
総合評価
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powered by ブクログ「アホ・ボケ・カス!」「クソバカ!」のような暴言や、「ググれ!」「腐女子」「マジキチ」のようなネットスラングなどの乱れた日本語を論(あげつら)って批判する本ではない。部屋が汚い・言葉が汚い・金に汚い...など、「汚い」という1つの単語をキーワードに展開した言語論・文化論であり、より適切なタイトルを付けるならば『「汚い」という日本語』といった感じか。日本で初めての小型国語辞典である『三省堂・明解国語辞典』(1943)を監修した言語学者の金田一京助を祖父に、その一人息子でやはり言語学者の金田一春彦を父に持つ一穂氏は、上智大の心理学科を卒業後ニート生活を送っていたが、ふと一念発起して東京外大の大学院で日本語学を学び直して言語学者になったというユニークな経歴で、その「ゆるふわ」な感じがテレビのクイズ番組『Qさま!!』などで人気である。「日本には美学はあるが哲学がない」と訴える一穂氏は、日本の倫理観は美学の下に成り立っており、美しくないもの=即ち「汚い」ものを常に考え続けたのが日本文化の源泉であるとしている。
1投稿日: 2020.12.12「汚い」を考え、人類や生物の歴史に行き着く
「汚い」は文化的で、人の使ったものを汚く思うことについて、日本人は、箸には潔癖で洗われていても人の箸を使う気にはならない、その代わり、他人の入った風呂の浴槽に平気で入れる。同じ食器でも、マイ箸はあっても、マイスプーンはない。言語的には「汚い」に近い「ばっちい」はとても古い。その考察は、20万年前に出現したホモ・サピエンスが5万年前に言語を使うようになり、地球を征服するに至ったという文化人類学にも行き着く。分かっているようで分かっていないこと、よく考えると不思議なことの話がたくさん。
0投稿日: 2017.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【内容】 「汚い」とはいったい何か。見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か――。「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。 【メモ】 ◆辞書に、そんな立派なことが書かれているはずがない。人生とは、愛とは、認識とは。そんなことの答えを辞書に求めてはいけない。人類発祥の時から悩んできた問題についての解答が、国語辞典上に数行で書かれているはずがないだろう。 ◆日本には美学はあって、哲学がない。
0投稿日: 2016.11.15
powered by ブクログ(推薦者コメント) 金田一先生の本は面白い。「汚い」日本語も、これまた日本語。汚い日本語を楽しもう。
0投稿日: 2012.07.09
powered by ブクログ「汚い」という一つの言葉について、ひたすら追求したもの。 人類の起源までさかのぼる。 ここまで徹底していると、一つの言葉で一冊本が書けるんだなあと思う。
0投稿日: 2011.10.12
powered by ブクログ[ 内容 ] 「汚い」とはいったい何か。 見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か―。 「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。 自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。 学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。 [ 目次 ] 「汚い」のオリエンテーション 字義では視覚か、触覚か 触るという身体知 メタファーによって認識する ことばの意味と使い方 相対と絶対のあいだ 文化と習慣から考える 所有と裁量から考える なぜ「汚い」を恐れるのか 中心と周縁の境界線上にて アナログからデジタルへ 「汚い」の起源と日本人 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2011.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「触るという身体知」が面白かった。 五感のヒエラルキー:触覚>味覚>嗅覚>視覚・聴覚。 柔らかな味。重たい色。
0投稿日: 2011.01.03
powered by ブクログ・途中までおもしろいなと思って読んでたら後半飛躍しまくって、それはそれでおもしろかったんだけど、ちょっと頭の良い友達と大騒ぎしてバカ話した後みたいな感じ。 ・何に対して人は「汚い」と思うのか、ってのは大変おもしろかった。汚い、と汚らしい、の違いとか。
1投稿日: 2010.06.19
powered by ブクログなぜ人は汚いと思うのか、汚いとはどういうことか、何が汚いものとして捉えられるのか、といった「汚い」という概念について様々な文脈から検討したもの。「小汚い」「不潔な」といった類語との比較や、箸の使い方などの文化的な側面、潔癖症の人の心理、さらには人類に普遍的な「汚い」ということについての概念に関する考察を通して、著者の思考を辿ることができる。 特に7章以降が印象的で、いかに人間が「汚い」ということを後天的に学習するものなのかを認識するのかということや、中心と周縁の「境界」に対する「恐怖」が「汚い」という概念に結びつくことなどが興味深い。最後の章の「汚い」にまつわる日本人の意識や日本人の美学について、「雪」の話が面白く、もう少し深い考察があれば良かったと思った。(10/02/22)
0投稿日: 2010.02.22
powered by ブクログ「汚い」とはどのような定義で汚いのか。 人間の起源から現代にまで考察して述べられている。 内容も重くなく、気軽にする雑談のような印象。
0投稿日: 2009.06.24
