Reader Store
金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
横溝正史/KADOKAWA
作品詳細ページへ戻る

総合評価

196件)
3.8
39
74
61
5
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助シリーズの一作目の表題作品より、車井戸はなぜ軋るが名作だと思う。 金田一耕助シリーズなのに、金田一が活躍しないという。 話の進み方もトリックも、時代背景からの動機もすべてやられた!と思った。 なお、本陣殺人事件は、映像で見たい…文字だとトリックが難しいのよね…

    0
    投稿日: 2015.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一を読むなら本陣殺人事件からが良いと薦められて。 初めての横溝だったのでおどろおどろしい文章が怖かったけれど、先が気になってどんどん読み進めるうちにはまってきた。 「本陣殺人事件」「車井戸は何故軋る」「黒猫亭事件」の3本の中では黒猫亭事件が一番好き。

    0
    投稿日: 2015.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これまた表紙が違うのだが、まあいいか。杉本一文氏の素晴らしい表紙をなくしてしまう、角川文庫にはガッカリだよ。 本作は、表題作を含む3篇の短編集で、全て金田一耕助物。旧表紙の通り猫を扱うものが2作。収録3篇とも素晴らしい。出てくる人物を片っ端から殺したり、ものすごい冒険があったりするわけではなく、密室や入れ替わりというトリックをいかに楽しませるかというところに力点が置かれている。 さらにそれぞれ他の長編とは異なって、自由に書いたのかもしれないが、導入部分と末尾で、探偵小説のジャンルを解説した論文のようなものがあり、種明かしをされるところも面白い。もちろん、金田一以外の人物のキャラクターもしっかり立っている。 まあ、本当に惜しいのは表紙だけですよ。あの黒い縁に緑の文字、水彩の素晴らしい絵で復活してもらいたいものです。

    1
    投稿日: 2015.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    密室の殺人事件を描いた本作。 事件に密接に関わる部分は作者がここは重要であるというふうに書いており、推理を立てやすかった。 だが、ミスリードをさせる記述も多々あり、犯人を特定するには困難をきわめる。 番外編として、顔のない死体や、顔の似ている2人の事件を扱った。こちらもひと工夫が施されており、犯人の特定が容易ではない。 横溝正史の作品の面白さは、なんといっても犯行のトリックと人物の心理描写であると思う。 このトリックは、2.3個の要素が密接に絡み合っていて、とても複雑なものになっている。また、そこに人物の心理描写が絡んでくる。その点については、作者がここは後々重要になってくると教えてくれる。なので、純粋に推理を楽しむことができる。ただ、正解にたどり着くのは相当難しい。 また、人物の心理描写についてはかなり詳細に描かれており、それが事件に密接にかかわる。

    0
    投稿日: 2015.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助が初登場する表題作を含む三編からなる本。 金田一の意外な過去を知られてへーと思ったり、人となりの説明もあり親近感と愛嬌を感じ、長く愛されているキャラクターだと頷ける。 会話のテンポがいい。 本陣と黒猫亭はトリックや間取りが文章だけではややわかりづらい面あり。 車井戸はなぜ軋るが一番好き。

    0
    投稿日: 2015.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作は時代的なものを感じるも、密室ものとして良くできているのは間違いないでしょう。 機械的トリックは複雑で情景を描きにくいという難点はありますが、犯人の企み、事件に混迷をもたらす外的要因など、考え抜かれた構成に痺れました。 東西ベスト100において10位も宜なるかなといった感じです。 「車井戸はなぜ軋る」は逆説的なその発想が良くできています。 「黒猫亭事件」が一番好み。 ガジェットの複合で魅せる作品は数多くあれど、ここまで見事にマッチングしてみせた手腕は流石です。

    0
    投稿日: 2015.06.05
  • 雰囲気を楽しむ小説でした

    トリックとしては、なんじゃそれ?と感じましたが、読み物として十分に面白かったです。 が、私は「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の方がより面白いと感じました。

    1
    投稿日: 2015.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    シンプルで分かりやすい推理小説です。 短編なのであまりデコデコしていず、すっと話が進んでいきます。 ドロドロとした、ホラーのような雰囲気が秀逸です。

    0
    投稿日: 2015.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正月に叔母に著者を薦められて。この文体(文感?)好きだ。 黒猫亭殺人事件・・・予想できなかった!裏切られた―(笑)

    0
    投稿日: 2015.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『獄門島』を読む前に、どうせなら金田一耕助初登場作品からと思い本作品を読んでみた。横溝作品を読むのは初めてであり、約70年前の作品なので読みにくいかと思ったら、全然そんなことはなく、とても読み易かった。 『本陣殺人』 殺害のトリックそのものよりも、発想にびっくり。 『車井戸はなぜ軋る』 金田一は一応登場するが、本筋にはほぼ関係なし。本陣よりもこっちの方が好み。鶴代の苦悶が良い味を出している。 『黒猫亭事件』 ただの「顔のない死体」で終わる訳ないと思っていたら予想を上回る結末。

    0
    投稿日: 2015.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    車井戸はなぜ軋る、の折檻のシーン。ワンシーンの狂気にストーリーの全てが凝縮されていて、これが横溝正史なのだと思った。

    0
    投稿日: 2014.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝正史の『本陣殺陣事件』を読了。 昭和48年の作品だけあって文体が少しばかり古い。まぁ十分理解できたので問題はなかった。それでも少し慣れは必要かもしれない。 この作品はあらすじにもある通り、あの金田一耕助(いわゆるじっちゃん)の初登場作品。金田一耕助の生い立ちがなかなか凄まじくて驚いた。探偵になる前は外国でクスリをやっていたのは意外だったが、恩人となる日本人にやめさせられた。じっちゃん、良かった。 本編の内容としては、まずトリックがすごい。ネタバレはしたくないのであまり言えないが、やはり横溝正史、素晴らしい。流石は日本が誇る推理作家である。 それと読み終わってから思ったのが、ミスリードがすごいと言うこと。度々、これはやられた…という感じになったが、はっきり言ってそれはよく考えもせず結論を急いだこちらのミスにすぎない。ミステリではこんなことは当たり前だから、一つひとつ注意深く読むことが要求される。たまに深読みしすぎて無駄になることもあるが。 本作には表題作の『本陣殺人事件』の他に、2つの短編が収録されている。これらも良かったです。『車井戸~』は、何となく『犬神家の一族』と似た話。そして『黒猫亭~』は、いわゆる顔のない死体が出てくる事件。どちらもなかなか面白かった。

    0
    投稿日: 2014.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助シリーズの、登場編。 金田一といえば「八墓村」「犬神家」でしょうが、他の作品もおもしろいです。

    0
    投稿日: 2014.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    紅殻塗りの部屋での殺人・犯行時に響き渡る琴の音・旧家同士の争い・互いに瓜二つの人物・首なし遺体等々、表題作含めた三つの短篇すべてが、いかにもな雰囲気満載でとても面白かった この本に収録されている作品はどれも、金田一耕助ものの初期の話なので、彼と彼に縁のある後の作品に名前だけでも登場するようなキャラクター達との巡り合わせの場面も読みどころだと思う

    0
    投稿日: 2014.07.18
  • 良くも悪くも金田一耕助次第なシリーズという印象

    中短三編を収録。 表題作は金田一氏初登場の回と聞きつけての購入でしたが「2巻」とはこれ如何に? さて余りに有名な作品故、初読とはいえ予備知識なり憶測なりを抱きつつの取り組みでした。 意外だったのは、装丁やら映像作品等から受ける怖い印象はなく、むしろ探偵のコミカルで頼りなげな印象の強い、明るめの物語だった事です。 ミステリとしては、家柄や風土が重視されがちの背景が故にトリックよりも動機が肝という所でしょうか。 探偵が動機を見てきたかの様に語る姿が気にならなければ、論理的で重厚な謎解きを楽しめます。 車井戸~がお勧め。

    1
    投稿日: 2014.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    流石は横溝正史。機会トリックは密室殺人として美しくはないという美学はよく言われるけど、ああいったトリックで来るとは予想外。殺人動機には何と無く分かったし、おかけで犯人の目星もついてたけど、どうにもトリックは見抜けなかったな。三郎のおかけで見事にミスリードにはまりかけたし、食わせ者だった。金田一初登場作品として申し分なし!

    0
    投稿日: 2014.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて手に取ったのが小学生のころ。 その時は表題作の設定や構成の巧さに引き込まれ、あっという間に読み終わってしまった気がします。 それぞれ異なる仕掛けの話が三つ読めるのも嬉しかったな。 岡山の横溝正史所縁の地に行くようになった今では懐かしい思い出です。

    0
    投稿日: 2014.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    黒猫亭がおもしろかった!してやられた。あんな昔の時代に、今でいう王道ミステリや叙述トリックが生み出されてたなんて驚き。 金田一さんほど、庶民的で親しみやすい探偵はいない。

    0
    投稿日: 2014.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助シリーズ第1弾。 原作を初めて読んだんですが、金田一ってアメリカで麻薬中毒になった後、ふいっと難事件を解決して、それから私立探偵になったんですねぇ。 石坂浩二と古谷一行の映画版しか見たこと無かったので、ちっとも知りませなんだ。 密室殺人の「本陣殺人事件」(金田一初登場作品) そっくりさん入れ替わりの「車井戸はなぜ軋る」 顔無し死体の「黒猫亭事件」 以上、3本を収録。

    0
    投稿日: 2013.12.16
  • マイベストミステリー

    私個人が考える、世界で最高峰のミステリーである。「本陣殺人事件」を読んだ時の衝撃は、今でも忘れられない。簡潔にして緻密にして大胆で、最後の一行を読み終わってから「あっ」と声をだして驚いたのは、後にも先にもこの一冊だけである。コナン・ドイルのホームズ物は読破してはいたが、ひょっとして、私が古典ミステリーをあまり読んでいないせいかと思い、近年「不連続殺人事件(坂口安吾)」、カーテン、アクロイド殺し、そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティ)」、赤い館(ミルン)」、「黄色い部屋(ルルー)」、そしてエラリー・クイーンの悲劇シリーズ四作等等、読み返してから再読してみたが、すばらしさは鮮明になりこそすれ、色あせる事は決してなかった。 横溝氏の作品の特色は、ご本人もおっしゃっている通りの「アクの強さ」である。自分が関西人だから、とご自身が分析されているが、残虐でおどろおどろしい殺人事件を舞台に、人間の愛憎やら古い日本の因習を相手に、金田一耕助が格闘する。そこで明かされる見事なトリックは勿論だけれど、緻密な筆使いと素晴らしい語り口も忘れてはいけない。

    3
    投稿日: 2013.10.04
  • 吉備路散策に必携

    岡山の横溝正史疎開先に訪れる際は絶対必携! 清音駅から役場跡、そして一柳家のモデルとなったであろう場所(今は竹藪)まで実際の土地がそのまま作品内に出てくるので、読んでから歩くと事件がほんとにあった出来事じゃないのかと思うほどの臨場感を味わえる。

    1
    投稿日: 2013.09.26
  • 金田一の幼馴染登場

    3中篇が収録されている ・本陣殺人事件 そのトリックはうまくいくんだろうか?犯行動機はものすごく自分勝手でおもしろい。 警察が金田一にムチャクチャ協力的だ。 車井戸はなぜ軋る 八つ墓村、本陣、これといつも似たような雰囲気の一族が出てくるのでごっちゃになる。これは双子のように似ている異母兄弟が出てくる話。 真相はなかなか面白いが、ラスト新聞記事による解答編はちょっとずるい。 黒猫亭事件 犯罪動機やトリックはおもしろいが、手が込んでい過ぎて実現可能性がめちゃくちゃ低い。 金田一の幼馴染風間が登場する。金田一を耕ちゃんと呼び、危ない時に助けてくれ、たくましい腕で抱きしめてくれる。なにそのBL。腐女子などいなかった時代に横溝正史は何を思ってこの場面を書いたのか。

    1
    投稿日: 2013.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    三つの中編が収められた中から、表題作の感想を。 あらゆる偶然に翻弄されて揺らぐ綿密な計画。予想外の事態を加えてより複雑化する事件。 細かな謎が明らかになり、真実が丸裸にされる過程は推理小説の醍醐味。 人間の弱さがこの事件を生み、人間の弱さが、謎を解く綻びとなる。 トリックも犯人も、探偵すらも、決して「完全」ではない。それこそがこの作品の一番の魅力かもしれない。

    0
    投稿日: 2013.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリファンでなくてもご存知、金田一耕助のお話。表題の本陣殺人事件の他に「車井戸はなぜ軋る」、「黒猫亭事件」の合計三編が収録されています。 詳しくはネタがばれてしまうので言えませんが、三作品とも異なるカラクリが仕掛けてあるので、それぞれ新鮮に楽しめます。時代が流石に古いので、表現や文体に少々戸惑ってしまう部分もあったのだけど、個人的には同じ古典として読んだ海外翻訳ものよりはずっと読みやすかったですね。 三編中、私は「車井戸はなぜ軋る」が面白かったです。 トリック云々というより、緊張感が漲っていて、ちょっと怖い。ミステリというよりサイコホラー(ちょっと違うかな?)という感じなんですね。金田一耕助がほとんど関わっていないというのもポイント。 逆に、表題作「本陣殺人事件」は、面白いんですけど、事件解決後の一文に首を傾げてしまいました。最初に語られるある部分の伏線を回収するための一文なんですけど、大雑把過ぎるというか、最後、読者に「あっ」と言わせるには精度が低いような気がします。 事件そのものの矛盾というわけではないので、それほど気にするものじゃないのかもしれませんけど、ちょっと残念。 黒猫亭事件は…読んでみてのお楽しみということで。 今回初めて横溝先生の作品を読みました。 時代が違うからでしょうけど、難しい漢字が出てきたと思ったら、漢字で書くだろう部分がひらがなだったり、少々読みにくい部分があることは事実です。 ただ、それでも面白い作品ですし、ここから今に繋がるたくさんのミステリが書かれたのだなあと思うと感慨深いし、うなずけもします。 ミステリ初心者にお勧めするものとしては、少々複雑ですけど、古典に興味がある方、或は「じっちゃんの…」に興味のある方はどうぞ。

    0
    投稿日: 2013.08.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助の初登場事件である「本陣殺人事件」他2編。 「本陣殺人事件」の時、金田一耕助は25、6歳なのね。 若くてちょっとびっくり。 横溝正史という作家が、金田一耕介という探偵の解決した 事件の「記録係」的立場で書いたものがこの小説、という スタンスや、金田一が若い頃麻薬中毒だったというエピソード とか、シャーロックホームズっぽいなあ。

    0
    投稿日: 2013.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた……。アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場の作品となる表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」二編を収録。 (内容紹介より) この本を初めて読んだのは多分、小学生の時。 内容を全く覚えていなくて、へーこんなストーリーだったんだーと思いました。 子供が読んでどこまで理解できていたんでしょね(笑)。 一緒に収録されている2作品は初めて(多分)読みました。 両方ともまんまと作者の罠にはまりました。 見事なまでのミスリーディング。 久しぶりの横溝正史作品でしたが、ある意味、新鮮でした。 子供の頃に読んだ時は、時代背景がわからなくて理解できないところが多かった記憶があったのですが、もういい大人なので大丈夫でした(笑)。 理解はできても納得はできないこともありましたが。 特に本陣殺人事件のそもそもの動機は、それが殺人にまで結びついてしまうなんて現代では考えられないことでしょうね、きっと。

    0
    投稿日: 2013.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホラーが苦手で金田一耕助のシリーズはあまり惹かれず、今まで手を出さずにきてしまいましたが、それを後悔させてくれました。 日本の歴史や風習からくる動機やトリックなど、本当に秀逸でした。また、結末を容易に想像できないことで、最後まで飽きさせない仕掛けがしてあり楽しめました。やはりミステリーは最後の最後まで雰囲気を壊してはならないと思います。 また、海外の名作もいくつか話題として上がるところに、海外の名作を踏まえた上での日本の事件を描いていくというところに感慨深いところがありました。 ただ、若干ネタバレが含まれていたことが気になりましたが…。アクロイド殺しを読んでおいて良かった。 本陣殺人事件は本当に名作ですね。 これから他の作品を読み進めていきたいと思います。

    2
    投稿日: 2013.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「車井戸はなぜ軋る」の手紙の徐々に高まってゆく恐怖と緊迫感がリアル。 犯人云々より、憎悪から出た悪意のたった一滴の嘘が招いた破滅に唖然。まさに言葉は刃物…。やるせない。

    0
    投稿日: 2013.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助、シリーズ初登場の作品。 探偵を生業としたいきさつなども書かれている。 舞台は昭和初期だが動機やトリックなど色あせてなく、また暗くて重い内容とは対照的な軽いタッチの文章が読みやすい。 ただ犯行現場、トリックの種明かし等、場面状況の説明がややわかりづらい。

    0
    投稿日: 2013.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時代と自分の理解力不足が壁となったのは間違いないが、全体的に描写が分かりにくかった。地理やトリックの解説からの頭の中のイメージが曖昧だった。また他作品のネタバレが含まれていたのも減点要因に。

    0
    投稿日: 2013.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「本陣」は意外と金田一が格好よかった。探偵になると言って、地道な捜査じゃなく頭を使うと示すとことか、トリック解説してるとことか。夫婦がオドロオドロしく死んでるとことか、密室殺人以外でもかなり優れた作品だったと気がつけた。「黒猫亭」は作家から顔のない死体のハードルを上げてるだけに、とても巧みな作品になっている。やはり横溝はいいね。

    0
    投稿日: 2013.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝っておどろおどろしい、血みどろ伝奇ホラー作家・・・だと思っていた(汗)。たしかにそういう要素もあるけど、非常に論理的な本格ミステリなのだと実感した本作。食わず嫌いを反省するきっかけになった。

    0
    投稿日: 2013.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「本陣殺人事件」 金田一シリーズの原点。 やはり個人的には 機械的なトリックってものには あまり惹かれないので、 密室殺人というだけで正直 テンションは落ちた。 けれど、それ以外の部分で 十分に読ませてくれるのが このシリーズだと再確認できた。 他に収録されている 「車井戸はなぜ軋る」 「黒猫亭事件」 これらの2編は、 どちらもオーソドックスな設定 なのだが、 しっかり一工夫凝らされていて 非常に楽しめた。

    0
    投稿日: 2013.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝正史のミステリーで特に高い評価を得ている本作品を是非読みたくて、八つ墓村といっしょに買いました。 個人的にこの表紙気に入ってます。 短(?)編を3作品収録。 表題の「本陣殺人事件」では、金田一耕介が密室の殺人に挑戦する。 由緒正しい旧家である一柳家で行われた婚礼の夜、離れ座敷で新郎新婦が血まみれの死体で発見された。 事件前後に響いた不気味な琴の音は一体何を意味しているのか? その他、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」も、本格ミステリの名にふさわしい充実の内容となっている。 今でこそ日本のミステリー小説でも定番となった密室殺人ですが、綿密なトリックでもって読者に驚嘆をもたらした作者として横溝正史はあまりにも有名ですね。 恥ずかしながら自分はまったく分かりませんでした。さすがミステリ界の著名人も絶賛する本陣殺人事件ですね。 他に収録されている2つの短編も本当におもしろかったです。 特に黒猫亭事件はいわゆる「顔のない死体」をベースに作られている作品ですが、それだけで終わらないのがよかったです。

    0
    投稿日: 2013.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表紙が違うけど、 角川版『本陣殺人事件』。 古本屋で100円で購入したものなのでボロボロだけど、 昭和48年の角川文庫としては初版物。 初期の作品で、 表題作『本陣殺人事件』金田一耕助物としては初物。 感慨深い。 小さい頃ビートルズの『Let It Be』とともに鮮烈な印象を残した『悪霊島』から(歳が...) 私の瀬戸内海のイメージは定着した。 『Let It Be』っていう選曲が素晴らしい。 そして横溝正史と言えば市川崑の私の中で金田一耕助は石坂浩二なんだが、 『悪霊島』は鹿賀丈史なのが、私の中では意外。 もとい。 そんなわけで頭の中では金田一耕助は 若かりし頃の石坂浩二で物語は進みました。 横溝正史自身推理小説(探偵小説)マニアだっただけあり トリックはなかなか凝っていて、 故に決して「え? それってアリ?」な展開がないのが信頼できるところ。 それは初期の作品である本作品も同じで、安心感がある。 好きな作家がカーやクイーンという点が私と共通するので、 そういう意味でも私好みの作品を書いて不思議ではないんだよな。 ま、横溝正史はカーを敬愛していたようだが 私はクイーンの方が好き。 金田一は自分(横溝正史)の友人とした設定を取っているのは、 リアリティのためなんだろうか。 物語も文庫本自体についても言うことがないので、 些細なことを幾つか。 横溝正史作品で私が好きな点にタイトルの美しさがあるのだが、 『車井戸は何故軋る』という収録作品にはその片鱗が伺える。 個人的に好きではなかった点は、 『本陣〜』の土地名に「岡ー村」とか、「川ー村」といった伏字が使われていた点。 何故と訊かれると私もよく分からないけど、 好きじゃない。 逆に言葉遣いで好きなのは、 現代では逆に使わないカタカナ言葉、 「カレッジ」や「オミットされる(逆に今使われている?)」とか。 大正、昭和初期の時代を感じて雰囲気を盛り上げる。 西洋のゴシック的な感じの日本版とでも言おうか。 ちょっと話はそれるが、 私は村上春樹の「ヴィデオ」のようなカタカナ言葉の表記が嫌いなんだけど、 これは時代からくるものなのかもなー、 とちょっと思った。 横溝正史も「レヴュー」とか「ストーヴ」とか書いているもんな。 言うことないのに★3はどうかと思わなくはないが、 これからはちょっと厳しめにいこうかな、と思っているので3で。

    0
    投稿日: 2012.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画は名作だと思うが、小説は凡作。ある種記念碑的な作品なのだろうが、事件にも真相にも魅力はない。犯行の動機にいたっては、かなり説得力に欠ける。人間性の奥底に迫った内容とも思えず、これはやはり一時の映像化ブームのおかげで有名になっただけのものとしか思えなかった。残念。

    0
    投稿日: 2012.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    当時だったら画期的だったのかもしれないが、本陣については完全に想像できた。 綾辻の煽り文句に心を惹かれたわけだが、「全人類必読」かと言えばそうでもないのでは、と言う感じでした。

    0
    投稿日: 2012.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『本陣殺人事件』はね、一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。枕元には、家宝の名琴「おしどり」が…。密室トリックに挑み第一回探偵作家クラブ賞受賞作品。 結局は、殺されたと思った被害者の夫がトリックを使って、新妻を殺し自分も死んで他殺に見せたというお話です~。謎の3本指の男は、ただ通りがかっただけで、殺人のトリックの材料にされてしまった。。あぁ、かわいそう~。 『車井戸~』は、これも名家の話でね~、なんとなく『犬神家の一族』と話が似てたし、『本陣~』読んだ後だったからね、なんかこんがらがりそうになったんだけど、戦争から帰還してきた名家の跡取り息子は、もしかして腹違いの隣家の息子なんじゃないか?でも実は、本当の息子だった。。。その裏には、隣家の復習が隠されてた。。。。ってお話。 『黒猫亭事件』は、『黒猫』という飲み屋の主人夫婦に絡む殺人事件の話。 どれも、横溝流がヒシヒシと伝わってくるお話でした。。。 この3編の中に何度も『獄門島』の話題が出てきたので、早くそっちが読みたくなってきた。。!

    0
    投稿日: 2012.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     ★4つなのは、中編二つを勘案に入れたから。以下、ネタバレに多少触れながら述していく。  本陣殺人事件(★3つ)  トリックは機械的なもの。ミステリで、機械的なトリックは嫌われる傾向にあるのだが、本作品の本質は「トリック」にあらず。この作品の秀逸なところは、最初と最後の記述。最初の記述を懐疑的な目で読めば、もうそこで事件の真相の一部である「誰がやったか」を推し量ることができる。  そう、「二人の男女を切り刻んだ」のである。  車井戸はなぜ軋る(★4つ)  因縁が悲劇を生む、ということは往々にしてあり、よく題材とされるテーマでもある。本作も、そういうテーマのものである。  書簡のやり取りで、物語は構成されている。妹が療養中の兄に向けた手紙、である。  別作品の核心に触れることになるが、本作品の筋には「犬神家の一族」であった「入れ替え」が論点として含まれている。    黒猫亭事件(★4つ)  秀逸。変にミステリの「固定観念」とやらに囚われていると、足をすくわれてしまう。成程、同一人物か。 

    0
    投稿日: 2012.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    金田一、最初の事件「本陣殺人事件」と中編を2つ収録。 トリックが文章では想像しづらく、消化不良のまま…。 Youtubeで動画見てスッキリしました。 「車井戸はなぜ軋る」は妹からの手紙の内容で話が進んでいくので、読みやすいし臨場感があってよかった! 「黒猫亭事件」はまんまと騙された… 「顔の無い死体」トリックものと最初から提示されていても、気持ちいいくらい騙されました。くっそー 2012/10/12-16

    0
    投稿日: 2012.10.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中短篇3篇を収録。 『本陣殺人事件』 正直なところメイントリックに関しては、過去に映像作品でも観た事があるし、あまりにも有名なので予め知ってはいた。しかし実際に原作を読んでみるとやはり面白かった。密室殺人の真相解明にいたるまでのロジック。ミスリードの巧みさ。そしてなにより『三本指の男』の来訪理由には感心した。文章は抜群にうまいし、構成や演出も素晴らしい。ミステリはトリックだけわかっていても(凄くても)ダメなんだという事を再確認。あらためて横溝正史の偉大さがわかった一作。 『車井戸はなぜ軋る』 いきなり二行目に挑戦的な一文が。 「付、本位田大助・秋月伍一生き写しのこと」 西村京太郎『殺しの双曲線』の序文「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」に匹敵する驚きと警戒心を抱いた。そしてやっぱり面白かった。途中『犬神家の一族』を思い起こさせる場面あり。いろいろな仕掛けが短篇にギュッと詰まっていて、これまた感心。 『黒猫亭事件』 序盤で横溝先生らしき人が探偵小説講義をやるのが面白い。しかも「密室の殺人」「一人二役」「顔のない屍体」について。そのうえ「一人二役」型は最後まで伏せておくべきトリックであって、この小説は一人二役型らしいと読者に感づかれたら負け、などと抜け抜けと書いているのが最高。そして今回は『顔のない屍体』という導入。終盤のひねりにまたまた感心。 それぞれ独立して素晴らしい出来のミステリ中短篇だが、『本陣殺人事件』『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』をピックアップし、この順番で編んだ角川文庫版の編集者に拍手。相乗効果で作品の面白さが格段に上がっている。 金田一ものの一連のシリーズは、探偵金田一耕助が体験した事件を語り、作家横溝正史(らしき人物)がそれを小説に仕立てるという体で書かれている事がわかったのも楽しい収穫だった。

    5
    投稿日: 2012.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日本ミステリ史に残る傑作として名高い表題作。昔、ドラマを観たことがあるのでトリックについて理解できたが、活字だけだとなかなか映像的に把握し辛いのでは?読み手側の想像力の問題かも知れないが。名付けて“探偵小説狂殺人事件”。第2話『車井戸はなぜ軋る』は短編ながら『犬神家の一族』とそっくりの展開。但、初出はこちらの方が早い。展開は同じでも結末は…。“元祖絵馬手型殺人事件”。最後が“ワタシハ、ダアレ?コスプレ殺人事件”じゃなくて『黒猫亭殺人事件』。この作品には横溝特有の雰囲気はない。そして金田一の解説が長すぎる。 古谷一行『本陣殺人事件(1977年)』:三郎の描き方が大きく異なる。三男(三郎)が出てくるのに次男(隆二)は何故居ない?それはそうと私は金田一役として、石坂浩二より古谷一行の方がしっくりくる。いくら演技をしても石坂はスマート過ぎる。 古谷一行『水神村伝説殺人事件(2002年)』(原作『車井戸はなぜ軋る』):古谷の年のせいか、原作とは全く別の話になっている。この時点で58歳だからね。舞台も現代っぽい。内容はイマイチ。 『黒猫亭殺人事件』も古谷一行主演でドラマ化されたようだが、ネット上で見つけられず視聴断念。

    0
    投稿日: 2012.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕介の最初の話と知り、図書館で借りて読みました。引き込ませるのですが途中に出てくる作者のコメントと言うか語りが多いのが気になります。が、これは作者のカラーなんだろうなあ。 読んでいて旧家とか家柄とか田舎の閉塞感が事件を恐ろしくしているんだろうな、と思いました。人間の想いや恨みが怖い。何よりも怖いのは人間の心の闇ですがそれと同時に闇が今よりも深く暗かった時代のお話だなあと思うのです。 今の世代は日本中どこでも基本的に電話は通じるしネットは完備されているし閉塞感と言うものや旧家、家に伝わる呪いのような歴史とかわかるのかなあ?と思います。まあでも反対にそう言う世代が携帯圏外だったり、ネット不通の状況に置かれた時、その孤独や絶望は昔の人よりも強いかもしれませんが。

    0
    投稿日: 2012.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日本刀や和風の家屋を使った和風密室トリック、不気味な雰囲気、リアルな描写が引き込まれます。 他、手紙のやり取りで進められていく「車井戸はなぜ軋る」、顔の無い死体をめぐる「黒猫亭事件」の全3篇。 個人的には「車井戸」が一番好きです。手紙という形で進められる一人称が珍しく、生々しい人間関係と登場人物の暗い心理描写が横溝氏らしさも出ていて。金田一は活躍しませんが。

    1
    投稿日: 2012.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的にぱっとしなかった。 本陣~は面白かったです。お兄さんと弟のやり取りにぞっとした。 お兄さんの自殺計画を止める理由が、自分が疑われるのが嫌だからやめろ、との事で、こういうのをサイコパスと言うのかなと思った。そのシーンが凄く印象的で、静かにザワザワとさせられる。 ただ、この弟の狂気っぽさをもっと書いてほしかった。話がご都合主義に感じたし、トリックを聞いてもなんだか納得できない。話の辻褄を合わせるのに必死な感じに読めてしまった。 手紙の話も何だか盛り上がりに欠ける気がする。病気のお兄さんの性格を最初の方でもう少し詳しく書いてほしかった。 黒猫の話は、面白かったけれど、最初の方で伏線に全て目印をつけてしまったせいか、後半、盛り上がりに欠けた。「この時のこれが、後々恐ろしい事を引き起こすのである~」的なことを書き、伏線に目印をされると、その時は「おお!何だ?」と思うけれど、いざ、その重要なシーンになったら、よっぽど魅せ方が上手くなければ、わくわく感や、ドキドキ感、ちょっとした恐怖を味わわせることは出来ないと思う。 最初の方で全て伏線を教えてしまったせいで、後半の種明かしのシーンは淡々とした、山も谷もない文章になっているなと感じた。 横溝さんの次の作品には手を出そうかどうしようか迷っている。犬神家までを目標に頑張ろうかな。

    0
    投稿日: 2012.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「病院坂」の後なので、これはちょっとあっさりしちゃったカナ・・・という意味での☆4っつ。 でもミステリーとしては面白い。薀蓄ネタもたくさん、ありがとう。 密室モノって私はあんまりですね。頭の中で構築してゆくのができないんですよね、きっと。脳がシンプルだから。

    0
    投稿日: 2012.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わー。昔の表紙が復活している!やっば、角川文庫の金田一シリーズはこのおどろおどろしい絵でないとね。(笑)つーか、コワイ! 読了は確か学生時代です。 金田一耕助初登場の事件譚にして、その耽美的世界といい、個性的な登場人物といい、和風密室の謎といい、金田一が関わるにふさわしい難事件です(!) その大仕掛けの密室トリックや、現代ではいまいち馴染めなくなった動機にしても、古き良き時代の探偵小説を満喫できる作品でした。 金田一初登場時の設定も面白い。

    11
    投稿日: 2012.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでない、では済まされない。 全人類必読の名作。 綾辻行人 ・・・と本のオビには書いてあるのです。 「全人類必読」とは、大きく出たもの。 まあ、それは宣伝用の文句であるとしても、この「本陣殺人事件」が我が国推理小説の歴史に燦然と輝く名作であることは間違いないわけで。 BSフジで古谷一行が金田一耕助を演じるシリーズの再放送をやっていたのに触発されて、久しぶりに読み直してみたのです。 でもなあ。 表紙が昔と変わっているんだよなあ。 「殺」と、おどろおどろしく書いてはあるけれど・・・・ これはちょっと・・・・ (念のためのお断り。あくまでも「殺人」をフィクションとして楽しんでいるのであって、本物の殺人が好きなわけではありませんよ。) 読み終えて。しばし、陶然の境地。作者とともに曼珠沙華(ひがんばな)が咲き狂っているのを見ているような。 あああああ。 こんなに美しい、しかし、おどろおどろしい話があるであろうか。 舞台は、封建的身分意識が残存する地方における、「本陣」。 殺人に合わせて響く、琴の音。 死体があったのは、紅殻で彩られた一室。 屏風には、「三本指」の血の跡。 足跡一つ残らぬ雪の中に突き刺さった日本刀。 木の幹にはなぜか鎌。 耳を澄ませば、水車が回る音。 そして、死んだ猫。 あああああ。 まさに、「和」! そして、あちこちに出没する「三本指」! まさに、推理小説の王道!という雰囲気。 読み直して改めて思ったんだけれど、やっぱり、これってものすごい名作。 ひょっとしたら、本当に、「全人類必読」なのかも(ちょっと笑。実は本気) それにしても、ポイントは、動機ですな。 この動機、ちょっと普通ではない。 (もともと、「人を殺す。」ということ自体が普通ではないわけだから、「普通の動機」という考え方自体が変なのかもしれないけどね。) そんなあほな! と言いたくなる気もするのだけれど、でも。 やっぱり、この動機も、すばらしい。 そして、メイントリック自体はまあ、あれですが(笑)、 その使い方がすばらしい!!!! 何と言ってもすばらしいのは、111ページのくだりですね。 ここで、筆者は、読者に対して、ある意味、挑戦状をたたきつけているわけで。 この、ぬけぬけしさが、たまらない! 凡百の書き手だと、とてもこうは書けないのではあるまいか。 いやあ、私たち日本人は、本作を読めて幸せだとしみじみ思ったのでした。

    0
    投稿日: 2012.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助ファイル以前の版 見返し 一柳家の当主賢蔵の婚礼をおえた深夜、人びとは、恐ろしい人の悲鳴と琴の音を聞いた。離れの座敷の新床の上に、血まみれになって倒れた新郎新婦。その枕元には、家宝の名琴「おしどり」と三本指の血痕の残る金屏風があった。 ・・・宿場本陣の旧家に起った、雪の夜の惨劇を描いて、密室トリックに挑戦する表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二篇を併せ収める。

    0
    投稿日: 2012.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての金田一「耕助」。表題の本陣殺人事件はまさかの展開に楽しませてもらいましたが、いかんせん文章でつらつら書かれているので、私の読解力ではトリック(仕組み?)を完全には理解できませんでした。図解して欲しいなあ。キーである琴が、ミステリー色を一層鮮やかなものにさせていました。同時収録の「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」も、表題作に負けず劣らず面白かったです。横溝正史シリーズ、読破します!

    0
    投稿日: 2012.03.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いわゆる本格推理小説。旧家の屋敷で殺人事件があって名探偵がとくと。教科書を読んでるみたいで面白かった。古典作品だからって半分ばかにしてたけど犯人と真相がわかったときはびっくりしたし。ただ作者いちいち言い訳がましいのがこの時代の推理小説の立場のなさっていうかまだ人に知られてないって感じがしてちょっと面白い。日本の推理小説の始まりみたいな作品だし古くから残ってるのはそれだけで価値があると思う。

    0
    投稿日: 2012.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一初期の3作。個人的にはだいぶ叙述トリックを駆使しているような印象を受けたが、おもしろかった。 本陣と車井戸は犯人の意外性というか、アンフェアぎりぎりな結末だった。車井戸の書簡による展開が新鮮だった。

    0
    投稿日: 2012.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館より。 「古典探偵ものを読もう!」第1弾。 『本陣殺人事件』 まさかの展開に、アゼン!( △)≡° °  嘘でしょと思ったのに、この驚愕の真実のまま幕を引く。 うーん肩すかし…でもこういう古典的トリックもたまにはいいね! それにこの事件の見どころは、トリックの奇想さや動機の意外性、犯人消失の真実よりも、「一柳家はしずかに狂う一族だ」という根底設定のおぞましさにあるのかも。 そしてそれこそが、わたしが古典探偵モノに求めるところで一番大きなものだったりするのです。血の因縁、捻じ曲げられる理性。謡曲の「通小町」の深草少将にも通じる「道理を超えた妄執」と、その完遂のために結晶化した論理=トリックの歪な合体を見たい。そんな思いで古典を繰ります。そういう意味では愉しかった。 あと、金田一が意外と若くてびっくりしたww (どうも、これが金田一の初登場作品で、本陣の金田一は横溝先生の想像の年齢、それ以降の作品での30代半ばくらいというのが先生が実際に会った時の印象、という使いわけらしい。まるで本当に横溝先生が友達の私立探偵の話を聞いて、小説を書いているみたいに錯覚する。) 今の自分と2歳くらいしか違わないwwもっとおっさんかと思ってたのに… 原作設定だったらゴローちゃん金田一でもOKかもね。 あと風体描写読んで以降は彼にチラチラと森江くんの影が重なって困った。似すぎだ…!だいすき…! 最後の最後で、破られた密室の、弾けて撓った琴糸が、ピィンとわたしの頬に傷をつけた。ラスト1Pで、ああ、やられた。  そしてコロコロコロコロシャーーンに禿萌えたというね…。自分でもよくわからんのだがあの効果音がすごく気にいってしまった。折に触れ使いたい。コロシャーン 『車井戸はなぜ軋る』 タイトルと、一族郎党を呑みこんだ不気味の車井戸というモチーフに、strange fruits を彷彿として背筋がつうと寒くなった。 この作品と、本陣にも、病身の聡明な美少女が出てきて、むしろ犬神家のタマヨのような健康体の美少女の方が登場回数としては珍しいのかな、とちらっと思う。 どちらの作品でも彼女らが鬼籍に入ったのち、「長く生きていいない方が幸せであった」という一文が入っていて、当時の感覚が偲ばれる。 ポックリ逝って、「きれいに死ねて良かった」といいなすのと同様の感覚か。 犬神家にも、顔をなくした(識別のためのマーカーを失った)登場人物の勘合符代わりに、「神社に奉納した手形」が出てくるのが、ちょっと共通点。この作品の兄貴分あるいは弟分なのかもしれない>犬神家 『黒猫亭』 お見事!^^ ちょっと急いで読んだので、トリックの絡み方が今一つ理解しきれていないけれど、ひとつのトリックを隠れ蓑にして、もうひとつの隠した方を発動させておくという、ダブルトリック仕様。数十ページの短編なのに、これは贅沢^^ 肉を切らせて骨を断つということわざが浮かんだ。

    0
    投稿日: 2011.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     宿場本陣の旧家、一柳家。婚礼の夜に起きた殺人事件。離れ座敷で新郎新婦が血まみれになって惨殺されていた。  アメリカ帰りの金田一耕助が活躍する「本陣殺人事件」。  出生の運命から起きる殺人「車井戸はなぜ軋る」。  顔のない死体。行方不明の容疑者と被害者は同一人物?「黒猫亭殺人事件」。

    0
    投稿日: 2011.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    確か金田一耕助初登場作品の「本陣殺人事件」と「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三編入り。 「黒猫亭事件」が一番騙された。 カーを意識してたのか…。 推理小説詳しくないから初めて知った。

    0
    投稿日: 2011.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    見え見えのミスリードと思いきや、それが伏線になってたり、密室の必然性の処理が秀逸。トリックの説明で頭がウニ状態。 後の2編はちょっとイマイチ。

    0
    投稿日: 2011.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助シリーズ最初の作品。 金田一耕助が日本の事件に関わる前の映画・ドラマでは公にされていない意外な過去の経歴を知れたりして大変面白かった。 最後までトリックと犯人の予想を覆す展開に読み終わった後、満足しました。

    0
    投稿日: 2011.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。因習的な舞台設定といい、日本家屋での密室殺人といい、まさに戦後本格の幕開けを飾るにふさわしい名作。 「百日紅の下にて」もこの本に収録されていると思ってたのだけど記憶違い。収録されてたのは「車井戸はなぜ軋る」でした。

    0
    投稿日: 2011.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中・短編集で、表題作が、本当の意味での金田一初登場作。 日本版の密室殺人だが、オチはあまり好きではないかも… なんとなく、納得いかない。

    0
    投稿日: 2011.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた・・・。 アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場作品となる表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二編を収録。 (本書カバーより引用) 今年最初の感想UPはどうしてもミステリにしたかった。この作品を選んだのは特に他意はないのだけれど、新年に似つかわしくないおどろおどろしいミステリだ(ま、ハッピーなミステリというのもあまりないのだが)。 「本陣殺人事件」 上記の紹介文に書いてあるとおり、本作品は名探偵・金田一耕助初登場作品。郷里の中学校を卒業後、東京の私立大学に入学するが、一年も経たないうちに退学し渡米。アメリカで麻薬の味を覚え、それにおぼれかけていたころ、サンフランシスコにて日本人の間で起きた奇怪な事件を解決してしまう。たまたま仕事でサンフランシスコに来ていた日本の農場主である久保銀造が、金田一に惚れ込み、学費を出してやったおかげでアメリカの大学を卒業。日本へ戻ってきた金田一は銀造に資金を提供してもらって、探偵事務所を開いたわけだ。 今回の事件は、その銀造の姪っ子が被害者である。婚礼の宴の夜に離れ座敷で斃れていた新郎新婦。めでたいはずの夜が一変して恐怖の夜に。その新婦が銀造の姪である久保克子であった。銀造も育ての親として婚礼の宴に出席していたのだが、事件を目の当たりにして、これは金田一の助けが必要だと思い、偶然家に遊びに来ていた彼を呼び寄せたのだった。 夜の闇の中に響き渡る人の悲鳴と激しくかき鳴らされた琴の音。金の屏風に鮮やかな血痕。布団の上には重なり合った血まみれの男女の死体。凶器は日本刀。これぞ横溝作品と思わせる舞台設定だ。 再読であるし、有名な密室殺人なので、結末はおおまかに知っている。けれど、改めて読み返すといろんなミスディレクションや伏線があることに気づく。やはり、よいミステリは2度目、3度目も興味深く読めるものだ。冒頭で金田一が探偵小説マニアの一柳家三男に話す言葉が面白い。ガストン・ルルーの傑作「黄色の部屋(黄色い部屋の謎)」を挙げて、「この小説が何故傑作とよばれるかといえば、その解決に機械を使っていないからなんです。密室の殺人を扱った探偵小説も沢山あるが、たいていは機械的なトリックで、終わりへいくと、がっかりさせられるんですよ」。この一言が事態を更に複雑にしていくきっかけとなることに、金田一は気づいていない。 私は、ガストン・ルルーの「黄色い部屋の謎」を中学の頃に読んだ。確かに意表を突く密室トリックだ。傑作である。 最初と最後で、本書の記録者である探偵小説家がこの事件を書くにあたって、いろんなミステリを例に挙げながら語っている。最後にアガサ・クリスティ(本書では”アガサ・クリスチー”となっている)が登場したのには驚いた。クリスティ女史の作品を参考に、本事件を記述したというくだりがある。どの作品なのかは読んでみてのお楽しみだ。 「車井戸はなぜ軋む」 本作品は中編になるのだろうか。それほど長くはない物語である。 前半は、とある田舎村の旧幕時代の名主たちの栄華と没落が語られる。その村には小野家、秋月家、本位田家の三家が三名と呼ばれていた。維新後、小野家、秋月家が微禄していく一方、本位田家のみが昔以上に栄えた。それは、本位田家に代々傑物が現れたせいだろうと言われる。 さて、こうして栄えた家、没落していく家があると、そこに恨みや妬みが生まれてくるのは自明の理。小野家は早々と村を去ったが、秋月家の主人・善太郎は村に残り、ときに本位田家の主人・大三郎から施しを受けていた。大三郎の前では媚びへつらい、陰で口汚く罵ったという。その善太郎の妻と大三郎が通じていたというから更にその恨みは激しくなるばかり。妻が産んだ子が確かに大三郎の子であるという証をまざまざと見せつけられた善太郎は車井戸に身を投げて自殺する。激しい怒りを抱いての憤死である。田舎ではこういう噂は広がりやすい。遺された妻への風当たりも強くなり、赤子が乳離れするのを待って、その妻も車井戸に身を投げた。 さて、同じ父の子として産まれながら、本位田家の本妻の子・大助はお坊ちゃんらしく鷹揚に育ち、秋月家の子として育った伍一は田畑を耕して働かなければならなかった。ここにもまた恨み、妬みが生まれないはずがない。 その二人が揃って同じ時期に戦争へ召集され、同じ部隊に入隊する。浅からぬ縁が感じられる。 横溝作品によく出てくるのは、嫡子と庶子との確執。戦争からの復員。しかも傷を負っての復員であり、顔に傷を受けていることも少なくない。とすると、その復員してきた男は何者か・・・となる。それが裕福な家の息子として帰ってきた場合、相続を巡って、様々な憶測が飛び交う。この物語も同じである。 本位田家の長男・大助が復員してくるが、顔は傷ついていた。大助と伍一は双子のように似ていたが、ただ一つ、瞳孔のみで見分けがついた。しかし、復員してきた男は両目を失い、そこには義眼がはめ込まれていたのだ。さて、この男は大助なのか、それとも大助になりすました伍一なのか。 金田一耕助はほとんど登場しない。最後に書かれているが、「獄門島」の事件を解決したあと、この村に立ち寄り、戦争から復員してきた大助(と思われる人物)とその妻の殺害事件の再捜査に乗り出すことになったらしい。が、金田一が乗り出す前に、事件はほぼ解決しているのだ。だから、最初と最後に少し名が出るのみ。 後半部分は本位田家の長女・鶴代が兄である慎吉に宛てた手紙を中心に事件が語られる。鶴代は心臓が弱く、ほとんど家からは出られない身体であったが、とても聡い娘である。彼女が感じた恐怖が手紙から伝わってくる。 人の恨み、妬み、哀しみ、苦しみを飲み込んだ車井戸。 真犯人は誰だろう。私には自ら手を下すことなく、心を操った人間に他ならないと思える。巧みに人間の心理を利用し殺人を行った。いや、行わせた。 80ページ弱のストーリーだが、横溝ワールド全開のミステリである。 「黒猫亭事件」 本作品は125ページほどのミステリ。 金田一の活躍を記述しているY氏(横溝氏か?)と金田一との出逢いの場面が描かれている。 「黒猫」と聞いて思い浮かべたのは、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」。洋の東西を問わず、「黒猫」という言葉には何やら恐ろしい雰囲気がまとわりついているようだ(実際のネコちゃんは可愛いと思う。誤解無きように)。 さて、事件が始まる前に、作家であるY氏と金田一とのミステリ談義が記されている。Y氏が金田一に語るのだ。 探偵小説で扱われるトリックには「一人二役」型、「密室の殺人」型、「顔のない屍体」型がある。「密室の殺人」「顔のない屍体」は読者に与えられる課題だが、「一人二役」はそうではない。読者に感づかれたが最後、その勝負や作者の負けである。そして、「密室の殺人」というのは解き方が千差万別であり、様々な解決があるわけだが、「顔のない屍体」は違う。もし、探偵小説で顔のない屍体が出てきたら、被害者と加害者が入れ替わっているのだと考えても、まず十中八九間違いはない。そう言う意味で、「顔のない屍体」が出てくる探偵小説に限っては事件の第一歩から読者は犯人を知っていることになる。これは作者にとっては不利なことだ。にもかかわらず、探偵小説家はこの「顔のない屍体」に魅せられる。不利なことを感じながらも、このテーマと取っ組み合いたいという誘惑を感じるのだ。 このミステリは、その「顔のない屍体」が掘り出されるところから始まるのである。Y氏にとっては打ってつけの材料が与えられたわけだ。 掘り出された屍体は裸の女性のものだということはわかっても、腐乱がすすんでおり、顔の造作はわからなくなっている。掘り出された時間というのがまた、人気のない真夜中の空き家だというのだから、怖いったらありゃしない。掘っていたのが寺の坊主だといえば、更に気味悪さは増すだろう。 この女が誰なのか。それが問題だ。 この空き家、数週間前まで「黒猫」という酒場だった。そこそこ流行っていたにもかかわらず、突然、主が店を閉めて引っ越したのである。新しく買い取った主が改装を進めているところであった。店のマダムにも他の男の影があり、マスターにも女の影がある。夫婦の仲は全く問題なかったわけではなさそうだ。屍体の正体はマダムなのか、それともマスターの情婦なのか、それとも・・・? 頭がよく、度胸のいい犯人だ。「獄門島」や「八つ墓村」などのような派手さはないものの、その独特の雰囲気は充分堪能できる。黒猫や寺、墓場の近くにある人気のない空き家、兇器の薪割りなど、小道具の使い方も上手い。やはりさすが横溝正史。これだけのストーリーを仕立て上げるとは・・・。今さらながらその凄さに圧倒された。

    0
    投稿日: 2011.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    動機や殺人の状況など、現代日本が舞台ではありえない濃密な事件三編。戦争はいろんなものを大きく変えた、ってことをひしひしと感じる。「黒猫亭~」は映像で観たいけど…無理かねえ。あと金田一が笑えるくらいオジサマキラーwww

    0
    投稿日: 2011.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「本陣殺人事件」 本格ミステリなので、How, Who, Why が適度にバランスよく記述されています。まずHow ですが密室殺人事件なのでこれは大きな焦点になっています。、密室の謎はなんとなく読んでいると見えてきますので読んでいる方としては楽しくなってきます。怪しい琴の存在とかが、思わせぶりですね。 Who は、密室が解けると微妙に 1名しかいなくなるように記述されています。ただ確かにその人物なのか、という疑いを払拭できなかったのが、全く Why の動機が解らなかったからです。そういう意味では、Why に関しては現代人にはかなり難しいものになっているように思います。婚礼の日という事を考えれば、昭和初期の人は推理できるのかもしれません。 まったく本論に関係ないですが、現在の文庫本では地名が伏字になっています(清―駅、川―村、岡―村、久―村、高―川で、それぞれ清音駅、川辺村、岡田村、久代村、高梁川を表すそうです)。 「車井戸はなぜ軋る」 印象に残る女性、生まれつき体が弱いというのもその一因なのでしょうが、鶴代という女性が出てきます。兄の慎吉は病気で療養所にいて、鶴代は兄の元に手紙をよく送っていて、その手紙を通じて読者は物語を見ていくような手法が採られています。印象に残るのは、やはり推理を展開して分析でき、かつ女性らしく描かれていることだろうと思います。 一方、二重瞳孔、重瞳の人物がいて、かつこれがキーワードになっています。調べるまでは知りませんでしたが、貴人によく設定されるものらしいですね。 「黒猫亭事件」 金田一耕助が作者を訪ねた話があり、その中で「顔のない屍体」のトリックについて書かれています。作者は今までにない顔のない屍体トリックを描きたいというリクエストに合致する事件を金田一がその後伝えた、という形を取っています。 黒猫の死の理由、畳に残された意味ありげな血、一人二役など面白いところは多いですが、最も意外だったことはと言えば、最後に金田一が銃で撃たれそうになるクライマックスは盛り上がります。 多少時代劇っぽいところがあるのはしょうがないと思えば、ミステリーの王道を今でもいけるような気がします。まあ、今の王道はもう少し違うところに意外性を求めているような気もします。

    0
    投稿日: 2011.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今は昔の中学時代、横溝作品との出会いの1冊。トリックに魅せられ金田一耕助に憧れ、角川版の全作品を読破しました。あの当時はもっとおどろおどろしい表紙イラストで ずらっと並んだ本棚はとんでもない雰囲気でしたが、最近のは都会的な感じ?私にはスマートすぎて物足りないかも。

    0
    投稿日: 2011.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝さんってなんか猟奇的なイメージがあったのだけど、日々があってそこから気づくとこんなおかしな事態になっているという印象を持った。

    0
    投稿日: 2010.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3篇を収録。 私的には「車井戸はなぜ軋る」が好き。 金田一耕助はこの事件とはほとんど関わりを持たないが、兄弟の間で交わされる手紙のやりとりから事件を語ってる点が面白い。 最後は何だか少し寂しい気持ちになります。 「黒猫亭事件」はあれだけ色々最初にヒントを与えられていながら負けました。 推理小説をお書きになられる方はやはり頭が冴えていらっしゃるのですね。

    0
    投稿日: 2010.10.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三篇を収録 金田一耕助のデビュー作となる「本陣殺人事件」。 宿場本陣の旧家に起こった、婚礼の日の雪の夜の惨劇。 離れの座敷を舞台に琴や屏風など和の小道具で彩られた密室殺人。 「車井戸」と「黒猫亭」は顔のない死体モノ。 ですがどちらもひねりにひねられています。 「車井戸」は二家族の古い因縁が引き起こした殺人。 この作品も復員者が肝で、戦争が暗い影を落としています。 「黒猫亭」は戦後の混乱に乗じた殺人。 なぜ黒猫が死ななければならなかったのか。 ポーの『黒猫』を思い出させます。 同じ素材をこうも異なった作品に仕上げられるその独創性に驚かされます。 終戦で「さあこれからだ!」と意気込んだ横溝。 その勢いそのまま、推理小説への熱意溢れる作品ばかり。 まだ描きなれていない金田一の初々しさや若さも感じられる、力のはいった短編集です。

    0
    投稿日: 2010.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うわー、コロコロコロシャーン!ですよ。 道具立ての風雅さ。動機の意外さ。 ぐいぐい引き込む筆力。傑作です。 これをちゃんと映像化した作品にも驚いた。

    0
    投稿日: 2010.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初・横溝正史、というわけで、どんなノリかイマイチ よく分からず・・・ 表題作の動機が怖い・・・・

    0
    投稿日: 2010.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。枕元には、家宝の名琴「おしどり」が…。密室トリックに挑み第一回探偵作家クラブ賞受賞。(amazonより抜粋)

    0
    投稿日: 2010.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝正史読んだ事無かったので読んでみようということで。 金田一耕助初登場作品…こういう人物なのか金田一耕助って。 「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三話が収録されているけど、車井戸はなぜ軋るが一番好み。全体的に面白かった。

    0
    投稿日: 2010.03.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助初登場がこの「本陣殺人事件」。ですが、私が惹かれたのは同じ本に収録された「車井戸はなぜ軋る」の方だったりします。この中では金田一は完全に蚊帳の外の人物であり、話の一筋の線になることもなく、ただ離れた場所にポツリと一つの点を落としただけの存在。されど、想像して頂きたい。既に逃げるつもりは無く、最後の家人の死を待つ犯人とその犯人を濡れたような眼で見つめる金田一の姿を。そこに横たわるのは虚しさなのかそれとも・・・。飄々とした金田一の存在をより一層浮き彫りにする作品だと思います。

    0
    投稿日: 2010.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    荒々しい琴の音色、雪の密室、三本指の指紋、猫の墓……と不気味な演出たっぷりの作品でした。そっくりな異母兄弟の疑惑にまつわる悲劇の『車井戸はなぜ軋る』、“顔のない死体”として発見された女は誰なのか突き止めていく『黒猫亭事件』も面白かったです。

    0
    投稿日: 2010.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    10年振りに再読。 「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」収録。 正直このシリーズは当たり外れが激しいと思いますが、本書は 文句なしに名作だと思います。トリックも凝っています。 特に戦後の探偵小説創成期の熱気も感じられて、一種感動さえ 覚えます。 しかし本書収録の3作が3作とも「獄門島」に触れているため、 読了後「獄門島」を読みたくて仕方なくなる罠が。

    0
    投稿日: 2010.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    事件が起こってから、金田一耕助登場、そして捜査、最後に推理ってな感じでまさに王道! おもしろいです。 珍しく金田一耕助登場してから死人が出てません。 好感が持てます。

    0
    投稿日: 2010.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書が金田一耕助初登場なんですね。 表題作他2編の短編も含めて、面白いです。 ただ、私が読んだのが旧版の文庫だったので、表紙が超コワかった(苦笑)

    0
    投稿日: 2009.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『本陣殺人事件』 金田一耕助シリーズ  婚礼の夜にさつがいされた花嫁と花婿。密室殺人。謎の三本指の男。被害者の日記に残された「生涯の宿敵」。推理小説マニアの三男が再び密室で重傷を負う。パトロン・久保銀造の依頼で登場した金田一耕助。 『古井戸はなぜ軋る』 金田一耕助シリーズ  瞼以外は瓜二つな因縁の家族の息子たち。目を失って帰国した男。はたして男は本物か偽物か。雨の降る晩に殺害された妻、そして男も殺害され古井戸に投げ込まれていた。 『黒猫亭殺人事件』 金田一耕助シリーズ  黒猫亭の裏庭で発見された顔のない女の死体。消えた黒猫亭マスター夫婦。被害者は妻か愛人か? 旧装版  2009年9月9日購入  2009年9月10日読了

    0
    投稿日: 2009.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝作品は、実は本を読む前に 大概ドラマで見ているのでトリックや結末などは知っています。 この『本陣殺人事件』もドラマで見たコトあるのですが、 読んでみると短い作品であることに驚きました。 トリックが、ちょっと本で読むには分かりにくいですが・・・ 『本陣殺人事件』他『車井戸は何故軋る』『黒猫亭事件』の三編を収録。

    0
    投稿日: 2009.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    3作からなる中編集、といったところか。 長編に比べるとちょっと『えっ』みたいな感じで なんとも中途半端なものを食べてしまった気分。

    0
    投稿日: 2009.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    犬神家の一族から始まって着々と読み進めている金田一耕助シリーズですが、これは面白かったです! 他の作品と違って短編集みたいな感じなのですごく読みやすいのに凝った作りの話が詰まってて濃いです。 とくに表題作の本陣殺人事件は事件の顛末と言い表現の仕方といい秀逸です。 今更だけど本当に横溝正史の作品て映像的ですよね。 これはドラマや映画ににしやすいよなあ…。

    0
    投稿日: 2009.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ横溝正史の本です。 文章がきちんと整理されていて読みやすい。パズルみたい。 金田一さんはいいですね。

    0
    投稿日: 2008.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この角川文庫では、金田一耕助シリーズの第二作目。 ・本陣殺人事件は、金田一耕助シリーズらしい作品でした。  旧家が舞台で、細かいトリックがある密室もの。 ・車井戸は、後から登場シーンが付け足されたと言うだけあって、金田一の物語中での役割は殆どなく。むしろ、思いっきり蛇足感が漂うような…。  しかし、肝心の内容は、よくある探偵ものではなく、手紙の形式で書かれていて、そこが面白かったです。  ただ、トリックというか、謎解きは推理小説を読み慣れているひとなら、簡単にわかる程度のもの。 ・黒猫亭は、これこそ金田一耕助の登場する初めのもの(らしい)。  題材が顔の無い殺人で、捻ってあって、手応えのあるお話でした。  犯人が凄い悪なのも好みです。こういう場合は、下手に人情話とか無い方がいい。

    0
    投稿日: 2008.10.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    黒猫亭事件収録。 持っているのはこのカバーのものじゃなく、S48年初出でS57年増版でカバーのもっと怖いやつ。

    0
    投稿日: 2008.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    横溝正史の出世作である。 本陣殺人事件は、ごく短編であるが、非常に緻密で面白い。それに比べると、八つ墓村や犬神家の一族は、知名度こそあれ、物語的であり、雰囲気的であり、反面推理の味が失われて大味のそしりを免れないように思われる。 しかし、本陣殺人事件については、ミステリをよく読む人にとっても読み応えがあるだろうと思われる。

    0
    投稿日: 2008.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ横溝正史作品。 ずっと読んでみたいと思いつつ、手が出なかったのですが。 話の進み方は、推理小説作家の作者が、金田一という青年が関わった事件をネタとして資料をもらい、推理小説風にまとめてみました、という形をとっている。 そうとは知らなかったので、意外だった。推理小説としていきなり物語が始まらない。そこに案外新鮮味があった。 そして。金田一耕助が興奮するとどもったり、方言がきつかったというのには驚き。 「本陣殺人事件」これはいわゆる密室もの。冒頭にもあるが、密室はいろんな作家が挑戦し、トリックもでつくしているかのようだ。 ところが、横溝正史は、なんとか新しい形のものを作り上げた、という感じ。 本当にそんなことできるのか?という疑問は残りつつも。 人間関係の複雑さもまた日本らしい、という印象を受けた。 「車井戸はなぜ軋る」は気味が悪い感じ。ある一家を襲う恐怖の事件。 それは、結局歯車の一部がずれたことで全てがおかしくなっていく、という話。この一家が気の毒になる。 「黒猫亭事件」は人間よくもまぁ、ここまでおかしくなれるものだという寒気を覚える。顔の無い死体もの。 身元を隠して死体を捨てるのはなぜか?理由が意外。

    0
    投稿日: 2008.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    記念すべき金田一耕助最初の事件。旧家一柳家の当主賢蔵の新婚初夜に賢蔵とその新妻が離れで死体となって発見された!しかも現場は足跡なき雪密室。その密室の謎にアメリカ帰りの私立探偵、金田一耕助が挑む!画になる物理的密室トリックは正に鮮やかで元祖雪密室の傑作といっていい記念すべき第1回日本探偵作家クラブ大賞受賞作。また、同時収録されている「車井戸はなぜ軋る」と「黒猫亭事件」も傑作だ。

    0
    投稿日: 2008.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助最初の事件 この話では和室では難しいと言われていた密室殺人が起きています。 他の話と比べると短めです。

    0
    投稿日: 2008.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ▼そんなことの為にそんな凄いトリック(涙)。感動的な物理トリックなのに、本当に何でそんなくだらないことして!!▼トリックは面白かった。動機はもう……思い出したくもない(笑)。

    0
    投稿日: 2008.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これはすごい。しかし私の頭が悪いのか、全然どういう状況になってるのか想像できない…映像化されてるものを見てみたいなあ。「車井戸はなぜ軋る」と「黒猫亭事件」もミステリらしくてとっても面白かった。陰惨でいいわぁ。

    0
    投稿日: 2008.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本陣殺人事件は映像化などには縁遠いのかもしれないが、いわずと知れた金田一耕助のデビューである。 表題作となる『本陣殺人事件』は、昔からの大きな家が舞台。 やっぱり横溝正史と言ったら、怪しげな名家、旧家が舞台なのが心躍ります。 そして病弱な美少女だったり双子だったり琴であったり井戸であったり黒猫であったり、謎めいた物々が更なる興味をかきたてる。 あまり金田一が前面に出ているような印象はないが、金田一と小説家Yの出会いを描かれた初々しいデビューであるなぁ、と感じた。

    0
    投稿日: 2007.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕助日本デビュー作品。『本陣殺人事件』は勿論のこと『車井戸は何故軋る』『黒猫亭事件』も言わずと知れた名作。ミステリーの王道殺人を華麗なトリックにて突破する神業、素晴らしいです。何よりも金田一と、また彼に縁のある人物たちがまた魅力的。風間かっこいいなあ。

    0
    投稿日: 2007.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。枕元には、家宝の名琴「おしどり」が…。密室トリックに挑み第一回探偵作家クラブ賞受賞

    0
    投稿日: 2007.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    犬神家の映画に触発され、読み返した一冊。近頃のミステリものと違い、関係ないものは記述を省いて、かなり重要な点のみ書かれているにも関わらず、トリックがわからないというのは素晴らしい。読者への挑戦を差し入れてもよい程の削ぎ落とされた描写。 近頃のミステリものは、事件以外の雑多な記述が多く、混乱を誘う、読者惑わし型だとすると、これは削ぎ落としトリック記述型だとでもいうのだろうか。 何より、古典ミステリの名前が出ているが、私の幼少の頃に読んだ作品なのが嬉しい。最近見かけないけれど。

    0
    投稿日: 2007.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本陣殺人事件+車井戸はなぜ軋る+黒猫亭事件。 本陣はいうまでもなく面白い。 後の二編も二転三転の技が光ってます。

    0
    投稿日: 2006.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金田一耕介がアメリカから帰り、はじめての日本デビュー作品。かなり古い作品だが、今現在読み返しても、夢中で読破できる一冊。

    0
    投稿日: 2006.07.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ横溝作品。『本陣殺人事件』の舞台設定・トリックが超・日本らしくて素晴らしい。初めて読んだ当時、なぜか『車井戸はなぜ軋る』が怖くて怖くて仕方がなかった。

    0
    投稿日: 2006.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    緑三〇四 8 金田一耕助が初めて登場した事件。巧妙に仕組まれたトリックが秀逸。角川文庫では、8番目の本作だが昭和12年11月頃のエピソードである。映画は、中尾彬が金田一になり1975年にATG(Art Theater Guild)でなされている。横溝正史が疎開していた岡山県の旧岡田村で金田一耕助が誕生する。舞台は、岡田村と川辺本陣。井原鉄道の駅「川辺宿」は、金田一耕助ミステリーロードの始点として整備されている。 『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』併載。1973/4初版

    0
    投稿日: 2005.11.16