
総合評価
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powered by ブクログ莫大な遺産を巡る人間のドロドロは普遍なのね、とお金が殺人の動機になるって今でも普通にあることで、この作品が書かれた時代背景は今とは全く違うだろうに、人の悪性というのか欲情とかって変わらないんだなと思いました。 そして、殺人後の死体の見せ方がセンセーショナルすぎて、映像を想像するだけで恐怖‼️ドラマになるわけだわ〜。 シリーズで読みたくなりました。
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ犬神家当主が残した遺書から、莫大な遺産を巡り孫たちが疑心暗鬼になる中で連続殺人が起こってしまう話。 ドロドロした人間関係がお好きな方はおすすめな感じ。 作品自体は古いですが非常に読みやすく、展開も早いので読みだすと止まらない系。 次は獄門島を読みたい。
7投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スケキヨマスクや湖から足が出てるシーンは知ってたけどストーリー自体は全く知らなかった 派手なトリックとかはないけど、戦後のゴタゴタや昭和の人間関係の濃密な感じが相まってねっとりした雰囲気は好き。見立て殺人がちゃんとそれなりに理由があるのもよい(獄門島は微妙だったから、、) トータルとしてとても面白くて1日で読んでしまった しかしこれだけは言いたい、佐兵衛がダメ 松子竹子梅子がすごい悪者みたいに書かれてるけど、全く愛情注がれなかったの普通に可哀想だし、静馬と菊乃にしたことはやり過ぎだけど、腹を立てるのは当然だと思うし、それぞれの母親を欲望の処理道具のように扱ってるのも胸糞。それが愛情を移さないようにするためとか言っときながら菊乃にはガチ恋するし、佐兵衛がとにかく諸悪の根源すぎるわ そう言うのが許される時代だったんかなあ 令和を生きる女としては無性に腹が立ちました。笑
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ1日で一気読みした。 時代が変わっても不朽の名作だというのもよく分かる。 スマホも無い時代だけど、面白いのよ。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ映画もドラマもリメイクされるたびに見ていてそういえば原作読んだことないなって思い手に取りました 難しい漢字や意味が出てきたらちょっと心配だなと思いつつもルビも振ってあり昭和に書かれたと思えないくらい読みやすかったです 映画やドラマと比べると登場人物の印象が違うなと思いました 話の流れは変わらないけど、何度も見た映画やドラマと違う部分を見つけてはああなるほどと、楽しく読めました
1投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昭和に書かれたこともあって事件はかなりシンプル。 おそらく最初の時点で佐清マスクのトリックと正体、読み慣れている人は犯人までわかるかと思います。 とは言え次々に起こる連続殺人事件に明らかになっていく情報が提示され、多くを暗示されることで読者の推理欲も掻き立てられるため最後まで飽きることなく読み切れました。 章立ても大小あってダラダラと続かないので凄く読みやすいのも良い点でした。 物語ですが、かなり不幸と愛憎が渦巻いていて暗いです。 それでもまぁ欲と憎しみが溢れた中に、親子愛や純愛があったのは救いですかねぇ...。 シリーズは大好きなのですが、後手後手に回る金田一耕助にやきもきして中々探偵としては好きになれないなぁと思っているのですが、この先バシッと決める作品はあるんでしょうか......?! 超有名な映画もあるためそちらもまた視聴しようかと思います。
4投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ素敵なご縁(※後述)があっておよそ10年ぶりに再読。 はーーーーー面白い。こんなに面白かったなんて! 読んだ横溝作品も12冊目となりましたが、格段に楽しい。自分の中で、ミステリーベスト5に入るぶっちぎりの面白さでした! まあ、すでに語り尽くされた感のある「犬神家」ですけども、これでもかと詰め込まれた要素を前にしたら、それを心ゆくまで堪能せねば損というもの。 莫大な遺産相続による親族争い、絶世の美女、恐ろしき見立て、連続殺人、凄惨な殺害方法、狂信的な犯人、復員風の男……。 人間のおぞましい欲望をこれでもかと描きつつ、かつそれと対比されるように自然はどこまでも雄大で美しい。物語に合わせて嵐になったりしんしんと雪が降り積もったりする様子に、物語への没入感が高まりました(涼しそうだなぁ、という羨ましさも……)。 また、映画のイメージもあってどうしても佐清の印象が一人歩きしがちですが、再読して改めて、珠世さんとの美しい純愛にハッとしました。 普段はミステリーの中で描かれるロマンスにはあまり夢中になれないのですけど、この二人については「生きて!」と願ったし無事結ばれたらいいのにと応援しちゃいましたね〜。 懐中時計のエピソードとか、本当に素敵です。 一大ブームを巻き起こすのも納得な面白さ。 折に触れ読み返してはワクワクしたいなと思います! ※余談 ここから先は本の感想を離れて、再読のきっかけとなったエピソードをば。完全に日記ですのであしからず。 先日、山梨県を旅行してまいりました。 東京から近く、お酒も食べ物も空気も美味しいということで、何度か訪れている山梨。今回はまず山梨市にある「笛吹川フルーツ公園」という場所を訪れたんです。 お目当ては敷地内にある、「フルーツパーク富士屋ホテル」にあるカフェのパフェ!山梨の美味しいフルーツをふんだんに使った一品です。 せっかくだからと敷地内を散策していると……地図に「横溝正史館」の文字が。これは気になる。 歩いて5分ほどの坂道を登っていくと、そこには小ぢんまりとした和風家屋が建っていました。 なんでもこちら、世田谷にあった横溝先生の別宅を、縁あって移築したものとのこと。 長野へ静養に向かう際に山梨に立ち寄ることが多かったとのことで、世田谷から移築して以来、この見晴らしの良い高台でそっと開放しているのだそうです。 中はというと、経歴を並べた年表の他、映画『犬神家の一族』が公開された際のポスターや直筆原稿、横溝先生が実際に使用した座布団や文机が展示されていました(実際に机の前に座ることもできます!)。 六畳ほどの和室が三室並んだ家屋はなんだか昔懐かしく、景色の良さも相まって、ここで横溝作品を読めたらどんなに素敵か……と妄想しただけでもうっとりしてしまいました。 そして、旅ならではの思わぬ出会いも。 こちらの施設を管理されているボランティアスタッフの方がいらっしゃるのですが、その方とミステリー談義ですっかり意気投合してしまったんです(*´∀`*) 『夜歩く』の二人の関係性に始まり、横溝作品に同居するおぞましさと温かさ、ドラマチックな舞台設定etc... さらにさらに海外ミステリーもお好きとのことで、クリスティーからスーシェ版ポワロまで、時間を忘れて語り合うことができました。 今でこそブクログでたくさんの方と感想を交換することができますが、やはり対面となると別。直接熱い思いをぶつけたり共感したりすることには、格別の嬉しさがありますね。 この方とのお喋りで横溝欲がむくむくと頭をもたげてきて、帰り道いそいそと書店に寄って『犬神家の一族』を購入したわけです。実家にあるのに。笑 山梨は、なんだかすごく惹かれる場所です。 なので、そう遠くないうちにまた訪れたいですし、未読の横溝作品を読み込んでまたあのスタッフさんとお喋りしたい! 読書は、一人でも十分楽しいです。 ただ、それを誰かと分かち合うことの楽しさもまたあるのだと、そんなことを改めて実感した旅行になったのでした。
20投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログ昔ながらの言葉使いが多く、読み応えがある作品 どんでん返しという程ではなかったが、面白かった。 ただ、何度も読みたくなるというほどではないな~という感想 昔ながらのサスペンスが好きな方にはおすすめ
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ個人的・夏のホラー特集。マスクマンとか逆立ちとか、映像イメージとして知ってしまっているけど、映画も含め、全体像を味わうのはこれが初めて。当然、随所に古臭さは感じられるけど、それでも面白く読み通せるだけで凄い。
0投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映像作品数本見ており、いずれも原作からあまり外れていないのに、派手におどろおどろしい印象が強いが、小説では禍々しさは抑えられる。息子可愛さで凶行に走る母x彼女をかばおうとする親想いで若干気弱なために叔父に引きずられるように事後共犯に手を染める善良な息子=こんな悲惨な連続殺人になってしまう奇遇さが味なのかな。。。市川崑のリメイク版を見た際、大柄な松嶋菜々子では次々危機に陥っても絶対助かりそうで、クリスティのエンドハウスの怪事件のほうがお似合い、と思ったが、原作の珠代=しっかり者で、探偵から犯人かもとか何度も裏があると疑われながら潔白なヒロイン、なら意外とぴったりな気がした。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログずっと気になっていた日本ミステリーの名作古典。言葉遣いなど少し読みにくい部分はあるが、しっかりとその時代にタイムスリップして楽しめました。個人的には初の金田一シリーズ。人間味があるというか、そこまでパーフェクトではない人物像で意外でした。
1投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
言わずと知れたミステリの古典的作品。 マスクと逆さまの死体というインパクトある描写は、著者のみならず日本のミステリ全体でも知名度の高いものじゃなかろうか。 そういった個々の事柄だけではなく、もちろん話としても面白い。マンネリ化を感じないでもないけれど、先に先にとページを進めてしまう。金田一シリーズは、今後とも拾っていこう。
1投稿日: 2025.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
*主人公の金田一耕助がネタばらし?推理?とにかく事件について最終的に説明してくれる場面が凄く詳しく細かく話してくれるので分かりやすかった。 *それぞれの人物の罪に対して、罰が与えられるような感じだったけれど、松子に対しての罰がなんか納得出来なかった。最後に松子がいろいろと条件を出してくるとこも嫌だった。 *松子が青沼静馬をそんなに簡単に殺せるかな?相手もそれなりに警戒しているだろうに。 *青沼菊乃が1番可哀想だと思った。 *松子が宮川香琴を青沼菊乃と分かったのか分からないままなのかが分からない。 *主人公が普段は大した事なさそうなのに実は凄いというところが面白かった。
0投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログ初めて推理もの小説を読みました。 犬神家の不気味な雰囲気が文章から伝わってきてとても恐ろしかったです。また、彼らが持つ秘密を知りたくて、ついつい夜更かしをして読んでしまいました。 ただ、金田一耕助はとくに事件を止めることに関しては役に立たないんだなと心の中で突っ込んでしまいましたw まあ、それが推理ものと言えばその通りなんですが。
0投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ横溝正史をいくつか読んだ中で1番面白かった。 テンポよく進み、登場人物も多くないので非常に読みやすかった。 犬神家といえば湖畔に刺さった逆さまの死体と、スケキヨ仮面がなんとなくネタにされがちだが、読んでみるとネタっぽさはなく不気味さや謎が演出されていると感じた。
1投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ市川崑監督の映画版を見たはずなのに、誰が犯人だったか思い出せずワクワク読む。探偵ものとして読むと、事件のトリックにおいおいおいとツッコミを入れたくなるような禁じ手感はあるけれど、懐かしい文体や時代を感じるメタな語り口が物語にマッチしていて今でも十分に楽しめた。
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログえ、この人が??って感じの話では無い。トリックも今の時代から見るとシンプルすぎると思うけど、戦争、復員とか愛国心とか、そういうのちふりまわされた人たちについて書かれてるんだと思うと壮大で、リアリティのあるすごい作品だと思う。
0投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画の予告編とかは観た事があってすごくおどろおどろしいイメージだったけど、あんまり金田一が優秀に思えなかったせいか本はコミカルに感じた。 何か残った二人の姉妹に財産を渡すように掛け合ってるけど、どいつもクズなのに何で?って思ってしまい、昔の本ってむちゃくちゃだなぁという感想。
0投稿日: 2024.11.25
powered by ブクログ巨大財閥・犬神家で起こった一連の惨劇と秋から冬へと季節が移ろいゆく那須の情景、そして明らかになる事件の真相。 文章・物語・登場人物全てが恐ろしくて美しくて、読み終えたあと茫然とした… 映画は観たことあったけど(うろ覚え)原作は未読だった。素晴らしかった。
2投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ2週間前『八つ墓村』を読了したので、次はこちらを...。いやぁ凄かった...。こちらも映像化されたものを観た事が有りませんでした。それでも『スケキヨ』という名前くらいは聞いた事があったのですが、作中で『スケキヨ』が出てきた時は感動と、まさか『佐清』という漢字が使われる人だとは驚きました。物語の運び方や目線が立体的で楽しめました。(当事者や金田一目線に作家目線。時間の流れの表現も)また、畳み掛ける犯罪とその裏にある実情...。怨念や積年の恨み辛み...。いやぁ...凄い(恐ろしい)作品を読みました。これから映像を観たいと思います。次も横溝作品読もうかな...。
7投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログ#23奈良県立図書情報館ビブリオバトル「祓う」で紹介された本です。 2012.12.15 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-902.html?sp
0投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
※長文です 個人的に凄く面白かった! 某ボカロ曲で犬神家の一族を知り、読む前から犯人、動機、トリック等はわかっていたが、それでも楽しむことができた。 昔の本だからわからない言葉遣いがあるのではないかと思っていたが、そこまでわからない訳ではなく、読みやすい。ただ、時代背景に戦争が関わったり、家柄?の認識が今と違うため、若い子が読むとわかりにくいかもしれない……まぁこれは仕方がないことだな。 〜ネタバレ〜 佐清(本当は静馬)が逆さになって、半分埋まっていることから 「スケキヨ」→「ヨキケス」→「ヨキ」→斧 となる流れ。私はなるほど〜ぐらいで済ましたが、人によってはこじつけだと思うかもしれない。(まぁ、松子様が考えてあのように殺害したわけではないし、佐武、佐智の死体は静馬達がやったことだから、金田一のこの推理が間違っていると言っても過言ではないと思われる) そもそも、この事件は偶然に偶然が重なった結果起きた事である。だから、ミステリーや推理などで「偶然」が使われるとしっくりこない、物語を完成させる為に足りない部分を「偶然」で誤魔化しているように見えて、気にくわない人には、あまりオススメはできないと思う。 佐清めっちゃかっこよかったなぁ〜!珠世がいなかったら佐清の夢女子になるところだったよ。ほんとに。
1投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても文は読みやすかったのだけど、 探偵の金田一が、最後の死ぬべき人が死に切るまで、全然役に立ってないのがちょっと納得できなかった。 仮面の入れ替えは自分でも気付くところなのにこの探偵は気付かないのか…?と思ってしまった。 今色々なミステリーに目が肥えてしまって、もしかするとこれが源流なのかもしれないけど逆にかなり物足りなさを感じてしまった。 そこまでハマれなかった大きな理由として、やはり金田一に魅力をあまり感じられなかったことが原因だと思った。
2投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログ尊敬するひまわりめろん師匠におすすめ頂き、速攻ポチった一冊。 きっと私以外の人はみなさんご存知なんだろうなぁ。。。 こんなに有名な作品なのに、私は一度も読んだこともなければ、一度も映像も見たことが無かった(⌒-⌒; ) 数ヶ月前、ミステリという勿れの映画を観ていたが、犬神家という台詞があったのも頷ける。 なるほどこう言う設定だったのか! 映画のCMくらいは目にしたことがあり、白い不気味な仮面、水面に突き刺さる両足のイメージ。 絶対怖いよなぁ、、、となかなか読めずにいた作品だったが、やっと読むことが出来た(*^▽^*) 私の大好きな世界。 限られた範囲の中で、人が次から次へと死ぬヤツ。 バッタバッタ死ぬヤツ、最高でんがな!言うとりますさかいに(笑) しかも殺され方が、菊、琴、斧と犬神家の家宝になぞらえていた。 こういうオマージュ最高じゃないですか! 色々ミステリを読み漁っているので、仮面は最初からめっちゃ疑ってかかっていたが、いやこっちがミスリードか??と疑いながら楽しく読ませて頂きました! 横溝先生、凄い語彙力だけどめっちゃ読みやすい!ひま師匠も天才だけど、横溝先生も天才だな! またシリーズ絶対読むぞ!!
107投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログ昭和二十×年、信州で一大財閥を築いた犬神佐兵衛がこの世を去った。彼の遺言は、後継者候補の三人の孫がそろったときに公表されることになっていた。それから八ヵ月後、いちばん上の佐清(すけきよ)が復員して三人がそろう。しかし、彼は戦争で顔に重傷を負い、素顔に似せたゴムの仮面を被っていた。そして、ついに遺言が公表されるのだが... マスクで表情の見えない佐清、次々と災難に見舞われる美しい養女・珠世、後継者候補の孫とその母親たち、そして屋敷の周囲に影をちらつかせる謎の男。さまざまな人間の思惑が交錯する、犬神家三代にわたる恩讐の物語。 日本三大名探偵に挙げられる高木彬光の神津恭介シリーズもいくつか読んでいるが、トリックを重視している印象の高木彬光と比べて、横溝正史は事件の背景や動機(人間関係や感情)に主眼を置いていて、時代背景のやるせなさや愛憎関係の恐怖や感動が味わえる。
1投稿日: 2024.04.25
powered by ブクログ印象に残ったのが佐清佐武佐智が遺体となって発見される場面と遺言発表してる所、湖の氷から二本足が出ているです。初めて横溝正史を知ったのが加藤シゲアキ出演の「犬神家の一族」で一瞬だけドラマを見たんですけど、やっぱり二本足のシーンが脳裏にこびり付きました。そして事件の真相というのが前代未聞で驚きのあまり私の思考回路が止まってしまうほどで、ぜひこの作品を読んで御自身の目で恐ろしい事件の真相を確かめてはいかがでしょうか?
2投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログ面白かった〜!!横溝正史、金田一耕助シリーズ5作目にして1番?有名なやつで読むの楽しみにしてたんだけど、流石何度も映像化されてるだけあって、エンタメ性全開でずっと面白い!!後半謎解きからもう読むのが止まらないですね。私、金田一耕助シリーズ全く見たことないけど有名すぎて仮面被ったスケキヨと池に足出てるやつだけ知ってた。こういう話だったのね…!! 金田一耕助シリーズは本陣殺人事件、獄門島、八つ墓村、悪魔の手毬唄を読んだんですが全体的に結構似ている(戦後の混乱残る、田舎の大きなお屋敷で起こる、相続争い、美男美女、愛憎劇、怪しい得体のしれない第三者、、、とか)…のに毎度全部作者の思う壺で騙されるな。くやしい。 ミステリー的にはアリバイ工作とかトリックとかではなくて、誰がなぜ?に焦点が当たってるので読みやすいですね。 次は何読もうかな?何が人気どころ読みたいなー。 あとちょうどゲゲゲの謎見たあとだったので、影響受けてるなっての感じれて楽しかった。
2投稿日: 2023.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
数多の賞賛を受けてきたこの作品、スケキヨの見立て殺人とマスク姿はいったいどれ程の認知度があるのだろうか。 で、原作は中学以来の再読、うん十年ぶりでした。 個人的な意見ですが、やはりこの作品が私の中では「悪魔の手毬唄」と並び“THE 金田一耕助“です。 防御率の低さや、恐ろしいまでの偶然の重なりなどはこのシリーズならではですね。 映画を観ていたからスケキヨの斧は完全に忘れていました。いま考えると、おそらくはこの言葉のトリックの凄さが理解出来ずさらっと流していたのでしょう。 複雑に絡み合った血縁や関わった人の因縁、様々な欲望、年齢を重ねてこそ判る物語の深淵が有るのですね。横溝先生、ありがとうございました。
23投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログ読んでから観るか 観てから読むか 映画の公開と同時に行われた角川文庫フェアーのキャッチフレーズを思い出す。 おそらく映画は20回は観ている。 ただ横溝正史の本は一度も読んだ事が無かった。 今回、初めて読んでみたが、これが面白い。 映画の情景が浮かんでくる。 映画とは異なる場面も何箇所かあるので、 違いを比べるのも楽しい。 映画化する際、石坂浩二の金田一耕助は色男すぎると言われてたようだが、なかなかどうして。 興奮すると吃る癖なんかは原作通り。 原作も映画も名作だと思う。
4投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログミステリーの金字塔!! これが、かの有名な犬神家っ!! 流石です…♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝ 有名な、湖に頭からさかさまに突っ込み、足が飛び出てるシーン、とうとう読みましたヽ(´▽`)ノ♡ これだけ有名だと知らぬ方が貴重で、憧れみたいなものがありました。 ようやく知ることができた!みたいな笑 古館法律事務所の若林豊一郎という弁護士に依頼され、金田一耕助は犬神家へと向かっていた。 事情を聞こうと宿で待ち合わせしていた若林が、死体となって発見される。 犬神財閥の佐兵衛が残した遺言が原因で起こる一族のお家騒動。 この遺言の内容が、ミステリーあるあるの酷い代物。 佐兵衛の恩人の孫である|珠世《たまよ》に、自分の孫3人の中から婿を取らぬと財産は受け取れないというもの。 長女の子、佐清《すけきよ》は、戦争で顔に酷い怪我を負ってしまい、やむなく仮面を付けているのですが、以前はとても美少年だったよう。 次女の子、佐武《すけたけ》は、小太りで偉そうな青年。 三女の子、佐智《すけとも》は、ほっそりしている、狡猾そうな青年。 ちなみに珠世はとても美人である。 こんなん、何も起きない方がおかしい。 犬神家は、信州の那須湖畔という、とても珍しい立地に建っている。 ボートに乗って往復するの、すごい。 頭の中で正解を想像できているのか不安なので、機会があったら映画を視聴したい。 殺人の方法にもきちんと意味を関連付け、アリバイやトリックとは別の視点から犯人を想定させる方法に痺れる。 そして、なんと言っても金田一シリーズの見どころの1つである、芸術とも言うべき死体。 生首でそそられ、逆立ちで強烈なインパクト。 流石です。 どの作品を読んでもおもしろい金田一シリーズ。 あと気になっている作品は『夜歩く』です。 書店で復刻表紙を見つけたら、即買いします(ღ*ˇ ˇ*)。o♡
33投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログ王道のミステリではあったが、最近多いすっきりしない読後感ではなく、さっぱりとした読後感が印象的で、個人的に好みだった。
2投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログ池から足だけ出てることで有名なスケキヨですが、わたしはなんとなくしか知りませんでした。初めて詳細を知ってとても面白かったです。 トリックというかWHYとWHOがとてもきれいでした。映像化されまくるのも納得です。
16投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログ文体が段々と現代風になっていて、今までの横溝作品の中では1番読みやすい。 大金持ちの遺産は、とある美人が婿に選んだ人がすべて継ぐというところからスタートするので、バチェロレッテが始まるのかと思った。 ミステリーで絶世の美人が出てくるだけで、その後の展開が気になりますね。 ミステリーとしての出来もすごく良く、読み終わる直前まで最高評価だったんだけど、なにぶん終わり方が...。 ほとんど自己中の犯罪者の思惑通りだったので、後味は悪い。その点では獄門島のほうが好みだった。
5投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログ横溝作品を何作か読んだんだけど、段々と文章が最近っぽくなっている感じがした。 酷く辛い話の中に、少しだけ明るい未来が見えた。 佐兵衛翁の目的は結局何だったやら。 佐清と猿蔵がお気に入りでした。 なかなかどうして結局めちゃめちゃ面白かった。
4投稿日: 2023.08.25
powered by ブクログトリックの肝は意外と早い段階でわかりましたが、犯人や、そこら辺の関係は最後まで分からず。 推理パートを見ても『なるほど』と納得でき、本格古典ミステリーとして非常に面白かったです。 世の中にはクレイジーで完璧で人間味のない探偵が多い中で、金田一には人間味(まあ、一般基準で見れば十分変人ですが)があって、そこもまた良かったです。
4投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログ杉本一文な限定復刻カバーのものを購入。 結い上げた髪からのほつれ毛から諦観したかのように見える松子が不憫に見えます。 NHKで金子大地が佐清を演じたドラマを見て、他にも何作かバージョン違いの映像作品を見直して、ついに原作も読み直しです。 ご都合主義的なところもありますが、やはり話の流れが面白くて時代を乗り越えて楽しめました。 敗戦者の苦しみから、衆道、血族の人間関係、財産争い、と盛りだくさんのテーマから、殺人の真相まで。 よく出来てるよなぁ〜。 金田一耕助がバリバリと頭を掻くシーンは、想像しちゃうと、ほんと、ヤになるので困りましたけど。
3投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ映画やドラマなどで有名すぎる作品。 しかし、きちんと原作読んでみようと思い古本屋を巡るもなかなか見つからず取り寄せで読んだ。 原作は原作の味があって良い。
2投稿日: 2023.05.27
powered by ブクログ奇っ怪な遺書に暗雲渦巻く犬神家、一族のクズさがドンドン明らかになり、終盤でもう最悪すぎるとなるのが面白すぎる。もっとたくさん死んでもよかったんじゃないかと思う 推理はドンドン一人二役や自作自演など思いつくようなトリックを否定していく。その勢いの良さは面白いんだけど、解決編になると偶然の連続で偶然複雑怪奇になりましたみたいで、釈然といかない。たしかに推理モノには偶然変な客やら出来事が起こって複雑になるのはありがちだが、なんというか都合の良さを感じ全然はまれない 推理も面白かったら満点だったなぁ
4投稿日: 2023.05.11
powered by ブクログ面白かった~! 最近、テレビドラマで観て原作を読みたくなったのだけど。 原作のほうが、複雑で面白い!
4投稿日: 2023.05.10
powered by ブクログ横溝正史の金田一耕助シリーズ。学生の頃映画で見て、最近テレビでドラマ化されたので興味あって読んだ。犬神家の遺産を巡って起こる連続殺人 。映画の筋で真犯人はおおよそ覚えていたが、日本の戦前戦後のドロドロとした人間関係や犬神家の歴史など小説を読んでより理解できた。2023年5月6日読了。
2投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ市川崑の映画はもう何度も見ているが、原作を読むのは初めて。映画は原作をほぼ忠実に踏襲しており、当然犯人もわかっているのに面白い。戦中、戦後の家父長制の舞台設定が海外ミステリーにはない独特の世界観を醸し出している。この雰囲気に浸るのが好きなので結末がわかっているミステリーでも何度でも楽しめてしまうのだろう。
5投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ大富豪犬神左兵衛の遺言をきっかけに起こる骨肉を争うミステリー。菊人形の首や湖の逆さ足などおどろおどろして不気味だった。
4投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
#読了 有名な作品だから何度も映像で見ているはずなのに、読み始めたらあっという間に引き込まれて一気読みしてしまった。 「親の因果が子に報う」を地で行くお話だった。佐兵衛の妻子への愛情と無関心が犬神家の暗澹とした空気の元凶で、一連の犯行のきっかけは母親の強すぎる愛情だった。 親同士の因縁はさておき、子の佐清と静馬の間にああいった交流があったのには、二人とも気性はきっと穏やかなんだろうなと感じるし、普通に倫理観もあるんだよなぁと思う部分が結構ある。それでも超越するのは親との繋がりなんだよね。昔の「考」の意識ってそれほど強かったのだろうか?と、金田一シリーズ読んでると考えてしまう。戦後というのもあるのかな。 それにしても、書かれた当時を全く知らない人間でもここまで夢中になれる小説ってすごい。ものすごく面白かった。
2投稿日: 2023.01.30
powered by ブクログ昔子供の頃、映画好きの姉が、私を一人部屋に残してテレビでこのお話の映画を観ていて、部屋に一人でいるのが怖くて一緒に観て余計に怖くなった思い出があります。 かの有名な横溝正史、初めて読みましたがとても面白かったです。お話が色褪せないってこういうことなんだとまた改めて思いました。
3投稿日: 2022.10.08
powered by ブクログかの有名な?にしおかすみこの「犬神家ッ!(足バァァン)」に向かって、ひた走って読んでいった。前知識なしで読みたかった作品ナンバーワンかも。星2つ消す程の勿体無さでした。
1投稿日: 2022.09.18
powered by ブクログ私にとって本読みのキッカケをつくってくれた神本。映画が有名で、原作を読んでいない方が多いと思います。なぜ湖から両足がでているのかや物語のオドロオドロした独特の雰囲気など是非手にとり読んでほしい一冊です。
3投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログドラマや映画などで何度も再放送、映像化されていながら、原作を読んだことがなかったので手に取りました。 人間の恐ろしさ、欲望、呆気なさを感じさせる1冊でした…
2投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いや~~面白かった。横溝正史5作品連続で読んでるけど、これが一番好きかもしれない。読者を置いてきぼりにすることなく謎を回収してくれるので、最後までずっと楽しめた。 血で血を洗うお家騒動、遺産相続=殺人事件が起きる、の方程式は犬神家から生まれた気がする。 どうしてそんな文書を書いたのか真実を知った時、なんちゅう展開やと驚愕した。こわい、こわいよ。 しかしラスト! おい金田一耕助コノヤロォって思わず叫んじゃった。この男は絶対に助けられないやつだな! 三人称神視点だから、このあとの展開や後悔をにおわせるんだけど、それがまたいい味を出している。 この文章は横溝正史にしか書けないんじゃないかと思ったり。 珠世の美しさを表す表現がぞっとするくらい好き。 あとスケキヨって、佐清って書くんだね。音でしか知らなかったから、初めて知ったときちょっと感動した。 湖から足が飛び出るあの有名なシーンも、こういう意味だったのね~と思うと興奮した。歴史との迎合みたいな。 へっへ、面白かった。
3投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログ「横溝正史」の長篇推理小説『犬神家の一族』を読みました。 「横溝正史」作品は2011年1月に読んだ『悪霊島』以来… 久しぶりですね。 -----story------------- 信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者「犬神佐兵衛」は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。 血の系譜をめぐるスリルとサスペンスにみちた長編推理。 ----------------------- 「横溝正史」作品の中では『八つ墓村』に次いで映像化回数が多い作品で、映画化3回、テレビドラマ化5回という著者を代表する作品ですね。 小学校の頃に観たテレビドラマ… 怖かったイメージがあります。 当時は複雑な人間関係は理解できておらず、全篇を通じたおどろおどろしい印象しか残っていませんけどね。 何度か映画やテレビドラマで観ているので、真犯人やマスクを被った「犬神佐清」の正体等についてはわかっていましたが、、、 複雑な人間関係(犬神家の系譜)については、読みながら、徐々に思い出してきた感じです。 ≪系譜≫ 某 ┃ ┣━━━━犬神佐清 ┃ ┏犬神松子 ┃ ┃ 寅之助 ┃ ┃ ┃ ┣━━━┳犬神佐武 ┃ ┃ ┃ 犬神佐兵衛━ ╋犬神竹子 ┗犬神小夜子 ┃ ┃ ┃ ┃ 幸吉 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━犬神佐智 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗犬神梅子 ┣━━━━━━━━━━━青沼静馬 ┃ 青沼菊乃 野々宮大弐 ┣………野々宮祝子━━野々宮珠世 晴世 「犬神佐兵衛」の子どもは、「松子」、「竹子」、「梅子」の三姉妹と、「青沼静馬」の4人なのですが、全て母親が異なるという異常な関係、、、 そして終盤では、「犬神佐兵衛」と「野々宮大弐」の関係が明るみになるとともに、「犬神佐兵衛」に別な子どもがいたことが判明し、一層、複雑な相関関係が明らかになります。 複雑な関係を持った血縁者同士が血で血を争う状況と、真犯人の犯行を知った事後共犯者たちが死体を細工することにより、真相がわかり難くい構成となっており、なかなか愉しめましたね。 長閑な山村を舞台にした残酷な事件や地域の権力者を中心とした淫靡な人間関係、、、 そして、復員兵の心情、戦後の混乱等を巧く取り入れてあるところは「横溝正史」らしい作品でしたね。 以下、備忘用に登場人物を紹介します。 「金田一 耕助(きんだいち こうすけ)」 飄々とした私立探偵。 「野々宮 珠世(ののみや たまよ)」 犬神佐兵衛の恩人・野々宮大弐の孫。 絶世の美女。 20歳前に両親を相次いで亡くし、大弐を恩人と慕う佐兵衛によって犬神家に引き取られた。 何者かが仕掛けた罠に3度も掛かるが、危機一髪で助かった。 後に公開された佐兵衛の遺言によって、自分が犬神家の遺産相続の鍵を握っていたことを知らされる。 「犬神 佐兵衛(いぬがみ さへえ)」 犬神財閥の創始者。 彼の残した遺言状が惨劇の始まり。 放浪の孤児だった佐兵衛は信州那須神社神官野々宮大弐に拾われ養育された。 生涯正妻を娶らず、娘の松子、竹子、梅子はそれぞれ違う女との間に生ませた子である。 「犬神 松子(いぬがみ まつこ)」 佐兵衛の長女。 夫とは既に死別している。 いつも凛とした佇まいをしている。 佐清を溺愛している。 「犬神 佐清(いぬがみ すけきよ)」 松子の一人息子。 ビルマ戦線で顔に火傷を負い、白いマスクを被った姿で復員。 その異様な外見から、映像化作品ではビジュアルが象徴的に用いられることが多い。 「犬神 竹子(いぬがみ たけこ)」 佐兵衛の次女。 小山のような体型。 直情的な性格である。 反松子。 「犬神 寅之助(いぬがみ とらのすけ)」 竹子の夫。 犬神製糸東京支店長。 「犬神 佐武(いぬがみ すけたけ)」 竹子の息子。 両親似で衝立のような体形。 「犬神 小夜子(いぬがみ さよこ)」 竹子の娘。 珠世ほどではないが美人。 気が強い。 「犬神 梅子(いぬがみ うめこ)」 佐兵衛の三女。 三姉妹の中では、一番美人。 末娘のためか、姉達に対する反感が強い。 反松子、反竹子だが、竹子と結託して松子を責める。 「犬神 幸吉(いぬがみ こうきち)」 梅子の夫。 犬神製糸神戸支店長。 「犬神 佐智(いぬがみ すけとも)」 梅子の息子。 よく動く目が、狡猾な両親に似ている。 「古館 恭三(ふるだて きょうぞう)」 弁護士。 古館法律事務所所長。犬神家の顧問弁護士。 佐兵衛より、遺言状の管理を任されていた。 殺された若林豊一郎に代わり、金田一耕助に調査を依頼する。 やがて金田一耕助に親愛の情を抱くようになる。 「若林 豊一郎(わかばやし とよいちろう)」 古館法律事務所に勤務。 犬神家の遺産相続問題に関して金田一に捜査依頼をするが、金田一と会う前に毒殺された。 「猿蔵(さるぞう)」 珠世の世話役の下男。 もとはみなしごだったため、子供の頃から祝子によって珠世と共に育てられ、珠世が犬神家に引き取られると、下男として犬神家に入った。 珠世に非常に忠実で、生前の佐兵衛から“命に代えても珠世を守れ”と命じられているため、珠世の身辺の世話だけでなく護衛も務め、作中でたびたび珠世を助ける。 「猿蔵」というのは本名ではなく、猿に似ていることから付けられた通称で、本名は不明。 粗野かつ無口で少し思慮が足りないが、力が強く、佐武や佐智も持て余している。 「宮川 香琴(みやがわ こうきん)」 松子の琴の師匠。 目が不自由。 「野々宮 大弐(ののみや だいに)」 那須神社の神官。 珠世の祖父。 故人。 犬神佐兵衛の恩人。 「野々宮 晴世(ののみや はるよ)」 大弐の妻。 珠世の祖母。 故人。 「野々宮 祝子(ののみや のりこ)」 野々宮夫妻の娘で、珠世の実母。 故人。 「青沼 菊乃(あおぬま きくの)」 佐兵衛のかつての愛人。 消息不明。 「青沼 静馬(あおぬま しずま)」 菊乃と佐兵衛の息子。 母同様消息不明とされている。 養子に出されており、本名は津田静馬。 年齢は佐清と同じ。
1投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ犬神家の一族がテレビで特集されていた(と、言うよりスケキヨの足のシーンがいかに撮影されたか、だけど)ことをきっかけに読み始め。 昭和47年初版発行との事だが、時代を感じさせない面白さ。随所随所に、先が早く読みたくなるリードが散りばめられており、飽きが全く来なかった。 後半のホロホロと謎が解けて行くシーンは、ほぼ一気読みしてしまった。 ◼️◼️◼️ 莫大な資産、巨大事業を築いた佐兵衛翁の逝去に際し、遺言状が犬神家一族に明かされる。 恩人の孫、珠世に優位な内容になっているが、それを巡り佐兵衛翁の孫(佐清、佐武、佐智)、またその母が血みどろな相続争いを始める。
1投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログ横溝正史 犬神家の一族を読みました。 テレビの映画などで見たりして知っている訳ですが、本を読んでみて大変良くわかりました。 獄門島 本陣殺人 八つ墓村 犬神家 これで4作目完読。 横溝正史は凄い。
4投稿日: 2022.02.24
powered by ブクログ3.5くらい 金田一シリーズの中だと雰囲気が柔らかい方だった。映像化された作品の印象的な場面のイメージが強いけれど、ちゃんと作品を観たり読んだりした人は意外と少ないと思う。やはりしっかりとした構成と謎解きの流れはさすがでした。
0投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログ「スケキヨ」と「池から脚出てるやつ」としてしか知らなかったけど、そのインパクトをきっちり織り交ぜた上で全部が面白い。なんのために池から脚出さしてるのか?とか考えたことなかったもんなぁ~~~
3投稿日: 2022.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
湖から突き出た両足の、あの有名なシーンが印象に強く残っているが、原作を読むと細かい設定も含め綺麗に頭の中が整理され納得のラストだった。大筋を知っていても尚、引き込まれハラハラした。 遺産相続で揉めに揉める複雑な血縁関係と血生臭い事件。そこにお誂え向きの美男と美女だ。 人間の醜い部分をこれでもかと読者に見せつけながら、砥いだ刃のような壮絶な美が余韻を残す。つまり、松子の去り際が美しすぎた。最後に松子がすべてを掻っ攫って死んでいったという気がする。
3投稿日: 2021.12.03
powered by ブクログ横溝作品で読むのを楽しみにしていたのは、やっぱり有名な本書。これが例のスケキヨで、例の水から足が突き出たやつか。相変わらずのドロドロした人間関係で面白かった。翁の3人娘の悪行には閉口させられたが。 見立て殺人の斧だけダジャレな上に、ちゃんと足だけ水面から出るか結構運任せで笑ってしまった。一族の中での殺人は間違いないのに、警察がいても連続殺人が起こってしまうのは時代のせいなのか、能力不足なのか。
3投稿日: 2021.10.20
powered by ブクログ再々再々…読。何回読んでも面白い。犯人が分かっていても一気読みできる。素晴らしい。 横溝正史は大好きな作家。 章の出だしの季節を伝えている文章だったりの導入の部分が、情景を思い浮かべられて、映画を見ているみたいに物語に入っていける。そこがいつも素晴らしいと思う。 松子のキャラクターは、最初に読んだ中学生の頃と今とでは、息子がいる分、より共感度が高く、切なさと格好良さを感じる。 腹の括れる強い女性に憧れている今日この頃である。
15投稿日: 2021.10.18
powered by ブクログまたまた横溝正史の金田一ものを一気に読んでしまった。1951(昭和26)年刊。読み始めたら止まらないといった感じで、どんどん先に進んでしまう。 この「取り憑かれたように夢中になって読んでしまうミステリ」と言えば、アガサ・クリスティの作品がそうだった。他の古典ミステリとは一線を画す面白さで、一時期は十何冊も次々に読んでいったが、読み終えて数年も経つと、このタイトルの本はどんな話だったか、思い出そうとしても思い出せない。引きずり込まれるようにジェットコースターに乗せられて突っ走り、読み終える時は非常に満足しているのに、長期記憶には残らない。やはりその辺は、苦労しながら・味わいながらじっくり読んでいく芸術系の小説とは異なる点なのかもしれない。果たして横溝正史もそうなのだろうか。 クリティティに比較すると、横溝正史作品はずっと情動豊かである。作者の怪奇趣味による恐怖のエレメント(本作では殺害された被害者の「生首」や、戦場で大きく負傷したという復員者の、凄まじく爛れ肉塊を覗かせる顔貌の描写など)。憧れやスケベ心(?)を喚起するエレメント(本作に登場する「絶世の美女」珠世)。それぞれの場を満たす、憎しみ・怒り・激情といいた振幅の大きな感情のエレメント(犬神家の一族内の、相互の愛憎や呪い、復讐のモティーフなど)。 こう並べてみると確かに「サービス満点」である。様々な要素が次から次へと織りなされ、適宜緊張感が高まり、息もつかせぬ展開になる。もちろん、殺人は一度きりでなく、連続殺人となってゆくから、それだけでもサスペンスとして盛り上がる。 そしてミステリの常套というか、たとえば最初の方のある章の終わりにこう書かれている 「読者諸君よ、いままで述べてきたところが、このもの恐ろしい、なんともえたいの知れぬ犬神家の一族に起こった、連続殺人事件の発端なのである。 そして、いままさに血なまぐさい惨劇の第一幕は、切って落とされようとしている。」(P.90) 本作は雑誌に連載されたものなので、章の終わりにこういう緊迫した「予告」的な宣言を入れてやることで、次回が待ち遠しくなる。こういうのはもはや完全にありふれてはいる。連続テレビドラマや、連載マンガなどでも「いいところで終わる」のは定石である。そうしたエンターテイメントの常用手段が、戦後間もない年の横溝正史作品においても既に、完全に確立されているのである。 予告された不在(上記例では、今後の物語の展開)が、読者の心を前へ前へとつんのめらせる。「不在」への欲望がみなぎり、ページを繰る手がはやる。 とりわけて横溝正史作品の長所は、色濃い情動が絶えず惹起されてゆくことだ。常に読者は、言葉・描写・想像・共感に導かれて巧みに情動を操られてゆく。この意味では、音楽的だとも言える。 勢いよくほぼ1日で読んでしまい、更に別の作品が読みたくなってしまう。そのように欲望を惹き付ける装置として、よく出来ている。
6投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログこんなに面白い小説があるのかと震えた。ミステリー小説とはこいつのことだと思った。また一つ文学の世界に引き込まれた作品であった。
3投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログ読んだのは、もう50年も前。子供にとっては恐ろしくて不気味、おどろおどろしていてこんな小説があるのかと思いながら読みましたが、横溝正史の金田一シリーズこの後もたくさん読んだのですから、怖いと思いながら覗き込んでみたかったのでしょう。日常では接することのないお金持ちの家で繰り広げられる現実離れした家族関係、 驚愕の事件。子供には刺激が強すぎたけど、こういうあり得ない世界に浸れるのが読書の醍醐味です。
5投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白い。ただただ面白い。 横溝正史の読者を引き込む力は間違いなく一級品。 静馬と佐清の入れ替わりのトリックや、母を庇うための死体の移動など、ミステリーとしてのトリックはあまり目を惹くものがあるわけではない。 見どころはやはり終盤のスリルや、明かされる複雑な人間関係。 とても有名なあのポーズによる判じ物、そしてそうすることで死体が佐清だと思い込ませるという意味不明なポーズの理由には驚いた。 推理小説としては現代の作品に比べるとやや劣るが、エンタメ小説としては今でもトップクラスの作品だろう。
3投稿日: 2021.08.20
powered by ブクログ去年くらいに放映された30分ドラマ観てから読んだおかげで家系図もスッと入ってきたし、ドラマで削ぎ落とされた部分を読むととんがってた箇所も柔らかく感じたりして(特に最後、犯人からの頼み事)、受ける印象がだいぶ変わったので2度楽しめて良かった。
1投稿日: 2021.05.12
powered by ブクログ実は、原作は読んだことなかった。 確かに今読むと、表現やセリフに時代を感じる。が、テンポが良く古さを感じない。 推理物としては物足りないが、ミステリーとしてはやはり名作でしょう。
1投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ映画が好きだったので、本初挑戦でこの一冊を選んだ。 映画では猿蔵がラストしか話さないのに、この本ではよく話してる重要人物。 この本通してグッと犬神家の理解が深まり、もっと大好きになった。
3投稿日: 2021.01.08
powered by ブクログ読み終わった本を別の本に交換できる本の交換所コーナーで手に入れた本。 映画やドラマにもなった超有名な作品だけど、今まで読んだことがなかった。読んだことないけどネタとしては知っていたので、スケキヨ…やっと会えたな!!という気持ちです。 お互いに憎しみ合った親族間のいざこざ、これぞ横溝正史や。やや消化俯仰気味の部分もあったけど、今度は映像でも見てみたいな。金田一、色んな役者が演じているけど、個人的には古谷一行が一番イメージ通りで好きだ。
4投稿日: 2020.11.30
powered by ブクログとにかく、莫大な遺産と地位に対しての執着が恐ろしすぎて怖い。松子、竹子、梅子の三姉妹にしろ、その子供達にしろ、いつもこの手の遺産相続が絡んだ本を読むと思うんだけど、自分で稼ごうという気は起きないのか。 それはさておき、最初の導入から雰囲気に引き込まれて夢中で読んだ。珠世の旦那候補の3人、あの状況では選べなそう。究極の選択。 でも…なんだか金田一耕助さん、振り回されてる感があって、そんなに名探偵っていう感じはしなかった。結局目の前で起こる連続殺人が止めれず、最後の最後に真相を知るっていう。。
6投稿日: 2020.11.22
powered by ブクログ金田一耕助は初めて読んだけど、探偵という割にあまり推理しないし、抜けや見落としも多く名探偵と言われてもそうか?という印象。 話自体は陰惨な雰囲気がよく出ていた。
2投稿日: 2020.10.23
powered by ブクログ日本ミステリーの王道、横溝正史の推理小説だ。全10数作あったと思うが、その中でも人気が高い、「犬神家の一族」を読んだ。うーん、さすがだな!と思った。何度もテレビドラマや映画になっているようだが、シーンが目に浮かぶようだ。 書かれたのも何十年も前なので、舞台は戦後すぐの長野県伊那地方である。その地方で事業をなした犬神翁が遺言を残して亡くなった。巨額の遺産を巡って、犬神一族が骨肉の争いを始める。 シリーズを通して出てくるのは、おなじみの探偵、金田一である。ただ、彼は物語中は比較的薄く描かれている。彼の視点で、読者はプロットを追っていく。オーソドックスながら、最初から引き込まれて、読むのを止めることができなくなる。 たくさん登場人物がいるが、関係性は割りとシンプルである。最近の細かいミステリーを読んだ後だと複線のはり方が粗削りな感じもするが、とにかく面白い。
3投稿日: 2020.09.08
powered by ブクログ1970年台の市川崑監督映画を見てから読みました。 映画では分からなかった、登場人物の具体的な心境を知れて良かったです。 “戦後の混乱“を良いように使っている印象を受けましたが、戦争戦後を知らないジェネレーションギャップかもしれないです。
1投稿日: 2020.08.02
powered by ブクログ映画では何度か観ているが、原作を読むのは初めて。古い作品なので読むのに手こずるかと思いきや、とても読みやすい文章、読み手をどんどん引き込んでいく展開で、あっという間に読了。 シリーズ全作を知っているわけではないので、全てがそうではないかもしれないが、金田一耕助はやっぱり「推理小説」じゃなくて「事件簿」なんだよね。巧妙な仕掛けやトリックがあるわけではない。あえて言うなら「人間(関係・思惑)」の絡み合いこそが事件の歯車。全ての事象に意味があるわけではない。世の中には「意図したもの」と「偶然の産物」が溢れている。事件だってそう。人間が引き起こすものなのだから。
6投稿日: 2020.06.14
powered by ブクログ印象的な死体のシーン。白いゴムマスク。何が起こって真相は、くらいはなんとなく覚えていましたが、読友さんと話していて映像だけで原作をちゃんと読んでないことに気づき、慌てて読みました。しっかりと原作を追うとこんな話だったのか!という驚きも感じます。問題の遺言状を遺した犬上佐兵衛の人となりもそうですが、系譜に現れる人々の性格や行動の描写が一つ一つ納得のいくものなのです。例え映像で見ていなかったとしても視覚で読めるであろうこの世界、悲しい愛憎劇、でもそれだけで終わらせない金田一氏の優しい存在感。さすが名作です。
1投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある日、探偵の金田一耕助のもとに法律事務所の若林豊一郎から一通の文が届く。 信州財界一の巨頭、犬神佐兵衛の一族の間になにやら恐ろしい争いが起こるという。 佐兵衛が亡くなり、遺言状がまだ公開されていないことなど、好奇心を煽られた金田一は犬神家の在る那須市へと向かうのだが…。 ***** 映画化を機に読むことに。 横溝正史さんの「金田一耕助シリーズ」は古い作品ではあるけれど、その名前を見聞きしたことがある方がほとんどではないでしょうか。 特に私と同世代くらいなら「金田一少年」(講談社コミック)のヒットをきっかけに知った方も多いかも。 読み終わって、面白い、と素直に感じた。 古い作品なんだけれど、けして色褪せていない。 探偵・金田一耕助も登場人物たちも魅力的、魅惑的。 最初からラストまでが劇的。 またシリーズに手を出してしまった。 それも面白かったからコツコツ読んでいかねば。
1投稿日: 2019.05.13
powered by ブクログ横溝正史は、初めて読んだ。 そして、度肝を抜かれた。 夢中で読んでいた。 ドキドキとワクワクが止まらなかった。 何故、もっと早く読んでおかなかったのかと、後悔している。 それくらい、魅力のある作家だと思う。
3投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログ犬神家の一族は有名な作品で名前は知ってるけど一度も読んだ事がなかったのでとても楽しめました。 犬神家の資産家である佐兵衛の遺産を巡って争いあうドロドロした話でした。 文章も分かりやすく内容もスラスラ入ってきました。 目の前に湖が広がる資産家の豪邸に戦場で負傷した顔を隠して不気味な仮面を被ったスケキヨが物語にマッチしていてとても良かったです。
1投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログ映画やドラマで何度も見た有名作品である。 年末に加藤シゲアキ主演のドラマを見た後にネットで色々見ていたら、映像作品ではほぼカットされている設定があると知って原作を読んでみた。 たしかにこの設定があるとドロドロ感が濃くなるし、仮面の下で何を考えているかわからないスケキヨの人間性も垣間見えるような気がする。 終盤に金田一が和服のままスキーで疾走するシーンにはびっくり。 しかし映像によるあの不気味な白い仮面と湖から突き出た足のインパクトはものすごいので、文章で読むと思ったより平坦な話かも。
0投稿日: 2019.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
散々観てきた映画やドラマでは描かれなかった香琴先生の役どころに只々びっくり!重要な最後のピースがぴったり嵌ったような感覚。マスクのスケキヨが先生の手を引こうとする描写が後々まで胸に残ってせつない。 「子どもの幸福のためにはたたかわねばならない」という松子の言葉も印象的だが、自分の人生を捨てても子を守り通そうとした菊乃の悲壮な愛の方が「愛のバラード」の音色に相応しいかな。 母子の数奇な運命と過去の人間の業が紡ぐ因縁の底知れなさにため息…原作はやはり完成度が違う。
1投稿日: 2019.01.06
powered by ブクログ酸鼻な事件が起こるのも止むなしと思える、舞台設定が巧み。戦前戦後にかけての道徳観ならではの人間模様が織り成す、親子数代にわたる愛憎劇の詳細がだんだんと明らかになっていく様は恐怖刺激として極上。幕切れも鮮やか。 ただ今回やけに美人に対する描写がくどい。スフィンクスのくだりは何度出てきたか、せめてもう少し言い回しのバリエーションを……あと佐智殺しを偶然に頼り過ぎている感も残念。 金田一氏の雪山でのお姿は実に面白い。想像するとつい笑ってしまう。
0投稿日: 2018.12.30
powered by ブクログ【概要】 倒錯と純愛の錯綜!かけ違ったボタンと、ねじ曲がった愛は、信州財界の巨人・犬神佐兵衛没後、その遺産の行く末に、大きく影を落とすのだった。犬神佐兵衛の血脈である佐清(すけきよ)・佐武(すけたけ)・佐智(すけとも)、恩人の孫・珠世(たまよ)、さらには本気となった愛人の息子、巨額の遺産・経営権を巡り、血で血を洗う争いが、犬神家の三種の神器「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」を通じ、勃発する。名探偵・金田一耕助は、この陰惨な連続殺人事件を、どのように解決するのか?! 時期不明 読了 2018年10月27日 読了 【書評】 喜餅の思春期は、江戸川乱歩と横溝正史でできあがっている・・・といっても過言ではない(笑)特に横溝正史の影響は、ほんと・・・デカい(笑)人と人との愛憎に対し、良くいえば、横溝正史のおかげで「寛容」になり、悪くいえば横溝正史のおかげで「欠如」しているという(笑) ただ、自己正当化する訳じゃないけれど、作中の「倒錯」「圧倒的にいびつな倫理観」の裏側にある人間の感情の弱さであり純粋さ・・・そういった、ふれたら簡単に壊れてしまうような、繊細な機微・・・を、物凄く、感じるし、物凄く、楽しめてしまった、今回。 自分も含めて、多くの方達は「スケキヨ(なんでカタカナなんだ?笑)」のイメージが、めっちゃ強いと思う、この作品は。でも実は、冒頭に舞台から(物理的には)消える犬神佐兵衛や、その恩人・野々宮大弐の残留思念の存在感が、凄い。そして、子を想う(想いすぎる)母の人外ぶりも(笑) 時代背景は昭和20年代、当然、その時代の価値観が、前提として進行する。当たり前だけど、現代と違う。だから「それはそれ」として、楽しめる度量が必要になるよね。久々に読むと、当時は凄い時代だったんだなぁ~と、あらためて、思う。 ところで、皆さんは、「金田一耕助」といえば、誰を連想する?自分はこの「犬神家の一族」で演じられた石坂浩二さんもイイけど、古谷一行さんもイイよね♪そして、この頃・・・というか、市川崑監督は、影で怖がらせるの、本当に凄いよねぇ。・・・って、映画の話になってしまった(笑) 久々に読むと、楽しい♪
2投稿日: 2018.10.27
powered by ブクログ一言で言えば普通に面白い。 当時日の出の勢いだったカドカワ映画の第一号(の原作)ということで知名度も高い。 それはお釜帽に袴姿、そしてもじゃもじゃ髪という原作のイメージに忠実な金田一像を作り上げ、それまでにあった「洋装の金田一耕助」という原作無視の憤慨物を全て黒歴史にしてしまうインパクトを持っていた。 他にも湖から足だけ突き出した死体や白い不気味な顔マスクなど強烈なビジュアルイメージを残し、流石は実質第一作となる金田一映画の原作に選ばれただけのことはある。 が、 本作の映画も実は細かい所が結構原作と違うため、純粋に推理小説を楽しみたいなら原作本がお勧めだ。 特に本作の影の主役とも言える犬神佐兵衛を巡る人間関係は映画だとなかなか掴みきれないし、あまつさえ省略すらされる事があるので注意が必要。 本作のトリックは殺人の方法やアリバイ工作などというものではなく、タイトル通り「一族」の血縁関係にあるのだ。
1投稿日: 2018.06.18
powered by ブクログめちゃおもだった 古典だから難しいんじゃないかと思ってたけどとても読みやすくて一気に読んでしまった すっとんきょうな推理をしながら読むのが好きなので、金田一が実はこうなのではないか、といろんな案を作中で言い出すのがおもしろかった。ミステリーの探偵って作中全部わかってるんですよ、ってかんじで最後に答え合わせしかしないタイプばかりなので新鮮だった。まさか古典で新鮮さを味わえるとは… 江戸川乱歩みたいな薄暗い雰囲気も多少あったけどぜんぜん湿っぽくなくてそこもよかった ほんとは八つ墓村を勧められたのでそれを買うつもりが間違えて(笑)こちらを手にとってしまったのだけど、金田一シリーズのとっかかりとしてはとてもよかったのかもしれない
2投稿日: 2018.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“スケキヨ”の強烈なビジュアルでお馴染みの、「犬神家の一族」です。 凄惨な内容なのに、ページを繰る手が止まらない、さすがの横溝マヂック。 今回は、一番「怖え・・。」と思っていた人が犯人でした。 因みに,佐清(すけきよ)さんはイケメンという事でした。
0投稿日: 2018.03.12
powered by ブクログかの有名な犬神家 映画は好きで何十回と見たので話はよくわかってるはずなのにおもしろかったー もっと難しい感じに書いてあるのかと思ったら、全然そんなことなかった
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログわたしのファースト横溝。 乱歩があまり売られていない季刊サブカル系青年コミック誌なら、 横溝は、週刊少年ジャンプだなと。 まず、金田一というキャラクターが確立されているところが、なんだか少年誌っぽい。 女性の儚げな美しさに関する描写は、どちらかと言えば健康的に思われる。 逆に、醜い感情の描写は上手い。 そして、恋愛にかんする描写はあまり上手くない。 そういった部分に関しては、乱歩とは比較にならない。 (乱歩を読みながら購入したため、なんとなく比較しています。) 乱歩は本当に狂人が書いたんじゃないかと思うが、 横溝正史は、健康的な人なんじゃないかという印象を受けた。 推理よりアクションが多いようにかんじた。 しかし、最終的なカラクリは全く予想できず。さすがでした。
1投稿日: 2017.09.03
powered by ブクログ何度も映像化されている物語だけれど、やっぱり活字で読む方が何倍も楽しめる。 横溝作品の王道をいくような物語で、因習に縛られる人たちが織りなす愛憎劇が怖ろしくも哀しい。 展開の見事さ、それぞれの個性的なキャラクター、犯人の意外性。 どれも読み応えがあって本当に面白かった。 トリックが発覚するきっかけとなるエピソードも興味深かったし、過去の怨念が渦巻くおどろおどろしさもいかにも横溝ワールドでその世界観を堪能できた。 ただ、横溝さんの物語は犯人像に暗黙のルールがあって、どうしても「この人がきっと犯人だ!!」とわかってしまう。 もちろん、物語の素晴らしさを損なうほどのものでない。 結局、名作には古いとか新しいとか関係ないのだなと実感できる物語だ。 惨殺場面はちょっと刺激が強いけれど、事件の陰湿さを印象付ける大切な場面でもあり、それほど衝撃さはないと思う。
0投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古谷一行金田一版も、石坂浩二金田一版も視聴済みである。ゆえに、犯人も動機もトリックも、そして犯罪の特異性(意思の連絡なき事後共犯。ただし実際は、行為・実行行為の共同や加功がなく、共犯ではなく別罪?)も判っている。 が、それでも心象と行動の両面で恐怖を惹起するホラー・ミステリー小説だ。ネチネチした叙述がそう感じさせるのだろう。特に、青沼菊乃・静馬母子をリンチに掛けた松竹梅三姉妹の言動のおどろおどろしさには絶句。映像版より生々しく凄惨である。 一方、犬神左兵衛翁や松子の心奥については、多少救いようのある処に落着させているのは意外に感じた。静馬の珠世への態度・行動も同様だろう。 つまり、悪党一辺倒には描いていないところが原作小説の特徴なのかもしれない。 松子のそれはラストの数行で語られるだけだが、とってつけた感はしなかった。それは父・犬神左兵衛翁に対する骨の髄までしみ込んだ恨みという感情が、妹の竹子・梅子と長く共感する関係にあったからだろう。 一方で、娘に恨まれた犬神左兵衛の遺言が、真に恋しい人へのラブレターと、その忘れ形見の子に対する防衛用道具の如き内実を備えている件。 松子らが、左兵衛翁の意図に気付くシーンではこちらも唸らされてしまった。 このように、結末や犯人を知って読んでも充分楽しめるし、また結論を知って読めば、逆に伏線とミスリード目的の叙述の塩梅の絶妙さに気付かされる。 非常に練って、また考えられて書かれているのが伝わってくる。そんな小説である。
1投稿日: 2016.12.06
powered by ブクログ読書を始めてから、いつも東野圭吾などの新しい本ばかり読んでいたのでたまにはと思い、家にある少し古い本を手に取ってみた。 有名な話だが、映画も内容も詳しくは知らないということで最初から興味を持てた。 読んでみるにつれ怪しい人物が何人も出てきたが、結局誰が犯人なのかはわからず半分ほど読んでからは一気に読んでしまった。 初版の発行日はだいぶ古いようだが改訂されたからかとても読みやすかった。そのうち他の金田一シリーズも読んでみたいと思う。
0投稿日: 2016.06.26
powered by ブクログ表紙は違い。横溝正史の代表作といえば「犬神家」であり、ストーリーも代表作に恥じない、しっかりしたものである。 現在放映中の日清のコマーシャルにも使われるほどの有名なストーリーなので、説明不要だろう。横溝モノの定番である、莫大な遺産をめぐり、非常にややこしい家柄に起因する、トラブルから殺人へ発展するという話。同じ血を引くものがよく似た容貌であるというようなところもポイント。 依頼人が殺されるのは「八つ墓村」と同じ。その後は、いうほど死にまくらないが、ポイントを抑えてあるので最後まで飽きずに読める。 例によって、金田一耕助は、解決こそすれど、殺人を未然に防げない傍観者の役割である。 個人的には、横溝モノには珍しく、中学校以来の再読ではあったにも関わらずストーリーはほぼ完璧に覚えていたのが珍しい。というのも、横溝作品はキャラクターが強烈過ぎて、内容まで覚えていないのだ。 つまり、この作品が名作たる所以は、佐清という強烈なキャラクター以外を抑え、ストーリーとのバランスを上手くとったところにあるのであろう。
0投稿日: 2016.04.05
powered by ブクログ好調に進む「ひとり横溝正史フェア」つづいての作品は有名なこちら。 信州財界の巨頭犬神佐兵衛が亡くなった。 犬神佐兵衛の遺言を巡り、恐ろしいことが起きるのではと懸念する法律事務所員若林からの依頼を受けて金田一耕助は信州に行く。ところが、金田一耕助と会う前に若林は殺害されてしまう。 若林殺害を皮切りに血で血を洗うような恐ろしい事件がつづく。 横溝正史作品の中でも何度も映像化された有名な作品。 とにかくインパクトの強さは横溝正史作品の中でも超一級と言える。 顔に傷を受け、精巧に作られたマスクを被ったスケキヨ。 菊人形の首とすげ替えられた生首。 松子、竹子、梅子の三姉妹による壮絶ないたぶり。 顔を隠した謎の復員兵。 美しい珠代。 湖水から二本の脚を突き出した死体。 横溝正史の世界を存分に楽しめる作品。 こちらも読み返すと細かいところを記憶違いしていた。 人間の記憶なんてそんなもの。 前回読んだときより自分が戦争に興味を持つようになったからか、前回はそれ程感じなかったことがとても胸に突き刺さった。 ネタバレになるかもだけれど書いてしまう。未読のかたは以降読まないことをお勧めする。 佐清が復員するとき何故偽名を使ったかという理由が本当に切ない。 当時、国のために戦う、必ず勝つと意気込んで出征していく若者。 捕虜となるは恥、国のために潔く死ぬことこそ本懐と教育されていた人々。 佐清もそんな若者のひとり。 死ぬことも出来ず恥を偲んで帰国した。名前など名乗れるはずもない。 それなのに戦前戦中とは全く価値観の違ってしまっている日本。 そんな中で、新しい価値観にも馴染めず、名前を偽ってしまい引き返せなくなってしまう。 あくまで架空の物語ではあるけれど、きっと佐清のように悩み戸惑う若者もいたのだろうと思う。事実、戦後随分経ってから生存を確認されて帰国したかたは、律儀に敬礼し恥を偲んで帰って参りましたと仰っていた。 まさに戦争によって人生を狂わされたひとが、きっと数えきれない程いたのだ。 以前読んだときには、この部分はすらっと読み進めてしまっていた。今回読み返して、この部分で胸が痛んだ。 やはり戦争は決して繰り返してはいけないと、そんなことを思ったりする。 スケキヨのインパクトや派手な事件に押されて、戦後日本の闇の部分とも言える本作の魅力に気付かないまま読み終わってしまいがちだが、犯人も物語もある程度わかって読むときは、作品の背景を見つめながら読むのも一興かもしれない。 読み返して気付けたことがあって良い経験になった。
0投稿日: 2016.03.05
powered by ブクログ昔読んだことあったか、微妙なのですが、もっと堅そうなイメージなのに、おまわりさん、とか出てきてかわいかったりする。 時代の感じがのどかでよいです。しかし金田一は2か月もとどまっていて良いんだろうか、普通もっと事件のサイクル短くするか、一度帰ったりしませんかね、とちょっと気になる。まぁ戦後でのどかだったから、とか無理やり納得する。 最後の母の情は好き。
1投稿日: 2015.11.30
powered by ブクログ祝日だったこの日、さすがの金田一耕助シリーズの傑作ということで、昔、映画で観て、なんとなくストーリーは知っていたつもりですが、改めて小説で読んでみると予想以上に面白くて思わず一気読みしてしまいました! 犬神家の遺産相続に関するドロドロとした人間模様が殺人事件に発展するという展開で、戦争という時代背景もストーリーに深みが出てましたよね。やはり、この作品のインパクトは佐清(すけきよ)ですよね!
0投稿日: 2015.11.03
powered by ブクログ映像化されたスケキヨの異様さと逆さの死体は知っていたが、ほぼネタバレのない状態で読めて良かった。最後の最後まで楽しめた。昔の作品だが、古臭さはない。家族構成とか複雑ではあるが、理解し易い。謎がスッキリ解決した心地良さと物哀しさで、大団円はトリハダもの。横溝作品は他に本陣•獄門•八墓を読んだが、一番好きかも。名実共に傑作だと思う。
0投稿日: 2015.10.25
powered by ブクログ斧・琴・菊 有名な海に頭突っ込んでる犬神家の一族。白マスクの佐清さんの犬神家の一族。 犯人分かってるのに、スリリング。 松竹梅のおば様たちが、自分の息子を跡取りにさせたいという気持ちが強い。 おば様たちの駆け引きが恐ろしい。 さすが有名ミステリー。 映像にしたくなる気持ちがよく分かる描写がたくさんありました。
0投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログ映像化された佐清(すけきよ)の殺害シーンがあまりにも有名な、横溝正史の代表作のひとつ。昨年からボツボツと金田一シリーズを読み返していて、その一環。謎の復員兵がもうちょっと恐しい印象を持っていたのだが、映画の記憶と混ざっているのか、以前に読んだときの印象はまたずいぶんと違ったものになっていた。 読みはじめたら一気読みで、こういうエンターテイメント小説に埋もれながら一生を過ごせたら、どんなに幸せなことかと思う。
0投稿日: 2015.08.15
powered by ブクログ名作と思い読んだが、エンターテイメントの域を出ないしゲーム感覚で人が死にすぎ。趣味悪い。主人公のキャラクターもたいして魅力感じなかった。
0投稿日: 2015.08.13
powered by ブクログ言わずもがなの金田一耕助シリーズ。『八墓村』と双璧をなす代表作ですね。 自身としては金田一の読破は三冊目。 総じて思うことは、ストーリーの秀逸さ。もちろん、だから当時から受け継がれるベストセラーなんですよね。 少しネタバレ。 珠世が佐兵衛の孫なのは、まあそうだろうと思いました。これまで、この『犬神家の一族』のオマージュ作品も目にしてきているし、犯人や入れ替わりトリックもなんとなく想像がつきました。 ただ、よく分からなかったのが「見立て」。 特に菊の見立ては、何かのトリックに使われたのだと思ったけど、撹乱のためだったということでいいのかな?小説としては、唯一、ここが引っかかるところでした。 この作品では、「偶然」が重なった結果によって、複雑怪奇な真相になってます。 正直、犯人によって練り上げられた殺人トリックではないのですが、でも現実もそんなもんだと思います。偶然が重なって複雑になるのが、普通ですしね。 「偶然」が絡めば絡むほど、小説としては論理的ではなくなり、泥臭くなると思うんですが、それもまた面白いところです。 ここまで金田一を何作か読んできたけど、世間で言うほど、殺人トリックが本格的なミステリー、って感じは受けないんですよね。 今のミステリーに慣れ過ぎてるのかもしれないですね。 何にせよ、何年たっても色あせないストーリーは見事でした。
0投稿日: 2015.06.23スケキヨのお話です
これは私、映画で見ました。 スケキヨが普通に怖かったです。まだ小学生の頃でしたので、怖い!と言うイメージが先行していたので、改めて小説で読むと・・・・ 人の欲、嫉妬、疑心。 ドロドロに渦巻く中、最後にはそれなりのハッピーエンドを迎えます。 横溝作品は登場人物が生々しくて、感情移入してしまいます。
1投稿日: 2015.04.04
powered by ブクログ久々の金田一耕助。どうしてトリックがわかっているのにまた読んでしまうのか。映画のイメージ、深夜再放送のイメージが強く、あの薄暗い画面と音楽を思い浮かべながら読むのが楽しい。 勝手に現代版にキャスティングしなおしたり。
1投稿日: 2015.02.28
powered by ブクログ読み応え抜群のミステリーです。 どんなトリックか、とか誰が犯人かなんてどーでも良いくらい、不気味な世界観に引き込まれてしまいます。 面白い。
0投稿日: 2015.02.11
powered by ブクログ一度読んでみたかったミステリー。古い本だけど読みやすかった。 金田一耕助シリーズ三弾 犬神佐兵衛翁の遺言 遺産争い 三姉妹(松子、竹子、梅子) 仮面の男佐清、佐武、佐智 絶世の美女珠代 連続殺人事件
0投稿日: 2014.11.14
powered by ブクログTVや映画で何度も映像化されている作品だが、やっぱり原作を読んだ方が絶対に面白い!!と思いました。発行された年も作品の設定も今と比べれば古いものですが、「古い」と感じることは全くありません。 連続殺人事件が起こり、犬神家の中に絶対犯人がいるとわかっていても、「犯人は誰?」と思いながら最後まで読み進めることができ、最後の1ページまで「金田一耕助のファイル」なんだと感じました。 最後は「あぁ~そうだったんだ」と金田一耕助の話を聞く一族と同じ場所にいる感覚になってしまいました。
1投稿日: 2014.10.13
powered by ブクログ「犬神家の一族」横溝正史◆犬神財閥の創始者が他界、遺言状が公開された。不気味なゴムの面を被った息子、復員風の男の影…遺言状を巡ってそれぞれの思惑が絡まり始める。保険金殺人など今でも実際ありますし、犬神家ほど血生臭くなくても相続争いは頻発しているのだろうと考えると、人間って怖い…。
0投稿日: 2014.07.07
