少し硬い裁判の話に、得意のサスペンスを織り込んで読みやすく
小説の大筋は、裁判官の視点から“量刑を決定する難しさ”がテーマとして貫かれている。ややもすると読みにくくなるが、夏樹氏はサスペンスの名手であり、単調になりがちな量刑決定の過程に、裁判長の娘が誘拐されるというストーリーを加えて変化を出している。評価としては三つ星にしたが、四つ星でもいいかも。