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経済成長って何で必要なんだろう?
経済成長って何で必要なんだろう?
飯田泰之、岡田靖、赤木智弘、湯浅誠、芹沢一也、荻上チキ/光文社
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総合評価

40件)
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    意欲的な対談集。 個人的には、内容というよりも、 やったことに意義ありと感じる。 赤木智弘氏、湯浅誠氏の反応が一々興味深い。 ともあれ、がんばっている若手の存在に刺激を受ける。

    1
    投稿日: 2020.04.03
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    若干刊行から時が立ってしまったが、今だに現状把握になくてはならない一冊。貧困側と経済学者とのまともな対談は期待してもなかなか実のあるものにはしにくそうだが、コーディネーターの手腕か、うまく噛み合っている。 以下注目点 ・70年代のはじめに先進国のキャッチアップが終わりと地方の余剰労働力の供給が途絶えた。 ・好景気になるとダメな企業が淘汰される。高給が出せる優秀な企業に人を取られてしまうから。

    0
    投稿日: 2018.11.12
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    この本によると、経済成長が止まると、その場合でも経済の効率化は止まらないため、毎年2%の人が職を失うらしい。この2%の人たちに新たな職を生み出すには2%の新天地が必要であり、それは経済成長2%によってのみ達成できる。そうしないとニートや、低所得者問題はなくならない、というのが本書の主張。で、どうすりゃいいんでしょう?

    1
    投稿日: 2018.10.23
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    何が言いたいのかわからなかった。あとがきを読むと、経済成長って必要だ、らしい。そりゃそうだろう。左翼ボケした人向けの本なのだろうか?

    0
    投稿日: 2018.09.24
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    GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。 中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。 マクロ経済学の主流、新古典派とニューケインジアンに分け、新古典派をハイエクとフリードマンとする整理を飯田は無用とする。この主張、理解しがたかったが、より、広義に捉えただけの論点だろう。 ガーシェンクロン仮説という言葉を覚えた。経済的後発性の話だ。

    1
    投稿日: 2016.09.09
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    同じことを繰り返せば効率が上がるので成長率もあがる。当然ながら経済成長は何もしなくても上がるが、その上昇率が重要。

    0
    投稿日: 2015.12.23
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    「経済学」が、技術であり道具であるとの主張に目ウロコでした。 刺激的な話が多く、「新自由主義」なるものの幻想。ケインズとハイエクの親和性。再分配の話。等々。また、所謂論壇に欠けているもの。メディアの無能など、まことに盛りだくさんで面白かった。 また、自分も全く同感なのは、政治家が票にならない若年層を向いた政策をするはずがないという事。このままでは日本は滅びるね。 一番いいのは、少子化対策をしっかりやって人口を増やすこと。でも、これが難しい。「経済学」的には処方箋を示せるのだろうか。それが嫌なら、移民を受け入れしかないかな。

    1
    投稿日: 2014.12.25
  • 経済成長は必要

    社会格差の解消やセーフティネットの充実とともに、その原資となる経済成長はやはり必要でしょう。どんなことも先入観で決め付けてしまわないで考えつづけるように自戒しています。

    1
    投稿日: 2013.12.28
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    「シノドス」を「秀才集団」と脳内変換していた私の予想通りの本だった。無駄に横文字が多かったり、赤木氏や湯浅氏よりもシノドスサイドの発言部分を多くしたり…文字量の割に得るものは少なかった。

    1
    投稿日: 2013.05.21
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    経済学者、貧困問題に取り組む人(湯浅誠氏)、格差を論じた人(赤木氏)との対談を通じて、「経済成長」が今の日本にどれだけ必要か?というのを論じた一冊。 資源の制約を完全にクリアしたならば、経済成長=右肩上がりというのは絶対的な解である、というのはこの本を読んで納得する部分である。 しかし現実世界では、資源はやはり有限なものではないかと思うので、ここでいくら経済成長こそ日本の特効薬ともてはやされても、それは実現してはいけない解のように思えた。 また、実質この本の主張のメインである飯田泰之氏が、やや上から目線的に対談を仕切って、さも「経済学は偉い」という印象を与えていることに不快感を感じなくもない。 経済学をいかに世の中で活かすかを考えると、この本のアプローチは至極まっとうなものなのだと思うが、今ある世界が求めているのは果たしてそれだろうか、という疑問が残った。

    0
    投稿日: 2013.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。 統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。 白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。 その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。

    0
    投稿日: 2012.12.13
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    「少子化」「福祉」「失業」「格差」「貧困」そして「生存」という,バックグラウンドにあるテーマ. 私は,個人的にもこれらの問題の早期解決を望んでおりますが, いわゆる「日本」という体質が今後, 日本の景気回復・経済成長, 利益の適切な再配分, 適切公正な制度改善, 企業や社会の体質改善・・・ を 阻みつづけてしまうのか, 本当にこれらの問題を解決しようという意思はあるのか. 支持されない層,数が少ない層の声は無いように扱われてしまうのか 「個人の問題」に落とし込まれてしまうのか. ともすれば,「希望は戦争」になってしまうのか, すこし古い本なのですが, 社会経済(またはそれに近い思考法)の入門書として,十分読める本だと思います. 日本の経済学者さんには,実践派より理論派が多い,という指摘があります. お国柄なのでしょうが,確かに,学校で教えられる経済学の内容は,大部分理論でしたよね. もちろん,基本は大事ですけどね. が,応用も楽しいです.

    0
    投稿日: 2012.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済成長を可能にする方法は第一に個人の自由な創意工夫(競争)第二に失敗時のセーフティネット(再配分)第三に景気の振幅を抑制するマクロ経済政策(安定化)に尽きます。

    1
    投稿日: 2012.10.05
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    そこそこ面白い対談集。軸となっている飯田泰之氏の他の著書としては『ダメな議論』を読んだことがあるけど、こっちの方が氏の専門性が発揮されている感はある。 ただ、面白いと思った部分には付箋を貼っていく読書スタイルなんですが、気づいたら序盤の半分ぐらいに付箋が集中。公判が面白くない訳じゃないんだけど、ちょっと物足りないかな。 子どもが教育を受けられるという状況が、とても恵まれた贅沢なことであることは同感。そういう最低限を保障するために貧困をどう撲滅していくか。世界でこの問題に対処する時にはMDGsが掲げられるわけですが、本書で指摘されているとおり、日本国内の貧困に抗するためにも、日本版MDGsを作るべきというのは、面白い主張だと思います。 それなりに経済学の基礎知識がないと読みにくいので、その辺はちょっと評価を抑えました。

    0
    投稿日: 2012.09.14
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    今は亡き銅鑼衣紋こと岡田靖の文章があるってことで買ったが内容は正直微妙。 経済(政策)は大事だよって啓蒙書ですが、対談集の形式であり、内容は本として読むには物足りない感想。

    0
    投稿日: 2012.08.14
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    それで結局何なのか?と思う会話がつらつら続き、読みづらい。著者の意見にも同意できないことが多く、「働きたくなければ、働かなくても保証される仕組み作りを!」お金はどっから出てくるの?経済成長がなぜ必要か?という題名にもなっている問題もわからずじまい。

    0
    投稿日: 2012.04.26
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    パイの分け方を公平にすること、パイそのものを大きくすること。この二つは背反する目標ではない。経済の問題をイデオロギーの対立になぞらえる/すり替えることから脱し、今、ここにある若者の貧困や地域間格差、経済停滞に対して基礎的でプラクティカルな解決法としての経済成長の必要不可欠性を訴え、そのために論壇、経済学者、活動家/実務家が分担して果たすべき役割を提唱する。サクッとした見た目とは裏腹に予想以上に読み応えのある対談本。

    0
    投稿日: 2011.12.26
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    第1章はとても面白い。 毎年2%の経済成長というのは実にリーズナブルだ。 たしかに立ち止まるというのは衰退を意味するわけで、0%成長というのはありえない。とはいえ、もういちど高度成長を行うのは無意味なわけで、この成長率は現実的だ。 マクロは良く分からないが、会社経営の視点から見ても、成長期が終わって安定期に入った会社にとって、この程度で成長するのは、妥当なところだろう。 国も会社と同じと考えたときに、GDPは粗利だというのは、非常によく分かる。 粗利が毎年2%成長する。それは必要だし、それができなければ、いろいろと会社全体がきしみ始める。そしてそのきしみは、弱い部署や、新規事業や、生活共同体としての会社の居心地の良さといったものから影響してくる・・・ しかし、赤木智弘や湯浅誠との対談の第2章、第3章は余計だと思う。 面白くないことはないのだが、せっかくの第1章の切れ味のよさが、どこかに行ってしまっているように思う。 赤木智弘、湯浅誠という、いわば「業界の有名人」と対談したからこそ、本としての価値が出たわけで、飯田泰之さんのピンで、この本、という過去の企画が成り立ったかどうかは、いささか疑問はある。 私も手に取ったかどうか。 「赤木智弘や湯浅誠との対談がつまらないわけじゃない、むしろ面白のだけど、なんだろうこのもやもや感は・・・」と読みながら思っていたが、あとがきを読んで腑に落ちた。 著者が論壇を意識しているからだ。それが何だかもどかしいからだ。 「経済学はツールであり、ツールをどのように使うかは外部から与えられる。外部とは社会的合意のことであり、その形成過程に参与するために、論壇に加わる」 という理論である。ここまではいいんだが、 「しかるに論壇は、年寄りくさい、情緒的、非科学的、人文科学的インテリスノッブどもが占拠しており・・・」というようになるから、なにかいたたまれない。 それはそうかもしれないけど、努力や意識の向けどころが間違っている。 ミクロ的に言うと、マーケティング的見地や、戦略が足りないと思う。 素晴らしい著者だけに、それが残念。 へんな沼に足を取られていないで、もっと跳躍してほしいと思う。

    0
    投稿日: 2011.12.24
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    2%の経済成長を続けることが必要である。そのためには3つ-競争、再分配、安定化が方法として有効である。これをわかりやすく角度を違えて示してくれる。とても納得した。 経済と政治の違いも明確に分かった。 経済の人間が理想に捕まり、政治の人間が方法論に終始する、まったく逆の事態になっている指摘はなるほど! 借りたけど、多分この本買う。経済学部でない人間にとって本当にわかりやすく面白い本だった。

    0
    投稿日: 2011.12.10
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    ”人はなにもしなくても慣れやコツの会得により2%くらいは年々成長していく。そのままでは従業員100人を必要としていた企業は翌年98人で事足りることになる。だから経済成長をしなければ失業が増えてしまうのだ” 慶応義塾大学で現代社会論を教えている飯田泰之さんが、エコノミストで戦後の成長を見続けてきた岡田靖さん、希望は戦争というフレーズで一躍有名となった赤木智弘さん、反貧困運動の代表格である湯浅誠さんとの対談をまとめた書。 物凄く「分かりやすく」書かれているのは感じるが、私には「分からな」かった。本書に出てくる人はみな経済学を学んでおり(飯田さんは自身を経済ド素人だと言っており謙虚である)、学んだ者同士の会話では、代表的用語や歴史についていちいち説明はしない。 ケインズ・ハイエク・フリードマン、新古典派とニューケインジアンあたりの違いを知る人が読めば、現代社会の問題解決に用いられるべき経済学を深く知ることができる気がする。 とても良い本なのに、自分が系統立った経済学を学んだことがないために良さを認識できないのが残念でならない。かといって簡単な本ばかり読んでいても成長できない。私にとって背伸びの一冊。

    0
    投稿日: 2011.12.05
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    世の中の効率化(年2%)をカバーした新たな仕事を作っていかないと,どんどん仕事がなくなっていくので,年2%の経済成長が必要というお話.企業の立場では,何%の利益率が適正なんだろう.高い方がいいに越したことはないだろうけど,それよりも人生が豊かになっていないと意味がないし.

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    投稿日: 2011.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良書。 経済成長経済成長と叫ばれる中で、なぜそもそも経済成長が必要なのかからそのために誰のどういったアクションが必要なのかまでがしっかりカバーできている。 対談鼎談形式で展開されるので議論の過程も分かり非常に分かりやすかった。 湯浅誠と赤木智弘という人選が好感。 学者や政治家たちだけの世界の話のようなイメージをうまく崩してくれた。

    0
    投稿日: 2011.10.02
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    経済学者らしき人が専門用語と平易な言葉を織り交ぜながら対談を通して、経済成長が必要な理由を説いていく。 日本の過去の経済成長から現在の雇用の問題まで幅広く触れている。 立場も様々な人の話もあり、経済の問題全体をざっくり読むには良いのではないか。

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    投稿日: 2011.09.19
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    経済にはうといが 最近の政治に絡む経済主張が どうも胡散臭い こうおもって紐解いてみた 実証主義を否定することでは何も進まないと思う そこに共感を感じたが あやまった統計もそれにましておそろしいと思う 実証を実現しつつ小出しの修正が重要なんだろう

    0
    投稿日: 2011.08.07
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    日本経済を格差・貧困の観点で論じること自体に違和感を覚える本。収入が少ないのに「人並み」の生活を求める性根をどうにかする方が先ではないか?なんて書いたら叩かれそうだが…。

    0
    投稿日: 2011.05.29
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    「働く」、「儲ける」厳しさを感じる昨今。 本書はまずそのメカニズム、つまりこれまでの経済成長そのものを示す。 続いてその2面の繋がりをそれぞれの立場から模索する。 この2面に対して、それぞれの立場が互いにどういった認識を持って活動しているかが示され、その対比を通してそれぞれがどの部分に働きかけているかが明らかになっている。 二分法で語られがちな社会やものの見方が、結局実際はその間にあるもので、その中でどう落とし前をつけていくかを考えさせられる。

    0
    投稿日: 2011.03.17
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    「必要ない」と言いたげとも感じられるタイトルだけど、実は経済成長は必要という主張。毎年2%の成長がなければ行き詰まる。なぜなら技術革新により人手は省かれるから。「十分豊かだからもういいんじゃないの?」とか「お金持ちになることが即ち幸せじゃあない!」とか「拝金め!」とか「やっぱり精神が豊かなことが本質だよね!」等の主張は誤りだとわかる。

    0
    投稿日: 2011.01.04
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    「大きな政府」か、「小さな政府」か。 景気回復優先か、財政再建優先か。 このような切り口は、テレビや新聞などでよく目にするもので、ずっと昔から延々とやっている印象がある。 しかし、この対談本で飯田氏は、この図式を不毛な二項対立だとみなしている。 ケインズ的な福祉国家主義とハイエク的な新自由主義は、根本から対立するものではない。 ケインズは「病気の人間には治療が必要である」と言い、ハイエクは「健康な人間は身体を鍛えるともっと健康になれる」と言っているに過ぎない。 状況に応じて処方箋が違うだけで、「風邪をひいたら薬を飲みましょう。治ったら身体を鍛えましょう」が正解。 はい、無意味な議論は終わりました。 このように、メディアなどで好んで使われるキャッチフレーズには、それ自体ほとんど意味のないものが多い。 例えば、再分配は所得保障の話をするときによく使われる「都市から地方へ」というお話。  ジニ係数というものがあって、それは高いほうが不平等だということを示すのですが、税務や公的な福祉で調整する前の日本のジニ係数は、先進国のなかではかなり低い。北欧諸国よりは不平等ですが、それでもかなりの平等社会なんです。  しかし、税務や社会保障で調整したあとでは、主要先進国中でも英国につぐ不平等社会になっている。どういうことかというと、日本以外の国は再分配政策で不平等を下げているのに、日本は再分配の前後で不平等度がほとんど変わらない。だから調整後は、ほかの国よりも不平等ということになっている。  要するに日本の再分配政策は、予算額だけ馬鹿みたいに大きいのに、何一つ不平等を解決していないんです。 そんな非効率なことはもうやめて、単純に「金持ちから貧乏人へ」再分配すればいい。幼稚園児でも分かりそうな理屈です。 そして、それを実現する技術は経済学が用意できる。だから、哲学的イデオロギーを脱して、純粋に技術的な議論をしなければ、現在の苦境は突破できないではないか。 う~ん、これにどう反対意見が出てくるのかが想像できない。 欧米の真似をしていれば良かった高度成長時代が終わった。 フロントランナーとして、「新しく自分自身の問題として解かなければならない課題」にぶつかっているにもかかわらず、「スウェーデンが・・・」「いや、オランダが・・・」などと、「いまだに日本はどこかに解答・解説集がないかと考えている」のが「失われた10年」(もうすぐ20年)。 処方箋(選択肢)は多くない。つまりやるべきことは、だいたい分かっている。 やるべきタイミングも、(これまで散々見逃してきたことは置いといて)十分はっきりしている。 さあ、もうやるしかないじゃないですか。

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    投稿日: 2010.10.02
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    「最低限生きていける保障があれば、そこから先は市場と競争の原理に従わざるを得ないだろう、それを支えるため経済の成長が必要である」ということらしい。頭で考えてるだけでなく実現に寄与してほしいところではあるけど...

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    投稿日: 2010.08.22
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    ●論者に共通しているのは理想論ばかりでリアリティがないということ。(湯浅氏を除く)  具体的な実行プロセスがなく、費用、効果、メリット、デメリットがわからない。 ●湯浅氏の素晴らしかったところは、実現のためのアプローチを考えているところ。 読了日:2010/05/22

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    投稿日: 2010.06.08
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    日本の貧困問題について、経済学の立場から切り込んだ本です。 この本を読んで、自分が経済学についてわかっているようでわかっていないこと実感。 いろいろな政策がある中で、経済的合理性の視点で確認する必要があることを感じました。 それと正規・非正規問題では、正規の雇用条件を悪く(解雇しやすくする)方向での解決策を考えていたけど、それでは受け入れられないから、他の方策を検討すべきというのは示唆に富んでいると思う。 それにしても、贈与税や相続税減税は消費を減退させるって本当かな?大前研一さんも主張しているぐらいだから消費の活性化になると思っていたんだけどね~

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    投稿日: 2010.05.06
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    メディアやネットの中で「経済」について語られていることがいかにいい加減かを理解させてくれる本。 理論より実践寄りの立場で書かれており、それは対談の相手として選ばれたメンバーからも伺える。

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    投稿日: 2010.04.26
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    【目次】 1章 高度成長とは何だったのか----戦後日本経済思想の源流と足枷 岡田靖×飯田泰之 2章 戦争よりバブル、希望はインフレ 赤木智弘×飯田泰之(司会・芹沢一也) 3章 何が貧困を救うのか 湯浅誠×飯田泰之(司会・荻上チキ) 

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    投稿日: 2010.04.25
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    タイトルそのものの答えは、「日々社会は進歩→新しい価値を生み出さないと人が余る→成長そのものが社会を支えるために必要」というとこでしょうか。やっぱり少し詭弁かなと感じてしまう… Anyway, コーディネーターの経済学者が私より若いことに驚きました。キレのある文章を書くなー。論理構成やスタンスは賛同できますが、あらまほしき社会像というのはやはり個々違うのかな。 それから、「年越し派遣村」を主催した湯浅誠さんのインタビューは面白かったです。単なる活動家ではなく、思想背景の部分や現実の戦略に落とし込む際の葛藤(「いかに中流階層に共感してもらうか」)などを垣間見ると、優れた人なんだろうなぁと思いました。

    0
    投稿日: 2010.04.23
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    知の生産と流通を大学という特権的な場から解放して、現代人の生活にもっと身近なかたちで展開することを組織目的とする「シノドス」が、現代社会を多角的に検討する「知」の交流スペースにおいて、経済政策、マクロ経済学者の飯田泰之氏、内閣府経済社会総合研究所主任研究官岡田靖氏、フリーライターの赤木智弘氏、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠氏との対談を行い、その内容をまとめたのがこの作品である。 連続対談では高度経済成長、若年失業問題、貧困問題を経て論壇における経済学の役割と多岐にわたったものである。 何が貧困を救うのか、反貧困運動の最前線に立つ運動家と、経済学者が説く経済学的な合理性。 シノドスが目指す知の交流がますます広がる日本社会を作っていくことの重要性を思った作品である。

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    投稿日: 2010.02.08
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    貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ 飯田泰之と他参加者との対談という形式 対談=話し言葉なので読みやすい 飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)  …高度成長時代のまとめ タメになります 飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)  …赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな) 飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)  …湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法を取っていると発言 さすが歴戦の活動家といった感じ 飯田氏の貧困問題の解決に対する提案は次のとおり ・人間はほっといても年2%程度生産効率がUPするので 成長しないと人がその分人が余ってしまう ・全員が2%づつ貧しくなるのではなく、特定の人(ロスジェネ)にしわ寄せ(貧困)が行っているのが現在の状態 ・解決策は、年2%程度で穏やかに経済成長すること ・賃金に比例して支給額の増える「擬似ベーシックインカム」の導入 =政治時に受け入れやすい育児に対する給付から初めて徐々に最低所得手当的なものにする=>子供手当て? ・財源は社会保障費の配分見直し=>公共事業(事実上の社会保障費支給)を廃止 =仕分け? ※飯田氏は時々民主党の政策を連想させる発言をする…民主党の関係者? ※リフレ派の「経済成長で全て解決」という論理に対して、池田信夫は「経済成長はそんなに簡単なものじゃない」と反論

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    投稿日: 2009.12.27
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    [関連リンク] 本読みHPブログ: 今年読んだ本から(2009): http://hon-yomi-hp.seesaa.net/article/135548764.html

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    投稿日: 2009.12.15
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    「実存の問題は政府や政策が手を突っ込むべき問題ではない。共同体や秩序に希望をたくす方向も同様である。」  経済問題に関する入門書のように見えるけれど、本の内容はといえば、何かと話題の若年層非正規雇用労働者に関するもの。「格差」ではなくて「貧困」を問題の中心にすえて、貧困を経済学の問題として捉えて、貧困を無くすための方向性を模索してみようというコンセプト。  頭のいい人たちの内輪話で、本の内容はあまり理解できなかったけど、貧困という問題に取り組む上では「生きづらさ」みたいな心の問題と向かい合う必要なないってこと。  貧困者の心の問題に対して、社会学や精神論からのアプローチを突き放することろが潔い。  貧困は単純に政策の間違いから生まれた問題で、心の問題を持ち出すまでもなく、経済学的解決策で対処できる問題である。 例えば生きづらいと思っている青年に、「仕事を通じて社会から承認を受ける」みたいな社会心理学的な話とか「自分を変えよう」とか励ますヒューマニスティックな啓発本は役立たずだということ。 弱いもの同士集って傷を舐めあいたい欲望にかられるけれど、そこは強がって我慢しよう

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    投稿日: 2009.11.09
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    ● 年金というのは何をやっているのかというと、貧乏な若者から税金をとって、金持ちの年寄りに配っている。それよりも生活保護やベーシック・インカムで生活を保護し、それ以上の部分については、個々人が自分の判断で預貯金すればいい。 ● ニート、フリーターに対して「自己責任」といっていいのは、景気がいいときだけです。需要がちゃんとあって、その状況でニート、フリーターだったら、僕は自己責任だと思う。けれども、いまは席が人数分ないわけですから、社会の問題です。 ● 要するに、都会の金持ちと貧乏人からとって、田舎と都会の貧乏人にまき、貧乏な若者と金持ちの若者からとって、金持ちの年寄りと貧乏な年寄りに配っているので、65歳未満の不平等・貧困はまったく解決しないんです。

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    投稿日: 2009.10.22
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    ○186いままで、日本社会で何が社会保障的な機能を担ってきたかというと、特に地方経済についていえば、公共事業ですよね。 ★再分配という手法であるとは思っていたけど、社会保障まで?あまりにも限定的なんじゃないか。確かにそういう一面は否めないけど。

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    投稿日: 2009.09.12