
総合評価
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powered by ブクログ夏が終わる前に読めてよかった。 『天国の蝿』は過去の記憶がひとつの詩によってぶわっと思い起こされる姿がとても美しい。記憶を辿るように自分の読み進める手も必死にページをめくってた。 『ごめん』も『夏を喪くす』も本当によかった。 大人の女性達が夏を喪くしていく模様、私もこんなふうに、夏を、季節を喪くしていけるのかなと希望と不安がぐちゃぐちゃ渦巻いてる。確実に毎日大人に、死に近づいている身体を、空気を、世間からの目を恐れているひとにはすごく刺さるのではないかな。苦しいくらいに良かった中編集だった。
0投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログ個人的にあまり刺さらなかった。本来は仕事も恋愛も順調で輝かしい人生を送っている女性たちにそれぞれある異変が起きる。伝えたいことはかっこいい女性像や前に進み続けることなはずなのに、不倫の描写が多く不倫している女性ということに注目してしまった。 ただ、天国の蠅という詩はすごく刺さった。
1投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ原田マハ、続けて読んだ。たくさんの経験を経て、40代で作家になったらしい。読み応えがある。「ごめん」は悲しい物語だけど、おりょうさんが素敵な人でよかった。
0投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ初めて原田マハさんの本を読んだ。 登場する人々にはリアルな人間らしさがあるが、私とは価値観が違うというか、真ん中の大切にしている部分が違う人々だと感じながら読んだ。 短編集なので、お風呂の中で毎日一話。ちょうど良い長さだった。 他の作品もタイミングが合えば読みたいと思う。
6投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ「でもなあ。橋、造りたかった。この先、見えなくなっても、心の中にいつも見えてくるような。生まれてくる子供に、いばってみせてやれるような」 さくさく読めた。”失くす”でも”無くす”でもなく、”喪くす”。
0投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ割と早く読み終えました。短編集だけど、先が気になる展開の良さがあり、読みやすかったし、よかった。 最後の終わり方が、もやっとしたまま終わるので、何だか物足りなさはあります。
0投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
身近にいればできれば関わりたくないな…と思ってしまう主人公が多かったが、特に「夏を喪くす」にはスッキリとした読後感があった。 夫、恋人、仕事。乳癌の宣告をきっかけに様々な葛藤を乗り越え、自分の人生を改めて歩み出そうとする主人公の強い意志が感じられたからかもしれない。 どうしようもないくらい暗い状況なのに、描かれる沖縄の描写はとても綺麗で、スラスラ読めてしまった。
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ好きだったのは「ごめん」「夏を喪くす」 大切な人がいなくなったことにより、自分の汚い部分を見つめなおす女性たちの醜さがなぜか美しく写る。どの話も何かが解決してるわけじゃないけど、見ないようにしていた醜い過去に向き合った人ってかっこいいのかも。ほんとどうしようもない人ばっかりだったけど。 離れていても同じ音に合わせて動くことで一緒にいる気がする。触れていなくても、鼓動や呼吸を合わせることでそれはセックスになるのかもしれない。
0投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログ普段からアート作品ばかり、つまりは美しいものを美しく書くことに長けた筆者が、不倫や愛憎を、美しくなく書くという試み。なくす、と読むのか。ひとしきり読んでみて、美しくないものを書いているが、何故が美しい読後感がある不思議。
0投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログ中、短編の4篇・・・どれもどれも・・・ 最後のほうは(2編)昔々洋画ばかり映画館で見ていたころの‥スクリーンを見ているようでした。この作家さんはきっと私がさらに好きになっていきます。
18投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ図書館本 大人の女性4人の短編集 「ごめん」が印象的だった 一見わがままな奔放な主人公なのに、なぜか憎めない 「夏を喪くす」は沖縄の海や美しい景色の明るい色と主人公に宿った異物の暗闇が文章なのに色のコントラストがはっきりしていて短編と思えない内容でした
135投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ短編四作 いずれも、女性が主人公 作者の経歴を見ると納得できる女性ばかり それぞれの作品続編を読みたいかな
2投稿日: 2024.07.18
powered by ブクログ★★★★☆四編収められています。天国の蠅、ごめん、夏を喪(な)くす、最後の晩餐。これまで読んできた作品とちょっと雰囲気の違う感じで大人の女性が主人公の内容でした。その中でもちょっと切なくなる「ごめん」が特に印象に残りました。
2投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログちょっと私とは地域も働き方もかけはなれた、洗練された?都会的な?女性たちのお話ではある。 ただ一つ一つの物語がその女性の思いや在り方に区切りをつけていく話であると言うことであればすごく分かりやすい。そして、この物語の男性たちは時に情けなく優しくそれでいて冷たい。男女にかかわらず人はそんなものかも(笑) 「嘘つき」から、「ごめん」、「いいの」の下りは特に決意がある。 高知に旅行したくなる(笑)いけないけど。
6投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ他の方の感想にもあるが、あまりにも自分とはかけ離れた環境にいる大人の女性の話が描かれていて、どの話もあまり主人公の心情に共感は出来なかった。 しかし、またもや作者の原田マハさんの世界観がいかに無限なものであるかを感じさせられた。
1投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログ「喪う」__自分から離れ、所有権をなくす。 胸にできたしこりは、一見人生を謳歌しているように見えた咲子の孤独や不安のように思えた。不安定な愛は捨て、自分を愛する決断にすっきり!どの短編も最後に明るい予感を感じさせてくれました。
5投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ「夏を喪くす」はこの短篇集に収録されているうちの1篇のタイトル。 意図があるかどうかは分からないけど、収録されている4篇すべてに「喪う(失う)」要素があったように感じた。あらゆる意味での、「喪う」ストーリーたち。 その中でも表題作の「夏を喪くす」は一番分かりやすい。実年齢より若く美しいことをアイデンティティとして生きてきたアラフォーの主人公・咲子が、乳がんになり、乳房を全摘出しなければならなくなる。夫との関係はもうとっくに破綻していて、歳の離れたステディな不倫相手はいるものの…という物語。 女性にとっての象徴を喪うということ。とくに美しさをアイデンティティとしてきた咲子にとっては、女性であること自体を喪くすことと同義で、彼女は事態を理解したときにとある決断を心の中で下す。 自分自身の身体に物理的に存在していた何かを喪う。それはきっと精神にも大いに影響を及ぼす出来事。 そんな中でもバリバリ働く女性の咲子はいつも通りの日々を過ごすが、その途中で、仕事のパートナーである青柳にも、「喪う」につながるとある重大な出来事が起きていることを知る。 他、事故で意識不明のまま目を覚まさない夫が隠し持っていた秘密を探る「ごめん」(これも夫婦関係が破綻しているのがミソ)、娘が雑誌の詩の投稿で佳作に選ばれたことからひっそり詩作していたどうしようもない父のことを回想する「天国の蝿」、9.11以降行方不明のままの親友クロと自らの裏切りを追想するニューヨークが舞台のお話「最後の晩餐」。 全員、女性が主人公の物語群。 形あるもの、形のないもの、色んなものを人は喪う。自分の意思ではどうしようもない出来事もあれば、自分の選択によってそうなってしまう場合もある。 喪ったのか、手放したのか、その時は分かりかねることもあるけれど、自分から手放したことが後になって大きな傷になることもある。 原田マハさんのあまり感情が絡まない美術ミステリがとても好きで何冊か読んできたけれど、人のどうしようもなさを描いた作品もやはりいいな、と思った。 知識や経験という下地があるって強い。そして、人の感情がよく解るということも、同じく強い。
2投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログ4編からなる中編集。 残念ながら、イマイチでした。 女性の生き様を語る物語ですが、あまり共感できませんでした。 ■天国の蠅 ある詩から、子供の頃の悲惨な生活を思い出す物語。ありがちなダメ親父だったが、最後にはそれらしいことをする。 これ、いい話なのかな? ■ごめん これまたすごい女性です。 不倫旅行中に夫が事故に遭って、意識が戻らない状態に。 その夫の通帳に毎月、見知らぬ先に振り込みが。 たったそれだけの手がかりでそこまで辿り着けますか?笑 そして、その金額がなぜ10,210円なの? ■夏を喪くす これはちょっと重い話。 さらにW不倫! 夫とは冷えた関係にあった女に乳癌発覚。そして恋人とも疎遠な関係に。そんな中、夫にも女の影が。 順風満帆の仕事では仕事仲間が緑内障に.. そして彼女はふっきって覚悟を決める。 この女の人はどちらかと言うと嫌いなひとですが、このストーリーは好きです。 ■最後の晩餐 これもよくわからなかった! 結局、ニューヨークのアパートの家賃を払っていたのは自分? 911と絡んでいるストーリー展開です。 解説読むと、大人の女性の物語とのこと。 四人の女性たちは決意が感じられる物語でした!
74投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ大人の女性のお話。心を揺さぶられる。 私だったらどうするだろう。 夫になにかあったら。私になにかあったら。、
1投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログマルタ島旅行中に読んだ。ひとり海外旅にぴったりの本だった。バリバリ働いて、お金、パートナー等手にした女性がふと岐路に立って人生を振り返る。短編ほどではない中篇がいいなーと思った。
1投稿日: 2023.12.07
powered by ブクログどれも結構重めでシビアな作品。夏を喪くすとは人生の夏を謳歌してきた主人公が人生の秋を迎える決意を表しているように思えるという解説を読んですごくしっくりきた。特製カバーが可愛くて買ったけど当たりだった
1投稿日: 2023.11.20
powered by ブクログ短編集。なんでしょう?どれも大人な女性のお話なのですが、十分過ぎるほど大人な私ですが、人生の歩んできた道が違い過ぎていて共感する部分がほとんどありませんでした(汗)こういう生き方の人や考え方の人達は強くて立派だなぁ、といった感じで、、、 原田マハさん自身が濃厚な(?)人生を歩んでおられるんだろうな。羨ましい気持ちがあります。
10投稿日: 2023.11.19
powered by ブクログいや、まいった。短編集で、こんなに心を揺さぶられるなんて。初めてだ。自分でびっくりしてる。 「天国の蝿」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の四編が収録されています。 「天国の蝿」 北陸の地で、夫と娘の3人で暮らす岡崎範子。娘の投稿した詩が載ったという雑誌を見ていたら、「天国の蝿」という詩にふと目が止まる。 「ごめん」 夫の杉本純一が、仕事中の事故で植物状態に。陽菜子はあるとき、夫の預金通帳を見つける。そこには、毎月同じ金額の振り込み記録があった。 「夏を喪くす」 同志の青柳透と共同で小さな建築会社を立ち上げて3年、野中咲子は順調に仕事をしている。夫がいる一方で恋人もいるが、体に異変が。 「最後の晩餐」 上海に住みアートビジネスをしている麻理子は、7年ぶりにニューヨークのマンハッタンを訪れる。親友のクロが行方不明になってからもずっと、アパートの家賃が支払われ続けているという。 まず「天国の蝿」でこんなに泣くとは思わなかった。読み終えたとき、ボロッボロ泣いてた。苦しみの涙です。心が、もう痛すぎて。 そして「ごめん」で呆然。こ、こんなんアリか。こんなに優しい、いい話になるとは。戸惑いながらもじーんと感動している自分がいる。 「夏を喪くす」では、ちょっとトーンダウン。物語としてはおもしろかったけど、あんまり私の好みではないかな。 ラスト、「最後の晩餐」でまたじーんと来た。これは、切ない。2時間ドラマをじっくり見たような、充実した余韻が残りました。 それぞれが濃密で心動かされた短編集でした。
2投稿日: 2023.10.17
powered by ブクログ2023.8 9月に読み終えたのだけど、感想を書くのを忘れていた。泣いてしまうので途中まで読んでから暫くの間眠らせていたけど、夏が終わるまでに読み終えたかったので良かった。今の年齢に合う本だった。泣きながら読んだ。
1投稿日: 2023.10.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4人の女性の4つのお話。 「天国の蝿」は、初っ端から心にじんと沁みるいい話だった。正直、借金まみれの父親になぜそこまで優しい感情を持てるのかわからないが、子供は親を憎めないことと同じで範子も心奥底では父親を愛していたのだろう。 「ごめん」は1番好きな話だ。世の中には様々な夫婦関係があって、奇妙だと思えることも普通に罷り通っていて不思議な気持ちになった。植物状態になった夫の秘密を知った陽菜子は、後悔するだろうと思った。死ぬことよりも脳死や植物状態に陥ることのほうがよっぽど怖い。 表題作の「夏を喪くす」はタイトル通りの話だと思った。生まれて死ぬまで共に過ごす予定だった、自分の乳房。それをなくすということは、女の機能を一部失うと言うことだ。もうこれから、夏にビキニを着ることも無くなるし、人に見せることも無くなるだろう。
1投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログめも 短編集 不倫や女性疾病などを経て それでも前向きに生きていくような終わり方になっていたので読後感はそんなに悪くなかった
1投稿日: 2023.09.07
powered by ブクログ毎話すごい、ちゃんと痺れる。マハさんを忘れそうになるけど舞台となってる土地とかアートとか、やっぱりマハさんだった。タイトル通り夏っぽい物語かと思って夏まで温めていたけどその必要はなかった。
1投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログこれって 原田マハさん2008年作 「ごめん」の文庫本版ですね。 今から15年位前だけど 古さを全然感じない。 今の原田マハさんとは ずいぶん違う感じがして 逆に新鮮でした。 どの短編も 読み応えありました。
4投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログ何かを乗り越えたその先の人生の話。大抵のことは何とかなるし、大抵のことが普通になる。大変なことをわざわざ大変って思わないように。
34投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログアラフォー女性の4人の人生。 天国の蝿 すごく歯痒い 父親としてカッコいいのか悪いのか。 ごめん ミステリー要素が強かったから、先が気にな る。ひとそれぞれの秘密。 表題よりこの2作が好み。
1投稿日: 2023.07.28
powered by ブクログこれまでの原田マハさんとテイストが違って驚いた。不倫やだらしない親など出て大人なかんじ。私はこちらのほうのテイスト好きだな
1投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログ今まで読んだ原田マハさんの作品とは全然違うイメージ。 それぞれの登場人物同様、共感できたり出来なかったり、 読んでるこちら側の感情も多様。 登場人物たちの感情も含め、捉え方は人それぞれと、 物事には無数に視点があると再認識。 短編なので読みやすい。 長編で読みたいと思った作品もあった。
0投稿日: 2023.07.06
powered by ブクログ「ごめん」とい名の本でしたが、 内容は同じものみたい。 天国の蝿 ごめん 夏を喪くす 最後の晩餐 の4つの短編小説集。
0投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログマハさんの新たな一面を見られたような気がした。女性を主人公として、前向きに人生を歩もうとしている点はいつも通りだけど、なんか主人公があまり可哀想ではないというか共感しにくい人物像で、私とは別の種類の人間を対象にしているのか、はたまた恋愛を主軸に置いた話なのかどちらかなのかな。 恋も仕事もなんでも手に入れてやるぞ!と、ひと昔の女性像ではない主体性を持って野心的に生きる女性達が主人公。自分は別に古風な人間でもないけれども野心に関しても希薄で、そこまでガツガツしなくても良いのになーと思ってしまったし、そういう人間が実際いることに違和感も嫌悪感もないけど、疲れそうだなと思った。実際、物語は面白くてどんどん読み進められたけど、読んでいて疲れた。特に恋愛の話になると、しかも自分本位すぎる彼女たちを見て、全く共感できなかった。確かにあらゆる出来事を通して本当に大切なものを見つける、というストーリー展開は良かったが、若干強引さを感じずにはいられず、いやいや私はそうは思わんよ、と突っ込んでしまった。強いていうなら、周囲にも少なからず味の濃いこういった女性がいるから、ここで慣れといて、うまく理解はできるようにする準備のための本かな。 乳癌の話は、患者の気持ちに寄り添うための参考になった。
0投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログ短編4つ。 大人の女性の物語であるけど、それぞれ不完全なただの人で、悩みや後悔と選んできた人生が描かれている。
0投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログ原田マハさんはこういう書き方もするんだなぁとびっくりしたのが、最初の「天国の蝿」 それで持って、範子の父親には感動したな。 最後の作品は、舞台も日本ではなくアメリカだからまた違った作者が書いている錯覚に陥った。2023.6.7
0投稿日: 2023.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
40代の日本女性の今を掬い取った、紛れもない文学作品。原田マハが単なるエンタテイナーではなく、人間を探求した文学者であることを示した意欲作を集めた中編集です。解説にフェミニストの斎藤美奈子を据えたのは編集の妙手です。
0投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログ全ての話が最後にどんでん返し。意外な結末と行く末を想像させられる終わり方が良かった。 女性が主人公だからこそ、共感できるわがままな心があり読みやすかった。 4つの話の中では天国の蠅が一番好きでした。
0投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ小説を久しぶりに読んだ、それがこの作品で良かった。言葉ひとつひとつに色が見えるというか、情景が繊細に見えた。「最後の晩餐」の話だけ、文章からあまり絵が見えてこなかった。でもそれは夢と同じように、自分自身がニューヨークのような外国で過ごした経験がないから色が見えてこない。他の物語は鮮明に見えたのに。本が読めるということは、今まで見てきた色(景色)をパズルのように組み合わせ、頭の中で描ける力だと思った。だからこそ、人生経験が深まるにつれて色が見えてきたりするのかな。 内容に関しては、女性の生きていく強さが見えた。というか、女性って本当に逞しいなと思った。タイトルが「夏を喪くす」ということで、人生の華を無くすような感じの印象を受けた。夏から秋に移ろうことでまた夏が散った後の美しさ、華を無くした後の生き方にこそ味が出るというか、また新しい美しさを知るんだろうな。
1投稿日: 2023.04.01
powered by ブクログ少し前にどなたかのレビューを見て読んでみようかと思った。4つの短編からなる本。 残念ながら、私にはあまり刺さらなかった。 ■天国の蠅 娘が投稿した雑誌で偶然目にした一篇の詩をきっかけに始まる少女だった頃の回想。 あんな適当で酷い男が、あのことだけでいい父親みたいに描かれてしまうのが受入れ難い。 ■ごめん 事故で意識不明のまま眠り続ける夫の通帳に見つけた不審な入出金の謎。 あんな奔放で自分勝手な女が、おあいこどころか許すほうになってしまうのが納得できない。 ■夏を喪くす 続けて不倫の話。『離婚する情熱すらない』夫婦の話というだけで興が乗らず。 去年読んだ「常設展示室」でもそうだったが、なんでも病気にしなくてもという気がする。緑内障、また出て来たし。 ■最後の晩餐 行方不明になっている親友とかつて暮らしていたニューヨークの部屋を7年振りに訪ねた女性。 思わせ振りな設定の中で思わせ振りなやりとりと回想。彼女が何をやりたかったか、あまりよく分からなかった。
27投稿日: 2023.03.31
powered by ブクログ表題作の「夏を喪くす」。強そうに見える人でも、ひょうひょうとしている人でも、完璧に振る舞っている人でも、何かしら一つ弱みがあって、それを隠しながら隣にいるのかもしれない。自分がパニック障害になってからそんなこと何度も考えてきたのに、こういった物語に出会うと忘れてしまっていたなと思い出す。 1番好きなのは最後の晩餐。足長おじさんを探すマリ。見つけた時は少し震えた。クロがどこにいるのか生きているのか分からないけど、パストラミ・サンドイッチを美味しく食べ終えていますように。
1投稿日: 2023.03.25
powered by ブクログ生活のリアル 上手くいくようでどこか帳尻を合わせるように上手くいかない、上手くいかせないもどかしさが人生。ぐっと苦しくなるけど、往々にして理解できる範疇のお話たち。
0投稿日: 2022.12.17
powered by ブクログいつもの原田マハとは違い、ダークな感じ。苦難、挫折から乗り越える人々。再生の物語かな。不倫、浮気、癌、レイプ、W不倫、9.11、色んな描写にドキドキした(^^;;
3投稿日: 2022.12.16
powered by ブクログなーんか読みにくいなって思っちゃった この本だけなのか、作家と相性が良くないのか ごめん、と夏を喪くすは比較的よかったけど
0投稿日: 2022.10.18
powered by ブクログ女性が主人公の短編集。人生の全てがうまく進む訳でもないし、想定していなかった事が起きることもある。その時に何を選択しどう行動するのか正解はないけど決意を描いたような本。
0投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ原田マハさんの、女性視点に描かれる中編集。 マハさんの作品にしては珍しく、のめり込まずに第三者的視点のまま読了。 はっきりと何か決定的なわかりやすいストーリーが描かれるわけでもなく、少し抽象的な形で終わることが多い4作品が集まった感じ。 でも、最後の解説に、「共通点は『異物』を突きつけられたことをきっかけに行動する女性4人について描かれていること」というようなことが書いてあり、合点がいった。 また、「解答を用意していない」とも。少し物足りなく、モヤモヤしている今の自分の感覚が正解であるような気がして、少し安心できた。 ハッピーエンドばかりではないのが現実。 でも、その中にも何か前に進むためのきっかけを見出す女性の、ある意味でのリアルを描いているような気がした。
1投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログうーん。つまらなかった。 同世代の女性が描かれているが全く共感できず。 「ごめん」のおりょうさんは好きかな。 でもなんで10,210円なの??
40投稿日: 2022.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔読んだと思うのだけど記憶からなくなっていたので再読。 起こっていることは主人公にとってとても大きなことばかりなはずなのに、感情の起伏や乱れや葛藤のようなものがそこまで深くは描写されていないからか、どっぷり感情移入するということはなかった。 最も、起こっていることが重い出来事ばかりなので、これで感情まで事細かに書かれていたら読み手も受け止めるのに相当なエネルギーを使っただろう。 どの作品も苦しいけれど、一作目「天国の蠅」は明るい未来を感じられる分まだ救いがあったかもしれない。 18歳の娘に対し、父のことをどのように、どこまで話すのかは気になった。 そのまま話せば少なからずショックを与えるだろう、でも良いことばかりで語れるのだろうか、とか。 ともあれ、作家としての格のようなものを感じる本だった。
1投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ「天国の蝿」と「最後の晩餐」が好きだった。 「ごめん」と「夏を喪くす」も面白かったけど共感はまったくできず、、10年後くらいにまた読み直してみたい。結婚しても、40過ぎても、恋したり愛に溺れたり誰かに会いたくなったりするのだろうか…
0投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ原田マハさんの描く女性の心理というかなんというか、ほんとそういうの凄いなと思う。 (あなたは誰かの~とこれしかまだ読んでないけど。) 最後の晩餐が何とも言えない後味で、好きな作品でした。 彼女がひょっこり現れてくれることを期待していました。
0投稿日: 2022.07.05
powered by ブクログ全て女性が主人公。それぞれが何かを抱えつつ、それぞれの人生を生きている。その中で転機になる出来事を絡めた四篇。原田さん、こういうのも書くんだな。
1投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログ理性が働くとその時つらくて、理性働かんかったら後々つらいやん どうしたらいいんやろって感じやけどそれが人生なんか、、、
1投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログつい先日読んだ苦役列車が、私小説だったことを踏まえて、なんか同じような味わいの小説を昔読んだなぁ…確か原田宗典さんの…、 と、気になってwikiで調べたら、実妹の名前に原田マハの文字。 実は原田マハさんの作品も先日の読書会でおススメされていて、 ちょうど図書館で借りていた。 それがこちら、夏を喪くす。 表題を含む中短編が4つ。 読書会で、「田辺聖子さんに作風が近くて田辺聖子さんほどクセはない」と伺って、有名な作家さんだし、これも縁だ、読んでみよ、と思った。 まさか若い頃読んでいた(主にエッセイ)原田宗典さんの妹さんだったとは! こちら読み始めれば最後、グイグイ続きを読まさせられる文章の巧みさ。 確かに田辺聖子さんに近しいものを感じる… おもに主人公がなんとなく気に入らない点について笑 とりあえず出てくるほとんどの女性主人公に対して、わたしとは倫理観が決定的に違うので、まったく共感できない。 まああとは人生において恋愛の優先順位が著しく低かった非リア充な僻みも入っているせいかもしれない笑 でもね、グイグイ読んじゃうんだよ。 面白いんだよな。 そしてどのラストでも、なんか嫌いだと思ってた主人公を、まあいいんじゃないか、と思えるようになるのが不思議。 特に何かが解決するわけでもないんだけど。 ところで一番最初の「天国の蝿」は、 原田宗典さんの妹さんって知った上で読むと本当に暗い気持ちになった。 そしてこの編に関しては、主人公というよりも父親に嫌悪感を持ったし、まあ当人がどう思ってるか本当のところはわからないしどこまでが創作でどこまでかリアルだかも図れないのでナンだけど、お話の中で主人公がそんな父親を許容するところもちょっと違和感があった。 この違和感のせいかどうかはわからないけど、 表題作よりもこの編が一番印象に残ったな。 とりあえず他にもたくさん出していらっしゃるので、これを機会にいろいろと読んでみようと思います。
2投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログうーん、マハさんにしては、ちょっとつめが甘いというか、もう一歩踏み込んだ感じは欲しかったと言う印象でしょうか。今時の女性な感じは伝わります。その先の未来へ繋がるメッセージのようなものを敢えて語らずに残した事がメッセージと捉えようと思います。
2投稿日: 2022.04.20
powered by ブクログうーん、可もなく不可もなく、、。 それぞれのお話が、充分一冊の本として成り立ちそうな雰囲気はあったので、もう少し掘り下げてあったほうがおもしろかったのかな、と。
0投稿日: 2022.04.03
powered by ブクログマハさんの本はいくつか読んだけれど、私はあまり好きでないかな。 40歳前後の女性の働きながら、プライベートも充実させつつ壁に当たるお話たち。切ない気持ちが一番に来た。
1投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ唐突に立ちはだかる壁...。その時、あなたならどうする? と問いかけられているような中短編4編。著者作品群の中では異色かな。それぞれの女性像から、今の時代を生きること、この先をどう生きるかに思いを馳せる。「天国の蠅」が好み。
11投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログハイヒール履いてアメリカの高層ビル立ち並ぶ街をコツコツ歩くできる女感あふれ出てる麻里子憧れの境地。自分の好きなことを世界を相手に大舞台で仕事にしてわかりあえる(?)同業者と結婚も決まってるって良いな~。 今現時点で干からびまくってる大学生だけど、こうなりたいっていう人物像が描かれててずっと心に残ってる。 解説にもあったけど、原田マハさん自身がこういう女性らしいからこういう話が書けるんだろうなぁ。私も「輝いている人」になりたい~ってことで今から目指します!笑 とりあえず美術館とか展覧会とかが似合う人になりたい☆彡
0投稿日: 2022.01.29
powered by ブクログ4つの中編小説集。 ・天国の蝿 娘の範子と父の話。借金を膨らませ、家庭を崩壊させたどうしようもない父親。家を出ていった父親を思い出そうとしても、出てくるのは意地悪でインチキな父親の思い出ばかり。 それから月日は経ち、当時の自分と同じ年頃の娘を持つ年齢になった。そんなある日、雑誌のとある詩を読んで父を思い出す。 父親は過去に二度家を出ている。 生活能力や計画性が皆無であるが故に、家庭を二度捨てた父だったが、一度娘を助けるために、そして母親を助けるために帰ってきたことがあった。 そして詩を通してもう一度、父親が帰ってきたのだと私は解釈した。 範子の娘もまた詩を書く人になった。 必然的な血の繋がりを感じる作品だった。 ・ごめん 結婚してから10年。冷めきっていた夫婦の関係だったが、不覚にも夫の事故によって、再び夫婦の時間が動き出したようだった。 旦那さんの誠実さと、オリヨウさんの包容力、その2つを体感した陽菜子はこれからどう行動していくのか。 なんだか想像してしまう。 小さい屋台に入って、人情味のある店主と会話をしたいと思えるお話だった。 ・夏を喪くす 夫とは形だけの結婚生活を送っている咲子。 中年と言われる歳だが、容姿端麗かつ男を魅了するスタイルを持っていた。 理解ある仲間と新しい会社を立ち上げ、魅力的な男性を恋人にし、全てが順風満帆に思えた。 そんな時に乳癌が見つかる。 夫は夫で本当に愛する恋人を見つけ、人生の絶頂にいるようだ。 恋人の渡良瀬はもともと咲子にそこまで思い入れがあるわけでもなく、あくまで仕事が1番、2番目に家庭、3番目に咲子である。 仕事仲間の青柳に惹かれつつあった咲子であったが、青柳にも大切なものがあった。 全てに見放された咲子は、青柳との賭けで残っていた運を青柳に託し、乳房を切除せずに死のうと考えていたのだと私は解釈した。 しかし、青柳からその運は返されてしまった。「あなたにも叶えたいものがあるだろう」と。 夫とも、渡良瀬とも関係を切り、青柳から託されたその運をどう使うのか。 沖縄の島にかかる無意味な橋の上で、咲子は自分の生きる意味を見つけたのだろうか。 ・最後の晩餐 ある時、突然ニューヨークから去ったマリ。 その一年後、同じ家に住んでいたクロも消息を絶った。 大家のミセス・キャンベルがクロを最後に見たのは2001年9月10日… 7年ぶりにニューヨークを帰ってきたマリは、クロが消えてからも家賃を払い続けている人を探した。 と言っても本当に探していたわけではなかった。 なぜなら、その家賃を払い続けていたのは他でもない自分だったから。 家賃を払い続け、クロがいつでも帰ってこれるように待っていたのだろうか。クロが好きだったイアンと一夜を共にした償いのつもりで払い続けていたのだろうか。 9.11のあの日からクロは消えた。けれどもマリの心の中には今も生き続けているような気がする。 あの日の一年前、マリとクロが最後の晩餐(ラスト・サパー)をしていたのなら、クロは今も生き続けていたのだろうか。 マリは後悔という言葉を一度も使っていなかったと思うが、重く、ジワジワと後悔をしているような気持ちを私は感じた。 ただ、今回二人が住んでいたアパートが買収され、家賃の振り込みも終わる。 思い出深い人たちとも会い、なんだか一区切りがついて、マリがここから前へと進めていけそうな気がした。
1投稿日: 2022.01.24
powered by ブクログ自分の欲望に忠実で自由な女性の、人生中期あたりを描く4編、中編集。 どれも決定的な最後がなく、これからも人生は続くことを感じさせられる。 自由を得る代わりに、失っていないようで失っているものがあるんだな… タイトルを見て、9月初めに読みたかった本です。
0投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
静かに炎が一瞬ともるのに、静かに終わる。フランス映画のような短編集。仕事も恋も、家族もおしゃれで、不倫すら俯瞰できている主人公たちは憧れる。(天国の蠅以外) とある出来事によってそのおしゃれも変わりそうなのに、気持ちや己はそのままあるがまま受け入れてくっていうのも、またかっこよい。そういうかっこよさが静かに自分のなかに沁みていった。
2投稿日: 2021.08.31
powered by ブクログ原田さんらしくない作品だと思った。揺れる女心。 決意の瞬間。優しくない女の人たち。自分が自分が、自分の気持ちばかりを大事にしていて、羨ましくなってしまう。 こんな風に生きていけたら楽しいだろうな。
0投稿日: 2021.07.30
powered by ブクログ現在の筆者の作品は、美術がテーマの話が多いのだが、これは少し前の作品なので、全く異なるテイスト。 ただ自身とは境遇が違い過ぎるのか、あまり共感はできず、流し読みになってしまった。 世の中の40代、50代の女性ってこんな感じなの?と思ってしまう。
0投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログ短編小説集。全て大人の女性が主人公。複雑な背景を持った女性たちが自分たちで考え、選択していく人生が描かれている。
0投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ何冊か読んできた原田マハさんの他の作品とは少し違ったテイスト、という印象。正直最初の「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪くす」は登場人物に必ずしも共感できず、いつもみたいに単に暖かい気持ちでで読み終えることができなかった。でも人間らしくて、リアルで、一度立ち止まっても主人公は必ず前を向く。ちなみにタイトルにもなっている「夏を喪くす」は「あなたは、誰かの大切な人」の青柳と咲子の物語。 4編目の「最後の晩餐」が個人的には好きだった。つらいけれど、最後はやはり前向きに終わり、清々しさを残してくれる作品。私はラストサパーに何を、誰と食べようかと考えさせられた。
0投稿日: 2021.01.14
powered by ブクログ読み応えある短編集。キャリアを積み、仕事も夫も恋人も手に入れた女性たちが思わぬ異変にぶち当たる。20代も30代も40代も人生のターニングポイントがあって、どんな状況であれ前向きになる勇気を持てる主人公たちは強いなぁと思いました。完全な結末は描かれていないため、ある意味清々しい。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて原田マハを読んだ時のような感動は無いのだけれど、やっぱり人の心を動かす力のある作家さんなんだなと感じずにはいられない。それこそ絵画のような、美しくて、でもその美しさには精巧に計算された構成があるような作品。 「天国の蠅」は少し父子の関係を美化し過ぎな所も。 「ごめん」は誠実で愛に溢れた夫の過去と意識不明となった今が絶妙に結ばれてていく。 「夏を喪くす」はとても辛い。青柳という男性のキラキラした姿につい甘えそうになった瞬間、彼もまた喪う人だったという衝撃。夏の沖縄と、そこに架かる橋で願い事をする様は、まるで映画。 「最後の晩餐」はニューヨークの9.11を題材に、喪くしたことを受け入れきれない姿、共を裏切った罪深さを、パストラミサンドイッチやポトフといった日常の料理と対比しつつ、もしかしたら、喪くすことを受け入れるということは無いのかもしれない、と考えさせられる。
0投稿日: 2020.12.21
powered by ブクログ登場人物の年齢が自分に近く、自分自身と重ねて読みました。 …といっても、主人公の経験と重なるもほはほぼないけど。 疑似体験をして、「自分ならどうするかな…?」と思いを馳せました。
0投稿日: 2020.12.06
powered by ブクログ短編小説ってあまり好きじゃなかったけど、二度三度読み返すと、キラキラと輝いてそこにある。 なくしたいのになくせない現実、感情、関係。同じ毎日に新しい風が吹く瞬間。
5投稿日: 2020.07.14
powered by ブクログ既婚女性の愛と葛藤を語り紡いだ四編の物語です。父親失踪後の母子の苦難の記憶を、一篇の詩から呼び覚まされる『天国の蠅』、夫の隠し通帳の行方から判明した事実に自責の念に苛まれる『ごめん』(高知市電の東の終点駅“御免”が作品名)、既婚女性と離婚歴のある男が、共同経営する会社の社員旅行先の南の島(沖縄諸島)で、予期せぬ出来事に遭遇する『夏を喪くす』、筆者【原田マハ】の青春譜を想像させられる『最後の晩餐』はニュ-ヨ-ク9.11が絡む、ほろ苦さの香る物語です。
1投稿日: 2020.06.22
powered by ブクログ短編4話のうち、「最後の晩餐」が今の自分にとても響いたので読んで良かったなという感想。 一番、他のマハさん作品に近いかも。 他の3話に描かれている「立ち止まる」要素も、自身や家族の健康、過去など誰にでもあり得ることだけど、重く感じてしまった。 悲観して暗い気持ちになったけど、これからの立ち止まりそうなときに、思い出せるひとつになったらいいかな。 とりあえず、マリみたいにディベートできる友達がほしい。
0投稿日: 2020.06.16
powered by ブクログ「天国の蠅」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の4つの中・短編小説が収録されていました。 今までの原田マハ作品のような華のある、綺麗系的な内容ではなく、人間的な、孤独感のある、少し泥くさく、読者の想像に任せる的な印象を受ける作品であった。 「夏を喪くす」の主人公・咲子は、青柳透と共同で会社経営をしていると言う設定ではあるものの、夫へのそして夫からの愛情はなく、自身は渡良瀬と不倫をしている。不倫相手がいるからこそ、いつまでも女性として扱われたいと思う意識が高く、体型を維持しファッショナブルで、かっこいいライフスタイルには、憧れてしまう。だが、それも突然割り込んできた「異物」により、不倫、結婚生活が一転してしまう(のではないかと思うだけで、小説は一転する前に終わっているので、読者の想像の世界)。加えて共同経営者の青柳から失明と言う今まで、築き上げできたワーク、ライフバランスが変化せざる得ない状況になった時に、咲子がこれからどのような考えを持って進んでいくかにとても感心がある。
9投稿日: 2020.03.24
powered by ブクログ4人の大人の女性を描いた短編集 けっこう”昼顔”要素が強いので、批判を浴びそう女性でしたがそれぞれの葛藤があり考えさせられました 働く女性が当たり前になった今だからこその作品でした_φ(・_・
0投稿日: 2020.02.10
powered by ブクログゆるやかに下り坂が見えてきた女性たちの、悩みや葛藤を描く短編集。相変わらず、わかりやすく、うまいのでリアリティーが感じられた。
1投稿日: 2020.01.30
powered by ブクログ天国の蠅 嫌いだった父親をふとした時から 父親の愛情に飢えていたことを改めて知り、 本当の父親の愛情を探しはじめたのかと思えました。 母親とも思春期ならではの苦悩がありつつも 生きていくためには何とか擦り合わせて 生きている感じがひしひしと伝わりました。 本当はどちらの両親との愛情に飢えていたはずなのに、 率直に愛情表現できなかったのがもどかしくも涙をそそりました。 貧乏ならではからの蠅から詩で表現しているのが 何とも言えない存在でした。 ダメな父親でも後になってから愛おしく思えるのは やはりそこに本当の愛情が含まれていたからだと思いました。 少しダークで汚い表現が多いのが気になるところです。 ごめん すれ違いの夫婦から夫が病に伏せてから 見知らぬ物を発見し、 それを辿ることで新たなる事実が発覚してくるという まるでミステリーのようなストーリー。 主人公の女性だけでなく、 夫も女性と同じような過去があったことが 入院している途中から分かったり、普段見えないその人の本性が 垣間見えてしまうというのが嫌な感じがしました。 こんな事のあった夫婦の今後はどうなるかと思ってしまいます。 夏をなくす これもすれ違い夫婦でありながらお互いに他に好きなパートナーがいるという設定です。 主人公の女性が突然身体の異変に気が付いてしまうという この作品集の中では一番インパクトが強く 重たいテーマのような気がしました。 女性特有の病気だけにずしんと心に突き刺さるような 重い感情になりました。 病気の事に関しては夫にも好きなパートナーにも 誰にも本当のことを言わなかった。 言えなかった。 言ったら何もかも現実を受け入れなければならない気持ちになる。 と思えてしまいある意味覚悟も感じられました。 結末は書かれていないですが、ここを人生の分岐点として 切り開いて欲しいと心から思えました。 最後の晩餐 かつて親友と住んでいたニューヨークに七年ぶりに訪れたことによって、 過去にまつわる知人から親友への思いを馳せるという切ない想い。 数年ぶりに訪れた懐かしい土地で懐かしい友達などに出会い 親友への考え方をもしかいたら模索していたのかとも思えました。 何気なく普通に送っていた日常から突然消えてしまった人への消失感と やりきれない気持ちが何とも言えなかったのかとも思いますが、 最後の晩餐を食することでまた考え方も変わってきたのが 少しの勇気だとも思えました。 登場する全ての主人公の女性は結婚をして仕事をして ごく普通の生活をしています。 そして中には家族も恋愛も仕事も上手くいっているはずの 日常の中に突然ネガティブなことが入り込みます。 そのネガティブな事をどんな風にして解決していき、 掘り下げていくということは書かれていないですが、 各々の主人公の行動と発言により、 ネガティブな出来事にぶつかってとしても どう対処するべきかということを 何となく勇気づけられた気がします。 解決することなく良い意味での余韻に浸ることが出来ました。 原田さんの作品が好きなので何冊も読んでいますが、 いつもならば素敵な言葉で明るく送り出してくれる という印象の作品ですが、この作品は今までとは違った テイストでまた人生の歩き方、女性の様々な生き方を 考えさせられたり、応援されたような気がしました。 何かにつまずい時にまた再読してみたいと思います。
0投稿日: 2019.11.24切なくも
心地よい短編集。何故だか、この作者の作品を読み終わった直後には自分の心の中に爽やかで柔らかい風が吹きます。
0投稿日: 2019.11.08
powered by ブクログ『天国の蝿』は原田マハさんにしては暗い設定のお話で、読んでいて苦しくなっていった。 『最後の晩餐』が一番おもしろかったかな。
0投稿日: 2019.10.26
powered by ブクログいろいろ訳ありの大人の女性を描いた短編集。 それぞれの事情がかなり複雑なだけに自分としてはどう受け止めればよいのか難しいところですが、大人の女性なら響く人もいるだろうなと想像できる。
0投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログどれが好きと選べないくらいどれも面白かった。 4人の女性主人公たちは、皆んな傷ついてつらい思いをしているのに凛と前を向いている。 過去に囚われて立ち止まるんじゃなく、進んで、決断する。その強くあろうとする姿が格好いい。 一歩先に進む勇気をくれるような短編集。
1投稿日: 2019.08.25
powered by ブクログ切ない4つの話 どの話も、静かで切ない。そして最後には決断し前を向く。 その先どうなったの?と知りたくなる。
1投稿日: 2018.12.19
powered by ブクログ短編集。 斎藤美奈子さんは解説で、原田マハさんを「蓄積のある人」と書いている。なるほど、この読後感の心地よさは、マハさんのキャリアが土台となっているのかと納得。他の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2018.11.15
powered by ブクログ4作品全部面白い。裏切りながら失いながらそれでも、ほんのわずかな光りを頼りにしながら生きていく。2018.07.21
0投稿日: 2018.07.21
powered by ブクログ就寝前に一作品ずつ読もうと思ったら四つ一気読みしてしまった。さらさら読み易い。 自分と同世代作家の原田さん、小説家になる前のキャリアがすごくていろんな努力をされたんだろうな。後半二つの主人公も都会的でカッコ良い。 女性が立ち止まり自分の人生を客観的に見つめ直し、これからの人生を指し示す方向を考え決める時ってあると思う。 舞台も設定も違うが、どれもその方向に光がありそうで良かった。
0投稿日: 2018.05.27
powered by ブクログ4つの短・中編小説が描かれている。 女性からみた男性と女性の強さが感じられました。 特に好きだったのが、『最後の晩餐』 この世に完璧なものなんて何ひとつない この一節が心に残りました。
0投稿日: 2018.03.03
powered by ブクログどれも女性が主役の、短いながらも濃い4本のお話。 彼女たちのような経験はしたことないけど、入り込ませてくれるというか、わかったような気になれるのは原田マハ先生のすごいところだ。タイトルの「なくす」を「喪くす」にしてるあたりも個人的に好きだ。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログ天国の蠅/ごめん/夏を喪くす/最後の晩餐 範子の陽菜子の咲子の麻理子の、それぞれの社会で楽しんだり悲しんだり苦しんだりした事を乗り越えた先の想い。スッキリと晴れ渡るとは言えないけれど微かな灯はある。彼女たちが辛さや哀しみに沈み込んでしまわない様に祈りたい。
0投稿日: 2017.08.29
powered by ブクログ自分の時間が取れなくて、読むのに何ヶ月もかかったせいか内容が全く入ってこなかった。作者さん、ごめんね。
0投稿日: 2017.07.31
powered by ブクログ2017.6.11 4つの物語からなる短編集。はあ、もう、なんだか苦しいけどさすがマハさん。恋愛のキラキラした感じとかはもうとっくに過ぎた女性たちの今を生きる話。「ごめん」「夏を喪くす」が特別印象的。
0投稿日: 2017.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集 その割に力のある作品が多かったと思う。 お婆さんのお話のくだりは思わず泣きたくなったし。 最後の作があまり響かなかったので、☆3
0投稿日: 2017.05.31
powered by ブクログこの感じ、どう表現したらいいのだろう。 短編4集。 主人公にも出てくる登場人物誰も自分勝手で共感出来ないのに、あまりにもリアルで心がザワザワする。 中でも 「ごめん」が好き。「天国の蝉」は読んでて苦しかった。
0投稿日: 2017.05.12
powered by ブクログ初・原田マハ。 どれも続きがもっと読みたいと思った。 解説にて原田マハの経歴を知り、すごい人だと思った。
0投稿日: 2017.04.06
powered by ブクログなんとも言えない読後感。 40代で活躍する女性たちのありとあらゆる異物から始まるそれぞれのストーリーが、ミステリアスで甘く塩辛く、味が濃厚で若さにはないなんとも言えない匂いを醸し出すそんな一冊です。 ハラハラしつつ諦めがあったり、ドキドキしつつ達観していたり。 新しい恋愛小説なのか、はたまた甘めのホラーなのか?優しいミステリーという分類なのか、なんとも表現のしようがない本書ですが、とにかく面白かった。 ミステリ好きも、恋愛好きも、ヒューマンストーリー好きも楽しめるワイドな一冊!!! この作家にハマる。
0投稿日: 2017.03.17
powered by ブクログ4編の小説からなる中・短編集 「ごめん」「夏を喪くす」の2編はテイストが似てる 他の2編は少し毛色が異なる感じ… だけどお話の底を流れる水の匂いはどれも少しずつ似ている 読んで良かった、勇気が湧いてくるような気持になったから… 文庫の解説を斉藤美奈子さんが書かれているのだが、この解説にもまた、心をつかまれた この方の文章も好き
0投稿日: 2017.02.05
powered by ブクログ本当に大切なものは失わないと その価値に気づけない とはまさにこのことだなと いつ私自身の経験となってもおかしくないようなストーリーがたくさん詰まっていました。 失う前に気づきたい。 それができたらどれだけ楽か。 困難への立ち向かい方こそ その人の真価なんだと思った。
0投稿日: 2017.02.04
powered by ブクログそうそう、中・短編集はこうじゃなくちゃ。4つの物語はどれも読んでいるうちに「じん」ときて。あまりの満足度に、読み終わって確認したら4つしかなかったんだと驚いて。はぁ、とため息とともに最終頁を閉じました。
0投稿日: 2016.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
働く女性が主人公の短編集。 基本的にキャリアウーマン、しかも成功している方々が主人公。 仕事も恋も充実している、これからの女性の姿を描いているのかもしれない。 それぞれが主に恋愛に関する悩みを整理していく。 不倫関係が多い、それが今の時代当たり前なのかと、よくわからなくなる。
0投稿日: 2016.07.19
powered by ブクログ正しい生き方かどうかは別にして逞しい女性たちに羨望。4編からなる短編集。どの作品の主人公も魅力が溢れているが一番好きな作品は「天国の蠅」かな。 あらすじ(背表紙より) 「なんだか、硬いね」ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。夫との冷えた関係に加え、急に遠ざかる不倫相手に呆然とする。夏の沖縄で四十歳を迎えた女性の転機を描く表題作「夏を喪くす」。揺れる女心の決意の瞬間を、注目作家が鮮烈に綴る中編集。
0投稿日: 2016.06.19
powered by ブクログ「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪くす」「最後の晩餐」の4編が収録。いずれも30~40歳代の女性が主人公。
0投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログ相変わらずの文体の魅力。 なんだか知らないが、文章の並びがいいんだよな。 最初の「天国の蝿」が最高!
0投稿日: 2016.03.06
powered by ブクログ原田マハさんは大好きな作家さんのひとり。 原田さんの本はこの本で13冊目になります。 この本には表題作を含め、4編の作品が収められています。 ■天国の蝿 とても不思議なタイトル。 範子の父との思い出。 途中の描写がちょっと苦手な部分もあったけど、ラストはちょっとホロリ。 ■ごめん 結婚後も自由に恋愛を楽しむ陽奈子。 そんな陽奈子の夫が仕事中の事故に会い… 夫の秘密を知ってしまう陽奈子。 ■夏を喪くす 40歳の咲子。 彼女もまた『ごめん』の陽奈子同様、自由奔放に生きていたのだが… 順風満帆。 咲子は自分自身の人生をそんなふうに思っていたのかもしれない。 何を持って順風満帆って言うのだろう。 それを決めるのは誰だろう。 他人から見て? やっぱりそうではないよね。 自分の人生なのだから、自分が決めるのよね。 でも、100点満点でないと順風満帆といえない人もいれば、80点あれば良いんじゃない?と思う人もいる。 さらには50点こえれば良いじゃない?と思う人も。 100点満点を順風満帆と考えていると、小さなつまずきから立ち上がれなくなるのかな… ほどほどが良い! 目の前の小さな灯りにぬくもりを感じられるほどに。 ■最後の晩餐 この作品だけ、少し異色。 大切なものを失った悲しみはいつ癒えるのか…
3投稿日: 2015.09.18
