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逸脱 捜査一課・澤村慶司
逸脱 捜査一課・澤村慶司
堂場瞬一/KADOKAWA
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総合評価

35件)
3.2
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18
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    警察の捜査員が活躍するという感じの小説だ。その種の小説を多々送り出している作者の作品で、偶々眼に留まって入手した。紐解いてみると少し夢中になった。頁を繰る手が停め悪くなり、素早く読了に至った。 本作は明確に「〇〇県警」というような設定はなされていない。架空の県というような感じで、街の名も架空という感じだ。他方で、福岡、大阪、京都、東京、成田空港というような実在の地名が作中に出て来る場合が見受けられる。そうした様子で、また港や工業地帯が描写されているので、何か神奈川県や茨城県というような雰囲気だと思った。そういう些か本筋を外れているかもしれないような辺りが気になってはしまったが、それはそれとして作中世界に強く引き込まれてしまった。 物語は刑事の澤村慶司の視点で綴られている。それが殆どなのだが、一部に別な視点人物が登場する短めな部分が挿入される。別な視点人物とは、澤村達が手掛ける事件の犯行を重ね、そして警察の活動を見詰めているという人物だ。この人物の正体を解き明かし、この人物を追って逮捕を目指すという顛末が綴られた物語ということになる。 冒頭、この「別な視点人物」の部分で始まる。禍々しい犯行の様子が描写される。そしてその犯行の結果である事件現場に臨んで捜査活動に着手する警察の捜査員達の様子になって、本格的に物語に入っている。 澤村は県警の捜査一課に所属する刑事である。澤村が在る班の出番となって事件現場に臨んだ。他殺と見受けられる遺体が発見されたのだ。細い線で絞めたと見受けられる状態であったが、首筋に小さなナイフが突き立てられていた。澤村はこういう様子の遺体が出て来る事件が2件在ったところで、眼前の遺体は3件目ということに思い至る。 やがて捜査本部が設けられ、澤村は所轄署の少し若い女性刑事である永沢初美と組んで活動することになった。永沢初美は生活安全課の刑事である。所轄署も投入可能な人員を全て投入する体制で捜査に臨んでいるのだ。 澤村は色々と過去の経過も在って、捜査一課の谷口課長とは長く深い縁が在る。そういう他方、西浦管理官とは折り合いが悪く、熱くなって衝突するというような場面さえ在る。そういうような中で、殺害されてしまった人物について掘り下げる。そして澤村が当初手掛けた事件の被害者だけではなく、他の2件に関しても調べるようになる。 難航しながら捜査が進められる中、澤村は研修留学経験者でプロファイリングをしているという橋詰と出会うことになる。澤村の目線で、橋詰は余り相性が好くない人物だった。マイペースに過ぎて苛立つような面が在る人物なのだ。 夏の暑い盛りという中で澤村達が奔走する。澤村達が見出す事件の真相は如何に?そして被疑者を無事に確保出来るのか?ということになって行く。 過去の出来事が契機で、何か熱い想いで仕事に取組む澤村は、何処か「一匹狼」的な、突っ走ってしまうような男である。動き易い服装が好いとジーンズを常々着用して動き回っている。個人的にはカメラ好きという一面も在るのだが、デジカメを常時持ち歩いて、事件現場や人の顔と名前を覚えると称して出逢う人の顔を写真に撮るというようなこともする。こういう少し際立った男が向き合う本作の事件は「連続殺人」ということになった。しかも、過去に類似事件が発生していて未解決で、その時に一般に報道するようなことをしていない「特徴」の「模倣」というのまで在る。何か、米国辺りの刑事ドラマのような雰囲気も色濃いかもしれない。 際立った感じの澤村に対し、真面目な若手という感じの永沢初美や、マイペースな橋詰という手近で動くような人達とのコンビネーションも好い感じだ。捜査が進み、事の真相に近付く中、次なる犯行を阻止しようと澤村が奔走するような場面の緊迫した様子、被疑者との対決等、本当に夢中になった。 2010年頃に登場した作品だという。少し以前だが、そういう古さは全く感じられない。実に面白かった。広く御薦めしたい。

    3
    投稿日: 2025.04.18
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    なぜか読むのに時間がかかったけど、後半になるにつれ、面白くなっていった。 アウトローな主人公だけど、好感が持てる。

    0
    投稿日: 2023.10.19
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    完全にはずれ。つっこみどころ満載。まるで単独行動がかっこいいみたいに思ってるようだけどひどい。周囲が間抜けすぎ。ペアの女の子、初対面なのに言いたいこと言いすぎ。プロファイリングの人だけちょっと面白かった。けど、”最高の刑事”って何よ。何その幼稚な目標。

    0
    投稿日: 2022.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    天才的感覚派というのか 作中では人より目がいいと表現されているが、過去にトラウマを持つ主人公の澤村 ストーリーの起点の事件である連続殺人事件が10年前の事件と繋がっているのではないか、 10年前の事件の詳細を知っているのは、犯人と警察… ここから犯人が絞り込まれ一気に浮上した鬼塚 澤村と鬼塚 非常に似た思考を持つ2人だが、自己評価は異なった それぞれが一度の失敗をきっかけに こんなにも道を違えてしまうのか その失敗に対し、彼らを取り巻く環境は大きく異なり 澤村は自分を責め続け、 鬼塚は周りを卑下した 正義から生まれた『悪』だろう 鬼塚の話を真剣に聞く相手がいたら、 共に闘ってくれる仲間がいたら、 正義のまま、悪の根源を断つことが出来ただろう 登場人物それぞれがすごく人間らしい 手を差し伸べるか、遠ざけるか 行動できるか、出来ないか 人間の強さ・弱さを濃く描かれた作品だった 作品の構成 本筋の澤村目線と犯人の心情が書かれており 犯人が明白となるまでの進度が表現されており その臨場感も面白い 登場人物たちの最後がどうなったのか分からず、少しもやっとした

    2
    投稿日: 2022.09.22
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    10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった-。

    1
    投稿日: 2022.08.10
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    はじめての堂上瞬一さんの作品。 警察モノは好きだから楽しく読めた。しがらみが多いんだろうなとフィクションでしか知らないけれど、それに巻き込まれながらも懸命に足掻く人の話。

    0
    投稿日: 2022.02.09
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    久しぶりの堂場作品。やっぱり面白い。 脇役の存在感が凄く強くてよいスパイスになってる。 全体的にモヤモヤが残る結末なんだけどそれも程よく考えさせられる内容で自分で噛み締めてみるのもいいのかも。

    4
    投稿日: 2021.02.14
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    評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった―。

    2
    投稿日: 2019.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    10年前に目の前で人質の幼女が殺されて最高の刑事になることを誓った主人公澤村、通常捜査を逸脱することもしばしば。連続殺人事件が起こり捜査するも、被害者同士の関連がわからない。上司とも衝突し捜査からはずされてしまうが、ついに自分と同じ一匹オオカミの元刑事の存在にたどり着く。 ひとつずつ捜査によって犯人に近づいていくリアルさと、主人公の心情がわかりやすくてよい。犯人には中盤過ぎにはたどり着き、そこからの戦いも犯人の思考が書かれているのでワクワク感がある。 いかにもドラマになりそうと思って調べたら、やっぱりドラマ化していた。

    1
    投稿日: 2019.06.28
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    よくあるパターンだけどトラウマを抱えた刑事が主人公。 登場人物が多い。 何気ない警察の中の一人としてあっさり読んでた橋詰が、終盤おおいに関わってきてちょっとびっくり。

    0
    投稿日: 2019.02.03
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    過去の事件を模倣した連続殺人事件を追う。結構あっさりと犯人がわかるが読ませる。仕事上のトラウマ故にガムシャラに働く主人公に若干共感。

    0
    投稿日: 2018.10.09
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    10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だったー。

    0
    投稿日: 2018.05.29
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    澤村シリーズ第1弾。 まだ若手の方の刑事なので危なっかしい様子も表現しつつ過去の失敗も引きずりつつ刑事としての才能を開花させる前段階といった巻。 後半連続殺人事件の内容が思い出せなかった・・・。

    0
    投稿日: 2018.01.06
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    シリーズ第1弾だからなのか、澤村の抱える過去のトラウマが何度も意味ありげに登場する。 いまだに過去に縛られ、「完璧な刑事」として生きることを目的にした澤村の心情が描かれている場面も多いが、いまひとつ響いてこなかった。 ただ、構成や展開は面白かった。 徐々に真犯人へと近づいていく澤村の行動がわかりやすく、無駄なく描かれている。 プロファイリング担当の橋詰のキャラクターもいい。 プロファイルを理解しようとしない澤村と、理解させる気もない橋詰。 ふたりの会話は噛み合わず、互いに自分の言いたいことだけを伝え、自分の聞きたいことだけを聞こうとしていて奇妙な面白さがあった。 早々に犯人はわかってしまうけれど、それでも最後まで読ませる物語になっているのはさすが堂場作品と。 シリーズを追っていけば澤村にも何かの変化が表れるのだろうか。 第2弾の「歪」も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2017.03.08
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    なかなか面白かった。最高の刑事を目指すと言いながらどこか影のあるジーンズ穿きの主人公が何故だかそんなにいやらしく感じない。後半の犯人を追い詰めてく展開も、プロファイリング担当との掛け合いも楽しめたし、相棒役の女刑事との今後も気になると思った。今まで読んだ堂場瞬一の警察ものでは一番良かった。

    0
    投稿日: 2016.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ※アマソンより引用 ■内容 10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。 県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。 澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった―。

    0
    投稿日: 2016.07.18
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    堂場氏の作品にはトラウマを抱えた刑事がよく出てきます。本書もそんなシリーズの一つ。 海堂尊氏のバチスタシリーズに登場すは白鳥を彷彿させる個性派の分析官・橋詰が効いています。

    0
    投稿日: 2016.04.15
  • タイトル通り

    読み易さ、わかり易さで星四つ。主人公の澤村は「最高の刑事になる!」って頑張ってるけど、なんかそれで周りが振り回されている感がしなくもない。読者が主人公感情移入型で「オレTSUEEEEE!」ストーリーが好きならば楽しめるかも。それでも、一応主人公はヘタレ属性。犯人の存在感の方が強かったかな。その生き様がタイトルだと思ったが。スリリング感はあまり無し。

    1
    投稿日: 2016.02.10
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    捜査一課・澤村慶司シリーズ第一弾。 過去の未解決事件と同様の手口で繰り返される連続殺人事件。 しかし、その手口には秘密があった。 プロファイリング担当と犯人を追うが、そこにも過去を辿る秘密があった。 2015.11.2

    0
    投稿日: 2015.11.03
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    展開も早く面白かった。 最後、トラウマを乗り越えられなかったのは残念な気はしたけど、全てがうまくいかないからこそ、次に続くのかな。 次のシリーズもまた読みたい。

    0
    投稿日: 2015.02.22
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    堂場さんのいつも出てくるタイプの刑事の主人公。 この手の、なんというか、トラウマを持っていて、独断で何事かを進める話が、堂場さんには多いけど、描き方が私としてはイマイチなんだよなー。多分、私の趣味の問題なんだろうけど。 年下の女性の部下が出てくるのもいつも一緒ですよねー。 でも、プロファイラーの橋詰さんは新しいタイプで、このシリーズの今後の展開に期待ですね。

    0
    投稿日: 2014.11.11
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    主人公と犯人の似ている部分がストーリーとしてを交錯するところはさすが。 あっという間にこの作家さんのファンになってしまいました。

    0
    投稿日: 2014.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    捜査一課 澤村慶司のシリーズ第一弾。 新たな主人公はまたも独断専行型だった(笑) 少々うんざりとしながらも、 プロファイラーの橋詰の強烈な個性に救われたかな?

    0
    投稿日: 2014.01.07
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    若干ネタバレ注意です。 型破り系な主人公の刑事もの。 主人公の自己中心的な振る舞いが目につく場面が時たまありました。 それから、主人公が「最高の刑事」を目指すという部分も、理由となったその事件からそういう結論に至るかね?と引っかかるところがありました。 と、細かいところを色々言いましたが、組織を離れ、持ち前の洞察力や勘で突き進んでいく様は中々面白かったです。 まとめると、もう少し細々したところを詰めてくれればなぁ、といった感じでした!

    0
    投稿日: 2013.12.11
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    横山秀夫の64の次に読んじゃまずかった。 冗長で無駄の多い描写、変な文章、リアリティのない展開、どこかでみたキャラクター、ただひたすらダラダラな展開。 加えてこの失速感…雑すぎませんか。 64のあとに読まなきゃ、ここまで失望しなかったと思う。タイミングが悪かった。 最高の刑事になる!という思いもなんだかなぁ…という感じ。あの一件から、どうして最高の刑事になるって思いが出てきたんだろう。最高の刑事像の具体的な姿も思い描いてないみたいだったし。ワンピースかとおもた。 澤村の朝ごはんの描写に6行かける必要は全くない。久しぶりにこんな面白くない本を読んだ。期待してただけに残念。

    0
    投稿日: 2013.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    澤村慶司のようにトラウマ抱えてて、一匹狼で、というのは 堂場作品の中では割と類型的な部類に入るキャラクターかもしれない。 今までのシリーズの中では真崎薫が近いかな。 真崎薫をちょっと泥臭くした感じ。 主役のキャラ造形や、話の骨子に当たる部分は王道なんだけど、 過去の堂場作品には居ないタイプの橋詰が脇を固めているおかげで 今までのシリーズとはちょっと違った感じになっている。 橋詰という男は人の神経を逆撫ですることにかけては天才的。 彼の行動や口調を見聞きしていると、澤村がイラッとする気持ちがよく判る(笑)。 クライマックスで澤村が橋詰を殴ったときはスカッとした(爆)。 傍から見てるとそんな澤村と橋詰の遣り取りは何処かユーモラスなのが不思議だった。 西浦の存在もムカついたけど、橋詰に対する苛付きとは種類が違う。 相棒となった永沢初美の登場は今回だけなのだろうか。 けっこういい雰囲気だった気がするので、次からも出てきてほしいけど 彼女を所轄から異動させないと無理なんだろうなきっと。 澤村とは合わせ鏡のような鬼塚の存在も、ちょっと異色だった気がする。 そしてこの話のタイトルが『逸脱』だという理由もそこにあるんだろう。 先日放送されたドラマは録画しておいてまだ見てないのだが どうしてもこの本の中の澤村が反町隆史と重ならなくてちょっと困った(笑)。 初美は比嘉愛未にちゃんと変換されてたし、 橋詰のムロツヨシは、メレブのときの口調を思い出す限りイメージぴったり(笑)。 体型は大違いだけど。 どうやら全然違う話になってるみたいだけど、それはそれで見るのが楽しみだ。

    1
    投稿日: 2013.03.17
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    捜査一課・澤村慶司シリーズ第1弾。 澤村は県警捜査一課に属する37歳の刑事。これまで持ち前の勘の良さで功績をあげてきたが、実は過去に関わった事件で子供を死なせてしまったことによるトラウマを抱えていた。 「最高の刑事になる」という目標を半ば脅迫的に自分に課して、上司に対しても物怖じせず発言し、時に強引な手段をとる澤村。そんな彼の前に、連続殺人犯が立ち塞がる。 過去に起こった連続殺人事件を彷彿とさせる犯行手口に、これは模倣殺人なのか、それとも迷宮入りしたその事件の犯人が殺人を再開したのかと疑う県警。 そんな中、澤村は捜査の過程である人物に目をつけるのだが…… *** 頁数は結構ありますが、一気読みできる面白さでした。 堂場さんの作品を初めて読みましたが、文章も読みやすいし話の要所要所に盛り上がる箇所があるので、話の中にすっと入っていけたように思います。 ただ、頁数があるわりには、同じような遣り取りが繰り返されて話の腰を折られたり、主人公以外の登場人物の心理描写が少なかったりと、若干物足りない部分も感じました。 とは言え、主人公の澤村は暴走しがちでたまにイラッとさせられるけれど、犯人検挙に闘志を燃やす熱いところや垣間見せる脆いところは応援したくなるし、彼を支える谷口一課長やプロファイリング専門の橋詰、若い女性警察官の初美といった周囲の人物達も好感を持てるキャラクターなので、シリーズの今後に期待を寄せたいと思います。

    0
    投稿日: 2013.02.01
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    新シリーズということで期待していたが、今回のシリーズはイマイチかもしんない。。。。 独断専行の一匹狼で、上司に対しても常に憎まれ口を叩き、それでいながら切れ者の刑事という堂場作品としては典型的な主人公の澤村。 今までの主人公たちと異なるのは「最高の刑事になる」といった明確な目標を定め、それに向かって頑張ってる点だろうか。 ただ、そこにも大きな疑問が残る。 これまでもそうだったように、自分の勘や得た情報を自分だけで抱え込んで単独行動に走る。 その挙句に犯人に迫りながらも逃げられる。 …って、今までの主人公たちなら単なる変わり者だけで済んだけど、過去の事件を引きずり、「最高の刑事」を目指すにはあまりにも短絡すぎ!! それで犯人逃して、別の負傷者を出してたら引きずってる過去を何にも活かせていない気がするんだが、本人にその自覚はないんだろうか??? 警察官の事情に詳しくはないが、あくまで庶民の側からみたら負傷者何人も出して組織をかき回す奴より、組織をうまく活用して犯人を追い込む方が「最高の刑事」のイメージには近いと思う。 澤村もそこを目指して、それでも理想と現実が乖離してるっていうのならまだしも、そもそもの目標値が間違ってるとなんか釈然としない。。。 ただ、まだシリーズ1作目なので、このような身勝手刑事が如何に理想的な「最高の刑事」になるまでの変化がシリーズを通したテーマであるならば、先ずは程遠い立ち位置からのスタートってのは理解できるし次作以降にも期待は持てるかと。。。

    0
    投稿日: 2012.12.06
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    横山秀夫、今野敏以来久々に読んだゴリッゴリの警察小説。 10年前の連続殺人事件とリンクした捜査から浮かび上がる意外な人物とは…。 警察小説お決まりの、長々とした地取りや事情聴取がどうしても好きになれないので、本作ももれなく途中で飽きそうになりました。 それでも続きが気になるのは、犯人側の異常な感情がグッドタイミングで挟まれるから。 ただしそれもちょっと、言葉は悪いですが「ダサく」て、B級洋画のような台詞であまり緊迫感はうまれず。。。 うーん、こんなに長くなくても良かったのでは。

    0
    投稿日: 2012.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時折はさまれる犯人の視点と、主人公が迫っていく犯人の像のシンクロ具合が絶妙。でも最後は平凡かな。。。

    0
    投稿日: 2012.10.29
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    はみだしで一匹狼のようだけど、 決して一人ではない。 最高の刑事になることを己に課した刑事の疾走。 ―(ダッシュ)の使い方が、 堂場作品では珍しいなぁ、と引っかかった。

    0
    投稿日: 2012.10.10
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    トラウマを持つ澤村刑事が10年前の未解決事件を模倣した連続殺人を追う 澤村がどの様になっていくか? ほぼ警察組織としての捜査からはずれ、個人的つながりだけで捜査していたが、今後はどうなっていくのか? コンビを組んだ初美や最後に頼った橋詰とのかかわりは? 今後に期待。

    0
    投稿日: 2012.10.08
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    堂場瞬一の刑事小説新シリーズの開幕。 過去をもつ刑事・澤村が連続殺人犯を追う。 新たな境地かと心踊らせて読んだのだが、途中でなぜか失速。 著者は翻訳ミステリ好きらしいので、それらに匹敵するような大傑作をいずれは書いてくれることを期待しつつ星三つ。 追記。先日、反町隆史主演のドラマ化作品を観た。人物設定だけを借りて、後はほぼ違う物語に仕上げていた。これはこれでまずまずでした。

    0
    投稿日: 2012.10.06
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    どこかで読んだことがるような展開なんだよな。 なんの本だったけ。。。。。。 警察小説も手を変え品を変え、いろんなジャンルに伸びてきているから、そう思ってしまうのかな。

    0
    投稿日: 2012.10.02
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    実に面白い。 最初、なんか鳴沢的かと思ったが、そうでもない。ちゃんと独自のキャラクターとして、いい味を出しているように感じた。

    2
    投稿日: 2012.09.29