
総合評価
(64件)| 13 | ||
| 22 | ||
| 10 | ||
| 5 | ||
| 0 |
powered by ブクログ2024年10月2日、Yahooフリマで大学名のスウェット探してて、米国大学院ランキングをググッたら1位だったので「マサチューセッツ」で検索したらこの本が出てきた。
1投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ物理の面白さを実験中心に分かりやすく書かれている。特にX線天文学、中性子星、ブラックホールh集中して記されている。レイリー散乱、虹、ひも理論、プラズマ、Maxwell方程式、渦電流、赤方偏移は実生活にも即したものだ。今一度思い出していきたい。
0投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログマサチューセッツ工科大学のルーウィン教授の物理学の講座を収録したもの。1章 物理学を学ぶことの特権 2章 物理学は測定できなければならない。 3章 息を呑むほど美しいニュートンの法則 4章 人間はどこまで深く潜ることができるのか 5章 虹の彼方に 6章 ビックバンはどんな音がしたのか 7章 電気の奇跡 8章 磁力のミステリー 9章 エネルギー保存の法則 10章 まったく新しい天文学の誕生 11章 気球で宇宙からのX線をとらえる 12章 中性子星から部落ホールへ 13天空の舞踏 14章 謎のX線爆発 最終章 世界が違って見えてくる 物理を理解しているのとそうではないのでは世の中の見え方が根本的に違ってくる。
0投稿日: 2021.10.18
powered by ブクログ科学者らしく、実際の実験などについて、できるだけ正確に伝えようとしているのはよくわかるのだが、それがどんなものであったかという想像すらできないのは、もちろん読者の理解力の低さもあるのだろうが、こういう種類の説明は、文字で「読む」のではなく、映像で「見る」ようにすべきなのであろう。
0投稿日: 2021.09.24
powered by ブクログ1〜9講は物理学の幅広い基本、10〜14講は著者の専門分野であるX線天文学について。やや難易度高めで読み切るのは大変だった。(2014年に読み始めたが途中で長らく放置して、読み終えたのは7年後…)
0投稿日: 2021.04.24
powered by ブクログMITで動画で無料公開しているウォルター・ルーウィン教授の物理学入門の講義の一部をテキスト化したものです。確かに彼の講義が魅力的でわかりやすい事は伝わってきますがでもテキストはテキストであって、彼が体を張って証明する実験の数々は映像で見るのとは迫力が違うというのが正直な印象です。これを読んでからだと英語の動画でもなんとなく中身はわかりますので補助テキスト的に読むのがいいのかもしれません。「白熱教室」を見逃してしまったのですがこれを読んでDVDを見てみたいと思いました。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ生で受講できた当時のMITの学生は幸せでした。 とはいえ、我々も本書と紹介されているビデオをみることで、同じように学ぶことが可能です。 そして、その内容は知的好奇心をくすぐり素晴らしい。 例えば、私は注意されたことも教えてもらったこともなかった生活に潜む危険な行為の1つとして、トースターに食パンが詰まった時にフォークやナイフで引っ張り出すのは感電死の危険性がある(必ずプラグを抜いてから)など。(P209) 人に直撃すれば確実に死ぬあの莫大なエネルギーの塊のような落雷について、1回の落雷の総エネルギーは100ワットの電球が1か月消費するエネルギーと同じ、つまり稲妻のエネルギーを再生エネルギーとして取り込もうとするのはあまり意味がない。(P210) また、雷雨が去った後の空気がおいしく感じるのは、直後にオゾンが生成されたため。(P211) 地球の地軸近辺の磁場にオーロラが発生するのは、太陽風が磁場が最も強いところに入り込むから(光を作る荷電粒子が空気中に増える)や、この磁場こそが地球の大気圏と水を太陽風から守ってくれている。(P224) 体温が37℃の人なら1日1千万ジュール(1カロリーは1gの水を1℃上げるのに必要なエネルギーで、約4.2ジュール)発熱に使われており、2400キロカロリーの食事摂取が必要となる、3階にあるオフィイスに1日5回階段で往復して消費されるエネルギーは約35000ジュール(1日発熱量の0.35%)だと知ればバカバカしくなるだろう。(P256) そして、本書の眼目は、物理学と芸術との相似性の指摘です。 ゴッホやマティス、モネ、ドガ、ピサロ、ルノアールでさえ、初めて作品が発表された当時は批評家から物笑いにされた過去があり、年代を経てその価値や美しさが認められるようになったのは、彼らの新しい題材、形式、素材、観点、技法、色調などが時代を屈服させたためであり、その革新性こそ物理における新しい発見に匹敵する。(P382) 真摯に物理学に向き合う著者だからこそ書けた奇跡の1冊です。 とはいえ、その後のオンライン講座でのセクハラ行為でMITの終身名誉職を解かれたというニュースは残念でなりません。
0投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログ日常とかけ離れているように思う物理学がとても身近で、体で理解できる授業である。生で受講して見たかった。
0投稿日: 2018.12.13
powered by ブクログMITで物理学を主専攻していない学生向けに行われている物理学講義を書物化してくれた一冊。 物理学を主専攻していない学生向けとありますが、(大学で物理を勉強していた自分の感想だと)高校時代物理が好きだった/得意だったか大学で物理を勉強していたとかでないと本書の面白さを理解するのはちょっと難しいかなと思いました。 (また、じっくり理解しながら読み進めるのに結構時間がかかりました。) あらためて物理は面白く、知れば知るほど思考力の幅が広がりそこから新しい何かを生み出せそうな気もするので、人生の最後まで少し地道に勉強していこうと思った一冊でした!
1投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログMITの一般教養の物理をやっている先生による本。講義の様子は動画で公開もされている。前半はその授業の内容に準じている様子で、後半戦は専門のX線天文学についてその歴史を自分の体験で語る。後半はちょっと難しいといえば難しい。 ヒッグス粒子のノーベル賞のとき、理論物理学者と実験物理学者のどちらに賞が送られるべきか(実際は「理論」のほうだった)議論されているのを見かけたが、著者は実験物理学者。だからか身近な現象に根ざした(虹とか)話が多くて素人にもしたしみやすい。とにかく測定の精度の大事さを強調するところもさすが。「ここでわたしが、天体物理学の理論の大多数はいずれ誤りであることが判明するなどと断言しても、同業の理論家たちの機嫌を損ねる心配はないだろう。そんなわけで、わたしを含めた観測天体物理学者の多くは、大半の理論にあまり注意を払わない。」 ・年周視差により数千光年までの恒星との距離を測ることができる。太陽に最も近いプロキシマ・ケンタウリ(4.3光年)の年周視差は0.76秒角。10セント貨を3.5kmはなれたところに置くと1秒角。月を1800枚にスライスしたのも1秒角。天文学には精密な観測が必要になる由。 ・ケフェイド変光星は光学的輝度と変光周期に相関がある。これを利用して1億光年までの距離を測ることができる。 ・17世紀半ばに気圧計を作ったのがトリチェリ。密度の高い液体ほどコンパクトに作れるので、水の13.6倍の密度を持つ水銀を使った。長さ1mのガラス管に水銀を注ぎ、管の口を指でふさいでひっくり返してから水銀を満たした深皿に入れて指を離した。水銀がいくらか流れ出したが76cmの高さの水銀柱ができた(気圧の変動により上下する)。管の上部にできた空間は、実験室でもっとも初期に作られた真空のひとつとなった。 ・飛行機を飛ばす力。ボーイング747を例にすると、揚力の80%以上が反作用揚力(翼の下を流れる空気が下向きに押されることによる)、20%未満がベルヌーイの揚力(翼の上下の気圧差)。→なんかこの説は間違いらしい。よくわからん。 ・虹を見つけるコツ。太陽に背を向け、自分の頭の影を見つけ、自分とそこを結ぶ線から全方向に42度離れた位置に注目する。また、虹の内側(青い側)の空は明るいが、外側(赤い側)の空は暗い。光の屈折の性質による。 ・水滴の代わりにガラスでも虹を作れる。黒い厚紙、スプレー式透明接着剤、球状で無色透明のガラスビーズ(直径0.15から0.25mm)を使う。 ・深宇宙さえも完全な真空ではない。地球上でつくりうるどんな真空よりも完全な真空に近いが、プラズマと呼ばれるイオン化した気体がおもに存在する。 ・ワイングラスなどの共鳴。どこかから余分なエネルギーをもらえるお得なシステムのようにも見えるが、実際はその固有振動数において投じられたエネルギーを最も有効に活用しているだけ。 ・長い縄跳びをじゅうぶんに速くまわすと、縄がふたつをの弧を描く。中央に動かない1点(節)ができる。縄が二次固有振動数で振動し始めたのだ。振動するものはすべて複数の固有振動数を持っている(三次以上もある)。楽器の弦は同時に複数の固有振動数で振動して倍音を出す。 ・物質の中には正電荷を引き寄せるものと、正電荷を手放して負の電荷を引き寄せるものとがある。それら相反する物質同士をこすり合わせるとそれぞれ逆の電荷を帯びる。それを表に並べたのが帯電列。 ・この地球上でわたしたちと関係のある原子・分子のほとんどは電気的に中性。室温の純水であれば1,000万個の分子のうちイオン化しているのは1個だけ。 ・ボルトとは電位の単位である。例えばアメリカのコンセントのふたつの穴の電位差は120ボルト。電場の強さはボルト毎メートルであらわす。 ・平均的な雷が放出するエネルギーを電力に換算すると1兆ワット。しかいs数十マイクロ秒しか続かないので、1回の落雷の総エネルギーは100ワット電球1か月分くらい。 ・高周波の電流は導体の外側を流れる(表皮効果)。雷の時、車のなかが安全な理由はこれ。ただ最近はグラスファイバー製の部品が増えているので危ないかも。 ・ヒトは100ジュール/秒の赤外線を発している。100ワット電球と同程度。 ・蟹星雲(牡牛座X-1)は1054年に観測された超新星爆発の残骸で6,000光年離れている。1000年後の今でもX線を放出しながら天文ショーが続いている。 ・中性子星は高速で自転する。フィギュアスケート選手がスピンする時、伸ばした腕を体に引き寄せるとスピンの速度が増すのと同じ理屈(角運動量の保存)で恒星時代の自転が加速する。蟹星雲の中性子星は30回転/秒で、これまで観測された最高のものは716回/秒。おおくの中性子星は磁極から電波ビームを発するが、磁極と自転軸にずれがあるため、観測する側としては間歇的にビームが出ているように見える。単独パルサー。 ・われわれの見ている星の1/3が連星である。一方の星は軌道の半分で地球に近づき、残りでは遠ざかる。もう一方は逆の動きをする。それぞれのスペクトルに赤方偏移と青方偏移の吸収線がそれぞれ見られる。それで連星系だとわかる。 ・惑星の公転周期は17世紀になる前ずっとから高い精度で知られていた。太陽と惑星の距離も高い精度で知られていたが、あくまで相対的な尺度(例:金星と太陽の平均距離が地球の72.4%)でだった。→天地明察
0投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログX線天文学者がMITで一般学生に物理学を講義した内容を本にまとめたもの。物理専攻でない一般学生に物理ってこんなに面白い!という記憶を持ってもらうように工夫した講義。学生をびっくりさせる実験をしたりして、紙の上でも面白かったので、実際の講義はとても楽しかったのではないかと思う。
0投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログ虹がどうして出来るのか。子供にそんなことを伝えられて一緒に考える時間を持つことが出来たら楽しそう、とついつい引き込まれてしまった。Webで人気のMIT物理学教授の授業のテキスト版である本書。こんなにも楽しい授業をしてくれる先生に出会えたらその後の人生に影響すること間違いない。「楽しさ」を教える技術と創意工夫は仕事の観点でも考えてみようと思う。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ以前NHKで放送されていた講義の動画は面白いと思いましたが、書籍になってしまうと動画と比べてどうしても面白さに欠けてしまうと感じてしまいました。 よって途中で読むのを断念しました。
0投稿日: 2017.08.22
powered by ブクログマサチューセッツ工科大学(MIT)で物理学を教える著者。「学問とは楽しくなければならない」というMITの精神そのものの講義は教室だけでなく,Webを通じて全世界にファンをもつ。講義という名のエンターテイメントをどうぞお楽しみください。
0投稿日: 2016.12.08
powered by ブクログ若干、期待外れでした。 理系で、ある程度、物理の知識がある人は、当たり前すぎて、つまらない部分、物足りない部分が多いかも。 扱っている現象のレベル(難易度)のばらつきが大きい点も、ちょっと気になりました。 とはいえ、「そこまでやるか」的な実験への取り組みについては、読んでいて面白かったです。 YOUTUBEにも、いろいろ講義の様子をアップしているようなので、そちらも見てみようと思います。
0投稿日: 2016.11.19
powered by ブクログ「物理学は美しい、そしてわれわれの生活のいたるところに物理学はある。」これは、本書の著者が言う物理学です。みなさんは物理学に対して、美しいというイメージを持ったことがありますか? 本書はマサチューセッツ工科大学の教授ウォルター・ルーウィン氏によって書かれた本です。NHKのMIT白熱教室にて、著者の物理学の授業が放送されていたので、ウォルター・ルーウィンという名前を耳にしたことのある方もいることでしょう。ルーウィン氏の行う授業は、「複雑な数理計算よりも発見することのすばらしさを胸に刻ませる」をモットーに、自ら体をはり、学生を冷や冷や、ワクワクさせることで有名です。 本書は、そんな授業に対するテキストとなる本です。数式をほとんど使うことなく、自然現象を物理学という学問を使い分かりやすく解説してくれています。物理学の美しさに魅了される、そう言っても過言のない内容となっています。 物理学に興味のある方はもちろん、物理学を毛嫌いしている方にも是非読んで頂きたい一冊です。 (ラーニング・アドバイザー/物理学 KOCHI) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1461509
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ本の内容は期待していたものと全く違っていた。いわゆる「魅力に富んだ」物理学の授業とはどんなものかに触れたくて本を手にした。しかし本の内容は授業そのものとはあんまり関係なく、何かの補足説明のように連続して記述されているものだった。 ネットで検索すればルーウィン教授の魅力ある授業をたくさん見つけることができる。たぶん、こういったメディアで好評だったためそれに乗っかって出された本のような気がする。それにしても「これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学『感動』講義」なんて全く適当でないタイトルだ。ちなみに原題は"For the Love of Physics"だ。原題の方がまだ内容をよく表していると思うが。
0投稿日: 2016.04.25
powered by ブクログユニークな実験を交えた分かりやすい授業で有名なMITのルーウィン教授による、物理学の講義風読み物。 講義の動画はMITのインターネット授業として無料で公開されていて、NHKでも放映された。現在は、なぜかMITのサイトから削除されており、簡単には動画を見ることができなくなった。 物理に興味をもってもらうために、あの手この手で授業を魅力的にする工夫が文章からも伝わってきて、講義の盛り上がりが目に浮かぶ。さらに、本人の物理学研究における体験、さらにはユダヤ人ならではの大戦中の苦難など、プライベートな部分を描くことで教授への親近感がわき、授業を受けてみたい気持ちになった。 物理学としての難易度は低め。中学生が十分理解できるレベルで、物理を志す人を増やそうというねらいに合っている。娘にも読ませて、あるいはDVDを見せて、理系女子への道を歩ませようかな。
0投稿日: 2015.07.31
powered by ブクログNHKの白熱教室を視聴した方が先の人間です。 そこからこの人面白い!と本書を読んだ他 iTunes U で動画視聴もしました。本に書かれていることはテレビで言っていたことほぼそのまま(元ネタだから当たり前か)、本よりも動画で彼が動いているのをぜひ見てほしいです。本があれば勉強はできるけど、講義でしかできないことを彼はやっているのではないでしょうか。内容としては日本だと中学~高校くらいだと思うので、こんな授業が日本の学校で行われれば良いのに!と思っています。 おかげさまで、お天気雨のときに誰よりも早く虹を見つけられるようになった気がします(笑)。学校の水道でも虹を作って遊びましたよ。
0投稿日: 2015.05.03体験する美しい物理入門
数式ではなく実際に体験しながら物理の美しさがわかる良い本です。 物理を初めて学ぶ人には物理の楽しさがわかる本です。 物理を学んだ人には物理の美しさがわかる良い本です。
1投稿日: 2015.04.08
powered by ブクログだいぶ噛み砕いて書かれているのだろうが、そもそも基礎がない私にとっては難しいところもある。特に計算式の辺りとか。 次に虹を見る時が楽しみだ。
0投稿日: 2015.03.28
powered by ブクログNHKで放映された「MIT白熱教室」の元となった本。高校で学ぶ物理学だけで、いかに幅広い自然現象の仕組みを理解・記述できるのか、という事を数式を用いずに、また非常に分かりやすい例を用いて解説します。 1章から9章までは力学や電磁気学、波の性質などを身近な現象を切り口に扱います。「人間はどれくらいの長さのストローからジュースを吸い上げる事ができるだろう」、「雷はなぜ大きな音がするのだろう」、「楽器の音はなぜ高低の調整ができるのだろう」、「飛行機ははなぜ飛べるのだろう」などなど、きっかけとなる疑問は非常にシンプルです。 10章から14章は著者の専門であるX線天文学の歴史とその最先端の解説です。こちらはちょっと難解でした。 本書の前半部分(1章~9章)こそが、本書の最大の読みどころと感じました。高校生が物理学を授業で学ぶにあたり、是非読んでみてはどうかと感じます。「物理=難解でハードル高い」という思い込みをしている人達を少しでも減らせることができるかも。
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログ物理学があまり分からなくても興味があればぜひ読んでほしいと思います。語りかけるような文体で書かれているため著者に引っ張られていく感覚で読めます。
0投稿日: 2014.11.06
powered by ブクログテレビでやっていた、MITの物理基礎講座の書籍版。さらに、教授の専門であるX線天文学の話や、物理を教えるということについての章が付加されている。本書でも述べられているように、物理を学ぶことで、モノのリクツが解ることはとても楽しい。 子供たちも、今は理科が好きと言っているが、現在は単発的な雑学の寄せ集めに過ぎない。物事を系統だてて理解し、自分で考えるように導くことはできるのだろうか?
0投稿日: 2014.08.02実験物理学者の名講義
MITで一般教養の物理をやっている先生による本。講義の様子はMITのサイトで動画が公開されており、本書中にリンクもふくまれています。前半はその授業に準じていて、後半は専門であるX線天文学の歴史をみずからの体験で語っています。その後半はちょっと難しいといえば難しいですが、十分に理解できなくても読み物としてたのしめるので心配いらないでしょう。 ヒッグス粒子がノーベル賞の対象になったとき、理論物理学者と実験物理学者のどちらに賞が送られるべきか(実際は「理論」のほうでした)議論されているのを見かけて、両者がけっこう分業のようなかんじになっていることを知ったのですが、著者は実験物理学者のほうです。だからか、虹とかワイングラスの共鳴とか長縄跳びとか身近な現象に根ざした話がおおくて素人にもしたしみやすいです。とにかく測定の精度の大事さを強調するところも実験屋さんならでは。 たとえば年周視差で恒星との距離をはかるのですが、もっともご近所のプロキシマ・ケンタウリ(4.3光年)でも年周視差は0.76秒角しかないのです。ちなみに1秒角=月を1,800枚にスライスしたときの角度。いかに物理学者たちが観測精度を向上させるのに苦心しているかがよくイメージできます。そんなふうに物理学の現場の感じがわかる事例がたくさんあげられている本です。
4投稿日: 2014.07.20縦書きで読む物理は頭に入ってきやすい
物理と聞くだけで眠気が襲ってくる・・・ そんな人でも楽しく読み進められる本だと思います。 教科書では、まず物理の法則を説明して、 それから身近な例を紹介しますが、 この本では、まず身近な例を紹介してから 説明にするっと入っていきます。 ところどころでMITでのエピソードも書いてあったりして、 それもそれで興味深いものです。 そしてこの本を何よりも面白くしているのは、 文章だけじゃなくて講義で行った実験の映像も ウェブで見られるようになっていることです(英語ですが)。 アンドロイドで読む場合などは特に、同時並行で実験を見ることができて 読書体験を超えた読書になることでしょう。 文の調子が翻訳口調なのは少し気になる方がいるかもしれませんが それでも、著者の物理への愛が感じられる一冊になっています。
3投稿日: 2014.07.18
powered by ブクログ本日、息子の誕生日。10歳おめでとう! 「これが物理学だ!」なんともワクワクする内容。危険だとわかっていながら体当たりで授業を展開する。この根底には、幼い頃のナチスホロコースとの犠牲が深く関わっている。 最後のページまで感動する。
1投稿日: 2014.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本文中のURLも参考に読み進めるとかなり面白いと思われる。物理学をちゃんと習ったことのない人に読んでもらいたい本。 どこかの書評で紹介されていたので図書館で予約して借りた。2014/04/12に借りて順次読み進めて,連休中に読了。
0投稿日: 2014.05.04
powered by ブクログタイトルの通り物理が実用的にかつ体系的に学べます。 初学者から物理をかじった人までこの本は基礎を日常にあるもので説明をするので、読み終えた後に何気なく散歩したら物理的な発見が沢山あると思いますのできっと楽しみが増えると思います。
0投稿日: 2014.02.17
powered by ブクログ読み物としても物理の教科書としても「電車の中で読むには」面白くなかった。講義動画を見ながら読めば面白いに違いない。でも私は電車内でしか本を読まないのでこの本はいまひとつでした。 「面白い講義」をする人の本が必ずしも面白い訳ではないのですは。
0投稿日: 2013.12.02
powered by ブクログ★2013SIST読書マラソン推薦図書★ 本を読んで読書マラソンに参加しよう! 開催期間10/27~12/7 (記録カードの提出締切12/13)
0投稿日: 2013.10.25
powered by ブクログ前半の基礎的な物理もいいが、後半のX線天文学が著者の真骨頂なんだろう。可視光以外で得られる情報に宇宙の姿が浮かび上がるさまがすごい。
0投稿日: 2013.10.19
powered by ブクログちっぽけな人類が、物理学を手にしたことで、ここまで世界を認識できているということに励まされる。 長崎大学:教育学部 教員 長島雅裕
0投稿日: 2013.10.04
powered by ブクログうおー!と感動するけど、(知識として盤石にわかるわけではないので)人に伝えようとしてもうまく伝わらない、元の説明がうますぎ本。本文中で推薦される多くの動画視聴も併せるとかなりエキサイティングです。
0投稿日: 2013.09.19
powered by ブクログ空がなぜ青いか、振り子の周期に重さは無関係など、物理の基本がわかっていると、派手なパフォーマンスで説明する本書は読んでいてかったるい。最後のX線バーストなど高度な天文学の話は図もなくて記述が大まかで理解した気になれない。科学雑誌や番組をよく見るような人には不向き。 最初、速読していたがつまらないので、斜め読みして1時間くらいで読み終えた。(1ページ1分なら4時間半かかる量)
0投稿日: 2013.09.17
powered by ブクログFOR THE LOVE OF PHYSICS: From the End of the Rainbow to the Edge of Time - A Journey Through the Wonders of Physics ― http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163757704 , http://hon.bunshun.jp/sp/physics , http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/mit/about.html
0投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログNHKでも放送されていたMITの名物教授、ルーウィン教授の本。TV放送を見ていましたが、それが良かったので本でもじっくり読んでみたくて購入しました。もちろん、ルーウィン教授の授業は動画でみるべきですが、その後に本をゆっくりと読むのも良いものでした。 本書では序章にユダヤ人であった父の思い出が載っている点が印象的でした。すごく陽性に見えるルーウィン教授にこうした暗い過去があるのが意外でした。特に、ユダヤ人である父が徐々に行動を規制され、公園に入れないようになり、墓地くらいしか入れなくなったため、”わたしは今でも、父と近くの墓地をよく散歩していたことを思い出す。”というのがせつない。
0投稿日: 2013.09.01
powered by ブクログ目的・・・素人でも理解できる一般常識の向上 前半の基本原理部分は素人でもついていけるが、後半部分の天文学は本人の専門分野ということもあり熱意は伝わってくるがなんの話をしているか難しい。
0投稿日: 2013.08.11
powered by ブクログ楽しかった! まだ第一回しか観ていなかった「白熱教室」の録画をフォルダごと夫に消されてしまい、仕方なくこの本を読みましたが、結果的には大正解。テレビでは触れていなかったであろうルーウィン先生の生い立ちや芸術への情熱なども含め、本当に興味深く、終始惹きつけられて読みました。 虹の話、音の話、宇宙の話。どれもロマンに満ちています。おすすめです。
0投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログMITの人気教授による物理学講義の書籍化、つまり、サンデル教授の「これから正義の話をしよう」の物理学版といったところ。 すべてがすべて面白いというわけではないが、力学だけでなく、光学や著者の専門であるX線宇宙観測を含んでいるのは珍しいし、目新しい。個人的には、原子物理学や量子力学を加えてほしかったが、他に良書も多いので、そちらを読めばよいかもしれない。 様々なウェブサイトのURLが記載されており、そちらで図版や動画により、講義内容のイメージを更に膨らますことができるというのは、現代の物理学講義本らしいというか、アメリカの大学の講義らしい感じがする。英語に不自由しないなら、公開されているMITの講義の動画を見たら、もっと楽しめるのではないかと思う。
0投稿日: 2013.06.06
powered by ブクログMITの物理学教授が彼の講義をもとに物理学の美しさを伝えるために書いた本。 前半はニュートン力学や電磁気学といった古典物理の内容で、後半は彼の専門のX線天文学の説明になっている。 様々な分野が広くカバーされているが、とりわけ虹(光)に対する熱意が伝わってくる。自分が子供になったかのように虹に執着するようすは、とても70歳を超えているとは思えないエネルギーを感じる。この光への情熱がX線天文学(光の分析)へとつながっているのだ。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ少し前の話題の一冊。MITで物理学の名物講義を行っている教授による授業内容の紹介。いわゆる大学初年度生向けの教養の物理入門といった内容です。「教える者にとって大切なのは、知識を箱にしまい込むことではなく、箱のふたを開くこと! 」という言葉が印象深い。いろいろ工夫して学生が興味を持ってくれるような授業を行っているんだなぁ、と思う。でも少し意欲のある最近の高校・大学の先生ならこんな感じの授業やっているよなぁ、という程度の内容で、特に驚くような授業ではない。自分が教養の授業とか、高校生向けの模擬授業なんかをする上では参考になりそう。個人的にはエネルギーの講義内容なんかは面白かった。最後の4章は著者の専門のX線天文学研究の紹介で少し難しい。以前読んだ「僕らは星のかけら」を思い出した。でも、天文好きの学生じゃなきゃついて行けないだろうと思う。
0投稿日: 2013.05.01
powered by ブクログたまに無性に読みたくなる数学・物理・科学関連。 マサチューセッツ工科大学の教授でどうやら世界で一番人気のある物理学者の先生の著書です。 数学・物理学の一般向け書籍ではサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」「宇宙創造」が素晴らしいけどルーウィン先生の著書はより専門的でちょっと難しい。でも有名な講義の方法などはとても興味深く私も頭がよくてMITの学生だったらよかったのにと思わせる内容。 そしてこの翻訳本での語り口調は東野圭吾のガリレオシリーズの天才物理学者の話し方にそっくり。この物理学者然とした喋り方はもちろん福山雅治演じる湯川学のキャラクター作りでも重要な点だけどこの業界では一般的なものなのか、それとも東野圭吾の創作か、はたまたルーウィン先生がオリジナルなのか。そんなところが一番気になった(笑)
0投稿日: 2013.04.24
powered by ブクログ推薦理由: 本書は、マサチューセッツ工科大学物理学入門講座のウォルター・ルーウィン教授の講義を書籍化したものである。我々の日常生活から宇宙の彼方まで、様々な事象を物理学の理論で鮮やかに説明していくルーウィン教授の講義は美しく感動的で、原書のタイトル『FOR THE LOVE OF PHYSICS』の通り、物理学への愛が伝わってくる。紹介されている多くの実験が大変面白く、ウェブサイトで公開され世界中で人気がある。本書で物理学の楽しさに触れて欲しい。 内容の紹介、感想など: 物理学とは複雑な数式の集合のように思える。しかも、あのマサチューセッツ工科大学の物理学の講義なら、厳しい顔をした物理学者が、常人には理解不可能な数式と専門用語を並べ立てて、日常生活とは無縁に思える難しい事を述べているに違いない。そんなイメージを吹き飛ばすのが本書に書かれているウォルター・ルーウィン教授の講義だ。 ニュートンの法則の講義では、エレベーターの中で体重計に乗るという分かり易い例から宇宙船の中で宇宙飛行士が浮遊する無重力状態は自由落下状態なのだと説明し、圧力の講義ではストローで飲み物を吸い上げる仕組みや、シュノーケルを使って潜れる水深の限界などを解説して日頃注意も払わなかった重力や空気圧がこれらの日常的な事象に様々な影響を及ぼしている事に気付かせる。 特に彼の講義を魅力的なものにしているのは実験だ。ワイングラスの固有振動数の音をスピーカーから出してワイングラスを粉々に割って見せたり、自分の体を帯電させて蛍光管を発光させたり、エネルギー保存の法則を証明するために、15kgの鉄球の軌道上に自分の頭部を置くという命がけの事までする。このような実験を見せながらその結果を導く物理学の理論を説明していくのだから、面白くないはずがない。振り子の周期がおもりの重さにかかわりなく一定であることを証明する実験では、何と学生の前で天井から吊り下げられた振り子のおもりに乗って揺れてみせるのだ。本書の見返し部分にこの写真が載っている。 ルーウィン教授の講義からは、物理学に対する限りない愛と、それを学生に伝えようとする情熱が感じられる。理科系であろうとなかろうと、全ての人が興味を持たずにいられないルーウィン教授の講義を本書で体験して欲しい。 本書に載っているルーウィン教授の講義や数々の実験の多くをウェブサイトで観ることができる。URLが記載されているので、大物理学者が天井からぶら下がって揺れている様子を観てみよう。
0投稿日: 2013.04.23
powered by ブクログ純粋に面白かった。20年前に読んでおきたかった。通勤列車で読むのも悪いのだろうけど,やっぱり結論を覚える形でしか残っていない自分が悲しい。じっくり,何回か読み直すと良い本なんだろうと思う。
0投稿日: 2013.04.10
powered by ブクログ第一線の科学者であり、優れた教育者でもある著者の授業を受けられるMITの学生は幸せだ。 本書も授業内容を髣髴とさせるもので、トピック、内容、語り口それぞれとても魅力的。 高校生以上向きのこの手の本としては、一押しだろう。
0投稿日: 2013.04.05
powered by ブクログMITの物理学科教授の講義本です。世界で一番熱い授業をする教授で、OCWで授業が無料で配布されだして一躍有名になった方です。 憧れに憧れる 物理に憧れている人が教えることで、生徒も憧れを持つ。 あんな楽しそうに物理を語ってみたい こんなに楽しそうに語る物理を勉強してみたい 生徒がこう思えるようになるきっかけを与えられるのが、教育者の役目と責務だなーと実感 下記のURLの動画を見たら、熱い授業の様子が分かる。終盤の45分~が注目。 単振り子の周期がその物体の質量によらないことを体をはって実演しています。 http://ocw.mit.edu/courses/physics/8-01-physics-i-classical-mechanics-fall-1999/video-lectures/lecture-10/ 物理学や数学の学問をする醍醐味を伝えて行けるか。。 第一線で活躍したわけではないので難しいが、物理や数学への興味を引き出させる授業や話は提供できるのだろう こうやって本読んでるのも、そうするための手段の一つだが、速く知識を身に付けねば。 教育って、自分の余暇を削ってでも、生徒に何か憧れを持たせたいって思えるので、やりがいはありますね。 でも、憧れ持たせる前に、点数を上げることが先ですが☆ この本、教養課程での授業なので物理学専攻していなくてもいけます。 ニュートンの力学からはじまって、マクスウェルの電磁気学、そして、宇宙関連の話へ。 昔から今までの物理学の実績や歴史など目からうろこです。 でも、こん本と実際の講義を少しみて思いましたが、 MITの大学生よりも日本の大学生の方が絶対知識量が多いって思いました。 大学1回、2回の段階だけど。
0投稿日: 2013.04.01
powered by ブクログ実践することにより物理学の理解が深まり、学生により興味を持ってもらおうとする姿勢に感服します。しかもiTunesUで公開されているルーウィン教授の授業動画を観ると楽しさが倍増します。 この本は電子書籍にもなっているんですね。電子書籍の方では、文中に紹介されている動画のURLにダイレクトに飛べたりするんでしょうか? 願わくば、電子書籍の特性を活かして、動画を埋め込んであって欲しいと思います。 教育における動画の活用(e-learning)は現場ではかなり進んでいますので、権利等の問題で書籍のマルチメディア化が遅れているとすると残念です。 「百聞は一見にしかず」さらに言うならば「百見は一体験にしかず」かも知れません。これば物理学の教育に限らず、歴史、地理などにも当てはまる事だと思います。 本書は物理学をモチーフにしていますが、教育のあり方がテーマである側面も持っていると思います。
0投稿日: 2013.03.04
powered by ブクログ物理を知ってしまうと世界ががらりと違って見える。その楽しさを存分に伝えてくれる快著。 青空や夕焼けはなぜあのような色なのか?虹ができる仕組みは?といった身近な物理のほかに,力学,電磁気学,量子論といった物理の基本も楽しく紹介。自身の専門のX線天文学のあゆみについても語ってくれる。気球やX線観測衛星による研究ネタは一見あまり一般受けしなさそうだが,まったくそんなことはなく,実に興味深かった。 冒頭の自伝部分も読ませる。ナチス支配下のオランダでの生活,強制収容所での祖父母の死,フォン・ブラウンの活躍に対する複雑な心境,映画『ライフ・イズ・ビューティフル』への反感…。教授の人生が詰まった一冊。
0投稿日: 2013.02.25
powered by ブクログ話題になるだけあって、面白くサクサク読めるところが良い。「ロウソクの科学」の現代物理版、といったところか。
0投稿日: 2013.02.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
インターネットに配信されるMITの物理講義でも有名になっているMITルーウィン教授が物理学について重力、電磁気力からX線天文学までを解説する。 ポイントは理論を教えるのではなく、物理の目的やそれが意味する面白さを実際の現象や教室での身体をはった実験で教えてくれることです。 ある意味でんじろう先生の授業に通じるものがあります。 残念だったのは文字で説明するのが主体で、図が少なく説明についていけないところが多々あったこと。この本にもっと言葉で説明していることを丁寧に図示してくれると言うことないのですが、そこが玉に瑕でした。
0投稿日: 2013.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マサチューセッツ工科大の教授であるウォルター・ルーウィンの一般向けに書かれた物理の解説本です。本書での強烈な言葉が物理がわかれば世界の見え方が変るという著者の主張です。 僕にとって印象的なのは、第5講の虹に関する部分です。虹の発生するメカニズムを知れば、虹が出そうな気象条件のときに水平方向のどの方向に、垂直方向のどの角度を探せばよいかがわかります。キーワードは42度。さらに、不思議な虹、たとえば二重の虹(色のグラデーションが反対になる!)や飛行機から見られる丸い虹、白い虹が紹介されてそのメカニズムを理解することができます。 このように、この本の特徴は、身近なところから攻めるというところです。一般書によくあるように、数式はほとんどでてきません。 ただ、内容はちょっとむずかしい。それは、高校の時に物理で赤点スレスレの点数をとったことのある僕だからかもしれませんが、正直なところ、もう少し図解があればよかったかなと思います。 ちなみに、この先生の授業はネットで公開されていて、簡単に見ることができます。もちろん英語ですけどね。授業の雰囲気を感じるだけでもいいかもしれませんね。
0投稿日: 2013.02.10
powered by ブクログMIT(マサチューセッツ工科大学)教授が自分の物理学の講義をベースにした書籍。そもそもMITがインターネットで公開している講義の様子が話題になり、iTunesでもiTunesUという学術系のポッドキャストで無料配信されている。NHKでも「MIT白熱教室」としてその講義が放送されている。 氏はX線天文学の研究者として優れた功績を残した後、MITで学生に物理学を教えている。彼の講義のユニークさは、古典的な物理学の基本=「実証可能である」という事を身をもって示すことだ。振り子が振れる時間は振り子の振り幅や、振り子の錘の重さに関係なく一定である、ということであれば、彼は教室に巨大な振り子を用意し、鉄の玉の錘を揺らしても、自分自身がその振り子にぶら下がっても、振幅に要する時間は同じであることを学生に測定させる。 そうやって身近な問題から物理学の基礎を教える。 よく物理学の話の中に「美しさ」が出てくる。それは、混沌としたこの世界の背後に、シンプルな式で表せる法則が隠れているからだ。 しかし、氏は必ずしもそれは最初から「美」として認識されていたわけではないという。 印象派の画家達の描く絵は、発表された時には受け入れられなかった。新しい視点とは、最初は奇妙で、時には醜く見えてしまうこともあるのだ。 ニュートンの古典的物理学の常識を破った相対性理論を生んだアインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言ったが、不確定性原理はそれが間違いであることを示している。彼には不確定性は美しく思えなかったのだろう。 しかし、「美しい」と感じる事はできなかったとしても、新しい物の見方を知ってしまったら、もう元に戻ることはできない。物理学とは、この世界の事象の見方を提示するものなのだ。
0投稿日: 2013.02.03
powered by ブクログでんじろう先生と似て非なるように見えるのは、下を見てるか真っ直ぐ見てるかの視線の違いか。 講義の対象、本人の資質、いずれもこちらの方が恵まれているので致し方ないか。 自伝部分は好き嫌いがあるだろう。 たくさんのリンク、楽しみ。
0投稿日: 2013.02.03
powered by ブクログ講座紹介 物理学を学ぶことの特権 物理学は測定できなければならない 息を呑むほどに美しいニュートンの法則 人間はどこまで深く潜ることができるか 虹の彼方にー光の不思議を探る ビッグバンはどんな音がしたのか 電気の奇跡 磁力のミステリー エネルギー保存の法則 まったく新しい天文学の誕生 気球で宇宙からのX線をとらえる 中性子星からブラックホールへ 天空の舞踏 謎のX線爆発 世界が違って見えてくる
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ高校の時の物理の先生が良くって物理が好きになりました。教師によって人生って変わるんだな。 そんな先生に恵まれなかった人も、この本を読むと物理が好きになるかも。高校生ぐらいで本書に出会えたら幸せだろうな。
0投稿日: 2013.01.25
powered by ブクログ目の前のボールの転がりから虹まで、素粒子から宇宙の大構造まで。この世はいかにしてかくあるのか。それをこたえるのが物理学で、その美しさを遺憾なく伝えてくれる良書でした。最後の2ページが感動的。授業の最後に、マクスウェルの4つの方程式を伝える授業をするのだとか。でも、それは忘れて構わない。確実に世界を見る目が変わっているからと。感動せざるを得ない!
0投稿日: 2012.12.30
powered by ブクログとても面白かった! 以前から興味があった宇宙と物理学が密接に関わっていることにワクワクしながら、誰にとっても平等に存在している様々な事象を物理学のメガネで覗くような作業で、ほんとに面白かった。 実際の講義は体験型で、ネットでその様子をみることができる。 擬似体験することで、自分自身も理解が深まるし、MITの授業が受けられるなんて、すごい世の中になったものだ! 文系で理数感覚がない私でも楽しめた。 もちろん、理解できないところが多いので、理解を深めてからまた読み返したいな。
0投稿日: 2012.12.10
powered by ブクログ著者はMITの名物物理学教授ウォルター・ルーウィン。物理学を学ぶ楽しさを学生に伝えたいという著者の情熱は字面からひしひしと伝わってくるが、手に取ったタイミングが悪かったのか、本書の魅力をじっくり味わうことができなかった。私に科学的素養がなさすぎて、魅力を汲み尽くせないのが問題なのだろう。 記憶に残ったトリビアを一点。 人間は立っているときより寝ているときの方が背が高い。教室で185.2cmの学生を使って測定したら、2.5cm(測定誤差を勘案すると2.3cm)の差があった。寝ている間にジワジワ伸びるとか、起きて活動する一日のうちにジワジワ縮むというのならまだしも、即座に伸びる値としてはけっこう大きいなあと思った。宇宙飛行士の身長は宇宙空間で平均3%伸びるので、あらかじめそれを見越したサイズの宇宙服を着用するそうな。初期の宇宙飛行では窮屈になって困ったらしい。 立っているときと寝ているときの身長差から、軟骨の厚さや関節の柔らかさなんかが推定できるかもしれない、と愚考した。運動パフォーマンスや健康寿命に関する有益な知見が得られるかも。
0投稿日: 2012.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物理を修めている人が私とはまったく違う視点で世の中を眺めているというのを強く思い知らされる1冊だった。学問の意義というのは、物理学に限らず、自分の知識が広がることで世界の見方が変わる・世界が広がるというところにあるのだと思う。ただ、物理学は、様々な領域の中でも特にそれを強く感じさせてくれるものなのだろう。なにせこの世の理を研究するものだから。どーしてまじめに勉強しておかなかったかなーと読んでいて後悔しどおしだった。
1投稿日: 2012.11.25
powered by ブクログ流石に大学講義なんで講師と受講者の間には「知的前提」がある。 したがって当方のような好奇心だけの人間には何か面白そうな講義をやっているとは思うものの、結構難しい内容。 一番印象的だったのは物理の話ではなくホロコーストの話だというのは私自身の能力がお粗末ゆえだが、個人的に『ライフ・イズ・ビューティフル』はあまり評価していなかったので、余計に気になってしまった。 しかしこのエピソードは、阪神淡路、東日本の震災を経験した人間にとっては、改めて当事者意識とは何か?と考えさせてくれる。
0投稿日: 2012.11.01
powered by ブクログ書店で何気なく「物理学」のタイトルを見ただけで購入したものであるが、手にとって見ると予想外に面白く読めた本だ。 それもそのはず本書の著者はかの有名なMITの教授でその奇抜かつ体を張った実験を織り交ぜた物理学授業は大人気で、YouTubeでも公開されて世界中の学生を始めとする多くの人々に大人気だというのだが、内容を読んでみてよく判る。虹がどうして見えるのか、雷雨の後の清浄な空気感は実はオゾンが生成されるからという説明や、ストローで何処まで高くジュースを吸い上げられるのか、寝ていると身長は本当に伸びるのかなどなど楽しくまた身近な物理学の問題を取り上げている。こんな授業であれば俺も高校時代にもう少しばかり物理に興味をもっただろうとも思うし、赤点も取らなかったはずだ! 本書では実験風景を見るためのURLが紹介されているが本を読みながらなので実際には見るチャンスは無いのだが、内容から察するにテレビでも人気を博している米村でんじろう先生の高級版のような実験とも言える。違いはその実験の背後にある物理学の理論、数式も含めて説明するかどうかだろうけどまあ相手がMITの頭脳だから当然それなくしては生徒も納得はしないであろう。 だが個人的に一番興味を覚えた部分は本書の冒頭にある教授の幼い頃のナチスの記憶のところと、専門である電波天文学の黎明期のエピソードだ。後者は電波観測衛星も無い時代に高度4万メートルを超える高さまで気球を揚げるに際しての苦労話などは天文学の発展に大いに寄与した割りに手造り感満載で非常に身近に感じられるところだ。
0投稿日: 2012.10.29
powered by ブクログ仮に物理学が、一人の女性であったとしよう。家柄も良く、顔立ちも整ったあの娘は、何度声を掛けようとも、決してこちらを振り向いてはくれなかった。そんな彼女が一人の老教授の前では、見たこともないような艶やかな表情を見せるのだ。 MITの物理学者ウォルター・ルーウィン。彼の講義は、まるでロックスターのように教壇上をところ狭しと駆け回り、大教室をまるでサーカスのような興奮のるつぼと化してしまう。決め台詞は「その目で見ただろう?これが物理学だ!」。 その熱狂は、学内のみに留まるわけもなかった。MITのOCW(オープンコースウェア)プロジェクトが彼の講義ビデオをウェブ上に公開すると、またたく間にこの授業は世界中に知れ渡ることとなる。大量のアクセスとともに「Webスター」の称号も手に入れた、あの名物教授の講義がついに書籍化された。 その人気の秘密は、教室を一瞬で非日常空間へと変えてしまう、大規模なデモンストレーションにある。5メートルの椅子のてっぺんに腰掛け、床に置いたビーカーのクランベリージュースを、試験管で作った長いストローで吸い上げる。あるいは、大怪我の危険を冒して、小さいながら破壊力のある解体用鉄球の軌道上に自分の頭を置き、顎の手前数ミリの地点まで鉄球を振り動かしてみせる。その一つ一つが、とにかくスベらない。 肉眼で見えるものだけが世界ではないし、直観で認識できるものだけが正しいわけでもない。一見静止しているように見える物体も、その内部では壮絶な力の戦いが繰り広げられているのだ。ルーウィン教授のデモンストレーションは、それら不可視なものを可視化する「補助線の芸」だと思う。 一方で見逃して欲しくないのは、インパクトのあるデモンストレーションに至るまでのプロセスだ。バイオリンの音色について語り出しかと思えば、共鳴板の原理へと話は及び、いつの間にか「ひも理論」の説明に移り変わる。そんなプロセスを経ての、デモンストレーションなのだ。 「わたしは受講生たちを、彼ら自身の世界へ導くんだよ。彼らが日々生活し、なじんでいる世界にね。」それが教授の口癖だ。話はいつも身の回りのことから始まり、シームレスに専門的な話題へと分け入っていく。その理の連なり。物理学というものが、記憶するだけのものではなく、計算するだけのものでもなく、視点の獲得であるということを教えてくれるのだ。 そして爆笑の中には、息を呑むほどの美しさも潜んでいる。虹の美しさと儚さ、ブラックホールの存在について、惑星がそれぞれ独自の動きを示す理由、星が爆発するとき何が起こっているのか、宇宙はどんな要素から成り、いつ始まったのか、フルートが音楽を奏でる仕組み。これらがまるでアートを語るかのように説明され、自然現象に対する審美眼も養われていく。 教授の授業を熱気もそのままに見てみたいというだけであれば、ウェブ上に大量に転がっている映像を見ることによって代替が可能なのかもしれない。だが本書を読むことは、これに加えて授業を舞台袖から眺めるような視点も提供してくれる。 講義の説明で度々登場する、教授の祖母。彼女は1942年11月19日、ナチスの手によってアウシュビッツで殺された。祖母のみならず身内の半数を毒ガス殺された悲劇を、ルーウィン教授はいまだに消化できないのだという。そんな悲しい過去に端を発する人生観、空っぽの教室で何度となく繰り返される講義の準備模様、ほとばしる物理学への情熱と愛情。 そんな授業の裏側を知ってしまったのが運の尽き。まるで身内のような心境で教授のデモンストレーションを見守り、思わず「上手い!」と呟いたり、学生の反応が妙に気になったり…… また余談だが、ルーウィン教授は、板書術の達人でもあるそうだ。とりわけ、点線を引くのが抜群にうまい。学生の手によって投稿された以下の動画からも、ルーウィン教授の愛されようを伺い知ることができる。 体系的にものごとを学ぶ時、その初期段階には苦痛がつきものだ。そこを面白く伝えられることの価値は測りしない。第9講までに解説されるのは「測定」、「ニュートンの法則」、「気圧・水圧」、「虹」、「音」、「電気・磁気」、「エネルギー保存の法則」まで。そしてこれらのパーツが、轟音を上げながら一つの世界観として構築されていくのが、第10講以降。 ここから登場するのは、X線天文学におけるパイオニアとしてのルーウィン教授だ。その研究生活は、そのまま学問の歴史と重なり合うほどでもある。この宇宙の神秘に迫る奥深い学問を、それまでに獲得した基本知識を中心に説明してのける。あれだけ手間暇をかけた数々のデモンストレーションも、この深遠なる世界へ誘うための前フリに過ぎなかったのだ。 人類は長らく、光によって宇宙をとらえようとしていた。これを光以外の波で宇宙をとらえようと試みたのが、1960年代に生まれたX線天文学という分野だ。超高感度でX線を測定できる機器を構築し、巨大できわめて精巧な気球を大気圏の上限ぎりぎりまで打ち上げ、放射性原子や天文事象を観察するのである。 この分野で為された数々の発見は、超新星の大規模な爆発における星の死の本質を理解することや、ブラックホールが実在することを立証するうえで、貴重な補足材料となったのだという。 X線天文学などという分野の存在を初めて知ったのだが、そのきっかけが本書であったことを幸運に思う。あれだけスベらない授業をする人が面白いと言うのなら、絶対に面白いはずだと確信をもって読み進められるのだ。 このX線天文学において要をなすのが中性子星という存在だ。一定の質量以上の恒星は、やがて重力の重みに耐えきれなくなって崩壊、爆発する。そのプロセスは、水素原子核の融合に始まり、最終的に鉄のコアが形成されるに至る。やがてはその鉄のコアも爆発してしまうわけなのだが、それら一連のサイクルが高速に早回した映像を眺めるかのように説明されていく。 とにかく、喋りも文章もリズムが良い。緩急を織り交ぜながら厖大なものと微小なものを語り、疾走感を持って目的の世界まで連れて行ってくれる。一気呵成に飛び込んでくる新しい景色。待ち受けているのは、「わかった!」という歓喜の瞬間だ。 そんなルーウィン教授の研究においてピークを迎えるのが、X線の奇妙な爆発の連続 ー 「X線バースト」発見の時である。この発見の道中においては、興味深いエピソードも披露されている。ひときわ奇妙な動きをするバーストを発見し、その発表を行う直前、国家安全保障上の理由から発表の差し止めを要請されることになるのだ。はたして、ことの真相はどのようなものだったのか。 本書の背景には、無償でWeb上に授業を公開するオープン・エデュケーションというムーブメントがある。MITでは2001年からこの類のプロジェクトが始まっているのだが、このような恩恵に若くしてあずかれる人達を、本当に羨ましく思う。だが得てして、その価値に気づくのは大人になってからという人も多いだろう。学問の神様は、本当に罪作りだ。 読了後、窓の外に視線を送ってみる。そこには見慣れた景色の、見たこともない表情が待ち受けていた。空は青く、雲は白く、世界は美しい。そして僕は、大きくなったら絶対に物理学者になるぞと、心に固く誓ったのだ。いや、それは無理、無理……
0投稿日: 2012.10.21
powered by ブクログ内容的にはあまり物理を学んだことの無い人向けに物理の面白さを伝えようといったものです。 本書のところどころに載っているurlを辿って実験の動画などを見てみるのは楽しいと思います。 最後の3章ぐらいは著者の専門分野についての話でより深い内容となってますが、本書の目的とは乖離してしまっているのではないかでしょうか。 それと、自分の授業は面白いやろーっていうエゴが強すぎて少し読んでいてイライラしましたw 活字で読むよりもYouTubeなどに転がっている著者の授業の動画を見る方が遥かに有益だと思います。わざわざ本として出版する意味があるのか甚だ疑問ですね。 とはいえ、それなりに面白い内容を難しい数式などは一切使わずにわかりやすく書いてあるとは思いますが。 このような授業を許容するMITは流石だなと思います。 尋常じゃない大電流や解体用の鉄球、はてにはライフルまでぶっ放す授業ですよ!? 日本の大学ではまずありえないでしょうw こんな一般教養の授業があったら絶対受講するのになー。 マイケル・サンデルのもそうですが、この手のものは映像の方がインパクトもあるし楽しいと思います。
0投稿日: 2012.10.18
