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金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
横溝正史/KADOKAWA
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総合評価

116件)
4.1
35
42
26
1
0
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     すべてにおいてホラーじみており、事件全体が社会的に広範囲に影響を与え、どう終結に向かっていくのかも楽しみな一冊。それでいて、綺麗に風呂敷を畳みきった素敵な一冊です。金田一シリーズの中でもかなり好きな部類に入りました。楽しかった。

    0
    投稿日: 2026.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一耕助シリーズは、もっぱらテレビで、石坂浩二・古谷一行などの演じた映画・ドラマで得た記憶ばかりで、原作小説は読んでいなかった。映像の印象が強すぎて、もっとおどろおどろしいホラーじみた代物かと思っていたが、案外、読みやすい小説だった。 また、現実の戦後混乱期の日本とリンクする情報が(小説の本筋とは関係なしに)差し挟まれているのが目につき、意外とリアリティ志向のシリーズだったようだ。たとえば「一年ほどまえにも、さる凶悪な変質者の殺人が行われた場所だった」(p.377)は小平事件を、「昭和二十二年秋のその颱風たいふうこそは何十年ぶりともいわれるほど大きなもので」(p.390)はカスリーン台風を指していると思われる。きっと、事件の舞台となる屋敷があった麻布六本木という場所も、当時は小説に書かれたような土地だったのだろう(現在の六本木ヒルズ近辺の景色からは想像しづらい暗さ)。 気になった点は、トリック(p.427)と動機(p.463)とが、どうも噛み合わないように見えたところ。入念な準備なしには致死の確信が持てなさそうな不自然な姿勢での絞殺方法になる(ちゃんと力が入るのだろうか?)と思うのだが、それを「とっさに」決心して実行したって?

    0
    投稿日: 2025.12.30
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    元華族家で起こる連続殺人に、宝石強盗事件や椿子爵の失踪が関係して複雑な事件となっている。 登場人物が多いのと関係複雑だったりで結構混乱した。 登場人物一覧欲しい。 登場人物の多さもだけど、火焔太鼓模様とかアザとか実写向きなのかなと感じた。 タイトルの回収は見事。

    0
    投稿日: 2025.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一耕助シリーズを読んだのはこれで3冊目。 思いのほか時間がかかってしまった。 全体的に気持ちの悪い作品だったなぁ。 でも読み応えたっぷり "旧華族の没落と頽廃を背景にしたある怨念が惨殺へと導いていく―― " 犯人は何となくこの人だろうと見当はついたけど、そういう理由だったのか… うぅむ、なんとも悲しい… タイトルにも頷いてしまった。 いまいち集中できなかったので、数年後に再読してみよう。 ところで、映画があるのは子供のころから知ってたけど、初めて曲を聴いてみたらイメージとだいぶ違った(^^;

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    よく出来た話だ…緻密というか、設定が凄い。 現代では考えられないほど、身内で入り乱れててそこも衝撃的でした。横溝正史は性の乱れをかなりしっかり書く人なので、倫理観バグります笑 全く関係ないようで繋がっていく、最後の告白部分はただただ切ない気持ちにさせられた。 トリックと言うよりかは、動機や人間関係に焦点が当たっていて個人的にはかなり好きな作品に入りました。

    8
    投稿日: 2025.04.20
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    悪魔が来たりて笛を吹く…タイトルがまずインパクトがあり好きで読後に意味をしり震え上がった! この作品で街のなかに金田一耕助先生がいるんだと感じた。いつもや田舎や島とかなんでね。 そして事件と同じく帝銀事件を知り調べたな〜 金田一耕助シリーズのなかでも切ない事件のひとつ。 ぜひ〜

    19
    投稿日: 2025.01.19
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    京極堂シリーズから、時代の近いこちらに移ってきました。 こちらも映画やドラマで何度も映像化されていますが、私はそのどれも観たことがありません。だからこそ、”「悪魔が来りて笛を吹く」に隠された仕掛け”に驚愕。犯人はこの曲を聴くたびに、どんな思いに駆られていたのでしょうね……。 印象的な人物は、ドロドロとした椿家の中で、「コケティッシュ」と評される菊江さん。 かつての”いいひと”に小指を捧げる情熱もありつつ、あの異様な家族の中での彼女の存在は、たしかにホッとするものがありました。 昭和を舞台にした小説ばかり読んでいるせいか、追い詰められた”不義の子”が罪を犯す話が続いているので、そろそろまったく違う動機のミステリーが読みたい……と、これは個人的な感想です( ˊᵕˋ ;) 2025.09.28再読 『迷路荘の惨劇』きっかけで貴族ものが読みたくなり、再読。 初見時は人の多さに混乱したり、あまりのドロドロさに辟易したものの、横溝作品に慣れた今となってはしみじみ読めた。 薄幸の人・椿もと子爵。 その繊細さと、潔癖さゆえに生み出した告発の『悪魔が来りて笛を吹く』がなんとも切ない。 美禰子、一彦をはじめ、生き残った人々はどうか前向きに力強く生きてほしいと応援したくなる人ばかり。

    15
    投稿日: 2024.11.27
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    実際にあった帝銀事件をもとに作ったお話です。 中学生の時に読んで、とても面白く感じました。 #横溝正史 #金田一耕助 #ミステリー #サスペンス #映像化作品

    0
    投稿日: 2024.08.14
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    ひま師匠に、横溝正史さんのおすすめを教えて頂き読んでみたの第二弾! この世界観。私の好きなヤツですね。 人がバッタバッタ死ぬヤツですねo(^▽^)o 太宰治の斜陽を当然読んでいない無知の私は、斜陽族とはなんぞや?と最初から引っかかってしまう(^◇^;) Wikipediaさんにお世話になりながら、ページを捲る。 私の父親が生まれた頃の、昭和の終戦後が舞台となる。 登場人物が多い為、自分で相関図をメモメモしながら読み進める。うん、これは読みやすい(^^) これは読書だから良いけど、もしここに本当にフルートの音色が聞こえて、効果音があったらめっちゃ怖いだろうなぁ。。。 佐清の時もそうだけど、今回は死んだと思った椿英輔の影が見え隠れするところ、映像だと怖いだろうなぁと感じた。 しかし、新宮利彦、とんでもねーヤローだ( *`ω´) そんなやつ、真っ先に殺されてしまえっ! 昭和22年、金田一耕介のもとに椿美禰子(つばきみねこ)が訪ねてきた。 世界を震撼させた「天銀堂事件」の容疑者であり、この春に失踪していた元子爵・椿英輔(つばきひですけ)の娘であった。 椿英輔は山中で遺体として発見され、美禰子に宛てた遺書もあり、自殺として処理されていた。身内のもの三名も彼の死を確認していた。 しかし、美禰子の母・秌子(あきこ)が父に似た人を目撃したと訴え、本当に生きているのかどうか、砂占いで占ってみることになり、金田一にも参加して欲しいとの依頼だった。 砂占いとは、コックリさんのようなものだった。 その日はちょうど計画停電の日であった。 集まったのは、美禰子、美禰子の母・秌子。 秌子の兄の新宮利彦、その妻華子、その子供の一彦。 秌子の母の兄玉虫公丸、妾の菊江。 主治医の目賀重亮、女中の種とばあやの信乃。 椿英輔の友人の遺児、三島東太郎。 砂占いが始まり、停電の暗闇の中で占いが続けられた。計画停電が終わり、電気がもどると、砂の上に火焔太鼓のような模様が残されていた。 その時どこからか「悪魔が来たりて笛を吹く」のメロディーが流れてきた。 その夜、玉虫公丸が何者かに密室の中で殺害される。

    124
    投稿日: 2024.07.21
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    世を震撼させた事件の容疑者となっていた元子爵が 死体となって発見された。 死んでいるのに、あちらこちらで見かけられる元子爵。 複雑な家族構成と感情。 一体何がどうなっているのか、というよりも どこが繋がって、どこが違うのかさっぱり。 読んでいけばいくほど、こんがらがって もつれは取れるのか? と思うほどでした。 驚きというよりも、想像外というべきなのか…。 あれほど作中で念を押された性格なのに これはまったく想像せず、という結末でした。

    0
    投稿日: 2024.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。横溝正史は風景描写が抜群にうまいと思います。本当に読ませられます。登場人物が多く、特に植松と植辰、おこまとおたま辺りで混乱しますが、丁寧に読み進めれば、なんとか理解はできます。 細かい謎がたくさん提出されて、それらがきちんと落ち着くところに落ち着くので、読みおわってとても気持ちがいいです。 「悪魔が来りて笛を吹く」の曲が、犯人を指ししめてしているという、最後のあのオチは美しいです。クイーンの「Xの悲劇」の最後と同じような感覚です。 話の流れとしては、少々強引かなぁと思うところもありました。飯尾のくだりはご都合展開が過ぎるような・・・。あと椿子爵の心情はあまり共感できなかったです。さすがに弱すぎでしょう。 とはいえ、取っ散らかりそうな内容を、しっかりとまとめ切ったその筆力は本当にすごいと感じました。 推理小説は読み終わった後、犯人の言動を再確認するために読み直すことがよくあります。ですが、この小説に関して犯人よりも、被害者たちの言動を確認したくなりました。そういった意味では、ちょっと変わった推理小説ともいえるかもしれませんね。

    2
    投稿日: 2024.06.02
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    横溝正史シリーズを読みたくなり購読。 全体的に暗くおどろおどろしい感じが良かった。 ただ、登場人物が多く、家系図がないと誰が誰かわからなくなりそうである。

    12
    投稿日: 2024.03.25
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    面白かった〜!!これで金田一耕助シリーズ6作目。 ミステリーって結構事件が起きるまで最初面白くない事が多いんだけど、横溝正史って第一章からめちゃめちゃ惹きつけてきて最後までずっと面白いの何なんだろう?独特の語り部目線?で本事件を陰惨さを語ってるから?? シリーズとしては全体的に似てるんだけど、今回は都心の没落貴族ってことで、他とちょっと違って良かった。 最後の演奏のとこの伏線回収すごかった!ゾクってなった。 相変わらずエンタメ要素がたくさん詰まってて華やかで楽しかったです。次はどれ読もう??たくさんあるからなぁ

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中から家族関係複雑になって家系図書かないと把握しきれなくなったw しかし細かいところに散りばめられた要素を最後に全部回収していくの見事だったなぁ… 途中で意味深な言葉(ここで〇〇していればよかったのに…)みたいな台詞も、何に関連があるの!?ってわくわくさせられて楽しかった。 突拍子もないような話に思えて、それを納得させられてしまう所も凄いんだろうなぁ。

    1
    投稿日: 2024.01.30
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    横溝正史でも特に有名な作品のひとつだが、個人的には陰鬱さや得体の知れない恐ろしさではトップクラスではないかと思う。人物達の関係性は時代を考慮すればありそうな話ではあるし、実際にあったことでもある。それをフィクションとして練り上げまるで実際に起きた事件のように錯覚してしまうほど現実的だが、ある意味「小説のような終幕」によってこれはやはりフィクションなのだと再認識する、これが作家の力なのかと思い知った。 作中の密室殺人やその他のトリックは捻りがあり難解という訳ではなく、あくまでこの作品の最大の魅力は人物同士の複雑な関係性や人の心の奥底にある恐ろしさや浅ましさといった負の側面の塊が要所要所で垣間見えるところではないかと思う。

    3
    投稿日: 2023.11.10
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    誰と誰がくっついて、誰と誰が兄弟で、誰と誰が殺されてってなりながら、やっぱり今回もたくさん人が死にました。経費使って良い旅館に泊まってみたい。

    0
    投稿日: 2023.10.09
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    横溝正史恐るべし。 点と点が繋がって線になって、はっきりとした絵になって、とんでもない結末が顕になる。 途中からは読む手が止まらず、仕事中もヤキモキするほど面白かった。 ぜひ皆んなにおすすめしたい。

    1
    投稿日: 2023.08.23
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    読むのは2回目だけど、ドキドキ感を持って読めた。何度読んでもドラマとして面白かった。結末としては、おぞましいものだけど。昔、ドラマを見た時にフルートの音楽を聴いたけどそれが思い出されて、印象的な音楽と物語が胸に残る作品。

    2
    投稿日: 2023.06.03
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    うわぁ〜……(-∀-`; ) これは…この結末は何ともまぁ…… 『悪魔が来りて笛を吹く』 タイトルのセンス抜群!!としみじみ感じますな゚+.゚(´▽`人)゚+.゚ 「この話、よく映像化できたな(^▽^;)」という感想が1番に思い浮かびました。笑 私は映画は観ていないのですが、興味ありますね( ≖ᴗ≖​) 今回も推理バトル本として読んだのですが、スレスレの85%まで読んでも全く犯人が分からず、かなり苦戦しました…(・_・; 結果、犯人を当てる事ができましたが、相手も当たったので、引き分け((´・_・`)不服) この作品は、椿子爵の自殺後に娘から金田一へ依頼。話が始まります。 『天銀堂事件』という、窃盗殺人事件との絡みと、一族の過去とが複雑に絡み合い、もう何が何だか混乱しまくりです。笑 そこで、家系図をノート1面にメモしながら読んだのですが……(-_-;) おいおいまさか…という結末に…(。-∀-) ミステリに、家系図と見取図は大事ですね♡ 後半に明らかになっていく謎が、また謎を呼ぶ。 チラチラと伏線ありますが、最後にはスッキリ回収され、気持ち良いです。 それにしても…このお話、ちょっと考えてしまいます。 何ともやり切れない気持ち…。 悲劇です…(´._.`) なんにせよ、名探偵金田一耕助シリーズ! 面白かったです! おすすめ…… おすすめ〜…は、成人済みの方に!!笑笑

    22
    投稿日: 2023.05.02
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    横溝正史の面白さがわかって6冊目が本作です。最初は展開がゆっくりで、なかなか読み進めなかったが、金田一耕助が西に行くあたりから、どんどん読み進めました。生きているはずがない人が、生きているかもしれないという不気味さがじわじわと感じられてきて、新しいことがわかると、○○と○○は、本当の親子なのだろうかとか、○○の素性がはっきりせず怪しいとか、いろいろ考えながら読めました。そして、クライマックスも、想像を上回る展開でした。また、ラストで、犯人の手記が出てくるところで、島田荘司の「死者が飲む水」を思い出しました。犯人がそうしなくてはならなかった事情が丁寧に描かれています。その一方で、事件の舞台が田舎の閉鎖的な村ではなく、都会の華族社会である分、怖さはあまり感じませんでした。それでも、至る所に事件の伏線が隠されていて、読みながら考えられる面白さがあると思います。

    2
    投稿日: 2023.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    横溝正史らしい血縁関係の乱れに起因する動機でした。 大体そうですがこういった話が出てくるとホント好きですね……という感情になります。金田一シリーズってこの味を求めて読んでるとこあるな〜

    3
    投稿日: 2023.01.21
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    #読了 キャラクターも時代背景も舞台設定もとても好みだった。夢中で読んだ。 読んでいる途中で「自殺へ追い込むほどの秘密って何?」って見当もつかずに読んでいたんだけど、途中でもしかして……と思い始めてからは、ますます重苦しい気持ちになってしまう。 自覚をもって一線を越えてしまう二人はどうかしてるし、知らずに踏み越えてしまった二人はただただ悲しい。前者の二人だったら「そういうことをしそうだね」って読者を納得させる描写はすごいなー。

    2
    投稿日: 2023.01.17
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    金田一耕助シリーズ5冊目。タイトルは知っていたが、内容は全くの初見である本作、『悪魔が来りて笛を吹く』を手に取ってみた。 「美禰子よ。父を責めないでくれ。父はこれ以上の屈辱、不名誉に耐えていくことは出来ないのだ。由緒ある椿の家名も、これが暴露されると、泥沼のなかへ落ちてしまう。ああ、悪魔が来りて笛を吹く。父はとてもその日まで生きていることは出来ない。美禰子よ、父を許せ。」―――娘・美禰子へこのような遺書を遺し、命を絶った椿元子爵。しかし、美禰子の母・秌子は夫がまだ生きているのではないかと疑っており、その疑惑を裏付けるように、元子爵に似た人物が周囲で目撃される。そして不気味に流れるは、元子爵が最期に遺したフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」。退廃した旧華族が生み落とした"悪魔"による惨劇が幕を開ける―――。 戦後日本の混乱期を舞台に起こる惨劇、明かされるは旧華族の忌まわしき罪業。ざっくりとした事件の全体像は予想し易く、そこまで意外性のある展開ではなかったが、「悪魔が来りて笛を吹く」―――この曲に込められたメッセージは全く予想できなかった。これが明かされるラストシーンには総毛立った。読者の記憶に刻みつける至高のラスト。

    2
    投稿日: 2023.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    横溝正史とはこんなに時代の先を見ていた作家だったのか。 正直なところ横溝正史の作品をじっくりと読んだのは初めてだった。 映像化された作品は観てきたけれど、よくありがちな原作にはあたらないというムーブばかりしていたのである。 今回読むきっかけになったのは9月4日にNHKで『シリーズ深読み読書会/悪魔が来りて笛を吹く』が再放送されたからである。 横溝正史は『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』など田舎の因習ものという作品を立て続けに発表し、その後で都会の貴族ものである『悪魔が来りて笛を吹く』を書いたのだと番組内で言っていた。 そういうわけで私はこの番組を見て、いわゆるネタバレを受けた状態で読むことにした。それぐらい引力が強い作品だった。 これは結末を言ってしまえば愛した女性と自分が異母兄妹だったことが発覚し、女性が自殺したことがきっかけでその原因となった自分たちの父親を含む一族を殺害した青年が最終的に自殺をする。 近親相姦故によって生まれた子どもたちが、そのことを知らず惹かれ合った自分たちも近親相姦をしてしまったというやるせない悲劇の話だ 番組ではこの作品を深読みし、横溝正史はこの時代にこの作品によって何を言いたかったのか、隠されたメッセージは?という深読みをしていく内容だった。 近親相姦はめずらしいことではない。日本でも繰り返されてきた歴史もある。天皇家でも行われてきたことだ。じゃあ近親相姦が生まれる土壌とは何か?というと家父長制だと言う。家という形、共同体を何がなんでも守るため、そこに外部の血を入れないという排他的な思想が近親相姦の土壌だと有識者たちは語っていた。 それを考えると確かに横溝正史の作品はいわゆる『家』というものにフォーカスした話が多い。 『悪魔が来りて笛を吹く』は舞台は都会で貴族の話だけれど、『八つ墓村』『犬神家の一族』なんかは田舎ものだけど確かに一族や〇〇家の話だ。 そしていずれも悲劇の発端はその家の家長である人間の身勝手な振る舞いである。 そもそもこいつらが何もやらなければ、何も起こらなかった。 そういう話が本当に多いなと気づかされた。 有識者の島田雅彦氏は「日本の小説は家庭小説が多い。家庭とは、家とは暖かく優しい場所ではなく逃れようのない地獄であり、そこで苦しむ人達がいるからこそ家庭小説が多く生まれている」ということを言っていた。 そう考えるとずっと横溝正史は家(家族、家父長制)と戦う小説を書いてきたのかもしれないと思った。 令和の今でも残念ながら家父長制から解放されたとは言いづらい状況だと思う。少なくとも私はそう感じている。 家父長制を倒さねば、戦わねばという志を持った男性作家があの時代にすでにいたのだとすればこれほど心強いことはない。 今回の『悪魔が来りて笛を吹く』で一番好きな台詞を引用してみる。 金田一耕助に調査を依頼したストーリーの起点、この作品のヒロインである椿美禰子(みねこ)のこの台詞だ。 『この家はできるだけはやく処分しましょう。そして、あたしたち、どんなにせまい家でもよいから、明るい、よく陽の当たる場所に住んで、身にしみこんだこの暗いかげを洗いおとしましょうねえ』 戦後没落していく貴族。殺人事件なんてものが起こったあとに残されたその家の当主が若い女性で、その女性にこんな台詞を言わせるのは横溝正史が家と戦ってきたということを踏まえると非常に示唆に富むものだと思う。 まさか横溝正史を家父長制批判をした作家だという視点を得ることになるとは思わなかったけれど彼や彼の作品に対する見方がガラリと変わった。 もっと横溝正史に触れたいと思う。

    5
    投稿日: 2022.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東京のお屋敷が舞台だから、おどろおどろしい雰囲気は無いなぁと思っていたら、とんでもなくおぞましく悲しい結末が待っていた。後味の悪さでは他を凌駕しているかも……。 すべて終わった後に、椿元子爵の遺したメッセージの意味が分かったのが切ない。特定の指を使わずに演奏できる曲というのはまったく想像していなかった。正にタイトルの通り、最後にこの曲の謎を解いて死んでいく治雄が哀れだ。

    3
    投稿日: 2022.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一番おぞましい話だった。想像とどうか違ってくれ~と思ったら当たってしまい最悪な気分。ていうか過ちを知らなかったならまだしも、現在進行形でやってるところが本当に気持ち悪い。そりゃ椿子爵も病みますわ! すごい読み進めるの遅かったのは、なんででしょうか。 誰のことも好きになれなかったからかしら。 最後の笛を吹くシーンはぞくりとしました。 すごい……。

    2
    投稿日: 2022.08.05
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    ★3.5くらい 金田一耕助シリーズのおどろおどろしさを余り感じられなかったのが残念。ストーリーや謎解きは期待通りだったので残念。

    0
    投稿日: 2022.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    爛れた人間関係の中で殺人事件を起こすことでは右に出る者がいない横溝正史。今作も見事なまでに、いくら創作とはいえ、ここまでケダモノじみた人間ばっかり出てくる世界を終戦直後の日本に置いていいのか?というような状態になっている。この人の小説だけ読んで、戦後の没落、衰亡しつつある華族の生活を読み取ろうとすると、歴史をひどく読み違えてしまうのではないか、と不安になったりもする。 今作は、実際に起きた天銀堂事件という毒殺事件もストーリーに織り込まれているので、余計に「本当に起きた事件なのではないか」という気にさせられてしまう。舞台は70年以上も昔の日本なので、事実と創作が交じり合い、真実を読み切れないという意味で、当時のことが全く分からない2022年の今になって読むのがちょうどいいのかもしれない。 フルートを吹くことぐらいしかできず、戦後の世の中に馴染めない旧華族の子爵の失踪。子爵が失踪前に作曲したフルートの曲が流れるたび、子爵の家の者が次々と殺されていく。殺人は子爵の家に留まらず、遠く関西にまで広がっていく。金田一耕助は殺人を追い、子爵の家族の来歴を追い、姿の見えない殺人犯を追っていく。 今作の登場人物たちはほとんどが子爵の家に限られているのと、かなりの人数が殺されて姿を消していくのがあり、終盤になれば殺人犯を指摘するのはそう難しくない。序盤から中盤にかけ、殺人犯を特定できる「あるヒント」が何度か出てくることもあり、「犯人を探し出す」という推理小説の目的の一つは達成できる読者も多いと思う。 しかし、犯人の生い立ちや子爵家の人々を殺していく動機までを読み切るのは難しいだろう。それぐらい、この作品には横溝正史の尋常ならざる想像力と「エグさ」が満ち溢れている。 最後の幕引きの場面は、いかにも金田一耕助モノらしい犯人の末路が描かれる。というか、横溝正史は「この幕引きの仕方」しか知らないんじゃないか、というぐらい、他の作品と同じような運命を辿っていく。この儚さが、ややマンネリとも言えるが金田一耕助モノの読後感を寂寥としたものにする一つの理由だろう。

    2
    投稿日: 2022.06.23
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    はじめての横溝正史。犬神家の一族を読みたかったが、図書館になかったので、タイトルだけ聞いたことのある本作を読むことにした。舞台が戦後であり文体も少し古いが、今も衰えない名作だな、と思った。 伏線だろうな、というところが分かりやすく、それをきちんと回収してくれて読んでいて楽しかった。 斜陽一族というのがミステリーとの相性がいいのか面白かった。他作品も読みたい。

    2
    投稿日: 2022.05.08
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    中盤に場面が明石、淡路に移ったあたりから盛り上がってきて、怒涛の展開で一気に読んでしまいました。 終盤、人間関係が複雑で混乱したけど、細かい設定も凝っていてとてもおもしろかったです!

    2
    投稿日: 2022.05.07
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     1951(昭和26)年から1953(昭和28)年にかけて雑誌連載された作品。『本陣殺人事件』(1946)『獄門島』(1948)『八つ墓村』(1951)『犬神家の一族』(1951)に続く、戦後すぐの初期の金田一耕助ものの名作群に連なるもの。  こないだ比較的後年の『白と黒』(1961)を読んだばかりなので、作風・書法の違いを比較しながら読んだ。『白と黒』では文体がユーモアも含んだちょっと軽い感じのものであった。これは戦後間もない頃の作風とかなり趣が異なっている。  比較的初期の横溝正史の作品世界は怪奇趣味、陰惨さへの好みに彩られているのが魅力的なのだが、60年代以降は薄まったのだろうか?  この『悪魔が来りて笛を吹く』は生首のようなものは出ないが、死んだはずの人間がちらちらと姿を現す点で、やはり怪異への傾斜をもつ。  この頃の金田一耕助ものの語り手がよくそうするように、冒頭で作品世界の陰惨さを規定されている。   「ほんとうをいうち、私はこの物語を書きたくないのだ。・・・これはあまりにも陰惨な事件であり、あまりにも呪いと憎しみにみちみちていて、・・・」(P.8)  この主調の気分を維持するために、描写は一定のベクトルを向いて連発される。 「・・・椿英輔氏の邸内で、あの血腥い最初の惨劇が発見されたのは、夏から秋へうつりかわる季節にありがちな、妙にうっとうしい、そうでなくても気が重くなるような、鉛色にくもった朝だった。」(P.103)  主調に従ってつらなっていく情景描写は、このように、ディテールに渡って自己組織化されていくのが分かる。この後も「無気味な」「異様な」などといった形容が続き、少々おおげさな描写も多く出てくるし、登場人物も鬱屈して何やらしきりに怒りを見せる。珍しく金田一耕助も何度か「憤り」に駆られている。  横溝正史は日頃絶えず推理小説のトリックのことばかり考えていたようだが、私はそんなに「トリック」には興味を持たない。物語を書き込む操作にあたって、小説素がどのように組織化されていくかに関心があり、その生成プロセスの明確さゆえに、横溝正史作品に惹き付けられている。ホラー的なものへの好みにおいても、この作品世界はエドガー・ポーを想起させるものがある。  本作は最後に解明される謎の内容が陰惨さの主調にぴったりとはまっており、全体が分かりやすい調性構造によってよくまとまっている。

    3
    投稿日: 2021.11.05
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     仕事が忙しかったりで読了に時間がかかった。恐ろしげな曲×殺人事件もクラシカルで良い。本筋の事件に直接関わりはないが、帝銀事件をモチーフにした事件も出てくる。  金田一耕助シリーズは4作目だが、相変わらず人がよく死ぬ。今作の犯行動機が1番胸糞悪かった。動機というか、動機となった出来事が気持ち悪すぎる。最後になかなかの真実を暴いて、苦しい運命を受け入れろと迫る真犯人の残酷さは、その血をしっかり受け継いでいる。

    2
    投稿日: 2021.10.16
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    斜陽の子爵家を舞台に起こる、いわゆる「館ものミステリー」を勝手に想像してたら、「館」感はかなり薄め。特に中盤以降はどんどん屋外に話が広がっていったのは、個人的に「館ミス」が好きなので残念だった。ストーリーもトリックも並レベルだと思った。

    2
    投稿日: 2021.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もちろん途中の話がつまらないとか冗長というわけでもないが、ラストで全部持っていかれる感じ 旧華族のドロドロした雰囲気に、さらにドロドロとした人間関係、そして色々なモノを巻き込み多くの人間の人生を狂わせたヤツらに対する報復… 簡単に割り切れるはずもないけど、これは「復讐劇」の話なんだな〜と思う。

    2
    投稿日: 2021.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず、雰囲気がとても良い。 文章も、『本陣殺人事件』を読んだ時は読みにくいと感じだが、今ではとても読みやすく感じる。 密室トリックはあまり驚きはしないが、仏像の入れ替え、秋子が見た悪魔の正体、「a=x,b=xならばa=b」を用いた入れ替わり、などの小さなトリックは面白かった。 そして最終章で今度は別の方向から驚かされた。 あの曲に込められたメッセージ、そしてタイトルの意味...切なさをも感じさせるラストもとても良かった。 一点だけ文句を言うのならば、痣はおそらく遺伝はしないので、偶然だとしてもなぜ"偽"東太郎に父の利彦と同じ痣があったのかは一言説明が欲しいところではあるが、全体として見ればそんな些細なことは気にならない読者を引き込むプロットは素晴らしく、横溝作品の良さを感じられた。

    4
    投稿日: 2021.07.17
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    再読。やっぱり何度読んでも面白い。キャラといい描写力といい読み易さといい横溝正史は最高だ。 最後、なんとも言えない哀愁が漂い、解決したけど、すっきりしたけど、なんとも言えない気持ちになる。 運命って皮肉だよね。

    10
    投稿日: 2021.07.04
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    悪魔が来たりて笛を吹く 読了 金田一耕助シリーズ。 横溝正史作品は一族の人物がたくさん出てきて相関図がないと混乱してしまう。次から次に起こるおぞましい事件の数々を最後の最後にしっかり伏線回収してくれて腑に落ちる。 ドラマ化や映画化を何度もされてるだけの人気作。 伏線回収時にネットにある相関図を見るのをオススメ。

    4
    投稿日: 2021.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半少し飽き気味だったけど、半分くらいで話の展開があららっとなって、グイグイ読み終わりました。 最後の方は、あーそういうことかなーと少し予想できつつ、うげげ、な結末。 最初の方に、気持ち悪い結末だよーって予告してたけど、そういうことね、、そうだね、、というかんじ。

    2
    投稿日: 2021.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一耕助シリーズ、3作目。特に順番は決まってないとのことだから、当時出版された順に読み進めている。 悪魔が来りて笛を吹く、悪魔は誰なのか。死んだと思われた人物は生きているのか。世間に出せない悪魔のような秘密とは何か。 最後の最後までワクワクさせられる展開、特に最後の5ページぐらいはぞくっときた。 なぜこの題名なのか、最後まで読んだ人しか分からない。ここまでピタリとくる題名もそうそうないし、なるほどと思わされた。 令和の時代じゃなかなか書けない内容だけど、でも人間の本質は善ではなく、悪だと思う。そこに刺激を受けるし、楽しいと感じる。もちろん現実ではあり得ないけど、本の中でそれを追体験させることができる。これこそが読書の醍醐味ではないか。 いっとき、「バトルロワイヤル」が社会現象になった時も人が求めているからこそであり、今の抑圧された世の中じゃいつか限界が来るよう気がしてならない。 この本もいつまでも名作と言われ、邪悪を含んだありのままの言葉で後世に残ってほしいものだ。

    3
    投稿日: 2021.01.24
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    私が横溝正史が一番好きな作家、というのは高校生の時にこの『悪魔が来りて笛を吹く』を読んだから。 昭和時代の作品ということもあり、日常的に使わない言葉や、華族なんかが出てきたり、探偵小説あるある、登場人物が多くてなかなか読むのに手こずった思い出がある。 最後まで読んだ時、得も言われぬモヤモヤ感が胸につかえ、それが何とも心地よかったことを覚えている。 自分語りの感想となりました。

    2
    投稿日: 2020.09.07
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    初横溝正史。 有名な題名なので。 どこからともなく聞こえるフルートの音色、殺人、火焔太鼓。怪しげな事件が起こり、最後まで真相が見えないところにワクワクした。読者が真相に気づけるものではない気がする。 戦後で登場人物の経歴(戦火で焼け出された、復員してきた、ヤミ市など)に時代性がある。 結局菊江は何者だったんだ。

    2
    投稿日: 2020.03.08
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    横溝正史が扱う素材としておおいのが、昔ながらも家制度、そして近親者で家を守り、継承しようとする旧体制、近親者同士の結婚やそれがもたらす災いや苦悩である。 本書も、旧伯爵家、子爵家にまつわる近親者による交わり、その子供らによる苦悩が殺人事件の根幹に底流する。

    1
    投稿日: 2020.01.31
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    犬神家の一族みたいに途中いろいろああじゃないかこうじゃないかと登場人物が推理する場面や読者の考えつきそうなことを挙げてみたりと考えながら楽しく読めた 読むにつれてドロドロした辛い話になっていくのでメンタルがやられたけど

    0
    投稿日: 2019.11.20
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    あらすじ程度は覚えていたので映像では見ていると思います。タイトルのインパクトはすごいですね。おどろおどろしさだけを記憶に残していましたが、細かい部分が想像以上に痛々しく、犯人にうっかり同情しそうになりました。血が呼ぶってこういうことなのでしょうか。途中で箍が外れてしまったのか、意図の違う殺人にまで走ったのが悲しかったです。曲の秘密が最後に明らかになったときは衝撃を受けました。だからそんな特別な音色だったのですね。とても悲しい話ですが私はこの雰囲気も緻密に計算されたストーリーや描写もとても好きです。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一耕助のもとに椿美禰子という女性が依頼に訪れる。 彼女は世間を騒がせた天銀堂事件の容疑者であった椿英輔の娘であった。 容疑をかけられた後に失踪し、遺書を残して自殺。 その密告をしたらしき者は身内にあるらしい。 そんな中、椿子爵が生きているという幻想にとりつかれている母が子爵らしき人物を実際に見かけた-本当に父は生きているのか? 金田一は美禰子に招かれ、椿邸を訪れる。 そこで訪れる悲劇とは。 ***** ドロドロ。 旧華族の面々がずらり、どの人物も皆腹に一物ある雰囲気。 悲劇の人物として、椿英輔子爵。 彼の妻、年齢よりも若く見え、美しいあき(火に禾)子夫人は伯父や兄に倣うかのように子爵を見下していた。 そのために、彼女は子爵が実は生きていて、怨みを晴らしに来るのではと恐怖にとりつかれることになる。 身内では娘の美禰子だけが父を敬い、心配し、その死を悲しんでいたんだろう。 起こる事件はどれも恐ろしく、金田一のキャラクタで緩和されるもひやっとするものばかり。 それ以上に事件の発端となった出来事の裏は怖かった。 犯行を暴かれてもなお動じず、肝が据わった犯人を生みだすことになった過去の悲劇。 罪のない女性や、その子供が犠牲になるということは悲しかった。 ヒロイン?美禰子の芯の強さは救い。

    3
    投稿日: 2019.04.25
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    散らばっていた謎が全て回収されて行く気持ち良さは圧巻。横溝作品は有名過ぎないものの方が真価が分かる気がする。一般に浸透しきったものは映像やそのオマージュ作品のイメージがちらついて、純粋に物語を楽しめないので…… 文章は読み易く、場面転換もテンポよく。幾筋も並行していたと思わせるストーリーが最後には絡み合って犯人と動機に結び付く。鮮やか。 ただし現代のサイコパス殺人犯やスプラッタな描写に慣れた身には、ミステリーやホラーの衝撃度が柔らかい。使われる語句や明治の人の言葉遣いに日本らしい情感があって、その調子で語られるからしっとりした陰惨さが際立つ。そこが横溝作品で味わえる独特の怖さと魅力なんだろうと思う。

    2
    投稿日: 2018.12.17
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    なんで指輪をそこに置いたのか 本格ミステリとしてのできばえは熱心な読者でないのでよくわからないが 作者作品一番の長所といえる強烈な印象を受ける場面が弱く感じる 警察小説として話が進んでいく過程はさすがの仕上がり

    1
    投稿日: 2018.10.19
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     先日NHKスーパープレミアムで、横溝正史原作の『悪魔が来りて笛を吹く』が放送されていました。  金田一耕助を探偵役とする小説で有名です。  代表作は、「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」他  そもそも数年前までは、推理小説を読んでいなかったのですが、ツイッターの友達にお薦め本を紹介してもらい、宮部みゆき氏の「火車」「理由」を読んでから嵌ってしまい読み始めました。  その流れで江戸川乱歩・横溝正史もありきといった具合です。おそらく前者二人の作品は全て持っています。どちらかというとホラー小説に近いものもあり表紙の絵も時代を感じますね。

    5
    投稿日: 2018.10.15
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    むかーし、昔に読んだよなぁ。これ、映像も観た気がする。 それほど昔のことだな。 図書館で夏のホラー、サスペンスもの的な企画で並んでいたので借りてきたのだけれど。 あぁ、この時代はこういう設定が多かったわ、確かに。

    3
    投稿日: 2018.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【ネタバレあり】 「悪魔が来りて笛を吹く」タイトルが何度も口に出して言いたくなるくらい好き。どんなメロディーなのかな、映像で見たい。 他人の空似というミステリにおいてある意味禁じ手と思われるところを、天銀堂事件の犯人のモンタージュ写真を絡めることによってうまく処理していると思った。没落華族のただれた人間関係の末に誕生した悪魔、その結末は悲しいものだった。そんな中、美禰子の強さに救いを感じました。冒頭でも後味の悪さに置いて極端と書かれているけど、後味の悪さで言うと私は獄門島の方が後味悪いと感じたな。

    3
    投稿日: 2018.07.25
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    冒頭部分で“この事件はあまりにも後味の悪さにおいて、極端であろう・・・”と書いてあったので、少々心配な気持ちで読み始めましたが、呪わしい人間関係に戦慄しつつも、ミステリーとしての面白さでページを繰る手が止まらず、一気読みしてしまいました。 現代物のイヤミスが苦手な私でも、金田一シリーズはOKなんですよね。 時代背景もあると思いますが、横溝さんの文章が合っているのかな。と思います。

    2
    投稿日: 2018.03.04
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    これも映像作品で有名な一作。 とにかく人間関係、 事件の背後に潜む核心部分が どろどろとして暗く、 気持ちの悪い物語だった。 だがこれ程に複雑な設定の物語を 編み出したのは見事という他ない。 読み応えは非常に高い作品。 「悪魔が来たりて笛を吹く」の 意味が明かされた時、 膝を打つ事間違いなし。 ただ「〜に良く似た人物」なんて いうのはミステリ的にアンフェアかな。

    0
    投稿日: 2017.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

     その昔、土曜午後10時から「横溝正史シリーズ」というドラマがあった。金田一役は若き古谷一行で、おどろおどろしい雰囲気と匂うエロチックさが、大人の世界を垣間見せていた。  その中でも本作は、暗いフルートの音色、奇妙な占い、●●●●が生んだ「悪魔」の意味など独特の位置づけにあり、テレビ栄えする作品でもあった。  実は原作小説は初読破。とはいえ、ストーリーの骨格、誰が犯人か、その動機も全部判って読み進めたが、それでも駒子殺害→新宮利彦殺害の件からグイグイ読ませ、謎解きへジリジリと誘っていく描述は凄い。  殊に、金田一も犯人像が見えていない須磨・淡路島調査。そして、突如発生する駒子殺害とこれを呆然と見送る辺りは実に素晴らしい。  没落華族(華族制廃止)や、戦災の模様。例えば、東京は買い出し不可欠であったが、一方の田舎や漁師町は食い物がまだあったこと。あるいは淡路で購入した卵が対岸の神戸では3倍で売れるなど闇市の実像も生々しい。  戦後直後のリアルな情景描写の作としても楽しめる。

    1
    投稿日: 2016.12.22
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    映画もテレビもこのストーリーは見たことがなかったのでとても新鮮に読めた。華族社会がどんな風だったのか、垣間見れる横溝正史作品が好きだ。あと、血のこと。この作品は血のことが書かれている。

    0
    投稿日: 2016.12.14
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    横溝正史さんの読者も登場人物と同じように鳥肌が立つようなゾクゾク感を持たせる構成がとても好きです。 この作品でキーワードとなるのが「笛」と「悪魔」です。 誰が悪魔なのか?というよりも、どうしてその人は悪魔になってしまったのか知ると謎が解け、背中に冷たいものが走る感じがします。 金田一と一緒にどうして?と考えても、金田一がいつも読者の私たちより一歩前を歩いているため、ページをめくる速さもだんだんと早くなっていきます。そのくらい、怒涛の展開で読むのを止めるのが惜しい気持ちになります。

    1
    投稿日: 2016.05.02
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    『ひとり横溝正史フェア』の今回の作品はこちら「悪魔が来りて笛を吹く」。 貴族制度が廃止された日本、社会を揺るがす毒殺事件の容疑者でもある椿元子爵が失踪し遺体が発見される。遺体を確認したにも関わらず、椿元子爵は生きているのではと母親が言うためひとり娘である美禰子が金田一耕助に調査を依頼する。 金田一耕助が元子爵邸に向かい、一堂揃って元子爵について占いをすることになる。 そんな中聴こえてきたのは、元子爵が作曲した「悪魔が来りて笛を吹く」のフルートの調べ。 今作では有名な「帝銀事件」や貴族制度が廃止された斜陽族といった社会情勢と創作の事件をうまく絡めている。 また、現実的なことと亡くなった元子爵の亡霊がフルートを吹くといった幻想的なこととがあわさり耽美な魅力に溢れた一冊。 以前読んだときにはわたし自身が犯罪に余り興味がなかったようで、すらっと読んでしまっていたようだが、今回読み直すと興味深く読むことが出来た。 「帝銀事件」の犯人とされた平沢貞通は途中で自分は犯人ではないと言い、死刑判決は下っているものの真相が不確かなまま平沢貞通も亡くなってしまっている。 真相が明かされないまま時間だけ過ぎたこの大事件は、きっと横溝正史にとっても大きな関心事だったことと思う。 この「帝銀事件」についての物語ではなく、あくまでそれを取り入れただけではあるけれど、こういった現実の事件と絡めると否が応でも魅力は増してくる。 また、貴族という身分であるがゆえに起きうるとも言える乱れと、家名があるがゆえの苦悩といった、いかにも横溝正史な澱んだ世界が展開されており、醜悪で不快とも言えるのに読む手が止まらない。 今作では他に勝るとも言えるほど醜悪さが際立っていると思う。 また内容も重く、濃厚すぎるが先を知らずにはいられない。 確かこちらの作品も映像化されているはずだが、悪魔の紋章を見せつけるところ以外は殆ど記憶がない。 映像化するに当たり、肝とも言えるフルート曲は本当に原作にある通りの曲だったのか、もう一度聴いてみたいと思ったりする。 最後の犯人が名乗り、犯人による記録を美禰子が読む部分は心が痛むような重苦しさがある。 こちらは読後感が良いとは言えない作品だったが、これはこれで横溝正史の美なのかもしれない。

    3
    投稿日: 2016.02.25
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    何だこの表紙。というのはさておき、金田一シリーズではトップ5には入る代表作。 内容的には、横溝正史のある種、場当たり的で混沌とした中での連続殺人で、金田一耕助が悩み解いているあいだに被害者が増えるというパターン。 その中でよくあるのが、「そこまで予想しているのなら先回りしろよ」というものだが、本作は結構ギリギリのタイミングで殺人事件が起こるので、さほど気にはならない。 ただし、結局殺人現場から推理するのは、連続殺人のうちのたった1つだし、オチも科学的に全く説明の付かないものだし、解決もスッキリ感はすくない。ストーリーも場当たり的で、結局は出てくる怪しいキャラクターたちが全て。 とはいえ、2段3段のどんでん返しもなく、裏もないのに、ここまで読みこませられるのは、強烈なキャラクターをつくり上げる横溝作品ならではのものだろう。

    3
    投稿日: 2016.02.05
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    ちょっと横溝正史熱が止まらない。 わたしの心の中では悪魔が来たりては 結構上位。 関西人なので、よく知った地名が出てくるのが 楽しいのかもしれない。 そしてフルートの音色と椿子爵の潔癖な雰囲気が 繊細なオカルト色を出していてその雰囲気に 酔いたい時に取り出して読む一冊。

    0
    投稿日: 2015.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旧版(緑304)で読了。杉本一文さんの表紙で登録したいな〜。中学生時依頼の再読だけど、フルート曲の意味とか犯人とか意外と覚えてた。それだけインパクトがあったのかな。中学生には衝撃的な内容だったと思うけど、改めて横溝正史の醸し出す伝奇的雰囲気には昔も今も変わらず魅了されるな〜。

    0
    投稿日: 2015.12.14
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    貴族社会と近親相姦が招いた不幸な出来事をベースとした金田一耕助ミステリー長編でした! 序盤で犯人のめぼしはついていましたが、犯行動機や背景がよく分からず話は進んでいき、最後に全てが明らかになったとき、よくねられた犯行動機や複雑な人間模様(背景)に脱帽でしたね! 完全に金田一耕助シリーズにはまっておりますが、次、いってみます!

    0
    投稿日: 2015.11.20
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    登場人物の関係性が途中で混乱するけど、金田一作品ではよくあることだから慣れた。 他の作品に比べたら殺人シーンは怖くない。

    0
    投稿日: 2015.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父が昔購入したもの。 ある種コテコテの舞台設定、登場人物達ですが好きな系統なので平面的とは思わなかったです。 犯人の出自のトリックですが、病気でもないし、特定の形の痣なんて遺伝しませんよね? そこだけ子供だましだなあと思ってしまいました。

    0
    投稿日: 2015.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回の事件は椿邸で起こった殺人事件。 トリックがどうのというよりは、椿一家とその取り巻きの秘められた過去を明らかにしていくというストーリーで色々な場所へ行って謎を解いていく。結構人間関係が複雑なのでしっかり理解しておかないと途中でわからなくなる。 近親相姦がこの事件のキーになってくるのだけど、人を何人も殺すほど恥じな事なのかなぁ?そりゃ普通ではないけど。 身分や世間体を気にする昔の人なら、それほどショックなことなのかもしれない。 横溝正史の小説は面白いけど、動機にいつも首をかしげる。「そんなことで人殺すの??」っていうのばかり。

    2
    投稿日: 2015.07.01
  • 横溝小説は面白い

    八墓村、本陣殺人事件などなど、数冊を読みました。 どれも読みごたえがあります。 ですが、一番物哀しかったのが、この一冊です。。。。。。

    1
    投稿日: 2015.03.27
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    ずっと頭に引っ掛かっていた微エロな感じの映像がなんであったのか、これを再読して判明した。 たぶん秌子の寝室の様子だったのだろう。悪魔が笛を吹くシーンの靄っぽい感じとかは鮮明に覚えている。 たぶん、再放送か何かで見たのは小学生の時で、本気で怖くて眠れなくなった。十何年振りかに読み返してみると、すごく構成が緻密で淡路島あたりの戦後の風景も目に浮かび、私の大好物である「お邸」の雰囲気も抜群で、これに小さい頃触れたらそりゃあずっと心に残るだろうな、と。

    2
    投稿日: 2015.03.11
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    物語を包む陰惨で、暗澹とした世界観の構築は流石です。 この時代を描くからこそのリアリティってあるよね。 最初は密室などが出てきて案外正統な本格なのかと思いきや、密室にはさほど触れずに椿元子爵やお家の秘め事を詮索する旅に重点が置かれています。 この過程で、徐々に輪郭を露わにしていく邪悪としか言いようのない事件の背景には悪寒を禁じ得ません。 半年前に獄門島を読んで以来、手を出していなかったのでこれを契機に氏の作品を読んでいこうと思います。

    2
    投稿日: 2014.11.18
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    定期的に、横溝御大の作品は読んでおかねば!な衝動に襲われる優等生なミステリスキーです← そんなわけで、【悪魔は来りて笛を吹く】です。何と無く、乱歩の【地獄の傀儡師】を彷彿とさせる作品でした。 どこからともなく現れるピエロ…事件現場に鳴り響く陰鬱なフルートの音色…こういうゴシックな雰囲気のミステリは、最近あまり見かけませんねー( ^ω^ )ミステリファンは好きだと思うんだけど…古いか 密室ものかと思いながら読んで行くと、失踪した子爵の足取りを追うというサスペンスドラマな展開になっていったので、あれあれ?とちょっと肩透かしだったかな。 金田一作品は過去の因縁が動機に繋がってる作品が多いから、そのリンクの元を辿るのはそりゃそうなんだけど。今作は本陣や犬神家に比べて、殺人そのものにフォーカスしてない印象を受けました。 しかし、犯人の動機は相変わらず悲惨だな…。登場シーンから犯人が分かっちゃうのは横溝作品の欠点かつチャームポイントであるとは思うんだけど、途中まで父親は子爵の方だと思ってたわ。畜生度はそれを更に上回ってて戦慄しました。殺されるに値する畜生な人間を描かせると、御大に敵う人はいませんね!←褒めてる 宝石店の従業員を惨殺し、宝石を奪うという世にも稀な強盗殺人の容疑者と目されていた椿元子爵が自殺を遂げた。元子爵の令嬢に、「父を密告したのは誰なのか。父が生きていると母に思わせようとしている人間は誰なのか調べて欲しい」との依頼を受けた金田一が椿邸にやってきたその夜、果たして事件は起きた! 「悪魔が来たりて笛を吹く」の禍々しい旋律が流れるたびに起こる、連続殺人。金田一は、没落した旧華族を嘲弄する殺人鬼の魔手から彼等を守ることができるのか?

    0
    投稿日: 2014.11.10
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    続出する事件と次々に明らかになる事実、物語にぐんぐん引き込まれ最初から最後まで夢中になって読むことが出来た 犯人の凶行の引き金となった不徳義の連鎖に閉口、ドロドロすぎる! ドラマチックな幕切れが見事で、映画やドラマなど聴覚的な体験も出来る媒体であの場面を鑑賞してみたくなった

    1
    投稿日: 2014.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    若干のくどさと展開や、人間関係の暗さからある程度「嫌なオチにしかならないような気が…・・・!」と想像をめぐらせていたらやはりその通りでした・・・・・・。ですが殺人現場に残されている謎や、主人公が犯人の足跡を追うつもりで向かった先でまたも殺人事件が・・・・・という展開は分かりやすく、「どうなってんの?!」とは十分に思わされました(笑) ただやはりちょっと読みづらい、かなとは。。複数人で話されると誰が誰だかわからなくなってしまったり(私の読む力がないだけかもしれませんが) ただ題名の付け方や、題名と内容の関わり方や昼ドラ並みにドロドロした人間関係の描き方は秀逸だと思われますので、気になった方は一度読んでみてもいいかと思います。

    2
    投稿日: 2014.03.01
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    これも映像化作品はいくつか見ていますが、原作は所見。 いや~、どろっどろの愛憎極まれりで、横溝正史の真骨頂というかんじです。 神戸、新開地、淡路島、兄妹というキーワードから『ポートピア連続殺人事件』との類似も気になるところです。 実際、本作で密室に血染めの火炎太鼓が描かれた経緯と、ポートピアの密室殺人の謎は、ほぼ同じトリックですし。 あと、事実上のヒロインである美禰子(みねこ)、映像化作品では軒並み清楚な美人ですが、原作では、かなりの「おでこ」でお世辞にも美人とは言い難い、とされているのも面白いところです。

    0
    投稿日: 2014.01.03
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    横溝正史の中では1番怖かった。あくまでミステリなので、この所業を生身の人間がやっているわけである。今にはない気味の悪さがある。

    1
    投稿日: 2013.12.07
  • 堪能しました。

    子供の頃に一世を風靡した横溝正史ブームを思い出し、懐かしさに駆られて読んでみました。 戦後の時代背景と、美禰子が父を信じる気持ちがしっかりと描かれており、一気読みでした! やはりおもしろい本は時代を超えていつまでもおもしろい、そんな気にさせる一冊です。

    0
    投稿日: 2013.11.23
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    最後の謎解きはちょっとわざとらしかったけど、 特に手記という手段がよく使われる気がするけど、 でも横溝正史はやはり安定しています。 面白かったです。 まあなんと言ってもタイトルがいいね。 『悪魔が来たりて笛を吹く』 なんて詩的なタイトルかしら。 横溝正史はタイトルのセンスがいい。 時を経た今でもアイキャッチで美しいタイトルが多い。 『悪霊島』 『八つ墓村』 『獄門島』 『犬神家の一族』 『悪魔の手毬唄』 ま、映画化されたものばかり挙げたけど、どれもいい。 でも『悪魔が来たりて笛を吹く』が一番美しい。 関係ないけどついでに言うと、 片岡鶴太郎の金田一耕助は受け入れ難い。

    1
    投稿日: 2013.08.31
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    おどろおどしく猟奇的な事件に対し、金田一が論理的に推理します。奇怪な謎がするすると解けていくさまは美しいです。 著者が「自分の作品の中でベスト6に入る」と言うのも頷ける力作です。

    0
    投稿日: 2013.07.16
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    横溝正史の本を初めて読んだのだけど、 あまり芸術的な文体ではないんだなあという印象。 とても読みやすいけど。 ついつい引き込まれて、なかなか読むのを中断できない 面白さだったけど、オチが… 時代なのかな~?

    0
    投稿日: 2013.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    毒殺事件の容疑者となり、自殺した子爵の邸宅で繰り広げられる殺人事件 死んだはずの子爵の影が事件のあちらこちらに… 次第に判明していく旧華族たちのおぞましい関係図 金田一耕助の視点と共に進展していくので、じわじわと全体図がわかっていくのがたまらん!! 子爵が作曲した「悪魔が来りて笛を吹く」がもつ意味など、うわぁ…と絶句 密室トリックは微妙でしたが、それを覆い隠すほどのドロドロした人間関係がすごい! 2012/10/22-23

    2
    投稿日: 2012.10.24
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    毒殺事件の容疑者椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え七人の命が奪われた。悪魔の吹く嫋々たるフルートの音色を背景に、斜陽族の内面を描く。 古くささをまったく感じさせないのはお見事です! サスペンス+朽ちていく華族階級というのが言い知れぬ妖しさを感じさせます。

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    投稿日: 2012.06.30
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    貴族という階級はなくなってしまったが、貴族のメンツやプライド、世間の目は変わらず残っていた時代という設定だったから起こった事件だったのかもしれません。 事件解決の糸口が見つかってからの展開がたまらなかった!

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    投稿日: 2012.02.14
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    ドス黒い結末だった。警部と探偵という一時期のミステリーに欠かせない組み合わせといい、最初の登場人物の中の意外な人物が犯人であったり、密室トリックがあったり。ヴァンダインの法則は守っていると思う。 ストーリーの端緒を帝銀事件に求めていることから考え合わせ、改めて帝銀事件の影響力、衝撃の大きさを実感した。

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    投稿日: 2012.01.02
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    読了はかなり前です。表紙もこれではなく、おどろおどろしい極彩色の怪しい絵だったのですが(笑)、変わってしまって残念です。 金田一シリーズの名作に多い、地方で発生する耽美怪奇な殺人事件とはうって変って都会で発生する事件ですが、旧華族の登場や耽美的な雰囲気はそのままで、事件の端緒も血の因業を伴うものなので、金田一耕助が解決する事件としてはそのものぴったしですね。 現代感覚からすれば「悪魔誕生」は理解し難いものだが(笑)、ページをめくるのももどかしくドキドキ気になったものでした。(笑) フルートの音色は小説だと当然わからなくて残念だったのですが、ドラマや映画で流れた音色を聴いてしっくりきました・・・。(笑) 謎の展開過程も横溝ならではで、金田一耕助シリーズの代表作と言えるだろう。 ※2012年5月29日追記  あれっ?表紙が以前のものに戻っている・・・。この方が良いです!

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    投稿日: 2011.11.23
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    戦後の混乱期を舞台に、ある旧華族に忍び寄る「フルート怪人」。そして、「悪魔ここに誕生す」の意味とは? ごぞんじ金田一耕助の推理が冴えわたる傑作推理。 【志學館大学】ニックネーム:まめしば

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    投稿日: 2011.11.15
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    杉元一文の表紙の本はあれ以来見つからず・・・。フツーに本屋で買いました。 宝石屋で強盗殺人事件が起きた後に自殺した椿伯爵の家族をめぐる殺人事件。 斜陽族の貴族一家を舞台に、暗いフルートの旋律や密室殺人なんかのドロドロしたテイスト満載。あと近親相姦ネタが出てくるのでこれまたエグイ。 今まで読んだ金田一作品で最もエグかったかも。あと終わり方も気まずい、何となく。

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    投稿日: 2011.08.07
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    「ああ、悪魔が来たりて笛を吹く」 横溝氏お得意のどろどろの人間関係。フルートはそういうことだったのか……

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    投稿日: 2011.07.22
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    金田一シリーズの中でもおどろおどろしさより人間間のどろどろが目立つ作品。 人間の醜さが目につく。

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    投稿日: 2011.03.10
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    ロスマクドナルド的展開で悪くないんだけど、今の感覚からするともうちょっとドロドロした部分を書いてほしかったかも。

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    投稿日: 2011.02.27
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    横溝正史さんのかの有名な『金田一耕助シリーズ』です。 これも全て好きなのですが、代表してこちらを。 金田一耕助という名前は皆知ってるだろうと思いますが、読んだことある方はどれくらいいるのかしら…?と思います。 映像作品とかで見たことあったりするかもしれませんが、私は断然小説を推します! こういうのはなんだか気が引けるのですが…、なんだか横溝さんの文体は非常に可愛らしくて…ちょっと二次創作の小説のような雰囲気なんですよね。笑 超失礼ですよね本当にすいません!! でも、なんというか…キャラがすごく可愛らしくてすごく人間らしくておちゃめで…二次創作してしまっている人間と同じくらいにそのキャラが好きだからこんな風に描けるのかな、と思います。 お話自体は探偵ものなのでガンガン人が死んでいってちょっと怖いんですが、魅力的なことには変わりありません。 一つのお話につき必ず一人は美少女やイケメンが出てくるので私はそれが楽しみだったりもします。笑 まぁ、結局金田一さん萌え!!なんですが。笑

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    投稿日: 2010.10.22
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    私が持っている本とカバーイラストが違います。 ドラマ、映画と映像化され、金田一耕助作で「犬神一族」「八墓村」に次いで有名じゃないでしょうか。 親近相姦による悲劇は嫌悪感と悲壮感が相まって読み応えのある作品です。

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    投稿日: 2010.09.05
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    横溝先生の金田一シリーズは、どれも面白いのだけれど…京極夏彦先生の陰摩羅鬼の瑕つながりでこちらを推薦。 何度も読み過ぎて旦那に怖がられたと言う私…wwww それくらい好きですーv

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    投稿日: 2010.07.16
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    フルートの旋律に隠された秘密。うまいなあ。 骨肉のドロドロ、昔は衝撃受けたけど、今はこれくらい 普通になるほど、書きつくされてしまったんだなあ。

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    投稿日: 2010.07.11
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    毒殺事件の容疑者椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え七人の命が奪われた。悪魔の吹く嫋々たるフルートの音色を背景に、妖異な雰囲気とサスペンス!(amazonより抜粋)

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    投稿日: 2010.05.01
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    有名タイトルなのに、内容は全く知らなかった。 ヨコミゾ作品は趣向が凝らされているのがいいですが 今回は、「フルート」がミソでしたね。 言葉の使い方とか選び方もシビレルけれど たまに意味がよくわからずなんとなく読んでしまっているものを 調べたら、ネット上では検索できなかったりして。 「かぎろい」「ねつい」とか当時の言葉なのかな? この時代感もまた魅力なんですが。

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    投稿日: 2010.04.09
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    あーーーやっと読み終わった。 なんともいえない読後感で疲れた。 美禰子の事件解決後の明るさが救いだった。

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    投稿日: 2010.04.09
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    舞台は大所帯で登場人物が多く、初めて人物相関図を書きながら読書しました…。占いやらフルートの音やら、不気味な演出がなんともいえません。フルートを吹いてもらえばそれで犯人がわかったのに、という伏線も凝ってます。

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    投稿日: 2010.02.04
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    読んでいないしドラマも見た記憶がないのに犯人「だけ」分かるような気がするのは何故なのでしょう(苦笑)。ドラマか何か見たけど覚えてないだけだったのかなあ。ラストシーンになんだかデジャヴュ。 これは雰囲気がすごく好きだなあ。フルートの音色が聴こえてきそうだ~。どろどろな過去の因縁に密室トリック、と読みどころは満載。犯人「だけ」知ってても、充分面白く読めました。

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    投稿日: 2010.01.29
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    動機に重きを置きながらも、密室殺人などトリックにも一工夫あるのがいい。 幾重にも張られた伏線は見事。

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    投稿日: 2010.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一耕助シリーズ 天銀堂事件の容疑者として取り調べを受けた直後に姿を消し遺体で発見された椿子爵。椿家で行われた目羅博士の交霊会に招かれた金田一耕助。停電の直後に鳴り響いた「悪魔が来りて笛を吹く」。砂の上に描かれた火炎太鼓。その夜殺害された玉虫元公爵。子爵がよみがえったとおびえる子爵の妻・燦子。天銀堂事件の時の子爵のアリバイとされた四国への調査。「悪魔ここに誕生す」の文字。別荘で生まれた子供の秘密。おこま生んだ、小夜子の自殺の秘密。小夜子の父親は?毒殺された燦子の兄・新宮。燦子の死。  2010年1月1日購入  2011年8月10日読了

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    投稿日: 2010.01.01
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    生まれて初めて読んだミステリーらしいミステリー。 中学校のときかな ちょっと怖い表紙に惹かれて読みました。 夢中になって最後まで読んでしまったことは覚えてますが、中身はよく覚えていません。もう一度読みたいな。

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    投稿日: 2009.12.28
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    金田一浩介シリーズの一つ どの作品もそうですが、この作品も人と因果が入り乱れてどろどろしています。 ○○が読めると分かる因果というのも、考えられた辺りが凄いなと。 因みに、ここに出てくる砂と振り子を使った占いは、CLANPのホリックに出てくる占いの元ネタ。

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    投稿日: 2009.10.02
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    確かに面白い。でも残念ながら万人受けはしないと思う。それだけに異常なオドロオドロシイ内容を含んでいる。よくぞここまで濃い話を考えたものだ。(事件そのものは、実際に起きた事件をヒントにしているらしい。)個人的には、事件のトリックといい、ご法度的ば内容といい、横溝作品の中でも上位を占める好きな作品です。

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    投稿日: 2009.07.13
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    「お世辞にも美人とは言いにくい」と書かれてしまっているヒロイン美禰子さんですが、 全体に漂う暗く淀んだ雰囲気の中で、この人の持つ潔癖さはとても魅力的です。好きだ。 あと、犯人の告白の手紙が妙にキュンときます。

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    投稿日: 2009.06.22