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桜の森の満開の下・白痴 他12篇
桜の森の満開の下・白痴 他12篇
坂口安吾/岩波書店
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総合評価

78件)
4.3
29
25
10
0
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『不連続殺人事件』などの推理小説や捕物帖以外の坂口安吾の作品を読むのははじめてかな。分かりやすい作品ではないけど、どの短編にも独特の力みたいなものを感じて引き込まれる。やはり有名な『白痴』『戦争と一人の女』『桜の森の満開の下』は特に良かったな~。どの作品も登場する女性たちがいい。それぞれに個性も違い恋愛も様々。不思議に魅力があるな~。

    0
    投稿日: 2026.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文明の中で理性や美を追うことは、人間を狂わせる。 けれどその狂気こそ、人間の証でもある。 私的には人間はみんな不出来で狂ってると思ってる。 それより桜の木のほうの描写は狂気があったかな。

    0
    投稿日: 2025.12.09
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    友達に意味深な勧められ方をして読んだのだけど、一文目であ〜そういうことねとなった笑 あまりに美しいと信じ難くなるものなのかも

    0
    投稿日: 2025.09.05
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    巻末の解説にもあるとおり、いずれの作品にも「女」をめぐる問題が横たわっている。無邪気で残酷な女と、跪くしかない男、そして破局。女を描きたくて描いたというよりは、自身の神経症的課題を考えると、「女」に帰結せざるを得なかったという印象を受ける。かような安吾の女性観がいかに形成されたのかが気になる。 「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳音」の二作は、無邪気で残酷な女が分かりやすく大活躍しており、エンタメ的には最も面白い。檀一雄の「光る道」に構図が似ていると思ったが、どうも安吾へのオマージュが入っているらしい。 「戦争と一人の女」などは、戦争のもつ蠱惑も捉えられている。カタストロフィーには抗いがたい魅惑があることは、コロナ禍で我々が薄っすら勘付いていたことではなかろうか。反戦のために必要な視座であると思う。

    0
    投稿日: 2025.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「夜長姫と耳長男」が一番印象に残りました。 今でこそアニメや小説に「血が見たい」「人の死が見たい」といった猟奇的なキャラクターが見られますが、夜長姫のような人は発表当時にはほとんどいなかったキャラクターではなかったでしょうか。 この本を読んで坂口先生の作品に興味を持ち始めました。

    1
    投稿日: 2025.02.09
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    桜の森の満開の下、白痴のみ読了。 森見登美彦さん版の桜の森の満開の下を読んでおもしろかったので、本物を読んでみたくて手に取った。 山賊は女と出会わなければ、何も考えず平穏な日々を送っていただろうな〜。 女と出会ってしまったばかりに孤独や悲しみを知ってしまった。 しかし、それを知ったことでこれから先他の人と深く関わり合えるのかもしれないからどちらがいいともいえないな。 確かに桜の花はきれいさや儚さや執着など人の心を惑わすものがある。 この話を読んだあとに満開の桜を見ると恐怖を感じそうだな。

    5
    投稿日: 2024.06.27
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    正直な感想としては「難しかった…」 全編として「女」と「恋」がテーマではあるのだが…人生経験なのかはたまた恋愛経験なのか…足りなくて理解が追いつかない事が多かった。 随所には『白痴』の空襲から逃げる描写の美しさ、『桜の森の満開の下』のラストの残酷さ、『アンゴウ』の寂しい鮮やかなどんでん返し等、楽しめる要素は沢山あったが全体の感想としては私の力不足 もうちょっと年食ったらもう一度チャレンジしてみよう

    1
    投稿日: 2024.06.12
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    情痴作家って言葉、すごいなって思ったけどたしかに恋愛、女、情欲にかかわる話が多かった。そういうのを選んで編纂したんだろうか。エロいし浮気なのに爽やか、誠実、孤独、悪魔的という感じの女性像。 谷崎潤一郎や泉鏡花を読んでみようと思った。不連続殺人事件と私は海を抱きしめていたいも読みたい。

    1
    投稿日: 2024.04.07
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     坂口安吾の世界観にとても惹き込まれた。限りある人生のなかで心をかきむしり続ける恋の不思議に触れたように感じました。  プラトニックか肉欲かという葛藤、人の浮気性、利己的か利他的か、人間のもつ苦しい業をここまで描くのかと驚きでした。しかもそれらを批判的ではなくて人間の美しさとして肯定的なところがどこかしら感じられました。読み終わって安吾の堕落論にみられる人間が持つ欲するものを欲する精神の悲しさと美しさがわかった気がしました。  個人的には『恋をしに行く』と『夜長姫と耳男』が好きでした。恋をしに行くは最後まで精神か肉体かの対立が明確で、それを踏まえて迎えるラストは清々しくもどこか虚しい。夜長姫と耳男は終始グロい黒さが漂うのにとても静謐な感じが好きでした。

    2
    投稿日: 2023.08.26
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    一篇目の『風博士』で狐に摘まれたような気分になり、はやくも頭の中では仕事帰りにBOOKOFFで売り払うこと考えつつ、しかし頑張ってのりこえ、そこから先は天国。痴情作家といわれるらしいが、個人的にはそうは思わなかった。男女の関係はいわば生物学の基本で、人間感情の基本でもあるわけで、言ってしまえば政治小説とかの方が異常。それはさておき、痴情というからテッキリ小澤さん甘いよ、甘すぎるよーな筋かと思いきや、自分が完全にこの作家に対して無知から入った所為もあるが、戦争と切っても切れないような作品ばかりで、面食らった。解説曰く、作者は谷崎潤一郎に若い頃憧れていたらしく、言われてみれば系統的に似ていると思うが、同じく解説曰く、系統は似ていても中身はやはり違う、具体的には、谷崎文学は被虐愛で、作者のは奇怪な性格の女性を前にして聖のような主人公の性格が浮き彫にされる感じらしい。確かに、別に被虐愛に溺れている感じではない。『卍』のようなヒョエーな感じはない。思うに、太宰治とは別系統ながら女性に対する観察が鋭いのかなとも思った。思っただけ。期待せずに、それどころかむしろ恐る恐る読んだのでほとんどメモも何ものこさなかった。また近いうちに再読したい。 総じて言えるのは、男女関係の深層に孤独が巣食っている感じ。

    2
    投稿日: 2023.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女は空で男は鳥だったその表現が綺麗でした 男は女にとって綺麗で記憶からも話せないそんな存在 それを桜で例えててると解釈しました。桜と散る男を見ると彼はもう恐るものはないと思いました

    8
    投稿日: 2023.03.22
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    坂口安吾を初めて読んだ。なんと粒揃いの短編集! デビュー作から、耳男まで、どれもひとつひとつ深い。坂口安吾の書いたものすべて読んでみたい。

    0
    投稿日: 2022.11.12
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    文庫は、ナンセンス文学である「風博士」から始まる。 どこかドグラ・マグラ的な匂いを感じなくもない。 幾度も同じ単語を並べ立て、強調に強調を重ねた「僕」の語り口に、だから何なの?と言いたくなる。 演説のような「僕」の熱弁ぶりと反比例して、読者は段々とバカバカしい思いに捕らわれていく。 それでも何か意味があるに違いないと私達はページを繰る。 しかし坂口安吾は、深読みしたがる読者を煙に巻くのだ。 さて、読みたかった「桜の森の満開の下」。 昔話のような語り方で、美しい桜の木のもと、人の業が描かれていた。 青空のもと見上げる満開の桜は春の喜びを感じるのに、 ハラハラと散る桜は儚げで美しいのに、 月明かりに照されて闇夜に滲む桜は、何故妖しさを纏うのだろう。 美しく小さきものは可愛らしいのに、何故満開の大木は恐ろしいのだろう。 あの花の下でゴウゴウという風の音を聞いた時、花びらが散るように魂が衰えてゆくと感じた時から、山賊は自分の中の「恐怖」を実感する。 美しくも残忍な、あの女は何者だったのか。 山賊は女との出会いを切っ掛けに、女が着飾る「美」を知ってゆく。 人其々の「価値観」も知っていったのかもしれない。 そうして山賊は、「知」が増すことで逆に「知らない」ことへの羞恥と不安も湧いてくる。 物語は、美しすぎるものには恐怖すら感じてしまうという人間の不思議な感覚を、 桜の妖艶な美しさを効果的に使いながら展開していた。 「知」を得たからこその「未知への恐怖」 物では満たされぬ「欲求」 それ故に「狂気」にも陥りかねない「際限のない欲求」と「退屈」 それらに飲み込まれ自分を見失ってしまった者に訪れる「孤独」と「空虚」 失って気付く「悲しみ」 山賊は、もはや自分自身が「孤独そのもの」であることを知り、自分の胸に生まれた「悲しみにさえ温かさを感じる」のだ。 そして消えてゆく。 全ては桜の花が魅せた幻影だったのか。 それは桜の花だけが預かり知るところ。 残るはハラハラと散る桜と、冷たい空虚のみだ。 しかし読者は、その恐ろしいラストシーンにさえ美しさを感じてしまう。 何度も読み返したい、坂口安吾の傑作だ。 他に収められている物語も「女性」を絡めつつ「欲求」や「エゴ」を描いている。 表現方法は実に巧みで、読み返すほどに味わいの増す1冊。

    12
    投稿日: 2022.11.09
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    なかなか読めずにいた坂口安吾の作品。面白かったです(^^)内容を理解出来ていたのかと問われれば理解出来てはいないような気がするのですが、物語としてはすんなりと頭に入ってきて、おどろおどろしい感じもして、ぐいぐいーっと引き込まれました!(漠然としたレビュー)

    0
    投稿日: 2022.10.13
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    江戸時代より前は、満開の桜は美しい物ではなく、恐ろしいと考えられていたという 今でこそ「儚さ」というものは美を感じる事が出来るが、大昔は今より遥かに「死」というものが身近であったであろう 「儚さ」は「死」を想起し恐ろしさを感じたのではないだろうか

    3
    投稿日: 2022.08.28
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    夜長姫と耳男 恋なのか執着なのか 夜長姫がだんとつ常軌を逸してるけど耳男の反応もおかしすぎる 彼らのなかで、強い感情というのはすべてを傷つけるものしかないのかも 暖かい感情ではたりない!みたいな 最初はアナマロも何も教えてくれない(知らない?)けど、夜長姫のやばみに気が付き始めて世話を焼いてくれる でも耳男はそんなのほしくないんだよねえ すごいもの見つけちゃったから、そのぶんの強い感情を夜長姫に返してほしいんだろう 夜長姫は神様に思える

    1
    投稿日: 2022.03.18
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     作者の女性像がひしひしと伝わる話。誰かに夢中になる、嫌いになることは、周りが見えなくなるまやかしにかかっているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    坂口安吾の女性像はどこか観念的で、愛情と不信感のアンビバレントがすごいなぁ…などと思いながら読んでいたら、『青鬼の褌を洗う女』の中で作家自らそれを告白していた。 “彼のような魂の孤独な人は人生を観念の上で見ており、自分の今いる現実すらも、観念的にしか把握できず、私を愛しながらも、私をでなく、何か最愛の女、そういう観念を立てて、それから私を現実をとらえているようなものであった” 女を畏怖するのは孤独な彼の生い立ちからきているのだろうか? 坂口安吾を『夜長姫と耳男』の耳男と重ねてみると、夜長姫のことばにぐっとくるものがある。 “好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして”

    1
    投稿日: 2022.01.10
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    坂口安吾の短編が14作収録されています。 特に氏の代表作として一般的に著名な"風博士"、"白痴"、"桜の森の満開の下"が抑えられていて、他にも有名作、傑作が複数収録されているため氏を知るためには十全な短編集と思います。 坂口安吾作品は時期によって、ファルスだったり、痴情作家と揶揄されたり、戦争の影響が出たり、推理小説を書き始めたりするなど、大きく移り変わります。 "ファルスに就て"や"堕落論"、"文学のふるさと"、"余はベンメイす"などなどの評論を読んでいると、執筆時に何を思っていたのかがリンクして、より興味深く読めると思います。 作品数が多いので、各作品で感想を書かず、ある程度まとめて感想を書きます。 各作品の感想は以下です。 ・風博士 ... 坂口安吾が文壇に認められるきっかけとなった作品で、また、氏が"芸術の最高形式"であるとまで述べた『ファルス』文学です。 坂口安吾といえばファルスであり、坂口安吾のファルスといえば風博士というほど、氏を代表する作品です。 風博士が自殺したことについて嫌疑をかけられた主人公が、風博士は蛸博士との確執により自殺したということを語る内容で、風博士とは?蛸博士とは?といった説明はなく、どこかミステリアスで何のメタファーを匂わせるような作品です。 ただ、氏の著書『FARCEに就て』でも述べている通り、本作は"ファルス文学である"というのがその答えなのかと思いました。 ・傲慢な眼 / 姦淫に寄す / 不可解な恋愛に就て / 南風譜 ... 4作とも男女の関係を描いた作品です。 執筆時期は全て戦前で、4様のストーリーですが全て名著でした。 坂口安吾は評論を先に一通り眼を通して、最初に読んだ小説が"風博士"だったので、坂口安吾作品は全てこういう感じかと思ったのですが、難解な言い回しもない普通に楽しんで読める小説だったので、逆に驚きがありました。 ただその作品も、少し非日常的なところがあって、氏の作風を感じる4作だったと思います。 ・白痴 ... 坂口安吾の代表作の一つ。 堕落論の後に書かれた作品で、堕落論に並び、坂口安吾作品では著名な一作だと思います。 戦時下、映画監督で見習い演出家をしている伊沢は、生活が困窮していて、魂のない制作会社にしがみついていた。 そんな折、遅く帰ると、隣家に住む気違いの白痴の女房が隠れていて、奇妙な共同生活が始めるというもの。 "白痴"ではあるがその女性の顔立ちは美しく、そんな彼女に対して肉欲を超えた何かを感じ始めます。 風博士は、あるテーマに沿った、坂口安吾を象徴する代表作ですが、本作は堕落論と併せて戦後日本の人々に方向性を示した、人に感動を与える作品であり、また、坂口安吾の地位を築いた作品です。 序盤、評論じみた読みにくいセンテンスがありますが、中盤以降の展開は見事で、封鎖的で耽美な雰囲気の名作です。 ・女体 / 恋をしに行く ... "女体"は長編連作の予定だった作品の1作目で、"恋をしに行く"は、女体から3,4ヶ月後に発表された2作目です。 2作共に主人公は「谷村」という男で、他の登場人物も共通して登場する者はあるのですが、作品の雰囲気がガラリと変わるため、別作品として読んだほうが良いと思います。 "女体"というストレートな作品名で、性をテーマにしてはいるのですが、行為そのものの露骨な描写はなく、心理描写がほぼ全てです。 谷村の連れ添った妻である「素子」や、夫妻の絵の先生である「岡本」に対するヒネた心理、精神、感想を述べる内容で、非情に読みにくい作品に感じました。 "恋をしに行く"は女体に比較すると、幾分読みやすく感じます。 「信子」という、岡本の弟子に惹かれた谷村と信子のやり取りが主ですが、ただこちらも比較的読みやすいというだけであって、個人的にはあまり楽しんで読める作品ではないと感じました。 ・戦争と一人の女 / 続戦争と一人の女 ... 戦時中、小説家の男「野村」という男と、同棲中の不感症の女を主役に据えた小説。 女性は酒屋の主人の妾上がりで、その間、少しでも気に入った客とはすぐに寝る淫奔な性質だったが、戦時中でどうせ未来はないのだからと、野村は一緒に住むことにします。 戦争が終わるまでの関係性と考えていたのですが、やがてお互いが奇妙に惹かれ合う内容で、坂口安吾らしい、肉体を伴わない精神での結びつきについて書かれた作品に想いました。 "女体"はいまいちでしたが、こちらは読んでいて夢中になれる内容でした なお、本作も含めて氏の作品は男女の関係を描いたものが多いため、"痴情作家"と揶揄されはじめます。 確かに本作は比較的過激さを感じましたが、明確なテーマもまた感じました。 男女の関係を描いていますが、官能的な部分はなく、極めて真面目な作品だと思います。 ・桜の森の満開の下 ... 本作も坂口安吾の代表作として上げられることが多い作品。 文芸雑記に掲載された短編で、元々あまり注目されていなかった作品ですが、坂口安吾の死後に文芸評論家により再評価されて有名になった作品です。 満開の桜が咲き誇る森という、幻想的で恐怖を感じる場所を舞台にした幻想小説で、内容は極めて残酷です。 罪のない人々の首を集めてお人形遊びをする描写等があり、私的には大人向けのおとぎ話のような雰囲気を感じました。 妖艶な美女に言われるがまま殺戮を繰り返す山賊だが、最後は以外にも使われていただけではなかったという話で、ファルス文学や、氏が『文学のふるさと』で書いた、"文学の出発点"に通じるものを感じる作品でした。 ・青鬼の褌を洗う女 / アンゴウ / 夜長姫と耳男 ... "青鬼の褌を洗う女"は、坂口安吾が多忙を極めた1947年代に書かれた作品で、氏の代表作として上げられることもあります。 坂口安吾の妻『坂口三千代』をモデルにした女性「さち子」を主人公にしており、母の束縛を受けながら成長したが戦争でその母を失ったことで奔放に生きる女性の姿が描かれています。 三千代への想いが強く伝わる作品ですが、読み物としては、正直なところ読み難さを感じました。 "アンゴウ"は、戦士した戦友の蔵書を偶然街の古書店で見かけ、懐かしさから購入してみると数字の羅列の書かれた切れ端が現れる。 その切れ端から始まるミステリー調の作品で、追っていくことで判明したことから妻の不貞等を疑っていたのですが、ラストは心温まる終幕となっていて、個人的には本短編中で一番好きな作品となりました。 隠された名作と思います。 "夜長姫と耳男"も坂口安吾の代表作として上げられることがある作品で、"桜の森の満開の下"のような説和風の作品です。 ただ、個人的には"風博士"のようなファルス文学な感じを受けました。 極めて抽象的で何でもありな感じがあり、面白くないわけではないのですが、"桜の森の満開の下"のような感動はなかったです。

    0
    投稿日: 2021.11.20
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    私は作品を読むときに「どう死なすか」を重点的に見ているのだが,その視点からすると,坂口安吾の作品は随分と手ぬるいものだ。とはいえ無意味に死なす近年の感動を求める風潮?に比べればはるかにマシ。現代において,坂口安吾の示す姿勢は参考になるだろう。 以下主要作品についての感想。 「白痴」 戦火と微睡みが両立する世界観に単純に惹かれた。理知に対するカウンターとしての白痴の女が終始まとわりつく,感情は古い。p94「その戦争の破壊の巨大な愛情が,すべてを裁いてくれるだろう」しかし,いつだって破滅的願望は叶わないものだ。 「戦争と一人の女」 p163「女は戦争が好きであった。〜爆撃という人々の更に呪う一点に於いて,女は大いに戦争を愛していたのである」一種の破滅的願望なのだろうが,やはり成就しない。アンバランスが女の構成要素だとするのなら,先の長いだけの平和には何の意味も見出せなくなる。死を間近に控えた生命は眩い。そこに肯定も否定もなく,ただ孤高であるばかり。 「桜の森の満開の下」 「夜長姫と耳男」 共通して古風ファンタジー?なのでまとめて感想を。何も美しいというのは感動だけではない。畏怖だ。内面で昇華しきれない情動による畏怖である。しかし,それは女の像を更に曖昧にしてしまう。おそらく元とする古典作品があるのだろうが,坂口安吾のそれは遥かに内面的で,当時代の精神分析を思わせるようだ。なお,背景を抜きにして,安易に幻想とか狂気とか言う風潮はいかがなものかと……

    1
    投稿日: 2021.03.31
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    桜の森の満開の下 男は山賊でありある時とても美しい女を手に入れた。しかしその女はとてもわがままで狂っていた。 やがて彼女に言われ都に移り住むことになる。そこで彼女は首遊びに耽る。男は退屈をし空を落とすことを考える。やがて山に帰ろうと思うと女もついてくるという。そして桜の森の満開の下を通った時に女の姿が変化するが、その姿とはまやかしだったのか真の姿であったのか。 夜長姫と耳男 ヒメの16歳のお祝いまでに彼女を守るミロクボサツを作って欲しいと耳男は依頼される。だがそのヒメは残酷で恐ろしい女だった。ヒメに太刀打ちするために耳男は獣のハラワタと蛇の生き血を耳の長い何ものかの像にしたらせながら作り上げる。やがてその像は完成しヒメはそれを気に入る。 その後ホーソーが流行り人がたくさん死ぬ。それを喜ぶヒメ。ヒメはもっと人が死ぬようにと耳男に蛇を取って来させかつて耳男がやっていた蛇の生き血を吸い、死骸を吊るすことを真似る。ヒメにおされ逆らうことのできなかった耳男であるが、死ぬ人をみんな見ることのできるお日さまが羨ましいという発言を聞きヒメを殺さなければこのチャチな人間世界はもたないのだと思いキリでヒメの胸を刺す。 サヨナラの挨拶をして、それから殺して下さるものよ。 好きな物は咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして…

    1
    投稿日: 2021.03.10
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    森見登美彦の「新釈 走れメロス 他四篇」を読んで、原作版の「桜の森の満開の下」がどんな話なのか気になってここにたどり着きました。「全然ちがうやないか!」と思いました。いや、それはもちろん森見さんが原作を大いに自由に解釈した結果だということは重々承知していたわけですが、それにしても原作がまさかあんなエゲツナいおはなしだったとは驚き。

    0
    投稿日: 2020.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

     「夜長姫と耳男」と「桜の森の満開の下」のみ。後者は再読。  「夜長姫と耳男」はあらすじは知っていたものの、やっぱりじわじわくる怖さ。まともな感覚がだんだんなくなってくる。耳男は最初は夜長姫のことを「あいつ、むかつくー」と思ってたろうけれど、弥勒を掘り始めるあたりから、一種の(勘違いから生まれたかもしれない)恋だったのかなーとか。特に笑顔に縛られているあたりは。最後のシーンは客観的にはグロテスクではあるけれど、それだけでは収まりきらない妖艶さ?美しさ?があると思った。  その後に「桜の森の満開の下」を読むと、女が夜長姫よりちょっとマシだけど、やっぱり狂ってるって印象が強くなる。特に首を求めるところからは。最後の桜のところは一種浄化とも捉えられるかも。

    1
    投稿日: 2020.02.15
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    桜の森の満開の下は怖ろしい。妖しいばかりに美しい残酷な女は掻き消えて花びらとなり、冷たい虚空がはりつめているばかり-。女性とは何者か。肉体と魂。男と女。安吾にとってそれを問い続けることは自分を凝視することに他ならなかった。淫蕩、可憐、遊び、退屈、…。すべてはただ「悲しみ」へと収斂していく。

    0
    投稿日: 2020.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    《桜の森の満開の下》 美というものに初めて触れ、その不思議さ神秘さが詳細に描かれていること(221-223ページ) 美じゃん…となった 美の定義これかもしれない 《夜長姫と耳男》

    1
    投稿日: 2019.11.23
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    すべての短編に女性が登場します。 耽美的な短編集です。耽美、というと谷崎潤一郎が真っ先に思いつくかもしれませんが、谷崎とは少し違う方向で、一線を画している感があります。 しかし、女性の美しさを描く言葉の端々に、作者の女性に対する一種の崇拝のようなものを感じ、そこは谷崎作品と通ずるところがあるのではないでしょうか。 谷崎好きなら、ぜひ。

    2
    投稿日: 2018.11.29
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    坂口安吾は初めてちゃんと読んだ。 どの作品もそれぞれ心に小さな石のようなものや、温かいものや、鮮烈で繊細なものを残していった。 今まで縁がなかったので読んでこなかったが、じわじわと好きになりそうだ。 「桜の森」の最後は美しい。

    1
    投稿日: 2018.11.07
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    『不良少年とキリスト』で坂口安吾を初めて読んでひきこまれ、胸にくるものがあったので他のも読んでみたいと思って堕落論などの〇〇論を読んだけどどうにもとっつきにくく…。 こういった小説だったらどうだろうと思いこの本を読んでみたら、こっちはどの話も好きだったしとても読みやすかった。 戦争と男女関係の話が多いので結構辛い場面もあるけど、なんだか綺麗に感じる。 出てくる女の人たちはみんな違った魅力があって好き。 彼女たちは残酷になればなるほど澄んだ美しさがある気がする。 『桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』に出てくる二人の女性は特に残酷だけど、無邪気で気高い美しさもあってすごく惹かれるものがある。 この二作はこの短篇集の中で特に好き。 夜長姫の最後の言葉はとても頭と心に残る。 『アンゴウ』は一番爽やかな切なさがあって誰にでも勧められそう。

    1
    投稿日: 2017.11.07
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    男と女。退屈、悲しみ。狂気。行きつく先を探しても、見つからないけれどそれでも生きる。安吾の魅力満載の短編集。

    0
    投稿日: 2017.09.06
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    ほぼほぼ初めての坂口安吾。目的は「桜の森の満開の下」。 これといって文体が好きなわけではないのと、戦争下を扱った作品が多く入ってたのもあってそこまで好きな作家ではないと思ったけど、「夜長姫と耳男」の最後のセリフなんかはグッときたしこれが無頼派か…とちょっと思った。なお、以下引用 「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノが素晴らしいのもそのためなのよ。らいつも天井に蛇を吊るして、いま私を殺したように立派な仕事をして」 p401 なんていうか、表題の作品二つももそうだし「夜長姫と耳男」もそうだけと、谷崎さんに通じる女性観を感じるかな…とおもったなど。 アンゴウはこれは探偵小説みたいな理解でいいのかな…?一番よくわからなかった。

    0
    投稿日: 2017.04.14
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    中学生の息子達が、『文スト』にハマり、太宰治が、坂口安吾が、と話していたので、そういえば母は安吾さんは読んでない、とこちらを手に取りました。 図書館で借りたのですが、何度か延長しました…。 サラサラ読み飛ばせない。短編なのに、何、この重さ。疲労。 夜長姫、こわい。 いろんな女、ほぼこわい。 中学生や高校生の頃は、いわゆる文豪と呼ばれる方々の小説も読んでいたのに。大人になってからは、読みやすい現代小説とかばかり読んでいました。すみません、読書をサボっていました。いえ、いっぱい本は読んでたんですけど。 なんだか恥ずかしい。 共感できるとか理解できるとか、そんなことは考えもしない世界。 国語の教科書で、中島敦の『山月記』に出会ったあの時のような、おおおおお、という気持ち。 中島敦も中原中也も太宰治も、そういえば、読後は疲労した気が…。 異能などはなくても、文豪さすが、なのですね。

    1
    投稿日: 2017.01.24
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    様々な「女」をめぐる物語。 「恋をしに行く」は、純粋ながら人間らしい、この話自体に恋をしてしまうようだった。 「続戦争と一人の女」は、女の孤独と愛情に共感さえ覚えてしまうほど、胸が苦しく愛を感じた。 「傲慢な眼」は、不器用さと甘酸っぱさがとても愛くるしい。 「アンゴウ」は、どんでん返しの結末に、胸が熱くならずにはいられなかった。 私はこの4つの物語に特に惹かれたが、きっと女性のタイプと同じように、好みは分かれるであろう。 「女とは?」という問いかけにも似た、多面性を見せる「女」たち。 皆それぞれ魅力があり、とても引き込まれる短編小説集でした。

    1
    投稿日: 2015.12.27
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    坂口安吾が1931年に発表した"風博士"から1952年に発表した"夜長姫と耳男"まで代表的な短編14篇を集めた短篇集です。これ1冊で安吾の世界を堪能できる素晴らしい内容です。2015年3月10日に東京大空襲から70年が経過したり、そろそろ桜が咲く時期になったりと、ここに収められている作品に縁の多い時期になったので読みました。個人的に好きな作品は、"桜の森の満開の下"と"夜長姫と耳男"のような幻想文学です。ちょっと血なまぐさいですが、何度読んでも、ここに描かれている妖しい雰囲気に魅了されてしまいます。

    0
    投稿日: 2015.03.15
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    女にまつわる作品が数多く載せられている。爽やかな作品もあれば、幻想的かつグロテスクな作品もある。いづれを読んでも、その作品世界の奥行きに感動させられるものばかりである。

    0
    投稿日: 2015.01.12
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    主人公や出てくる女性は皆それぞれに孤独だけれど、それはどうしようもないのだと退屈しているけれど、それでも恋をする、虚しさが愛おしいと思います。激しい恋の物語なのに、どこまでも孤独。「桜の森の満開の下」は最後のシーンがとても綺麗でした。愛おしいのは「恋をしに行く」の信子、素敵なのは「青鬼の褌を洗う女」のサチ子、悪魔的なのは「夜長姫と耳男」の夜長姫、共感しやすいのは「戦争と一人の女」の女。

    0
    投稿日: 2015.01.03
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    「恋をしに行く」を読んだあと、 何とも言えない放心状態に陥った。 世界観?雰囲気? そういう抽象的な表現しか思いつけないのだけど、 凄く自分にぴったりときた素敵な作品でした。 もちろん表題作も素晴らしい。 ぜんぶおすすめ。

    1
    投稿日: 2014.05.29
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    坂口安吾の作品のなかで、特に女性というものに焦点を当てて集めたと思われる作品群。 戦争と一人の女、続戦争と一人の女、青鬼の褌を洗う女は坂口安吾の描く理想の娼婦像のようなものを描いている。遊ばずにはいられない女。 貞操を尊ぶから変に処女が尊ぶられるのだといったことや、そもそも性愛を汚いように思うからいけないのだといったことを振り払うような女を中心として描く。非常によかった。

    0
    投稿日: 2014.02.03
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    2012.4.10 推薦者:くらら(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-109.html)

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    投稿日: 2014.01.04
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    青鬼の褌を洗う女が、大好き。 こんな淡々とけだるくて色っぽい女になりたい! 「私は男に肩を抱かれたり、手を握られたりしても、別にふりほどこうともしないのだ。面倒なのだ。それぐらいのこと、そんなことをしてみたいなら、勝手にしてみるがいいじゃないか。」 「返事の代わりに笑うのだ。」 わたしはすぐ、嫌だといったり、照れたり焦ったり、笑ったりするから、こんなふうに人を惑わす女の人にすごく憧れる。男の人といっしょにいると、この話の一文を思い出すくらい。 ラスト3ページが死ぬほど大好き!

    0
    投稿日: 2013.12.30
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    坂口安吾作。 不思議な世界観。何が起こっているのかよくわからないラストなのに、引き込まれて何故か切なくなった。読み終わった直後に解説をあさらずにはいられなかった作品。他の短編を読んでいないので読もうと思う。

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    投稿日: 2013.11.28
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    「青鬼の褌を洗う女」は好きになれない。無気力なくせに金はかかるし表面上の愛嬌はしっかり持ち合わせて男に媚びる女。世渡り上手で男受けは良さそうだけど、私は友達にはなれそうにない。 「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」が凄い。女が怖くなる。私も女だけど。更にこの女達はこの本に収録されている話の中でずば抜けて美しい。というのはあくまで私個人のイメージだが、二人共人外のような描写がされているからか。これほどの狂気も突き詰めれば美へと昇華されるのか。恐ろしい。

    0
    投稿日: 2013.09.16
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    桜の森の満開の下、白痴、夜長姫と耳男は自分のベース。本当に美しいものは恐ろしいもの。情愛と狂気と恐怖と信仰は共存する。 「好きなモノは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」

    0
    投稿日: 2013.09.03
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    表題作と「夜長姫と耳男」がお気に入り。 他の12編もいい。手元において何度でも読もうと決めた。タブレットにも入れてあるけど、やっぱり「紙の本」がいい。 美しく高貴で可憐で無邪気、そして我がままで残虐な狂気の夜長姫。 最強のヒロインだ。

    0
    投稿日: 2013.07.25
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     坂口安吾の短編集、中身が濃い。収録作品は下記のとおり。 風博士/傲慢な眼/姦淫に寄す/不可解な失恋に就て/南風譜/白痴/女体/恋をしに行く/戦争と一人の女〔無削除版〕/続戦争と一人の女/桜の森の満開の下/青鬼の褌を洗う女/アンゴウ/夜長姫と耳男  淫蕩、可憐、遊び、退屈、肉欲、死、エロス・・・演劇作の鑑賞したことがある作品も多数収録されており、読みごたえがあります。

    0
    投稿日: 2013.06.05
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    全14編のうち既読6編、今回初めて読んだのが8編。 「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」「アンゴウ」の3編(いずれも既読)が 入った1冊はないかと探したら、この本が見つかったので購入。 テーマは戦争と恋愛に傾いている印象。 もっとも、執筆・発表年代を考えたら戦争が取り扱われているのは当然だし、 明日にも焼け出されるかもしれないといった危機感の中で男女が愛欲に溺れる、 というのも、まあそうか、そういうものかな――と、呟きながら、 バタイユ『青空』を思い浮かべたが、ともかくも、 極限状況の中で男より女の方が肝が据わっているというのは、 リアリティがあって頷ける(笑) 久しぶりで特に楽しみにしていたのが推理掌編「アンゴウ」。 タイトルは暗号、暗合、そして作者の名「安吾」のトリプル・ミーニング。 主人公の疑問・疑惑が氷解した瞬間、こちらの涙腺も緩んでジーンと来てしまう。 青空文庫にも入っている、ごく短い小説で、未読の方にもお勧めしやすい佳品。

    4
    投稿日: 2013.03.29
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    実は、近藤ようこさんが漫画化したことを知り、漫画を読む前に原作を読んで先入観なしに漫画を読みたいという思惑で読んだ本。したがって、特に坂口安吾のファンというわけではなく、これが初めての坂口文学体験であった。(先入観なしに漫画を読みたいという意味は、漫画はビジュアルなものなので、小説よりも情報量が多い。したがって、文字だけの情報で自分の脳内変換したものとどのくらい違うか楽しみたいのだ。って、私何様?) 近藤ようこさんが漫画化したのは「戦争と一人の女」の一編(もしかして続編も含めているかも。あと何かほかの短編も組み合わせているかも)で、これだけは先にkindle paperwhiteで読了していた。ただし、GHQに割愛されたものらしいので、完全ではないとのこと。 それで、どうせならとこの短編集を読む。どうせなら全短編を読む。短編集というのは、個々の独立した小編でありながら全体的に物語を奏でるような連帯感をもつものなのだ。 戦争と一人の女を読み始めてすぐに思い浮かべたお話がある。「肉体の門」である。なにゆえか。それは自分の中でふつふつと疑問が湧いてきたから。「あの~、主婦ってそんなに肉体的に満足をいただいているものなんですか~?」というあまり大きな声では聞けないようなことで恐縮です。 「肉体の門」の中で、元主婦だった売春婦をみなで仲間はずれにするような描写があって…わっ、時間切れ。昼休みが終わる…

    0
    投稿日: 2013.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『風博士』 遺言を残し自殺した風博士。死体のない自殺にライバルである蛸博士の名誉を傷つけることが目的と言われ・・・。助手による反論。 『傲慢な眼』 田舎にやってきた県知事の娘。皆が彼女を賞賛する中ただ一人彼女を傲慢な眼で見つめる一人の学生。彼のモデルとして会話を始める娘との関係。 『姦淫に寄す』 自殺した隣人の部屋に引っ越した村山玄二郎。彼が参加する日曜の教会で彼に恋をした女・氷川澄江。彼女との付き合い。彼女が所有する別荘で一夜。2人の関係の変化。 『白痴』 戦争中深夜に帰宅した伊沢の家に入り込んだ白痴の女。家人いじめられ逃げ込んだと思った伊沢。2人の関係。東京大空襲の夜の彼らの逃亡。

    0
    投稿日: 2013.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小さい頃は、柳の木の下が恐ろしかったっけ… 読了後、真っ先に浮かんだ己のしょっぱい感性に軽い絶望を覚えつつも、 上手く言えないけれどもう少し掘り下げてみたくなるような、 良い意味での引っかかりをホロホロと感じたのでした。 初・坂口安吾でしたが、 安吾さん、なんだか気になる人だな。

    0
    投稿日: 2013.01.15
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    安吾の作品について何か書こうとすると、いつも自制が効かなくなりそうで、怖くなる。 なので、これも感想を書かないことにする。 ……というのも淋しいので、「青鬼の褌を洗う女」だけ。 私がこの話を読んだのは随分前のことで、その時の感想は正直言って「ヨクワカラナイ?」であった。 しかし、今回このお話を読んで、私はこのヒロインを骨の髄まで抱きしめたくなった。彼女のことが、とても可愛くて、しょうがなくなったのである。 彼女は言う。すべてが、なんて退屈だろう、と。しかし、なぜ、こんなに、なつかしいのだろう、と。 淋しさを嫌って孤独を抱きしめ、理屈を嫌って退屈に媚びる。どうして彼女のそんな生き方を、愛しいと思うのだろうか? 私は彼女の生き方に、どこかで憧れているのだろうか? それとも、私のどこかほんの一部、握りしめればつぶれそうなほんの僅かな部分が、そうやって生きてきたのだろうか?  まさか!

    4
    投稿日: 2013.01.03
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    文章から滲み出る妖艶さが素敵過ぎる。ドロドロとしていて切ないラストなのに、儚く美しい清らかな物語に感じる。いつまでも好きです。

    0
    投稿日: 2012.08.11
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    ぱっと美しく咲いて、あっという間に散るその潔さが 日本人にも好まれる桜の花。 あたたかくなると桜が咲き始め、 満開の桜並木や公園でお花見をしたくなりますが、 美しい桜の花には要注意です。 この小説の作者は『白痴』などでよく知られた坂口安吾さん。 『昔、鈴鹿峠の満開の桜の下を通ると、旅人はみな気が変になる』と書き、 物語はそこから始まります。 恐ろしいほど美しい桜の魔力に見せられた男性が、 拾ってきた美しい女の言うがままに、 次々と殺人を犯し略奪を繰り返します。 満開の桜の森の下に怖くて行けないことが、 この作品のなかでのキーポイントですが、 よく考えてみると、本当に美しく咲き誇っている桜ってなんだか怖い。 この世のものとは思えないからでしょうか。 そこに人の力ではどうしようもない大自然の力を感じるからでしょうか。 小説の中ではその謎は解かれていません。 主人公の男性の桜にたいする 哀しいまでの執着と狂気があるのみ、なのです。 それがかえって人間の弱い心理を深くえぐりだし、 しらっと咲き続ける桜の森のものすごい美しさを連想させます。 お花見で浮かれてドンチャン騒ぎをするのは、 江戸時代以降のことで、それまでは、 満開の桜は気が変になるといわれ、人々は避けていたそうです。 坂口安吾さんは鬱病的精神状態から薬を常用しながらも このような作品を次々と書かれていました。 幻覚や幻聴もあったといいますから、 この作品の「狂気」はそのまま作者の狂気だったのかも。 私もそれに近いものを美しい桜に感じています。 「はかない美しさ」だとも思っているのです。 怖いのだけれど毎年桜は見たくなるから不思議です。 それにしてもこの小説のタイトル、優雅に思えて読みたくなります。 これも・・・桜の魔力、なのでしょうか。 お花見の前にぜひ読んでみてほしい一冊です。

    0
    投稿日: 2012.03.08
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    『私は自分で好きなものを買うより、プレゼントとして押し付けて欲しい。』ってのはとてもよくわかる。おれ男だけど......

    0
    投稿日: 2012.02.13
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    徹底したニヒリズム その背後にちらつくのは敗戦直後の荒廃した日本社会 さぞ気持ちいいだろうに。 当時の日本人の反応は?そこが知りたい。 2009/02/28

    0
    投稿日: 2012.01.29
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    *青空文庫 「桜の森の満開の下」 男女の関係ってなんでもありだなってのと、桜の描写の美しさが秀逸。 これも美と狂気の抱き合わせだな、この組み合わせの相乗効果は間違いない。

    2
    投稿日: 2011.12.26
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    初・坂口安吾。 すごくすき! とくに、「青鬼の褌を洗う女」「夜長姫と耳男」が印象に残った。 「青鬼〜」は主人公サチ子にものすごく共感した。思っていたことそのままだった。 「夜長姫〜」は夜長姫があまりにヤンデレすぎてグロ描写に気持ち悪くなった。でもものすごい強烈でよかった。こんなに怖いヒロインは今まで見たことない。

    0
    投稿日: 2011.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    傑作。殿堂入り。私にとってのマスターピース! 「思想としての3.11」という本の中で佐々木中氏が今作の作者、坂口安吾の「堕落論」について述べていてそこから興味を持ち、何の気なしに読み始めた。 そしてそれが大当たり。 今まで生きてきて一番の大当たりだと思う。 表現といい、文体といい、話といい全てがツボ。 こんな本を読みたかった。 今作は坂口安吾の短編中編集で、その話の全てがつまるところ男女にかかわるもの。 そして一人称でつづられているのが大きな特徴。 会話も少なく、主人公がどのような思考をして性格をしているか、言いようだけど自己紹介かと思う文章。 執筆された時代もあるのか話の舞台は戦時中多め。ファンタジーもある。 最初はファンタジー物の「風博士」で始まる。 この話がユーモアに富んでるというか、すっごい好み。 知っている範囲でいうと、詩人・ラッパーの小林大吾の生み出す世界観を彷彿とした。 自殺した風博士の愛弟子の語りから始まり、博士の遺書が読まれる。 その遺書の内容は「蛸博士は実はハゲなんだぜ」という非常にくだらないもので、とても堪らない。 風と蛸というは単なる名前でなく、事実風博士は人あらざる方法でこの世を去るのだけどこれもイイ! ※愉快な短編はこれだけ。 一つ一つが取り上げるときりがないけど、外れが無かったことは確か。 一見小難しいように見えるがとてもわかりやすい。 笑える話しか取り上げていないけど、ほとんどが苦悩に満ちてる。 「坂口安吾が好きです」とこれから言っていこうかと思うのだけれど「堕落論」「続堕落論」を読まないと坂口安吾を語ってはいけない、みたいな空気を感じる。 そしてその二冊から大ボスの風格が漂っているのでどうしようか迷っている。

    0
    投稿日: 2011.11.29
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    桜の森の満開の下 青空文庫の電子書籍で読了。 坂口安吾が1947年に発表した短編小説。山賊が魅入られて手に入れた女に振り回されていく様を描く。 比較的受け入れ難い残虐なシーンも淡々と描かれている。そのせいかこの作品の主題が読み解く事が出来なかった。ただネットで調べると下記の解釈が自分には1番しっくりきたかも。 http://homepage3.nifty.com/u2kobo/koboworks/sakura05.htm 「絶対の孤独」「徹底した他者性」に気づくまでの物語が、ある意味救いのない中で結末で描かれていると考えると納得がいった。 ちなみに森見登美彦がこの作品をカバーして、現代版にアレンジしているが、そちらの方が圧倒的に感情移入しやすいだろうとは思う。

    1
    投稿日: 2011.10.25
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    初めて読んだ坂口安吾の本、「堕落論」で戦後無頼派の作家として有名だったらしい。 戦時中、空襲で東京が焼け野原になるが男と女は 戦争が終わるまで、日本が負けたら男は奴隷になり女はアメリカ人の妾にならねばならないのだから それまで夫婦でいようと一緒になる。 なんとこの時代の女性は強いことか。

    0
    投稿日: 2011.09.16
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    彼の男女関係を覆う世界観はとても切なく流麗な物に思う。 孤独と退屈、宿命。そうした悲痛な感情を恋愛と成す。 感情や関係、環境や過去と価値観。あらゆる形の有たない物が、附随されただけの玩具だと形容は沁々と心を染めてゆく。 戦争という恐怖や死、巨大な破滅を与える事。未来を実際以上に絶望と見せる物を巧みに駆使された『戦争と一人の女』は傑作だった。 不可思議を不可思議の儘に留める『姦淫に寄す』や『不可解な失恋に就て』も、それなりの魅惑があった。 『桜の森の満開の下』は、ただ情景の余りの美しさ。一つ一つの描写に於ける色彩の華やかさには見惚れるものがあった。 『白痴』では、意外な題材の活かし方にはじめは面白さを見出だせそうには無かったが、空虚と苛立ち、もどかしさ故の“愛”というには覚束ず、それでいてもっと重い感情が産まれたのだと思うとただ感嘆した。 最後の締めには何とも云えない憐れみにも似た美しい閃光が見えた気がした。 どの噺にも、男女の現実的で幻想的な、醜悪で神秘的な心描写があり、様々に魅せられた。 静かな言葉の遣り取りさえもしんみりと美しく、素晴らしいと思った。

    1
    投稿日: 2011.08.14
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    身を削るように作品を書き綴った・・・大好きな作家~坂口安吾さんの短編集。 狂気で美しい、血生臭いようで寓話のような~表題の"桜の森の満開の下"が大好きな作品のひとつです。

    0
    投稿日: 2011.08.13
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    麻生みこと「BELL」で、「桜の森の満開の下」からの引用があって、気になったので読んでみた。 静かに壮絶な美しさへの恐怖と狂気。

    0
    投稿日: 2011.08.04
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    講談社さんより安価なのが少し嬉しかったり。 表題作も、夜長姫も入っていて嬉しいのなんのって…! 感想はまたのちほど。

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    投稿日: 2011.07.11
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    やっぱり坂口安吾は朗らかに笑える。特に夜長姫と耳男。美しくて最高。読後感の健やかさといったら!錆付いていない刃物。

    0
    投稿日: 2011.07.01
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    桜の森の満開の下;1947年(昭和22年)。 満開の桜が恐ろしいのは美しすぎるせいではあるまい。美を所有せんとする執着が怖いのだ。代償を厭わなくなる狂気が怖いのだ。結局は、人の心が怖いのだ。麻薬のような女と出会った男の運命は…。addictiveでtoxicな男と女の関係を説話の形を借りて描いた短編。

    10
    投稿日: 2011.04.26
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    『桜の森の満開の下』は誰もが美しいと表現する満開の桜を世にも恐ろしいものとして表現する巧みさ。山賊の孤高と孤独。物欲の狂気。 『白痴』は白痴である隣人の妻との交流で、絶望と純真と欲望と虚無が見える。 読みづらい文面ではあるのですが、50年以上前に書かれているとは思えないほど今にも深く通じるものがあります。 時代は変わっても人は変わらないということですかね。 自分たちは今を生きているのではなく、すべての人類の辿った何万年を共に生きているのだと感じられます。

    0
    投稿日: 2011.04.17
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    [表題作について]  花見や賑やかなもの。私は満開が過ぎ緑の葉が目立ちつつ若干花びらが残っているくらいの桜が好きだが、満開の下での花見もまた楽しい。だが、逆に普段人で混雑しているはずの場所がしんとしているのは、まるで人が忽然と姿を消してしまったかのような恐ろしさがある。そして、自分も突然パッと消えてしまうのではないか・・・この小説のラストを読んだ時は、暖かな電車内にも関わらず鳥肌が立ってしまったのを覚えている。  主人公の山賊は、多くの女房を持ち女と都で生活さえしているが、どこか孤独な感じがする。女房たちとの暮らしについては描写も無く何とも言えないが、女との生活では、女の行動にいつも疑問を抱いている。一緒にいるのに、さびしさを感じる・・・おそらく、山賊はその女と心で繋がることはできないと感じていたのだろう。可愛いとは思っていたし、女が死んであんなにも泣いたのだから、好意は持っていたのだろうけど。  孤独を感じるときというのは、いくつかのパターンがあると思う。一つ目は、単純にまわりに人がいなくなったとき。二つ目は、人ごみの中などでも、精神的な拠り所が無いと感じた時。三つ目は、親しい人や大切な人と分かりあえないのだと感じた時。前二者はよく孤独とは何かということを考える際挙げられるが、個人的には3つ目が一番ダメージが大きい気がする。  女を鬼と間違い、絞殺し、彼は孤独(桜の森の満開の下の秘密の正体が恐怖なのだとすれば、だけど)という感情に気が付いたのではないだろうか?一目惚れして散々愛した女でさえも、山賊の眼には最終的には決して分かつことのできない鬼にしか映らなかった・・・  その孤独な男が最後に消えてしまうのが、また恐ろしい。インターネット上で、「死にたい」という言葉以上に「誰からの記憶からも消え去りたい」「自分が存在したことをなかったことにしたい」という書き込みを見かけることがある。山賊が消えた時、周囲に見ている人もおらず、都に残った召使を除けば、彼はその存在自体が忘れさられてしまうことになる。彼の消滅は、孤独な人間の末路にも見える。あるいは孤独な人間の願いと見ることもできるかもしれない。  どちらにせよ怖いけれど、この消滅をあんなにも美しく読ませてくれる作者はすごいなぁと思う。でも、こんな悲しい話は小説の中だけでたくさんだ。

    0
    投稿日: 2011.01.16
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    表題作の幻想的で残酷なところがイイ一方、この本の中では「アンゴウ」が一番好き。安吾らしさがあるなかでホロリと来てしまうところがいい。戦争をベースに退廃的に快楽主義で生きていくひとを描く作品が多い中で、これだけはせつない。表題作を読むならついででいいから読んでみてほしいと友人に勧めまくってしまった作品。

    0
    投稿日: 2011.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「桜の森の満開の下」が読みたくて購入。 普段、まったく男女のお話を読まないので、これがむしろ初めて読んだ男女の小説でした。 どれを読んでも同じ苦悩がつきまとっている。ほぼ書かれた年代順に並べられていたので、その通りに読んだのだが、後半になってくるとそれに何らかの答えが出たような感じがした。 これらの中で最も形が違った「アンゴウ」の最後に驚愕。そして涙、涙。

    0
    投稿日: 2010.12.25
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    浦野所有 →10/12/04 稲葉さんレンタル →11/07/30返却 →11/07/30 國近さんレンタル →11/09/10返却 「桜の森の満開の下」は、これまで読んだ短編小説のなかで最大のヒットでした。 また、同じ男女関係をそれぞれの視点で描いた「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」もおもしろかったです。 が、そのほかの作品には、残念なものが多いと感じました。安吾の持論がくどくどと述べ立てられ、途中で退屈してしまうのです。有名な「白痴」でも、作品世界を味わうことができませんでした。 そんなわけで、この本に収められている14編すべては読了していないのですが、「桜の森の満開の下」だけは間違いなくオススメできます。 この1作のためだけに、分厚い800円の文庫を買う価値はあります! (★×5の評価もこの1作に限ったものです)

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    投稿日: 2010.11.18
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    桜の森の満開の下は怖ろしい。妖しいばかりに美しい残酷な女は掻き消えて花びらとなり、冷たい虚空がはりつめているばかり―。女性とは何者か。肉体と魂。男と女。安吾にとってそれを問い続けることは自分を凝視することに他ならなかった。淫蕩、可憐、遊び、退屈、…。すべてはただ「悲しみ」へと収斂していく。

    0
    投稿日: 2010.09.04
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    「傲慢な眼」を読みたくて。 大昔読んだ「風博士」が記憶とまるで違う話でびびったので二度目でも全部読もう。

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    投稿日: 2010.08.29
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    耳男の話が好き。と言うか、主に本の後半に載せられてた話が好き。前半は何か御託が多い気がする(笑)でも、その御託を楽しめないのは私がまだ子供だからかもしれない。

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    投稿日: 2010.07.17
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    なぜか読んだことがなかった、坂口安吾。 直前に再読した太宰治(いろいろ映画になったから。安易…)と、同時代なことに今さら気がついたりしました。 美しく、恐ろしい。説明は要らない。

    0
    投稿日: 2010.03.22
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    ◆桜の森の満開の下 ★4 桜の満開の下で狂ってしまう人… 桜は人を食べて生きていると昔教えられたなァ。

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    投稿日: 2009.10.03
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    桜は綺麗だけど怖いなあと常々思っています。 その原因がこれ。 最後の瞬間まで美しく描写されてるから、かえって恐ろしい。

    0
    投稿日: 2009.04.03
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    坂口安吾の代表作が収録された短編集。 『堕落論』以外で初めて読んだ坂口安吾の作品。 怖くて綺麗で気持ち悪くて面白い!!

    0
    投稿日: 2009.02.19
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    高校時代に読んだ安吾の作品を読み返してみた。 読み返してみて、高校時代は分かったつもりになっていただけで、全然読めていなかったのではないかという気がした。(今が読めているかというと、微妙だが。) 安吾の作品の主人公たちは、どこかブラックで、生身の人間の感情の渦巻きがある。 まさに「生きている」という感じで、それが戦争の暗い影の中で、一種の諦めと共に描かれているような気がした。

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    投稿日: 2008.12.14
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    完全に岩波さんにやりおられましたね いいあつめかたをなさっておられる 最後が夜長姫ってとこもね、すてきね 「でも、遊びは、好き。贋の恋なら、尚、好き。なぜなら、別れが悲しくないから。私は犬が好きだけど飼わないのよ。なぜなら、犬は死ぬから。すると、悲しい思いをしなければならないからよ。私は悲しい思いが、何より嫌いなのですもの。私が悲しむことも、いや。人が悲しむことも、いやよ。私は半日遊んで暮らしたい。半日はお仕事するのよ。私はお仕事も好き。何か忘れていられるから。遊ぶことすらも、忘れていられるからなのよ」 退屈。なにもかもが。だからこそ、いつも楽しんでいたい。 「そんなことじゃアないのよ。私は生きてることは好きよ。面白そうじゃないの。また、なにか、思いがけないようなことが始まりそうだから。私は、ただ、こんなことがイヤなのよ」 「こんなことって?」 「こんなことよ」 「だから」 「しめっぽいじゃないの。ない方が清潔じゃないの。息苦しいじゃないの。なぜ、あるの。なければならないの。なくて、すまないことなの?」

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    投稿日: 2008.10.25