Reader Store
写真増補版 神の棄てた裸体-インドネシア・マレーシア編-
写真増補版 神の棄てた裸体-インドネシア・マレーシア編-
石井光太/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

81件)
3.7
18
30
14
8
4
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女性に対する戒律が厳しい、イスラム教圏でも夜職はあるらしい。著者が彼らと生活したときの体験をまとめた本。 普通に物語として読んで面白い、感動できる話が多かった。でもやっぱり日本とは事情が違うのだろうな、と思った。紛争で職業が無くて仕方なく隣国に出稼ぎにきた人とか、紛争でPTSDになって夜誰かと一緒にいないと寝られない人とか、、、そこが新鮮味だったかな。 一か月前に読んだから、記憶曖昧。

    0
    投稿日: 2025.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『神の棄てた裸体~イスラームの夜を歩く~』 石井光太氏はの本を何冊か読んでいる。優れたジャーナリストだと思っているが、その著書は浅く読めばそれなりに、深く読めばより多くを学ぶことができる仕掛けが埋め込まれている。ノンフィクションは事実を描く。といっても、著者が切り取った事実だから、そこに作為は生じる。つまり、描かれるのは事実の一端である。そして、それを読んで、何を思うのかは読者に委ねられている。読者には浅く読む人も深く読む人もいるだろう。その両者を視野に入れた「ダブルミーニングの書き方」が石井光太の真骨頂である。 イスラム世界の性を取材した本書。性から人間を浮き彫りにする試み。そこに着眼したのが著者の慧眼である。 思えば、『21世紀への対話』も性の話題から始まる。それは「赤裸々な人間の話から始めよう」という企みであった。

    0
    投稿日: 2024.06.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本のタイトルからそこまでの興味がわかずにずっと積読してありやっと。 自分では石井光太さんと同じことは絶対にできないから、こうやって本にされ読める事がすごいことだと思いながらあっというまに読み終わり。 この方の文章は読みやすく引き込まれる。 旅で出会ったいろんな人々の話。自分の全く知らない世界。

    0
    投稿日: 2022.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の本は3冊目の読了となりましたが、手に取る度にいろいろ考えさせられます。 本書はイスラームの国々を訪れ、都会や観光地を巡るのではなく、それぞれの国が抱える闇に潜入し、「性」をテーマに取材をすすめる潜入ルポ。 まだまだ勉強不足な私にはイスラームといえば中東の国々だと思っていましたが、東南アジアにも多くのイスラーム教徒がいることを知りました。 敬虔なイスラーム教徒であればある程、厳しい戒律を重んじ、その中で生きています。 私の勝手な思い込みかも知れませんが、宗教とは私も含め多くの日本人には理解し難いものだと思っています。 それが故に本書にも書かれている「一夫多妻制」等は誤ったイメージを持っていた事にも気づかせてもらいました。 どことなく、権力や金を持つ一部の人が複数の妻をめとっているのだと何となく思っていましたが、イスラームの教えでは女性は外で働くことも許されていません。 だから、虐殺や戦争などで多くの若い男性がいなくなった後、残された女性を助ける為に多妻制が自然と出来上がったという事実は私の記憶に刷り込まれました。 そして、最下層で生きていく弱者とは何処の国でも女性と子供達、病に侵された人やジェンダーだという事実。 そこには生きていく為に体を売ったり、犯罪に手を染めたり、ドラッグに手を出したりする姿が生々しく描かれていました。 そして、そんな弱者を食い物にする人々がいることも。 過日読み終えた「絶対貧困」とも通ずる世界。 しかし、本作では「絶対貧困」で描かれた闇の部分のみならず、最下層で生きていく弱者の人々が、どう考え、どう思い、何を求めるのか、もう一歩踏み込んだ視点で描かれていたように思います。 本作を読みながら、著者が現場で感じたリアル、苦悩、無力感...そのままを書き記して頂いたことに只々感謝と尊敬の念を禁じ得ない。 私にはこの現実を変える力なんてありません。 しかし、世界中の全ての人が「自分には無理だ」と何もしなければ、何も変わることもない。 何かが出来る訳ではないが、せめて現実の世界で起こっている事実として受け止めようと思います。 説明 内容紹介 イスラームの国々では、男と女はどのように裸体を絡ませ合っているのだろう──。「性」という視点からかの世界を見つめれば、そこには、性欲を持て余して戒律から外れる男女がいて、寺院の裏には神から見放された少女売春婦までがいる。東南アジアから中東まで旅し、土地の人々とともに暮らし、体感したあの宗教と社会の現実。戦争報道では分からない、もう一つのイスラーム報告。 内容(「BOOK」データベースより) イスラームの国々では、男と女はどのように裸体を絡ませ合っているのだろう―。「性」という視点からかの世界を見つめれば、そこには、性欲を持て余して戒律から外れる男女がいて、寺院の裏には神から見放された少女売春婦までがいる。東南アジアから中東まで旅し、土地の人々とともに暮らし、体感したあの宗教と社会の現実。戦争報道では分からない、もう一つのイスラーム報告。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 石井/光太 1977(昭和52)年、東京生れ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    3
    投稿日: 2021.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    "人の温もりが欲しいから抱かれる”この本に書かれていることは、遠い国で起こっていることなのだが、身近にもそういう人はいるのではないだろうか。数冊、石井氏の本を拝読しているが、その中では希望のある話が多いように感じられた。 今回のテーマが”性”についてだからなのだろうか。性について語るときに、切り離すことができない愛や恋というものは、どのような境遇や国でも楽しくワクワクするものなのだろう。 といっても、辛く救いのない章が多いことに変わりはない。日本兵のレイプや僅か12歳の少女の売春。 そのような非情な現実を石井氏は包み隠さず、文章にしている。加えて、そのような境遇であっても明るく生きている人もいるという事実も同じように文章にしている。故に、石井氏の文章はリアルなのだと思う。 自分の近くにも、辛くとも明るく生きている人もいれば恵まれているにも関わらず自分から道を踏み外す人もいる。 この本を読んだ感想が「知っているだけではなにもできない」だけでは余りにも悲しい。 できないことには変わりないが、どんな境遇であっても幸せな人生を送る人もいるという部分に私は勇気をもらった。 (ヒジュラの話や、一夫多妻制の集落の話は特に) また、「知っているだけ」という人が増えれば、経済が動くのかもしれないという希望くらいはもっていてもいいのかもしれない。

    3
    投稿日: 2018.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほとんどの世界で大っぴらに語るのは憚れる性。そのなかでも 厳格な戒律に基づいて生きるイスラム世界の人々の性に焦点 を当てたのが本書。 大きな括りでは「イスラムの性」なのだが、著者がこれまでにも 追って来た底辺で生きる人々のルポルタージュと根っこは同じ。 蔑まれ、虐げられ、それでも生きて、生き延びる為に、彼ら・ 彼女らは性を売り物にする。 生きて行く為に路上でゴミ拾いをする兄弟。だが、それだけでは 家族の生活を支えられない。兄は男娼として不足分を稼ぐ。 弟にはこんなことはさせたくない。だが、弟は兄を少しでも 助けようと、兄には内緒で同じように大人の男と姿を消す。 公園で暮らす浮浪児たち。12歳にもならない彼女たちは大人たち に体を売ることで生き延びる。それは、抱きしめて欲しいから。 どんなに無茶なことをされても、ただ、ぎゅっと抱きして欲しいから 言われるままに体を預ける。 著者がところどころで取材相手に投げかける言葉は浅はかだ。 だが、それは日本という恵まれた場所に生活する者たちの 思いを代弁しているのかもしれない。 次から次へと繰り出されるエピソードは非常に重い。結婚前に 男との逢瀬を繰り返していた娘を、自らの手で葬らなければ ならなかった父親の話なんて、途中で本を閉じてしまった。 世界の片隅は私たちの道徳や倫理感を超えたところで、 生き抜こうとしている人々がいる。 本書で気になるのはある程度の脚色がなされていることと、 盛り込まれたエピソードがパターン化していることかな。 ただ、一夫多妻という婚姻関係については目からうろこの 部分もあった。 そろそろ石井さんも他の分野を書かないとマンネリ化しそうだな。

    0
    投稿日: 2017.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ネタバレ 2014(底本2011)年刊。著者の本は3作品目。貧困・差別問題が主軸、潜入ルポ形式、一人称語りの叙述は、他書と共通。本書は、イスラム圏、あるいは国内にイスラム教徒を抱えている国々の探訪録。とりあえず読んで欲しいが、イスラム教の戒律の厳しさのため、ゲイにも関わらず性器を取り除かない、少年の兄弟2人が男娼として生活する様、ストリートチルドレンが生み出されていく様、銃の整備方法を教えなければ食べていけない部族、そして部族で生きていくために娘を殺した父、抱きしめられたいがために体を売る少女等々を赤裸々に描述。

    0
    投稿日: 2017.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この地上に 一人でも 飢えている人が いる限り 私たちの 食事は どこか楽しくは ないでしょう この地上に 一人でも 差別されている人が いる限り 私たちの 遊びは どこか楽しくは ないでしょう  ひとつぶの 麦を  ひとつぶの 汗を  ひとつぶの 怒りを  ひとつぶの 涙を ※「ひとつぶの涙」笠木 透さん の 詩より 今の日本で 何も考えずに暮らしていたら ここに書かれてある実態とは 全く無縁に暮らすことはできるだろう 今の日本で 何も思わずに暮らしていたら ここに書かれてある実態は 全く無視すべきものとして捨て置かれるだろう だからこそ 次の人に手渡したい一冊です

    0
    投稿日: 2016.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何回か定期的に読まないといけないと思う。日々に倦やないように。日々意図的に見逃している多くのことを見直すために。

    0
    投稿日: 2016.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     インド政府は女性への不妊手術を推奨、手術をすれば補償金(七百五十円)がもらえる。貧しい階層の女性たちは不妊手術の後、売春宿で働かされ、住む家を持たない女性浮浪者たちは、数日生活できる金欲しさに手術を行う。隣国バングラデシュ、ダッカの売春婦は豊満さ求めてステロイド中毒者になっているのだとか、社会のひずみは弱いところに色濃く表れる。日本も遠い国のことだといってはいられない、低所得者の子供の虐待は増え続け、昨今TVのニュースをにぎわす。

    0
    投稿日: 2016.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「性」視点からのイスラム世界報告。目を覆いたくなる現実。どうにかしてあげたい、となる。でも、今その中で必死に生きている人にとってそれはこちらの思い上がりでしかない。輪の中に入っている人に対してよりも、輪に入らずにすむような知恵の方が貢献できるのではないか。

    0
    投稿日: 2015.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いつも旅しているアジアの裏の部分。こういうことを、気づかないフリして見ないようにして通過してきたんだ、と思った。  だからと言って何か自分にできる訳ではないけど、 これからの旅の印象はずっと違うものになる。

    0
    投稿日: 2015.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者がイスラム諸国の夜の街を歩き生の性を隠すことなく調査する。2人の娘がいる小生としては胸が張り裂けそうな内容だ。どこの国に生まれるかはただの偶然のはず。その偶然が子供たちの人生を決める。その人生は過酷だ。何とかならないのだろうかと無力な自問を何度も繰り返した。

    0
    投稿日: 2015.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現地の人たちには申し訳ないが、日本に生まれてよかったというのが、率直な感想。この本には目を背けたくなるような悲惨な状況の女性達がたくさん登場する。 ルポということで、ノンフィクションということだが、半年の間に十数か所を放浪しては現地の人とここまで深くかかわれるはずはないし、フィクションも入っていると思われる。フィクションであってほしい。 イスラム文化圏は性にとても厳格に見える。しかし貧しい地域では、女性は子供のうちから売春をして生きていかざるを得ないようだ。一番つらかったのが、インドの行き場の無い十代の女性が、娼婦になる前に不妊手術をしなければならないというところ。 いろいろ思うところがあり、勉強にもなった。ただ、作者の怖いもの見たさ、顔を半分突っ込みつつも無力な自分に酔ったりするパターンはなんだかなぁと思った。

    0
    投稿日: 2014.11.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日本において、興味を持つ人も少ないのではないかと思われるような題材を、よくもここまでまとめあげたなと感心します。 イスラーム、とタイトルについていますが、イスラム教といっても、色々な宗派というのかな、考え方やあり方があるのだと再認しました。民族によっても、解釈などが異なるのかも知れません。 それから「性の問題」というと女性ばかりに目が向きがちですが、男性についてもしっかり書かれている点が良かったです。 荒削りな体当たりレポートですが、自分のダメな面もさらしているし、結論がでない問いに無理に結論を出さない点など、ルポとして信頼できました。 自分がそれに関わるかはともかく、こういう世界がある、ことは知っておいても良いと思います。文章自体が小難しくないし、押し付けがましいところがないので、読みやすいです。

    0
    投稿日: 2014.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    花泉図書館。 いつもながら石井氏のノンフィクションはテーマをはじめ全てが秀逸。 しかしながら本作は、若い時期のルポだからなのか取材対象への距離が近すぎて必要以上に感情移入しているように感じた。実際にそこに感情を込めなければルポタージュは書けないのだろうが、特に最後のエピソードなんかは著者の若気の至りと言おうか、読んでいるこっちがちょっと引くぐらい(苦笑)「どうにかしたい」という思いが伝わってきた。それがイイとかワルイとかの問題ではないのだけれど。。。

    0
    投稿日: 2014.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この記事を書くためにもう一度読み返していたんですが重すぎです。イスラム圏の人間は性というものに対してどのように向き合っているのか?という疑問に答えてはくれますが、読む場合には自己責任でお願いします。 この記事を書くためにもう一度この本を読み返していたんですけれど。ものすごいショックで正直、気分が重いです。内容は著者が自分で旅をして現地の人と侵食をともにしながら見聞きしたり経験したことを文章にしているので、おそらくは「事実」でしょうが…。イスラム圏の人間は「性」というものにどうやって向き合っているのか?衝撃的なルポルタージュです。 一般的にイスラム教の人は「性」について厳格であるというイメージ(少なくともボクはそうだった)をいい意味でも悪い意味でも裏切ってくれます。僕が一番印象に残ったのは、「掟と死」の中に出てくるアフガニスタンでソルタンという自分が生き残るために自分の妻を自殺に追いやり、実の兄を殺して生き延び、ごみをあさりながら薬漬けになっている同性愛者の話でした。 彼の言う 「オラは強い男じゃねえ。家族のためにすぬことなんて、できねえ。体を焼かれて地獄に落ちる のも恐ろしい。だからどんなことがあっても、死ぬことなんてできなかったんだよ」 ということばが非常に胸を打ちました。 ほかにはムスリム(イスラム教徒)の男性がポルノ写真や女性が欲しくなったときに他の宗教、例えば具体的にはキリスト教信者のところに行くんだそうです。 一番顕著な例は女性を買うときで、イスラム教徒の男性はキリスト教徒の娼婦と例えば2時間だけ「結婚する」という形をとって、コトを済ませた後に「離婚」する際の「慰謝料」として対価を置いていくんだそうです。 厳格な戒律に生きているはずの彼らでも、こういう抜け道はあるんだな、と。 ほかにも、少女売春婦やヒジュラと暮らしたときのことなど、目を背けたくなる話がてんこ盛りですが、それと同時に人間って、たくましいなぁ、と思わざるを得ませんでした。

    0
    投稿日: 2014.07.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こういう現実がある、ということは理屈では知っていたけど、本人たちの言葉で語られる文章というものはより説得力がある。一夫多妻制に関しても、助け合いの制度だと聞いたことはあったけど、この本を読んだことでなるほどそういうことか、と理解が深まった。だけど、他のレビューにもある通り、自分語りが多いのが気になる。もちろん筆者が一人の人間としていろんな人と関わった結果がこの本なんだと思うので、ある程度は仕方ないのかもしれないけど。なんかあまりにも現地の社会をかき乱しすぎじゃないか?と思った。あと、イスラームの国でも性は他国と同じっていう意図なんだろうけど、それだとなんでもありになってしまうのでは。現に、イスラームとか関係なくただ貧困地域の性、って感じの章もありました。

    0
    投稿日: 2014.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム教は厳格な宗教である。故に戒律の抜け道や脱落者のコミュニティが存在する。そうしたものを「性」という視点で、アジアを主にし放浪して体験をまとめたルポタージュである。 特に「第5章 路上の絆」で描かれるような貧困が招く負の連鎖。決して他人ごとではない。どこかで誰かが断ち切る勇気と行動が必要だ。我々日本人が真摯に向き合い、解決すべき問題はまだまだ山ほどある。

    0
    投稿日: 2014.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戒律の厳しいイスラームの国々の底辺で生きてる人間を「性」という視点から見た著者石井光太氏のルポ。氏の作品は何作か読んだがどうも腑に落ちない点が多い。 確かに彼は現地での取材はリアルに行っていると写真からでも理解できる、が、話の内容が嘘臭い、いや、臭すぎる、え、嘘だろって感じwwwww 偽善すぎるというか、お前何年も現地のスラム街に住み込んでんだから、現地の政治・治安状況がわかるはずだろ?だったらその中で政治の腐敗、現地警察・司法の醜さは重々承知してるはずだろ?理不尽だからと言ってなんで現地警察管に突っかかるんだよwそんなん普通は捕まるだろ?いやいや闇に葬られるのがデフォだろ?現地マフィアが絡んでんだから。知ってるはずやんwwww絶対嘘wwwwwwwwwww 海外に住んでいれば現地警察の怖さは分かるはず。頼むから現在の価値観で日本人としての正義感をみせつけたったー的な話はやめろ。嘘だろ、おいおいw自分の脳内物語だろwwwwwww 淡々と現地の悲惨さを報告するだけで十分俺達には伝わるんだよ。それを突撃マル秘報告したことは評価できる。だから何冊か読んだ。 でもな、文章が拙い。場の空気を表現する為の風景描写がなんとも、んー、イスラムだけにイラン。(ゴホン) 最底辺で体を売って生きるイスラムの人々の話を読むと宗教ってなんなん?って誰もが感じるはずだが、これは宗教が理由なのか政治が理由なのかは俺には分からんが、こんな悲惨な人生を歩んでいる人達がいる事は事実であり、受け止めなければいけない、でも全員が幸せになる事は無理なのも事実。せめて悪いヤツは苦しんで死んでくれ。それだけ。

    1
    投稿日: 2014.03.26
  • 石井氏の取材力に脱帽!

    石井氏の取材に感銘しました。私達の知らない世界、私達が恐らく見ることのない世界を、彼は克明に取材してその世界をリアルに開示します。イスラムの底辺で生活している老人、娼婦、子供等を克明にレポートし、読者はその衝撃に打ちのめされます。 世界にまだある現実! 平和ボケの日本人に最も必要なカンフル剤かもしれません。ご一読をお薦め致します。

    1
    投稿日: 2014.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何度も泣いて、本を手放したいくらいだった。だけど日本人の私には想像もつかない境遇でも、ささやかなことに喜んだり、楽しく踊ったりする彼らの様子がほんとうに尊かった。理解しがたい風習も多いイスラームだけど、彼らには彼らの積み重ねてきた歴史が、逃れられない掟がある。不妊女性や同性愛者の迫害や名誉殺人なんて心底ぞっとするけれど、今そこで一生懸命に暮らしている人々に罪があるなんて思えなかった。 また、著者が自身の無力さや日本人側の価値観ゆえの葛藤も赤裸々に書いていることで、同じ目線で考えながら読むことができた。私にもなにもできないなあと痛感した。でも文庫版あとがきで著者が言うように、知らないことにはなにも始まらないというのは本当だと思う。

    1
    投稿日: 2014.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    インドネシア、マレーシア、アフガニスタン…。男性主権、女性は家に縛り付けられると言われるイスラムの国々。そのイメージは事実なのか。著者が国々を巡って見出した、エピソードの数々。 あまりに自分の価値観と違うものが出てくるので、小説ではないかといつも疑ってしまう。あまりにびっくりすると、言葉が出てこなくなってしまうように、心が沈むかんじ。あまりにショックなことがあると、なかなか受け止めきれないものなのだな。でも、生きている以上は知らなくてはいけないことのようにも思う。

    0
    投稿日: 2013.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2012年10月読了。僕なんかじゃ陳腐な感想しか出てこない。何が正しくて何が正しくないのか・・・世界は残酷というか

    0
    投稿日: 2013.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんと言うか、ただただ壮絶。筆者がイスラー ム世界の最下層の人々を取材ながら旅をするル ポルタージュ。 イスラーム世界は厳格なイメージがすごくあっ て、本書は尊厳殺人にも触れている。だが、民 族と紛争と、何よりも貧困。貧困から逃れる術 どころか、彼女たちはその希望を持つことすら 殆ど赦されない。 売春しか生きる術がなく、 その環境で生きている人々に、 道徳なんてまるで絵空事でしかない。辛い、苦 しい、悲しい、そして怒りの、感覚と言うか基 とにかくまるで違う。 準と言うか、 像すら出来ないような下劣でおぞましい現実を それでもなんとか生きてる人々がこんなにも沢 山いるなんて。あまりにショッキングな内容な ので、読む際には少し注意が必要。 筆者同様、自分の無力さに絶望しながらも、 つの日かこの現実が世界中から消える日を望ま ずにはいられない。。。

    0
    投稿日: 2013.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    存在するが見えない世界。イスラム圏での性にまつわるルポルタージュ。東南アジアから中東までの性産業やトランスジェンダーな人たちの生活に入り込んで取材している。 バングラデシュの話も出てくるが、住んでいたが噂に効くばかりで足を踏み入れた事がない話だった。 日本人の生活からは、目を背けたくなる実態であるが生活がそこにはあって彼ら彼女らにも親がいて、家族がいる。きっと日本にもあるのだろうが見えない世界。 また、二年前に読んだので読みたいと思う。

    0
    投稿日: 2013.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム世界での性についてのルポ。 どんな世界にあっても、この問題は尽きない。 けれど、日本の性産業のそれとは質が違いすぎて同じようには語れない。 娼婦は社会の底辺に生きているけれど、 それにもさらに底辺があることを改めて知った。 けれど、彼等、彼女等はそれなしには生きてはいかれない。 可愛そうで、理不尽で、いたたまれない気持ちになる。

    0
    投稿日: 2013.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    半端な気持ちで読み出したので、途中ひどく辛くなった。おとこのひとも、おんなのひとも、読むべきなり。知っておくべきなり。。

    0
    投稿日: 2013.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あんがい一章ごとあっさり終わっていくんだけど、こんな人たちに出会って、話きればもっと本文の量が増しそうな気がするのだけど… それぐらい衝撃的だったので、もっと知りたいという欲がでました。 紛争地域にいて乱暴されるよりは、身体を売ってる今の暮らしのほうがいい、なんてほんとにせつないわ。 某市長の言葉がかするけど、いろいろ事情あっても身体つかう仕事とそうでない仕事選べるなら、後者が普通じゃないのな。 そう選択せざるおえない事情を考えた方がいいんじゃないの。

    0
    投稿日: 2013.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    イスラム社会の性に関するノンフィクション。インドネシア・パキスタンの娼婦、バングラデシュの路上生活者・ストリートチルドレン、ヒジュラと呼ばれるインド世界の第3の性等々をルポ。性に厳格なイスラムゆえに、それに外れる行為・階層への扱いは悲惨そのもの。

    0
    投稿日: 2013.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラムの現実を垣間見ることができる。感覚がかけ離れてて、理解することは不可能、でも必死に生きてる人たちがこの地球上にいるんだという事実は分かった。今の日本人は、膿んでるなあ。

    0
    投稿日: 2013.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集で構成されていて、とても読みやすかった。 私達とは違う文化・価値観で生きる人々。 どうすることもできない現実。 色々と考えさせられる本だった。 ただ、ストリート・チルドレンや人身売買、未成年の売春など イスラム国家に限った事ではない話も多くあり 「イスラムの清潔な性を問う」ルポとしては 少し弱いように感じた。

    0
    投稿日: 2013.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    筆者自身がイスラムの国々を歩き、諸国の“性”に向き合っていく。 お金を稼ぐために、今日1日を生き抜くために、身体を売る少女が居る、少年が居る。愛を求め、自ら身体を売る子供が居る。 戦争の報道からでは知り得ない、イスラム諸国の現実を目の当たりにする。 表現が陳腐だとか、ドラマ的に仕立て上げられているだとか、 そういった評価も多いものの、私みたいな無知な者が導入として読むには良い本だと思う。 結局、多くの人が現実を理解しない限り変わっていかないのだから…

    0
    投稿日: 2013.03.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    レンタルチャイルドに引き続き読んだ石井さんの本。 執筆されたのはレンタルチャイルドより前であったためか、文章がいまいち洗練されていない感じがした。また、取材のスタンスもいまいち定めきれていないので、正義感やなんとかしたい、という強い気持ちが全面的に出ていた。 命ってなんだろう。命よりも家族の名誉を取らざるを得ない、イスラームの考え方。浮浪者が生活していくための手段。性同一性障害の概念そのものが認められない国でのレディーボーイの末路。 決して長くないエピソードの中に、知らない世界が多く詰め込まれていた。 ある程度裕福だから、ここまで強調されないが、日本でもこれらの問題は多く妥当すると思う。どこか他の国、と割り切れないところがあった。 イスラームの国々での人々の生き方から、哲学のようなものを見出すきっかけを得たような気がした。

    0
    投稿日: 2013.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    レンタルチャイルドに続き、2冊目の石井光太。 貪るように石井光太の本を読んでいる。 レンタルチャイルドで貧困による劣悪な環境というものを学んだせいか、今回はあまり衝撃を受けなかった。 それは読み手の私が刺激に慣れたせいで、本著に登場する人々の生活がレンタルチャイルドに比べて恵まれているという訳ではない。 それよりも、著者の姿勢の方が気になった。 少年漫画の主人公のように、弱い部分を持ちながらも常に正しい側に立っている。 作中に登場する人々が、「何か改善しなければいけない生活を送っている」という視点で眺めているように思えた。 もちろんその通りだが、それが傲慢な正義感に思え、読んでいてイライラすることが何度かあった。 事実だけを淡々と述べるルポを期待していたので、少し残念。

    0
    投稿日: 2013.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラーム圏の国々における「性」に視点を当てたルポ。性に携わる職のひとたちが多く登場し、それは、老若男女問わない。少年少女、老人、女性、男性など、様々なひとが登場して、自分の思いを吐露する。 貧しさだけが、体を売る理由ではない。寂しさ、心のスキマを埋めるために売るという人が少なくない。さまさまな環境の中で、一概にその行為を否定することはできないと思う。 非常に考えさせられる内容であったと思うが、筆者の姿勢で気になる点があった。出てくる人を自分の定規に当てはめて、「これはいけない。もっとこうしなければ」と押し付けるのだ。個人的な意見として、それはあまり望ましいことではないと感じた。そのようなことをしたいのなら、そのような活動を行なっている団体に参加するなどの方法があるはず。取材をするなら、一貫して冷静な目線、第三者でいるべきだとおもう。 案の定、「部外者のくせに」「何も知らないくせに」などと言われて、拒絶され、自分は無力だなどと途方にくれている。悲劇のヒーロー気取りが鼻につく点が多々あった。 視点としては面白かったと思うので、残念。

    1
    投稿日: 2013.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作者の目線は、いつも底辺で、日の当たらないところで懸命に生きる人々に向けられる。 宗教とは、本当に人を救うためにあるのか?と考えさせられる。 幼い頃から、路上で暮らし、食べるために、売春を行う。 悲しい現実だ。 そんな彼・彼女らに対して、無力感を感じる作者。 私も何もできない。

    0
    投稿日: 2013.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミャンマーの老人の独白という形式をとる第三章「問わず語り」は、宮本常一の土佐源氏を思い出した。そう思って読んでみると、民俗学っぽいと思った。

    0
    投稿日: 2013.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『イスラーム飲酒紀行』に続き、イスラーム世界の裏を知る。 中東や南アジアの売春にかかわる人々を描くルポ。紛争地域や男娼までカバーしてるんだから並大抵の行動力と実現力ではない。 その点にはもう完全に脱帽なのだけれど、読み物としてはちょっと評価が落ちると思う。 描写や言い回しがわりと陳腐というか、場末のファミレスがすごいネタをさばききれてない感。 好奇心とジャーナリスト気分で行くから、実際そこにある矛盾や悲惨な現実に対して何もできず、そんな自分を憐れんでいることにも気づかず、知らずにインフォーマントを傷つけている。 しょうがないといえばしょうがない。知らせてくれただけで本当にありがたい。でもなんかイライラさせられた、というのが正直なところ。 そもそもこれが「イスラームの国々」という縛りでやった価値が表現されきってないような気がしました。 でも、心にぐっとくる話ばかりです(ワンパターンだけど)。自分しか売れない女を痛めつけるのも、救うのも男。性欲という最も危険で根源的な欲望が生む悲劇と、その中の小さな救いや人の強さが垣間見られました。男娼の兄弟の話には号泣した。

    0
    投稿日: 2012.12.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    取材姿勢はすごいなとは思うものの、期待していた内容では無かった。もっと一般的な人々の感覚を知りたかったが、よく考えたら若い男性である著者がイスラムの国で一般的な女性を取材出来る訳ないよね。そして表現は稚拙に感じる。

    0
    投稿日: 2012.11.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    せっかくの取材も、陳腐な表現や叙情的に過ぎるくどい言い回しのために価値が薄れて感じられた。 取材をする能力と、文章を書く能力は全くの別物なのだと改めて実感した本。

    0
    投稿日: 2012.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現地へ潜り込んで書いたルポ(物語のようでもある)。著者の等身大が詰まってる、若くてなつかしい感じの文章。

    0
    投稿日: 2012.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    どんなに封建的な世界に生きようとも、人間の根源的な欲望は変わらないということ。イスラム教国のある部分においては、宗教の違い、貧富の差、社会的地位の差、容姿の差など、様々な要因が複雑に絡み合い、これでもかとばかりに人生に襲いかかっているということ。それでも、ひとの心の中に、誇りや優しさという要素がきちんと残っていて、かすかなかすかな希望になっているということ。改めて、日本は恵まれた国であるということ。自分にできることはとても少ないということ。 こんなことをギリギリと考えさせられるノンフィクションでした。 確かに著者が中途半端な正義感とセンチメンタリズムで当事者に近づいたあと、何もできなくて逃げてしまう様子はちょっといらだちを覚えるけれど、あそこで何かできるひとの方が少ないのではないかと思うので、その正直さは偉いと思ってます。 ちょっとだけ気になったのは、おそらく片言の英語か通訳を介しての会話だったであろうものが、へんに芝居がかった日本語のセリフになってしまっている部分ですかね。そこに、妙な脚色感を覚えてしまうといいますか。 おおむね良作かと。

    0
    投稿日: 2012.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ☆5つけたけど、一個へらした。著者の中途半端な正義感で却って人を傷付けてる部分は、確かにある。けど、腹が立つというより「でも正直っちゃ正直な反応」だと思うし、何より当人がわかっているでしょう。「実際に行って、人と関わることでしか知り得ない現実」を伝えてくれた事を素直に受け止めたい。

    1
    投稿日: 2012.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世界は広く、自分の常識や尺度を捨て去って物事を見ないと何も見えなくなってしまうという事がよくわかる。 ふだんキリスト教圏の文化に慣れ親しんでいるのでイスラム世界の文化的な側面はほぼ知らない。行ったこともないし、もちろん夜の世界も民衆の暮らしも知らない。そんな知らないイスラム世界の一端を垣間見えるおもしろい本。

    0
    投稿日: 2012.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    個別の出来事をひとからげに語ることはできなくて、イスラムはこうだとか、ステレオタイプに言い切ることの浅はかさを思う。幸せな日本人の興味本位な詮索、という雰囲気が始終鼻について居心地が悪かった(自分も間違い無くそんな日本人だから)し、題名からしてどうかと思うが、現実に生きている人々の話は実に重く、相対的に今の自分の生活を教えてくれる気がする。

    0
    投稿日: 2012.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いつも小さな子供が売春の餌食になるのには胸が痛くなります。かといって著者のように自分も無力で何もできないのだが。

    0
    投稿日: 2012.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Amazonのレビューにもあったが、 なんか展開が似たようなのが多くて途中で 読むのをやめてしまった。

    0
    投稿日: 2012.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    娼婦とか、オカマとか、男娼とか、同性愛者とか、日本人のイメージしづらいイスラム圏の人々のルポルタージュ。 扱ってるテーマ自体が興味深いし身近でない文化を知る意味でも面白い。 面白いけど、脚色が脚色とわかる程度に安っぽい部分が多くてそこばっかりが勿体無い。

    0
    投稿日: 2012.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    厳しい戒律の下、イスラームの男女はどのように性を捉え、裸体を絡ませ合うのかという命題を掲げ、著者がイスラーム圏を放浪して執筆した一冊。まず、この著者の行動力がとにかくすごく、こんな体験を日本で生まれ育った日本人がよくできたなとただただ驚きます。内容としては、娼婦が男娼が中心ですが、エピソードがいちいち胸に突き刺さり、路上で暮らし体を売ってなんとか一日一日を生き延びていく少年少女のエピソードなんかは読み進めるのも心苦しくなってきます。世界にはこんな国があるのか、こんな人がいるのか。日本で普通に暮らしていることが奇跡のように感じる、そんな本。著者の中途半端な正義感や責任感のなさに憤りを感じる人もいるかもしれませんが、著者自身もそのことを痛いほど自覚していることがよく伝わってきます。お薦めです。

    0
    投稿日: 2012.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この本に記録されているイスラム世界の「風俗産業」は壮絶の一言。 人権なんてなく、理不尽に虐げられ、犯され、殺される。 安全で平和な環境で生きる私たちにとって、文章だからまだなんとか向き合える、別世界の記録。 この「人間以下」の環境を文章とし、告発すること自体は意義のあるものだ。 しかし、著者の責任のない正義感に基づく行動がイライラする。 いろんな国々で虐げられる人たちに会うたびに、彼は日本人と言う安全なところから「そんなことはいけない、逃げなさい」と告げる。 そして常に拒絶で返されてしまう。 なんと幼稚なんだろう。 特にひどいと思ったシーンは、売春をする浮浪児の女の子に対して、「嫌なら自分の宿に逃げてきなさい」と言ったにもかかわらず、その言葉を信じて逃げてきた女の子の「抱っこして」というささやかな願いすら拒絶したシーンである。 「明日も明後日も面倒をみる羽目になるのではなかろうか」(P272) 何を当たり前のことを、と罵倒したくなる。 そんなことも考えずに女の子に声をかけたのかと、愚かすぎる著者を殴りつけたくなる。 一度救いの手を差しのべたならば、最後まで責任を持つべきだ。 助けてと伸ばした手を拒絶され、その後二度と著者の前に姿を現さなかったこの女の子の絶望は、言葉にはできないだろう。 著者は「己に何ができるかを模索してみよう」として旅に出る。 そして、あとがきで「自分の小ささ、弱さ、情けなさ、醜さ、そんなものしか見えてこなかった」と言う。 当たり前だ。 責任が持てないのであれば、関わるべきではない。 どんなにひどい世界でも、そこに住む人たちにとってはそれが日常であり、傲慢な助けなど必要としていない。 私たちがすべきなのは、この著者のように個人で正義感を振り回すことではなく、組織として彼らを支援し、差別する人たちへ働きかけることなのである。

    0
    投稿日: 2012.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム世界での性について書かれた本。著者は東南アジアから中東まで旅して様々な人々に同行しながら、厳格な宗教の教えの下での人間の根源的な欲求についてアプローチを試みているが、底辺社会での悲惨な体験談が続く。価値観の違いにも驚かされるが、貧困と戦争により人間らしい暮らしとは程遠い状態に置かれている人々の話を読むと心が痛む。

    0
    投稿日: 2012.08.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    新潮文庫の100冊に入っているから、ムスリムのルポかと思ったが、的はずれ。 能天気な著者が旅行した結果に知り合った友人とやらの個人的な可哀そうな事情を羅列しているだけか。 著者は友人だと称しているが、知り合った人たちの生活を自分勝手に解釈して興味本位に暴露している。 著者の精神的な主体はどこにあるのかが不明。ちゃんと宗教と向き合ったほうが良くありませんか?

    0
    投稿日: 2012.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     衝撃。違う世界の出来事のように思う。客に殴られてもどうしようもない売春婦。子どもを笑われてもあきらめるしかない母親。子どもにの扱い方を教え、自分の娘を打ち殺さなければならなかった父。などイスラム社会の底辺に生きる人々を追ったルポ。  石井さんは、毎回、義憤に駆られて、怒り行動しようとするが、そのたびに現実の厳しさを思い知らされ、どうしようもなさに自己嫌悪に陥る。最初の売春宿のおかみが言っていたように、それぞれの立場でひとりで道を切り開き、生きていくしかない人を見守り、うまくいくように祈るしかない。哀れんだり同情したり、怒りを向けたりすべきではない。   自分には違う世界だから関わり合いになりたくないしどうしようもないと思う。何をどう考えていったらいいかは、まだ整理できない。

    0
    投稿日: 2012.08.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ルポって何だろう…と考えた。後書きで著者が「物語」という言葉を使っていたが、この本にはその言葉が適当かもしれない。著者の体を通り抜けたものが文章になっているのは間違いないのだが、その内容が受け止めきれないほど重たいということと、そして著者という外国人が関わることによって崩された各社会の「非日常性」が、このルポを読む視点歪ませている気がする。若さ故だろうが、著者の関わり方がいささか目に余るのだ。しかしその傲慢さによって明らかになるものに、私の好奇心も満たされていったのは間違いなくて、私も「裕福」な人間なのだと痛感した。 しかし何はともあれ、書かれているエピソードはどれもかけがえのないもので、涙なしには読めなかった。多少創作があろうが構わないだろう。そこには逞しさ、優しさ、浅ましさ、横暴さ、すべてがつまっていて、目を覆いたくなるような光景も吐き気をおぼえるような臭いも、人間にしか発することのできないものとして描かれていた。恐ろしかった。 自分の思考の枠を外し、それをまじまじと見つめることで、自分と世界との距離を測った。そして今、“私は何もすべきでない”と思う。

    0
    投稿日: 2012.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ノンフィクションと銘打たれてあるが、筆者のかざす一方的な正義感によって傷付けられるひとたちの姿に心が痛んだ分フィクションであってほしいと願わずにいられない。安いセンチメンタルや過剰な演出に嫌悪感しか抱けなかった。評価できる点があるとすれば「そういった地域がある」知識を得た点のみ。

    0
    投稿日: 2012.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて石井光太さんの書籍を読んだけれど、この引き込まれる感じは何なんだろう。そこにいる、というよりも石井さんがインタヴューしている情景を第三者視点で実際にみているようなそんなリアル感を感じる。それか彼の書き方なのかと思うとすごいと思う。

    0
    投稿日: 2012.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本の著者、石井光太さんは本当にすごい! 旅で自分の弱さや未熟さを感じたと言われてるけど、充分に体当たりの旅です! 私には到底できそうにない。怖さが前に出て自分の身を守ってしまうだろうから、現地の人とこんなに深く交流できないだろうし、アンモニア臭がする路上生活者が 抱きついてこようもんなら、避けてしまいそう。 日本でぬくぬく生活してるだけでは全く知ることはないだろう世界。でも同じ地球上で同じ人間。 彼らの生活はあまりにも悲惨過ぎる。痛くて目を背けたくなるし、想像も絶するような状況。 このような現実があるんだってことを、知るだけでも大切なことだと思う。

    0
    投稿日: 2012.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者の考えには同意できる点もそうでない点もあったけど、書かれている内容は事実だと思う。 中学生のとき、中東で湾岸戦争のあと(らしき景色)を見たことを思い出した。 スーパーマーケットや住宅地が並ぶ街並みのなかに、穴だらけのマンションがそのまま建っていた。本書には、それよりも生々しい現実がいくつもあった。それも過去ではなく現在に続いているもの。

    0
    投稿日: 2012.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は、生まれてくる所を選べないことを、改めて思い出さされた。どうしようもない厳しい現実がある。この本の中では、同じ空気を吸い、一緒にごはんを食べなければ見ることのできないそれ、そしてそうした上でも一部を垣間見れるにすぎないそれが、衒う風もなく提示されている。危険自慢、苦労自慢を感じないところがいい。厳しい現実の中にある一縷の救い、明るい一シーンが、すべての話でそれぞれ切り取られているところがいい。 そして、どうしようもない現実を記録しながらも、決してあきらめてはいない著者を感じられるところがいい。著者は、知り合いになったら、きっとすごく好きになれる人に違いない。

    0
    投稿日: 2012.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    衝撃のひとこと。いずれも具体的で生々しい実話。 性という、取材するのが困難であろう題材に挑んだだけに、 その内容はいずれも切実なものになっている。 いろんなエピソードがちりばめられているが、 どれもわれわれ日本人に咽喉もとに匕首を突きつけてくる内容ばかり。 統計上の数字での話や観念論ではなく、 本当に物事を語ることはできないのだと痛感した。

    0
    投稿日: 2012.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ノンフィクションを狭い意味に捉えると、これは当てはまらないかもしれない。著者の体験から再構成されたイスラムの性の世界、とでもいうべきか。老人の一人語りがでてくるが、「忘れられた日本人」の土佐源氏を思い出した。これはあくまで想像だが、著者が意識しているのは「沢木耕太郎ミーツ宮本常一」ではないだろうか?

    0
    投稿日: 2012.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    体当たりなルポ。筆者の対象への温かい目や率直な姿勢があるからこそ書けるのだと思う一方、もっと突き詰めた視点も欲しくなった。

    0
    投稿日: 2012.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    春をひさぐことが子供の頃から当然で、大人になってもそれ以外の選択肢はない。 そんな現実が同じ地球の遠い国には存在するということを、頭では分かっても、なんとなくしか自分の体に理解は出来ていなかった。 もちろん全てが解るわけではないけれど、この本を読んでその現実が単なる活字ではなく、熱のこもった事実として伝わったように思う。 イスラムの国々の売春宿に住み込みで働いたり、一夫多妻についてのインタビューをしてみたり。日本人がそこまで生活に食い込んでいるだけあって、すごく興味深かった。 あとがきの、このイスラムの現実をどうすることもできない無力感、というような著者の言葉が心に重く沈んだ。 同性愛者が虐殺されたり、兵士にレイプされ妊娠した女性が白い目で見られたり、幼い子供が体を売って生活したり。自分には何が出来るかわからないけれど、もっともっとこの世の中で起こっていることを知りたいと思った

    0
    投稿日: 2012.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者の未熟な正義感を振りかざす自分本位な姿勢が非常に鼻につきます。 ただ、それは日本という国の途上国に対する姿勢に他ならないのかもしれません。 一時的な同情は自己満足に過ぎないということです。 売春宿やストリートチルドレンの現状、一夫多妻制の意義など知っておかなければならない事実もたくさん書かれています。 私情を交えずに情報を提供してほしかった。

    0
    投稿日: 2012.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    PCの調子が悪いのです。 先日も「源氏川苦心の日々充実」の文章を入力してゐて、さて更新ボタンを押さうとしたその瞬間、「ちゆいーん...」といふ力のない音に続き突然PCの電源が落ちました。入力した内容がすべてパアであります。 世間にとつて役に立つものなら、ひとふんばりして再度入力するわけですが、かかる下らない読書日記をもう一度やり直すのはやるせないものがあります。で、予定と違ふ本を今日は取り上げます。 著者の石井光太氏は、イスラームの国々における性事情を取材する旅に出かけました。2006年のことであります。 イスラーム事情については、かなりの情報が出回るやうになりましたが、本書はメディアでは取り上げられない(今後もおそらくさうであらう)男女間の裏側をテエマにしたルポルタージュであります。 街娼の少女や身体を売る兄と弟、女として生きる男たち「ヒジュラ」の実態、一夫多妻制の本当の意味など、現地に住み込んで密着取材です。 時には日本人の感覚のまま振る舞つてしまひ、衝突も起きます。子供の写真を撮つただけで誘拐犯と誤解されたりもします。そして良かれと思つてした行動が、結局現地の人たちを傷つけたり困らせたり。無力さを感じる著者ですが、その行動力は一目を置かざるを得ないでせう。 わづか半年ほどの間に訪れた土地は、インドネシア・パキスタン・ヨルダン・レバノン・マレーシア・バングラデシュ・イラン・ミャンマー・アフガニスタン・インドに及びます。 このことから、本書の内容はフィクションではないのか?といふ疑問も一部にあるやうです。文章もまるで小説のやうであります。 しかし私としては、やはりこの新しい才能の出現を歓迎したいのであります。石井氏はさぞかし活力溢れる熱血漢に相違ないと勝手に考へてゐるのです。 本書の後も順調に作品を発表されてゐるやうです。注目しませう。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-243.html

    0
    投稿日: 2011.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    求められることで生きがいを感じる13歳の売春婦。 戦時中の拷問で歯と膣を失っても男を欲してタダでフェラチオをする中年女。 弟には苦労をさせまいと自らはゴミを拾い体を売って家計を支える少年。遊んでいると見せかけて兄を安心させ、実はゴミ拾いも男娼もして兄の負担を軽くさせようとしていた弟。弟の行為を知っても知らないふりをする兄。「どんなに陵辱されたとしても、それを隠すことで、人としての誇りをなんとかぎりぎりのところで守っている」

    0
    投稿日: 2011.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者の目を通してイスラームを垣間見る事で、自分が社会に対して抱いている不満がとても小さいものだと思えた。 人が人として生きる事が難しい社会で、まさに泥水を啜っても生にしがみつく人々と、自死を選ぶ者が年間約3万にも上る日本に生きる私たち。 どちらがより幸せなのか、それを問う事すらも許されないような、圧倒的に異なる世界を知る事ができた。 より多くを知る事、知ろうとする事はとても大切なことだと思う。 だが、知らないほうが幸せなこともあるのだとも思った。 この本を読むことによって、自分の生きる社会はとても愚かしく、ちっぽけで、だがよほど恵まれているという事を思い知らされる。

    0
    投稿日: 2011.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    南アジア~中東を半年かけて旅した著者による、イスラム世界の性風俗の実体を告発する本。 著者曰く、「ノンフィクションを文学にまで高めて新しいジャンルを作りたい」そうだけど、単に「事実を基にしたフィクション短編集」になってる印象。著者というか主人公?が現地の人に対して幼稚な正義感をやたらと振りかざすところが不愉快。 興味深かったところは、体を売る理由が生活のためでなく、自分の精神の安定のため、という女性や子どもの話。愛されたい、優しくされたいとか、誰かと一緒にいる間は戦争のトラウマを忘れることが出来るから、とか。日本の風俗嬢でも同じような話を聞いたことがあるから、切っても切れない問題なんだろうな。

    0
    投稿日: 2011.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いい本だ。ここ10年で読んだ本で一番面白かった。 イスラム社会における、特に辺境の地や都市の貧困層など、虐げられた者の、どうしょうもない性の現実が書かれている。どれも悲惨な話ばかりだ。人身売買、性犯罪、幼児に対する性犯罪、同性愛者への社会の差別、、、 どれも行き着くところも含めて書かれていて、ほとんどが真っ逆さまに落ちて行くような深い絶望がある。そして、そんな境遇に落ち込んだ者同志のいたわり、慈しむ様子と、逆に騙し合い、蹴落としあう様子が書かれていく。社会と個々人がその中で葛藤する様が、すごくストレートだ。 そこに著者の視点が加わる。熱いが、冷静で物事を一面からだけでは切り取らない、複眼的な視点。しかし、複眼的に見えすぎてしまうだけに、何もできなくなってしまい、もどかしさだけが募っていく。そして最後にそれを爆発させる。 各章ごとに歯切れが良く、起承転結がキッチリついている。しかもそれが著者か主人公の思いで統一されていて、非常に上質な演劇の短編集を読むような趣がある。ただ、若干歯切れが良すぎて「創ってませんか?」と聞きたくなる。それでも、ぶっ飛んでいい本には違いない。

    0
    投稿日: 2011.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラームの性の世界に光を当てる、その試みは勇気のいるもので、十分賞賛に値すると思う。でも、書き方がちょっとお涙頂戴風になってるというか、劇台本風というか。せっかくのよい体験が変に脚色されてるような…。どの話もできすぎてるように思えちゃう。それは多分、この人が体験した数え切れない物語のうち本当にドラマチックなものだけを抜き出したからなんだろうけど。あと、この人ちょっと正義感が強すぎかな…軽率なところもあるし。もっと傍観できないのかな

    0
    投稿日: 2011.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この著者は随分と残酷な人だなぁ、というのが第一の感想だった。 興味本位でつつき回している印象が拭えないし、日本で暮らしてると想像もつかないことを書いていながら、実際それを目の当たりにしてきたのだとしたら能天気としか言いようのないことを後書きで書いていたりする。 乖離がありすぎて、これを本当にルポルタージュとして受け止めていいのかどうか戸惑う。

    0
    投稿日: 2011.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラームがどうこうというより、第三世界の性(産業、慣習その他)に纏わるルポ(エッセイ?)として読んだ方がいいのかなと。イスラームの価値観のもとではセックスワーカーはどう捉えられているのか、等々の話はあまり載っていない。ただし日本で普通に暮らしていたらなかなか知り得ない話題が多いので、その点読む価値はあるかと。

    0
    投稿日: 2011.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム圏内におけるスラム地域や浮浪者、乞食と言われる、信仰、生活基盤と言われる神々から捨てられたとしかいいようのない人々の話。 一歩間違えたら、ただのスキャンダルな話になりそうだし、正直ちょっとやりすぎなんじゃ?と思わないとこもない事はないが、これが事実なのだから仕方ない。そう意識しながらも、今の私にはやはり遠く感じてしまうくらいのヘビーすぎる世界を垣間見させてくれた。 気持ちだけではできる事には限界あるのがよくわかる。だって世界は広すぎるから。変えるには時間がかかるのだから、まずは種を植えるところから。そうしみじみ考えさせられる本。 イスラムだけでなく、宗教のあり方にますます興味湧いてきた。 勉学として、だけど。

    0
    投稿日: 2011.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム圏に住むストレートチルドレンの生活を描いたノンフィクション。想像を超える厳しい環境で生きており、自分達の住む世界との格差、距離に驚かざるを得ない。

    0
    投稿日: 2011.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    東南・南アジア、中東などでの、特に娼婦・男娼などで営む人々との関わりがつづられている。主にイスラム文化圏で暮らす人々や他の地域で暮らすイスラム圏出身者の生活、生きるという活動が描かれている。 改めて自分の知っている世界が狭いことと自分の想像力が甘いことを思い知った。 この手の問題は答えが出ないな。そもそも自分が問題だと感じていることは問題なのかどうか。わかることは知らないということは損であり恐怖であり時に罪であるなと感じた。この本に書いてあること以上の悲劇的な出来事ももちろんあるだろうし、逆にこの本の内容が全部真実だとただ受け入れるのも甘いよな。

    0
    投稿日: 2011.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イスラム文化圏の性のフィールドワークというか、ここまで深く入り込んで聞き取り調査とかしている本をこれまで読んだことがなかったため、衝撃的な内容も多く、一気に読め終えることができた。 ただし、著者自信記載しているように、実情をしったからといって自分たちにはほとんど何もできる手立てがないという現実を思い知らされるというのが辛い。

    0
    投稿日: 2010.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった、というのは非常に不謹慎だが、興味深かった。 サクサク読めるし、ページの向こう側の彼らがとても魅力的に見えた。 そして同時に人間をやめたくなるくらいの不快感、どうにかならないのか…という答えのないもやもやした感情。 こんな世界が今現在もあるとは思えない、日本での当たり前な暮らし。比べたらどんなことでも幸せに違いないけれども、そこを比べるのもちょっとズレているのでおいておく。 ただどうにかしなければならない問題だ。 でもこれは短い時間ではけして無理で、1つや2つの国が頑張っても無理で、 人間が、生き物が子孫繁栄のためにけして逃れられない性欲が根本にあるため、根強く深く浸透しすぎてどうしたらいいのかわからない。 彼らはただ生きているだけ。 生まれてきた身体と精神を切りつけながら生きるしかないのがとても悲しい。 1日何人もの性的な相手を安いお金と不衛生の中でするしかない女の子。 本当なら親から愛されて友達と遊んで好きな勉強をして将来を夢見るのに、それが普通じゃない世界。 どれだけの苦痛なのか想像もできない。 子供なのに身体を売らないと生きていけない。 兄は弟にそんなことさせたくないと身体を売り、弟には遊ばせる。 弟も兄には苦労かけたくないと、見知らぬ男についていく。 こういうとにかく性欲を満たしたい男(男ばかりじゃないが)がいるからこんな世界になるんじゃと怒りを覚えるけど… そうして簡単に人間を買って満たされるのがまったく理解できない。死んで欲しい。 本の中で紹介される人たちは、とても魅力的で強く見える。 ときどき、あちらではこれは普通なのだからある程度感覚がマヒしているのではという酷い錯覚を覚えるけど、わずかな温もりにすがったり、当たり前の兄弟愛があったり、女の子らしい一面があったり、一途な恋をみせたり、やはり同じ人間で、まったく自分たちと変わらないことに気づく。 なにこの生活の差はなんだろう… こんな衝撃的で重い世界を覗くには相当の年月をかけたのかと思ったけど、思ったより短い期間でいろいろな地域を回っているので、1つ1つはそんなに長くないのかなと思った。 それで底のほうまで見えるんだろうか? でもこの現実を日本にちゃんと伝えたい、という気持ちは感じられた。 それにこういう人がやはり必要なんだと思う。年齢もすごく近いのに…これも信じられないけど。 アジア地域の貧困の本はいくつか読んでいるけど、改めて1人でも1秒でもなにか安らぎを感じる瞬間がありますように、と願う。 願っても結局なにもできない私ですが…

    0
    投稿日: 2010.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    知らなかったことを知るのは面白いこと。 でも時に、知ってしまって辛くなる出来事に出会う。 そんなことこそ目をそらしてはいけないこと。 人は生きている。どんな国で、どんな宗教で、そんな性別で、どんな年齢でも。 全員が幸せになることなんてありえないんじゃないかと思ってしまう。

    0
    投稿日: 2010.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虐げられる人々の間に、日本人という異物が入る込むことによって引き起こされる、さらなるトラブル。 彼らのために何かできることはないのかと考えながらも、自分がトラブルメーカーとなり、彼らの生活を乱す結果となってしまうことへのジレンマと無力感。 でも、彼らのことを見て見ぬふりはできないし、誰かがその状況を伝えなければならないのは確か。 せめて、この書物を書きあげることによって、何らかの助けにしたいという、作者の想いは伝わってくる。 日本人には想像のつかない状況が世界にはたくさんあるということが知ることのできる貴重な本。 やはり、作者のように誰かが飛び込んで行かなければいけない。 その役を、引き受けた作者の存在は貴重。

    0
    投稿日: 2010.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに熱のこもったルポルタージュに出会った。 中東や東南アジアのイスラム圏のスラムやもっとも貧しい人々が住む地域へ出向き、 例え半年とはいえその中に入って一緒に生活をし、 そこに住む人々の生の声を拾い上げてきた彼の仕事に、 我々は敬意を払わなければならないと思う。 他の誰がこんなことができるだろう。 本文に登場する人々の物語は残酷なものが多く、せつなく居たたまれない気持ちになる。 それでも、死を選ぶのではなく、懸命に与えられた生を生ききろうとする人々の姿は胸を打つ。 この本に登場する人々はどんなにつらい境遇におかれようとも人の温もりを求めてしまう。 例えそれが偽りの優しさだとしても。 生きる意味とは何なのか、なぜそこまでして生き続けなくてはならないのか? 彼女ら(彼ら)自身にもそれはわかっていないのだろう。 しかし、それが生きるということなのだろう。彼女らの何とか明るく今を生きていこうとする姿が、 読む者に生きることそれ自体の意味を強烈に突きつけてくる。 ただ、全体を通じての著者の若さが気になった。年齢的にも20代で若いのだが、 それ以上にたびたび顔を出す底の浅い通り一辺倒の正義感に圧倒的な若さを感じた。 彼自身、我々の世界の側の論理では解決できない現実に打ちのめされているはずなのに、 訪れた地域ごとに、反省虚しく、こちら側の論理からの正義感が顔を出すのだ。 それは時として、現地の人々の生活や心をかき乱し、結果的に一人の女性を死に追いやってしまった。 ただ、そんな彼だからこそ、多くの人の心に入り込むことができたのも事実だろう。 彼はまだ若い。だからこそ今後の彼の作品に期待したい。

    0
    投稿日: 2010.05.26