャラクタのたった、読みやすい話になっています。が、独特の美しさすらただようグロテスクな描写、ロンドンの当時の風俗を細密に描きそしてそれこそを物語の「動機」にさえも仕立てあげた技はもう、ブラボー、のひとこと。素晴らしいです。 終盤の意外な展開には素直に驚き、終幕のシーンでは哀切さにただようばかり。バートンズも判事たちも良いキャラクタだったので、ぜひなにかの形で彼らをまた見たいです。そしてあの二人の行く末も、過去も、教えて欲しいと切に願うばかりです。 …装丁も美しく実にぴったり。じっくりゆっくりと読んで、読書ならではの「贅沢」を堪能できました。
0投稿日: 2011.09.12
powered by ブクログ読み応えたっぷりの正統派ミステリ ラストでやられました。 複雑に絡み合う謎、思惑 明らかになってゆく真実。 人は何をもって人を愛するのか 目に見えるものは どこまでが本物なのか 最後になんともいえない切なさの残る作品です
0投稿日: 2011.09.12
