
総合評価
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powered by ブクログ2024年12月5日、YouTubeで横山英俊さんとデヴィ夫人のコラボ動画「戦後の幼少期に一大決心れスカルノ元大統領との結婚生活の裏に秘められたバイブルの一節とは」のなかで、デヴィ夫人が子供時代に読んでた本として紹介されたうちの一冊。
1投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログ本屋さんに行ったときもう少し和訳が柔らかいのがあったのでそちらがおすすめかもです…。 私が読んだのは少し言葉遣いが旧いこちらですが、今使われてる言葉で読んだ方が心にすっと入ってくると思います。 ウェルテル現象という言葉があるぐらい当時の若者は感化された作品なだけあって、感ずるものがあります。まださらりとしか読めていないので時間をかけて味わいたい作品だなと思いました。 最後の方なのですがロッテが可哀想ですね!(幼稚園児並の感想)ウェルテルはロッテや周りの人達に一生消えない傷を残して去っていきました。きっとウェルテルはロッテの心の中の住人になれたことでしょう。罪深いですね!
1投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログ名作と勧められて読んだ。 所々凄く共感するところや学びになる文があった。 全体的に読みづらく(翻訳だからか)、特に前半はどういう物語なのか掴めず読むのに苦労した。
0投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ圧倒的。 青春期特有の人が持つまっすぐな心と純粋な感性にここまで肉薄し丁寧に描写した作品は数少ない。 現代の人はすぐに詩的な物言いに触れるとポエマーだの病んでるだの言う。 TwitterやSNSで安易に自らの心のうちを吐露してる人ももちろん大概だが、人の心のめんどくささだったりどうしようもなさを、一方的に俯瞰から見ては冷笑的なコメントをする人が多い現状はそれはそれで色々辛い。 ウェルテルは書簡体、つまりとても個人的なもので、本来は触れてはいけない人の「真実」が描かれる。彼の希望と絶望がそこに克明に記され、それを読んだ僕たちが魂の奥底で何かを動かされる。 ウェルテルは死んだがゲーテは生き返った。
0投稿日: 2023.09.29
powered by ブクログいやはや全く、男って太古の昔から馬鹿だなぁ…ということに尽きる。こういうタイプの人を何人か見たことがある。端的にいうと失恋によって病んでしまう人。 女って失恋でここまでならない気がするのよね。ちゃんと次に行くエネルギーがあるというか。失恋でおかしくなってるのって男だけな気がする。逆に女は恋愛中におかしくなるイメージ。 ロッテに関する手紙の描写がなんというか激しすぎて、今でいう厨二病を文学的なMAXの値まで高めるとこうなるんだな…と半ば感心しながら読みました。全文きっちりは追えなかった…だって全部同じなんだもの…あ!な!た!を!こんなに!愛して!いるのに!!!ということだけ…笑 この時代にドイツで本小説の流行によって自殺者が増加したというのはすごい話だなぁと思う。それくらい、人間なんて脆くてすぐ転んでしまうものなんだなぁと。 当時精神病の概念があまりなかったはずのところに、きちんと今のような精神病に関する理解があるような書き方をしているのはゲーテ先生さすが、の一言ではある。 あとがきを読むと、この話はほぼノンフィクションのように色々な人の手記・日記・手紙をつないで作ってあることがわかる。そうだよねー人に物事を伝えるのが手紙しかない時代、書き綴って送るしかないんだものね。今ならチャットがあり、どんなやり取りになるのか…現代版若きウェルテルの悩み、どこかにありそう。探してみようか。
0投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログ「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」 不幸な人生を送っているな! けど自分じゃ体験できないことを味わえるのが本だから。
0投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本で見られる形の失恋は確かに誰しも経験したことがあるかもしれませんね。 しかし最後の解説でこの本がブームになったことで自殺者が増えてしまったと知ったとき恐ろしい本だなと思いました。 元気じゃないと読んではいけない本です。
0投稿日: 2023.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
美しい自然の描写や村の人々の生活がのどかでよかった 人の婚約者に惚れてここまで悲劇の人間ぶることある?ってなるくらい仰々しい表現で恋の喜びと苦しみと破滅が書かれてて凡人には共感できる感情の動き幅じゃなくておもしろい 恋愛に、というよりも、恋愛についての自分の思考に振り回されて自滅していく様子が秀抜 タイトルに採用されるのも納得の悩み具合だと思う
0投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログ第1巻のウェルテルの内省は、読み応えがあっておもしろかった。しかし読み終えても、どうしてこの作品が名作と呼ばれるのかはわからなかった。 解説を読んでようやくわかった。特に解説の「当時の時代精神にいまからは理解にくるしむほどのセンセーションを呼んだ」という言葉だ。要するに「ウェルテル」は、人格を如実に描いた現代小説の嚆矢であったわけだ。 ただ、高校で漱石の「こころ」を読んだ我々には少し物足りないかもしれない。
0投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログロッテへの気持ちやその表現の方法がとても綺麗で、詩を読んでいるみたいだった。アルベルトの性格が普通に良い奴で、個人的に好きだった。その分ウェルテルのリアルな心情が伝わってくるというか、、、 自分の理解が浅いのは重々承知なんだけど、個人的にはストーリーとしてはなんかありきたりで単調な気がした。ロッテへの恋の道筋がちょっと短すぎるような気がする。ラノベの読みすぎかなあ
0投稿日: 2023.02.22
powered by ブクログ再読のためだろうか、もしくは岩波の訳者の方が合うのだろうか。 今回の方がするすると私の中に入り、情景が以前より明瞭になった。解説も骨組みや思想などわかり易くて良かった。 単に恋愛自害の本ではなく、自然に帰ることや、階級社会への反発など、精神的文化的な背景を知ることが出来た。自然に対する豊かな表現はすきだが、主観の激情を通して他方を見る形は自分には受け入れ難いと感じた。 「不機嫌は怠惰と似たものです。」 自殺の本として知られるが、前半は生きる上での教訓や指針を示してくれる。悲哀だけが本質では無い。
0投稿日: 2023.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ウェルテルはロッテに恋するが、彼女には婚約者がいる。それでも構わぬと友人として交際を始め、彼女を崇拝し、やがては自分が婚約者/夫たり得たらと空想し、それが叶わぬと知り悩み、絶望して、ついには自殺する。 本書はウェルテルが友人に送った書簡の体裁を取っている。そのため読者が知れるのはあくまでウェルテルの内面だけだ。彼がいくら心の底からロッテに惚れ、愛の言葉を紡ごうとも、当の本人には伝わらない。自分たちは相思相愛だと主張するが、ロッテに確認する術は無い。あまりに一方的だ。 ロッテに対して執着同然の恋心を抱いたウェルテルの破滅は、彼女への“呪い”になってしまったと自分は解釈する。「自分が彼を追い詰めてしまったのではないか?」という疑念・自責は消えないだろう。片想い、それも相手側にもある程度察せられているような片想いは、過ぎると災いでしかないのだろう。
0投稿日: 2022.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
若きウェルテルの悩み」が自分だけのために書かれたように思う時期が一生のうちになかったら、それは不幸なことだといわなければならない… 愛の描写が激烈 現代版ポエマー?
0投稿日: 2022.07.16
powered by ブクログ「これほどにも子供なのだよ!ただ一瞥に恋い焦れて!これほどにも子供なのだよ!」 一度目に読んだ時よりも、ずっとウェルテルに感情移入して味わうことができた。
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログストーリー展開は面白いと思います。 叶わぬとわかっていても、恋焦がれる相手への想いを抑えきれず、またその想いを抱えたまま生きてゆくことに悩み、葛藤し、そして死を選ぶ主人公ウェルテル。 主人公が友人にあてた手紙という形式で語られる悲恋の物語ですが、訳が古いからか、文章がとても読みづらく感じました。 「普通の」と言っては語弊があるかもしれませんが、地の文と会話文から構成される一般的な小説の構成で、またもう少し平易な(現代語により近い形の)訳文であればもっと面白く読めたのではないか、と思います。
1投稿日: 2021.11.16
powered by ブクログまさに疾風怒濤という小説で、主人公が畳み掛けるように心理が変化していく様が痛いほど分かった。様々なモチーフや風景描写が随所に散りばめられ、後々の考えに影響を及ぼしたりする伏線のようになっているところも面白かった。ただ、一部二部と三部で構成が変わり、いいところもあるのだけど、没入感やテンポがなくなってしまったように感じられ残念だった。(解説にも同様に思った人もいたと書いてあり安心した) ウェルテル効果という現象や言葉ができた理由が分かったように思う。
4投稿日: 2021.10.21
powered by ブクログそれまで冒険小説などのいわゆる娯楽小説が大半を占めていた中でいわゆる私小説というジャンルを創設したのがゲーテ。啓蒙主義に基づいた理性への信頼全盛の時代にあって、恋愛にまつわる激情を描き出した画期性はたしかにあったのだろう。あったのだろうけど人生経験の乏しさゆえか、そこまで没入は出来なかった。ゲーテに言わせればウェルテルに共感できない僕はまだまだ不幸な人間なんだろう。 しかし、表現がいちいちロマンチックで刺さった。一番好きなのはこれかな。 「ときどき不可解な気がする。私がこれほどまでにただあのひとだけを、これほどにも熱く、これほどにも胸いっぱいに愛して、あのひとのほかには何も知らず、何も解せず、何も持ってはいないのに、どうしてほかの男があの人を愛することができるのだろう?愛することが許されるのだろう?」 芸術のみならず実務方面でも才能に恵まれて、世俗的成功は意のままのウェルテルが本当に欲しいものは手に入れられないことの哀しさをこれほどまでに痛切に伝える文があるだろうか。
6投稿日: 2021.10.01
powered by ブクログ人の心なんて理屈じゃ分からない。ウェルテルの悩みは誰もが一度はする悩みじゃないかな。世の中自分の思い通りにいかない事ばかりだし、人間を信じれなくなる事もたくさある。人間なんて自己中で愚かで、悲しい生き物だってよく思うことがある。それでも、それもまた人生だと思って、毎日生きようと思う。
0投稿日: 2021.09.19
powered by ブクログ物語がウェルテルの手紙という形を取るため、ウェルテルの心情より生々しくリアルに感じられた。 最初は目線も広く心の芯に自分を持っていたウェルテルだが、ロッテとの叶わぬ恋に陥ってからは緩やかに狂気が増して行く。 恋は盲目という言葉がピッタリ当てはまっちゃったウェルテルだが、程度はあれど誰もが通る道ではある。 作者ゲーテの実体験がモデルとなっている背景を知るとタイトルの「若きウェルテル」いうフレーズにも感慨深い。 お菓子メーカーのロッテは、ここがモデルだった豆知識も知れて良かったですね。
0投稿日: 2021.09.10
powered by ブクログ新学社文庫より出ている学校指定の本で読みました。 なかなか言い回しを読解することが難しく苦戦しましたがウェルテルのロッテに対する恋慕と陶酔が表現されており、若くしてのため悩んでしまったのか。 気付いたときには遅かったのか。あの時代の背景として自由婚でなかったのか。時代に合わせた背景が解らないので深く読めなかった。勉強不足だった。 思いが募りすぎて最後の方で見つかる死にかたを選んで死んだことが見せしめのように見受けられちょっとサイコパスだなってかんじました。 思いに対して生きているウェルテルがアルベルトに対して嫉妬ではなく、自分への悲願として選んだのが死だった。恋慕が切なく儚く感じた作品でした
0投稿日: 2021.07.04
powered by ブクログウェルテルの気持ちはよくわかる 客観的に見ると大したことのないよう思えるけど本人の立場からすればロッテが自分の全てになってしまっているのだろう 馬鹿馬鹿しいと本人も思っていたかもしれないがそこから抜け出すのは難しい
0投稿日: 2021.06.23
powered by ブクログストーカーとは何と思い込みが激しく、身勝手なのだろうと思った。 ロッテの様子はあまり触れておらず、自分の感情をぐちゃぐちゃに書き残している。 自分のことばっかりという感じでした。 私が読んだのは、絶版のものでしたのでまた表現が異なるのかな?
0投稿日: 2021.06.01
powered by ブクログ恋が成就せずに自殺するという流れは知っていたけど、思い詰めて思い詰めた先に自殺かと思ったら、結構序盤で自殺のことを仄めかしていた。 もとからウェルテルは自殺へのハードルが低い人だったんだろう。 さすが詩人、情熱的な描写が秀逸なんだけど、ちょっと長いな!!(特にロッテへの読み聞かせ) ウェルテルは若者らしく、感受性豊かで、曇りない世界を愛している。けれども現実は権力欲に取りつかれた人間や、(ウェルテルにとって)この世の理をわかっていない連中ばかりで理解者がいない。 ロッテは唯一ウェルテルの安らぎだけど、別の人の物で、どうにもならなさが、この世の不条理がじわじわとウェルテルを蝕む。 ウェルテル自身も教養のある富裕層だけど、アルベルトがぐうの音も出ない完全に自分の上位互換で絶対に勝てない相手だから、ウェルテルにとっては負け戦。消化試合。 自分に寄り添ってくれる理解者がおらず、世にはどうにもならないことが取り巻き、愛していた自然もウェルテルの思い出の場所を破壊し、ウェルテルに牙をむく。追い詰められた人間の行く先は死のみ。 繊細で生き辛さを抱えているウェルテルだけど、少しも感情移入できない読者はそれもまた不幸だと思う。
2投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ古語が多く、また、特に序盤は内容がとっつきにくい為、読み終えるのに少し体力が入りましたが、当時の時代背景における本書の位置付けや、主人公の独特の価値観を踏まえた上で読むと、物語の進行とともに本書の素晴らしさを痛感しました、、、。 18世紀に書かれたとは思えない、今なお先端を走る圧倒的な普遍性は、非常に読み応えがあり、出会ってよかったと思える本の一つでした。 啓蒙思想から脱却と、人間性の開放、、、。 『もし恋なかりせば、この世はわれらの心にとってなんであろうか?』 『人間は人間です。誰かがすこしばかり分別をもっていたところで、いったん情熱が荒れくるって人間の限界におしつめられたら、そんなものは、ほとんど、いやまったく、役には立ちませんよ。』 『しかし、この心情こそは私が誇る唯一のものであり、力も、浄福も、悲惨も、すべてはこの泉から湧く。ああ、私が知っていることは何人も知ることができる。ただ、私の心は私だけのものだ。』
0投稿日: 2021.03.14
powered by ブクログ学生時代はゲーテ先生にハマった。私が好きな恋愛小説。タッソウ?も面白かった。自然科学系の本もおもしろい
1投稿日: 2021.02.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ただひたすら心理描写を読むのは正直とても苦労した。 最期のウェルテルの激情に対して、“編者”の淡々とした叙事的な文章が印象的。 情動的な若い頃に読むと感情移入したのかもしれないけど、ほぼそっくりゲーテの体験と思って読むと、違う意味で興味深い。ゲーテってヤバい奴だったんだなぁ…
0投稿日: 2020.11.06
powered by ブクログ読んだことがない古典名作 ゲーテが1774年(日本は江戸時代で田沼老中) 発表した自身の失恋体験を基にした作品 赤い岩波文庫版を何度も眠りコケながらやっと読了。 本書の影響力は半端なく、 若者の後追い自殺者が急増し発禁になったりナポレオンが7度遠征時に愛読したりと。 思い込みが激しい若者の恋愛妄想は いつの時代も変わらないのかも。 芸能人の自殺報道に影響を受ける ウェルテル効果も注目され心配です。 主人公が恋するシャルロッテさんから お口の恋人ロッテさんが誕生したらしいです。
0投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ古本屋のワゴンかなにかで買ってずっと積読本だった。それもおそらく数十年単位で。最近になって気が向いて読み始めたら、間から旧ソ連の10ルーブル札が出てきた。おそらく前の持ち主がしおり替わりに挟んだものだろう。ソ連崩壊は30年前。岩波文庫版の初版は70年前。時の流れを乗り越えてしまう古典の力はすごい。
1投稿日: 2020.07.24
powered by ブクログウェルテルの心理が描き出した、すこし歪な世界観。 だが、同情する点も多々あり、改めて世界は見る人によって表情を変えるのだなと。 フランクフルト旅行の前にゲーテの本を読んでみた。
1投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログゲーテに興味を持ったので、めったに読まない古典文学を読んでみました。かなり読みやすく、婚約者のいる女性に恋したウェルテルの苦悩が描かれた小説。
1投稿日: 2019.12.21
powered by ブクログ小説前半のウェルテルの鷹揚と、後半の激情、そして編集者による考察。この三段構えの構成がゲーテの天才性を感じさせる。自分としては深く感情移入する作品ではなかったが、とある詩人は「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と語ったそうである。ふむ。
4投稿日: 2019.06.06
powered by ブクログこの小説内の時代を形作る空気感や背景の細部までを理解することは私にとって難しかった。これは私の浅学が原因であり、それによって私がこの本に散らばるウィットネスを余すところなく堪能したと言うことは出来ないかもしれない。しかし、主人公ウェルテルのオーケストラの如き壮大な形容を以ってして紡がれる景色や心象の描写には時に圧倒され、時に激しく共感させられた。またこれは単なる物語文ではないことも読んでいるうちに理解出来るだろう。哲学や法学などのエッセンスがふんだんに盛り込まれており、物語の本筋とは違うところでしばし考えさせられることがあった。まだ多くは読んでいないので断言は出来ないが、この時代の小説は半ば哲学書であるといえよう。 考え過ぎる、傾倒することの危うさを身をもってウェルテルは証明していたが、自らの持てる知識や想像力を動員してこの物語に取り組むことは一般的にいって深く考えるということであり、そうしている時間は何物にも変えがたいものであるといえる。この本に限らず、それぞれの本から何を読み取り、自らの手で汲み取るかは人それぞれであることは言うまでもないが、一口にこの本から得られるものは少なくないだろうと思われる。
1投稿日: 2019.02.01
powered by ブクログウェルテルのロッテに対する激しい愛情はすさまじいものであり、ウェルテルにとってロッテは全てである。ロッテとの別れは自己の喪失を意味する。 ウェルテルのように自分の内世界に傾倒し、感情的に生きることに憧れてしまう。
1投稿日: 2018.12.05
powered by ブクログ友人とゲーテの思想を学ぼうと決め、本書を手にとった。本書は、主人公のウェルテルが親友のいいなずけのロッテに恋する物語である。本書におけるウェルテルは狂人と言ってもいいほどの勢いでロッテに愛を捧げている。現代においてはストーカーと呼ばれても仕方がない程のウェルテルの行動ぶりは理解に苦しんだ。当時のドイツ社会では本書が人気を博したとのことだが、それほど皆がウェルテルのような純愛を経験していたのだろうかと疑問に思った。また、ゲーテは「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と述べているが、私自身にその時期が来る未来を想像できない。しかし、一人のことを命をかけて好きなるということは人間のロマンとも言えるし、美しいことだと思う。現代では人の恋愛に対するコミットメントは比較的あっさりしたものとの印象を受けるが、ウェルテルが体験したような人生を左右されるほどの恋をする機会を持ってみるのもいいかもしれない。
0投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログオーディオブックにて読了。 言葉の持つ力に圧倒され、魅了される本。 いつの間にか自分がウェルテルとなったかのように錯覚し、 そして、ウェルテルの苦しい心情を同じように感じてしまう。 「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」 とゲーテはエッカーマンに語ったという。 僕もそう思う。 僕はウェルテルのような恋をしたわけではないし、 ウェルテルほどの知性も備えていない。 それでも、僕はこの本に出会えてよかったと思うし、 出会うべくして出会ったのだとも思っている。 ただ、ちょっと精神的にキツイ時期に聴いていたので 2周めを聴くことはできなかった。平静を取り戻したのち、 再度聞いてみたい。
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログウェルテルの悩みは一度は経験するものか。一個人の内面など、過去の誰かの内面の再生産に過ぎないとも思えて少し寂しい。読んでから数日は暗鬱な気分になった。
0投稿日: 2018.04.25
powered by ブクログ有名な作品。読んでみると確かにすごい作品だった。前の話だけど、人の弱さ、繊細さがよく描けていると思う。色んな意味でとてもズシンと響くものがある作品だった。角川をベースに岩波と読み比べをしながら読んだ。全体的には角川のほうが読みやすいけど統一した雰囲気は岩波のほうがある。特に最後の詩の部分は岩波のほうが読みやすい。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ウェルテル効果、という主に有名人の自殺に伴う自殺の連鎖を生む現象のこと、その元ネタ。 数百年前のドイツで、こんな小説が出るのは衝撃だろうと思う。人間の感情をここまで赤裸々に吐露し、しかもそれが受け入れられたということ。 理性でなく、人間的な自然な感情を肯定している、そんな感じがする。 ロシア文学っぽいけども、あちらほど能力もないのに卑屈になっている様子ではなく、ある特定の人とはきちんと交流を持てている。が、表層の権威への反発など(理路整然的なものとそうでないもの)は似通っているように感じた。地下室の手記のよう。 大学生のときに読んだが、あの時は、まさに自身があの中に居たような気がしていた。いま読むと、作中でも触れられているが、のめりこむような生活ではなく、ある程度いくつかのことを並行して行う。そのため、冷静でいられる。 もうあのようには戻れないのだろうか。 確かに幸せだったのかもしれない。
0投稿日: 2017.05.14
powered by ブクログ主人公はどうしようもなく苦悩しているのに、詩的情熱が充溢しているためかどこまでも牧歌的。 人生と恋愛と芸術を、人々がずっと素朴に、また真摯に愛していたのだろうな......悲劇的な結末が避けられないほどに。ドイツ的時代精神にふわーっと憧れました。
1投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読む時期が遅きに失した感がありました…学生の頃に読んでいれば、また違った読後感があったのかもしれませんが。 解説にも記された歴史的価値については疑うべくもありませんが、個人的には、終始引きっぱなしでした。自己陶酔、視野狭窄、、、うーん、という感じ。
0投稿日: 2016.04.30
powered by ブクログ『私が知ってるものは何人も知ることができるが私の心は私しかわからない』と作中に出てくる。 この言葉が作品の全てを形作っている。 青年(ウェルテル)の心情は、私自身にも当てはまるし、万人に共感されるものだと思う。
0投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」。久々に読み返してみると、この言葉に納得してしまう。ウェルテル、アルベルト、シャルロッテの三角関係とその破綻というのは、主題ではあるがこの小説はそれに尽きない。田園生活の中でホメロスを読み耽るという生活の理想、伯爵邸での出来事に対する憤懣、ホメロスからオシアンへの趣味の変化など、時代を象徴するようなエピソードが随所に散りばめられ、その脈絡の中でウェルテルが破滅的な生活に突き進んでいく――しかもそれは共感を寄せた農夫の破滅や第一巻からの自殺に関する議論で予告されている――この小説の全体が、何かしら「自分にあう」あるいは「こんな気分になったことがある」という感覚を抱かせずにはいない。これがこの小説の偉大さを示している。
0投稿日: 2015.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この小説は二部構成で、一部ではウェルテルが新しい土地に来た時の話から始まる。二部では前半では、その新しい土地でのある出来事が起きて、後半にはそのある出来事が完結する。
0投稿日: 2015.02.08
powered by ブクログドイツ文学科にいながら、読んでいませんでした。読みきりましたが、ウェルテルの苦悩の日々、細かな心情描写に心が痛みます。アルベルト登場前後で大きく変化する様子、そして、最期のシーンが非常に心に残りました。文章の中に自然描写なども非常に美しい作品でした。
0投稿日: 2015.01.04
powered by ブクログ大学一年のときに初めて読んだゲーテがこれだった。 ゲーテは芸術(文化)と生活(非文化)の揺れを描く人物だと言われているけれど、本書はその最たる例かもしれない。愛に生きて愛に死んだウェルテルを笑えるかどうかでその人の価値観を知れるだろうし、笑えたからと言って幸せとも限らない。こうした信仰レベルの愛を表現できるのは、他にはシェークスピアくらいのものだろう。
0投稿日: 2014.11.16
powered by ブクログ全ての言葉からにじみ出る全力で至高の愛。私も熱に浮かされたみたいになる。 ウェルテルは頭と身体中を恋でいっぱいにして、その勢いのまま死んだのでしょう 「玉の緒よ絶えなば絶えね」を思い出した
0投稿日: 2014.10.03
powered by ブクログファウストを買ったついでに購入。 恋愛とか殆どしたこと無い私には、ウェルテルのどうすることも出来ない苦悩の思いは共感出来きたのですが、どうもこう一人の女性(しかも人妻)に執着して想い続けるのかが全く理解出来なかった。 ゲーテの感受性豊かなロマン主義な作品は大好きなのだけど、どうしてもこの情熱的な恋愛というのは何故だか理解出来ない。 いつか、私もウェルテルまでとはいかないが、こんな大恋愛でもしたら分かるのかな………?
0投稿日: 2014.09.08
powered by ブクログウェルテルの恋とその破局を描いた書簡体小説。とにかくドラマチック、熱い。 ウェルテルの激情は、なかなか理解しがたかった。でも、まったくの共感は出来ずとも、心の奥底にどこか共鳴するものがあった気がする。 生身の人間がそこには描かれているからだと思う。
2投稿日: 2014.08.03
powered by ブクログウェルテル若すぎ…。 キリスト教徒であることと自殺を実行するということは彼の中でなんら矛盾するものではないのか。 しかし恋とは斯くあるべきなのかもしれない。
0投稿日: 2014.02.22
powered by ブクログウェルテルの親友の、そしてその許嫁ロッテに対する愛と苦悩と葛藤に塗れた一冊。 詩人曰く 「もし生涯に『ウェルテル』が自分の為に書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」 と表記してあるから言うわけではないが、僕自身、このウェルテルの気持ちがわかってしまう。 また知人曰く 「この本は難しい」 と言っていたが、難しいのではなく、恐らく、同意しかねるのだろう。 中学の頃、この小説を読み思ったことは「莫迦な人だな」だった。15年経った今、似たような体験をした今、こう思う。 「不器用な人だな」
1投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログ半年くらい前に読んだ.当時はそれなりに楽しく読んでいたと記憶しているが,今思い返すとどんな内容だったのか全然覚えていない.覚えていないくらいなのでたいして面白くはなかったのであろう.
0投稿日: 2014.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
教養として読書。発刊された当時この本に影響されて多数の自殺者が出たといわれるほど衝撃的だった作品。 書簡形式なので主人公ウェルテルの主観視点ですべてに意味づけがなされる。燃えるような恋をして、それが成就しないことに苦しむ。何でもないようなことに喜びや悲しみを見出す。内容はこれくらいだがウェルテルの内面の描写が当時としては画期的だったのだと感じる。 ゲーテの実体験が強く反映されていて、それが作品から感じるスケールの大きさに繋がっているのかもしれない。 (まどマギのシャルロッテはこの作品が由来なのかな?)
0投稿日: 2014.01.19
powered by ブクログウィルヘルムにあてた書簡を通じて、 ウェルテルが親友であるアルベルトの許嫁であるロッテに抱き 恋心から自殺に至るまでの苦悩の日々を描いた物語。 つまらなくはなかったのだけれど 読み終えるまでに3度ほど挫折し その都度再び手に取るまで間ができてしまうため どうも読み進まなかった。 全くそうとは言わずとも共感できてしまうのが 逆に毒だったのかもしれない。
1投稿日: 2013.11.10手の中にゲーテを収めてみよう
ゲーテの言葉は、翻訳されてもその良さが生きてます。 詩のようなリズムに任せて、ページをめくっていくのが心地よい。 とある菓子メーカーの社名の由来になった ヒロイン・シャルロッテはこの小説の中に出てきます。 このような書店の店頭では見つけにくい本が 直ぐに手に入るのもReaderの魅力ですね。
17投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログ(2003.07.10読了)(2003.03.22購入) (「BOOK」データベースより)amazon 親友のいいなずけロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いたこの書簡体小説には、ゲーテ(1749‐1832)が味わった若き日の情感と陶酔、不安と絶望が類いまれな抒情の言葉をもって吐露されている。晩年、詩人は「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と語った。 ☆ゲーテの本(既読) 「若きヴェールテルの悩み」ゲーテ著・佐藤通次訳、角川文庫、1950.08.15 「ヘルマンとドロテーア」ゲーテ著・国松孝二訳、新潮文庫、1952.01.15 「ゲーテ格言集」ゲーテ著・高橋健二訳、新潮文庫、1952.06.25 「イタリア紀行(上)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.01 「イタリア紀行(中)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.01 「イタリア紀行(下)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.25 「ファウスト(一)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1967.11.25 「ファウスト(二)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1968.02.25
0投稿日: 2013.09.07
powered by ブクログ文科系青年のウェルテル君が人妻のシャルロッテさんに恋して悩む話。全編通して、ウェルテル君からの手紙を友人になったつもりで読むという構造になっていて、ウェルテル君が愛しくなってきます。お菓子のロッテは本作のヒロインが由来らしい。
2投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログ花や木や空など、自然に対する描写がきれい。 最後、すぐに死にきれなかったことが、惨めで悲しい。そんなのってない。
0投稿日: 2013.04.12
powered by ブクログ許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する・・・生きることの意味とは?
0投稿日: 2013.02.18
powered by ブクログ1774年、ゲーテ25歳(!!!)の時の書。「もし生涯にこの書が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」とのちにゲーテが語ったような書。当時の自殺への社会的な関心の高まりも相まって、ウェルテルに扮して自殺する人が多数出たという。 自殺したウェルテルの手紙をかき集め、それを並べることでそういう結末に至らざるを得なかったウェルテルの内面が描かれる。最後は周囲の人の証言で構成される。自身の経験と、周囲で実際に人妻に恋して自殺した人の話に取材してできた物語らしく、実際の手紙をほぼそのままウェルテルでも使ったりしているようだ。 ファウストよりもよっぽど面白かった。
1投稿日: 2013.01.07
powered by ブクログあつい笑 あついやつだな、ゲーテ…笑 彼の、官僚制や階級制度をはじめとした社会の拘束性、理性第一主義、などに対する卑下ともいえるような嫌悪を惜しげもなく発揮した作品だったと思う。 私としては、ロッテのどっちつかずな態度が…魔性の女だなって。
0投稿日: 2012.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この小説はこわい!なぜここまで書いた! いや~どうなんだろう、ウェルテルの悩み。過去のいつかの自分なら共感したこともあるかもしれないけど、今はそういう感覚はありませんでした。というかもうこれ恋愛小説の域をとっくに越してしまってる気がするし、共感とかじゃないのかな。 これ読んでて考えたのは、アイデンティティのこと。 ロッテが「なんで私なのか」ってウェルテルに問うことがあったけれど、確かに何でなんだろう。彼女自身がいうように、もっといい女性がいるかもしれないし、それ以上に既に彼女にはパートナーがいる。 まあ、「もっといい女性がいる」とはいえ、一生の内で持ちうる他者との関係の数は当然かぎられるわけで、恋愛対象といってそんなに数いるわけじゃない、現実的には。だから、ウェルテルがこれだけ没頭するのも納得できなくない。 一生のうちで偶々関係性を持つ、という意味での「偶発性」が、私にとって彼女はどういう存在、という意味での「他者のアイデンティティ」をつくっている部分は大いにあるんだろうと思うんですよ。時間や場所、境遇、等々のあらゆる要因が影響しあってはじまったからこそ、恋愛に運命的な絶対性を感じるわけだし、それゆえに恋愛はこうも人を悩ますんだろうし。だから理屈の上ではウェルテルの悩みは分かる(感情的には分からない)。 ・・・しかしながら、一方でこの「運命的な」偶発性は、つねに他者へのアイデンティティを否定する可能性を孕むわけですよね。偶発性は不確実なものだから、上述したような「他者へのアイデンティティ」をほとんど担保しないんですよ。 それこそ、「これから『たまたま会う人』のなかに自分よりも全てにおいて上回る人が現れたら」とか考えてると、誰々にとっての自分のアイデンティティに空しさを感じてしまう。 そうするとロッテの「なんで私なのか」への答えが浮かばないわけだ。たまたま会ったうちの一人でしょう!!と言われれば、へえそうでござんすってわけで、困ってしまう。 結局、答えをくだしているのはウェルテルじゃなくロッテ自身。 どういう時間を、場所を、記憶を共にしたか。本当に不変でありつづけるものはそれだけだから。「トムは真夜中の庭で」の名言のとおりだ。「 かわらないものなんて、なにひとつないものね。わたしたちの思い出のほかには」。思い出にこそ、相互のアイデンティティが、恋愛があるんじゃなかろうか。 ちなみにタイトルのことだけど、なんで「ウェルテルの悩み」じゃなくて「若きウェルテルの悩み」なんだろう?と考えると、そのまま考えれば、まだナイーブで無知な青年ウェルテルの「あなたのためなら死ねる」的なお話、という意味で「若き」を解釈できる。最初はそう思った。 けど考えていると、どうも、実はゲーテは別の意図があるんじゃないかと思えてきた。実際にウェルテルはそこまで無知に描かれていない、むしろ理知的だし、ナイーブさゆえに死にまで至るだろうか、と。本当はむしろあべこべじゃないか?「死」を強烈に意識していたからこそ、ウェルテルほどの愛が生まれたのではないか。「死」を意識して全霊をもって生きること、愛すること。これがむしろ若さ。タイトルの「若き」はナイーブ(世間知らず)な、盲目な、というような消極的な意味ではなく、より積極的な意味なんじゃないかな。 つってな。
0投稿日: 2012.11.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外の名作を読みたくなり、ゲーテが作者であること・独白の形式であることから、購入した 若き者、自意識は過剰で、恋は盲目 最後は、これ以上周囲と自己の心身の状態を悪化させないためには必要だったんだろう 逃げのようだけれど、ゆるしてあげたい
0投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログ惚れ込み、傾倒、報われず、想い破れ、最後には絶望が眩しい。 時には嫉妬し、それでもなお直向に愛を抱え続けるウェルテルの様が、心を掻き毟られ本当に苦しい。どうしようもない、では片付けられない。只々辛い。 前半の浮かれ具合も、後半のやるせなさも。 一度でも失恋したことがあれば感情移入しちゃうはず。 イタイイタイ、もう読まない畜生。
0投稿日: 2012.08.09
powered by ブクログ友人の婚約者に恋をし、そして失恋したゲーテの実体験が元になっています。 「自分のためにウェルテルが書かれたと感じる時期がないならその人は不幸だ」と晩年のゲーテは語ったそうです。僕は「忠告のために」書かれたと感じるかどうかだと思いました。 恋をするとウェルテルのように大言壮語になることは分かります。しかしそれが端からだと精神錯乱状態にしか見えないことをこの小説は冷徹に描いています。 しかしこの小説の恐ろしいところは物語の終盤になってロッテも実はウェルテルに好意を抱いていたと書いているところです。ロッテは婚約者のアルベルトのことだけが好きで、ウェルテルには何の愛情も抱いていないことにすれば話は簡単です。恋とは一方的な思い込みであり、ウェルテルを反面教師として冷静になろうと読者は思えるのに、ロッテもウェルテルが好きなんだから自分にもチャンスがあるかもしれないと余計な希望を抱いてしまいます。
0投稿日: 2012.04.16
powered by ブクログいつも現代娯楽作品ばかり読んでいるので近寄りがたい印象だった…わりにはスラスラ読めた。でもウェルテルのストーカー的な恋愛感情がちょっと気持ち悪かった。
0投稿日: 2012.02.11
powered by ブクログこういう海外の古典的名作を大海をざぶざぶと進むようなイメージで読んでしまうのは、読書をきちんとするように目覚めてから最初にわたしが読むべくして読んだ海外の古典的名作がヘミングウェイの老人と海であったからか。時代も国も違うけれど、この本も荒波の大海に揺られるようなイメージ。前にドストエフスキーを読んだ時もこの感覚だったんだけどなんなんだろう。多分大げさな言い回しとあまりに壮大な感じを受けるからだとおもうんだけど。 凄く素敵で面白い作品。話の筋はすぐに説明できるんだけども、なにしろ本のなかの言葉ひとつひとつにもうわたしは言いようが無い感銘と人間と文学の壮大さを感じてほんとうに鳥肌がたった。人類の歴史史上の傑作との呼び名も高い作品だとは思うけれども。圧倒的なパワーと爆発力がわたしはすきだ。何度でも読みたいとおもう。
0投稿日: 2012.02.09
powered by ブクログ感情が高揚した熱情 これこそが人の本質 その最も例が「愛」 心が震える、燃え上がる一瞬こそが人が生きる瞬間なのだろう
0投稿日: 2012.01.26
powered by ブクログウェルテルの苦悩を訥々と淡々と切々と描き出している。とっつきにくいが読んで損はない1冊。210P超で文学作品が苦手な方でも読み易いかなと。
0投稿日: 2012.01.22
powered by ブクログ名前は世界史で習っていた作品。 自分には合わなかったようだ。 一つ一つが切れているような日記帳の作品は、どうも苦手のようだ・・・。
0投稿日: 2011.12.06
powered by ブクログ要するに知り合いの婚約者に岡惚れして、それが高じて自殺しちゃったという話。 しかし、豊穣な自然への感受性と内面の真実を徹底させれば神様の前に立っても恥ずかしくはないという覚悟が、ウェルテルをして世界文学の中で唯一独特の地位を得さしめた。やはり序盤の、自らの感情を自然の中に流し込んでいく部分の美しさはゲーテがこのタイプの描出の名手であることを雄弁に物語る。 竹山道雄先生の訳文にはややクセがあるけど、文章は美しい。数度読んでじっくり味わいたい本の代表格。 個人的には、ケストナーの報告文をほぼそのまま使ったと言われるウェルテルの臨終の場面も、写実の妙に迫っていて捨てがたい。この小説、最後の部分が報告文の体裁になっていてバランスが悪いと批判する向きもあるようだが、そのいびつさも含めてまた強い魅力がある。
0投稿日: 2011.11.25
powered by ブクログ私の学がないだけですが、言い回しが難しかったです。 例えば引用であげたP53だけでも、簡単な言い回しなのかもしれないですが ――力もて奏でいでる。――ふたたびかろく息をつく。――五官はくるめく。 とあります。 現在あまり使われる言葉ではないと思うのですが、 私程度の読解力ではすぐにつっかかってしまいます。 そのため思うように物語に入り込めませんでした。 言葉は美しいとは思えません。 しかし表現力は豊かだとは思います。 すっとその場が思い浮かぶような文章は、まさに名文と言えるのかもしれません。 発売当時は社会現象にまでなったそうです。 その歴史的な文学価値は別として 「時代に愛された作品」が、 「時代を超えて愛される作品」なのかどうか、 ……正直私には分かりませんでした。
0投稿日: 2011.11.04
powered by ブクログウェルテルの手紙、またアルベルトとの会話の中に人生におけるいくつもの命題に対する筆者の考えが表されていた。 自害に対する考え方が印象的だった。
0投稿日: 2011.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すさまじい情熱の塊。そしてそれだけの勢いで恋に没頭しながらも人間の本質を鋭い言葉で書き暴いていく。さすが文豪……。ウェルテルの苦悩も相当だったけれど、ロッテの苦悩もなんとなくわかってしまう。夫は夫として、男として愛する人がいる中で、「人間」としてウェルテルを愛してしまったんだろうね。しかしウェルテルがロッテに求めるものは「性愛」をもひっくるめた激しい愛で。それがウェルテルのよさでありだめなところでもあり。すさまじく感情的で子供っぽいのに、その勢いが人を惹きつける。アルバートは極めて紳士だったにも関わらず、 後半になればなるほど「ウェルテルをいじめないであげて」という心理になっていたことに驚いた。それほどウェルテルは人を惹きつけ、引きずる勢いがある。とは言っても普通に考えたらどう見てもウェルテルの方が夫婦の仲をひっかきまわして、おまけに世話になっている家で自殺するという迷惑千万な男なんだけどね。最後、命すら危ぶまれるほど危険な状態になったロッテとアルバートは、今後どんな夫婦生活を歩んで行くんだろう。重い暗雲た立ち込めた状態で、アルバートはきっとロッテを支えるだろうけれど、ロッテが立ち直れるかどうかは全くの未知数。そしてそういうロッテの姿に、ゲーテの願望がこもっているのかもしれないと思うのは邪推だろうか。
0投稿日: 2011.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
新潮の高橋義孝訳より読み易い印象。 数回読んだけど、展開のテンポと構成が長すぎず短すぎずで好きです。 内容としては中学生とかでもある失礼体験の物語なんだけど、語りの力で面白いのかな。 ちなみに訳者の竹山道雄さんは「ビルマの竪琴」の著者です。これも面白い。
0投稿日: 2011.09.08
powered by ブクログ昔の小説を「文体がむずかしくて頭に入らない」「古くて現実味がわかない」などと言って食わず嫌いしてる人は、是非これを読んでほしい。読み出したら止まらない、現代感覚あふれる作品。にんげんだもの。ゲーテ最高。
0投稿日: 2011.08.01
powered by ブクログウェルテルがひたすら悩んだ挙句亡くなりました。 その悩みの様子ももちろん興味深いのですが、私が何より気に入っているのは風景描写です。 当時のドイツの情景が一瞬にして想像出来、あまりの美しさに感動します。非常に美しい小説でした。
0投稿日: 2011.07.24
powered by ブクログ熱い!疾風怒濤というがまさに熱い熱風のような息吹を感じる。フランスのロマン主義よりも熱いのは民族の違いか。ほとばしる情熱とひたむきな想いと瑞々しい描写。敬虔に神に祈ったが願いは聞き入れられず、自殺したので神の国にも入れず… ギリシアの神々なら憐れみ給うて願いを聞き入れるか死後に報いてくれたであろうに。悲劇ではあるが悲壮感を感じないのは念願のロッテの唇を奪い、愛を確認できた満足感は何ものにも換えられないもので死すら甘美なものになったからだろう。
0投稿日: 2011.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
金のために働く者を蔑み、夢を語るウェルテルは若く、ロマンチストで、繊細すぎた。不器用にしか生きられない彼にとって、婚約相手のいる一人の女性は希望で、その叶わない恋は、ウェルテルに活力を与えると同時に、自殺に導く。 若者が悩む姿を、とても美しく描写した作品。ゲーテの表現は一つ一つが綺麗で、噛みごたえがありました。 このウェルテルといい、ライ麦やギャツビー、村上春樹の主人公達といい、生きることに悩む若者のことがかなり高確立で好きになることもわかりました
0投稿日: 2011.05.07
powered by ブクログゲーテはよく名言集などに紹介される人物であるが、彼の著作を今回初めて読んでみることによってその理由がわかったようなきがした。部分的な描写に挟まれるゲーテの言葉は極めて優れた人間観察によってなされたのだろう。正直物語よりもそこに感動してしまった。
0投稿日: 2011.04.02
powered by ブクログ秋山六郎兵衛訳 新学社文庫 昭和53年 誰かの世界が終わる日に、別の誰かが読んでいる。 自分から自分を失わせるのは、憧れだけではない。けれど、そんなにまで誰かを憧れるというのは、どんな気分だろう。 私ならきっと、愛しい人と自分を隔てる距離を愛せるようになるまで待つだろうな。(けれど私はウェルテルほど誰かを愛したことがない)
0投稿日: 2011.03.14
powered by ブクログこれを読んだのは、高校3年生の秋から冬。 受験を前にし、ちょうど失恋したばかりのころ。 失恋の痛手で手にした作品とも言える。 その後も、少なからず失恋はした。 だけど、初めて読み終えて以来、この本をまた開く気持ちになれなかった。 何故なら、最後のくだり、ウェルテルが事におよぶシーンが痛ましく、再び読み返すことができなかったため。 失恋を経験してるなら、一度は読んでみてもよい作品だと思う。 けれども、悲痛過ぎて、個人的にはもう読むことができない作品でもある。
0投稿日: 2010.12.03
powered by ブクログ若いときに読まなくてはならない本というのがある。たぶん、『ウェルテル』もそうだ。 『ライ麦』がいい例だろう。だって、『フラニーとゾーイ』はあんなに素晴らしかったのに。ホールデンには全く感情移入できなかった。 ウェルテルにも若いときなら、それなりにシンパシーを感じられたかもしれない。しかし、半世紀近くも悪戦苦闘しながら生きてきた身からすれば、何を甘っちょろいことを!という感じである。そのあまりに自分勝手な生き方と死に方には、不快感というよりも、嫌悪感すら感じる。 芥川の『藪の中』のように、ロッテやアルベルト、あるいはウィルヘルムの側からの証言も聞いてみたい気がする。
1投稿日: 2010.11.30
powered by ブクログ言葉のひとつひとつが、美しく、瑞々しい。 そしてウェルテルは、青い。 失恋しただけで自殺するなんて!と、ウェルテルの行動が理解できなかったが、 そういえば、自分も○年前は、好きな人ができて、毎日浮かれて過ごしてたな・・・別れたときはこの世の終わりだとも思ったな・・・ってそれなんて黒歴史?を思い出させてくれた。あああ恥ずかしい! 世間にも人にも揉まれてないからこそ、の感性があり、その感性を持てるのは一瞬なのだと知った。そしてそれは経験を積むにつれ風化していくものなのだと。 ・・・若いっていいな。
0投稿日: 2010.11.17
powered by ブクログ表紙の挑発的な文句に対抗するわけではないけど、ウェルテルに共感せざるを得ない。肥大化する自意識は古今東西。あと少しでウェルテルの年になるとは。ウェルテルのロッテへの思いがけなげすぎて笑っちゃうけど、ふと自分を思い返すと笑えない。ロッテの家の見える丘に行ってみたり、都合をつけて会いに行ったり。書簡形式がこれまたいい。ほとんどがウェルテルの主観を通しているからもうウェルテルの独壇場。神にもケチをつける。友達にも何かとたてつく。そんなウェルテルの最期は狂気なのか安穏なのか僕にはわからない。
0投稿日: 2010.10.23
powered by ブクログあらすじを簡単に言うと(正直書きたくない、心理描写が美しいから読んでほしい…でも読む必要はないのか?) ウェルテルさん(主人公)という人が引っ越し先で、アルベルトさんという人と婚約中のロッテさんに片思いをしてしまい、困って困ってでも大好きで、遂にはロッテさんに会うのが辛くなり申し訳なくもなり、遠く離れた別の所で暮らすことにするというのが前篇。 後編では、別の素敵な女性を見つけるものの、様々な不愉快な出来事も起き、また上司ともうまくいかず、そこで暮らせなくなり、結局ロッテさんが忘れられず彼女のところに戻るウェルテル。でももう既にロッテはアルベルトと結婚している。 ロッテはとうとう(遅い)ウェルテルの思いを察し始めるが、アルベルトを愛しているしどうしようもなく、ウェルテルのことを親友として考える一方なぜか他の女とは結婚させたくないような気もする(自分だけのものにしておきたいかも)とか思ってる間に、ウェルテルは様々な出来事を通じて、もうどうしようもなくなり、アルベルトから「旅行携帯用」として借りた拳銃で自殺してしまう、という話。 これを読んだだけであると、恋しすぎて自殺に至るという展開については、あまりにも「よくある」ものであるとか、小説としてはそれでいいかもしれないが現実には死ぬわけにはいかないしね笑、とか批判が出てくるかもしれないけれど、小説として美しいだけじゃなく「片思い」「恋愛」について真摯に向き合おうとするウェルテルの姿には何かしらの共感と尊敬が生まれるはず。 さっき読む必要はないとか書いたけれど、本気の恋愛をした経験があると自負する方には一読の価値があると思われます。
3投稿日: 2010.10.10
powered by ブクログたまに長文比喩があって詰まるけど、さらっと読める。 前半は退屈だけど、後半はよい。ドロドロなのが好きみたい俺(笑) 『友情』の主人公みたい。妄想度はウェルテルのほうが低いけど。 それでも、たまに勘違いしてる。ストーカーウェルテル(笑) まあ、葛藤はするよねえ。でも葛藤しすきだろ(笑) 女なんて一杯いるし、特別な人は、最初から特別だったのではなく、 特別だと認識したから特別になったのですよ。 だから、認識すれば誰でも特別になり得る。 葛藤してる暇があったら攻めろ。 落とすのを諦めるのならさっさと諦めなさい。 悶々と悩む時間(=片思い)が楽しいって人もいるみたいだけど、 俺は嫌いだね。さっさとカタをつけるのが好き。 自分に酔うのが好きなんだなあ。ウェルテルは。 そういう人たまにいるけど、なんなんだろ? まあ、自分の仮説だと現状の自分や状況に不満があって、 誇大解釈や悲劇的解釈に走るのではないかとみてるけど。 今の状態で満足してれば、酔わないと思うし。多分。 ロッテは、素晴らしい女の子だと思う。 打算的ではあるけど、打算だけではないし、 自分自身も葛藤をし続けているから、罪ではないよなあ。 ちなみに、おかしのロッテの社名はここから来ているらしい。 友達でいれたのなら、こうはならなかっただろうに。 まあ、よくある話とまで言わないけど、まあたまに聞く話ではあるよね。 「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」 ということですが、まあウェルテルの気持ちは分からなくはないし、 同じような(あくまで「ような」)経験もしたけど、 ウェルテルと決定的に違うのは、俺が現実主義だから この人しかいない!って考えにならないことだろうなあ。 それが、幸せなのかどうかは解らないけど。
0投稿日: 2010.08.14
powered by ブクログ悶々日記。 この手紙に返事を書き続けたウィルヘルム君に同情。 ロッテの母性愛に魅せられた若造の末路。 この後ロッテとアルベルトが幸せに暮らしたとは 絶対思えないという怖さ。 共感は…残念ながらできません。 自意識過剰乙という感じ。
0投稿日: 2010.07.12
powered by ブクログ師匠に勧められて中学生の時に読みました。人間の内面の表現をここまでできるのかと文豪ゲーテの作品に感動しました。
0投稿日: 2010.04.10
powered by ブクログなぜ便りをしないかって?そんな事を聞くなんて、…察しがつかないのかなあ ・・だって、ぷぷぷ。 今は、当たり前のようなことも、人間の自由な意思と威厳を求めていた18世紀。1774年9月に発刊されたこの小説は、イギリス、フランス、中国でも人気を博し、かのナポレオンも読んたそうである まるで綿密な映画やドラマを見るような感動もあったのではないかと思う。 ヴェルテルの断末魔。ピストルで撃ってしまった後の数時間もの苦しげな肺呼吸の音まで想像できる文豪の筆に、こっちが脳酸欠になりそうだったよ。ヴェルテルの愛が真実と思える感性なら、その死が、苦悩以上に悲痛であったことも教訓にしてほしい。 知人のエルーザレムの自殺について、真相を知るべき資料からケストナー(シャルロッテの旦那さん)がゲーテに送った綿密な叙述がそのまま記されているという。 日本は、江戸時代の最後の100年。そして、明治時代(1868年1月25日~1912年7月30日)が、始まる。
0投稿日: 2010.01.24
powered by ブクログこの小説で「ロマン主義的アウトサイダー」を発明して、蒼面だが男らしい、背の高い青年詩人を世に送った。それ以前の世紀では、恋に悩む少年は喜劇的人物として受け取られていた。-コリン・ウィルソン
0投稿日: 2010.01.11
powered by ブクログなんてことない、情けない小説なのに、すごく共感した。 読み終わったあと、さすが文豪・・・と感じさせられた。
0投稿日: 2009.12.04
powered by ブクログ悲劇だか喜劇だかわからん。 一人の女にどうしようもなく惚れて死んだ男の悶悶日記。 どうしようもない奴だけど、すげー気持がわかったのだ。
0投稿日: 2009.10.16
powered by ブクログ言わずと知れたゲーテです 恋愛超えて人生哲学! 自然に対する感性とか人生の捉え方とか そういう考え方もあるのね って思える本 時代背景もわかっておもしろいです ウェルテルみたいな考え方になれたら すごく苦しいだろうけど すごく幸せでもあるんだと思う 人生って深いねー
0投稿日: 2009.10.03
powered by ブクログ親友のいいなずけであるロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いた書簡体の小説。 どこの誰だか知らないが、この小説を「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と言った詩人がいるらしい。僕は、そういう人に対してつい「自分の尺度で他人を測るな」と言ってやりたくなる。 ゲーテの言葉を借りるなら、「あぁ、疑いもなく、幸福をつくるものはただわれらの心だ。(P.61)」と。 なんて読み辛い小説なんだと思ったけど、途中からはすらすらと読めた。主人公ウェルテルの愛の表現の豊かさに脱帽。 手紙として書かれているからウェルテルの嘆き苦しみが直に伝わってきた。 P.38 人間の中には、自己を拡充してさらに新しい発見をし、さらに遠くさまよい出ようとする欲望がある。それだのにまた、すすんで制約に服し、習慣の軌道を辿って、右にも左にも目を放つまいとする内的な衝動もある。 P.44 不機嫌は怠惰と似たものです。その一種です。われわれの性情はともするとそれに傾きます。だが、いったん自分の気持を引き立てて奮起する力を持ちさえすれば、仕事もさっさとはかどるし、活動が本当の喜びにもなります。 自分をも身近な者をも傷つけるようなことは、当然悪徳と呼ばれるべきですよ。お互いに幸福にしあうことが難しいだけでもたくさんだのに、その上なお、誰でも時々は自分の心に与えることができる楽しみまで奪いあわなくてはならないのでしょうか? 不機嫌でいながら、しかもまわりの人たちの幸福を傷つけないようにと、それを自分だけで堪えて包んでいられるような、それほど立派な人が世にいるでしょうか! 不機嫌はむしろ、自分のくだらなさに対するひそかな憤懣(ふんまん)ではありませんか? 愚劣な虚栄によって煽られた嫉妬と常に結びついている、自己不満ではありませんか? 目の前に幸福な人間がいるが、あいにくそれは自分が幸福にしてやったのではない。これが癪なのですね? 「ひとに対して何らかの力をもっているからとて、その相手の心に湧くおのずからなる素朴な喜びを蹂躙する奴があれば、それは呪うべき人間だ。もしかかる暴君の気難しい嫉妬のために、みずから足らう人の心の一瞬の喜びが空に帰したことがあれば、その時は、もはやいかなる贈物いかなる親切といえども、この罪を償うには足りない。」 P.55 世の中のことは、ついには全て愚劣の一語に帰着する。それが自分自身の情熱でもなく、自分自身の欲求でもないのに、他人のために、ただ金や名誉やその他のものために、あくせく働き過ごす人間は、しょせんは愚者だよ。 P.72 生きとし生けるものは万様の姿をもて繁殖する。ただ人間は小さき家を造って内に寄り合い、身をば護らんあめに巣を構え、思えらく――われこの広き世界を領す、と! 自らの矮小のゆえにかくも万有を軽んずる、びん然たる痴れ者よ! ――行くべからざる山脈からいまだ人跡を印したることなき荒野をこえて、さらに知られざる大洋の果てにいたるまで、そこに息吹きするは永遠に創造する者の霊である。この者こそは、その声を聞いて生くる者を、塵泥といえども嘉(よみ)したもう。 P.75 人生の花は幻に過ぎない。ただ一つの痕跡をも残すことなく、どれほど多くの花が移ろい過ぎることだろう!実を結ぶ花のなんと少ないことだろう!しかも、この実のうちで熟れるものはどれほどあることだろう!とはいえ、熟れた実のいくつかはある。それだのに――おお、友よ!――それを顧みもせず、なめし、味わわぬままに腐らせてしまうことが、よもあっていいものだろうか! P.76 身を巡る世界の中に、見る一切のものは、ただあの人との関係においてある。これによって、私は多くの楽しい時を味わう。 P.85 私は、前よりずっと自分と仲がよくなった。 われわれは何事をも自分と比較し、自分を何事も比較するようにできているのだから、幸とか不幸とかは、結局はわれわれが自分を対比する対象次第なわけだ。だから、孤独ほど危険なものはない。われわれの想像力は、もともと高きを求めるものであるのに、さらに文学の空想的な幻影に煽られて、知らず知らずに存在の一系列を作り上げてしまう。そして、自分はその最下位にいるが、自分以外の者はもっと優れている、他人は誰でもずっと完全だ、と思いこむ。これは自然の傾向だ。われわれは、自分に多くのものが欠けていることをしきりに感ずるし、自分に欠けているものは他人が持っているような気がするものだ。そればかりではない、自分の持っているものを全部他人に贈物にして、おまけに一種のこころよい理想化までする。このようにして、幸福なる人物像が出来上がるが、それはわれわれ自身が描きだした架空の幻にすぎない。 P.105 この心情こそは私が誇る唯一のものであり、力も、浄福も、悲惨も、全ては泉から湧く。ああ、私が知っていることは何人も知ることができる。――ただ、私の心は私だけのものだ。
0投稿日: 2009.06.27
powered by ブクログ壮絶であった。 この夏より、私は今までろくに触れたことのない「文学」というジャンルに深く接することにしたのだが、最も衝撃を受けたのはとにかく自然主義的な作品であった。 田山花袋の蒲団にとてつもない共感を覚えたのと同じく、このゲーテの有名な作品にも私は深い共感を覚えた。 とにかく赤裸々なのである。そしてとても現実的。 自然主義というものはとにかく自己の体験などを余すことなく書き起こすことによって深いリアリティーを生み出すものだと私は思っているのだが、そういう意味でこのウェルテルという作品はまさにそのものと言えるだろう。
0投稿日: 2008.08.22
powered by ブクログ残念ながらオレには理解できん。 恋以外にもやることあるだろうw きっと他に生き甲斐がなかったからだろーな。 オレも他にやることなかったら、 こーなってたかもねw もーちょい前向きに生きようぜと思った。
0投稿日: 2008.06.19
powered by ブクログ諦めの悪いウェルテルにちょっとイライラする。 はっきりしないロッテにもいらいらする。 これは同属嫌悪かもしれません。 だから切ないんです。
0投稿日: 2008.04.12
powered by ブクログ中世に比べて我々を生活を取り巻く環境は劇的に変化した。 しかし、変わらないものもある。 「女性に対する思い」である。 婚約者である女性を好きになってしまったウェルテルの苦悩を描いた、ゲーテの代表作。 共感することが多い。
0投稿日: 2008.04.12
powered by ブクログ若者の内面の苦悩を描いた小説。書かれた当時のヨーロッパでは衝撃的だったかも知れないが、いまではそういう小説は多いし、日本では元々内面を描く物語は(の方が?)多いので、これを特に勧める理由もないかも知れない。
0投稿日: 2008.02.13
powered by ブクログ自分に正直になってしまうことは苦しい。もっと自分に嘘を吐くことができたなら、ウェルテルもロッテも楽になれたんじゃないかな。
0投稿日: 2008.01.27
