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終点のあの子
終点のあの子
柚木麻子/文藝春秋
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総合評価

249件)
3.9
45
111
66
3
0
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    女の子の生々しさがよかった。 どうしても周りの目を切り離せなかったり、自分が誰かと不釣り合いだと思ったり、毎日考えてることも文字にするとこんなに醜く見えてしまうものなのか。

    0
    投稿日: 2026.01.18
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    『BUTTER』をきっかけに、柚木麻子さんの他の作品も読んでみたいなと思って、デビュー作を手に取りました。 なるほど、柚木さんはデビュー時から「女の友情」をテーマに書いてたんだなということがよくわかりました。 本作は世田谷区のお嬢様中高一貫女子校を舞台に、女同士の友情やクラス内のグループヒエラルキーを生々しく描いている。どの話でも、いつもと違うグループの人に興味を持った女の子が出てくる。どの話もとてもリアルで、心情描写が素晴らしくて、自分の中高時代を思い出すような気持ちになった。 クラスのボスキャラの恭子さんが、オタクグループの保田と夏休みを過ごす話が特に好き。学期明けも2人の関係が続いてほしかったけど、なかなかそうもいかないんですよね… 立花希代子が、クラスからの糾弾を逃れるために奥沢朱里の真似をして江ノ島に行ったけど、一人で海に行ってもつまらなかったと言っていた。奥沢朱里は広島で杉ちゃんを置いて行こうとした時、「一人で海なんか行っとって、楽しいわけないじゃろう!」と杉ちゃんに言われて胸がずきりとしていた。きっと高校生の朱里も、学校をサボって江ノ島に行ってもつまらなかったんだろうなって思った。

    13
    投稿日: 2025.12.21
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    連作短編。お嬢様が通う前提の学校だからバイトをしてはいけないらしいけれど、実際は富裕層ばかりでもなさそうで心配になった。 働いて褒められるどころか停学になる世界の話。 バイトをした生徒を指しての先生の言葉もお嬢様学校の戯言感がある。

    3
    投稿日: 2025.11.30
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    映画公開前に無事読了。 各々の独白が生々しかった。 予告CMのイメージで希代子主人公のつもりで読んでたけど全然違った、映画はどこまで映像化するのか楽しみ。

    0
    投稿日: 2025.11.24
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    本当にいる人をみているような、だから柚木さんの小説は面白い! ひと続きになった物語が好きで、短編集はなかなか読まないけど、これは色々と繋がってるところもあったし、全部が独立した物語じゃないから読めた。 朱里の、人を見下していて、かつ咄嗟に人を貶めるようなことをしたくなってしまう人…本当にこういう人はいる。その描写がリアル過ぎる。なんなら全員めちゃくちゃリアル。 恭子のような他人からの目を常に異常に気にする、なのに優先席には気にせず座れる、みたいな人もきっと現実にいる。 全部が全部、ハッピーエンドじゃないのも逆に新鮮でいいというか、夢物語すぎなくていい。

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    同じクラスのグループが違う4人の子が主人公になった物語。柚木さんの小説はとびきり美人だとか、ブスとか女の子だとけっこう避けて通れないカースト的なものを上手く事実の感覚として書いている。言葉にはしないけど、持っていた10代の感覚。 個人的には、クラス1番の美人の恭子が、地元で地味なオタクの保田と出会ったひと夏のストーリーは良かった。恭子の揺れ動く感情には共感出来たし、楽しめた。最後のストーリーで、1話目では、自由奔放だった朱里の物語も、良かった。 ドロドロして嫌とかでなく、どの子も自分プライドで精一杯生きていて可愛いなと思えて、こうやって成長してきたんだなって、胸が熱くなる作品です。

    2
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    柚木さんファンだがデビュー作を読んでいなかったので映画化の噂を聞いて。 やりすぎだけど希代子の気持ちもわかるとこあるし、朱里みたいに「普通じゃない」感じを出してる子もいるよなと思う。 最後の章を読んで、そんな朱里に説教してくれる恋人も、そばにいてくれる親友もすごいと思う。大学まで行って周りも大人になって他を許したり、気にならなくなったりしないと無理かもなぁ。

    2
    投稿日: 2025.10.06
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    映画化されるとの事で気になり購入。 女子のこの頃のリアルな心情とか行動とかが分かりやすく書かれていて、細かい部分の情景などが文字で分かりやすく表現されてて、イメージしやすかったです。 学生の頃の、自分には持っていないものを持っている人への強い憧れ、憧れからの嫉妬心、この変化する気持ちの動きとか、キラキラ見えていたものが突然なにをみてたんだ?ってなる瞬間。 移り変わりゆく気持ちの中での友達関係の変化。 嫌な学生時代のリアルを表現されてるけど、嫌だなぁって感じだけで終わらなかったです。 わたしは恭子さんのお話が好きでした。

    1
    投稿日: 2025.09.22
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    はじめはおもしろいけど、そこまで掴まれたわけではなかった。登場人物一人一人がフォーカスされていくたびに、なんだこのクラスのあの子の話しかみたいな感覚になっていく。それがほんとにうまい。そして教室では関わらないあの子とあの子という掛け合わせがまたよくて。クラスに戻るとやっぱり同じ世界で仲良くするということにはならないのが、友情がちゃんと芽生えただけにとても切なく、とてもリアルだった。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    すっごく生々しい。人間の嫌な部分が書かれている。 学生だからの感情だったり、無自覚で人を傷つけていたり、取り返しがつかないことだったり、無意識にいらいらしたり。 4話お話があり、あーこの感情わかるなって必ず共感できる部分があると思う。 ただ、4話すべてスッキリすることはなくずっと重いまま終わっていくから苦手な人はやめたほうがいいかも。

    0
    投稿日: 2025.09.06
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    2025.08.23 「青春小説」とあらすじに書いてある小説、学園モノと謳われる小説は普段絶対に選ばないほど苦手なジャンルだけど、柚木さんの小説は気になって買ってみた。 結果、めちゃくちゃのめり込んで一気読みしてしまった。これがデビュー作なんて信じられない。 この高校時代、いや、10代の人間関係や心理描写がリアルすぎて自分の学生時代のことをまざまざと思い出し、唸ってしまった。 どの主人公にも共感できる点があって、柚木さんの女子への観察眼がすごいなと思いました。 普段から人間観察をしまくってて、それをネタノートにメモして煮詰めつつ書いてるんだろうな。

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    学生時代のことを思い出し、胸が苦しくなりました(笑)。 それくらい当時の感情とリンクしていて、「もし学生時代にこの本に出会えていたら良かったのに」と思わずにはいられません。 友達への憧れや嫉妬、クラスの中で自分の役割を求めて空回りしてしまったことなど、懐かしい気持ちが次々とよみがえってきました。

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    高校生の時に出会いたかったー、、!30歳になった今でも凄く気持ちがわかる。どの子の気持ちも共感できる、、逆に周りも皆んな、あれこれ抱えて気持ちは同じなんだなって思える小説 •••••••••••••••••••••••• 星5:周りに全部読んで欲しい、4:一部or要約版を読んで欲しい、3:家には置いておきたい、2:読むのは一回でよい、1:時間が無駄だった •••••••••••••••••••••••••

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    端末の瀧井朝世さんの解説には、高校1年生というのは自意識が強まる年頃とある。自分がオンリー・ワンだと見せたいのに、似た境遇の同年齢の子ばかりの社会で、同調圧力にさらされる。お弁当をどこでどんな人たちと食べるかが、その社会での立ち位置を決める。折り合いをつけきれずに葛藤や苛立ちや痛みと隣り合わせの時期を通り過ぎて、 相手は自分とは違うこと前提で、そんなんでマウント取る!?とか、時々内心で思いながらも、いろんなタイプの人と程よい距離感でやっていく社交術を身につけて行くのか。そういう意味で、私は落第生で、今もって、屋上でパンをかじってるような人間関係を築いてしまったので、読み返して高校時代を追体験した方がよいかな。 最終章は、 この本のキーパーソン、お嬢様学校の静かな水面に投げ込まれた一石のような朱里のその後、美大での最終学年を描く。彼女は、自由奔放で独自の感性を持っていて、まさに「特別」に見えるけど、その輝きの幾分かは親の七光りでもある。もちろん、彼女のオリジナルのところもあるけど、芸術家として成功した父親からの薫陶やその人間関係から得たものなしに今の彼女はあり得ない。7年前とは違って、目を背けたいそんなものを自覚せざるを得ないのだけど、この物語は、説教臭いことは書かず、ただ、彼女の今の体験と今の思いをつづる。 総じて、主人公たちは、自分たちの物差しでの優劣には敏感に見えて、自分が持っているものに鈍感だったりする。夏休みにドバイやオーストラリアに行ったり、兄弟と同じ部屋なのが不満だったり、クラスメートが住んでいる場所とか沿線とかにさらっと触れられたりするけど、でも、あなたたち、みんなお嬢様だよと思わせてくれたりする。 周りからどう見られるかに人一倍敏感なのは、美人でリーダー格の恭子だろう。彼女が美人とされるのは、そのための技術の研究に熱心だからだろう。嫉妬や羨望で目がくらんでいる時の希代子だけど、恭子のセンスは自分をいかに素敵に見せるかから出てるけど、朱里のセンスの源泉は違うと感じるところが、妙に印象に残った。 その恭子が最終章の朱里と同じ年頃になって、本屋で、田辺聖子さんの本を見かけたら、何を感じるのかなどと思った。 単に、この本を読む直前に田辺聖子さんの「ジョゼと虎と魚たち」を読んでいたせいなのだが、女性がめったなことでは表に出さないけど心の奥底に持っているもの、隠すべきものかも知れないが決して忌むべきものではないものが、少し種類は違ってもこの作品にもあるような気がした。 一周回って、昔、少女だった女性への応援歌なのかも知れない。

    1
    投稿日: 2025.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんか、、具合悪くなった、、、 高校生、大学生、男、女、美女、醜女、、、 登場人物全員の傲慢さと、自分が特別だと思いたい気持ち、誰かを見下して安心する気持ち、そういうのがぎゅうっと凝縮されていて、読んでて具合悪くなって来た、、、 同じストーリーラインの話をそれぞれの登場人物目線で語る話が四篇入ってる。読みやすくてするする読めます、が。具合が悪くなります。あはは。 人それぞれの感情を描くのが上手すぎて、分かるなあ、がありすぎて、自分が恥ずかしくなったり過去を思い出してしんどくなったりします。 一話目の【フォーゲットミー、ノットブルー】 は親が有名人であるが故、自分は特別だと思い込んでいる朱里。と、高級住宅街に住んで何不自由なく暮らす、地味な希代子。ふたりは同じお嬢様高校に通っていて、朱里は周りには自由奔放でふわふわしているつかみどころのない子、と一目置かれています、が、それさえも朱里の中では計算されていたことで。彼女のもつ日記には学校の先生や生徒たちの悪口が普通に描きなぞらえていて。彼女に惹かれていた希代子は朱里のことを知っていくほど朱里に対して憎しみを抱くようになり、朱里が大好きなずなのに貶めるようになっていく。結局は朱里だって普通だったし、周りと比べていてそんな自分を自覚したくないから、周りとは違うふうに振舞って、自分みたいに出来ないみんなを見下して。ヒロインだねえ。でも分かっちゃうんだなぁそんな気持ちもさ。 次の【甘夏】は高校生のときに感じたような、背伸びした気持ちと、やっぱり自分は特別な存在で周りと比べて抜きん出たい、そんな気持ちがあって、微笑ましくもあり、それって成長過程だよね、と30代のわたくしは思いながら読みました。最後の最後、物語の最後に奈津子がたくさんのすっぱい甘夏を甘く砂糖で似てジャムにしよう、って思い立つところがとってもよかった。そうやって大人になってきたような、そんな気がするんだ!がんばれ奈津子〜背伸びせず比べず、比べていたとしてもそんな自分さえも理解して自分らしくのんびり生きていけますように。 3話目【ふたりでいるのに無言で読書】が1番好きでした。美しい話だった。そりゃ簡単に仲良くなって、地味なのと友達です〜なんて言える環境じゃないし、そういう性格してないもんね、恭子はさ。仕方ないよな〜高校生だしね〜と思いながらいつか大人になって、恭子と保田がまた、ふたりでいるのに無言で読書をするような関係でいられたらそれ以上の、しあわせってないな、って思いました。大人になったらそんなの関係ないよってこっそり教えたい。でも今はそれでいい。恭子と保田の心地いい物語だった。恭子好きだなー。なんにも知らないからなんでも知ることができるよね。それって素晴らしいことだよね。 最後の【オイスターベイビー】は正直もう朱里様にはうんざり。なんにも変わってない。大学生になっても朱里はそんなに変わってなくて、《特別》な友達や恋人を探していて、それが相変わらずだなあ、という印象しかない。結局みんな朱里から離れていく感じが見てて辛かったけど、まぁそうだよな、とも思えて。でも朱里も結局は薄々わかってるんだよね、パパが特別なだけで自分が何者でもないことを。それを知られたくないからあんなふうなんだろうな。ある意味可哀想だよね。朱里がこれからどうなっていくのか知りたいような知りたくないような。周りの目を気にせず幸せになってください。 4話とも全部面白かったけど具合悪くなります。この気持ちがわかる人はきっと多いんじゃないかな。朱里、希代子、奈津子、保田、恭子、それぞれ大人になった様子が知りたいな〜。人は結局変われないのかな、えらそうなこと言ってる私もそうなのかな。

    0
    投稿日: 2025.08.01
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    映画化決定とのことで読んでみました。 こういう、充分過ぎるほど恵まれているのにそれに全く気付かず、何かにつけて他人と比べて他人の目を気にしているようなお嬢様育ちの人達は、その後そこそこ楽に就職して適当に働いて、結婚して子供に恵まれても旦那の職業とか子供の進学とか自分の容姿とかで一生他人と比べて苦しんでそう。 無神経で自意識過剰なのはその年頃独特と言うよりは育ってきた環境によって出来上がったそれぞれのパーソナリティなんだと思う。 傍から見たらお気楽な人生だと思うけど当の本人たちには深刻な悩みなんだろう。 女子校に行ったことがないし、自分との共通点が無さすぎて解し難かったです。

    13
    投稿日: 2025.07.25
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    自分以外の女の子に抱く羨望や劣等感が痛いほどわかる。本当に純粋に憧れを持ったキラキラした感情とか、あの子よりも私の方が、とか、私だって、とか、そういう人にバレたくない黒い感情とか、全部全部行動に移すことはなくとも、どうしても自然と出てきてしまう。どんな女の子でも。 恭子さんと保田さんが仲良くしてる場面が好きすぎて、1人で感情爆発させながらにやにやして読んでた。 あと、「お中元でもらう、白い薄紙に包まれた桃みたい。」って表現が好きすぎる

    13
    投稿日: 2025.07.16
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    とても面白かった! 実は柚木麻子作品を読むのは初めて。 ドラマ化された「ナイルパーチの女子会」がとても面白かったので、きっと今作も面白いはず、、だと期待して大正解! 女性の心理描写がとても上手い。 誰もが一度は感じたであろう思い、他人への憧れや妬みがうまく表現されている。それなのに決して「性悪女」「意地悪」とは思えない。 若さゆえの「やっちまった、、、」かな。 年を経て思い返すと、あの頃は若かったな〜今ならもっと上手くやれるのに〜的な。 読んでいて気付いたが、こちら、最近読んだ山内マリコ作「一心同体だった」 に似たテイストだ。どちらもとても好き! 女性のあるあるが綴られ、共感する場面多々。そして読後感も悪くない。 私、やはり女流作家さんが好きだなぁ。 柚木麻子さんと言えば「BUTTER」。 近いうちに、ぜひ読もう!

    6
    投稿日: 2025.07.15
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    最後まで読んで初めて分かる「終点のあの子」の意味。 クラスのボスキャラで、皆から憧れられてるあの人も、また誰かを憧れている。 「この人ってコンプレックスないんだろうなー」 「もし自分がこの人だったらどんなに人生楽だろう」 って思われてるあの人も、 誰かに対してそういう思いを抱いている。 そんな当たり前のことを、何故か気付けなかった、みんなが皆んな自分のことには病的に神経質なのに、他者に対してはどこまでも愚鈍だったティーンエイジ。 懐かしく、少しほろ苦い、そんな十代を照れながらそっと抱きしめてあげたくなる短編連作集。

    1
    投稿日: 2025.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身に覚えのあるような話ばかりで、どの章も胸が苦しかった。あの頃の友情は不確かで、毎日一緒にいても小さな掛け違いで簡単に壊れてしまう。それが生々しく描写されているので、夢中でページをめくり続け一気に最後まで読み終えた。 【フォーゲットミー、ノットブルー】 本作通して1番苦手なのが希代子。 朱里と仲良くなりたいと思ったのも父親が有名人だからだし、いつもカーストばかり気にしていて本音は言わないのに内心は妬み嫉妬ばかり。現実にいたら絶対仲良くなれないタイプだと思った。 だけど、偶然悪口が書かれた日記を見てしまったら朱里を嫌悪する気持ちも分かる。 【甘夏】 最も高校生の解像度が高いエピソードだと思った。車持ちの歳上がかっこよく見えて憧れるが、高校生に手を出すような人は実際は同世代の中では浮いた人。高校生のうちにそれに気付けた森ちゃんは賢い方だと思う。隣のクラスの友達と親友になれて良かった。 【ふたりでいるのに無言で読書】 1番好きなエピソード。 いつか嫌われる日が来るかもしれないから深く関わりすぎないようにする保田。自分に興味がない保田に怒る恭子。ひと夏の友情で終わってしまい切なかった。 【オイスターベイビー】 最初の話では、希代子のせいで朱里が被害者というイメージが強かったけど、朱里もかなり性格に難がある。同性が苦手で異性とばかりいたという描写で朱里の性格が地雷だと分かる。ただ、高校のいじめが原因で性格が変わってしまったところもあるんだろうなと思うと責めきれない。杉ちゃんといることで、朱里が変わることが出来たらいいなと思う。苦しい終わり方も多かったが、最後の話は希望に満ちたラストでよかった。

    7
    投稿日: 2025.06.30
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    コテコテ?の女性の世界。柚木さんらしいテイストが随所に感じられた。 朱里のような女の子ってすごく少数派だけど実際に居る(自分も似たようなタイプの女性と関わったことある)。 本人にそんな悪気は無いんだけど、残念ながら発想や行動が理解しづらく、結果として集団から浮いてしまう。でも、気の合う人って男女関係なく必ず居て、そういう人に巡り合えるかどうかで人生が大きく変わる。そんなことを思い浮かべながら読み進めました。

    18
    投稿日: 2025.06.27
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    女子の良いところと悪いところがぎゅっと詰まったような本…学生時代の世界は狭いけど本人にとっては全てなんだよね…多分…

    0
    投稿日: 2025.06.24
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    あーそうそう、、女子ってこんな感じだったよなぁー。。って思う。 さらりと読める一冊 映像化も観たい

    0
    投稿日: 2025.06.23
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    映画化されたということで面白いのかな、と思って読んでみた。 女子校を舞台に女子高生たちの日常を描いている。いじめや恋愛、憧れや将来に対する不安など、リアルに描いている。 名門女子校で、他校生や男子高校生との関りはほとんどなくすごく狭い世界に生きているので、裏切りや悪口を許せなかったり、グループを作って異種だと決めつけているクラスメートとは関わらなかったり。 大人になってから思えばそんなことに悩まなくてもよかったことに、深刻に悩んだり、本当に今思えば無駄に息苦しかった状況をよく描いているなぁと思った。

    2
    投稿日: 2025.06.15
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    みんな繊細な女の子だった。傷つきやすい儚い女の子だった。外から見ると悪い子、強い子、可哀想な子にいろいろ見えるけど中身はみんな脆い。人の目を気にして生きていくことが人を不安定に不自由にさせていく。でもそういう生き方しかできない哀しさがあった。その儚さが彼女たちの魅力なのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.06.15
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    2時間くらいでさっと読める。精密性が高い。文章うまい。粗ある。どっちつかずの書きぶり。この内容とタイトルならもうちょっと別の切り取り方がよかったのでは。★2だが文章と構成で★3。

    2
    投稿日: 2025.05.18
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    私立の女子校の高校に進学したばかりの少女を主人公にした連作短編。女子校内でのいじめが描かれるがそれぞれの内面を丁寧に描写しているせいか陰湿ではなくそれぞれの心の動きに共感出来る。最終話は第一話の朱里が大学生になった話。派閥とか階級とか女の子って大変。

    3
    投稿日: 2025.05.17
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    個性的で自由奔放なのに一目置かれている女の子に惹かれていく女の子。 高校の階級制度の今の自分の階級を上げるべく自分を変えようとする女の子。 クラスのリーダー格で美人の女の子。オタクで冴えない外見の女の子。 そして自分は他の女の子とは違うと他の子を見下している女の子。 どの子もそれぞれ違うけれど他の子や自分の感情に振り回されているのは皆同じだ。 でも確かに覚えている。あの頃 生活の大半を教室という空間で過ごした時のアノ息苦しさを。

    10
    投稿日: 2025.03.31
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    面白かった。オイスターベイビーが好き。感情の機微の描写がすごすぎる、男子が読んでわかるのかなと思うくらい。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    高校生のころに1度読み、社会人になった今読み返してみました。高校生の私が「読み返したい」と思った箇所につけた付箋のページが、今の私にはピンと来なかったり、逆に違うページに付箋を貼りたくなったりして面白かった。 個人的には恭子の話の続きを読みたいです。

    0
    投稿日: 2025.02.25
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    違う人の視点からその人を見て聞いて、知らなかった一面に気がつくのが本当にそうでぐっと来る 高校生でアルバイトをする「大人びた」同級生を慕う友人からの視点と、同じ店舗で働き「子供っぽい」彼女の行動に飽き飽きする大人の視点

    0
    投稿日: 2024.11.09
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    よくある、ふとしたきっかけで仲良くなった友達とその後数年に渡って紡がれるドラマチックなお話、的なぬるい展開ではなく、あくまで根本が異なる人間同士は真に分かりあうことはできないという価値観のもと、物語が描かれているところが好きだった。自分が今体感している世界の認識と近いものを感じる。 物語において人間関係というテーマが描かれる時、末永く続く良好な関係や、壮絶な喧嘩別れ、そのあとの仲直りなどの分かりやすい場面がフューチャーされがちだが、今作はそうではない。それぞれの人物が交流するのは高校3年間の中でも限られた瞬間のみで、すれ違ってしまったあと、関係が修復しないままそれぞれの話は終わってしまう。後にふとお互いの間に起こったことを思い出すことこそあるかもしれないが、おそらく将来、彼女らが直接交流することはもうないだろう。 それでも、その交差した一瞬が彼女らの人生に与えた影響は少なくないはずだ。 後の人生を大きく変えてしまうようなわかりやすくインパクトのある転機より、この作品に描かれているような、直接的に未来に繋がるわけではないけど、その後の生き方に影響を与えるような未解決で煮え切らない出来事の方が、現実を生きている私にとってはリアリティがあり魅力的に感じた。 あと柚木麻子、人のプライドという目に見えない概念を描くのが上手すぎる。 敵に回したら怖いタイプの人物なのかも、と思った。

    1
    投稿日: 2024.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私立女子校の生徒たちを中心とした連作短編だった。 その年頃の女の子たちの関心ごとや、クラスでのカーストや、成長過程における心の揺らぎがぎゅうぎゅうに詰まっている。苦しいこともたくさんあってあんまり楽しいことばかりではないけれど、彼女たちを見守るような気持ちで読んでいた。 特によかったのは『ふたりでいるのに無言で読書』の恭子と早智子。気取らずに時間を共に過ごせる2人が素敵だった。お互いを尊重していてこのまま親友みたいになれるかなと思ったけれど、学校のグループってのは本当に厄介で。簡単に抜けて別のグループの子と仲良くすることはできないのである。それはよくわかる。 ただ、恭子はこのままでいいの?と問いかけたい。学校を卒業したらグループなんて関係なくなるから、また仲良くなれたらいいのにな、と淡い期待をしておく。

    0
    投稿日: 2024.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中高生の頃の、友達やクラスメイトにどう思われているか仕方がなかった感情を鮮明に思い出した。懐かしい気持ちになる小説だった。高校生の頃は教室でのポジションが人生のすべてだったし、周りから嫌われないように必死で窮屈だったと思う。私も小説の登場人物と同じように早く大人になりたいと思っていたけど、大人になっても意外と不自由だと思った。自由に生きていきたい。 私も朱里がいたら嫌いになる。みんなが普通でいようとしている中でわざと特別でいる様子が気に食わない。本当は自分も自由にいたいし羨ましいからだと思った。敢えて意地悪をする勇気はないが、関わりたい子ではないかも。大人になった朱里が最後、高校の頃の反省を生かして、杉ちゃんに自分から歩み寄っていたところが良かった。相手を見下していると自然と態度に出てしまって、相手も見下されてると気づいてしまう。気をつけないといけない。 ・あんな風になれるまで、一体どれくらいかかるのだろうか。自分の力で可愛いものや高いケーキが買える綺麗な大人の女性。ああなったら、友達をねたんだり、見下したりしなくてよくなるのだろうか。

    0
    投稿日: 2024.09.17
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    プロテスタント系のお嬢様学校が舞台。この年頃特有の自己顕示欲とか、友達との微妙な関係性とか懐かしく思いつつ読んだ。恭子と保田さんの話が1番好きだった。2人の友情がずっと続けばと思ったけど、グループが違うし、ひと夏の思い出で終わるのもあるあるかもしれない。

    3
    投稿日: 2024.08.27
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    人と違うことを認められるようになるのはいつからだろう。果たして今、真の意味で他人を認められているか。多様性を肯定できているか。一体誰が希代子を、朱里を、恭子を、責められるのか。良い人も悪い人もいる。「どんなに良い人間でも、きちんと頑張っていれば、誰かの物語では悪役になる」という。作中みんなが頑張っているわけではない。それでも生きている。どうしようもなく他を、違いを意識しながら。違いを認識できるのは幸いにして不幸なのかもしれない。 柚木麻子のデビュー作でありながら、柚木麻子の作品だということを意識せずに純粋に楽しめた。胃もたれの度合いは低く、切ないがさらさらと味わえた。

    6
    投稿日: 2024.08.20
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    プロテスタント系女子校という舞台設定に惹かれて読んだ。 私もキリスト教の女子校に通っていたけれど、色々と違うなと思った。 高校生の時ってこんなに子どもだったっけ?中学ならわかるけど…と思ってしまった。 こんなスクールカースト意識したことなかったから、私が保田早智子みたいな周りを気にしないキャラだったのかな…。 高校生か大学生の時に読みたかったな。その時の自分はどう思ったんだろう。 「桐島、部活やめるってよ」の女子校版って感じがした。

    4
    投稿日: 2024.08.17
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    出会えて良かった。大好きでした。 言葉の表現が繊細で、日本語って美しいなと思えた作品。 まんま自分の学生時代でした。 女の子の繋がりって、複雑なんですよね。 脆くて儚い。 嫉妬心や独占欲から、間違った方向に簡単に進んでしまう。 苛め自体許されたものではないと分かってはいますが、フィクションの世界なので許してください。経緯から、それすら美しく感じました。 だって希代子は… 『フォーゲットミー、ノットブルー』は、この先何度も読み返したいと思えた素敵な作品でした。 (2章と4章がいまいち好きになれなかったのは、男嫌いのせいかな)

    3
    投稿日: 2024.08.02
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    自分が高校生に戻ったみたいで悶えながら読了。いじめまで行かないでも確実にあるゆるい悪意に心当たり。複雑な家庭環境を「映画みたいだねー!」って珍しがって家まで見にくる感じがすごい私立女子校。それで傷つく相手がいることは想像できない、だって自分は絶対に守られてる存在だから。でもその守ってくれてる環境に対して窮屈さつまらなさを感じてる。それって驕りだし上から目線で世の中見ててキモいよ?

    2
    投稿日: 2024.07.03
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    とある中高一貫校の女子高に通う女の子達の物語。 このぐらいの年齢の子達の友情、嫉妬や羨望、劣等感といったような、ぐちゃぐちゃした難解な心の動きがとても細やかに描かれている。 何者かになりたい、と思い、もがき悩み、そして、痛い思いをし、やがて何者にもなれない、と気がつくときに大人になった、というのかな、なんてね。

    13
    投稿日: 2024.06.17
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    自分の過去を覗かれたような気分になる そんな妙な生々しさがある物語でした。 柚木麻子さんの作品は結構読んできたけど デビュー作のこれはまさかの初読。 「ふたりでいるのに無言で読書」が好き。 夏休みが終わったら、恭子が元のグループに戻っていくあたりがリアル。 高校卒業して、同級生の目とか気にならないくらい大人になった二人が再会して親友になる未来があったらいいのになぁ。

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    各章の主人公である女子高生が見る周りの風景や人物が、物語が絡み合っているからこそ、人によって様々で、こんなにも見る側の立場や環境によって左右されるんだなあ、とあらためて感じた。 1章2章は、思春期特有の自分を特別だと思いたい感情に共感した。1章でお母さんが主人公に味方してくれたのはなんか親の愛感じてよかったな。親と子は似てるってことなんかもしれんけど。 1番好きなのは3章。友達っていつから選べなくなるんだっけって気持ちにさせられた。恭子と早智子は、きっと感性がすごく近いところにあったのに、今までの経験とか周りの友達とか(主に恭子)がどうしても合わなくて、人目のない夏休み期間だけしか仲良くできなかった。人目なんて気にしない方がいいに決まってるけど、気にしすぎるのはもう性格だから、それも込みで「堂々と」仲良くできる、付き合える相手が、本当に相性のいい相手になっちゃうのかな。恭子と早智子がお互いに思っている不満も合わないと思うところも、それぞれ的を得ているけど、言葉を選んで指摘することがまだできない関係性(年齢もあるかも)だから、結局それ以上踏み込めないままなんやろうな。 最後まで朱里のことは好きになれなかったけど、4章でちゃんと周りから蔑まれて、杉ちゃんという親友から突き放されて、自分のことが見え始めた感じがした。あと、美咲ちゃんが唯一大学のどこにでもいる感のある女子だった。

    0
    投稿日: 2024.05.17
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    お下がりの本。 うーん、良かった。久しぶりに本に熱中してしまった。私の母校もお嬢様女子校で、女子校的なグループなどはないと思っていたけれど、こうやって振り返ってみると、当時もヒエラルキーみたいなものはあって、自分はそれに属さないタイプだったのかもしれないな。朱里ほど目立ちはしないけれど、保田さんほど達観もしていない、オタクサブカルガリ勉の、平凡な女子高生だったのかも。

    0
    投稿日: 2024.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フォーゲットミー、ノットブルー 立花希代子 世田谷にあるプロテスタント系の私立女子校。 森ちゃん 希代子と同じクラス。 瑠璃子 卒業生。美大の大学院に通う。二十七歳。 名村洋子 担任。世界史担当。三十代半ばで独身。 秋川雅美 出席番号一番。希代子とは中学一年のときも同じクラスだった。 奥沢朱里 高校からの入学。 仁科 希代子の隣の席。とても気がつきやすい。 美樹 中等部から一緒。 えどやん 中等部から一緒。 星野 秀才組。 保田幸子 内部生。目と目が離れた猫背で太めな女の子で、靴下をたるませ、のしのしと蟹股で歩く。 奥沢エイジ 朱里の父。写真家。 メイコ 奥沢エイジの恋人。モデル。 希代子の母 美恵子。目黒通りでインテリアショップの店長をしている。 希代子の父 商社のシンクタンクに勤める。ドバイに赴任。 恭子 高校入学組。クラスで堂々と振る舞っている。学年で一、二を争う美人。大学生の恋人がいる。 たあくん 恭子の彼氏。 カトノリ サブカル好き。 高木 美術の先生。 綾乃 恭子のグループ。 瀬川 学年主任。五十代の古典担当の女性教師。 甘夏 森奈津子 中高一貫校の私立女子校に入学して三年強。市民プール「オンネッティ」でアルバイトを始める。 一樹 奈津子の弟。 伊達 奈津子のバイト先のマネージャー。 ミッツー 光野。奈津子の隣のクラス。環七通りのガソリンスタンドでバイトしている。 吉沢 清掃のおばさん。 佐久間 市民プールのアルバイト。大学生。 島田 市民プールのアルバイト。大学生。 ふたりでいるのに無言で読書 菊池恭子 第一志望の世田谷の有名私立のお嬢様校に進学。卓也と付き合ってた。家は「おしゃれ帝国 クリーニング・キクチ」を経営。 卓也 恭子の彼氏。 岩田洋二 恭子が中学二年から付き合ってた。卒業と同時に別れた。 保田早智子 高校では漫画研究部に入っている。ウインナー指。 早智子の父 大学教授。六十代。 早智子の母 百科事典の編集の仕事をしている。 山下美加 恭子と同じグループ。ウインナー指の名付け親。 楠木卓也 恭子の姉と同じ大学のテニスサークル。姉の一年後輩。 内田美佐子 保田と仲が良い漫研部員。 オイスターベイビー 奥沢朱里 高校を卒業して四年が経過しようとしている。 杉ちゃん 朱里の親友。 田島淳之介 朱里が二年から付き合ってるクラスメイト。 山村 淳之介の親友。パッケージデザイン会社のプランナーに内定。 松田美咲 デザイン科。 島根明人 朱里と同じクラス。 瑠璃子 高校のOG。十五歳の朱里に美大進学を勧めてくれた恩人。四年前、留学していたベルリンから帰国し、有名な広告デザイナーの西門と結婚。 浩輔 瑠璃子の子ども。 キタムラカナコ 卒業生で、三十代のアクセサリーショップオーナー兼デザイナー。

    0
    投稿日: 2024.03.20
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     何年も前から工事が続く駅。永遠に終わらないかのように見え、すっきりとした完成形が想像できないその情景は、常に発展途上である、人物それぞれと重なる。  どんな自分でありたいのか。どんな自分として人から見られたいのか。  中等部からの内部生である希代子。高等部から、有名な写真家を父に持つ朱里が入学してくる。希代子は朱里の奔放な行動に魅かれる。急速に親しくなっていく二人だったが、朱里のノートに書かれていた希代子に対する言葉を見てしまったことで一変する。  他の3編は、もともと希代子と親しかった森ちゃん、クラスで目立つ存在の大人っぽい恭子さんとサブカル好きの保田さん、大学生になった朱里の物語。視点が変わるとそれぞれがいろいろな思いを抱えていることや、思いがけない面を持っていることに気づかされる。  希代子にとっては、時々学校をさぼって「急行片瀬江ノ島行き」に乗り、ひとりで海を眺めるのだと言う朱里が、自由できらきらしているように思えた。でも、きっとその海は「フォーゲットミー ノット」の青だったんだろうなと思った。

    31
    投稿日: 2024.03.15
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    お嬢様学校の女子高生達の、三遍の高校時代と卒業後の一編の連作短編集。 同じ時間の三遍は、クラスの中を別の少女の目線から描くので、女子高生を俯瞰して読めます。 それぞれ少しずつ無理をしながら、学校に溶け込もうとしている。その無理した部分で摩擦がおきる友人関係。 青くて痛くて脆いけど、思いの外、彼女たちの強さがあります。 ちょっとした女子の持ち物や所属するグループで彼女たちの立ち位置を。関東圏の各私鉄路線の雰囲気で彼女たちの家庭を 上手くイメージさせています。

    69
    投稿日: 2023.12.22
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    四篇からなる連作短編集。 中高一貫のプロテスタント系女子高を舞台にしたもので、高校一年生の同じクラスの色々な人物が主人公となっていくので、様々な視点から一つのクラスを眺めているようで立体感があって楽しかった。 短編四つのうち三つは同じ時間軸だけど、最後の一つはその四年後、大学四年の時のストーリー。 私も中高一貫の女子校に中学から通っていたため、女子同士の憧れや嫉妬やその他色々混ざった複雑な気持ちがよく描かれているのが分かるし、当時を思い出したりした。 色々なグループに属するそれぞれの女の子の心の内というのが主軸なので、ちょっと苦しいような切ないような気持ちになったり、共感したり。。 朱里のその後や希代子の大学生活も気になる。

    15
    投稿日: 2023.12.13
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    女の子同士の恋愛があると聞いて買いました。表現描写が上手いと感じました。でも好きな作家に比べると物足りない。なので星は3つです。でも読み返すくらいは好きかな。

    1
    投稿日: 2023.10.31
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    女子校ならではの雰囲気や、女子たちの感情がわかりやすく表現されていた。 友人関係はちょっとしたことで崩れ、ふとした拍子に戻る。 登場人物の感情のぶつかりあいに、どこか懐かしさも感じた。

    1
    投稿日: 2023.09.18
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    女子高生が持つ、みずみずしくてどこか淡々とした雰囲気がひしひしと伝わる。 女子高生という言葉は、明るくて、眩しくて、でも儚いような響きを持ち、放課後にわいわいと戯れる、どこか能天気な彼女たちの姿を思い浮かべることは容易である。 本作で描かれるのは、空想やステレオタイプの中の女子高生ではなく、もっとリアリティのある、でも物語として整った女の子たちの日常。

    1
    投稿日: 2023.08.31
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    ほんとうに女を描くのが上手い、学生の頃のざらりとした思い出。 羨望と嫉妬と侮蔑と驕りとをぐちゃぐちゃにした感じ。 同じ高校に通うクラスメイトだけど、当たり前にみんな違って、自分が1番正しくて、可愛くて、何かにつけて誰かを見下した。 懐かしいような、変わっていないような、共感したくない。 終点のあの子は少し私に似ていた。

    1
    投稿日: 2023.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく面白かった。今までに読んだ女子校ものの小説の中で一番好きな作品になった。 「フォーゲットミーノットブルー」は、私が通っていた女子校にはこんな陰湿ないじめはなかったが、恭子や朱里のような子が周りから人目置かれるのは、現実でも小説でも変わらないのだと思った。希代子目線での朱里、朱里目線での希代子は主観が違うと話も全く違って、それぞれ苦労しているのだなと思った。 「ふたりでいるのに無言で読書」はスッキリしなかった。だけど恭子のように意思がはっきりしていてクラスの中心人物のような子こそ、周りの目が気になる。だから保田とも仲良くすることができないし、見た目で友人を選ぶことをやめられない。これは実際に存在すると思った。多分、女子の中には少なからずとも見た目でつるむ子を判断する能力が備わっていると思う。 この小説は女子校には通う女の子のことを、もっともよく表していると思う。読んでいてとても共感できたし、楽しかった。

    0
    投稿日: 2023.08.08
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    中高一貫校のプロテスタント系の女子校の少女たちの物語。同時期の出来事がそれぞれの視線から描かれていて面白かった。自分も同じような環境に居たので少女たちの気持ちに共感できるところが多々あった。

    7
    投稿日: 2023.08.06
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    学生時代の葛藤焦り楽しさが一気に思い出す作品だった。 あの頃っていつも何かわからない劣等感があったんだよなあ。戻りたくないような戻りたいような。 たった一話で出てきたのに杉ちゃんが好きすぎる!!!

    3
    投稿日: 2023.07.25
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    開成中の入試に出た作品ということで、前から読むのを楽しみにしていた本。 開成は、この年頃の女子特有のねじれた感情を、小学6年生の男子に読み解かせるのか・・。ただ、高学年の子に読んでほしいなと思う本でもあった。 4人の女の子が登場するのだが、どの子も性格は違えど、女子の嫌な部分が強烈に描かれている感じがする。誰に共感するかは人ぞれぞれだと思うけど、自分も含めてほとんど全ての女の子はこの嫌な部分を隠したり、さらけ出したり、向き合って心底嫌になったりしながら、そんな黒歴史のような時代を抜けて、大人になっていくような気もする。

    2
    投稿日: 2023.07.22
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    人間がいきいきと描かれていて、文章が小気味よくて、話もうまくまとまっている。ただ、時々陰湿なところも。全体としては、とても好きな小説です。この人の本を読むのは2冊目ですが、もっと読みたいと思いました。【2023年7月5日読了】

    3
    投稿日: 2023.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    4作の短編集からなる小説 。 わたしも女子校、カトリック系の学校に通っていたこともあり、どの女の子の気持ちも理解できると同時に切なくもあった。 他の人にどう思われようが、自分というものを持っていて、自分の好きなものを好きと言える人は素敵だし、永遠の憧れ。 『オイスターベイビー』 いつも自由で、普通であることを嫌う朱里もまた、悩んでいる女の子の一人だったんだと最後に知れてよかった 。 「朱里にとっての終点は、向こうにとっては折り返しの始発駅に過ぎない。気づけば、細く消えて行く電車を見つめ、無人の駅に独り残されている。」 『ふたりでいるのに無言で読書』の話がとても好き。あの2人の特別な関係がずっと続いていてほしい。

    3
    投稿日: 2023.06.02
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    10代女子の世界 華やかな子と地味な子が 夏休み図書館で会って仲良くなっていく話が 1番印象に残ってる。 女子のグループができるのはなんでなんやろな

    1
    投稿日: 2023.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どの子の心情も、わかる〜!って思うのに、それでお互いがぶつかるのが凄くリアルだった。見栄を張りたいとか、人に優劣をつけてしまうとか、主観でしか感じられない各々の感情があった。それでいてお互いに影響し合っていたところが面白かった

    2
    投稿日: 2023.04.28
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    連作短編集。4話とも良かった。あまり仲良くしないまま終わってしまった同級生の人生とか、どんな感じだったんだろうって考えたくなる一冊だった。

    2
    投稿日: 2023.03.01
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    自分も中学高校カトリックの女子校に行っていたのですごく共感した。 女子心理を細かい描写で複雑に書いている。 自分もまた、女子の親になり中学高校時代に共学だったら違ったのか?とよく考える。 異性の目が学生時代にあるかないかって 大きい気がするのを痛感した一冊。

    4
    投稿日: 2023.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『終点のあの子』は柚木麻子さんのデビュー作だ。 同一設定の女子校を舞台にした短編4篇が収録されている。女子校はただの女子校ではなくプロテスタント系の女子校だ。 すごーく個人的なことなのだがプロテスタント系女子校、というよりキリスト教系の女子校に私はめちゃくちゃ憧れている。キリスト教系列でカトリックとプロテスタントと分かれている認識なのだがあっているだろうか。 そういう学校は地元にもあったのだが通学の距離があり、絶対にしんどくなるのがわかりきっていたので進学はしていなかった。 まずなにより制服がかわいい。私が進学したのは公立の高校で、濃紺のブレザーに同色無地のプリーツスカートにネクタイが当時の公立高校のスタンダードであった。 その学校は赤いリボンに赤チェックのスカート、ブレザーも紺色ではあったのだが濃くて重苦しい紺色じゃなくて少し明るかった。漫画に出てくるみたいなかわいい制服で、芸術系のコースと特進コース、普通コースに英語系のコースがあった。 進学予定がないのにその制服で歩く生徒たちが見たくて高校見学も行った。敷地内に教会があったり、ステンドグラスがあったりで正直少女趣味な私にはたまらなかった。 だからこの「プロテスタント系女子高の入学式」という文字列を読んだだけで読むことを決めた。 内容はあの高校時代ならではの閉塞感と揺れ動く自意識に根拠のない万能感がまとわりついて、ひりひりして切なくて、あのころが愛おしかった。 女子校は、女の子同士はどろどろしてるんじゃないのだ。あの頃の狭くて掲示物がたくさんのごちゃついた教室と半径2メートル以内の世界がすべてだと錯覚してしまうところが、あの子みたいになりたい、こんな私ではいけない。自分は浮いてないかどうかと変な自意識をこじらせてしまうのだ。 もっと流動的で吹き抜けの天井があるぐらいの開放的な場所であれば、高校時代のほろ苦い思い出は激減するのではないかと思う。 同じ空間にいるからこそ生まれる羨望と優越というものはたしかにある。それがとりわけ発生しやすいのが毎日同じ教室で同じ年の子と過ごさなければならない、この年頃の子たちだ。 女の子だから発生しやすいのではない。私はそう思っている。 一番好きな作品は3作品めの『ふたりでいるのに無言で読書』だ。 いわゆるクラスの一番イケてる女子である菊池恭子と読書好きな保田早智子のひと夏の交流を描いた話で、私の高校のころの思い出とリンクする部分がある。 恭子はスタイルも良くて美人で大学生の彼氏がいるクラスの人気者である。とある夏休みの日、退屈を持て余していた恭子が図書館へ行く。そしてそこで早智子と出会い、小説を介して交流をするという話だ。 恭子と早智子も結局そのあと特に仲良しになるわけでもなく、夏休みの終わりを迎えるのだけれど、個人的な思い出にすごく似ていたから、どうしてもこの話が一番のお気に入りになってしまった。 あの頃の世界の狭さに苦み走った思いをした人も多いと思うし、いままさにそういう思いをしている子もいるのだと思う。 大人が読めばあの頃の苦味を懐かしく思えるし、登場人物の女の子たちと同世代の子はこういう物語の存在を知ることで苦味が少しやわらぐこともあるのではないか。それが小説の効力だと思う。 過去を振り返りたくなるぐらい、青春が鮮明な小説だった。

    2
    投稿日: 2023.01.27
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    同じ女子校だから多少共通する部分はあるけれど、私自身が通ってるのは途中で編入してくる人がほとんどいない中高一貫だから「本屋さんのダイアナ」の彩とか「女王の帰還」の方が共感できたのかも?

    1
    投稿日: 2023.01.20
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    世間からはお嬢様学校と呼ばれるとある女子校。そこに帰国子女で有名写真家の娘、朱里が入学した。思ったことをズバズバという朱里は、真面目な希代子と仲良くなるが、中学からの友達との関係がギスギスしてくる。そんな折、朱里の家で、友達への本音を書いた日記を見つける。 女子校(最後は違うが)の4人+4人を中心としたそれぞれ2人ずつの友情と破綻を描いたアンソロジータイプの4篇。この作者の作風の傾向として、レディースコミックのような展開とカタルシスを得意とするのだろう。 とても理解しやすい文章なのだが、前に読んだ作品同様、時々突然時間が飛ぶ。評判の良かったという1作目(希代子と朱里)でポーンと2年数ヶ月飛んでしまったときに、前に読んだ作品でもそうだったなと思い出した。 個人的には、全く興味のなかった友達と毎日図書館に通ううちに繋がりができていき、それがそれほどになりきらないという3つ目の話が良かった。 朱里がらみの異質な存在と、その視点が正しいのかどうかの葛藤の話は、この作者は好きなのだろう。ただ、本作においては、敵として描きすぎているきらいがあり、感情移入しにくい存在だった。 やっぱりこの作者は長編のほうがいいのかな。映画化してるんですかね。志村貴子あたりに漫画化してほしい。

    0
    投稿日: 2023.01.14
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    柚木麻子さんは裕福な女の子をよく描くけど、気になる存在なのかな?? 読んでてすっきりするし、ひとの”お金持ち観”を知れることってあんまりないからすきです。

    1
    投稿日: 2022.10.26
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    奈津子ちゃんの、苦い甘夏を甘く煮詰めてジャムにしちゃおうという発想がものすごく好き。 苦々しい思いも酸っぱい経験も、笑い話にしたりすることで、甘く可愛くしちゃえるような、そういう強さを持った大人になりたいと思った。 あとは、恭子が夏の間に早智子と過ごして素敵だと思った曲をカラオケで選曲して、グループのみんなから軽くあしらわれたときに、失望したりせず、さっぱりと諦めて、でもどこか安心してたところに惹き込まれた。似た者同士が集まる派手なグループが一番の居場所なのは変わらないけど、早智子との思い出もそれとは別に、大事な場所でそっとしまっているような気がして、みんなが知らないけど、たしかに一瞬は心が通い合った二人の関係にきゅんとした。でも、二人が本来の自分の居場所を忘れられずに、意識的にお互いに歩み寄りすぎないようにブレーキをかけていたのが、気持ちはわかるけど、もったいないような気もした。でも、ガツガツいって壊してしまうくらいなら、自分の気持ちに蓋をしてまでしてもなんとか保っていたいほど、尊くて大切な相手なのかな、二人は脆くて繊細な関係だなとも思った。 女子高生の、自分の居場所を模索しながら、一緒にいる相手で自分の価値を確かめようとするあの感じが、すごく共感できた。柚木麻子さんの作品が本当に大好き。

    2
    投稿日: 2022.09.27
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    女子校から美大までの女の子たち。 恭子と保田の話が好きだった。 私が逃げ出した地元にも実は何時間も無言で読書できるような気が合う友達がいたのかもしれない。 グループという制度は厄介だよなぁ。

    1
    投稿日: 2022.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。女の子たちの人間関係を表現するのが上手すぎて、ドロドロした気持ちも同じクラスの他の子に憧れる気持ちも、自分とおんなじような境遇の人物はいないけどめちゃくちゃ分かるなあ、という感じ。 朱里が、というか朱里の話が一番等身大な感じがした。有名な写真家の娘として育って、小さい頃から豊かな人脈、芸術的なものに触れてきたらそりゃあ自分は特別、って思うでしょ...わたしだったら思う(笑) 周りから浮いてても話が合わないと思っても、そんな風に感じる自分は特別っていうのは、自分を守るためにもある程度必要なことなんじゃないか...ただそれを人間関係の中で分かりやすく匂わせたり、人を見下す道具にしてはだめだと思うけど、それも含めて学生らしさがある。 すぎちゃんみたいな友達が離れずにいてくれて、わたしが何だか安心してしまった。最初の話では日記以外に朱里の心情は全く出てこないから、最後の話で、朱里がこれから殻を破って停滞していたところから上っていきそうな終わり方がよかった。

    0
    投稿日: 2022.07.21
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    柚木先生の話の出会ったばかりの女は、数ページだけ仲良くて、あとはドロドロしちゃうんだなぁ笑と再確認。 最初はキラキラして見えていても、自分と違ったのが羨望から嫉妬になっちゃうんだよね…それが思春期の女子だからなのか…

    1
    投稿日: 2022.07.04
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    多感な少女たち。 自分を守る為に、背伸びをしたり、他人を貶めたり…。 大人になった今は、そんなに頑張らなくても大丈夫って分かるけど 小さい世界で生きていくって大変なんだ。 物語に出てくるどの少女も誰の心にも潜んでいるんじゃないかなぁ。

    1
    投稿日: 2022.05.02
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    女子高生の日常の心の中を描いた1冊 事実はどうかわからないが興味深く読んだ。 自分の中の女性的な気持ちがシンクロしてる気がする。 男なんだけど やっぱ 考え方が女性的なんだなぁ 悲しむことなのかどうなのか?

    0
    投稿日: 2022.04.29
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    お嬢様の女子高に通う女の子達のお話 4作の短編集で、1作だけ二人の視点が入り交じる ・フォーゲットミー、ノットブルー ・甘夏 ・ふたりでいるのに無言で読書 ・オイスターベイビー 有名な写真家の父を持ち、特定のグループに属さない自由奔放な朱里 そんな朱里に惹かれる希代子 元々希代子と仲がよかったが、夏休みに自分なりに変化しようとする森奈津子 クラスの女王のように振る舞う恭子 オタクグループでつるんでいる早智子 一番好きなエピソードは「ふたりでいるのに無言で読書」かな 早智子さんとの対比の描写がとてもよかった 早智子はしっかりと墓場鬼太郎のトートバッグと認識しているのに対して、恭子さんから見れば妖怪の書かれたダサいバッグにしか見えないよなぁ 解説に書かれてある通り、登場人物を特徴づけるアイテムの表現が的確なんだと思う あと、恭子さんのイメージがガラッと変わったし、結局本人は変わらないあたりが逆に物語のテンプレートをを崩している気がする 「甘夏」もなかなかよい 学校に車で迎えに来るという出来事が、色々な人の視点ではどう見えたのか そしてその裏事情というあたりが面白かった 登場人物に抱くイメージが、他の人視点で描かれるパートを読むと少し変化する この辺は、「桐島、部活やめるってよ」に似ている 単行本としては霧島の方が早いけど、雑誌掲載はフォーゲットミー、ノットブルーの方が先なんじゃなかろうか? 他の人のイメージ変化とともに、本人達の意識の変化も含めて秀逸な物語になっている 解説でも書かれてある通り、リーダー的な振る舞いからその取り巻きになったり、ランク外でひたすら勉強するグループになったりと 女性のグループは一度固定されるとなかなか変化しないと思っていたけれども、実はもっと柔軟なものかもしれないとも思える これが柚木麻子さんのデビュー作というのはなかなか興味深い 女性同士の関係を描いた作品として、あまからカルテット、嘆きの美女と続いていく中で共通するものを感じる

    0
    投稿日: 2022.04.18
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    ―現在、クラスには六つのグループが存在する。どのグループも、それほど結束は強くない。皆、自分が入れそうなグループに慌てて飛び込んだだけのことだ。二学期には再編成があるだろう。 とある女子校を舞台に繰り広げられる人間模様、思春期の心の動き。 学校生活において、どのグループに属するかは最大の問題だ。 ブランドものなんて持たなくても、メイクなんてまだ早いでしょ、 その言葉に反抗する女子高生たちのクラスにも、この作品に登場するような壊れやすくて、それなのに確固たるヒエラルキーが存在するのかもしれない。 あの頃、話題についていくのに必死だった人も、 あの頃、何も気にせず走り回っていた人も、 彼女たちのどうしようもない心の動きを、痛いほど分かり合える作品。

    1
    投稿日: 2022.03.17
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    高校生あるあるの心情が、読みやすい文章で書かれていたのでスラスラ読めました。きっと現役の高校生が読むのとまた違うだろうなぁ。ただ全部が全部共感でした訳ではないので星3つ

    0
    投稿日: 2022.03.16
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    よかったーー!幸せになったのかな?みんな なんか自分に言われてるんじゃないかなと思うことが多くて落ち込んだりもしつつ、引き込まれる文章ですぐ読み終えた。

    0
    投稿日: 2022.02.19
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    個人的には早智子と恭子さんの話が1番印象に残りました。 どの話も結末がスッキリする訳ではないからこそ、すごくリアルな女子高生たちを描いてるように思います。 当たり前だけど、自分から見たら羨ましい存在の人も、それぞれ悩みや葛藤を抱えているんだな…

    5
    投稿日: 2022.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5つの物語からなる連作短編集。 装丁がかわいいですね。 「スクールカースト」 最近、よく聞く言葉です。 でも、まぁ、言葉は変われど、私が高校生だった遥か昔から、あったんですよね。そういうのって。 それにしても、女同士の人間関係。めっちゃヒリヒリします。もう、読んでてヒリヒリが止まらない感じ。 真面目で普通な女子高生の希代子。自由奔放でちょっと風変わりな朱里。 希代子は、クラス内のどのグループにも属さず、自由気ままに振舞う朱里に憧れるのですが、でも、仲良くなるにつれて、だんだんと、その憧れが嫉妬や妬みに変わっていくんです。 一方、朱里の方の奔放さっていうのも、天然。なのかといえば、多分、きっと、そうではなくて、自分は特別なんだ。ということを意識して振舞っている感じがします。 自分は何をしても許される。とか、誰からも愛されてる。とか、そういった傲慢さを自分でも分かっていて、「そんな私」というのを演じているんでしょうね。 うんうん。いるよね。そういう子。うんうん。 っていうか、この手の人間関係。って、なんかどこまでも付きまとってくるような、気がするんですよね。 社会人になっても、結婚しても、ママ友ができても。 人間って、なぜか、自分にないものを持ってる人には近づきたいと思うし、その人と同じ場所に立ちたいと思うんですよね。 そして、どんな環境であれ、自分の立ち位置が高くあればあるほど安心するし、常に自分より低い位置に誰かがいることを確認して、また安心するし。 って、もー、ほんと、めんどくさくて困っちゃう。人間関係って。 私が一番好きなのは、『ふたりでいるのに無言で読書』 希代子のクラスメイトで、美人の恭子と、オタクな保田の友情物語。なのですが、ここでも、美人か美人じゃないかのヒエラルキーや、自分の定位置から抜け出すことのできない恭子の葛藤が、なんか切ないなー。なんて思ったりしました。 でも、二人には、ずっと友達でいてほしいな。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    女子高を舞台に女子高校生たちの思春期特有の心の揺れ動きが繊細に描かれている 早智子と恭子の話がお気に入り 朱里はずっと特別な存在として扱われていたけど、最後の話でこの子も他の子と変わらない普通の子だったんだなと思った 学校って普通を目に見える形にして押し付けてくるから息苦しいよね どの話もモヤッとする部分もありながら後味がよくて、読了後に心が浄化された気分になる 江ノ島行きたい ✏反省とか感傷って逃げじゃね?被害者っていう立場に逃げ込んで、楽に生きようとする。そんな人間にだけは絶対なりたくねえ。

    1
    投稿日: 2022.02.15
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    内部進学の多い女子高に、有名なカメラマンの父をもつ朱里という女の子が外部から入学してきたことで、心や人間関係を掻き乱されていく少女たちの姿がリアルに描かれている。私には、朱里は好きになれないキャラクターだった。なにか特別感のある女の子。朱里は女子校でも、卒業し美大生になってからでも、ことあるごとに、普通であることをとにかく嫌っていた。なぜそこまで普通が嫌いなのかを考えてみると、きっと朱里は自分を普通とは違う特別な存在に魅せるという形でしか、自分のアイデンティティを主張する方法を知らず、普通になることをとても恐れていたからなのではないかと思った。

    0
    投稿日: 2022.02.09
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    女社会を描くのがうまい。 ちょっとしたすれ違いや見栄で人間関係が変わったりすることはよくある。 人には他人からみたら羨ましがられる部分、そうでない部分があることも共感した。 成長過渡期の少女たちのなんとなくうまくいかない日々に自分の昔のことも思い出したりした。

    0
    投稿日: 2022.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あぁ、またこの手の本を借りてしまった…というのが最初の感想。 作品紹介を読んでから手に取っているはずなのに、どうしてこう学生時代の苦々しい気持ちを思い起こす本を選んでしまうのか。 どの女の子を見ても、いるよね、こういう子と妙に納得。自分は他と違う特別な子になりたいという願望や、周りからバカにされないために友達を選ぶとか、本当10代の女子って窮屈だ。 こういう話を読むと、未だに胸の奥がきゅーっとなる。

    0
    投稿日: 2021.12.14
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    デビュー作とのこと。少女たちの気持ちの移り変わりや不安、成長を独特の空気感で描いていて、好きな雰囲気の作品。 登場する街が、偶然、生活圏の周辺で、親しみも持てた。

    0
    投稿日: 2021.11.11
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    さらっと読める一冊 プロテスタント女子校に通う いろんな高校生の気持ちが描かれている短編 連作短編なので読みやすいです 自分も女子校で 学校の様子はただただ懐かしい。 女子特有の空気感を思い出しました 他人を気にしすぎる、 人に認められたい、 どう思われてるか気になる こういう気持ちは自分にも経験があります スッキリと終わるというより なんか傷を負って変わったり 変わらなかったりする この頃ってたしかにこんなことの繰り返しですね 自分の鈍い傷も思い出します それにしてもいろんな立場の人の気持ちを 本当によくわかるなーと感心

    7
    投稿日: 2021.10.24
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    特別な人と思われたい、人からの目が気になる、この2つを強く感じた。女子高生特有の気持ちだなあと思いながら読んだ。面白かった。

    0
    投稿日: 2021.10.17
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    学生時代のモヤモヤがすごく共感できる。 楽しい時代ではあるんだけど、クラスのメンバーによっては一気に地獄になるよな、と。

    0
    投稿日: 2021.10.04
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    マウント取ろうとしたり、 人と少し違うひとに憧れて固執したり 嫉妬して少しいじわるしたり、 集団のなかにいると多かれ少なかれ必ずある事を 同じクラスの中で視点を変えて書かれていて 面白かった。

    2
    投稿日: 2021.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2021/8/31 THE女子!忌々しくイライラさせられるけど紛れもなく私もこうだったと思わされる。 だから私は中高生に戻りたくないんだよ。 こうだったから嫌なんだよ。見たくないんだ。 でもやっぱりちょっとだけ羨ましい。 自意識過剰でアップアップでも無我夢中なのが。 年を経た私は思う。 もうちょっと上手くやれと。 今が上手くやれてる訳でもないのに。 上手くやれてないのにキラキラだけどっか行ってしまったなぁと。

    2
    投稿日: 2021.09.02
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    いつも電車や街中でみかける女子高生は存在だけでキラキラ輝いて美しいと思うけど、そういえば当事者の時ってこんなに悩んでグルグルしてたわ…と思い出しました。 憧れの存在がいたり、社会に出ようとしてみたり、裏切ったり裏切られたり…いまでも美化できない苦くてしょっぱい思い出を昇華してもらったように思います。 「王妃の帰還」も舞台は似てるけど、より現実的だから世界に入り込みやすいです。

    17
    投稿日: 2021.08.22
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    まだまだ広い世界を知らない中で、もがいたり人と比べて安心したり…と高校生の頃の自分を思い出しました。みんなそれぞれの世界があって、うらやましかったり、背伸びしてみたり。 みんな、物語の中で、今まで思い込んでいた友だちや周りの人の見方の殻を破って、自分の世界が広がっていくところが、爽やかで気持ちのいい小説です。ストーリー自体は辛辣な人間関係が描かれてもいて、柚木さんらしさが面白いと思います。

    3
    投稿日: 2021.07.31
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    自分が高校生の頃から、いやそれ以前からか。この歳になってもずっと謎、積年の疑問だった女子高校生の頭の中。 大好きから大嫌いへ、愛情から憎しみへ、友情から敵意へと、まるで古いオーディオのレベルメーターのように両極端へと瞬時に振り切れるその針は、傍目には恐ろしい近寄りがたいアンタッチャブルなものとして横目で見ていた。 そういう女子高生たちの機微を、作者の柚木麻子さんは非常に細かく、そして深く丁寧に描写する。ははぁ、こういう思考システムでこういう結論に達するんだな、と納得は出来ないのだけれど、なんとなく得心してしまう。そんな感じ。 四つの章の、それぞれの主人公の女の子たちが、同級生との微妙でなんともいえない独特の距離感で関わり(そこで登場する脇役の子が次の章では主人公になるみたいな)不思議なクラス・カーストみたいなものを構築していく。 これ面白いなぁ。実に面白い。

    12
    投稿日: 2021.07.20
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    『うちらが卒業するときになっても、ずっと工事してそうだよね』、『工事が終わったら、まずい理由でもあんのかな』と、いつまで経っても終わらない駅の工事。”永遠に未完の工事”とも揶揄される駅の工事。 1885年に開業し、乗降客数世界一としてギネスブックにも認定された”新宿駅”。1882年から始まった工事が未だ続いているスペインの”サグラダ・ファミリア”にも例えられるように、”新宿駅”は135年以上にも渡って延々と終わりのない工事を続けています。『何年も作っては壊すを繰り返している』というその工事は、何かしら目的を持ってはいても最終的な完成図を持ちません。それは、乗降客数世界一だからこそ、終わらない、終われないものなのかもしれません。 さてここに、そんな”新宿駅”のように終わりのない工事がいつまでも続く、とある駅の最寄りの高等学校に通う女子高生たちを描いた物語があります。いつまでも続くそんな工事の風景を見て『工事は永遠に終わらないのかもしれない』と考える女子高生たち。この作品は、そんな彼女たちの思いの先に、学校のクラスでの日々を、そして彼女たち自身の人生を重ねてゆく物語です。 『一体いつ終わるのだろう』と通学する私立女子校の最寄り駅の工事を見て思うのは立花希代子。そして、『やる気あんのかなー』と言うのは中等部から同じグループだった森奈津子。『工事が終わったら、まずい理由でもあんのかな』と話しながら、高校の入学式に向かう二人。そんな時『完成しないというところに良さがあるんだよ』といきなり背後から声がして振り向くと『丈の短い青色のワンピースを着た』、『見知らぬ女の子が立ってい』ました。『スペインのサグラダファミリアみたいにね…』と言い残し『スキップせんばかりの足取りで希代子たちを追い越して行った』女の子。『「はあ?」というふうに半笑いで首を傾げた』森ちゃんに対して『知らない人にいきなりしゃべりかけ、言いたいことを言うなんて、なんだかすごい』とひそかに感動した希代子。『新しい担任は、世界史の名村洋子先生だった。なっちゃんこと名村先生』という高校のスタート。『森ちゃんとまた同じクラスになれたことはラッキーだ』と喜ぶ希代子。教室を見渡すと『外部から入ってきた女の子たち十数名がそれぞれ緊張した面持で席に座っていた』というその中に『朝の青いワンピースを着た女の子がいるのに気がついた』希代子。『全員グレーの制服を着ている中、当然のことながら彼女はものすごく目立っていた』という彼女。そして『皆さん、出席番号順に自己紹介をしましょう』という先生のかけ声で自己紹介が始まりました。当たり障りのない挨拶が続く中、『奥沢朱里です』という『ちょっと舌っ足らずな甘い声に』顔を向けた希代子の目に『あのワンピースの子』が立ち上がったのが映ります。『皆、制服着てるから驚きました。入学式って、好きな格好しちゃいけないんだね。高校からの入学です。よろしくね』というその挨拶に『一瞬静まり返った後、遠慮がちにくすくす笑いと、ささやきに満ちた』教室。『ちょっと変わった子が空気を読まずに何か言い、皆がひく。自分がしくじったような気持ちになる』と、いたたまれない気分になる希代子。そしてそんな高校生活も一カ月半を過ぎた頃、『ねえねえ、立花さん、そのメロンパン、私のメロンパンと交換しない』と話しかけてきた朱里は『よければ一緒に食べようよ』と希代子を誘います。『半月足らずでお弁当のグループはしっかりできあがっていた』こと、そして『突然お昼によく知らない子をゲストに迎え入れることができるほど、柔軟ではない』というグループのことを気にして『ええーと、その。二人で食べよっか』と朱里を廊下へ連れ出した希代子。『私と一緒だと、皆とはだめなの?』と訊く朱里に『この子はKYだ、と少しうんざりした』希代子。『誘われた希代子がなぜこんなに気を回さねばならないのだろう』と不満に思う希代子。しかし、それをきっかけに『希代子と朱里は急速に親しくなっていった』という展開を辿る二人の関係。そして、その先にまさかの大波乱が待ち受けているとはよもや思わない二人のその後の高校生活が描かれていくこの短編。六つのグループからはみ出ることを良しとしない学校生活の息苦しさを見事に描き出した好編でした。 四つの短編から構成される連作短編の形式を取るこの作品。柚木麻子さんのデビュー作として、まず一編目の〈フォーゲットミー、ノットブルー〉が”オール讀物新人賞”を受賞し、編集者からの勧めを受けて残りの三編が書き下ろされたという経緯をたどります。そんな〈フォーゲットミー〉について、『完全に加害者の立場に感情移入しちゃって、いじめられる朱里への愛おしさと憎らしさで喜々として書いてしまったんです』と語る柚木麻子さん。そんな柚木さんが描く物語は、『よければ一緒に食べようよ』と朱里が希代子をランチに誘ったことからスタートします。すでに高校スタートから一カ月半が経過し『クラスには六つのグループが存在する』という中での突然の朱里の誘いに戸惑う希代子。グループの関係性にも気を配り、二人で食べることでその場を凌ごうとする希代子に対して『私と一緒だと、皆とはだめなの?』と不満に思う朱里。『この子はKYだ』と感じる希代子ですが、そんな二人のランチの時間を過ごしてみて、『休み時間が、もっと長ければいいと心から思』い、『この子のことをもっと知りたい』と気持ちが変化していく希代子。一方で、朱里との時間が『森ちゃんたちとお弁当を食べながらする会話の百倍楽しい』と、グループの関係性と比較してしまったことから物語は大きく展開し出します。女子ほどではないにせよ、男子にだってグループは存在します。そもそも学校を出て就職したって会社内で何かしらのまとまりは存在するでしょうし、政治の世界に派閥が生じるのだって、その行き着く先とも言えます。人は何かしら自分の寄る術を求め、何かに属することによって心の安定を求めるところはどこまでいっても、どんな集団に入っても変わりません。これはもう生物としての性なのだと思います。そんなクラスの中で形成されるグループについて、柚木さんはそのグループ間に存在する格差に次の二編で焦点を当てていきます。 『高校に入ってから突如、階級制度が発生した』と感じている森奈津子が主人公を務める二編目〈甘夏〉。一編目で希代子の中等部時代からの友人として登場したものの、どこか目立たない存在である奈津子。そんな奈津子が『自分の階級が低いことを日々実感していた』と内に秘める複雑な感情が起点となって物語は進みます。そんな低い階級に位置する自身の立ち位置の変更を目指して大胆な行動をとる奈津子。その行動は、奈津子にとって全くの予想外な結末へと彼女自身を向かわせます。また、それに続く三編目〈ふたりでいるのに無言で読書〉では、クラスの中で『所属する華やかな軍団』の頂点に立つ菊池恭子と、見下し対象の『オタクグループ』に属する保田早智子の夏休みの偶然の出会いから生まれた小さな交流の行方が描かれていきます。『あんなに綺麗な人が、私の話を楽しそうに聞いてくれた』と喜ぶ早智子に対して、『こいつ、ブスだけど結構可愛いかも』というその関係の始まりは、やがて『二学期までに保田を変身させるのだ。恭子のグループの一員は無理としても、どのグループにも自由に出入りできるくらいの地位に引き上げたい』と考えるようになる恭子の気持ちの変化、その心の内が見事に描写されていきます。自分のクラス内での地位向上を目指した奈津子と、早智子の地位の引き上げを目指した恭子。女子校のクラスの中という極めて狭い世界の中での微妙な力関係、それはまさしく”スクールカースト”という言葉で語られる世界です。この作品から三年後に、柚木さんは「王妃の帰還」という”スクールカースト”をマリー・アントワネットが生きたあの時代、フランス革命前夜の人々が熱く燃えたそんな時代に重ね合わせて描く傑作を送り出されます。この作品で描かれる学校世界はまさしくその前夜を見るかのようでもあり、それぞれのカーストに所属する面々が感じる”スクールカースト”に思い描く率直な感情を垣間見れたようにも感じました。 そして、作品は四編目の〈オイスターベイビー〉で時計の針を大胆に進めたその先の未来へと読者を誘います。それは、『奥沢朱里が高校を卒業してそろそろ四年が経過しようとしている。あの駅の工事はまだ終わっていないらしい』という、駅の工事だけが同じように続くものの、まさかの四年後、すでに大学の卒業年へと至った朱里視点の物語でした。小・中・高・大と進んでいく中で、次の段階に進んだ自分がそれ以前の段階を一気に幼い時代、遠い過去のように感じることがあると思います。それぞれの時代を精一杯生きる中では、過去の段階に思いをはせる余裕などなく毎日は過ぎていきます。柚木さんが四編目で設定した大学四年という時代は、その次の時代の自分を見据える段でもあり、良い意味でも悪い意味でも前の段階である高校時代はすでに遠い過去となった、そんな時代でもあります。苦い記憶を封印したいという意識からか『共学の美大に入ってからは、できるだけ異性と接するようにしてきた』という朱里。しかし『この四年間は迷いだらけだった』という朱里は『カメラを触っているだけで、自分の居場所が確認できるようで、心が温かくなる』とついに自分の居場所を見つけます。しかし、『この駅来ると、いろいろ思い出しちゃう』と、『空気を読め。皆に合わせろ。私たちの気持ちを逆撫でするな』と苦しめられたあの時代の辛い記憶も蘇ります。そして、そんな大学生活を送る中で、『朱里にとっての終点は、向こうにとっては折り返しの始発駅に過ぎない』ということに思い至る結末が描かれていきます。それは『いじめられる朱里ちゃん側を書く必要があった』と語る柚木さんが導き出したこの連作短編の結末に相応しいもの。いじめた側の希代子のことを『私のことを、知りたかったのかな』と漠然と朱里が思い出すその先に光を見るその結末は、そこに四年という年月を経て、高校時代の複雑な思いを決着させた朱里が次の時代へと向かう姿を垣間見るものだと思いました。 『希代子が朱里になれないように、朱里も希代子にはなれない』という、言わば当たり前の結末を見る物語。それは、高校時代という多感な時代にあって、『あの時はああするしかないって思っていた』と、その時々で出した最善の結論を繰り返す日々を生きた結果でもありました。永遠に終わらないかのように続く駅の工事、それは学校での日々の中でも、学校を卒業しようとも、そして就職して大人になろうとも、どこまでいっても完成することのない人間関係のあり方を、そして答えのない自分自身の人生を模索し続けながら生きる人の人生をそこに見る物語でもありました。 高校時代を生きる少女たちの細やかで繊細な心の内を鮮やかに描き出したこの作品。「終点のあの子」という書名から受ける寂しそうな印象が、読後に一気に力強いものに変化した、そんな風に感じた作品でした。

    73
    投稿日: 2021.03.31
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    女子のお話。 独特の世界があることは何となく知ってはいましたが、みえなくてもよかった陰の部分が最初のお話からでてきて、どうしようかと思ってしまいました。 いろいろと悩んで、考えることは大事なことだとは思いますが、自分の時間、大事ですよ。嫌な人のために自分の時間を使うのは、それが1秒であってももったいないです。 人の見方なんて関係ない、そんな子もいたので救われました。

    10
    投稿日: 2021.03.14
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    こんなにも嫌なものを見たのはいつぶりか 私が苦手と感じ、逃げに逃げを重ね、属していながらも関わらずにいられる術を見つけていた女のあれこれ 嫌なものと感じるのは、登場人物の誰よりも若くない私自身が、自分は特別で何者かになれると未だに信じ切っているからだろう 恥ずかしいことこの上ない 同時に私が女であることに向き合っていないからこそ、読んでいて全てが苦しかった 自分の嫌なところをもっと人に見てもらいたい 私はどんな化学反応を起こすだろう 私が踏み出す半歩はどんなものなのか 気になるうちはまず安心

    0
    投稿日: 2021.02.26
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    高校生、中学生くらいの時のこういう気持ちある、あるーって共感しながら読了。 母になってもある。子どもの優秀さで目に見えないカースト。 ママ友とのお付き合いは程よい関係でいられる人だけにしよう。

    1
    投稿日: 2021.02.05
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    きっと登場する女子高生のどの子かに、自分を重ねる。 ぴったり当てはまる子はいなくても、部分的に「あっ、私と一緒。」っと気づかされる。 自分の行いを振り返り、反省して謝ろうと行動にうつす、そんなことを高校生だった当時の私にはできなかった。いや、今でもきっとできていない。 嫌われるまえに自分から逃げだして、人間関係をリセットする。こんなことを繰り返しては前進できていないと痛感した。 繊細な心の動きが巧みに表現されていて、ぐいぐい引き込まれる素敵な作品でした。

    2
    投稿日: 2021.02.01
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    終点はこの子だったのか…。 学生時代に感じていた、感じすぎていたカースト問題を思い出した。 グループに所属していると、好きな子、好きなものを好きと言うことが難しかったり、周りの目を気にしすぎてしまったりしていたんだっけ…。

    1
    投稿日: 2020.06.23
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    なにこの面白さ。これがデビュー作とは。ずっと積読本にしてきた自分を責めるほど。登場人物の繊細な心の機微の捉え方や、著者の言葉選びが秀逸。何より観察眼が凄い。作中の彼女たちの大人とこどもの狭間の危なげな心の動きを、見事に言葉として産み出している。自分も同じような感情を抱いたことがある思春期を懐かしくもありほろ苦く思い出させてくれた。もっともっと柚木作品に触れたい。

    2
    投稿日: 2020.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本の後ろに書いてあるあらすじを読んで、惹かれて買った本です。多分、自分から一番遠くに位置してる、女子高生ってどんなものなのか、という怖いもの見たさ。 先入観無しで読んだからか、わからないけど、すごく面白かった。同じ空間にいた4人の物語で、それぞれの視点で話しが進みます。感じ方や、微妙な感情の揺れが細かく描かれています。ある女の子について、友達からの視点で描かれたものと、その女の子自身が語っているものがあって、感じ方の違いが、よくわかります。後半にいくにつれて、どんどん謎解きのようにわかっていくので、すっきりしました。 どの女の子の考え方にも共感はできませんでしたが、とにかく感情の描写が細やかだし、終わり方も綺麗で、好きな本でした。柚木さんの他の作品も読んでみよっと。

    1
    投稿日: 2020.05.16
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    女子校めんどくさい。 外部の子が入るとクラスがガラッと変わる。 女子校5年目の娘が呟いた言葉が印象的で手に取ってみた。 確かに心理描写がそのまま、自分を高校時代に戻してくれる様な気持ちになった。

    2
    投稿日: 2020.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館の本 読了 内容(「BOOK」データベースより) プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。風変わりな彼女が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化が。繊細な描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作含む四篇。 おや?この作家さんは好きだったはずなんだけどコレはダメだ。

    0
    投稿日: 2020.04.21