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バルーン・タウンの殺人
バルーン・タウンの殺人
松尾由美/東京創元社
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総合評価

15件)
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    人工子宮の使用が当たり前になった世の中で、あえて自らの身体で妊娠・出産を経験しようという妊婦たちが集められたバルーン・タウンを舞台にした連作ミステリ。妊婦ならではの着眼点やトリック満載の作品です。 妊婦たちが平和に日常を送るバルーン・タウンだけれど、人間の営みの中で必ず事件は起こるもの(笑)。幸いにしてそれほどに物騒で凄惨な事件は起こらないものの、社会への痛烈な皮肉なんかもあって、軽くはない読み心地です。 お気に入りは「バルーン・タウンの密室」。ほぼ密室で起こった知事襲撃事件、犯人の出入り可能な空間はあったものの、容疑者たちはサイズ的に誰も通ることができなかった、というシンプルなようで難解な謎です。でも明かされると目からウロコといった心境でした。これはなかなか気づけませんよ。 「なぜ助産婦に頼まなかったのか?」も、なかなか気づけないポイントだなあ。自然にこういう要素を謎に絡めてくるのが本当に見事です。そして「亀腹同盟」のシャーロック・ホームズネタの連打にも大笑いでした。個々の有名作品のネタは明かされているけれど、これを読もうという人ならほぼ知っていますよね?

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    投稿日: 2025.02.15
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    ◆ お風呂でミステリ ◆ ・・・ 第一回 「バルーン・タウンの殺人」 ・・・ バルーン・タウン、というのは人口子宮が当たり前の時代に(だからこれは一応近未来SFです。発表されたのもSF誌)古風にも自分のお腹で赤ちゃんを育てたい、という女性たちのためにつくられた、妊婦しか住んでいない町のことです。 高い塀で囲まれ、パスがなければ入れない、厳重に守られている町の出口で男が一人、妊婦に殺されます。 目撃者は何人もいるのに、突き出たお腹に驚愕して(だって、ほら、妊婦なんて見たこともないわけですから)誰も顔を覚えていない……。 町のなかに逃げ込んだのだから本物の妊婦のわけですが、見かけたほかの妊婦たちも、お腹の大きさ(8ヶ月だと思うわ)と形(みたことないほど立派なとがり腹でした……)しか覚えていない……。 “妊婦は透明人間なの、お腹以外は……”という、ミステリ史上かつてない驚くべきトリック!? かつ “エレベーターは満員だった。といってもぎっしりなのはお腹の回りだけで顔のところはすいている”というような描写で満ち溢れた、抱腹絶倒ユーモアミステリーです。 タイトルも“亀腹同盟”とか“なぜ助産婦に頼まなかったのか?”とか、ミステリファンなら誰でも笑えるお遊びがいっぱい……。 でもそのオリジナルを二重三重にひねり、やがてはさまざまなジェンダー系の問題が浮かび上がってくる、という素晴らしくよくできた一冊です。 これがデビューなんて、信じられない。 解説は有栖川有栖ですが、これまた絶品です。 2017年05月30日

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    投稿日: 2017.06.22
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    人工子宮の利用が普通になった世界の中で、それでも敢えて母体での出産を望んだ女性たちが暮らす長閑な別天地バルーンタウンでの妊婦探偵・暮林美央事件簿シリーズ。 設定が面白いです。近未来SF・・・というほどでもないパラレル的な。そもそも人工子宮(AU)についても作品内世界では常識化していても結局はAUを利用しない人の街でのお話なのでトリックとかにあんま関係なかったりしていても、そういう背景がしっかりと構築されているせいか話に深みがあるような。

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    投稿日: 2016.06.24
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    とにかく設定が絶妙。 トリックが、妊娠&育児のあるあるネタの話もあるのでミステリとしては微妙だが、お話としておもしろい。 随所に散りばめられた「女性が、社会が要求する何かから本当の意味で自由になって、人として自立して生きていくこと」へのメッセージもすばらしい。それでいて、1話ずつ気楽に軽く読めるバランスもよい。 そして、有栖川有栖さんの解説もよかった。

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    投稿日: 2015.12.28
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    近未来/SF/ユーモア/ミステリー 設定が見事! 派手なトリックはないが、独自の設定により魅力的な解決を迎える。 探偵役も個性的で好印象。

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    投稿日: 2015.05.10
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    素行不良の《妊婦探偵》が活躍する、シュールな笑いにあふれたSFテイストのミステリ。 舞台は、東京都第七特別区。人呼んで「バルーンタウン」。そこは、「人工子宮(AU)全盛の世の中で、妊娠・出産という過程をへて子供を持つことをあえて選んだ女たちが、天然記念物なみの保護をうけて暮らす」妊婦の町である。そのちいさな、しかしかなり特殊な町で発生するさまざまな事件を、「妊婦のことは妊婦にきけ」とばかりに、見事な「亀腹」をもつ《妊婦探偵》暮林美央が鮮やかに解決する連作もの。 この妊婦探偵、厳密にいえばちがうのだろうが、分類としては《安楽椅子探偵》に入るのだろう。じっさい、電話口から示唆するだけのものもあるからだ(『バルーン・タウンの裏窓』)。「妊婦は透明人間なの。お腹以外は」などなど、全編をとおして名言(迷言)にもことかかない。

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    投稿日: 2014.05.21
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    設定の面白さ、発想の独特さ、所々に見受けられる僕等へのメッセージ。素晴らしい作品だと思います。解説での有栖川有栖さんの考察も興味深いです。

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    投稿日: 2013.06.16
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    元々SFとして発表された作品ですが、創元文庫という事で、ミステリとして読みました。 ジェンダー目線やらSFやら色々で評価が低いのかなと思いますが、個人的には推します! 当方子持ちですが、面白いですよこれ。マタニティライフもニヤリです(笑)女性が書かれてるからだと思いますが。 ミステリとしてもほのぼの。でも??でヤラレタ感もあります。特に経験者として悔しいのもあり。 但し、、、 軽く読めますが、問題として提起されているものは深い。と思います。

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    投稿日: 2011.11.21
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    基本的に妊婦しかいない町・通称バルーン・タウンで起こる様々な事件!? もちろん解決するのも妊婦! …とかいうトンデモ設定。 あ、トンデモ設定というのは失礼かな。トンデモナくありえない設定なんだけど、一応ちゃんと機能してますので。 なんか、もともとSF系らしいですね。<作者 設定にしても推理部分にしても、納得できる部分もあれば、かなりむかついてくる部分もあり…(苦笑) 非常にシニカルに妊娠・出産というものを描いていると思います。よくできた世界観だとはおもうけど、夫を始め家族まで一緒に住んでおらず、いろいろと大変な妊婦に手伝いの人もそう多くはないというのはおかしいと思うんですがね? つっても、自分は出産を経験してないし、近くにそういう人がいたこともないので(第二子だから)、想像なんですけど。 しかし、妊婦は腹以外透明人間とはよく言ったものだと思う。

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    投稿日: 2010.02.05
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    人口子宮による出産が可能となった近未来。にもかかわらず、わざわざ人口子宮を使わずに出産しようという妊婦が集まるバルーンタウンという都市でおこる事件を中心に物語が進んでいきます。 なんといってもこの設定がおもしろいと思います。 タイトルにあるように「殺人」がおこったりもしますが、大半はほのぼのした雰囲気なので安心して(?)読めます。 「殺人」というある意味ミステリの山場なしでここまで読ませるのは逆にすごいことでは、と思ってしまいます。

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    投稿日: 2009.12.11
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    ハヤカワ文庫版で読みました。 架空の特別区、「バルーン・タウン」で起こる事件の話。 発想が面白いですね。妊婦やからバルーン…。 問題定義もあって、非常に興味深かったです。

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    投稿日: 2009.07.06
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    3月23日読了。「このミステリーがすごい!」1995年度の第15位の作品。半SF的な舞台設定で、妊婦ばかりが住む「バルーン・タウン」で起きる殺人や謎めいた事件の数々を追う警察官と、妊婦探偵(?)の連作短編集。「妊娠した女性」に対して一般人が抱くであろう思い込み・盲点を利用したトリックや過去のミステリを引用した仕掛けが、ひねってあり「変り種のミステリ」としてとても楽しめる。赤川次郎的な軽い拍子とは裏腹に、読み応えがある(それなりの軽さも備えてはいるけど)。男性が書くミステリではこうはいかないだろうか。

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    投稿日: 2008.03.24
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    『ジェンダー城の虜』と同じ作者の小説です。 こちらもユーモアミステリ、「妊婦しかいない街」バルーン・タウンで起こる殺人事件を、妊婦探偵が解決しています。

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    投稿日: 2007.11.17
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    ・バルーンタウンのシリーズ第一弾。やっと読めました。面白かったー。軽めだけどちゃんとミステリーで好きです。・連作の中では「なぜ助産婦に〜」が好きかな。

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    投稿日: 2007.01.21
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    東京第七特別区、通称バルーンタウン、そこは人口子宮が一般化してもなお自ら妊娠出産しようという妊婦たちの町、その犯罪にもっとも無縁に思えるその町で起こる殺人事件を解決するのは、妊婦探偵。連作短編集です、ミステリ好きには「亀腹同盟」が笑えます。

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    投稿日: 2004.09.24