
総合評価
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powered by ブクログ脱原発は脱成長。確かにその通りだと思いました。これ以上開発、成長、負けたくない、で成長ばかり目指してよいのか疑問です。資源を食い尽くして、隣国を不幸にして、自分だけ幸せで、それが幸せなのか?目指すべきところなのか?そう考えるとニヒリズムが頭をもたげてきますね。次はニヒリズムについて考えようと思う一冊でした。
0投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログ「反・幸福論」佐伯啓思著、新潮新書、2012.01.20 255p¥777C0210(2023.04.07読了)(2015.01.16購入) 『新潮45』に連載したものをまとめたものということです。世相の評論というところですね。どういうことなのかは、わかりますが、どうしたらいいかはわかりません。どうしたらいいのかを書いてくれているのもありますけど。 日本人全体は、どうしたらいいかわからず、漂流しているということなのでしょうね。 【目次】 はじめに 第一章 サンデル教授「白熱教室」の中の幸せ(2010年12月) 第二章 「国の義を守る」という幸福の条件(2011年1月) 第三章 「無縁社会」で何が悪い(2011年2月) 第四章 「遁世」という幸せ(2011年3月) 第五章 人間蛆虫の幸福論(2011年4月) 第六章 人が「天災」といわずに「天罰」というとき(2011年5月) 第七章 畏れとおののきと祈りと(2011年6月) 第八章 溶解する技術文明(2011年7月) 第九章 民主党、この「逆立ちした権力欲」(2011年8月) あとがき ★これから読む本(積読中) 「無縁社会」NHKスペシャル取材班、文春文庫、2012.07.10 「人生論」トルストイ著・原卓也訳、新潮文庫、1975.11.25 「福翁百話」福沢諭吉著・佐藤きむ訳、角川ソフィア文庫、2010.09.25 「カンディード」ヴォルテール著・吉村正一郎訳、岩波文庫、1956.07.25 「ハイデガーの思想」木田元著、岩波新書、1993.02.22 ☆関連図書(既読) 「これからの「正義」の話をしよう」マイケル・サンデル著・鬼澤忍訳、早川書房、2010.05.25 「武士道」新渡戸稲造著・矢内原忠雄訳、岩波文庫、1938.10.15 「新渡戸稲造『武士道』」山本博文著、NHK出版、2012.02.01 「楢山節考」深沢七郎著、新潮文庫、1964.07.30 「西行」高橋英夫著、岩波新書、1993.04.20 「新編 宮沢賢治詩集」宮沢賢治著、角川文庫、1953.12.20 「セロ弾きのゴーシュ」宮沢賢治著、角川文庫、1969.02.10 「方丈記」鴨長明著・武田友宏編、角川ソフィア文庫、2007.06.25 「鴨長明『方丈記』」小林一彦著、NHK出版、2012.10.01 「善悪の彼岸」ニーチェ著・竹山道雄訳、新潮文庫、1954.05.15 「道徳の系譜」ニーチェ著・木場深定訳、岩波文庫、1940.09.10 「「欲望」と資本主義」佐伯啓思著、講談社現代新書、1993.06.20 「「市民」とは誰か」佐伯啓思著、PHP新書、1997.07.04 「アダム・スミスの誤算 幻想のグローバル資本主義(上)」佐伯啓思著、PHP新書、1999.06.04 「総理の資質とは何か」佐伯啓思著、小学館文庫、2002.06.01 「新「帝国」アメリカを解剖する」佐伯啓思著、ちくま新書、2003.05.10 「自由と民主主義をもうやめる」佐伯啓思著、幻冬舎新書、2008.11.30 (「BOOK」データベースより)amazon 無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ―。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。
1投稿日: 2023.04.08
powered by ブクログ以前読んで、本棚にしまってあったが、本棚の整理の際に読み直してみた。 特に第4章で語られる生と死のどうしようもない断絶というのが、最初に読んだ時にはなるほどと思ったが、今回読み返して感想が変わった。 というのも、平野啓一郎氏の「私とは何か 「個人」から「分人」へ」で語られる「分人」という概念を用いると、必ずしも断絶とは言い切れないからである。 Aさんが死んでも、Bさんの中のAさん向けの分人は残り、Bさん全体に影響を与え続ける。そう考えると、自分の死後も自分の存在の影響は残るわけで、そのことも頭の片隅において生きていきたいと思った。逆に大事な誰かを失ってしまったときには、その人の存在を胸に生きていきたいと思う。
0投稿日: 2021.08.24
powered by ブクログ目についたものについてつらつら語る本 共感しにくい上に著者の軸みたいなのが見えなくて読んでて辛い。 連載だからそういうものかもしれないが、起きてることについて適当に話しただけで、作者のファンでもないと楽しみにくいと感じた。 尖閣自衛、無縁社会、幸福感、天災、技術文明
0投稿日: 2020.11.19
powered by ブクログ幸福を強迫観念の視点と絡めて面白かった。ルサンチマンの話も説得力がある。 仏教のところは話が難しかった。
0投稿日: 2019.09.12
powered by ブクログ無縁社会の何が悪いのか。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ。 権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露になる。 以上、本書の紹介文。世の中に対して斜に構えた考え方がいかにも自分にとっては共感できそうなテーマだったが、読んでみるとそうでもなかった。宮台真司や内田樹のような切れ味が見当たらなかった。期待外れ。おそらくこの著者を読むことは今後ないだろう。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ新潮45への連載したエッセイという事で一つ一つのテーマは気を引く仕立てになっているが、中々頭に残らない。幸せとは何か、という事については、この本を読むよりは自らの価値観を改めて見つめ直す方がよっぽど有意義かもしれないし、その自分自身の価値観のフィルターがあるから、すんなり頭に入らないのかも。 幸福とはなんだろうか。感覚で実感する幸福感などは、所詮、言葉で定義すべきことではないのかも知れない。
0投稿日: 2018.03.03
powered by ブクログ全て然りと思う論理性。民主党政権時代の虚無感、東日本大震災直後によくここまで予測できた。メディア関係者も必読書。
0投稿日: 2016.11.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代では幸せはいまここにあらず・畏れの敗北・幸福と不幸は表裏一体・ 死こそ情態,生こそ無常・遁世の境地にこそ縁の再確認あり・己の幸福の追求は不幸の追求に等しい・蛆虫なりの覚悟の必要・西欧科学主義はキリスト教に支えられた信仰・技術の管理不可欠さこそ人間の無能の証明・権力批判は権力欲に等しい・無自覚な正当化ルサンチマンこそが畜群
0投稿日: 2015.03.01
powered by ブクログ年度替りの忙しい時期に、次から次から問題が浮上。まあ、この1年、私は決して幸せではなかった、と思う。こと、職場においては。しかし、幸福と言い、幸せと言い、いったいそれは何を意味するのか。長生きするのが幸せなのか。お金持ちが幸せなのか。人それぞれ、感じ方、考え方は違うはず。少しでも長く生きるためにからだにチューブをつなぐ。お金を得るために、休む間もなくはたらく。または、お金がたっぷりあって、はたらく必要もない。だれの役にも立っていない。ひとはいつも幸福でなければならないのか。不幸な時代の方が、未来への希望が持てたのではないのか。本書は雑誌に連載されたものを1冊にまとめられています。死生観、哲学、宗教や政治の話まで、途中からは幸福の話だかなんだかわからなくなりますが、一つ一つ考えさせられることは多いです。連載中に東日本大震災がありました。被災者の皆様にも、いつの日かおだやかな、幸せな日がもどることを願っています。
0投稿日: 2014.10.29
powered by ブクログ「幸せはこういうもんだ」と言われて「そうですよね」と返せるのならこんな簡単な話はない。それぞれにとっての幸せを考えるうえで、大事なヒントをくれる本だと思いました。
0投稿日: 2014.05.20
powered by ブクログ「幸福」そのものにかかる考察の部分は、その結論が現在の状態を下げて満足すべき、とする点で、その過程にかかわらず得心がいかないが、政治状況にかかる考察については、2014年の現在からしても、未来を的確に、そして深く鋭く言い当てており、さすがの一言。
0投稿日: 2014.03.02
powered by ブクログ近代以降、人びとは共同体の呪縛からの「自由」を求め続けてきました。その結果、「無縁社会」と呼ばれるような問題が生じることになり、人びとは慌てふためくことになりました。また日本では、近隣諸国との関係が悪化し、戦後棚上げにされてきたナショナリティについての問いが喧しく論じられるようになってきています。著者は、こうした問題に対する付け焼刃の対応を批判し、私たちがどのような「価値」を選ぶのか、根本から考えなおさなければならないと論じています。 とくに、近代人が個人の自由をめざしてきた結果、確固とした「死生観」を失ってしまい、自分の死について考えられなくなってしまっているという指摘は興味深く感じました。 ただ、元は雑誌に連載された文章だということを知らずに読み始めたので、論じられている内容が散発的なことについていけず、もどかしい思いを感じてしまいました。
0投稿日: 2014.02.25
powered by ブクログごめんなさい。全く文章が頭に入ってきません・・・。 面白そうなテーマを何でこんなつまらなく書けるのか不思議。 読むの断念。
0投稿日: 2013.07.27
powered by ブクログ尊敬する思想家の書籍。尊敬していたが正しい。もう身体が右翼的な考え方を吸収しなくなってきている気がする。保守派卒業。これからは中道右派ってことで。
0投稿日: 2013.05.28
powered by ブクログ戦後から現在に至るまで日本社会で支配的だった「功利主義」と「リベラリズム」に向けられた懐疑。輸入された概念をそのまま模倣するだけではなく、現代日本人はいかに生きるべきか「自前の議論」をしようではないか、と著者は呼びかける。 戦後の近代化の流れの中で日本人が失ったものは多い。 ふるさと、家族、死を基準として生を見る死生観、習俗、自然への畏敬、無私という意味においての「他力本願」……etc. いずれも「近代化」や「戦後進歩主義」がもたらしたものだと著者は言う。現代人はこれらを捨て去ることによって「よりよい生活」を手に入れてきたわけだが、災害や「孤独死」に直面したとき、ほころびが生じ、矛盾は露呈する。 現代日本人は、これからも「成長」を目指すのか、「脱成長」へ転換するのか、価値観の選択を迫られている。 ニーチェが説いた「ルサンチマン」と民主主義の腐敗の関係を説いた最後の章が興味深い。 著者は「ルサンチマン」が社会を動かす原動力の一つであることを認めつつも、民主主義社会において「悪しきルサンチマン」は政治を常に客体化し、権利だけを追求する無責任な国民を生むと説く。曰く、民主主義の中には屈折した精神が潜んでいる。我々はひとまずそのことを自覚しなければならない、と。 事実、「悪しきルサンチマン」をもった国民は民主党政権を生み、民主党は「反・権力の権力者」という矛盾した存在がたどるべき当然の結果として、おのずと腐っていった。 (個人的にはジョージ・オーウェルの『動物農場』を思い出した。)
0投稿日: 2013.05.28
powered by ブクログ佐伯啓思の新書というと,個人的には「20世紀とは何だったのか」あたりは,大名著と言っていいレベルの著作だったので,本書にも期待したのだが,少々肩すかしをくらった. そもそも「人は幸福でなければならない」という観念自体が,近代西洋の啓蒙思想から出てきた発想であり,それを金科玉条的に追い求めることには,果たして意味はあるのだろうか?そこには徒にルサンチマンを刺激する何やらよからぬ機構が働いていないだろうか? 本書の骨子を説明すると,以上のようになるだろう.確かに,それは尤もである.尤もであるのだが,本書には,なんとなく他人の意見をそのまま借りてきたようなところがあり,論に深みが無い.仏教についての記述が散見されるが,それだって,著者の専門分野ではないだろう.つまるところ,浅いのである. 簡単に読めるのはいいが,佐伯啓思らしさという意味では,今一つであった.
0投稿日: 2013.02.03
powered by ブクログ今の日本では所謂マイノリティに分類される人が、なんとなく思ってはいるが論理的に説明できないもどかしさ、というものをある程度わかりやすく解説している良書だと思う。さすがに知識量が豊富すぎてわかりにくい所もあるが、他の著作も読んでみたくなった。
0投稿日: 2013.01.26
powered by ブクログ大学の学部の先生の本。幸福になるべし、というのも、本当にそうなの?という本。1つの考え方を提示するものとして読んでいて面白かった。
0投稿日: 2012.11.23
powered by ブクログ様々な幸福に関する哲学が紹介されているけど、結局何が言いたいのか不明。幸せって何?って考えていく事自体が重要なのかもね。
0投稿日: 2012.08.20
powered by ブクログ★★★☆☆3 すっきりしない本だよ〜。 たくさんの引用知識で埋めつくされていて、結論が分かりにくいよ。連載を纏めた本だからこうなるのは仕方ないのかな… ニーチェやサンデル教授もでできたけど、一番興味深かったのはトルストイの話かな。「真の生命」という概念が、アルケミストにおける「大いなる魂(だっけ?)」と似ている、繋がりがある!と思ったよ〜。 著者の主張はあまりグッと来なかったけど、引用のほうは為になる本。
0投稿日: 2012.08.19
powered by ブクログ実は震災後に石巻を訪れて以来、ずっとカントを読んでいるのですが、カントが判断力批判を書き「崇高」に辿り着いた背景にもヨーロッパの大地震があったのですね。震災後に何が生まれようとしているのか、その思潮、この本は9割、正しいと思います。残りの1割は政治的な立場によるでしょう。
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ現代の本格派知識人、良心的知性の御一人としては残念な書という他ない。人間蛆虫は福澤の例の戯言であり、そんなものに嬉々として飛びつくのは如何か?と思う。仏教説をパッチワークのようにつなぎ合わせての思考も生半可のものでしかない。この著者、おそらく文学に何の関心もない、或いはなかったのかしら。
0投稿日: 2012.05.29
powered by ブクログ「反・幸福論」佐伯啓思 2010年代日本の幸福論。特になし。 最近どこかの書評だか参考文献だかで出てて、気になっていたので読みました。 個人的に、東日本大震災後、「豊かさとは何か」がマイテーマで、何らかの参考を得られないかと。 日本の神々は死んだ。死生観こそ生きる価値観、受け身の処世(「他力本願」の愚者の願い、アリストテレスの云う自然への対峙、技術文明の構造)、などなど。 論というより、どちらかというとエッセイでした。 全体的に回答を与えるのではなく、違う価値観を説く、という感じ。 書いてある内容は共感するんだけど、「で、結局何?」みたいな不完全燃焼が否めないので、☆2つ。(2) ----- 以下メモ 幸せの青い鳥 日本国憲法の幸福追求権?だっけ? 近代経済主義は、幸せを「ここにはないもの」にしてしまった。 どこまでも虚栄の幸せを追いかけていかねばならない、原理的に。 絶対値としての利益の総量ではなくて、対前月対前年の成長する利益こそが幸福だから。 そう考えると「企業は発展しなければならない」って命題は恐ろしいな。 日本の神々を捨て、近代化・都市化に向かった必然が経済成長と幸せの喪失?うーん… 〈ふるさと〉には不幸と幸福が共存し、貼り合わせになっている、ってのは、メモメモ。 引用。“近代化、都市化とは、貼り合わせになった幸福と不幸を切り離し、不幸の方は捨てて、幸福だけを求めようとするものでした。” →吾唯足るを知る、ためには、足るに対する不足、を知らなければいけないのでは。 嫁さんと結婚してよかったなー、幸せだなーと感じる。 そこに端的な理由はなくて、漠然と出てくる、幸せ、この類のことこそ真の追うべき幸福か? なぜなら、幸せが追い求めるものでもなく、造り出すものでもなく、比較相対的なものでもないならば、自然と出てくる感情にこそ本当がある気がする。 でもそれって結局不幸感への良い回答にはならなくて、不幸と感じるならそれこそ不幸、ってことになる。 世知辛いやなー。。 福沢諭吉「福翁百話」 やはりしっくり馴染むのは、仏教の崇高さ、大局的なところ、絶対的な信仰などというよりも、もっと泥臭い《観》だな。「それでも」自然はそこにある。「それでも」日常は過ぎて行く。「それでも」衣食住足るを知る。悟りの境地そのものよりも、悟りを開こうともがく人間性にこそ、もっと俗物的に大切なことがある気がする。 p127 他人の幸福を目指すことこそ自分の幸福。 無理無理。イイけど、宗教だよ。日本人には特に無理、そんな求道的な。
0投稿日: 2012.05.23
powered by ブクログ日本人が忘れてしまった価値。人生観や死生観や自然観を見失ったために、自由を求めても、経済成長しても、幸せ感が得られない。 アメリカのマインドコントロールが解けつつあるのかな、なんて思いました。
0投稿日: 2012.05.07
powered by ブクログ日本はイエ、ムラなどの縁をなくす方向に進んで来たのだから、無縁死に行きつくのは当然という主張は切れ味のよさを感じた。
0投稿日: 2012.05.04
powered by ブクログ日本の思想の碩学による東洋西洋の哲学、宗教、歴史認識を踏まえた、なぜ日本人は幸福感を感じられないのか、それは幸福になる「べき」との価値が共有されてしまったことにあると解き明かす、知的刺激溢れる良書。
0投稿日: 2012.04.20
powered by ブクログ「利益」「権利」の最大化が幸福をである、と考えるとたぶん人は幸せにはなれない、 そのことを「論理」的に語っている本とも言えます。 あと、ポジティブシンキングをボロクソいってます(笑) イラク戦争はブッシュ元大統領のポジティブシンキングが原因だとも。 あと、喜怒哀楽では「哀」を大切にすべき、というのも共感しました。 「不倫は文化だ」ではないですが、 「哀」がなければ文化は生まれないと僕は思っているので。 連載をまとめたもので、9章にわかれていて、それぞれの章が別な切り口で 深く考えさせられるので、簡単には書評はかけません。 ただ言えることは、この本を読んでなお、僕は人が目指すべきものは「幸せな生」だと思います。 そもそも「幸せ」ってなんだ?ということを考えさせられる本です。 考えさせられる本であって、答えは書いてありません。
0投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログ単なる流行りであれば、そのうち廃れるからよいのだが、結構な「世論」になって、皆がそっちへたなびくようなキーワードは、真っ向から戦わないといけない。もし仮に、戦うこと、反旗を翻すことが自分の信念と乖離していたとしても、信念はディベート的にひとまず棚に上げて(つまり主観的な態度は留保して)、反対の立場に立つ役割や力を担保してあげないといけない。Devil's advocateとして、「多事争論」を守る者として。「幸福論」の先に何があるのか。本書はそのことについて、鋭くメスを入れる。意気揚々と、あるいは意気消沈しながら、会社へ向かう新入社員にこそ、手に取っていただきたい1冊だ。
0投稿日: 2012.04.03
powered by ブクログ久しぶりの佐伯さん。読み飛ばしたくないと思いつつ先を急ぐように読んだ。 「人は誰でも幸せになれるしなるべきだ」に異議を唱える。 幸福は有難いこと=滅多にないことであり、プラスである。基準=通常時を幸せな状態ではなく不幸で思うようにならないこの毎日におきなさい、という。 もちろん、お坊さんのような人生訓ではなく、思想史をたどって理屈っぽく言う。ただし、箸で重箱隅ではなく、弓矢で的とでも言おうか、スカッとした理屈なのが楽しい。 本書の元になった連載の最中に東日本大震災があったのだけど、あの震災を挟んでも論旨をまったく変える必要がなく、むしろ、震災後のために前から書かれたと言いたくなるほどの射程の長さブレなさが格好いい。
0投稿日: 2012.04.03
powered by ブクログ利益と権利の追求というこれまで幸福の素であったものがいまやそうではないという逆説的な反幸福論です。確かに転換期がきていることは自明の理ですが、我々個人が今後何を是とするのか考察・議論が必要です。若い人たちがどう考えているのかも聞きたいところです。
0投稿日: 2012.04.02
powered by ブクログ流して読んだところは宗教、特に仏教のところ。私はニヒリズムみたいなダークな考えで世の中を斜めに見る、ってのも好きだなと思った。震災のことや原発事故についても書いてあって、福沢諭吉のくだりが心に残った。われわれなんて小さな宇宙からしたら一時の存在であることを、時々思い出して心に余裕も作りたい。
0投稿日: 2012.03.16
powered by ブクログこれからの日本の行方を考えていく上で、欠かせない一冊。日本人は一度「幸福」というものを考えてみるべきだと思う。
0投稿日: 2012.03.14
powered by ブクログ先日読んだ安冨先生とは逆の学歴の東大卒、京大教授の著作。新潮45に連載されていたものをまとめたもの。同じ事象でも見方が違えば自ずと考え方も異なってくるが、、、個人的にはこちらの方が読みやすく、納得しやすい。 加賀乙彦先生のように、震災のような「無意味さ」から人を救い出すものは、宗教(的なるもの)P176とするのは当然の帰結か? まさに末梢だが、文の最後に「ですます調」以外が混ざっていて、統一感がないのが気になった。
0投稿日: 2012.02.25
powered by ブクログ個人の自由と幸福の追求の帰結が、無縁社会であり、死生観のない人生観。キリスト教の普遍性や、科学技術への信奉のない日本はアメリカよりたちが悪い、というのはそうかもしれない。無常、移ろいゆくもの、えにし、とかの価値をどう再発見すればよいのか
0投稿日: 2012.02.19
powered by ブクログ五木寛之「下山の思想」の延長線上にある本。 現代日本人の幸福観を宗教、思想から解き明かす。 面白かったのが、「第五章 人間蛆虫の幸福論」。蛆虫と書いて、ウジ虫と読む。これが、あの福沢諭吉のことばだというのだからビックリ。 「宇宙という広大な視点から自らを見れば、人間などは無知無力で見る影もない蛆虫のごときもので、・・・だが、この世に生まれた以上は、蛆虫とはいえそれなりの覚悟が必要である」 あの一万円札のおじさんが自らを蛆虫と称し、蛆虫なりに生きていくことの必要性を説いている。そうか、万券ですら蛆虫なんだ。だったら、オイラは小蝿ぐらいか。何だか気分が楽になるね。小蝿なりに生きればいーじゃないか。 ポジティブシンキングや、他人と比較する幸福の不幸さなど、面白いところはいくつもあるのだが。特に秀逸なのが、先述の第五章。ここだけでも買う価値あり。
0投稿日: 2012.02.10
powered by ブクログいつわりの平和ボケをしている日本社会に対し、ギリシャ・西洋哲学、日本人の仏教観から深く掘り下げられた論理で、真の幸福とはなんぞやを問いかけた著作である。 プラトンとアリストテレスの言説の違い、ニーチェ、ハイデガーの言わんとしたこと。 法然の宗教革命の覚悟、鈴木大拙の考え方。 すべて、目から鱗でした。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログ人は幸福にならなければならないという脅迫観念に異議を唱える。功利主義・権利主義・公共主義から無縁社会を論じ、家族論、宗教論、技術論、政治論を説く。読んでいて、疑問を感じざるを得ないところが多い。この感じ方の差に世代間を感じざるを得ない。 世の人が「利益」「権利」による幸福を目指しているかというと、そうではないと思う。 「利益」「権利」に縛られない幸福というのが、最近流行の「絆(俺はこの言い方嫌いだけど)」であり、社会のつながりを認識することで幸福を感じる人も多いと思う。社会的起業、ボランティア、などなど。 「利益」「権利」にとらわれた前の世代の反動が今の世代なのではないか。世代間の価値観の違いについては島田裕巳「人はひとりで死ぬ」に詳しい。これが一番しっくりくる。
0投稿日: 2012.02.01
