
総合評価
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powered by ブクログ先日読んだ書(君に友だちはいらない)に記載があったため、手に取る。 事実をベースに書かれ福島原発事故の周辺の混乱ぶりが分かる。 事故後、この反省が生かされているのか。非常に気になる。
0投稿日: 2025.04.28
powered by ブクログ批判的思考が貫かれているとはいえ、ここまで細かく取材していることや、それが記録として残ることはやはり有意義だと思う。科学的にどうかというのは、後世きっちり検証はなされると思うが、そもそもその時どういう状況だったのかというのは記録がなければ検証もできない。もちろん第三者委員会の記録が正式だろうがやはり民間の視点、違う観点から記録が残ることは大切に思う。
0投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログここまで原子力にヘイトだと逆にすがすがしさを感じます。 もちろん福島第一原子力発電所の事故により避難な精神的な苦痛を被った人へのインタビューは価値があるが、なんでもかんでも原子力のせい、というのは隔たりすぎでしょう。 あと、原子力(≒放射能)が超危険!ということを間接的に言っている表現が多すぎる。 例えばホットスポットで、100マイクロシーベルト毎時が発見されて、年間900ミリシーベルト浴びて国の基準を大きく逸脱する!大変だ!という表現。 そりゃあ、屋外の流動がない水たまりでホットスポットが見つかって、そこに1年365日24時間たっていればそのような線量を浴びるけれど、そんな人いる? 周辺よりも高い線量の場所なので「ホット」スポットと言うのです。 あと、食べ物についても過度に内部被ばくの危険性をあおっており、WHOが定めた科学的に根拠のある数値なんかあてにならない!という論説で、なぜにあてにならないのか、という回答は一切ない。 さすが朝日さんです。 あと、著者は新聞屋であって原子力に精通している人では「まったく」ないので、科学的でもないし、原子力も理解していない。
0投稿日: 2023.02.22
powered by ブクログ《誰が得をしようとしたか?》 金儲け 権威欲 お友達 自分さえ良ければ良い 巨大な欲の塊、原発による大惨事 責任を取らない 他人事 楽観的 次世代に負の遺産を残して死んでいく 逃げ切り 必死で生きている人を、少数の無責任な人達が動かしている。 「原発は誰得?」
1投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログあまりにも個人に寄り添いすぎではないか。 新聞社ならもっと証拠に基づく論証が欲しい。 と思ったら続編が4まで出てる。 それを読んでからまた判断すべし
0投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログ福島原発事故対応 東電、原子力安全・保安院しかり 「総理に助言すべき組織が機能せず、当事者意識が欠如していた。組織の都合が優先され、必要な知識を持った人間が役職者にいなかった。」 いまこうして日本があるのは、ラッキーだったとしか言いようがない。
0投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログ地球上で、放射能により立ち入りできない場所があるのは、核実験場跡と、チェルノブイリ、そして日本だけではないでしょうか?この小さな国に、いまだに放射能により立ち入りできない区域が残っている・・・恐ろしいことだと思うのですが。それでも、原子力発電を続けるのは、ギャンブルのようなものではないでしょうか?
0投稿日: 2017.06.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2012年刊行。いわゆるフクシマの際、官邸、関連省庁、東電において実際に起こった状況を検討していく書。本書に関しては、吉田調書問題とも絡むものであり、その内容よりも、新聞報道の在り方を考えさせられる一書である。個人的には、速報性・スクープ性は新聞には不要と考える一方、綿密な裏取り調査をしつつ、かつ公開資料のみでも認識可能な裏面を明らかにすべきものと考えている。が、実際は、本書あとがきが些か空々しく聞こえるそれになっている。しかも、連載時、本書刊行時と二重に検証する機会があった点も考慮する必要がある。 とはいえ、保安院の避難地域策定作業の進展とその前提となるデータの存在が官邸に行っていなかった点に関し、保安院が取材に応じていないことが読み取れるが、情報管理の有りようとして保安院のこの対応は明らかに不味い。また、東電側も初期の段階で取材に応じていなかったのはなぜか、との疑問も残るところ。信憑性の有無とどこが信憑性がないのかを含め、本書の「官邸の5日間」の項目に関しては、もう少し考える必要があることを痛感。また、木村真三氏には注目すること。
0投稿日: 2017.01.23
powered by ブクログ福島原発事故のドキュメンタリー、冒頭の「防護服の男」はリアルに情景を思い浮かべてしまった。 臨場感ある生々しいタッチで、「もしこの場にいたら何を考えてどう行動しただろう」と思いながら読んだ。
0投稿日: 2015.10.05
powered by ブクログ福島原発事故の真実を朝日新聞特別報道部が、取材を、関係者に積み上げたシリーズ。 放射能を浴びた町と被災者、研究者、東電、政府。それぞれが、何を考えて、どんな行動を取ったのかを、丁寧に追いかけ誰が良い、間違ったとは、言えない混乱が、当時はあったのだ、という事実を垣間見れます。 今だからこそ、読むべきシリーズだと思います。 事実を伝えないのは、大きな罪であると、理解させられます。
0投稿日: 2015.03.23
powered by ブクログまあいろいろ言われるのだが、優秀な人々がチームで動くことによって、より広く深く事実に近づくことができるのだ。これはフリー一人では全然無理だろう。そしていかに新聞で「読ませる」記事にするのか、その手法についてもあとがきで触れられている。
0投稿日: 2015.01.26
powered by ブクログ新聞連載では読んでおらず、今更ながらあまりにも知らなさすぎるので一念発起で読み始めました。 地震は仕方ないし、津波も防ぎようもないこと、でも、この事故対応は、もう組織悪と、無責任体質の象徴としか言いようがない。 そして、今だに事情は変わっていないのでは。多分、今も現場はものすごく頑張っていて、踏ん張ってもいて、危機感を持ちながら仕事に取り組んでいるのだろうけれど、表に出るようなのほほん部隊の体質改善ができていないように思われ、なんだかな…です。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログ福島原発とその周辺でなにがあったのか? それをまとめた本。 なぜ事故が起きたのか?という問題ではなく、なぜ被害が広がったのか?という点がよく分かる。 国がなにをして、なにをしなかったのか。 それがよく分かる本だ。
0投稿日: 2013.12.05
powered by ブクログ明らかに記者クラブから離れて書かれた記事。役所の広報機関と化してしまった現在の新聞の中で調査報道と言える数少ない記事。このような記事が出てくることはいいことだと思うが、いまいち問題の本質に迫ることができていないと感じた。 メディアの一連の震災報道についての分析、反省が無かったのが非常に残念。
0投稿日: 2013.11.13
powered by ブクログ福島の原発事故をめぐるルポルタージュ。2011年10月3日から朝日新聞に連載され、今も続いている。これを読むと、原発事故への対応がいかに杜撰になされてきたのかが実によくわかる。菅首相(当時)をはじめとした官邸は努力は傾けたようだが、いかんせん能力に限界があった。しかし、何よりも問題があったのは、原子力保安院と原子力安全委員会である。信じられないことに、保安院の院長は経済学部卒の官僚で、技術的なことは何もわからなかったのだ。そして、SPEEDIを活用することなく、あたら人的被害を拡大させてしまった。
2投稿日: 2013.09.27
powered by ブクログ2011年3月11日の東日本大震災のレポート。前半は被爆にあった避難民の話、後半は原子力爆発の可能性に対する官邸でのやり取りの話。一部はニュース等で知っていたが、活字で読むとやはり臨場感がある。政治家と東電のやり取りを読んでいると東電(本店)の無責任な対応がやはり目につく。
0投稿日: 2013.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P134「被害が出てくるのはこれからです。66年前の原爆で、被害者がいまだに国を相手に裁判を起こしている。これが現実です」 続きも読む!
1投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログマーティン・ファクラーというジャーナリストが著書『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』でこの本を高く評価していたので、遅まきながら読んでみた。結論から言うと、読む価値をあまり見いだせない残念本だった。感想を纏めると以下のような感じ。 ・文章に問題がある。とても新聞に掲載されていたとは思えないような、文章の欠落や不整合があちこちにある。正確さが命の新聞でこのような情報の「抜け」は受け入れ難い。 ・内容も良いとはいえない。取材における聞き取りは「後日談」的なものばかり。この連載の企画スタートが震災の3か月後からという事と、「特報部」という部署の特性が自然とそうさせているのかもしれない。でも自社の現地取材による情報ほど説得力のあるものは無いだろうに、そういったリアルな情報は皆無である事に違和感を覚える。部署間の連携が良くないのかな。あるいは、クロスオーナーシップや記者クラブの存在が記者たちからジャーナリズム精神を奪ってるんでしょうか。 ・引用元の記載がない。情報の粒度・内容からして取材ではなく二次資料を引用してるんだろうなって箇所があるけど、引用元の記載がどこにも見当たらない。なんだか不自然で気持ち悪い。 以上です。。ほんとは被災者の声や、身を挺して圧力と戦った技術者、関係者の事を丁寧に取り上げている点を高く評価すべきなのかもしれない。でも上に挙げた理由から、本全体の信ぴょう性が薄れ、どうにも評価のしようがなくなってしまった。 そういえば良い点もあったや。全体的に簡潔な書き方になってるのは好感が持てた。官僚の実名記載も話が明瞭化されるし、何より信頼性が向上する。あと記者の実名記載にも拍手を送りたい。本書の内容はさて置き、記者の方々にはジャーナリストとしての誇りと責任を忘れずに頑張ってほしい、と願う気持ちが自然に湧いてくる。 最後に、本編とは関係ないけど、朝日新聞社の役員(出版当時は取締役)で、日本記者クラブ会長でもある吉田氏による「まえがき」が面白かった。たった2ページで違和感や嫌悪感を存分に味わうことができる。特に締めの一文は秀逸だった。「読者の皆さんがまだまだ続く朝日新聞紙上での連載にも熱いご声援を送ってくださることを願ってやみません。」このように謙虚さゼロな上に何かを大きく勘違いしてそうな前書きを、私はいまだかつて見たことがない。熱いご声援て、おまえは選挙カーか。まえがきで読者から読む気力を一気に奪い、猜疑心を与えた状態で本編へ誘うなんて高度な技は常人には思いつきません。こんなもん増刷のときこっそり削除しちゃえば良いと思う。
1投稿日: 2013.05.30
powered by ブクログ福島第一原発事故を追った、朝日新聞の連載記事を まとめた一冊…これ以降も連載は続き、本書は冒頭巻にあたる。 新聞紙上で断片的に読んでいたが、一度きちんと 目を通しておきたくて手にしたのだった… なにをどう云おうが、これが現実なのだろう… 本連載記事をうけもった特別報道部のスタンスは、 報道に身を置く者でなくとも、忘れてはならないことだ。 ポイントは実にシンプル… ・徹底的に事実を書き、主観を省く。そして、わかりやすく書く。 しかし、現実は程遠い…本書から一例をひく… ―放射能は誰のものか。2011年夏、それが裁判所で争われた。 ・・・(中絡)…答申書で東電は放射性物質を 「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」 としている。 つまりは、こういうことなのだそうだ… 「飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地に くっついたものだから、自分たちのものではない」 こうした言い換えがあることにさえ、むなしさを覚える… ボクたちは、こうした言説を読み解いていかなければ、微塵も 現実を知ることができない世に投げ込まれているのだろうか… 自分の身は自分で守れ…などとは、よく言われることだが、 知ろうとする姿勢はどうあるべきかを省みる契機になった。
0投稿日: 2013.03.24
powered by ブクログ東京新聞「レベル7」と並びたつ朝日新聞連載の福島原発事故ルポルタージュ。読売や産経もこのくらい力の入った特集を組んでから原発存続を主張してもらいたいもんだ。社説で「原爆製造能力を失う」なんていう言っちゃお終いよ程度の主張しているようじゃ天声人語と変わらんのだよ。
0投稿日: 2013.03.12
powered by ブクログ読み終わって思った事、やはり東電トップと原子力安全委員会、保安院はクズ。民主党は支持してないけど、当時の政府は頑張ったと思う。
0投稿日: 2013.02.22
powered by ブクログ朝日新聞もやればできるんだと言うのが第一感、主観を省き事実を書く。誰の発言かを明確にすると言う方針が奏功したようだ。 官邸、対策本部のコミュニケーションの無さ、何とかしたいとあがく末端の研究者、医者に対し責任のがれに終始する官僚機構。国民がパニックを起こすのを恐れてと言いながら対策を取るべき組織が全く機能して来なかった。パニックに陥ったのは対策本部だったようだ。 SPEEDIのデーターは官邸に上がらず無駄になった。 放射線衛生学の専門家木村真三は地震直後すぐに現地入りするが労働安全衛生総合研究所からはストップがかかり、辞表を出した。調査結果はNHKの企画で一度没になるも復活し放射能汚染地図がオンエアされる。 気象庁では1954年から続いていた観測に3/31予算がつかなくなり研究中止となるなか研究者の青山道夫はサンプリングを続ける。予算は研究に対して出されているが研究だとデーターをすぐに公表できない。モニタリングと言えばそれで続いたはずが財務省も文化省も放射能関連の予算を緊急モニタリングに回したいと考え、気象庁は自ら予算を取り下げた。青山は海洋汚染の論文をネイチャーに発表しようとするがチェルノブイリ事故の汚染の1万倍と言う表現のため所長に反対され掲載は見送られる。 総理官邸では地下の危機管理センターに地震情報が集まり、中二階の小部屋を原子力対策に使い始めるがこの部屋は携帯が圏外で電話も2本、対策本部としては役に立たない部屋だった。
0投稿日: 2013.02.20
powered by ブクログいまや朝日新聞の〝看板〟ともいえる連載シリーズをまとめた本。現在、本としては3冊目が出ている。その一冊目。(なぜか関連会社の朝日新聞出版からではなく学研が出している) 本1冊に6つの連載がまとめられている。出来不出来の差はあるが、1冊目には勢いを感じる。『防護服の男』『官邸の5日間』あたりが緊迫感があった。日本の話ではないが、『学長の逮捕』が個人的には好み。 日本の報道姿勢に手厳しい、ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラー支局長もこの連載には好意的だ。(連載開始の遅さも指摘していたが) 朝日新聞の特報部という存在も面白いが、他の部(政治とか社会)とその姿勢が乖離しているような気がして、購読者としてはちょっとちぐはぐな感じを受ける。
0投稿日: 2013.02.17
powered by ブクログ現在も朝日新聞紙上で続く、福島第一原発事故とそれが引き起こした放射能汚染に迫ったルポルタージュの書籍化第一弾。 まあとにかく全てのエピソードでやりきれない憤りを禁じ得ない。 特に第一章の「防護服の男」、浪江町赤宇木地区に8月まで留まった三瓶ヤスコさんが文部科学省の作業員に言われたというこの言葉は衝撃的。 「今だからいうけど、ここは初め100マイクロシーベルトを超していたんだ。そのときは言えなかった。すまなかった」
0投稿日: 2013.02.10
powered by ブクログ福島原発の事故の当時 関係者が研究者が何を考えどう動いたか朝日新聞が取材連載した記事。 類似書がいくつもあるが、多くの当事者へのインタビューを基に真実がみえてくる。当事者の能力や立ち居振る舞いがどうだったというより、やはり想定していなかったということの罪の重さがみえる。 しかし不測の事態を想定するということが官僚機構が最も不得意とするところだろう。ではだれが想定するべきなのか、自分の身は自分で守るしかないと思った。 危機管理の在り方を考えるに絶好の本。
0投稿日: 2013.01.24
powered by ブクログ国の「お偉いさん」たちと、福島で苦しんでいる人は、表面上は同じ「人」でも、違うんだな。 国の「お偉いさん」たちの作る社会で生きていく以上、その社会にとって都合のいいルールに従わなければならないけれど、頭の中だけは自由でありたい。 研究者、学者という仕事は本当に大変だな。 特に、民間ではなく国から研究費などをもらってると、国を批判するデータは出せないもんな。 それでも、己の誇りにかけ、予算を削られても自分の研究を正しいと主張できる研究者の話を読むと、沈まぬ太陽の恩地一を思い出す。 自分には出来ない。
0投稿日: 2013.01.12
powered by ブクログ原発事故の裏側で、我々が日常的に「国」と呼んでいる政府(官邸)や官僚機構がどのように動いていたかに光を当てた報道連載。特にSPEEDIがなぜ避難に活用されなかったのか、東電の本店と現場の危機感の違いなどを読んでいて、そもそもに普段からのコミュニケーション不足も大きく今回の事故の拡大に作用したのではないかと感じた。
0投稿日: 2012.12.29
powered by ブクログ各々の視点に立って原発事故についてまとめたドキュメンタリー。 当時の緊迫感があまり伝わってこないのは残念。原発事故以外に津波や地震によって大きな問題が起こっているのに、この影響を排除したのは謎。(別に悪いという意味ではありません)
0投稿日: 2012.12.23
powered by ブクログいざという時に、純粋な判断ができるか。やるべきこと、諦めるべきこと。 原発事故が起きました。 被害者たちの現実と、やるべきことをやろうとした人たちと判断ができず、諦めることができなかった人たちとの戦いが書かれています。 放射能は専門知識がないと、理解が難しいし、どう対処していいかもわからない。何が真実かはわからない。でも、事実はある。事実を受け止めて、やるべきことをやりなさい。個人として、組織として、国として。自分の欲は捨て、できるだけ多くのために。 一人の命と大勢の命は比べられないが、大勢の贅沢と一人の命は比べられるのではないか、と私は思う。 人為的被害や、私欲やおごりによる被害拡大は非常に腹立たしい
0投稿日: 2012.11.09
powered by ブクログ史上最悪の放射能汚染は、なぜ起こったのか? 研究者の辞表、観測中止令、無主物の責任、官邸の5日間…。官僚・政治・東電の罪を問う。 2012年度石橋湛山記念ジャーナリスト賞。新聞協会賞も受賞し、今も朝日新聞朝刊に連載継続中だが、本書に限っては後から証言を集めたばかりでイマイチ迫力不足(第6章「官邸の5日間」以外は)。それでも秀逸だったのは、原子力安全・保安院がSPEEDIを使って正確な放射能拡散予測をしていたのに、その事実を菅総理は朝日新聞のこの連載を読んで初めて知り激怒した、という笑えない喜劇。また発生直後の政府の発表に、戦時中の大本営発表と同じ匂いをかぎ取った人も多かったという。東電批判とともに、連載自体が裏返しのマスコミ批判になっているのかもしれない。 (C)
0投稿日: 2012.10.20
powered by ブクログ朝日新聞で連載していたのを不定期に読んでいた。連載当初はかなりショッキングな内容だったと思ったが、今改めて読み返してみると、あまり驚かない。当時いかに情報が少なかったのかがわかる。 特に官邸での事故対応のドタバタは、こわい。と同時にちょっと笑える(不謹慎かもしれないけど)。 本書に書かれていることがすべてを表しているということはないと思うし、間違いもあるかもしれないけど、ただ言えることは、こういった複数の人間が物事を為す時、絶対的に必要となることは”情報”だということかな。 判断が間違っていた、いやあっていた。といってもそれは後から出てくる話。その時々にいかに精一杯考えて結論を出したかが重要だと思う。そのためには正しい情報を的確にインプットされたか。が大事だと思う。
0投稿日: 2012.10.02
powered by ブクログ(図書館に入ってます) みんなは政府っていと、すごく頭のいい官僚や、決断する政治家の集まりだと思っているかもしれないね。でもこの本を読むと、そんな思い込みがひっくり返される。 東京電力・福島第一発電所の事故のとき、首相の菅直人や経産大臣、官房長官は、情報もない、携帯電話すら通じない「オペレーションルーム」で、東電社員と怒鳴りあっていた。原発の図面さえどこからも来ず、福島原発に行ったことのある原子力安全委員長が記憶を頼りに、「たしか建物のどこかに、冷却のためのディーゼル発電機が増設してあったような……」とか言っている間に、原発が爆発してしまう。 その情報も、テレビからしか入ってこない。 まだある。こんな非常事態には「SPEEDI」という放射能の拡散予測システムが動くことになっていたのだが、経産省も文部省も、システムが存在すること自体、わざと首相に知らせなかった。それで、大量の放射能が降った飯舘村の人々の避難が遅れてしまった。飯舘村に放射能が降ることは、事前にわかっていたのに……! 「プロメテウスの罠」は、朝日新聞の連載を本にしたもので、今も連載されている。他の記事は、「経産省によると」とか、「事情通によれば」など、誰が言ったかはっきりしない書き方をしているのだが、それをやめて、政治家も官僚も、すべて実名で登場して、失敗や手抜きを指摘される。だから政府関係者にとっては、「プロメテウスの罠」が一番怖いとも言う。ということは、一番うまく権力を監視しているということでもある。 さて、プロメテウスというのは、ギリシャ神話に登場する人物のこと。彼は神のもとから「火」を奪い、人間のもとに届けた。そのために、人は食べ物を煮炊きすることを覚えて、今のようになった。核・原子力また、神の領域から届いた「第二の火」なのかもしれない。この火は大量の電気を造るけれども、どこにも捨てられない核のゴミも生み出し、福島事故を引き起こした。どうしたら私たちは、この「罠」から脱け出すことができるのだろうか。(A.O/非常勤)
0投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログ本書は朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化したものです。連載は現在でも続いているそうです。ここでは福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。という事が語られております。 僕は日ごろ朝日新聞を読んでいないので詳しいことはわかりませんが、この連載は単行本化された後も続いているみたいですね。それはリアルタイムでは読まずに続編が出たら読むことにいたします。それはさておいて、この本は朝日新聞にて連載された「3・11 あの日いったい何が起こったのか?」という記者がまさに足で稼いだ情報を元につづったルポルタージュです。 これを読みながら、やはりマスコミの組織力はすごいなぁと思ったと同時に、これだけのことを震災当時、リアルタイムに報道してくれればよかったんだけれどなぁと一抹の怒りと寂しさを覚えてしまいました。読んでいて思うのはまさに「隠蔽工作」とも解釈できるような政府側の対応の数々で、放射能の知識がない一般市民に問い詰められても「緘口令」が敷かれていて一切数値を公開しない場面などを読んでいると、まさに「棄民」だなと、登場人物の一人で、自らの職を擲って現地の調査を行っていたたたき上げの学者と同じことを考えてしまいました。 さらに、ほかの文献でもあぶりだされていましたが、政府中枢の混乱振り、これも際立っておりました。まさに「囚人のジレンマ」とも呼ぶべき様子を呈しており当時の菅直人首相をはじめとする閣僚たちは個人的には事態を収縮しようと躍起になっているのはわかるのですが、集団になると混乱し、支持系統がめちゃくちゃになっていたり、肝心の情報が届いていなかったりと、まさにカオスの様相を呈している場面が事態の重さを物語るものでありました。 そのほかにも現在でも被曝を伴いながら現地に留まる人間と、「夜逃げ」のように避難する人間との「相克」が描かれたりと、いつ終わるとも知れない「原発災害」の重さを教えてくれる一冊でありました。
1投稿日: 2012.09.26
powered by ブクログ購入書店:楽天kobo; 読書環境:kobo Touch; コンテンツ形式:EPUB; 備考:他の書店からはすでに「2」がXMDF版で出てるのに楽天koboではまだ販売していない(2012/9/15)
0投稿日: 2012.09.14
powered by ブクログ原発問題…今まで目を逸らしていたけど、これは現在進行形で起こっている事実なんだと再認識。遠い昔の戦争体験談とは違う。 だけどまだ、対岸の火事にしか思えない自分が情けない。現地に行かないとダメかな。 ただ、登場人物が多すぎて人物関係が把握できないのが難点。
0投稿日: 2012.09.05
powered by ブクログおわりににあるように「徹底的に事実を書き、主観は省こう」「為政者の目から見た動きではなく、ふつうの国民の視点で書こう」が徹底されており、ひっかかるところがなく、読めます。何が起こっていたのか、どんな人たちがそこにいたのか、どんな活動があったのか、内容が充実していると思いました。新聞連載のときはなかなか集中して読めなかったので、本にまとまって良かったです。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログ福島原発事故が起きたあとの住民、官邸、自治体のさまざまな動きを粘り強く取材した朝日新聞の連載。担当した特別報道部は「愚連隊」と呼ばれ、部屋の入り口には、取材元のポチにはならないという意気込みを込めた「脱ポチ」宣言が掲げられているそう。 最初の浪江町で避難所がなく一つの家に集まった25人の戸惑いは緊迫感にあふれていた。放射能の情報はなく、ただ必死に災害と向き合わなければいけなかった。一方の官邸では機能不全が起き、情報収集もテレビを通じてしかできない。危機感を感じた専門家は自ら現地へと向かう。「何もするな」という組織の命令を振り切って。 大それたタイトルだと思ったけど、何もすることができない技術の脆弱さを認識せずに、受容していた事実が、大それたことだったかもしれない。
0投稿日: 2012.08.10
powered by ブクログ震災については、まだまだ考えて、語り継がなければならない。 パニックを起こすから、不安を煽るからと情報を出さずにいた政府や県に苛立ちを覚える。 あの時原発で何が起きていたのか、それを知る為に必要な一冊。
0投稿日: 2012.07.28
powered by ブクログ朝日新聞連載の福島原発事故を振り返ったノンフィクション。連載は今も続いています。関係者の苦悩と無責任さと組織の硬直性に感動したり呆れたり。星4つ
0投稿日: 2012.07.14
powered by ブクログ福島第一原発に関し、朝日新聞が紙面上で特別チームをつくり調査報道しているシリーズのまとめ。 すべてが真実ではないかもしれませんが、綿密な調査、当事者からの聞き取りをもとに官僚も含め「誰がどうしたか」を実名で取りあげた迫真の報道です。 保安院、原子力安全委員会等官僚側、東電、そして官邸。 組織の甘さ、癒着が引き起こした機能不全。 それは一番弱い立場である我々、福島の人々にふりかかります。 無味無臭の放射能として。 連載はなお継続中。 そして福島第一原発もなお収束とは程遠い。
0投稿日: 2012.07.13
powered by ブクログもうこのテの本は食傷気味なのだが,またもや読んでしまった。朝日新聞に連載中の原発・放射能ルポの書籍化。「正義の味方」って何か苦手…。 去年の10/3から始まったというこの連載のコンセプトは,①連続テレビ小説方式,②客観的記述,③分かりやすい表現,④市民目線,⑤官の理屈に染まらない,といったところだという(p.267)。しかし②で徹底的に事実を書き,主観を省くとしてるのはあんまり守れてない気がするよ。 どうしても取材における取捨選択で,放射能怖い情報ばかりが残ってしまう感じ。表現方法も不安を掻き立てるような印象操作臭がプンプンする。出てくる科学者も,市民に優しい木村真三氏,肥田舜太郎氏,崎山比早子氏,バンダジェフスキー氏…。「いったい何を信じていいのか」「命は二つありませんから」こんな調子で記述が続く。 肥田氏の言「政府が被害を小さく見せようとし、事実をきちんと言わないから、住民の間で反目が生まれるのです。そして住民の対立は、政府や東電にとっては都合の良いことなのです。」(p.134)なんて,偏見に満ち満ちている感じがするのだが,「正義の味方」なんだろうねえ。いやはや。
0投稿日: 2012.06.21
powered by ブクログ朝日新聞連載加筆まとめ、保安院を悪者扱いしているが将来どういった真実が明らかになるのか。これもまた記録の一つ。
0投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログ民間企業の社長は、従業員に「死んでくれ」とは言えないし言ってはいけない。その意味で「撤退などあり得ませんから」という菅元総理の言葉は、強力な踏み絵だ。原発に何かあった時には、スタッフの人命は優先されないという前例が出来たが、関電の社長にその覚悟はあるのだろうか?
0投稿日: 2012.05.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あとちょっと…を残して放置プレ~だったのを、先ほど読了。 終盤では特に「『あの時』政府の中枢や東電は何をしていたのか」が、当時関わった人の証言で検証されていて、『今だから、知ることのできる』事実に、嘆息の連続。 それでもきっと、明かされているのは、ごく一部なのでしょうけれど…。 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、今も(本当は)収束していない状況と思われますゆえ、この本においても、最後まで読んでも「何も、終わっていない」という印象です。 朝日新聞では、今も連載が続いているようですし、数ヵ月後には続編が発刊されると思われます。 首都圏では、日常会話から、あの事故を語る回数が減っていると思います。 まだ何も、解決しておらず、今後何十年も覚悟を決めて向き合わなければならない事態でありながら…。 でも実際、私も「いま、この話をしたら相手は嫌がるだろうな…」と空気を読んで、口をつぐむことが多いです。 こうしているうちに、自分の感覚からも遠くなる…という、それだけは、絶対に避けなければ…と思います。 何も出来なくとも『考える』ということまでやめてしまっては、あの時、すべてを放棄して撤退しようと考えていた(らしい)あの会社と同じになってしまう…。 重い気持ちになったとしても、未来に向けての『責任』からは、逃げてはいけないのです。
0投稿日: 2012.04.27
powered by ブクログ朝日新聞・特別報道部の成果。なかでも、後にNHK・Eテレ「ネットワークでつくる放射能汚染地図」へと結実する苦悩と困難な歩みを丁寧にトレースした、第二章「研究者の辞表」は出色の出来。調査報道の真髄。
0投稿日: 2012.04.19
powered by ブクログ原発事故はまだまだ終わっていない。 朝日新聞のコラムを書籍化。 内部被爆を広島・チェルノブイリの例も交え詳しく解説。 政府側の対応を時系列で客観的に実名で記載。 このコラムで今後どう事態が好転するのか、否か、またみてゆきたい。 20年後、30年後の日本人に見届けて欲しい一冊。
1投稿日: 2012.04.15
powered by ブクログ客観的な視点で原発事故について、物語的に書かれている。特に第六章「官邸の5日間」は必読だ。刻一刻を争う未曾有の事故に対応する政府の様子がありありと描写されている。
0投稿日: 2012.04.14
powered by ブクログ震災後の官邸の対応のまずさ、原発周辺に住む方々の想い、今後恐れられる内部被ばくのことなどを知り、停止中の原発稼働について反対の意見により傾きました。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログ放射能を測定に行こうとして厚労省管轄の職場から圧力をかけられ、辞表を出して現場に向かった科学者。長年続けた放射能観測を福島後の高レベルが続く最中予算を切ってしまう文科省。「混乱を招く」と放射能の分析結果の論文掲載を認めない気象研。「不安を招くから」と内部被ばくを測ってくれない検査期間…感動させられる一般の人達の話、こんな国だったのか?と驚く話、などなどまだ未解決の話満載です。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログ福島原発事故のドキュメンタリー。いかに行政と対策本部が機能しなかったかというルポは一杯出ていますがこの本では実際高放射能域に放置された住民や放射能拡散についての論文掲載を上司から止められた気象研究所職員、など当事者の目線でまとめています。情報が交錯するからという理由で職員の放射線計測を止める。ビキニ環礁での核実験以来57年継続してきた放射線観測予算を原発事故直後に削減する…など驚きの事実が。
0投稿日: 2012.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SPEEDIは意図的に隠されたのだろう。首相に隠匿して、米軍には情報を流す。酷い話だ。 政府から止められて警官が線量が高いことを住民に伝えられない…日本ってそんな国だったんですね(@@;) 「誰もいない道を走ってごらんって。そうすれば、自分のしでかしたことの大きさを感じられるからって」 国も東電も自分たちのしでかしたことの大きさは最初から知っていたんですよ。だから隠したし、責任逃れしたんですよ。 しかも管元首相に全部責任転嫁か…おそろしい…。彼も被害者ですな。 ネイチャー掲載の取り消しって…酷すぎる。これスポーツ選手でいうと、金メダル確実のオリンピック出場禁止のレベル。 第六章の「 総理に助言すべき組織が機能せず、当事者意識が欠如していた。組織の都合が優先され、必要な知識を持った人間が役職にいなかった。」 結局これに尽きるのだろう。そしてこの問題はこの国の基本的な問題点である。医療も年金も外交もすべてそんな印象だ。
0投稿日: 2012.03.27
powered by ブクログ不確定性の強い事象に対する強靭な組織を構築できていなかったことにつきる。HROの構築に全力をあげていかねばならないだろう。 興味があるあるのは、官僚機構の不全が、民主党政権が信頼性を壊したからなのか、それとも制度疲労によって機能不全に陥っていたのか?ということ。前者であれば、故意にサボタージュしたという批判を受けかねず、国家を預かる専門家の集団としては許し難い。後者であれば、組織上の課題の洗い出しと検証が急がれる。 いずれにしても、危機管理が重視されるようになった2000年以降、初めて政府が直面した危機であり、その対応に失敗したということ。様々な企業や組織が危機管理に失敗してきた状態を監督官庁が指導してきながら、自分たちの組織には目を向けていなかったことに、失敗の主因があるように思われる。 最後に、本書の帯には「政府、官僚、東電の罪をあばく」とあるが、マスメディアには、全く罪は無いという書きぶりが気になりました。
0投稿日: 2012.03.26
powered by ブクログ事故直後、既にメルトダウンしているのではないかと言ったフリージャーナリストはいい加減なことを言うんじゃないと叩かれた。菅前首相が我を通して現地に乗り込んだため、ベントが遅れたと言われて叩かれた。どちらも間違いだが訂正されず、謝罪もされていない。あのとき何があったのか、「どこの」「誰が」「何を言ったか」の積み重ねで解き明かされる。広島の被爆者を治療した医師やチェルノブイリの情報も参考になる。
0投稿日: 2012.03.25
powered by ブクログ最初はなんでこの本がそんなに話題なの?と思ったが、さすがに第六章は息を詰めて読みました。よくも悪くも極めて日本型ジャーナリズムですね。誰があのときこう言った、、みたいなのはとてもよく書けていますが、科学的な分析はかなり甘いです。個人的には第三章もよいです。坪倉先生の活躍も紹介されています。
1投稿日: 2012.03.21
powered by ブクログ朝日新聞が現在も連載しているルポルタージュ記事の書籍化。福島原発事故における、官邸の混乱、なぜ放射能拡散シミュレーションが公開されなかったのか、内部被曝の問題などなどをおっている。 かつて新聞の価値は、特ダネ記事の掲載、記事の序列づけ(一面トップ記事は何か?)、そして何より多くの人にとって数少ない確かなニュースソースのひとつ…であったわけだが、RSSリーダーやYahoo!ニュースや検索で記事が読まれる時代、そのいずれも役目を終えている。 ならば、各個人ではなしえない取材と、一般人ではなしえない高い目線からの分析と提言こそが今後の生命線だろう。 今回の連載スタート時の約束事として、「関係者によると…」ではなく、「○○の○○が○○と言った」と実名で踏み込んで書こう…というのがあったそうだが、特に官邸と東電と官僚の混乱ぶりのあたりなど、その試みは一定の成功をおさめているように思う。 であるならばもう一つのほう、ただ「庶民はこんな風に翻弄されて困ったぁ」と投げっぱなしにするのではなく、建設的な分析と提言を今後の連載に期待したい。
0投稿日: 2012.03.18
powered by ブクログ大震災・原発事故のあと暫くした2011年10月から朝日新聞の朝刊に連載されていた(現在も連載中)コラムの書籍化だ。 このコラムは大震災・原発事故の対応の検証を行うことを目的としており、その中心に位置する官邸・東電の対応も勿論触れられているのだが、其れが中心ではなく、此れまで余り報道されては居なかったものの、その周辺で様々な国の組織・機関が行っていたことを積極的に取り上げている視点が目新しい部分だ。 更に、後書きでも触れられているのだが誰が何をやっていたのか、何をやらなかったのかを検証する過程で官僚組織の匿名性を敢えて排除し「xx省xx部の何某がxxと言った」という形で書いていることだ。官邸や東電の一部については此れまでもかなりのメディアで実名で活字になっているが、多くの場合官僚組織は「xx省」はとか「xx省筋」という曖昧な書き方で責任の所在が明らかでない場合が多いのだが此れも目新しい試みだろう。 コラムは幾つかの話題をシリーズで連載しているが、例えば、(1)厚生労働省所管の独立行政法人である労働安全衛生総合研究所の研究員が「指示があるまで勝手な行動は慎め」と現地での放射能測定を止められた結果、退職する経緯、(2)気象研究所が過去60年に亘って積み上げて来た放射能の測定を一番大事な時期である2011年3月末で予算を取り上げられ急遽中止されてしまった経緯、など世にも不思議な話が満載だ。 政府(官邸)が事故直後に足並みを揃えて事故を矮小化しようと各省庁に指示するほど機能していたとはとても思えないが、そのような意図を密かに汲み取り誰も知らないうちに部下達に指示を出していた各省の官僚組織の在り方はもっと真剣に見直されてしかるべきだということだろう。
0投稿日: 2012.03.15
powered by ブクログ新聞の連載記事だけあって読み易く、理解し易い。被災者、政治家、官僚、 研究者のそれぞれに丁寧な取材も行っている。でも、東京電力は取材拒否。 福島第一原発事故の発生前夜から、その後の事故対応を様々な観点から 検証している。ただし、官邸の対応については本書をそのまま鵜呑みにに は出来ないが。 でも、おかしいじゃないか?当時の首相・菅直人がSPEEDIの存在自体を 知らなかったって…。日本国の緊急事態時の最高責任者だぜ?どうして そんな人物に、必要な情報が提供されないのか。 危機管理センターには原子炉の設計図もなく、保安院も安全委員会も 放射能拡散予測を伝えない。 東日本大震災では被災された方々に必要な情報が届かないことが大きな 問題になった。しかし、日本の中枢にさえ最低限の情報が集まらないって のは異常だろう。 先日、NHKスペシャルを観ていたら「住民がパニックを起こすから」との 理由で段階的に退避区域を広げたことの言い訳をしていた人がいた。 パニックになっていたのは危機管理センターではなかったか。 尚、こんな官僚・政治家を尻目に正しい情報を集めようとした研究者が いたことを忘れていはいけない。それなのに気象庁気象研究所には なんの根拠もなく50年以上続けて来た放射能観測中止が申し渡される。 誰が、何の為に、中止を決めたのか。判然としないところが、責任を 取らない日本の官僚の体質ってところか。この第3章だけでも読む 価値あり。 尚、本書は朝日新聞の連載で今も続いている。不思議なのは同新聞社 は出版部門もあるはずなのに、発行元が学研なのだ。う~ん、系列に テレビ朝日があるから?テレビ局の最大スポンサーが電力会社だから 気を遣った?な~んて深読みしてみた。 ところで、朝日新聞もそうだがメディアはメディア自身の震災・原発報道 の検証をしてみてはどうだろう。
1投稿日: 2012.03.12
