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氷点(上)
氷点(上)
三浦綾子/KADOKAWA
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総合評価

137件)
4.1
43
57
17
2
2
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    図書館の本を読む▼ https://kguopac.kanto-gakuin.ac.jp/webopac/BB00614172 人間の愛と赦しをテーマにした大ベストセラー(出版社HPより) 三浦綾子 みうら-あやこ(1922-1999) 昭和後期-平成時代の小説家。 大正11年4月25日生まれ。小学校教師となる。 第二次大戦後肺結核の闘病生活をおくり,キリスト教に入信。昭和34年三浦光世と結婚。39年人間の原罪をえがいた「氷点」が朝日新聞1000万円懸賞小説に入選,映画・テレビドラマ化されて,人気作家となった。 みうら-あやこ【三浦綾子】, 日本人名大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=5011071302940 , (参照 2025-10-30)

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    とても重い。 啓造にも夏枝にも全く共感出来ない。ただただ身勝手に思える。 時代背景もあるんだろうけれど、現代ならこうはならないんだろうな。何の罪もない陽子がただただ不憫で仕方ない。 ただ、とても読みやすい。予想外の展開で終わった上巻。下巻が気になります。頑張れ、陽子。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    昨年から少しずつ読んでいた三浦綾子。 ついにこの超有名な作品に手をつけた。 キリスト教のテーマと北海道と病院、という、たぶんいつもながらの舞台装置。 スピーディーで劇的、会話も読みやすく、スイスイと進んでストレスフリーなのだけど、ストーリーはけっこう重いし胸焼けがする。 何より、辻口も夏枝も村井もダメで嫌な奴なので読むのがキツい。 高井と辰子がいるのでなんとか読めています。 がんばれ、陽子。 戦後すぐの北海道社会が面白い。 こんな感じなんだーと素直にキョロキョロしてしまう。 もっと細かく社会の様子が知りたいのだけど。

    2
    投稿日: 2025.11.03
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     何てところで終わるんだ。下巻では完全に村井とよろしくやってる未来しか想像できない。啓造も捻じ曲がっているが、夏枝の身勝手さには同じ女として理解できる部分はあれど到底許容できない。再会した村井が醜く変わっていたことで手のひらを返す夏枝の浅ましいこと。夫への復讐に焦がれ、徹の存在を都合良く忘れているのが腹立たしい。啓造も自分も苦しむとはいえ、復讐のために無垢の子どもをだしに使う悍ましさときたら。この壊れた家族がどうなるのか、気になって仕方ない。

    2
    投稿日: 2025.11.03
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    ゆらゆらと揺れる感情と登場人物の人格設定が絶妙だ。世にいるであろう敬造や夏枝のキャラクターが、とてもわかりやすい。下巻へ向かう、トリガーも良い。引き続き楽しみだ

    0
    投稿日: 2025.10.29
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    暗く重い小説だったが、登場人物それぞれの心情には共感できた。 愛があるがゆえの嫉妬や憎しみ、そして復讐。 殺人犯の娘に罪はないのに、被害者家族からはどうしても受け入れられないのだろうか。 誰もが苦悩を抱えながら生きており、家族でありながら相手の不幸を願う心情が恐ろしい。 心理的な緊迫感が途切れることなく続き、つい先の展開が気になって一気に読んでしまった。

    16
    投稿日: 2025.10.25
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    人間の多面性が上手く描かれている作品。 感想を見る限り批判も多い印象だが、愛と罪と赦しというテーマは的確な表現だと思う。 まずルリ子が殺されたことに対する啓造の怒りが、妻への憎しみへと変わるのがリアル。 犯人が許せないのは間違いないが、それよりも、愛していた夏枝の裏切りのほうが関心ごととして強いのだと至るところで匂わされている。 その一方で、夏枝への愛が消えておらず期待している側面もあるからこそ、信じたいと思ってしまう矛盾。だからこそ直接問いただせずに、すれ違いへと発展してしまっているのである。 そしてこの行き場のない怒りの発散が、犯人の娘という立場にいる陽子なのである。 犯人が生きていれば糾弾できたかもしれないが、すでに自殺してしまっている。 だからこそ無垢で自分より立場の弱い陽子を、裏切りという罪に対する罰として夏枝に育てさせようとしている。 行為としては浅ましいし、関係のない子供を巻き込んだどうしようもない大人達だが、人間であれば誰しもこういう複雑な感情を抱えたことがあるのではないだろうか。 下巻では赦しの部分が明らかになると思うので、楽しみ。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    まじでクソきも親父なんですけど、本筋に関係ないところでいうと妻の太ももに足を置いて靴下を履かせてもらう描写があってほんとによくここまで女性の尊厳が認められたなあと感心しました。

    0
    投稿日: 2025.10.16
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    ようやく三浦綾子さんの小説を初読。 とにかく心情描写が巧みの一言に尽きます。人の醜い部分がこれでもかと抉り出されています。でも、そういう感情の揺れに少し共感してしまう部分もあったり。人はみんな罪人なんだなぁと身につまされます。

    1
    投稿日: 2025.10.02
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    救いと赦しがテーマ。 登場人物達の救われなさと渦巻く感情が作品の重厚感を増している。シリーズ4作を読み終えた先に自分が何を思うのか楽しみ。作者がクリスチャンと知って納得した。

    3
    投稿日: 2025.09.19
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    昔に読んだことがあったが、内容はほとんど忘れてしまっていた。 こんなにもお互いの気持ちがすれ違うというか、心の中が見えるのが面白い。 どんな結末になるのか?実は陽子ちゃんは殺人犯の子どもではなかったりするんだっけかな? どこかで陽子ちゃんも事実を知って葛藤して、自殺したりとか? 悲しい結末を想像していまいます。 そんなことを思いながら下巻を読みます。

    11
    投稿日: 2025.09.18
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    原罪とは何か、がテーマとなって1965年刊行当時にベストセラーになったらしい(1964年の朝日新聞連載らしい)けど、激重テーマすぎてこんなの皆読んでたの…と驚く。友達の勧めで読んだけど、自分では選ばないわ…笑 とにかく皆が皆利己的というか、自分のことばっかりで、でもまぁ人間というのはそんなものなのでしょう。

    0
    投稿日: 2025.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価の高いこちらの小説。 一度は読んでおこうと思い、手にしました。 思った以上に、ドロドロとした愛憎劇が繰り広げられています。 村井・夏枝・啓造の、なんと身勝手なことか! まず村井が最低なのは言うまでもないとして。 啓造は、愛娘を失ったことと嫉妬心で苦しむことには同情します。が、だからといって復讐として、そこまでやります? 長男である徹の気持ちは考えない? とりあえず、言葉を飲み込まないで、気になることは口に出して聞きなよ、と何度も思いました。 夏枝は、利己的で心の底では子どものことなんて考えていない。自分大好き人間のように感じました。 村井に対する気持ちも、外見が醜くなるとスッと冷めたりして、変わり身の早さに呆れてしまいます。 このような大人達に振り回される、ルリ子・徹・陽子が不憫でなりませんでした。 そのような中、サッパリした心持ちの辰子さんが心の支えでした。 終始イライラしながら読みましたが、読むのをやめようとは全く思わず。 それどころか、先が気になってどんどん読んでしまいました! このままの勢いで、下巻を読もうと思います。

    0
    投稿日: 2025.08.15
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    評価は下巻にて。 夏フェア2025という角川文庫の企画に1980年代ベストという帯付の「氷点」を発見し、上下購入しました。 まだ読書などほとんど無縁であった30年以上前に読んで驚愕した記憶を思い出しました。再読し、序盤は冷静に読んでいましたが、読み進めていくうちいてもたってもいられない衝動にかられています! 下巻に向かいます。

    1
    投稿日: 2025.08.05
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    中学1年生に読んで以来、ふと思い出して電子書籍で購入しました。今の時代、便利な機能ですね。すぐに読んで続編もさくっと購入して読んでいるところです。 学生の頃にわくわくする話が面白くて好きだった純粋な気持ちのまま買いましたが、30も半ばになる大人が読むと、なんとも言えない心のざわめきを感じる本でした。それぞれの登場人物の気持ちが手に取るように感じられます。感じ方や考え方が変わってくるのも面白いです。夏枝の心の動きや憎悪が印象深かったです。更に歳を重ねた時に読み直したい本です。人生の荒波に揉まれた先の自分と向き合える本、次はどう感じるか楽しみです。

    1
    投稿日: 2025.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物が少なく、心理描写も細かいのでとても読みやすい。善と悪とどちらともつかない感情の狭間で生きる葛藤をとてもリアルに描いていると思う。 陽子に幸せになってほしい。

    0
    投稿日: 2025.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじには「人間存在の根源を問う不朽の名作」と銘打ってはいるが、本作はそんなたいそうな作品ではない。 どういう作品かというと「村井と不倫した夏枝のせいで佐石に殺されたルリ子への哀心と夏江への憎しみによって佐石の娘である陽子をもらい子として夏枝に育てさせた辻口、そしてそのことに気づいてからは辻口への憎しみと陽子への憎悪をもって接するようになった夏枝による幼稚な家庭内不和をただただ描いた作品」である。 宣教師だの「汝の敵を愛せ」だの宣っているが結局はルリ子の仇の娘であるから愛せなくて当然だ、この仕打ちはルリ子への弔いだなどとほざいて陽子いじめをするだけだ。 辻口と夏枝があまりにも幼稚で唾棄すべき存在なのにこの2人がほぼ主役であるがためにずっと描写されるのにも耐えられない。 辻口の実の息子である徹や当の陽子、辻口の友人である高木や辰子は立派な人格者であり、本作品の唯一の良心といえよう。 ともかく、こんな作品をかも崇高な作品ですみたいにとりなしている様が痛々しい。駄文である。

    0
    投稿日: 2025.07.16
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    嫉妬は恐ろしい…。 啓造は自分をも悪い立場に追い込んでまで、夏枝を悪い立場に追い込むなんて。 客観的に見ればそんなことしない方がいいのに嫉妬という盲目によって視野が狭くなってしまうんだろうな。 真実を知った夏枝も夏枝で、どうにかして復讐をしようとしているところが似たもの夫婦だよなぁ。 この親に翻弄される子供の徹と陽子がかわいそうで仕方ない。 下巻も楽しみ。死にそうになった啓造、また不貞を働こうとしたときに家族に危機が訪れた夏枝は改心するのか??

    3
    投稿日: 2025.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宮部みゆきさんとどなたかの対談動画を拝見し、そこでこの本が紹介されており、手に取りました。 感想…。 なんだこの夫婦!?が率直な思い。 人間の愛と罪と赦しに真正面からむきあう不朽の名作…と背表紙に記されてはいるが、幼い妻夏枝と嫉妬深い夫啓造のヤバイ夫婦の物語としか…。一昔前の昼ドラのようです。 とりあえず気になるので下巻も読みます。

    6
    投稿日: 2025.06.11
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    久しぶりに読みました。 いわゆる勝ち組と言われている医師やその奥様の人間のいやらしい部分が共感できる。 陽子のピュアな心というか・・・これには本当にリスペクトです。

    0
    投稿日: 2025.06.08
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    宮部みゆきさんの対談で、お勧めされていたので読んでみました。懐かしい昼ドラを思い出させるところもあり、引き込まれます。嫉妬と復讐心で大事になってる。 犠牲になってる子供達に寄り添うのみです。 クリスチャンである著者、キリスト教の概念「原罪」が重要なテーマとして物語の背景にあって、著者の出身地の北海道旭川が舞台です。 「汝の敵を愛せよ」を一生の課題として大きな問題を抱え込んでしまったことからの苦悩、どう展開するのか下巻を読み進めます。

    37
    投稿日: 2025.05.22
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    2025年GW前の金曜日の東京は突然の大雨で リュックに入れた氷点の上巻は随分と濡れそぼってしまったけれど いま下巻を読み切ってみるとそれも良い思い出となるくらい 今年この本を読めて良かったなと思う 続氷点も気になる

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    タイトルのとおり、温度感がビシビシ伝わってくる作品。 まず、やたら植物の名前が出てくるのが印象的。 ナナカマド、北米や欧州原産の松、それから樹氷etc...、 風や気温、雪の描写も多い。 私も西の雪国出身なので冬モチーフにはあかるい方だと思っていたけど、やっぱ北海道は生態系も気候も違うわと思い知らされた。 それでいて装い関連では、セルの着物とか丹前とかバーバリーコートとか、暖かい印象を受けるものが際立つんだよな。 ペチカや火鉢もそう。 なんなんだこの没入感。 ページをめくる手が止まらない。 下巻も楽しみ。

    1
    投稿日: 2025.04.22
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    平成以降の小説を読むことが多いため、昭和時代の読み物を読めるか心配だったが、ページを捲る手が止まらなかった。宮部みゆきさんと成田悠輔さんの対談をYouTubeで観て、「最近の子も氷点を読んでる」と宮部さんが話しており、気になって読んでみた。″最近の子″がなぜこの作品を好んで読むのか言語化できないけれど、物語に引き込まれてしまう感覚はなんとなくわかる。夫婦の水面下で行われる歪み合いの話かと思いきや、最後はどんでん返しの″愛″を感じた。続きが気になる…!

    21
    投稿日: 2025.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに一気読みした。内容はもちろんのこと、文章が美しい。言葉のひらきと閉じが使い分けられていて、読んでいて心地よい。また、心情の描写が深く、読んでいて引き込まれる。夫婦のすれ違いや、陽子と徹の気持ち、誰にも共感できるからこそ辛い。下巻も大切に読もう。

    3
    投稿日: 2025.03.18
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     愛と憎しみの違いがわからなくなる話だった。でも、そのことを私は前から知っていたような感覚もした。  愛しているけれど、愛しているからこそ憎しみも強くなって、でも愛しているが故にそのことに対して罪悪感も生まれて、ちょっとしたことで全てを許したいと思えたり、一生許さないと誓ったり。

    1
    投稿日: 2025.01.25
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    昭和21年 病院長 辻口啓造は美しい妻 夏枝とかわいい2人の子ども達と旭川で暮らしていた。ある日、幼い娘が何者かに殺された。娘が外出したのは妻が浮気していたからだと思い込んだ啓造は、妻への最大の復讐を思いつく。娘を殺した犯人の子どもを引き取り、事情は明かさず妻に育てさせようと。。。  引き取られた犯人の赤ちゃんがただただかわいそう。でも昭和21年代の北海道や、雪国での暮らしは興味深くて、いつの日か旭川市の三浦綾子記念文学館に行ってみたいな。2年前に青森・北海道旅行に行って旭川も行ったのに、素通りしてしまった、、、。  冬に読むと雰囲気たっぷり。

    8
    投稿日: 2025.01.18
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    3.0 最初はちょっと難しいお話かなって思ったけど、読んでいくうちに引き込まれていった 長いお話だけど続きが気になってどんどん読めた

    13
    投稿日: 2025.01.07
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    おいおいおい…! グギィィイイイイイイ…! グハァァアアアアアア…。 ヒィィイイイイイ…! やめとけ、やめとけぇ。 イイイイイイイイイライライライラするぅ。 夏枝!お前、自分勝手すぎるやろぉぉおおおお。 その自分本位なところ、くっそ腹立つぞ! 啓造!ちょっと気持ちわかるぞぉ。 そりゃ復讐心も出るわ。 真面目な人ほど憎しみもまた深くなるんだよなぁ。 おかしな方向にいっちまったなぁ。でも憎しみというのは時に人を有り得ない方へ導いてしまうんだなぁ。 夏枝しかり、啓造しかり。 下巻はどうなっちゃうのさ。 徹…徹の気持ちを考えると胸が痛いよ…。

    1
    投稿日: 2024.12.13
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    全く展開が読めなくて面白かった。汝の敵を愛すってことがどうなっていくか。上では陽子への愛を感じないが心情の変化が下ではどう描かれていくのか。またこんな大人達の執着に陽子が突き合わされるのが不憫で敵わなかった。

    1
    投稿日: 2024.12.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和の話題本として一度は読んでおかなくちゃ‥てことで読み始めたが‥ちょっと期待が大きすぎた。「細川ガラシャ夫人」を読んだ後だけにどれほどの重厚な内容なんだろうと思ったら‥ ちょっとあり得ない設定。 娘を殺した犯人の子供を引き取って育てるって、どういう心理状態なの?コンプライアンス的にアウトでしょう。しかも妻の浮気の腹いせに犯人の子を育てさせるって、オカルトだわ。夫が夫なら妻も妻で、精神的な未熟度を次々見せてくれる。息子の友達が本気で女性としての自分を好きになってくれると思ってるから恥ずかしい。その彼が娘陽子のことを好きになり、陽子が幸せになることが許せない。やがて自分が殺人犯の娘であることを知った陽子は自殺を図る。 話は荒唐無稽だけど、余計な修飾や背景説明にページを割いていないのでサクサク読めるし、どうなっちゃうんだろうと早く読み進みたくなる。新聞小説だったようだが、これは読者は毎日楽しみだったことでしょう。 「汝の敵を愛せよ」という聖書引用の言葉を頭の中で反復し、犯人の子を引き取った啓造。なんかはきちがえてるんだよねぇ。犯罪者の家族は十字架を背負って生きなければいけないんだろうか。ちゃんと守られているんだろうか。そちらの方が気になる。 読書は心を浄化させてくれる。煩悩というものがいかに馬鹿げたものなのかということが俯瞰で見るとよくわかる。若者はもっと本を読むべきだ。

    1
    投稿日: 2024.11.30
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    娘を持ったことがないから分からない感情なのか、出生はそんなに一大事なのか、共感できない部分は残る。 ただ陽子が幸せになってほしいと思う。

    1
    投稿日: 2024.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この家族に出会わなかったら、違う幸せがあったんだろうか。最後はそう、考えされられた。辻口家族の一悶着に完全に巻き込まれた陽子。読んでいて、本当に辛かった。辛いという言葉だけでは、表現しきれない。それでも陽子のまっすぐな性格がまた辛くさせる。それでも陽子の近くに辰子がいてくれてよかったって、心から思った。一人でも支えになる人がいると、ほっとする。それにしても私も高木の言葉を本当だろうと、信用してしまった一人。いやいや、そんなことをしなければ、幸せだっただろうよ。いやいやいや、元をたどると、夏枝が…。 いやでも、犯人が1番か?…。 続・氷点も読みたい。

    2
    投稿日: 2024.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現実的な話かと言われたら違うと思う。 ただ、愛するが故の憎悪、復讐心 不倫したであろう妻・夏枝に、自分たちの娘を殺した犯人の子供を出生を隠し養子に迎え育てさせる。 その行為に自分も苦しむ辻口 余りにも自己主義に怖さを感じるが、だからと言って夏枝に同情できるかと言ったら、その感情も湧かない。なんなら夏枝に対しても嫌悪感すら抱く。 上巻は辻口が休止に一生を得て、夏枝や子供達に、夏枝の不倫相手と思っている村井へ愛をもって接していこうと改心したところで終わった。 この家族の行く末がどうなっていくのか、下巻を読むのが楽しみです

    5
    投稿日: 2024.10.25
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     三浦綾子さんの代表作。オーディブルで聴く。まるで昼メロのような展開だが、話の続きが気になって、家事が疎かになった。同じ女性として、夏枝のバカさ加減に腹が立つ。  続編は、もういいかな。

    3
    投稿日: 2024.09.23
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    辻口病院の院長夫人夏枝と青年医師村井の不倫中に娘のルリ子が殺される。それを知った夫の辻口啓造は夏枝に復讐するために、犯人の娘を養子として引き取る。犯人の娘とは知らずに、陽子と名付けたその女の子を亡くなったルリ子の代わりに大切に育てる夏枝。だがとあるきっかけで事実を知ってしまった夏枝は、夫の啓造と犯人の娘である陽子を激しく憎むようになる… まさに愛憎渦巻く人間ドラマ。登場人物の心理描写が巧みで、読みごたえがある。 夏枝と村井は実際は啓造の疑っているほどの不倫関係ではなかったことが悲劇だ。啓造はこじらせまくってるし、夏枝は夏枝でお嬢様気質でいけすかないところがあり、どっちもどっち。 本当のことを知った夏枝は陽子に陰湿ないじめを始めるし、陽子の出生の秘密を知った兄の徹は陽子のことを女性として愛するようになるしで家族が崩壊していく中、何も知らない陽子はとても真っすぐな良い子に育っているのが救いでもあり、より悲しくもあった。 学会に出かけた際、海難事故で九死に一生を得た啓造が、気持ちを新たにして、夏枝や徹や陽子を愛して生きていこうと誓って家に帰ってくるところで上巻終了。 下巻に続く。

    9
    投稿日: 2024.09.22
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    娘を殺した犯人の子供を養子に迎えるなんて、どう考えても現実的ではない。ありえないし、やってはいけない事だ。 しかしこの小説ではそれを見ることができる。終始、陽子が可哀想でならない。途中から夏枝が憎くなった。下巻を早く読みたい。

    2
    投稿日: 2024.08.08
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    682 みうらあやこ 1922年北海道旭川市生まれ。64年朝日新聞社の懸賞小説に『氷点』が入選。国民的ベストセラーに。人間の愛、祈り、原罪をテーマに書き続ける。99年77歳で逝去。 氷点(上) (角川文庫) by 三浦 綾子 「先生、炎ってなぜきれいなんですか」  由香子は白いズックの運動ぐつで音もなく追いついて、それがくせのピタリとよりそうように啓造とならんだ。 「さあね」  啓造は由香子から離れた。 「燃えているからですか。燃えたらすぐに灰になるんです。煙になるんです。次の瞬間すぐに 亡びるということは、あんなに美しいものなんですか」 陽子は、言葉も人より早くおぼえた。しかも幼児語をほとんどつかわなかった。 「おとうさん、いっていらっしゃい」 「おとうさん、おかえんなさい」  と、毎日夏枝にだかれていった。しかし妙にハキハキとした言葉づかいが、啓造の神経にさわった。 (今日こそはだきあげてやろう。頭もなでてやろう)  と、思って帰っても、陽子をみると反射的ににがい顔をした。しかし陽子はそのような啓造にも、何のこだわりもないようであった。一年生になったいまも、相かわらずとんで迎えに出てくる。陽子には、人の悪意をも、善意にうけとるふしぎなものが、生まれつき備わっているようであった。 「立派な人間がなぜ子供を手放したりするのかね」 正直にいって陽子は、気味のわるいほど、善意に満ちた子供なのだ。こんな子の体の中に、殺人者の血が流れているのかと思うと、一体人間とは何だろうと、わたしは思うことがある。  わたしは、恥ずかしい話だが、あの子の頭をなでることができなかった。いくら努力しても、手があの子の頭にいかないのだ。それは生理的といってもいい、ふしぎなほど根強い嫌悪なのだ。  ところが、この間とうとう、あの子の頭をなでてしまった。いつものように「おかえりなさい」ととんできた陽子の頭を思わずわたしはなでてしまった。しかしそのあとが、たまらなかった。わたしは反射的にルリ子の死んだ姿を思い出したのだ。陽子をかわいがって、果してルリ子は喜ぶだろうか、そう思うとたまらなくなった。 「それが今日はランドセルをしょって〝おうちに帰りたくないの〟ときたじゃない。気に入った。この子は頭がいいけれど、人間、頭がいいだけじゃつまらないからねえ。性根がなきゃねえ」 「辰ちゃんは、また滅法性根がありすぎるからな」 「少しぐらいのいやなことは、人間はガマンをしなければだめよ。いやなことがあるたび、おばちゃんのうちへきて、そのおばちゃんのところもいやになったら、こんどはどこへ行くの。あそこもいや、ここもいやで、だんだん行くところがなくなるよ。そして、人は自殺したりするんだよ。自殺って何のことか知っている? 陽子」 「知っている。自殺ってね、自分でドクをのんだりして死ぬの」  辰子は、一年生の陽子を相手に、自殺の話までしたことに気づいて、苦笑した。 「とにかく、少しぐらいのいやなことはがまんすることさね」 「おばちゃんも、いやなことがある?」  ふたたび陽子が反問した。 「それはあるよ。いやなことや 淋しいことも」 「何が面白くないの?」 「うん、面白くないんだ」 「欲ばりだよ。世の中ってものは、一つうれしいことがあったら大したものさ。小母さんは面白い日ばっかりだわ」 「フーン」 「徹くんは、まず一生面白くない面白くないで暮すタチだね」 「だって面白くない時は仕方ないもの」 「そうかな。もし百円落したら徹くんはどう思う?」 「損したと思うさ。当り前さ」 「陽子は、どう思う?」 「百円落さないと、わかんないけれど、ずっとせんに十円おとしたの」 「その時どう思った?」 「だれかが拾って喜ぶだろうと思ったわ」 「だれかが拾って喜んだら、つまらない?」 「だれかが喜んだらうれしいわ。乞食が拾えばいいなと思ったの」 「だってさ。落したら損だぞ。うれしくないよ、ぼくは」 「徹くん。十円落したら、本当に十円をなくしたのだから損したわけよ。その上、損した損したと思ったら、なお損じゃない」 「あ、そうか」 「百円落したら百円分楽しくするのよ。二百円落さずに百円だったからよかったなと思ってもいいしね。あの百円拾った人は、もう死ぬほどおなかがすいていて、あの百円のおかげで命が助かって、それからだんだんいいことばかりあるんだと思ってもいいさ。百円落した上に、損したといつまでもクヨクヨしていたら大損よ」 「そうだね。ほんとうに困ったり悲しくなるようなことが起きたら……」  陽子が空のトビを目で追って、二人の話をきいていない様子に安心をしながら、 「……本気で困ることだよ。その困難なことに、真正面からぶつかって、よく考えてみるんだね」 「一人で考えるの?」  徹は心もとない返事をした。 「どうにも大変なことなら、親や先生に相談するといいけれどね。でも大人になるにつれて、 誰 にも相談しようのないことにぶつかるかも知れないのよ」  辰子は自分がひどく軽薄に思われてならなかった。今まで自分は根の浅い、単なる処世術をふりまわして、生きてきたように思えてならなかった。この世にはもっと深い英知というものがあるように思えてきた。いつか陽子が泊った時に、

    3
    投稿日: 2024.07.16
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    作者の出身地の旭川に住んでいながら読んだ事無かったので代表作である本作を読み始めた。 旭川には"三浦綾子記念文学館"があり、そこに向かう途中の橋は"氷点橋"と名付けられている。 作中に登場する"ちろる"という喫茶店は今も人気で、私もよく利用している。 前置きが長くなったが、読み始めてあまりの面白さに読む手が止まらない。 「汝の敵を愛せよ」というのが一つのテーマとして考えさせるものであり、人間はそこまで寛容になれるのかはたまた無理なのかという所に迫って行く様がリアルに描写されていて引き込まれた。 ここで素人めいた意見ですが、上下巻分けるならある人物の命運を謎のまま下巻に行った方が絶対下巻の売り上げあがるだろうな等と邪知してしまった。

    3
    投稿日: 2024.07.11
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    どーだった?!って、女友達と語らいたい内容でもあり、ひとり深々と考えさせる部分もあり。 内容が昼メロ並みにどろっどろで読みやすいんだけど、作品に深みがあるのは心理描写が秀逸で、人間のアホさについても真摯に掘り下げてまっすぐな視点で分析されているからなのではと思う。 登場人物の中で誰が一番愚かだと思うかも、読む人によって評が割れそうである。

    2
    投稿日: 2024.04.28
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    北海道の旭川を舞台にした医師の家族の愛憎劇。 敬虔なキリスト教徒であった著者の思想が深淵として低調に流れていました。 人間は本当に不完全なもので、社会的地位が高い医師の家庭でも人間の底は醜く自己中心的なものなのか…と大人たちの世界を見ながら思いつつも子供たちの純粋無垢な言動に心がむしろ痛みました。 場面展開もムダがなく、心苦しいシーンばかり続くのだけれどユルユルと話の流れに乗って読み進めてしまう。 心が傷ついて自分がイヤな人間かもしれない…と感じている人には人間大人になれば誰だって闇を背負っているのだと思える作品だと思いました。 一方、やはり絶対的に神の世界を信じている著者とそうでない自分との間に大人とこどものような心理的ズレを感じることも付記しておきます。

    7
    投稿日: 2024.03.14
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    出張で旭川市に行ったので、ゆかりの作家さんとして初めて読んでみた。 主人公の辻口は娘を殺した犯人の子どもを引き取るほどの嫉妬心を隠しもち、妻の夏枝は自分の美貌への自信からか目の前の人を大切にできてないところとか、どちらもなかなか性格が悪くて人間臭くておもしろい。 今の夫妻観だともっと話し合いましょう、とアドバイスされちゃうような関係性だけど、当時の結婚、特に肩書のある人たちはそんなもんじゃなかったんやろうな。

    2
    投稿日: 2024.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現実世界ではまず起こり得ないであろう重い設定の作品。愛と罪と赦しをテーマに書かれたということで、各登場人物がどのように考え、どのように生きていくのか興味深く読んだ。 徹と陽子の親世代、特に夏枝は最初から最後まで自分勝手な印象が拭えなかった。引き取った子が誰だったかという原因は辻口にあり、その点は情状酌量の余地があるが、そもそもルリ子の死の一端を作ったのは夏枝であり、ルリ子の代わりに子供を引き取りたいという行為自体が理解出来なかった。私に子供がいないからなのか、時代背景のせいなのか…。 ラストは、最初はここで終わり?と感じたが、読了から数日経つとあの終わり方で良かったのだと思えるようになった。陽子と、陽子の出自を知りながら陽子を愛してくれた徹の人生が明るいものであることを願う。 続氷点があるので読んでみたい。 印象に残った一文 ねむるだけ、ねむったら早く起きるのよ。全く違った人生が待っているんだもの。

    3
    投稿日: 2024.02.12
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    もっと早く読めば私の頭の中、思考が変わっていたかも、と後悔しつつ、三浦綾子さんが43歳の時に書かれた氷点を同じ年齢で読むこの奇跡も不思議に感じた。 人の感情で1番不要な『嫉妬』『妬み』からの歪んだ心持ち。 誰もが自己中心で親の愛情を受けるべき子どもたちの苦悩。 啓三が上巻最後で命拾いし心改める、あぁ大人こそ日々成長していかなければ子どもたちに教育は出来ない。

    3
    投稿日: 2024.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和57年に書かれた作品で、一部表現が古かったり、今は差別用語とされている言葉が出てきたものの、読んでいて風景が目に浮かぶような描写で、とても読みやすかったです。 特に人物の心理描写が素晴らしかったです。 人は何か考える時でもああでもないこうでもないと揺れ動くものだと思うのですが、まさにその通りに書かれていて、どういう考えをもった人なのかがリアルに感じられました。 夫であり医者の啓造の真面目な、でも思った事をなかなか口に出来ない性格。 そして人に良く見られたいと思ってしまう虚栄心。 妻に内緒で娘を殺した殺人犯の子を引き取るという残酷さ。 人間は見る人接する人によって性格は違って感じるもので、それをうまく表現されていました。 また妻の夏枝は美しく、一見主張しない性格。 でも芯は強く、一度決めたことは曲げない。 子を愛する気持ちがとても強いからこそ、夫の裏切りを知った時には絶望して、陽子にもつらく当たってしまう。 村井に揺らいだ自分をどうにか正当化しようとしてしまう自分可愛さも、とても人間らしかったです。 最後、啓造が船の事故に巻き込まれ、生死をさまよい、家族の元に帰ろうかというシーンで終わりますが、村井と夏枝の事や、陽子のこと、息子の徹がどうなっているかを考えると、読むのが楽しみにである一方、恐ろしくも思ってしまいます。

    2
    投稿日: 2023.11.14
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    いつかは読みたいと思っていた作品 聖人であろうとする思いと家族への憎悪との間の 生々しい葛藤がありのままに描かれている 善と偽善で揺れ動く心理描写が秀逸

    10
    投稿日: 2023.11.05
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    出逢った小説が気に入って「同じ作者の別作品?」という興味が湧く場合が在る。最近はそういう具合に三浦綾子作品を少し読んでいる。読んでいる小説は何れも何十年か以前に初めて登場している作品ということになる。が、自身にとっては「今月の新刊」というようなモノと同列に愉しむことが出来る。と言うよりも、「読者に迫る力」の強い作品であれば、「読み継がれる古典」として眼前に在る筈で、そうなると小説が発表された年代は然程気にならないものだ。作中で、例えば「幼児が成人する迄」というような感じの少し長い時間でも経つなら、作品の一部がかなり古い時代のような様子であっても気にならない。また、作品世界そのものが「〇〇の時代」と設定が明確なら、或る意味で「時代モノ」的な感覚で接することもまた可能だ。 三浦綾子作品そのものに関して、長い間余り触れたこともない感じだった。美瑛を訪ねると、十勝岳の噴火に備えた防災工事という経過が在る旨の話しを訪ねる都度というように聞き、その中で「昔の大変な災害の頃の様子に題材を求めた小説『泥流地帯』」と耳にしていた。「機会が在れば」ということでも埒が明かないので「機会を設けてみよう!」と本を手にすると凄く興味深かった訳だ。 特段に「有名作家の作品であるから読む」ということを個人的にはしない。が、今般は偶々三浦綾子作品を幾つか続けて読んだというような様子になっている。そういうことを友人等との話しで話題にしてみると、「あの作家の作品なら…」と既読作品が話題に挙がる場合も意外に多い。中には「以前に何作品も続けて沢山読んで、自宅の本棚に未だ何冊も在る」というようなことを言っていた方も在った。 その三浦綾子作品として世に出た最初の作品で、この作家の作品の「代名詞」のような存在感を放ち、様々な形で小説を原案とする映像作品も色々と登場しているのが『氷点』だ。 本作は、「辻口家の人々の物語」ということになる。そして一家の“娘”である陽子がヒロインということになるであろう。 作中の辻口家の主である啓造は、旭川の街で少し知られた病院の院長である医師だ。辻口が学生時代に師事した教授の娘である夏枝が妻だ。2人の間には徹という息子とルリ子という娘が在った。 辻口家が住んでいるのは神楽の一軒家である。“見本林”―植樹をする樹木の種類を研究すべく、様々な種類の樹木を植えた林―の傍ということになっている。物語の主な舞台は、一家の住む神楽や、行動圏ということになる旭川の街ということになる。 「旭川市」に対して「神楽」は長く「隣りの集落」であった。「神楽」の一部を成していた「東神楽」は独立した村、やがて町となって現在に至るが、他は「神楽町」ということになっていた。旭川駅の南側に在る川を渡ったような辺りに広がるのが「神楽」である。この「神楽」は1968(昭和43)年に旭川市に編入されて現在に至っている。 物語は昭和21年頃に起こっている。そして物語終盤迄に時が流れ、初めて小説が発表されたような昭和30年代の最後頃に迄至る。作中、辻口家の住所に言及される場面では「旭川市外神楽町」と出て来る。作中の時代は未だ「旭川市」ではなく「神楽町」だった訳だ。 物語の最初の方で、夏枝は彼女に想いを寄せる辻口病院の医師である村井と自宅で会っている。そこに3歳の娘のルリ子が居て、外で遊んでいるようにと夏枝は言い、ルリ子は外に出ていた。 やがて「ルリ子が居ない?」という騒ぎになる。そして夜になり、明け方近くに近所の川原でルリ子の遺体が発見された。通りすがりに出くわした男、佐石が手に掛けてしまったのだった。旭川を離れて札幌に在った時に逮捕された佐石であったが、留置された施設内で首を吊って自殺してしまったのだという。 啓造は戦争末期に産まれたルリ子について、終戦を挟んで多忙を極めた時期に余り接する機会さえ設けられず、3年と数ヶ月で生命を喪う羽目に陥ったことを嘆いた。同時に、ルリ子が姿を消した時の情況から夏枝を心の底で憎むようにもなっていた。 そういう中、夏枝は女の子を引き取って育てたいと言い出した。啓造は少し思うところが在った。そして学生時代からの友人で、札幌で身寄りのない乳児を預かる乳児院の仕事に携わる医師の高木に相談し、或る女児を引き取ることを決める。 夏枝が産んだということにして引き取った女児は陽子と名付けられ、辻口家に入って育てられることになったのだ。 上巻は事の起こり、陽子の登場とその成長を軸に、啓造や夏枝の複雑な想いが絡まる。「この一家?如何なって行く?」と気になり、本の頁を繰る手が停められなくなる。

    3
    投稿日: 2023.11.01
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    三浦さんの作品は今まで読んだことが無かったので最近になり「塩狩峠」を読んだら、 とても良かったので代表作とも言われている「氷点」を読みました。 冒頭から昭和の昼のメロドラマのような出来事から始まり、 久しぶりにドキドキ感とワクワク感で一杯になり物語の展開に引きずり込まれていきました。 院長夫人の夏枝と青年医師の村井が逢引きをしている間に三歳の娘のルリ子が殺害されてしまう。 そこから夫の啓造が聖書の教えと妻への復讐心から 妻には内緒で犯人の娘の陽子を養子とする。 というここまででもかなり物語の展開が早く、 何不自由なく過ごしていた家族たちが徐々に変化していく様子がよく分かります。 貴婦人のような穏やかで優しくか細い印象の夏枝でしたが、 一度こうだと思い込むと強情になってしまう反面もあったりして意外な一面もちらつかせます。 そんな妻の夏枝に惚れ込んでしまっているのか信頼しきっていた夫の啓造が嫉妬に燃えて常識では考えられない行動に出てしまうのが怖さです。 いくら聖書にある「汝の敵を愛せよ」とあっても、 そこまでして自分の娘がいなくなったことの寂しさや悲しさ、 妻への復讐心としての変わりに犯罪者の娘を養子にするなんてあり得ないです。 この一度だけの愚かな行動が一生付きまとうかと思うことを啓造は考えなかったのかと思ってしまいました。 物語がどんどんと進んで時が流れても 啓造の夏枝に対する復讐心というか嫉妬心が消えることが無いので本当に怖いです。 こんな状況の中で何も知らずに無邪気に過ごしている陽子が本当に気の毒で可哀想でならないです。 徐々に兄の徹が普通の状況下ではないということを 薄々感ずいてきているのでこれからの展開が気になるところです。 一体どんな結末になるのかと楽しみなので、 このまま下巻へと読み進めていきます。 やはりベストセラ―ということだけあって読み応えがあります。

    2
    投稿日: 2023.09.30
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    登場人物全員が様々な闇を抱えていて、人間味があり良い。どの人物の気持ちもわかる。 夏枝に関しては母であり女である点。村井と逢引中に我が子のルリ子に邪魔をされ、外に追いやるところとかも同じ女性として分からなくもない。 あとは啓造の夏枝の浮気に対して愛が憎しみに変わり復讐する点など。 昭和に刊行されたものらしいが色褪せない。 所々の描写や表現に時代は感じるが、ある意味時代を感じさせない。人の本質的なものは変わらないのだと思った。

    2
    投稿日: 2023.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上下で長いかなと思ったけどスラスラ読めました。面白かった。ただただ陽子が可哀想で夏枝が気持ち悪い…陽子が幸せになってほしい。

    1
    投稿日: 2023.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    難しい言葉があまり使われていないので読み進めやすいです。氷点という題名は、水になるのか凍るのか、登場人物達の曖昧な心情を表しているのかなと思いました。 【読み終わって感じたこと】 辻口家の夫は妻の裏切りに気付き、その痛みが復讐心に変わってしまいました。妻と向き合い、その問題を話し合う勇気が夫にあれば、辻口家はより生きやすかったと思います。 ある事件が起きますが、誰かを悪者に出来ない曖昧さの中で、怒りの矛先が何も悪くない、養女の陽子に向いてしまう事が残酷です。しかし、両親にどんなに冷たい態度を取られても、苦しい中に楽しさを見つけられる陽子は強いなと思います。 主人公が1人に対して、父、母という登場人物が現れる作品が多い中、それぞれ一人一人の人間にスポットが当たってる作品です。

    4
    投稿日: 2023.06.15
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    デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ。 しかし原罪や赦しといったテーマを理解しないで読むと、ただの昼ドラのような愛憎劇と勘違いされそう。 「原罪」というテーマは重くても、テンポ良く滑らかに展開するストーリーは昼ドラのように読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。 若者特有の、社会に対する欺瞞や矛盾を許さない目線と、宗教者の俗世に対する目線が合わさったような、潔癖とも言える目線が、非常に鋭く表現されていて、それが断罪と赦しのテーマに繋がっている感じがお見事。

    1
    投稿日: 2023.06.09
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    なにかの読んでよかったランキングに載っていたので読んでみた本。最初は少し入り込みづらく、数ページずつちょこちょこ読み進めていたが、半分くらいから一気に読み終えた。自分の娘を殺した男の娘を知らずに大切に大切に育てていたという事実をわたしだったらどう受け止めるか。犯人の娘という事実だけで嫌悪感がどうしても湧いてしまうのはやっぱりわたしの中で血のつながりを重要視しているのかなって思った。下の話がどう進むのか楽しみ。

    1
    投稿日: 2023.06.08
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    面白い。一気に読みながら流れるように下巻へと突入してしまった。(本の詳しい感想は下巻で。) 文庫本裏に記載されているあらすじが物語の8割ネタバレなのは残念だった…(最後の展開だけは書いてないけれども…)。

    0
    投稿日: 2023.05.31
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    前々から読んでみたかった本。 なるほど。皆さんが言うようにこれは面白い。 早く下巻が読みたい。物語を読み終えるまでは本当の感想は書けなさそうだ。

    1
    投稿日: 2023.05.06
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    陽子…清原果耶 徹…神木隆之介 夏枝…宮沢りえ 啓造…中村トオル 村井…岡田将生 北原…宮沢氷魚 高木…戸次重幸 辰子…井川遥 #脳内配役

    1
    投稿日: 2023.04.20
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    旭川にて三浦綾子記念文学館に立ち寄った際、購入した。 そのため、市内の町や見本林などの情景を思い出しながら読むことができた。 内容的には憎しみがテーマになっているためか、ひどく重くて暗い話のように感じた。

    4
    投稿日: 2023.03.15
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    たいへん面白かった。主な登場人物全員の心理描写があり、どの人物にも感情移入できました。 妻への復讐のために娘を殺した犯人の娘を養子にとるが、どう考えても復讐になっておらず、特大ブーメランとなって辻口自身が苦しむことになる。 個人的には啓造にシンパシーを感じて読み進みました。 陽子の出自を知った夏枝は、これまで目に入れても痛くないというほど可愛がってきた陽子への愛情を失い、疎ましく思うようになり嫌がらせをするが、子供ながらよく出来た陽子は人を悪くいうことがない。そのことがよりいっそう夏枝を刺激し嫌がらせが執拗になっていく。 特に思春期を迎えた陽子の初恋を邪魔する夏枝の底憎らしさは圧巻で読み応えがありました。読者の多くは陽子がんばれで終盤を迎えると思います。 この救いのない物語はドッキリカメラもびっくするような結末に至りますが、とにかく面白かったです。 後で知りましたが、この話はキリスト教で言うところの原罪(生まれながらに背負った罪)がテーマなんだそうです。陽子=原罪という解釈でしょうかね。いつしか父・啓造は陽子を愛おしく思うようになり、兄・徹に至っては陽子に惚れてしまう始末。美人というのは罪深いもんです。 作者の三浦綾子氏は旭川出身で、この小説も旭川が舞台。情景描写がリアルなのはそれ故かと合点がいきました。いつか旭川に行く機会があれば三浦綾子記念文学館にも行ってみたい。

    2
    投稿日: 2023.03.10
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    辻口病院長夫人の夏枝が医師村井と逢引している時、3歳の娘ルリ子は母がそとで遊びにいってらっしゃいと言われ外へ行き、誘拐され殺害されてしまうところから始まる。小学生の頃、ドラマで見たことがあったがほとんどストーリーは覚えていなかった。病院長の辻口啓造は浮気をしていた妻の夏枝が許せず、そのために死んだルリ子が不憫で、ルリ子を殺した犯人の娘を養女として引き取る。娘を殺した犯人の子を知らずに育てていた夏枝の驚きと哀しみ。陽子を妹だと思い愛情を注ぐ長男の辻口徹など、登場人物の感情が生き生きと描かれ、人間の持つ良心とか悪意が、自分も同じ立場ならと考えさられます。この作品は朝日新聞に1964年に連載された作品ということだが、60年近く前の作品とは思えない。下巻が楽しみです。

    2
    投稿日: 2023.02.19
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    タイトルは聞いたことがあったので図書館で借りた。 今までで一番のめり込んだ小説となった。 三浦綾子氏の小説はとても面白い。

    0
    投稿日: 2023.02.18
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    嫉妬深い啓造がネチっこすぎる。 みんな人間味溢れていて憎めない。 後半展開が面白くて一気読み! 下巻につづく。。。 1964年から1年間、朝日新聞の朝刊に連載される。 1966年には連続ドラマ化。 平均30%以上の視聴率を記録して、 最終回は42.7%という大ヒット作。 (Wikipediaより) こんな話が新聞に連載されていたら 続きが気になって毎日早起きするだろう。 そして次の朝が楽しみで早く寝るだろう。 私なら夜中新聞配達員を待って寝不足決定!

    10
    投稿日: 2023.01.21
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    嫌な気持ちになるのに、読み進めるのを止められない悪い薬みたいな本です。 主な登場人物全員が嫌な奴で、読んでいて最低だと感じることが多々あります。でも多かれ少なかれ、自分の中にもその片鱗があると気付いてつらくなる。でも読みたくなります。人間の業が本当にうまく詰まっています。

    5
    投稿日: 2022.12.13
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    あーーーー。 人間の醜さ、罪深さを改めて考えさせられた。 イエスキリストの贖いによって生かされている

    0
    投稿日: 2022.09.30
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    登場人物のキャラの濃さに驚く。誰一人として普通な人が出てこない。そして当然のように巻き起こるカオス。 どんどん入り込んでしまうのは、キャラの濃さに圧倒されてなのか、筆力なのか。 後編が気になる。

    0
    投稿日: 2022.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語に入り込んでいける面白さはあったけど、胸糞の悪い話。 何の罪もないルリ子と陽子が欺瞞に満ちた大人たちの犠牲になり、とても残酷。 自惚れの強い夏枝の浅はかな言動には終始嫌悪感を感じる。しかし例えそんな女性でも、娘を殺害した犯人の子を育てさせられるほどの罪はない。 自分の妻に面と向き合って話せず逃げている小心者の辻口が一番許せない。「汝の敵を愛せよ」を大義名分にした行為は、夏枝どころか1人の罪のない子どもを追い詰めることになるとは想像できなかったのか。ご都合主義で意味を履き違えています。 夏枝に問い詰めていれば陽子は復讐とは無縁に愛されて育ったのに。 救いのあるラストでよかったです。  

    1
    投稿日: 2022.07.30
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    登場人物たちの想いが屈折した行動にあわられることでシーソーのように交互に物語の重さをかける先が変わっていく。

    0
    投稿日: 2022.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めっっっっっちゃおもしろい!! 登場人物に苛々がそれぞれ進んでいくごとにあるのに展開するにつれてどの人物にも気持ちが入りこんでしまうのがびっくりした。自分の軽薄さに少し笑った笑 辻口の性格のような知り合いもいるし、女という者の中には当然夏枝のような一面も存在する。 下が早く読みたい!昔の連ドラとかとにかくテレビで放送されたら来週が待ち遠しくてたまらなくなる笑しかし本のいいとこは、どんどん読めるところ!もう最高!早く読みたいな〜 中身としては陽子の先がすごく気になる。 どの主人公においても波瀾万丈すぎてなかなかよ読み応えがある。東野圭吾なら徹が主人公だろうな笑

    2
    投稿日: 2022.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    病院長夫人が青年医師と逢い引きしている間に娘が殺害されるところから話が展開していきます。 妻への憎しみから、妻に内緒で自分の娘を殺した犯人の娘を養子に迎える狂気じみた夫、養子が殺人犯の娘であることに気づき、養子に冷たい仕打ちをする妻など、憎しみ、怒り、嫉妬といった激しい負の感情が事細かに描かれています。しかし、夫も妻もそのことを表に出すことはなく、側からは誰もが羨むような家庭を築いているように見えます。幸せに見える家庭の中で人間の持つ生々しい感情が渦巻く歪さに不気味さを感じます。 一方、養子である陽子は芯が強くどんな逆境にもへこたれずに立ち向かっていきます。ふとしたことから自らが実の娘でないことに気づきますが、それでも前向きに生きようとする姿に心が洗われます。最後は純潔すぎるが故の陽子の決断に目頭が熱くなりました。

    0
    投稿日: 2022.02.22
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    20年ほど前、学生時代に初めて読み、その際は、その内容に驚かされながら興奮しながら感動しながら、そして文面から伝わってくる村井の色気にドキドキしながら、あっという間に読み進めたのを覚えている。 ふとまた急に読みたくなり、「氷点 上」を読了。読み進めていると止まらなくなり、あっという間に読み終えたのは学生時代のときと変わらず。ただ、結末を覚えているだけに、陽子の無邪気さや明るさが辛く感じられ……夏枝の陽子や村井への態度が腹立たしくなりながらも夏枝の全てを責めることができない私自身の気持ちにも腹立たしさを覚えたり……他人に悪く思われたくない、真面目で几帳面で用心深い啓造の本心に触れるたびに「どうしてこんなことをしたのか…」と悔しくなる思いなど……言いようのないいろいろな想いが渦巻いて、途中何度も、もうこれ以上読みたくない、と思ってしまったのも事実です。。。 あの頃はきっと☆5をつけていたと思いますが……今は…どうしても読んでいると辛くなってしまうので、☆4にします。

    0
    投稿日: 2022.02.06
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    ずっと大好きな本。人間の心情やその変化が些細な部分まで描かれていることが好きな理由だと思う。 いつか氷点を持って旭川に行って、美瑛川が見たい。 この本が好きな人になかなか出会えず悲しい。。

    1
    投稿日: 2022.01.02
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    医者の父に美しい母、5歳の息子と3歳の娘という、一見すると羨ましいほど幸せそうな家庭。そんな家庭がルリ子の死によって壊れていく。 人間の闇や嫉妬、身勝手さなどの醜い面が描かれていて、夏枝や啓造の言動にイライラさせられる場面もあった。このドロドロした人間関係に加え、上下に分かれた長い分量に最初は嫌気がさして読みきれないかもしれないとよぎったが、読み進めていくうちに物語に引き込まれてあっという間に読み終わっていた。 陽子はとても強く、優しく、芯のある子だと思った。どんなに意地悪されても負けないでまっすぐ育ってほしい。 下巻も楽しみ。

    0
    投稿日: 2021.12.18
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    10年前に挫折して再読したらページを捲る手が止まらない。古い文体だがそれが余計に色気を増している。 美しく浅はかで二面性のある夏枝 汝の敵を愛せよを地で行き自ら首を締め続ける啓造 対照的に無垢で朗らかな子どもたち 今後の展開が気になる

    0
    投稿日: 2021.11.09
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    SNSで見かけて読んでみた。なんだろう。誰も救えない気がするのは、私だけだろうか。特に不貞行為を悔いることなく、むしろ肯定する夏枝に吐き気がする。後半がある意味、読むのが怖い。

    1
    投稿日: 2021.10.25
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    友人からのおすすめの本でした。 とても、面白く、すぐに、続きを、読もうとおもってます。三浦綾子さん、他の本も、本棚に、並んでいます。 ハマりそうです!楽しみ!

    11
    投稿日: 2021.10.21
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    あるサイトの無料キャンペーン中だったので、読んでみました。有名な作品だったので、やはり期待通りです。心理描写が素晴らしく内容も良いです、早く後編が読みたいです。

    1
    投稿日: 2021.10.07
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    越谷支店 井芹さんお勧め本 あらすじ 自分が辻口家を不幸にした殺人犯の子であるとして、自殺をはかった陽子。一命をとりとめ、父・啓造や母・夏枝からすべてを謝罪されたが、自分が不倫の末の子であったという事実は潔癖な陽子を苦しめた。陽子は実母・恵子への憎しみを募らせていく。一方、兄・徹はその恵子に会い、彼女なりの苦しみを知ることになる―。大ベストセラー『氷点』のその後、“真実”を前に苦悩する人々を描いた珠玉のドラマ。 感想 続編も最高、旭川に行った時には三浦綾子記念文学館へ寄る事。

    1
    投稿日: 2021.09.08
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    旭川旅行でたまたま見かけた記念林をきっかけに。 昔のベストセラーは今でもありそうな、人の心の弱さ、複雑さを描いてました。続きが気になる作品!

    0
    投稿日: 2021.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    閉塞感が充満していく中であっさりと進んでいくのがよかった 汝の敵を愛せよ、という言葉はキリスト教を軽く習った人でも知っているのではないかな〜 言葉にするといかにも簡単だけど、実際そんなことができる人はいるのだろうか、、 啓造も夏枝もどっちも不完全で、言葉足らずで。何年一緒にいてもやっぱり話し合わなければいけないなと感じた 自分がしたことよりもやっぱり人にされたことの方が大きく写ってしまうのかな、色々考えてしまう

    3
    投稿日: 2021.08.26
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    有賀さん推薦図書。 旭川出身の三浦綾子も大きな事件や事故を題材にした小説を書いてますが、 >> いい小説が多いですよ。 >> 代表作は「氷点」ですが、僕が生まれた年に起こった「洞爺丸台風」も >> チョッピリ関わっています。 >> 実際の題材では「細川ガラシャ」なども読みごたえがあります。 >> 僕が感動したのは「塩狩峠」でした。 >> 実際に起こった題材で、ラストは涙が止まりませんでした。 >> 今でも、年に一度は塩狩駅そばの三浦綾子記念館に行っています。

    0
    投稿日: 2021.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    医師で院長の辻口啓造と妻の夏枝には徹とルリ子の 2人の子供がいた。 ある日、敬造の留守中に啓造の病院で働く眼科医の 村井と夏枝が不倫をした。 さらに、その間に娘のルリ子が殺害された。 啓造は2人のことを知り、恨みを抱く。 死んだルリ子の代わりに娘を育てたいと申し出た夏枝に、 啓造はルリ子を殺害した犯人の娘をもらって 内緒で夏枝に育てさせようと企てる。 ---------------------------------------------- 50年前の小説が今もこうやって読み継がれるとは。 文章は昔の文学小説っぽい書きぶり。 でも、淡々としていて個人的には読みやすかった。 (読者が裏を読まなくてもいいというか) 続きが気になる!

    1
    投稿日: 2021.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2日で読んでしまった!陽子を見守る徹や辰子の優しさに救われる。辰子が陽子に善悪について説くところはやさしい哲学のようであった。終盤の海難事故が少し安っぽかったのは残念だが、辻口が生きて家に帰って村井&夏枝と鉢合わせしないと話が面白くならない。下巻や続編も楽しみだ。

    0
    投稿日: 2021.03.31
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    いっきに読んでしまった。次にどうなるのか、この人物はどう考えるのだろうか、そんなことを考えながら読み進めていたらいつのまにか読み終わっていた。 他人の考えを勝手に推測し、そうに決まっていると思い込み、さらに自分の気持ちも隠し続けた家族がどんどんすれ違い、泥沼にはまっていく。

    0
    投稿日: 2021.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思い違いが、こんなに恐ろしいことを招くだなんて思いもしなかった。 辻口病院の院長、啓造とその妻、夏枝。病院に勤める眼科医の村井。 村井と夏枝が会ったことをきっかけに、娘のルリ子は外へ出て、何者かに殺害される。それだけでも衝撃なのに、その殺人犯の娘を引き取る啓造。それは、村井と夏枝の関係を不審に思い、夏枝への復習のためだった。 しかし、村井と夏枝の間には、何もなかったのだ。こんなことってあるだろうか。 そう思ったけれど、人生にはこうしたことが起こりうる。そう思わずには入られないストーリー展開だ。 夏枝は、引き取った娘、陽子を大事に育てるが、あとから啓造が犯人の子を引き取ったと知ってしまう。愕然とする夏枝。 「(まさか、こんな思いで、鏡の中の自分をみる日が来るとは夢にも思わなかった。)」 それもそうだよ・・・。なんでこんなことにと思う。 家庭内は、少しずつおかしくなっていく、 「不機嫌は最大の悪だ」 家族の誰かが不機嫌だと、みんなに伝染する。 そうだよな。自戒をこめて。 夏枝がたまたま喫茶店に入ると、なんと村井がやってきた。これも、タイミング・・・。 最後、啓造が乗った船が転覆したという情報が入る。 「(こんなにも生きていてほしいのに)」 今まで啓造を憎んでいたはずなのに、人の心はこうも変わるのだ。 死亡者として発表される。なんてこと! しかし、実は生き延びていたのだ。 また、すれ違いからどんな人生が起きるのか・・・。少し沈んだ気持ちとともに、今後の展開がどうなるのかと思う。

    3
    投稿日: 2021.02.18
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    欲望、嫉妬、罪悪、、、 人間のなかに渦巻く心理を表現した文章はうなずけるものがありました。 最終的にはまた誰かが死んでしまう結末なのか。辻口家が幸せになることは想像できない。

    7
    投稿日: 2021.01.17
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    展開が早く引き込まれた。啓造は表向き立派な人だが、心の中はそんなこともなく、それが故に恐ろしいことを犯してしまう。人間とはおかしなものだと考えさせられた。

    0
    投稿日: 2021.01.09
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    思うことがあるのなら言えば良いし気になることがあれば聞けば良いのに自分の妄想で相手を悪者にしている2人を見るとイライラして仕方ない、自分の気持ちを言わない奴の気持ちを推察するには与えられたものでするしかないんだぞとお互いに言いたい。「人間の原罪」をテーマにしているとあったが、人間の傲慢さがテーマなのかな、私はそう解釈する。

    1
    投稿日: 2020.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんの些細なことで、こうも人間関係が壊れていくのかと。登場人物それぞれの心情がきめ細やかに描写されていて、引き込まれるようにして読んだ。夏枝の身勝手さは自分と重ねる部分が多くて、読んでいてとてもつらい。みんなこだわりを捨てて思いを口に出せたのなら、きっともう少しマシな未来になったんだろうと思った

    1
    投稿日: 2020.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夏枝にたいしての嫌悪感がすごい… たとえ、いたしていないとしても想いは村木に向いていたわけだから裏切りには変わらないと思うのだが どうも夏枝さんはそう感じないらしい 自分の娘を殺した男の娘を育てるなんて気が狂っていたとしか思えない 娘を失った哀しみと妻に不貞されていたのではないかという猜疑心が過った選択をさせたのだろうなぁ 高木さんも長年の友人なのであれば陽子となる子の為にも全力で止めてほしかった 人の醜さをじっくり読める。 最後がとても気になったので急いで下巻へ向かう

    0
    投稿日: 2020.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    湊かなえさんのエッセイに出てきて気になっていたもの。三浦綾子さんは初めて読んだ。とても引き込まれて先が気になる物語。 話は辻口病院の院長啓造とその妻夏枝の3歳の娘・ルリ子が殺されたことに端を発する。当時の夏枝の行動が許せない啓造が、夏枝に秘密でルリ子殺しの犯人の子供を引き取る。それを7年後にたまたま知ってしまった夏枝が、今度は啓造を陥れたいと目論み始める。上巻は本州の学会に出席しようとひとりで船に乗った啓造が、台風に巻き込まれ難破しながらもなんとか生き延びたところまで。 愛し合い慈しみあうはずの夫婦が、お互いを裏切り貶めようとする様、またどこか相手のことを思い違いしてすれ違っている様に、人間のやるせない性を感じた。ドロドロとした人間臭さがある。 下巻でどういう結末になるのか気になる。

    17
    投稿日: 2020.11.29
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    昔、テレビで2夜連続のドラマを観た。主題歌は玉置浩二だったような、今でもなんとなくメロディは覚えているが、話は途切れ途切れの哀しいシーンと白く深い雪以外なにも記憶に残っていない。 戦後間もない昭和21年、辻口病院の医院長辻口啓造の妻である夏枝と、その病院の眼科医村井靖夫が、辻口家の応接室で二人きりで向かい合っているシーンから始まる。 夏枝は26歳の美しい人妻。村井はその美しさに惹かれ、彼女はそのことを知っている。夏枝は夫を愛していたが、他の男性のそういう気持ちがなんだかとても心地いいのだ。自分という女の前には、誰もが平伏すとさえ信じている節がある。 別に村井とどうなろうと思っているわけではない。ただ自分を愛し、苦悩するこの目の前の魅力的な男との時間をほんの少し楽しんでいるだけだ。 そこに3歳の夏枝の娘、ルリ子が部屋に入ってくる。夏枝はそれを邪魔だと思ってしまい、外で遊んでくるよう言い含め、部屋から追い出す。 ヘソを曲げたルリ子は「センセきらい!おかあちゃまもきらい!」と言って、家を飛び出してしまう。 すべての悲劇はここから始まる。 それはほんの些細な出来心だった。浮気をするつもりなどなく、ただ村井の想いを目の当たりにして、女性の喜びを感じたかっただけだ。 でもその代償は、あまりにも大きく、家を飛び出したルリ子は河原で首を絞められ死体となって発見される。犯人である砂石はすぐに見つかったが、留置所で首を吊って自殺してしまう。 夏枝の罪はそんなに重いものだろうか。 結果として娘を失うことになったが、その行為自体は何事もなければ、さして責められる類のものでもなかったように思う。 ルリ子を失った夏枝は、女の子を貰いたいと夫の啓造にせがむ。夫は迷いながらも、妻の願いを叶えようと、友人で産婦人科の高木に相談する。高木は乳児院の嘱託でもあるのだ。 高木の乳児院には、ルリ子を殺した犯人の子供がいるという。 『汝の敵を愛せ』という言葉がある。 ルリ子を殺した犯人の娘を引き取り、自分の子として愛し育てることができるのか、啓造は試してみたくなる。でもその心の裏には、自分の留守中に村井と二人きりで会っていた夏枝に対する復讐心があったのだ。 すごい話だと思う。 テーマは重いのだが、登場人物もストーリーも俗っぽいのでとても読みやすい。 自ら苦しみに足を突っ込んでいく啓造。 ルリ子を殺した憎い犯人の子と知らずに、その娘陽子を溺愛する夏枝。 そしてルリ子という妹を失い、陽子を異性として意識する兄の徹。 何よりも、身勝手な大人たちの思惑に人生そのものをめちゃくちゃにされていくであろう陽子。 この物語はどういう結末を迎えるのだろう。 原罪という掴み所のない、且つ難しいテーマで書かれたこの小説は、わたしにどんな感情をもたらしてくれるのだろう。

    0
    投稿日: 2020.08.25
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    ミドルティーンの頃、読んだ小説。友達のおすすめだった。大人になってから、職場のセンパイに、   君は、僕の氷点だ! と言われ、頭の遅い私は、?となった想い出がある。今、え、どういうこと、とわからなくなった。…本作をもう一度読み返したい。

    13
    投稿日: 2020.07.23
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    キリスト教の原典の中で、人はどのように嫉妬や欺瞞等に付き合っていくのか。シリアスだが、人間の根本を問うている気がする。

    0
    投稿日: 2020.06.08
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    有閑マダムの浮気もどき、夫の小物感、妻の毒母ぶり。現代の感覚からすると昼メロ丸出しのストーリーに辟易するし、誰一人として共感できる人物はいなかったが、これも本作の主題を浮き上がらせるためと思い読み進めると味が出てくる。 私はキリスト教徒ではないので、本書のテーマとされる人間の原罪云々の議論はあまり理解も共感もできなかった。 ただ、作中で辻口啓造が思い至った心情「人のことなら、返事の悪いことでも、あいさつの悪いことでも腹が立つくせに、なぜ自分のことなら許せるのだろう、と人間というものの自己中心なのにおどろいた。自分中心とは何だろう。これが罪のもとではないか」という点は印象に残った。 確かに、本作の人物(特に辻口夫妻)は「許せない」というただその思いで人の道に外れていく。またちょっとした誤解から許せないと思うことで不毛なすれ違いを生んでいく。 時代背景は異なるが、2020年の現代日本では、過剰な権利意識、被害意識と他責感で社会が押しつぶされそうになっている。崩壊寸前の日本社会を考える上で、本作の人物のおかしな人間模様は一つの示唆になるのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2020.03.07
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    前から読んでみたいと思っていたのでやっと読んだ。 もっと早く読めばよかったと思ったくらいおもしろくてのめりこんだ。 自分の娘を殺した犯人の子供を育てる話、というのは聞いていたのだが、その犯人の子どもを引き取るまでの啓造の嫉妬深さとか、夏枝の浮気心とか、そこで既にあらすじほど単純な話でもないと感じた。 そこからの登場人物の心の動きがリアルでストーリーも目を離せない感じ。すごくすごい(←語彙力)

    2
    投稿日: 2020.02.27
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    上下感想。 周りからどんなに人格者だと言われても、人間が様々な感情を持ち得ることは、昔も今も同じこと。特に怒りや嫉妬、憎しみ等を飼い慣らすのは難しい。 本作を、自分とは無関係の物語として興味本位で読み進め、啓造や夏枝に幾度となく憤慨したけれど、実は誰もが、彼彼女等の感情と決して無関係じゃないんじゃないか? 明るい部分も暗い部分も含め、己を知り、自分の中で折り合いを付け、許し許されて、人は生きていかなくてはならない。 本作に説教臭さはない。 ただ純粋に人間の未熟ゆえの罪に向き合い、その葛藤を、細やかな感情の機微とともに描き出した名作だと思う。

    2
    投稿日: 2020.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    娘を殺した犯人の娘を育てることになった家族の話。それぞれの感情を書くのがとてもうまい。人は論理よりも自分の感情に動かされてしまうのだな。

    0
    投稿日: 2020.02.02
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    「原罪」をテーマとした小説(らしい)。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えにより、実の娘を殺した犯人の娘を引き取り、実の子供として育てていく夫婦が描かれる。しかし、辻口夫婦の私欲が引き起こした問題に巻き込まれる子供というように感じ、何となく気の進む話ではない。

    0
    投稿日: 2019.12.31
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    内容(「BOOK」データベースより) 辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた―。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。

    0
    投稿日: 2019.10.29
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    どうしてそんな事を… どうして聞かない… どうして話さない… どうしてどうしてどうして と 考えながら、これから待っているであろう家族の崩壊をどうにか止められないかと切に願いながら読み進めた。 下巻を早く読みたい。けど、読むのが恐い。

    1
    投稿日: 2019.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    啓造は夏枝が自分を裏切りよその男と会っていたのが許せなくて、ルリ子殺しの犯人の子供を夏枝に育てさせることにした。数年後、夏枝は偶然その事実を知る事となる。そして、自分を騙した啓造に復讐をすると誓った。 引き取られた陽子は人を恨むことを知らないような、純粋で明るくて素直な子だった。犯人の子供とは思えない。そんな陽子を挟んで2人の大人は心の中で憎しみあっている。 陽子とそれを取り巻く環境が、今後どうなっていくのか後編を読むのが楽しみ。

    5
    投稿日: 2019.10.04