上巻は明治期を背景にしたミステリーの連作だったが、下巻は前日談、後日談、外伝を織り交ぜ、一連の大味な冒険談になっていた。まるで『翔ぶが如く』のように、明治の歴史が全面に出ている。その中で架空の人物である兵四郎が浮いてしまい、魅力がなくなっている。ラストの決断も唐突に思えた。なお、上巻に続き、下巻も表紙になっているのは西村寿行ばりの3人である。何故わざわざ鬼畜を選んで表紙に描くのだろう。