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ユービック
ユービック
フィリップ・K・ディック、浅倉久志/早川書房
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総合評価

79件)
4.1
24
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11
2
1
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    生と死の中間である半生命という概念や、超能力集団とそれを無効化できる集団との戦いで、序盤から展開に期待するのも束の間、登場人物たちに何が起こっているのかを考えさせる展開は少し退屈感が。

    6
    投稿日: 2025.10.13
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    読みやすく、エンタメ性が高く、面白かった。 謎が謎を呼ぶミステリーチックな構成と、SF的な設定の半生者やテレパス、時間遡行、ユービックの要素が根底にあり、死ぬことについてのディックの思想が感じられた。 最後までハラハラさせられて良かった。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時間の巻き戻りなどの描画が主人公目線で描かれており、ドラえもんのような分かりやすい時間移動でもなかったので、現状を理解しつつ読み進めるので手一杯だった。ギリギリあらすじを理解できたが、読んでいて理解が追いつかなかった箇所がいくつかあるので、考えつつ再読しようと思う。個人的には面白かったが、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を読んでいなければ、本から離脱していたかもなとも思った。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    現実か幻想か?生きてるのか死んでるのか??どっちでもなくて、どっちでもある状態を行ったり来たりする感覚がめちゃくちゃ面白かった! 結局、ユービックってなんやねん!とか色々と余韻が残る作品。

    0
    投稿日: 2025.04.18
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    久しぶりのSFでした。難解な長編で、3分の2くらいまでは、さっぱり分からない展開でした。ジョーチップが、爆発で半生者になり、UBIKというなんというか退行現象を止めるもの(スプレー)をなんとか手にいれる。敵と味方とに分かれて戦うが、チップにも判断できず、最後の方でようやく分かるのです。理解するのに精一杯でした。今でもよくわからないとこ多いです。 また、超能力の描き方は、漫画のJOJOにも似ている部分もあるのではとおもいましたが、どうでしょう。場面の移り変わりは映画マトリックスにも似ているかもと思いました。 読み直したいが、再度読んで理解できるのかななんて思った次第です。

    6
    投稿日: 2025.04.06
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    ディック作品を読破したいので読了。 『ザップ・ガン』と違って「ユービック」がちゃんと物語のキーアイテムとなっていて、ユービックとはなんなのかというものを探りながら作品を読むことが出来るのでタイトルが作中に生きていて面白かった。自分が生きている世界に何が起こっているのか、何が現実で何が幻かを探ることを主人公とともに出来るのはディック作品の魅力の一つでありそれがこの作品では存分に味わうことが出来た。 ただ、終わらせ方はディック作品の悪い癖が出ていたように感じる。(ほん怖のようなゾッとさせるそうなオチをしたかったのだろうが結果的に煮え切らない終わり方になっていると個人的には思う) 他の人の感想を読んで「結局『ユービック』とはなんだったのか?」という意見が多くあったことが少し気になった。確かに作中で何が起源で誰が発明し作中のようなキーアイテムになったのかといった細かい解説はされておらず、クラムボンのような不思議さを持っているアイテムではある。しかし、作中の演出や進行において特別邪魔になったり違和感がでるほど情報開示がされていないわけではなく「ほどよく考察の余地が残されている」ものであるためそこにばかり固執する必要はなくあくまでエンドコンテンツくらいに捉えるのが良いのかなと個人的には思う。

    1
    投稿日: 2025.04.04
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    割とマニアックでよくよく読んでも構造が今一つ理解できない、ホンマ物のSF。 同じ作者の「アンドロイドは電気羊の夢をみるか(ブレードランナーの原作)」のほうが有名なのはよくわかる。「アンドロイド」のほうが人間がよく書けているし、構成が理解しやすい。

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    文庫本の奥付は1992年の11刷だから、ディックを読み漁っていたのはもう30年以上前。そして、この作品が書かれたのは55年前。見えている世界が、現実なのか虚構なのか、自分は何かに操られてるだけなんじゃないか、なんて見方は、現実の世間では役には立たないけど、確実に自分の人生に影響を及ぼしているなあと思う。 そういえば、飲み会なんかで、同じ趣味や映画や音楽は話題になるけど、「いやあ、あなたもディック好きなんですか!」とか「バラード、いいですよね」なんて会話にはまずならない。SFってマイナーなんかな…

    0
    投稿日: 2025.02.23
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    一見するとSFスリラーとして始まるが、読み進めるうちに存在と非存在、生と死、現実と幻想の境界を揺るがす形而上学的な物語へと変貌。 物語は、未来の2092年、「反能力者」を雇って超能力者の監視や対策を行う組織で働くジョー・チップを主人公に展開。 彼のボスであるグレン・ランシターが爆破事件で死亡したことをきっかけに、現実が徐々に崩壊していく——あるいは、別の現実に置き換わっていく——という異様な事態が始まる。 特筆すべきは、この「現実の崩壊」の描写方法。 世界は単に狂っていくのではなく、過去の時代、特に1939年へと「退行」していく。 最新の電化製品が古い型のものに変わり、新しいコインが使えなくなり、タバコの銘柄が消えていく。 そしてこの「時間の腐敗」とも呼ぶべき現象に抗う唯一の手段として、謎の商品「ユービック」が登場。 ディックは読者を完全な認識論的混乱に導く。 本当に時間が逆行しているのか、それとも登場人物たちの認識が歪んでいるのか。彼らは本当に生きているのか、それとも「半生」という中間的な状態にあるのか。「ユービック」とは何なのか。 答えは示唆されても、決して確定されることはない。 重要なのは、この不確実性が単なる物語上の仕掛けではないということ。 それは人間の「実在」という概念自体への深い懐疑を表現している。 現実が複数存在する可能性、意識と物質の関係、時間の本質——これらの哲学的テーマが、スリリングな物語展開の中に織り込まれている。 『ユービック』の真髄は、その商品名が示唆する「遍在性(ユビキタス)」にあるのかもしれない。 物語の終盤で明らかになる「ユービック」の正体は、存在そのものを維持するための物質であり、同時に神的な存在を示唆するものでもある。 それは「実在」を保証する最後の砦であると同時に、その「実在」すら疑わしいものとして提示される。

    0
    投稿日: 2024.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ランシターvsホリスの対立で展開していくのかと思いきや、全く違う視点の戦いだった。ストーリーの展開が真面目にワクワクさせてくれると同時に読者をおちょくった書き口やチップのヘタレ具合がギャップとしてよかった。 この世界観や設定での別のエピソードを読みたいぐらい他のことが気になる、半生者の世界がメインの話だったが現実側ももっと知りたい。マトリックスやインセプションを連想させる感じ。

    0
    投稿日: 2024.08.26
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    「ユービックって何!?!?!?」 読む前も読んでる時も読んだ後も、この問いが頭から離れない、そんな本だった。結局ユービックってなんですか?

    3
    投稿日: 2024.07.20
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    この青く煌めく表紙のユービックを手に取ったそこのあなた!素晴らしいSF体験が待っていること間違いなし!用量、用法はお守りください

    1
    投稿日: 2024.07.20
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    フィリップ・K・ディックで一番人気とも言われる本作。まだ全作品を読んでませんが、自分も読んだディック作品の中ではNo.1だと思いました。 あらすじ 1992年、企業が超能力者を雇う一方、その勢力に対抗する不活性者(超能力を無効化する者)を派遣する会社が存在する時代。主人公は、反エスパー派遣会社「ランシター合作会社」の主任測定技師のジョー(ジョーゼフ)・チップ。彼は、社長のグレン・ランシターから、ある企業の月面支社が大規模なエスパー潜入の疑いがあるとの依頼を聞き、社長と選りすぐりの不活性者11人と共に月面に向かいます…とこれ以上書くとネタバレになってしまいますね。 『偶然世界』にも出てきた、人の心を読む”覗き屋(ティープ)”などの超能力者たち。それらに対するアンチテレパスなどの不活性者や、時を逆行して過去を変えれる能力を持った謎の女性。死後まもない冷凍した人体と会話ができる”半生者”。ドアを開けて外出するだけで金がいる世界観などなど…道具立てもさることながら、ストーリーも起伏のあるミステリ仕立てで、とてもワクワクドキドキして面白かったです。 ちなみに、ディックの存命中は、あまり売れていなくて、お金に苦労していたせいか、主人公の名前はチップ。電気羊が『ブレードランナー』として映画が完成したのは、著者の死後ですからね。お金のかかるドアと、時間遡行したときのドアの話しのありように苦笑い。ほんとにお金に困っていたんだなと同情もしました。 ところで、ディックは、人によって合う合わないが激しい作家だと思いますが、シュレーディンガーの猫や量子論、あるいはスピリチュアル系なんかに興味がある人には会うと思います。例えば、映画の『マトリックス』を見て、あーそういう世界、アリかもしれないよね〜と思える人とかね。そういう人には、特におすすめです。 正誤 24刷 P233の16-17行目 “オーディオラ”ラジオに視線を移した。 ↓ “オーディオ”ラジオに視線を移した。

    24
    投稿日: 2024.07.16
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    【読書日】: (未読) ◆Wikipedia / フィリップ・K・ディック(1928~1982年) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BBK%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF ・1490~1510年 …ヒエロニムス・ボス『快楽の園』 ・1969年     …フィリップ・K・ディック『ユービック』  1985年     …  〃  『ユービック: スクリーンプレイ』 ・1989年~   …三浦健太郎『ベルセルク』 ・2016年~   …TV放送  〃 cf. 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『ブレードランナー』 【公開日】: (米)1982年6月、(日)1982年7月 cf. フィリップ・K・ディック『トータル・リコール』 【公開日】: (米)1990年6月、(日)1990年12月 / シュワルツェネッガー版       (米)(日)2012年8月 / コリン・ファレル版 【読書日】: (未読) 、【視聴日】: 2025年6月 / シュワルツェネッガー版 cf. 『マイノリティ・リポート』 【公開日】: (米)2002年6月、(日)2002年12月 【読書日】: 、【視聴日】: cf. Zedd, Katy Perry "365" https://www.youtube.com/watch?v=YrbgUtCfnC0

    0
    投稿日: 2024.06.26
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    凄まじい… 文字の羅列だけ見れば、スラスラと入ってくる類いの文章ではないのに あっという間にディックの世界に惹き込まれて、引き返せなくなる。 一気に読み終えてしまった… 生涯のベスト5に入るんじゃないかくらい衝撃的。 ありがとう!!!(誰)

    4
    投稿日: 2024.04.25
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    バーナード嬢曰く、に書いてある通り、裏表紙のあらすじはネタバレなので、読んではいけない。 辻褄やストーリーの整合性はわからない部分はあったが、この世界観を文章で描けるのは凄い。作者のイメージを見てみたい。 予知能力者を無力化する不活性者という存在は自分にとって新しいものだったので、それだけで面白く読めた。

    0
    投稿日: 2024.04.06
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    一回読んだだけでは全くついていけない,時間が可逆的になった世界のディストピア的物語.時間と直結する生という概念が曖昧模糊となる.早々に朽ちる肉体を再活性化するユービックは,あたかも魂を人為的に追加するかのような効能を持つ.結局知的生命体が生命を制御できるようになっても,救いのある未来にはならない.

    1
    投稿日: 2024.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    無茶苦茶面白い。この作品も多大な影響を与えたと思われるが、物語の内容通り他が退行していったのに対し、これはまさにユービックを吹き付けたかのように今読んでも普遍的な輝きを放っている。 世界観やテーマ、基本設定は電気羊と通ずる部分があるものの、ベクトルはかなり違う。 構成も電気羊が変則的な印象があったのに対し、こちらは割とストレートなテンポ感で伏線も直線的に回収して行く。とにかくラストに至るまでの全体の流れの構築力は完璧で――たとえ曖昧な部分や未解決の謎を多く残していたとしても――牽引力が弱まることはない。 序盤こそ何がなんだか判らず説明不足だと感じたのだが、背景とキャラが頭に入るまで読み込むと(ここが非常に重要)とたんに映像的に読めてくる。 場面がある→考える→行動する→セリフを言う、この一連の基本的な流れがスムーズなので、勝手に映像的になるのだ。その映像は読んだ人各々違うだろうが、そこが他のコンテンツが絶対に到達できない文章の長所で、それを存分に生かした作りだ。 翻訳でいうのもなんだが、意外とこれができない作品は多く、そのような細かい部分が差に表れてくるのだろう。 導入のエスパーvs不活性者の対決というエンタメ的な構図だけでがぜん興味を魅かれたのだが、この鉄板設定をほとんど捨てたことが凄いし、面白さのピークで更に捻りを入れてくる展開力はやはり稀代の作家だと思わずにいられない。 設定は今読むとテンプレ的な要素で構成されていて、個人的に不活性者が一堂に介したシーンが最初のハイライトだったが、作者はそのようなテンプレを一瞬見せて絶妙なポイントに外す。このズレが異様な面白さを発生させている。音楽でいうグルーヴみたいなものだ。ラストで壮大な場所へ行くのかと思いきや、そこかとか、このタイミングであの人物が来るのかなど――地味な日常感を維持したまま超越的な世界へ連れて行くセンスも良い。階段を登攀するだけでこれほど盛り上げられるのはJGバラードか著者ぐらいしかいないと思われる。 途中から不安定要素が強まっていくが、話を崩すことなく混乱状態(主に精神的な)を分かり易くすっきり伝えている。だから唐突感がなく、人物と同調しながら自然に深刻さが伝搬してくる。ポイントはそのような絶望の最中でもユーモアがあるところで、乗り物がどんどん古くなっていくところなど完全に笑わせに来ている。著者の発言や写真を見るとシリアスな印象を受けるが、おそらく自分が想像したような人物ではないだろう。 電気羊は確信めいたものがあったのだが、内部的なものは、それこそ形而上学的なものは全く分からず隠されているのかすらわからない。しかしストレートなエンタメの裡に確実に何かがあるという予感はある。しかも物語の本筋は困惑せずごく自然に明解に読める。ここが最も素晴らしいと思う部分だ。物語自体はグチャグチャにならずあくまでストレートだ。 あとがきを読んでも、著者は普段から複雑な思考を張り巡らしていると思われる。 簡単な結論を冗長で複雑にする作品は数多い。しかし込み入った感覚的な話をシンプルなエンタメに変換できる人は希少だ。 某作家がアートとエンタメは両立出来ないと書いていたが、この作品は境界線が見えないほど融合していると思う。 例えるなら近寄ると物凄い書き込んでいる精密な絵画などではなく、見た目はシンプルで単純だが内部はどうなっているのか、どうやって作ったのか分からないピラミッドのようなイメージだ。 個人的解釈になるがテーマ的には著者の一般的に考えて悲観的な世界観が出ていると思う。内容も二律背反的であり、何が正しいのか断定できない。エスパーと反エスパー、エスパーは個人を侵害するCIAのような組織にも見えるが、良識機関も名前通りにも皮肉にも見える。不必要な社会制度、無駄な義務への怒りも垣間見える。著者はこの世界は間違いであると思っているのか。 PKディックは我々は死んでいると言っているがどういう意味だろうか? 死んだように生きるとか死んだ方がマシという次元ではないらしい。我々は死んでいるのだ。 実は自分も同じようなことを以前から考えていた(実際は全然外れてるかもしれないが)。人々はそれを誤魔化して生きていると。だから日々情報を更新するために、倦怠を消し去るために消費する。だからユービックは新商品なのだろう。精神の安定剤としての。 一方でユービックは神の偏在だという。そう、神や仏もどこにでもいる。特別な事情がないと気付かないだけだ。そのため肝心のユービックでさえも不確かな消費物になっている。 それでは作中、唯一不変で正しいものはなんだろうか? それが冒頭の森なのだろう。一番最初に重要な回答が書いてある。意図は分からない文章の意味がラストまでの物語全体から鮮明ではなくぼんやりとだが浮き出て現れる。この構築力こそが凄い。 比較的調子がよかった年代のアメリカでこの鋭い視点は異常だ。余計なお世話だが、本作のテーマ性は日本と親和性が高いと思うが、このような作家がなぜ本邦から登場しないのだろう?不思議だ。 読み返したが分からなかった疑問点をいくつか挙げると ・ ルナ爆殺の首謀者 ・ 失踪事件の真相 ・ パットの正体 ・ ホリスやミックは関与していたのか ・ メリポーニはどこへ行ったのか ・ 予知夢の意味 以上などは謎のまま放置したとしか読めなかった。しかし、なんとなく全てを詳細に描いても駄目な気がする。不完全なのに完全。そういう不思議な魅力が本作品にはある。

    2
    投稿日: 2024.01.27
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    ディック2周目の3作目(1作目電気羊、2作目はヴァリス) 初めて読んだ時はディック作品の中でも最初の方に読んだので改めて読むとディックの好きな部分がかなりバランス良く詰め込まれててこれは人気投票1位になるだけある…となった

    0
    投稿日: 2023.07.22
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    ディック2冊目。 アンドロイドより面白い。 amzonのレビューにジョジョっぽいと矢鱈と書いてあるが、確かにジョジョっぽかった。

    1
    投稿日: 2023.07.12
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    こういうSFが読みたかったんだよ!となる作品だった。ディック感覚がたまらない。何が起こっているのかわからないドキドキハラハラ感と、かっこいい描写、人物たちの緻密な心理の変化など、様々な要素が絡み合い、ストーリーもメッセージ性も抜群の作品となっていた。

    1
    投稿日: 2023.03.04
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    現実が何か分からなくなる作品で、 ディックらしさが出ている。 ユービックというスプレーが出てくるのだが、 ユービックの効果がなんなのか分からない、 敵も味方もわからない。 でも面白い。 途中で出てくるCMの宣伝が、 ユービックの謎を増やし、 読んでいる者を混乱させる。

    1
    投稿日: 2021.06.07
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    私はユービックと呼ばれるが、それは私の名ではない。私は SFの大家、ディックの作品! だいぶ昔にFKD総選挙とやらで、超有名な『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を抑えて堂々の一位だったので買って積んでました。 ディック作品は『アンドロイドは〜』と『流れよ我が涙〜』しか知らなかったので、『ユービック』とは?! と思って積んでました(笑) 読み始めたら1日で読了! SFであり、これはサスペンス。 入れ子構造なのか? たくさんの方の考察を読んでみたいです。

    0
    投稿日: 2021.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〇読書体験: ミステリーなどでは「信頼できない語り手」という手法があるが、本作の場合、全知全能であるはずの作者が三人称で語っているので、そこに意図的な嘘は混ざらないと考えて読み進めると、まず、いよいよ冒険が始まるという段になって、思っいきり読者を裏切る。そのうえで視点人物(ジョー・チップ)の知覚する物事が正常ではなくなっていき、梯子をどんどん外される気分にされる。この感覚は、デイヴィッド・リンチの映画(『ロスト・ハイウェイ』とか)を見ているときの感覚に近い、戸惑いだ。読者は、とにかく出されたものを食べるしかない。料理人が真面目なのかふざけているのか、正気なのか少々狂っているのか、知る由もない。登場人物の衣装がいちいちエキセントリックだとかいう辺り、「あんまり生真面目に受け止めるなよ」というメッセージのようにも読める。一方で、読者にあれこれ推理させる余地もしっかり残すという冷静な配慮も感じられる。名作とは言いにくいけれど、「傑作」という言葉がぴったり似あう作品だ。 〇創作上の技: この作品は17章ある各章のあたまにエピグラフが付いていて、16章までは全部ユービックという商品・サービスの宣伝文になっている。ユービックは特定の商品名ではなく、購入することで生活を改善できる商品全般の代名詞みたいなものらしい。そして、それはつまり、アレのことだと、最終章のエピグラフでわかる。エピグラフって、作品の一部ではあるが、作品内世界の外部にあるテキストだ。このエピグラフの特性をこんなにうまく利用した例を寡聞にして他に知らない。アメリカチックな宣伝文が面白い。 〇登場人物: ジョー・チップ:視点人物は複数いるが、メインはこの男。彼はイナーシャル(不活性者)の能力を測定する技師で、良識組織ランシター・アソシエイツのナンバー2ということになっている。技師がナンバー2の会社って珍しいと思う。おそらく、変人ぞろいのイナーシャルたちを除けば、会社には、社長のグレン・ランシターと、所謂”一般職の婦人”(60年代の作品なので)と、彼しかいないのだろう。金欠で、冷蔵庫のドアの開け閉めにすら困っている(コインを入れないと開けられない)という設定が可笑しい。一人暮らしだが、既婚歴があるのか不明だ。もう少し主人公について書き込んでほしかったが、所詮は狂言回し的存在か…… パット・コンリーは、典型的ファム・ファタールとして華やかに登場するのに、その後は振るわない。ジョーが半生者の世界へ行ってから、悪魔的なふるまいを見せるシーンもあるが、所詮は傍観者。彼女の活躍する話が読みたかった(これが最大の裏切り)。 エラ:20歳で半生者となったグレンの妻。彼女の再登場は、アニメ『刻刻』最終話で突然再登場して主人公を救うマリアを連想させた。マリアの唐突感は、12話で終わらせるための大人の事情としか思えなかったが、エラの唐突感は、わざとだろう。エンタメぽさを積極的に装いながら、同時にエンタメのクリシェをおちょくるみたいなところがディックにはある気がする。ネットを検索すると、「半生者の世界で1939年が特別な年になっているのは、エラがグレンと出会った頃だからではないか」といった推察が、大真面目な論文に書かれているのが見つかるが、根拠が薄弱だし、まずありえない。もし、エラがそんなに昔の人なら、死んだときに冷凍保存されることはなかっただろう。 〇終わり方: これについては、別途、拙ブログにながーいのを書いた。 http://lima21.cocolog-nifty.com/ensayo/2021/04/post-07dd8f.html

    2
    投稿日: 2021.05.21
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    フィリップ・K・ディックの最高傑作。個人の感想ではあるが、そういっても怒る人はいないだろう。数年前のSFマガジンPKD読者投票で、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や「高い城の男」などをおさえて1位になったらしい。噂にたがわぬ面白さ、と感動しながら読了した。半生者や超能力者たちの設定だけで面白いのに、二転三転どころではない、予想もつかないサスペンスに終始目が離せない。設定や伏線が投げっぱなしになることもディック作品にはよくあるが、本作では見事に収束させている。ユービックという謎の単語を引っ張っていく感じも上手い。多数の作品が映画化されている作者なので、これは映像化が難しいだろうなぁと思いつつ、今後の可能性を期待してしまう。ま、とりあえずは、【やる夫とやらない夫のユービック】スレを読んでくるお!w

    1
    投稿日: 2021.04.27
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     一息に読み切ってしまうくらいには面白かった。これまで読んできたディックの作品とは違って、結構オチもしっかりついていたし。ホバーカーを筆頭として、ディックらしいガジェットも多く登場する。そういういかにもなアイテムや制度に彩られて、個人的にはやや古臭さを感じるが、昨今のSFでは中々お目にかかれない、「これぞ空想科学小説」と言えるような世界が作り上げられている。着想元が新聞やカセットであるために、現在から想像できる未来と照らせば、ちょっと想像力の限界を感じざるを得ないけど。  作品の根幹となる2つの要素が、物語を追う内に段々と融合していって、最終的にはきっちりと収まったような印象を受ける。大ハマリはしなかったけど、楽しく読めた。  登場するキャラクターが多く、容姿なんかではかなり個性づけされているのが理解できるが、登場以後あんまりそういう個性が強調されることがない。だから、メインキャラ以外は覚えにくい――と、書こうと思ったのだけど。自分でも意外なことに、誰が誰なんだっけ、となることは(冒頭は少しあったけど)あまりなく、名前もしっかりとではないにせよ、読んでいて困らない程度には頭に入っていた気がする。ただ、もう少しそれぞれ活躍させてくれれば良かったのにな、と思う。キャラクター小説ではないから、仕方ないのかも知れないけど。書きながら思ったけど、キャラクターの個性があまり強調されない点が、個人的にディックにそこまでハマり込めない要因なのかも。あとは、ディック自身の常識から飛躍して世界が構築されているだろうがゆえの、特に服装に関しての想像のしにくさとか。  ネタバレ込みの感想については、コメントにて補足予定。

    1
    投稿日: 2020.10.01
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    初版1969年の時代に1992年の未来を描いた作品。超能力者から一般人を護るための不活性者を擁する良識機関が存在し、そして冷凍処理された死者との対話が可能になった未来。超能力者を追って月に行ったランシターやジョー・チップ一行だが、相手の策略にはまってしまう。そこからの描写は、時間が逆行する中でジョーが中心となっての謎解きの様相を示す。題名となった「ユービック」が重要な小道具となっている。この世界観は映画『マトリックス』のような感じだ。

    2
    投稿日: 2020.06.27
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    アフターコロナ。新しい生活様式やら新しい働き方やら。当然のようにindustry 4.0にsociety5.0が声高に叫ばれる。ウイルス拡大において、中国自身の体制の問題も少なからずあるのだけど、何の根拠もない中国陰謀論が跋扈する中で、むしろ資本主義というか、新しい様式によって資本を集中したい一部の企業による陰謀では、とも思ってしまう。 技術の進歩が前面に出てくる時、ディックを読みたくなる。何かが無批判に進行している時、必ず揺り戻しがある。破滅的な結果(例えば3.11による原発の可視化)になることもあれば、問題を巧妙に隠しつつ内実は見るに堪えない状況(今や素人が安易に、何の罪悪感もなく他人のプライバシーをネットに晒せる時代だ)が続いていくこともある。 技術が進むことに対する怖さとか、そこで踏みとどまるきっかけ。ゆっくり歩いていきたい者としては、ディックを読んでほっとしたいのだ。 ディックの描くSFはそれでいて壮大だ。ユービックでもエスパーやらプリコグやら、ワクワクさせる要素を散りばめつつ、何をするにもコインを要求される生活、半生命、各陣営の思惑といった要素も描く。「使用上の注意を守って使えば安全です。」この言葉に尽きる。

    0
    投稿日: 2020.06.21
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    ディック特有の現実と虚構、生と死のような相反するものの境界を崩し、曖昧にされた世界観が展開される。ストーリーは時間退行現象が始まる中で、少しずつ手がかりを見つけていくミステリーのように読みやすい。前半と後半で全く印象が変わるが、それにしてもコイン投入式のドアはめちゃくちゃ不便そうだし、何より主人公のジョーがお金なさすぎてそのへんの描写は面白く読めた。一番最後の章があることによって一気に本書を読んでいる読者自身も物語世界に引きずり込まれるのが終わり方としてベストだと思った。

    3
    投稿日: 2020.04.10
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     ミステリ要素の強いSF。名はついているが個性に乏しい登場人物が複数いたり、有効活用されているとは思えない設定が多く出てきたりとかなり読み辛い。  同著者の小説はこれで3冊目となるが、ちょっと相性がよくなかったかも。

    0
    投稿日: 2019.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ※ネタバレあり! ここ以外でも決して裏表紙のあらすじは読まないように! と、最初に断っておかないといけないぐらい、この裏表紙のあらすじはひどすぎる。要約にもなっておらず、作品を正確に捉えていないばかりか、核心部分(しかも残り100頁を切った部分)にまで踏み込んでネタバレをしている。まさか表紙が変わっても直っていないとは思わなかったが、このネタバレを避けて読むのはもはや様式美だろう。自分の場合は無理だった。と、いうのも自分がこの小説のあらすじを知ったのは巻末の作者の別作品紹介で、そこに堂々とユービックのあらすじ、もといネタバレが書いてあったのだ。田舎だと回避不可でしたねw それはともかくとして、まず驚くのはSFガジェットの豊富さである。消費社会をあざ笑うかのようなコイン投入しないと動かない家電製品全般に、半生者という、死者とコンタクトできる施設など、世界観が魅力的である。テレパスに対抗するための不活性者(イナーシャル)という超能力を中和する存在なども面白い。特にプレコグによるビジネスの未来予知や、相手の申し出の裏をかくためにテレパスに心を読ませるというのは実にSF的な、近未来の情報戦っぽくて笑ってしまった。かと思えば、因果律にまで及び、過去に起こった出来事を書き換えて現実をパラレルワールドの方へスライドしてしまう脅威の能力者の女パットなど、そのイマジナリーの飛躍はとどまる所を知らない。 そんな能力者が月に集結し、爆弾による騙し討ちに遭うわけだが、ここから能力者同士にバトルロイヤルになるかと思えばそうはならず、爆発の影響で訪れた時間退行現象という謎の超現象から逃げ惑うサイコ・サスペンスへとジャンルはガラリと変転する。肉体が対抗してミイラになる様や、珈琲のクリープが腐ったり煙草が風化してボロボロになる描写は中々にゾッとしてしまう。合間に挟まる死んだはずのランシターからのメッセージも相まって、事態は悪夢的な様相へと変貌を遂げる。 そんな現象の果てにたどり着いた真相は意外の一語であり、ここに来てようやく作品のテーマが現実の虚構性とそれらの喪失であるということに読者は気付く。実は死んでいるのはジョー・チップのほうだという真実がその現実の不確かさを暴き、そこから章ごとに注釈として付いていた謎の物質ユービックが時間退行現象の対抗策としてその正体が明らかになる。そして黒幕かと思われたパットではなく、純粋悪だったのは、冒頭でランシターと妻の会話を邪魔していた半生者の子供ジョリーであり、怪物的な少年が姿を表わすことにより、物語は一気にクライマックスへと突入する。随分遠いところを彷徨った本作の物語ではあるが、凄い角度のロングパスで冒頭の話とクライマックスが繋がるさまは見ていて惚れ惚れとする。綿密な計算されたプロットいう印象はあまり受けず、とっ散らかりそうになった話のパーツが、後から意味を帯びて浮かび上がったような、そんな不思議な読後感だった。小説の定石からは逸脱しているが、この作品丸ごとで現実感をあやふやにしているのは純文学的な要素も感じて実に素晴らしい。ユービックとはまさに万能で、神の意匠ではあるのだが、それに反して挟まれた説明はひどく大衆的な万能アイテムに過ぎず、ここにディックの対比表現の上手さや皮肉のセンスが光っている。オチもまたループめいたゾッとするものであり、まさに悪魔的な読後感であった。ネタバレ表記こそ至極残念な本作だが、それを踏まえても名作であることに疑いの余地はない。

    2
    投稿日: 2019.05.29
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    「ブレードランナー」「トータルリコール」 は見たことある。 フィリップ・K・ディック総選挙の一位になったとか帯に書かれている時期に買いました。初PKD 超能力者とそれに対抗する能力者派遣会社が しのぎを削っていて 死者は「半生者」として、連絡を取ることができる装置が存在する未来 ある依頼で月でのミッションに行くも 爆弾の罠にはまり主人公たちも壊滅に追い込まれてしまう…そしてその出来事をきっかけに時間が逆行していく…抵抗する唯一の手段は「ユービック」しかない!!といった具合の話 謎の「ユービック」のテレビコマーシャルのようなセリフが各章の頭で紹介されて不気味です。 現実なのか幻か妄想か?誰が敵か?味方か?何故起きたのか?何のためにか?全く分からないまま進む。 ぐらぐらと揺さぶられる主人公を見ているうちに、本の外側の自分の現実もぐらぐらと揺さぶられる。 フィリップKディック作品のカバーがリニューアルされて、やたらと同じフォーマットに統一されているのが前から気になってましたが、これを読んだことでなんだかだんだん 「薬のパッケージ」の様に見えてきた。 何かに効く薬なのか? それとも非合法なクスリか? 使用上の注意を、守っていただければ 安全です(?)

    0
    投稿日: 2019.03.26
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    あらすじがネタバレと聞いたので一切見ずに読んだが、おおう、なんだこれ、すごい世界だ。と思わず嘆息してしまう。 超能力者、半超能力者という語感から、X-MENのような展開を予想していたら話は凄まじい勢いで違う方向に転がっていく。グイグイ読ませる怪作だった

    2
    投稿日: 2019.03.21
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    『バーナード嬢〜』で、SF好きの神林さんが文庫本の裏表紙の内容紹介でネタバレしている!と怒っていた本。 そっちを絶対に見ないようにして読み、読了してから内容紹介を見る。あーあー確かに!そこまで書いたら台無しだわ、教えてくれてありがとう神林さん。

    1
    投稿日: 2018.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意外にも面白かった ディックってかったるいイメージがあったのだが 表題はIT用語とも共通する フッ素炒り歯磨きとか お金を入れないと開かないドア(冷蔵庫も) ジャンルを絞って読む伝送新聞 二転三転する悪夢的なストーリー

    0
    投稿日: 2018.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〈解釈〉 ユービック=神の遍在。 遍在とは世界の創造主が世界のいたるところに存在していること。 爆発の後のジョーたちはランシタ―の創造した世界にいる。デ・モインという場所、1939年という時間がそのことを証拠づけている。 ランシタ―は"たったひとりぼっち"で努力して世界を創造した。 〈感想〉 タフなジョーが好きです。 時間が退行しても、階段が険しくても、前へ進み続けるところがかっこいい。 今回は上のように解釈したけど、パットの世界への関わり方、最後の17章についてなど再読してまた考えたいです。

    0
    投稿日: 2018.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ユービック」とは「ubiquity(いたるところに存在すること、神の遍在)」を基にした造語(同じ語源の言葉としては、IT用語の「ユビキタス」などがあるよう)。作中では、各章の冒頭に「ユービック」の広告が掲載されており、それが車であり、ビールであり、コーヒーであり、鎮痛剤であり、銀行であり、女性用下着でさえあるという不気味なほど万能の商品として、まずは読者へ紹介されている。 物語は、超能力者を狩る反超能力者(「不活性者」)集団が、陰謀に巻き込まれ、現実か幻想か判断のつき難い世界を彷徨うというもの。細部が書き込まれているのに、全体としては白昼夢のように捉えどころのない、ディック独特の世界が描かれている。何が現実で何が虚構なのか、誰が生者で誰が死者なのか、最後まで緊張感のある展開で読み応えがある。 ディックの短編『宇宙の死者』などに見られる 「半生者」という概念(冷凍保存された死者であり、霊波増幅により意識のみ蘇生が可能な存在。繰り返し蘇生する毎に寿命は尽き、完全な死を迎える)も、物語において重要な位置を占めている。万能の商品として紹介され、終盤ではあまねくところにありながら手に入り難い特効薬として現れる「ユービック」。神の遍在を名に冠したそれ自体に神性はなかったけれど、半生者の世界で善と悪とが対決するという構図には、宗教的なモチーフも感じる。

    1
    投稿日: 2018.08.08
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    ユービックってなんなんだ。 フィリップ・K・ディックの小説は難解だが面白い。訳者あとがきまで読むとやっと少し理解が進む。

    0
    投稿日: 2018.02.14
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    映画として表現しやすいんだなーって感じる。 読み終えた時も、どこか余韻が残る感じ。甘酸っぱいということ。 その感触を僕なりのユービックといいたい。

    0
    投稿日: 2018.01.15
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    この話、すごく回りくどい。悪い意味ではないです。 ユービックという、アイテムとしては微妙な位置づけのものが、一番初めの章からずっと、怪しげな、けど、世に溢れている広告の形で、姿を変えながら登場している。話と絡んでくるのはずっと後で、それは多くの先人たちが力を尽くして作り出した、主人公が生き延びるための力として出てくる。まさに「遍在する神」。 そして、2つの力、っていうのも面白い。人々を食べて創造世界を保とうとするジョリーは、世界を1つのものに統合していく力で、人々を生かそうとし、そして自らも次の生へと向かうエラは、世界を多様化させようとする力。(なのかな?)でも、ユービックはそのどちらの力にも平等に薬であり、毒でもあります。 時間、物、さらに生と死の確実性さえうやむやな世界を舞台に、常に在り続けるもの(私はそれを広義的な意味での希望と解釈するけど)とそれを存在させる言葉の力を信じる試み。主人公たちの物語のようだけど、作家自身の挑戦にも思えました。 しかし、裏表紙の要約はなんなんだ笑。

    0
    投稿日: 2016.12.14
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     あとがきで触れられていた通り、中盤から後半にかけてはA・E・ヴァン・ヴォークトの影響を強く感じた。フィリップ・K・ディックの諸作をすべて読んだわけではないが、彼の本には、世界と自分を繋ぐ感覚の脆さへの表現があり、個人が持つ感覚が他者と本質的には共有できないという孤独がある。と同時に、人間が感じる世界は常に仮構的であり何でも起こりうるし多くの干渉を内外からうけるものだという前提を思わせ、常々揺らぎがある。本作の読後感に清清しさがあったのも恐らくはそこに起因するのだろうと思う。

    0
    投稿日: 2016.10.15
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    エンタメとしてももちろん面白かったし、現実が揺らぐディック的不安も存分に味わえて素敵 自分が衰弱して死の予感に震えながら1階分の階段をどうにかこうにか上るくだりは迫力満点

    1
    投稿日: 2016.05.16
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    「ブレードランナー」の原作である小説を書いた著者の本はちゃんと読んでおきたいなと思い、この本から。世界がありました。また、違うんだろうが、インセプションの発想にもヒントを与えたのかな、とか死者を保存しておくみたいな、かぷせるに入った諸SFのイメージはここからきたのかなと思ったり、読んでよかったと思う一冊でした。

    0
    投稿日: 2015.10.13
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    PKDは4冊目。自分にはスゴイ難しくて、小説ってこんなに脳ミソ引っ掻き回されるものだったっけ?ってなった。SFの舞台設定だけどSFよりもずっと大きな力に支配されてるかんじ。 使用上の注意を守ってくだされば安全です。

    0
    投稿日: 2015.09.26
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    フィリップKディック総選挙,栄えある第一位作品. 反超能力者達が月面で罠にかけられ事故にあう.その直後からおこる時間退行現象.一体何が起こっているのか? 犯人は誰なのか? ユービックとは何か? 伏線を拾いつつラストになだれ込み,謎は解けたかに思えたが,現実はさらにその斜め上をいっていた,というところか.現実の崩壊,自分が自分でない気がする,など,ディックらしさが満載.

    0
    投稿日: 2015.09.10
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    めちゃくちゃおもしろかった! めちゃくちゃおもしろかった!! めちゃくちゃおもしろかった!!! すごいっ。 クライマックスから読後の現在、私の身体状況は「頭がクラクラして目の周りがピクピクして指先が痺れている」。 体の様子はまるで過呼吸の時のようだけど、お腹の底から楽しくて、顔はにやにやしっぱなし。 最高! 私があらすじめいたものを書いて、一体何の意味がある? 「わたしはユービックだ。(中略)わたしは<ことば>であり、わたしの名前は決して口にされず、誰も知らない。(中略)わたしはつねに在りつづける。」(p.315) この部分を引っ張ってくるぐらいしか、私にはできない!! あー、本当に、おもしろかった!!!興奮!

    4
    投稿日: 2015.08.06
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    引きずり込まれるようにして読んでしまったけど、一体なんだったんだろう。 反超能力者たちが月に集結し、地球に戻ると起きている時間退行現象の謎を追っていく話。主題が解決しているような、していないような、不思議な読後感。読んでいる間はぐるぐるとジェットコースターに乗っているような疾走感を味わっていたのだけど。そういえば電気羊のときもそんなことを思ったような。笑

    0
    投稿日: 2015.05.02
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    ディック好きなはずが、これまだ読んでなかったという。 超能力者対反能力者。Ingress(と言うスマホゲーム)とちょっと構図が似てるな、なんてチラッと思いました。異論は認める。 テレパス(思考を読む)やプレコグ(予知)を雇うスパイ会社と、それらの能力を中和させる反能力者を雇う会社。 読み始めてあっという間にディックの世界に浸かって楽しめました。 章の区切りに出てくるユービックの宣伝コピーも面白い。ユービックって何よ?ってね。

    0
    投稿日: 2015.02.11
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    世界の退行とともに展開がめまぐるしく、何が正しいのか分からないまま引きこまれた感じ。ランシターの実体化現象の気味悪さ(特にコインの)が印象的だった。

    0
    投稿日: 2015.02.03
  • どんどん壊れていく

    現実がどんどん壊されていくがそれは本当に現実なのか?? 白昼夢のような展開、夢と現実が渾然一体となった世界。 傑作のひとつだと思います。

    1
    投稿日: 2015.01.06
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    前半は伏線を匂わせ設定を張りめぐらせ、後半はこれでもか!というぐらいにその伏線・設定をフル活用して混線・混乱を仕掛けてきます。プロットの破綻がさらに破綻を巻き込んでの最後の1ページには唖然とさせられること間違いなし。あと単純に新装版の表紙がかっくいいので、部屋に飾るだけでもオシャレで好きです。

    0
    投稿日: 2015.01.04
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    非常にSFしてるお話.インセプションの元ネタは完全にこれ.ただディックの作品だともっと人間臭い話のほうが好みかな.

    0
    投稿日: 2015.01.01
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    PKディックを久しぶりに読んで、この作者の特徴がこの現実なのか仮想なのかどっちつかずな何とも言えない読後感だと思い出した。 ストーリーは反超能力者11人が超能力者に立ち向かうために月に向かっていくというところまでが序盤。そこからのストーリーは破綻しているとしか思えないが、実は全部伏線でした。 面白かった。そして不安になった。

    0
    投稿日: 2014.08.10
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    読むもののエネルギーを吸収するような、異様な読書体験。本作が内在するエネルギーと、読者のそれとが秤にかけられるよう。傑作。

    0
    投稿日: 2014.01.25
  • 乾燥恐怖症

    初読時はこわかった・・・ ディックの長編で私の好きな1冊。ねじれて・壊れていくストーリーが快感になったら、あなたもディック好き。

    0
    投稿日: 2013.09.25
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    初ディック也。すべてが退行していく世界で足掻く主人公。それに加えての伏線と数々のミスリードがたまらん

    0
    投稿日: 2013.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物たちと一緒に超能力の世界にがんがん巻き込まれて行く。 裏表紙のあらすじを読まなくて本当によかった…

    0
    投稿日: 2013.06.15
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    もう本当に面白い! ミスリードの応酬 この世界や人生そのものの不確かさを描いた作品か 程よい適当さも良い ハッキリ言って、この作品から得られる人生の教訓的なものは僕にはなかった笑 その代わり生きる上で必要も無い疑問が一つ増えただけ でも娯楽に教訓なんていらない!面白ければいいんだ! ランシターの前でパットが自分の能力を見せるシーンのあの崩壊感!たまらない! オチも最高

    0
    投稿日: 2012.12.31
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    いつものディック節炸裂の作品。  本そのものが古いから当たり前なんだが、訳が古く、字が小さいため、非常に読みづらい。よって飛ばし飛ばしで読んでしまった。ディック・ワールドに入っていないとわからない用語がたくさん出てくるので、初心者には難しいかもしれない。逆にいえば、いつもの世界って訳。  再読する必要があると思う。可能なら新訳がほしいなぁ。いい作品だもの。

    0
    投稿日: 2012.12.20
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    「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「高い城の男」「まだ人間じゃない」「アジャストメント」も面白かったけど、今のところいちばんインパクトの強かったのがこれ。 ディック作品は、美文じゃないけどぐいぐい読ませるぶっ飛び具合が良い。

    0
    投稿日: 2012.08.20
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    予知能力者を狩るべく月面に集結した不活性者を待ち受けていたのは彼らによる罠であった。月面での小規模の爆発から始まった時間逆行現象。コーヒーは腐り、タバコは萎れ、家具はどんどん古い型番になって行く。彼らの持っていた通貨もやがて古いものへと退化していく中、それに効く唯一の特効薬である”ユービック”を探し求めて不活性者達は時間が逆行する世界を歩き回る! まず、時間逆行の不安感、焦燥感、恐怖感がすごく巧みに描かれてますね。そして、テーマは生と死と半生命といったところに行きつく。彼ら不活性者達の世界は本当に現実の世界なのか?それとも一種の夢なのか?そもそもこの時間逆行現象の原因は何なのか?そしてその力に抗うもう一つの力とは? 『アンドロイドは電機羊の夢をみるか?』もそうですが、僕はディックの世界観がとても好きです。あの独特のどこまでも重苦しい感じが。 物語が本題に入るまでが長いですが、ディック作品には珍しく話が破綻せず後半は特に面白いので是非読んでみて!!

    0
    投稿日: 2012.05.26
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    寝なきゃいけないのに止まらなくなった。 今のところPKDはこれが一番好きかな。 -- のっけからぶっ飛んでる。 装丁変わってるんだからAmazonちゃんとアップデートしなよ。

    0
    投稿日: 2012.04.12
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    時は、1992年。 読心能力者(テレパス)や予知能力者(プレコグ)といった超能力者がはびこる世界。不穏な動きをみせる超能力者を阻止すべく月面へ向かったランシター率いる不活性者らは逆に超能力者の反撃にあってしまう! 辛くも超能力者の攻撃を逃れた技師ジョー・チップは他の不活性者らとともになんとか地球へ帰還するが…更なる異変が彼らを待ち受ける。 ミルクは腐敗し、タバコはひからびる。 退行していく時間によって、次々に倒されていく不活性者たち。 死んだはずのランシターから贈られる謎のメッセージ。 敵は誰で、何が起こっているのか。生き延びるためにはどうすれば…! そして、ユービックとは何なのか…! これはやられた。ディックおもしろすぎ。 スリル溢れる展開と複雑に絡み合ったミステリアスな物語は、最上のエンターテインメントといっても過言ではない。 超能力が産業スパイ目的で悪用されていたり、それを阻止する不活性者がビジネス化されていたり、自宅のドアを開くためにわざわざ5セント支払う必要があったりと、この独自の進化を遂げた世界観だけでも十分な面白みがあるのに…それらはあくまで背景でしかない。もう全ッ然関係ない。 序盤にパットの能力を見せ付けられた瞬間から、どこまでが真実か解らなくなってしまった。ディックって人は、にくいことをしますね。 物語も終盤に入り、複雑に絡み合ったいくつかの事象は整頓されて、やれやれ一安心したのも束の間、ラストで再び頭を抱え込むことになった。 ディックって人は、ホントにくいことをする。

    2
    投稿日: 2011.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    早川から今出ている土井宏明のモノクロ装丁は格好良くて好きだけど、裏面の作品紹介でネタバレしすぎ。 登場人物の現実の立脚点をガンガンぶちこわして突き進む、これぞディックな作品。時間退行現象のグロテスクさが読者をさらなる不安へ誘います。 死に行く定めにある「半生者」と、その生命を延長するユービックの存在にはいろんなメタファーを読み込むことが出来る。何度でも何度でも読み返して、メタファーの森から何かを発見したくなる小説。 2013年の映画版はどうなるんだろう。

    0
    投稿日: 2011.11.01
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    今の日本社会の不条理悪夢っぷりはディックを越えている。 願わくば僕の言葉も誰かにとって、webの大海に潜む一滴のユービックたらんことを。

    0
    投稿日: 2011.09.12
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     1969年に発表されたフィリップ・K・ディック代表作の一つ。  1992年、社会では超能力者が様々な場面に侵入し、プライバシーを侵害していた。そんな超能力者たちを無力化する「不活性者」を依頼主に派遣する企業・ランシター合作社は、月面に多くの超能力者が集結しているという情報を入手、彼らに対抗するため11名の不活性者を月に送り込むが、逆に罠にはまり大きな被害をうけてしまう。  その場に居合わせたランシター合作社のテスト技師・チップは、生き残ったものだけで態勢を立て直そうと奮闘するが、やがて全世界を巻き込んだ恐るべき時間退行現象が始まり、チップらは奇妙な悪夢の世界に取り込まれていく。  時間退行現象の中で次々と命を落としていく仲間たち。いったい世界はどうなってしまったのか、誰が生者で誰が死者なのか。死の瞬間を引き伸ばされた「半死者」が当り前に存在する世界。生と死の境界は次第にあいまいになっていき…。  P・K・ディックにしてはちゃんとストーリーがあり読みやすい部類。ディック作品の中ではハードルは低い方なので、慣れてない人でも入りやすいかも。とはいえ、「読心能力者(テレパス)」や「予知能力者(プレコグ)」といったSFやディック作品ではお馴染みの専門用語が何の説明もなく普通に登場するので、やっぱりそれらに触れた事のない人にはわけわからんかも。  でも冒頭を乗り越えて世界のルールが判明してくると、物語はぐるんぐるんと駆動しはじめる。奇怪な世界においてチップはとにかく生き残るために東奔西走する。時間退行現象から逃れるにはどうやら「ユービック」というスプレー剤が必要らしい。しかしそれがなかなか手に入らない。チップはユービックを求めて喘ぐように世界を駆けずりまわる。  面白いのは、超能力者たちを中和し無力化する不活性者たち自身も一種の超能力者として描かれているところだ。つまりこの小説に登場する人物たちはほとんどが何がしかの特殊な能力を持つ者なのである。社会のあらゆるところに普遍的に存在する超能力者たち…。  この小説のタイトルにもなっている「ユービック(Ubik)」とは、作中でも説明されている通り、「ユービクイティ(神の偏在)」や「ウビーク(あらゆる場所)」が語源の造語である。現在、現実世界では携帯端末やインターフェイス等の発達により「ユビキタス(ubiquitous)」という言葉がだいぶ浸透してきている。日本語に訳しにくいことで有名なこの言葉と、「ユービック」は同じ語源の言葉だ。  あらゆる場所に存在する。その言葉の意味するところは。深読みしようと思えばいくらでもできそうだ。  後半、意外な真実が次々と明らかになり、チップは益々翻弄されていく。しかし生き延びるために、ユービックを手に入れるために、必死に頑張るチップ。この生への執着が行きつく果てには…ラストにはちゃんと(?)後味の悪いオチまでついている。  この小説、昔から映画化の話があるらしく、'70年代にはディック自ら映画化用にシナリオ化している。結局この時の映画化の話は流れたようだが、このシナリオは2003年にハヤカワ文庫から『ユービック:スクリーンプレイ』のタイトルで邦訳刊行されている。ディックが自ら手掛けた自作の映画化用シナリオというだけでファンにはえらく興味深いものだが、こちらと読み比べてみるのも面白いだろう。  『スキャナー・ダークリー』を映画化できる現在のハリウッドの技術があれば、これも簡単に映画化できそうなものだが…希望を捨てずに映画化される日を待とう。しかしこの小説で描かれた「未来」が1992年とはなあ…。  数年前からディック作品のカバーを黒基調のスタイリッシュなものに順次変更しているハヤカワ文庫。Amazonのイメージ画像ではまだ反映されていないが、この小説も今年5月の版からカッコいいカバーに変更&トールサイズ化されている(当然だが早川書房のサイトでは書影が確認できる)。以前は渦巻きをモチーフにしたイラストだった。その前は男の顔の下半分を描いた不気味な表紙だった。  こうして古典的作品の酒をどんどん新しい器に移し替えていくのはいい事だと思う。しかし、今回のカバー変更に伴って、裏表紙のストーリー紹介に誤字が発生している(×「半予知能力者」→○「反予知能力者」)。以前のバージョンのカバーでは正しい表記がされているのがネットの古本通販サイトなどで見ることができるから、これきっと誤字なんだよね? 裏表紙のストーリー紹介ってカバー変更のたびに出版社の人が手打ちで改めて書き起こしているのかとちょっと感銘を受けた。

    0
    投稿日: 2011.09.06
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    電車の中でちまちま読んで、先日読み終わりました〜。 いや〜〜、カバー裏のネタバレっぷりねw 私はもともとやる夫スレ(たまにものすごい作品がある、クオリティから話のテンポからミスリードまで)で読んでたのでだいたい分かってましたが、これ初見だったら何がなんだかわからんやろうな〜(笑) でもすっごい好き。なんかしらんけどすっごい好きな作品。 SFの面白さを再認識したのは小林泰三の『海を見る人』や『玩具修理者』の「酔歩する男」。 中学生のときブラッドベリの空飛ぶフライパン?かなんかを読んで『SFって面白いな〜』以来SFから遠ざかってたので、数年間くらいはSFを読んでなかったな。 まず『ユービック』ってタイトルがいいよね。ディック作品のタイトルがどれもキャッチーなのは翻訳者によるものかどうなのか。 ともかくとして、『ユービック』はすっごい好きです。 その近未来的表現であるとか、独自の専門用語であるとか。 よく考えつくよな〜、としみじみ思う。 あと、たまにすごく好みの表現があって、 特に――ホリスの眼の表現(133p3行目『その両眼は、傷物の(漢字変換されませんでした)の宝石を思わせた。輝いてはいるが、カットのしかたがおかしいのだ。まちまちの方角に光が反射されるのである。』――が好き。 あと、ジョーがだんだん力尽きていく表現とか好きです。 パットの性格やジョーはなぜそんなにも貧乏だったのか分からんけど、気持ちのいい酩酊感でした。 お気に入りです(*^_^*)

    0
    投稿日: 2011.08.10
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    学生時代に読んで、それから何度か読み返した作品。P・K・ディックのなかで一番好きかも。今なら映画化も出来るんじゃないかと思ったりするんだけどな〜。その他の作品では「逆さまわりの世界」と「火星のタイムスリップ」がお気に入りです。

    0
    投稿日: 2011.07.07
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    借本。 著者の本はこれが初めて。 濃縮されたSFって感じで、読後はグッタリでした。 面白いけど、いい意味でSFすぎて疲れました。 次は、「アンドロイドは~」を読むとします。

    0
    投稿日: 2011.05.28
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    カバー裏のあらすじがネタバレです・・・ 内容はすごく読みやすくて面白かった。夢と現実がごっちゃになりそうな感覚がたまらない

    0
    投稿日: 2011.02.01
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    SFの長編小説をがっつり読んだのはたぶん初めてだったけれど、おもしろくてするする読めた。今までちょっと避けがちだったのがもったいないと思ったくらい。 ディックはブレードランナーの原作者として有名だけど(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)、このユービックの方がディック初心者向きらしい。 SFってパキっと明るいものだとちょっと思ってたけど(思い込みだらけ。。。)、ディック特有なのかは分からないけれど退廃的な印象も強かった。特に中盤あたりのゆるーい絶望感。それがSFと絡み合うと絶妙なんだということを初めて知った。 物語としては、SFだしきちんと読み進めないと途中で分からなくなる系統だと思うけど、それでも一気に読めてしまうのは、ミステリ系を読んでるときの感覚に似てる。 止まらない時間退行、仲間の死…それを食い止められるのは“ユービック”だけ。しかし“ユービック”の正体とは一体? SFって文章で読んだ世界が映画みたいに映像として浮かんでくるものなんだ…と目から鱗でした。

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    投稿日: 2011.01.23
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    はじめて読んだディック作品がこれでした。映画的で読みやすいし、オチも古典SF風でわかりやすい。なんでヒロインがこんなに恐いの?とびくびくしながら読んだのも今では良い思い出です。

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    投稿日: 2010.11.25
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    超能力者による産業スパイ活動が日常茶飯事となっている近未来。超能力者集団の怪しい動きを阻止すべく集められた不活性者(超能力者の能力発現を阻止する能力を持つ者、いわば「反超能力者」)達を率いて月面に乗り込んだジョー・チップは、敵の返り討ちに遭って雇い主ランシターを失ってしまう。大きな痛手を受けて地球に帰還した彼らが見たものは、あらゆるものが古び朽ち果ててゆく恐るべき時間退行現象に見舞われた地球の姿だった。退行現象を止められるのはただ一つ、「ユービック」と呼ばれる謎の物質のみ。不活性者たちも一人、また一人と退行現象に巻き込まれて死んでゆく中、何とかこの現象を食い止めようと奔走するジョー。果たして時間退行現象の原因とは、そして「ユービック」とは? うひゃー、やられた。面白いですわ。 冒頭の超能力者集団と不活性者集団の対決に至るストーリー展開で、これは手に汗握る超能力アクションが繰り広げられるのか!?と思いきや、この設定は途中からどうでもよくなりますヽ( ´ー`)ノいやホントにヽ( ´ー`)ノ。この「不活性者」というアイディアだけで充分SFが一本書けると思うんですけどね、ディックにはそんなことどうでもいいんですねぇ(笑) それよりもキーポイントになるのが、同じく冒頭に登場する「半生者」というもの。事故や病気で死にかけている人間を冷凍棺桶にブチ込んで死期を引き延ばし、遺族や関係者が必要な時にだけ、脳を活性化させてマイクを通して会話できるようにする。生者の都合で脳を活性化させられるたびに死へと近づいて行く、死んだわけではないけど生きているとも言えない存在です。この何とも気色悪い(ディックらしいとも言える)存在が最初にちらっと登場するのですが、これが後々大きな意味を持ってきます。 ストーリーはディック作品にしてはかなりスムーズに読める方で、SFサスペンスとして、ちゃんと破綻なくまとまってます。とはいえ、物語全体に漂う不穏なムード、そこかしこに登場する薄気味悪いガジェットなどは実にディック的。時間退行現象が始まってからの重苦しい閉塞感に満ちた描写は、読んでるこちらも息が詰まってくるぐらい重い重い。救いがないのに前向きなラストも印象的。 またこのラストがねぇ。それまでの謎が解けて一応スッキリしたなー、と気を緩めたところにえっ!?Σ(-Δ-;ですよ。ディック節炸裂ですねぇ。 前回紹介した「虚空の眼」よりもディック臭が強い作品だと思います。でもかなり読みやすいので、初心者にもお勧め!(-_☆

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    投稿日: 2010.11.14
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    ディック入門として最適とされる見事な傑作。時間退行現象という現実崩壊っぷりが楽しく、読んでいる自分まで「今、自分は本当に現実を見ているのか」という錯覚を体感できる。ところで『インセプション』を観たときに思ったんだが、クリストファー・ノーランはこの作品のファンではないだろうか。★5

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    投稿日: 2010.09.05
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    今回は、時間退行現象。 やはり時間軸がおかしな事になり、 読んでいて気持ち悪く(気持ち良く?) なる。 全体として、珍しくストーリーがつながっており、 大きな破綻も無く読み易い傑作。

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    投稿日: 2010.05.18
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    書かれた年代にこの近未来感を想像できるセンスに脱帽。「バーチャルリアリティ」という言葉に珍しさを感じない今でも古びていない世界観。そこそこミステリータッチのストーリーも良かった。

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    投稿日: 2010.01.26
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    この本はSF+ミステリーというジャンルとして認識できると思う。 ただ、一般的にミステリーというのは線形に物語が進んでいくと思うが、 この小説は線形とは言い難い物語の展開を見せる。 簡単に言うと途中から小説の中の世界同様、崩壊が始まっているように感じる。 それは悪くはないのだけど、注意深く読まないと流れを読みづらくなると思う。 読者にも「何が問題か」におびえるジョー・チップの心情がよく伝わるのではないか。 本書は書かれた年代が年代なので、現代のSFに比べると若干の古臭さを感じる点はある。 しかし、その点を含めたとしても十分に読み応えのある物語だ。

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    投稿日: 2009.01.17
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    子供のころ読んだ電気羊以来のディック作品。 仮想現実という言葉すらなかったころにこのセンス、とても半世紀前の作家とは思えません。 シビレルわあ。

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    投稿日: 2008.07.24
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    おいおい、ユービックといえばあごだろう。ア・ゴ。 どうみても髭を剃るのは不可能と思われるあばただらけの、しかも左右に割れたあご。 カバーからは絶対に内容を推し量ることは不可能だ。つい買っちゃうだろ。 なんでカバー絵を変えるのかな? 早川のなかでも最悪ともいえるカバーを変えるなよ。中西の苦労も分かってやれよ。こんな内容の小説でカバー絵なんて思い浮かばないよな、普通は。そこを無理やり書いているんだから、永く残してやれ。それが注文した側の義務だろ。 今回読み直したのは、当然、初版のあご表紙だ。新表紙じゃないからね。 あご表紙じゃない画像が表示されるから最低ランクとする。

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    投稿日: 2005.05.29