
総合評価
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powered by ブクログ読み進めるにつれて利休が唯一無二の美的感覚を持っていたこと、持っていたからこそ秀吉から嫉妬され、その存在が疎ましく思われるようにまでなっていったことがわかる。 ねっとりした人物だったんだろうなぁ。
0投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ香合は一つのキーではあるし、ミステリではないのだけれど、1人の美の天才としての利休と、別の方向での表現の天才である秀吉の交わり。 利休の侘び寂びの基となった美の基準とは何なのか?貪欲、怒り、愚かの三毒をもって生きる、持つものと持たぬものとの嫉妬と憧れ。人間描写が素晴らしい。
6投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ久しぶりの五つ星! 利休切腹の当日からさかのぼり、各章が違う歴史上の重要人物の目線で描かれる。 冒頭の「死を賜る」の章で出てくる、「あの女」「殺した」「緑釉の香合」何のことだろう?どうしたのだろう? ↓以下ネタバレです その真相は、後ろから2番目の章「恋」で明らかになる。 それは、かなり若気の至り。ちょっと冷静になりなさいよ。と思ったけど、そこは利休もまだ19歳だった。彼女も、死にたかったの?本当に?彼女を渡すくらいなら、殺して自分も死ぬつもりでいた利休ですが、それは、彼女を本当に想ってでの決断ではなく、衝動的に彼女を誰にも渡したくなかったのだと思う。とりあえず、妾になって適当にしてたら、また国へ帰れたかもしれないのに。 利休の切腹含め、現代の日本ではどうとでもリカバリーできる環境にあると思うけど当時はそんな生やさしい世の中ではなかったのであろうか。 私が特に印象に残っているものは、利休の美意識である。 これ以上、何も足さず、何も引かず、映えさせようと目論んでデザインされたものはあざとい。というのが利休の信条。文章になっているものを読んでみて「ああそうだよな」と自分で気づくことができた。手元にあるので、時々読み返してみようと思う。茶道の言葉、昔の言い回しがたくさん出てきて、スマホで調べながら読んだので時間がかかった。さすが直木賞受賞作品だと思った。
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ読んでよかった。お恥ずかしながら茶道には全くたしなみがなく、こういう世界があると知ることができてよかった。ただ、美とか風情とか抽象的すぎて戸惑った。「茶杓の節の位置で侘びを醸し出す」とか意味わからん( ̄▽ ̄) そしてオイ秀吉!その茶壺が欲しいからよこせとか、それを手放さないことに腹を立てるとか、人が持っている香合をネチネチ執念深く欲しがるとか、秀吉何やってんの?て感じ苦笑。自分勝手すぎやろ。 三成も性格悪かったーー「八本目の槍」ではいいヤツだったのに。 あと、ヴァリニャーノの章が興味深かった。坊主にボンズとルビが振ってあったので声を出して笑ってしまった(^^) あと一つ。わたしは日々、短い隙間時間でちまちま読むタイプなので、一つの章が20ページ前後で、とても読みやすかった。千利休がもちろん主役だけれど、章ごとに千利休以外のメインキャラクターが登場。月日が遡っていくのも非常に面白い展開だった。
16投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログ千利休が切腹を命じられてから物語は始まり、過去へ回想していく流れ。色々な人の視点から千利休とはどう映っていたのかを読み解いていく物語。 読む前までは、千利休=茶道=物静かで悟りに達した人というイメージだったが、茶道を極めただけあって、拘りや情熱、執念が凄まじい。 時の権力者や情勢を動かすほどのものがある。 思ったより茶の味に対する描写は少なく、道具など目に見える美に特化した描写が多い。 普段見るもの中に見出す美が、いかに美しく強いか。 最後に木槿の花言葉がこの物語を表してる気がした。 花言葉:新しい美、繊細な美、デリケートな愛、信念、尊敬
0投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログ戦国という様々な欲望が顕現した世の中、ただひとつ、美のために命を燃やした男の物語です。章の流れが読者をどんどん引き込む良いアクセントです、良い本でした
0投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私はこの小説を読んで、これから木槿の花を見る度に、韓紅花の衣を纏った女を思い起こすに違いない。 一度読み終えて一晩高ぶる気持ちを反芻して、翌朝一から読み直した。 再読時には、各章のところどころに韓紅花の衣の裾が見え隠れしてどきどきした。 女が閉じ込められた土蔵を「なかに美しい命が隠されていればこそ粗土の壁が輝いて見える」これこそが利休の目利きの真髄で、ヴァリヤーノのいうところの「土くれの焼き物」に美を見出だす根源なのだろう。 宗恩は気の毒だと思った。もてなしの超人を、毎日暮らしのなかで満足させるのは、さぞや神経をすり減らすことだろう。 秀吉はおそらく、利休の美的感性に嫉妬したのではないか。そして私は、悲しいがその気持ちがよく分かる。 ブランドや高価か否かは無関係にその人が手掛けるもの、持ち物、組み合わせ方など、その美しさにはっとする感性を持つ人に時折出会う。 そしてそれらは、私が何時間考えたところで思い付くものではなく、さらにどんなに努力しても身に付けることは叶わないのだ。と敗北感を感じることがある。 秀吉は天下人である自分が手に入れられない、勝つことのできないものを持っている利休を許せなかったのではないだろうか。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ武士でもない利休が、なぜ切腹を命じられたのか? 茶道とはどういう物なのか? 美に対するとてつもないこだわり、矜持が利休にはある。 その根元にあるのが、若き日に出会った高麗の女性だったんですね。 おもしろかったです。
0投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログタイトルの「利休にたずねよ」。読了した皆さんは何をたずねよ、だと感じたのか。 答えは様々なのではないか。そこがこの作品の面白さでもあるように思う。 ちなみに、文庫本解説の宮部みゆきさんは、「利休さん、あなたがもっとも深く愛した女性は、やっぱり宗恩ですね」だそうで。 私にはその視点はなかった!
0投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログ形あるもの 形あるものいつか壊れる。それが美しい。人の命も同じ、死ぬからこそ美しいのだと私は思います。不老不死など必要ない、年相応に人生を楽しみたいと思います。 千利休が偉大な茶人だと言うことは知っていましたが、秀吉の名で切腹して死んだことは知りませんでした。侘び寂びの中の艶やかさ、悠久の浪漫を感じさせてもらいました。
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルの真意だが、私は「本当の美なんて誰にも(利休にたずねても)分からない」ということなのではないかと思った。 高麗の女が死んだあと、利休はこれから何のために生きるのか、死ぬほど悩んだのではないか。あの美しさを再現したいと茶の湯に励んでみたものの、絶対に再現などできないのだと半ば諦めに似た気持ちを抱えながら生きていたのではないか。 利休にとって、高麗の女はもはや概念としての美の象徴になってしまった。追いかけても絶対に掴めないのだ。利休に「本当の美って何ですか?」とたずねても答えは得られない。彼の人生を1つずつ追体験することで、その答えに近づくことはできたとしても。 それにしても、茶の湯って何なのだろうか?私の教養がないから分からないのかもしれないが、侘び寂びと言いながら名物にはやたらと高い値段をつけるし、詫びも寂びもなさそうな黄金の茶室が美しいとされるし、茶の湯に精進してそうな利休も秀吉も放蕩者だし。正直、飽くまでも金持ちの道楽なんだなぁと思ってしまった。こんなこと絶対に利休にたずねられないけど。 いつか私にも何か分かる日が来るんだろうか。黄金の茶室は佐賀県にあるみたいなので、1度見に行ってみようと思う。
0投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ利休の侘び寂びを 生き生きとさせてるものは 19歳の頃 出会って逃そうとした高麗のお姫様への 情だったんですね。 憧れて逃そうとして 逃げられないとわかったとき 一緒に死のうとして 相手だけを死なせてしまった。 石見銀山入りの自分のたてた抹茶で。 その人の持ってた緑色の香合を 終生持ち歩き 中に 自分が噛み切ったその人の小指だか爪だかが 入っている。 奥さんになった宗恩さんは 自分を抱いても他の人を想っている。 と思わせた 深い気持ち 利休が死んだ時 宗恩さんは その緑の香合を叩きつけて割る。 後書きで 宮部みゆきさんが 利休さん あなたがもっとも深く愛した女性は やっぱり宗恩ですね。 と書いてたけど 私は違うと思う。 自分が憧れて 自分の茶に毒をいれて殺した高麗の女性。 その人だけが 心の奥にずっといたんだと思うなあ!宗恩さんや生きてる女には勝てない争い 惚れるってこういうことなんでしょうね。
2投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
利休にとってあらゆるものたちが評価すべきもので、高麗の女性だけが対峙したい人で、もてなしたい人だったのかもなぁ、と思いました。
0投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログくらくらする。宮部みゆきの巻末の解説を読んで、よりわからなくなる。 妬みや欲は誰しも持っている。それを志にまで昇華させることができると、表面上たおやかで凛とした佇まいになる。 利休自身がそうであったように、宗恩や高麗の女も、おそらく欲を昇華し無欲にみせることのうまい女だった。だから、互いに惹かれ合い、ただ実の心を見せることはできず離れ離れになってしまう。50いくばくかになって、しっかり恋をする利休や宗恩が美しかった。 利休が最後に腹を切ったのは、秀吉への抗いではなく、高麗の女を裏切ってしまったあの時に報いるためだったのではないか。利休はなぜ死んだのか。それが、題名の問いなのではないか。血の海にゆったりと白布をかける宗恩の姿が目に浮かんだ。 私は、死ぬ時に(死ぬ時に限らずとも)他の女のことを少しだって考えていられたら腹が立つ。後悔する気持ちも、過去においてきてほしい。そう思うのは心が女なんだろうか…
0投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ「利久にたずねよ」山本兼一著 秀吉の命で切腹させられた千利休の切腹から19の時の言葉も通じない高麗からさらわれてきた女との恋を時間を遡るような書き綴っている。 千利休がどれ程の美を追求したか、秀吉が利久の才覚を妬み死に追いやったかを小説にしている。 千利休は秀吉を品のない人間と認識していたが、「人をとろかす魔力がある」と書いてます。恋も茶道も美学として作者山本兼一は捉えている。 解説で宮部みゆきは利久に多くの恋をしたが本当に愛したのは宋恩(最後の妻で後妻)と言っているが僕は19の時の高麗の女じゃないかと思う。
0投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログなぜ戦国時代に武力社会と対極にある静の文化、茶の湯がもてはやされたのか、そしてその中心人物とされる利休とは一体何者だったのか? 作者独自の視点で利休が自害するまでの経緯が解き明かされる意欲作で、第140回直木賞受賞作品。 本書には工夫がある。まず、秀吉から切腹を命じられる場面からどんどん遡っていく倒叙法を採用している点、従って早くから利休が心底愛した一人の女の存在が明かされるが、そこまで辿り着くまでの長いこと、それだけにその女の登場には、「待ってました!」と膝を打つ。 また、「侘び寂び」という曖昧模糊とした概念を作者は本書のあらゆる場面で言語化しているが、それが取りも直さず権力者が茶道に傾倒する理由の説明にもなっている趣向。 そして白眉は、後半の「白い手」以後から始まります。明らかに小説としての面白度合いが違っており、作者自身が書きながら愉しんでいたに違いありません。 最後に蛇足、本書の解説は宮部みゆき氏ですが、宮部氏が願望を込めて言うように「利休が最も愛した女性は宗恩」ではなく、やはり高麗女でなければなりません。人は、存在しないものに余計に執着し、勝手に心中で美化する生き物だからです。とはいえ、肌身離さず利休が持っていた莫大な価値の高麗女の忘れ形見、緑釉の香合を躊躇なく粉々に砕いた宗恩の気持ちを考えると、「利休を最も愛した女」なら宗恩で間違いないでしょう。
0投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ気付けば3度目の再読。 利休の内に秘めているものの強さ、愛おしさ、儚さ。 宗恩の、嫉妬なのか悲しみなのか、怒りなのか。 何度読んでも、物語が美しいなと感じる。 利休に何をたずねて、そのこたえは何なのか。毎回謎解きな気分。
0投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログ己の美学だけで天下一の茶頭へと昇りつめた千利休。しかし、その鋭さ故秀吉に疎まれ、切腹を命じられる。 肌身離さず持っていた緑釉の香合の秘密とは。研ぎ澄まされた感性と気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、いったいどのようなものだったのか。 茶道を大成し、茶聖と呼ばれた茶人・千利休と、彼を取り巻く人々について、千利休切腹の当日から19歳の若かりし頃まで、時代を逆行する形で描く時代小説です。 市川海老蔵さん主演で映画化もされた一作。 時代をさかのぼって書いていくことにより、後の(読者的には事前に読んだ)行動・言動に背景や伏線が生まれたり、逆により謎を際立たせたりしているのが上手いです。 ひりつくような美への執着や希求、それに対する周囲の妬みや羨望。どんな逆境でも折れない美学と自尊心。文章からも張り詰めた美しさを感じます。 タイトルである「利休にたずねよ」。読み終わった後、利休にいったい何をたずねたいかは人によって変わるかと思いますが、私はその美への情熱の根源をたずねてみたい。 あまり歴史に詳しくはないのですが、それでも読みやすく、一人の伝記やヒューマンドラマ、恋愛小説としても興味深く読めました。
24投稿日: 2024.02.29
powered by ブクログ茶の湯?武士のお気楽な愉しみ?ぐらいのアホな認識しか有りませんでした。ハズカシイ。 千利休という名前は皆が知っているけど、さてどんな人だったのかと問われると困ってしまう人物。 最後の日から周りの人の視点で遡り、浮き上がってくる利休。 作品内でもありましたが、「三毒の焔」を誰よりも熱く持ち、「美」へと昇華させたモノはなにか? 戦国から安土桃山時代はどうしても武将に目が向いてしまいますが、こんなにも熱くて魅力的な人物の物語を読めて感謝です。 利休にたずねることを、じっくりと考えてみたいと思います。
32投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歴史ものはほとんど読んだことがないのですが、フォロアーさんの書評を読んで、すごく興味がわきました。 読んで良かった!! ありがとうございます!! 利休の美に対する執念ともいえる追究と自負。茶の湯に感じさせる生命力。その根底に潜む緑釉の香合と美しい高麗の女の謎。時間を遡りながら徐々に明らかになっていく。 利休の人柄も周囲の一人一人の嫉妬と羨望の混じった話で明らかになっていく。 利休を疎ましく思い、切腹を命じた秀吉だが、時間を遡れば、少なからず理解しあえていた時があったように思えた。 最後まで読んで、切腹した利休や緑釉の香合を手にした宗恩の気持ちに思いふけりながら、また最初の利休が切腹する朝の話を読み返した。 「あの日、女に茶を飲ませた。あれからだ、利休の茶の道が、寂とした異界に通じてしまったのは。」 利休の切腹は秀吉の機嫌を損ねたためだが、憤慨しつつも利休はそれを望んでいたのではと思ってしまった。 利休にたずねても、はぐらかされるだろうなぁ。
41投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ利休はなぜ暗く狭い茶室にこだわったのか。利休の侘茶に顕れる艶はどこから生まれるのか。そして人知れず愛用する緑釉の香合の由来とは。 読み進めるうちにも現れくる多くの謎の答えを、利休の人生を遡るように辿っていく構成で、タイトルに成程と思わされる。元をたどれば1人の女に行き着くというのがなかなかロマンチックだ。 美の判定者として君臨しつつ、ときに人々のあらぬ好奇心を誘った利休のいろいろな執着が、1つの思い出の中に収斂していくところが興味深かった。作中人物各々の利休に対する評がまたエピソードを引き立てていて良かった。
1投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログこの時間的構造でなくても十分に面白かったと思うけど、先を読みたいという気持ちを保ち続ける面白さでした。
2投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログ特に歴史好きというわけではない私でも、ハマってしまうその物語に、完全に魅了されました。 実在した稀代の茶人・千利休とは何者だったのか? 史実とフィクションを見事に融合させ、人間・利休の崇高さ、人となりに迫る名作でした! 本書には、構成上の大きな特徴があります。 ①秀吉の命により、利休が切腹する場面から話が始まり、70歳から19歳へと時を遡る展開であること ② 様々な人物が、利休を客観的に語る複数視点で物語が展開すること ①について、利休がなぜ切腹を受け入れたのか? 美の追求に命を賭した理由は? という疑問に答えるため、歩んで来た轍を振り返り逆に辿って行くことで、茶人としてだけだなく人間としての利休の原点に迫ろうとしたのではないでしょうか。 加えて、冒頭の利休が殺したという高麗の女性、形見の緑釉の香合の謎が、最後まで読み手を引き込むミステリー要素も、功を奏している気がします。 ②について、美の求道者と崇められる利休の多面的な要素を、多くの人物の視点で多角的に語ることで、良くも悪くも利休の実像に限りなく近づいている気がします。 ただ、利休自身の心理描写は多くなく、余白を残している点も味わい深いと思いました。 利休の「侘び」「寂び」の世界と秀吉の「雅び」の世界の対比、利休の生き様を通した人間の心の光と闇の複雑さなど、深い精神性に圧倒されました。 歴史・時代ものはちょっと‥という方にも、声を大にしておすすめします。読まなきゃ損です!
75投稿日: 2023.12.10
powered by ブクログ構成が秀逸。 読み進めていくことで、パズルのピースが埋まるように利休の死の謎に近づくことが出来る。 また、茶室や風景の描写が見事で、容易に当時の様子を伺える。ぜひ1度茶室を見てから本作を読んで欲しい。 人物は歴史上の人物なので、自分の解釈と異なる場合は、苛立つこともあるかと思うが、自分は人物描写に対して思うところはなく、むしろ作者の像に寄せられてしまうくらいのパワーがあった。 面白かったです。
1投稿日: 2023.11.29
powered by ブクログ独特な話の運びに、最後まで馴染めなかった。繰り返し繰り返し語られることに、少し飽きてしまったのかもしれない。
0投稿日: 2023.10.30
powered by ブクログ色気のある役者さんが好きだ。 でも、自分の中ではセクシーとは明らかに違う。もっと根源的なもの。魂の輝き、美学。一朝一夕になるものではない。 遠い人で、会えはしないけど、利休はきっと、眩いようなオーラを放つ人だったのだろう。 素晴らしい恋愛は男性も女性も輝かしくその人を彩る。 人は必ず死ぬ。人そのものが、変化していく芸術なのだ。
11投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
千利休が、豊臣秀吉の怒りをかって、切腹をさせられた。 その理由を、たずねよなのかと思いきや… 千利休が、侘び寂を極め、簡素な設えの中に艶のある空間を演出できた所以を解き明かしていく物語なのかな…と。 千利休が切腹した時から、さかのぼって物語がすすめらていき、ミステリーのような展開にも思いました。 一つ一つの出来事が、章になっていて、読みやすいですし、完結していて面白いのも読みやすさかもしれません。 利休が、若い頃は放蕩息子で、遊び人…そういう人が芸術家になるのかな…とも思いました。 小説読了203冊。ブクログ内で。
0投稿日: 2023.09.09
powered by ブクログ千利休は歴史で習い知っていましたが、ここまで美に追求する人だとは思いませんでした。若い時に出会った女性が利休の中で生き続けているのと言うのが印象的です。色々な人物の視点で描かれるので、利休という人物像が想像しやすく、読み応えがありました。
0投稿日: 2023.04.14
powered by ブクログ千利休の最後の日から人生を遡って行く構成が斬新でした。 これ程ある意味血が通った、人間臭さを感じる千利休という人物の描写は、個人的に初めてだと思います。 読み終えた後の余韻を通して、千利休という人物に思いを馳せることができました。
0投稿日: 2023.03.31
powered by ブクログ利休切腹の日から50年以上前まで遡っていく書き方が秀逸!周りのいろんな人の視点から利休について書かれているのも面白かった。 ただ、高麗の女の人の話はフィクションだと思われるけど、利休が茶の湯を極めた根本に関わる部分をそこまで作り上げていいのか?!とは思ってしまった。 茶室での利休の振る舞いや細かい心の動きなどを表現する文体が美しかった。
0投稿日: 2023.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ところどころ言葉の意味が難解な部分があったが、読みやすかった 利休の切腹から時を戻って、内面にある高麗人との恋心まで。 指を引きちぎるってちょっと 爪も持っているとは
0投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログ読み応えのある本でした。余韻が深く、適切な感想が書けそうにありません。しばらく脳みそが発酵するのを待ちましょう。 難しい漢字が多く、ふり仮名がついてなければとても読めなかったでしょう。出版社の親切さに感謝します。
0投稿日: 2022.09.20
powered by ブクログ千利休という人物に惹きつけられ、なぜこの人が死ななければならなかったのか?なぜ。 そこから時間を遡る物語。 読むほどに利休から、この物語から目が離せなくなっていく吸引力が凄い。
3投稿日: 2022.09.15
powered by ブクログ歴史的に大変有名な千利休という人物を、彼に関わった人物らの目を通して語られる。茶道の先駆者であり、日本を支配していた信長等に重用された利休とはどのような人物だったのか。 切腹するその日から遡り、描かれる利休の過去には、ある女性がいた。利休は秘めたる想いを抱え、美学にも影響を及ぼした。利休という人間を身近に感じられるようになる一冊。 直木賞受賞作。
0投稿日: 2022.05.27
powered by ブクログ信長、秀吉、家康と天下を取った3人は偉業に注目される。しかし、その側にいた人の目線では、偉人の活躍だけでなく、欲深さ、愚行など人間味溢れる一面を知れる面白さがある。欲深さが彼らを天下人に導いたといえる一方で、転落の原因にもなったのではないか。 また、古溪宗陳は仏法が説く、貪欲、瞋恚、愚痴(むさぼり、いかり、おろかさ)の三毒の焔で人を人を見ては嘲笑っていた。それを一つ上の次元で捉えていた利休は、毒で志を高めるかと考えていた。印象的だった。
1投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ一回読んだ。待って待って、もう一回、読まないと!→→読んだ。 利休が、生涯かけて追求した美の原点を、逆回しで辿って明らかにしていく。 「鄙めいて枯れた草庵のなかに、命の艶やかさを秘めた」利休の茶の湯。なぜそんなふうになるのか。 黄金の茶室も利休が思いついたと。狭い牢獄のような茶室も作り、黄金の茶室も…のめり込んだ女人に端を発した美の追求、欲から発出した理性の昇華というか、理性の中心にうごめく欲と執着というかに凄みを感じる。 本文には関係ないけど…… 1500年代、日本には、織田信長、豊臣秀吉、千利休と、狩野永徳と、長谷川等伯が生きていた。 ヨーロッパではルネサンスで、ダ・ビンチやミケランジェロ、ラファエロが活躍していた。 すごっ。
0投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ若かりし頃から逆上るのではなく、切腹の当日から若い頃に戻る構成が新鮮で、利休の人生が盛り上がってくる感じがして良かった。また、秀吉との関わり合いが良かったね。
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ父の遺品にあったので読了。項ごとに時が遡り、誰目線か視点を変えた描き方が面白く一気に読んだ。年配の男性にありがちな性描写はねっとりすぎて辟易もしたが、利休の美への執念と秀吉の残虐さについ引き込まれた。利休の弟子への秀吉の処刑が目の前で見ているかのような描写だった。 映画化されているようでそれも観てみたいです。暫く利休にハマりそう。
5投稿日: 2021.09.17
powered by ブクログ利休の切腹という重いテーマと、時間が逆回しということで読み終わるまで長い時間が掛かってしまった。 何を利休に尋ねるのか、読む人によって違うように思う。私の場合は利休が肌身離さず持っている「緑釉の香合」の秘密のように思う。また、秀吉が欲しいと言った香合を拒否して溝が深まったように書かれている。切腹を免れるためには、香合を渡すしかなさそうであり、それは耐えられないのだろう。 敵味方が入り乱れて利休とのエピソードが語られ、美に対する利休の孤高の姿が峻厳に描かれていて息苦しさも感じてしまった。
21投稿日: 2021.09.03
powered by ブクログあらすじ 天正19年〈1591年〉2月28日、茶人・千利休は、聚楽第内の屋敷に設えた一畳半の茶室で切腹の日を迎えた。妻・宗恩は、利休の胸の奥には長年秘めた想い人がいるのではないかと問いかける。利休は否定するが、彼の心に影を落とす女は確かにいた。彼が19の時に殺したその美しい高麗の女の形見である緑釉の香合を、利休は肌身離さず持ち続けていた。 物語は、利休本人と彼と関わりがあった人々の一人称で語られる短編形式で、利休切腹の当日から時をさかのぼり、利休の美学の根源は何かを探る形で描かれる空想ファンタジーとなっている。 感想 利休って、どんな人だったんだろう? 私利私欲に走ったのか、秀吉の気持ちはどうだったんだろか?茶道って、茶器って、奥が深そう?
1投稿日: 2021.09.02
powered by ブクログ利休を通して茶の湯の美しさと厳しさの一片を見たような気がしました。その美の深さ。美しい日本の言葉とともに味わいながら読むことができました。
2投稿日: 2021.07.04
powered by ブクログとても面白かった! 長らく積読してた本から引っ張り出した第140回直木賞作品。 千利休の切腹の日からスタートし、時間を遡る構成。 利休が肌身離さず持っていた「緑釉の香合」の秘密。 「鋭利な才覚を休ませろ」= 利休 の法号を帝から賜ったことが、予言しているように、秀吉に才能を疎まれて嫉妬されてもなお、美への信念を曲げず貫く生き様。 お茶の心得が全くない私ですが、大いに楽しめました。「美しさには、絶対的な法則がある」印象的な一文。利休に何をたずねたいか?…宮部みゆきの解説も面白い。 私は何をたずねるか? 今夜 考えながら就寝しよう。
7投稿日: 2021.06.11
powered by ブクログ・「わしが額ずくのは、美しいものだけだ」 ・"人というものは…ほんとうのことは、口にしてはならぬものだ。" ・「どんな人を招き、招かれ、同座するにしても、名人のこどくに敬わねばならぬ。道具の目利きの正しさより、そちらのほうがよほど大切ではないか。」 ・人の世には三毒 貪欲、瞋恚、愚痴すなわち、むさぼり、いかり、おろかさの焰が燃えさかっておる。 「肝心なのは、毒をいかに、志にまで高めるかではありませんか。」 ・"この恥こそが勉強だ"
0投稿日: 2021.05.22
powered by ブクログずっと積ん読になっていたのに、なぜか急に読んでみたら、素晴らしくおもしろかった一冊。。直木賞受賞も頷けます。宮部みゆきさんの解説もすごくよくて、タイトルの意味、何をたずねよと言っているのか?はとても考えさせられました。
0投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログ利休が正に切腹するその日から、時系列を逆にたどり進行していく物語。 利休の美に対する執着の原点はどこにあったのか。 とにかく最後まで夢中で読んだ記憶がある。
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ小説はいきなり結末からスタートするのです。結末とは利休が大徳寺三門(金毛閣)の利休像事件により自宅の茶室にて切腹するシーンから始まりその後時を少しづつ遡って行くもので、茶の湯・秀吉・香合が3つの柱になって利休の冷静で機敏な感覚と深層の暗い過去に読者は引き込まれます。 この作品は非常に細部が繊細で特に茶室での風景が手に取る様に表現されていてお湯の沸く音や苔むした庭の景色、軸や一厘の花、茶器等の侘びさびの素朴で暗い感じが鮮明に浮き上がってきます。 青年時代の苦い事件が彼の生涯を貫き通し生涯心の深層に生き続けて来た高麗人女性の存在は圧倒的で秀吉に因縁とも思える木像事件で追求されても許しを乞う事なく潔く自らの命を絶った事は来世への期待が有ったのかも知れません。 小説の最後で妻宗恩が利休が生涯肌身離さず持っていた香合(お香入れ)を茶室外の石灯籠に投げつけて壊すシーンで終わりますが、この事は利休の心の一部だった高麗人女性を弔った象徴的な部分だと最高に感激します。 事件は事実で小説に出て来る大徳寺(京都)や茶室待庵(京都・妙喜庵)は現存してます。
0投稿日: 2021.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なぜ利休は死なねばならなかったのか。 美しいものを美しいと思う自分にうそはつけない。 利休ほどの審美眼をも虜にした女。高麗から来た姫が残した緑釉の小壺を利休は壊せないが宗恩の手で粉々に砕けさせた気持ちは確かに恋。気持ちがわかる。
0投稿日: 2021.03.22
powered by ブクログ茶道について興味があり読み始めました。 秀吉と利休の関係について知ることができました。 利休という人について、深く知ることができた気がしました。 利休の恋愛についてはフィクションでしょうが…。
0投稿日: 2021.02.16
powered by ブクログ2021年初の読了本。和物は正月らしくて良い。 茶の大家である千利休の生き様が月日を遡り当時の人物の視点を交えながら描かれる。点でしか理解してなかった歴史上の人物や事件が結びつき立体的に見えてくるのが楽しい。それにしてもいつの時代も歴史に名を残す人の貪欲さやバイタリティーはすごい。
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
出版からはや10年、ようやく読み終えましたが、やはり直木賞受賞作は伊達じゃない。 千利休の生涯を描いた作品を描いた作品は巻頭から利久がまさに切腹しようとするシーンから始まる。 そして、彼の人生を遡る物語が始まる。 勝手なイメージとして僧侶のようなイメージを持っていた。 故に、妻がいて子供がいることに最初に驚きがあった。 千家、茶道の宗家として歴史が続いている中で、それは当然のことだった。 千利休...茶道に生きた人というイメージしかなかったが、秀吉との確執、美の追求、詫び寂、そして愛する女。 茶人としての生き様ではなく、1人の男としての利休の生涯が描かれていました。 説明 内容紹介 女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。解説は作家の宮部みゆき氏。 内容(「BOOK」データベースより) 女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭へと昇り詰めていく。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、どのようなものだったのか。思いがけない手法で利休伝説のベールが剥がされていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 山本/兼一 1956年(昭和31年)、京都市生まれ。同志社大学卒業後、出版社勤務、フリーランスのライターを経て作家になる。2002年、『戦国秘録 白鷹伝』(祥伝社)でデビュー。2004年、『火天の城』(文藝春秋)で第11回松本清張賞を受賞。2009年、『利休にたずねよ』(PHP研究所)で第140回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
7投稿日: 2020.11.29
powered by ブクログ利休にたずねよ 山本兼一著 読了しました。 1.本書の魅力 ①利休と利休を取り巻く人々の回想録 ②①には豊臣秀吉のみならず、織田信長も含まれること。 ③切腹の前夜から、利休が茶に没頭した19歳までを遡ること。 2.本書における利休の魅力 美に対する完璧主義者、それゆえの自尊心とそれを妬む、ひがむ外部との対立を描いてます。 さらに、それに屈しない利休の志が読み取れることです。 3.本書からの名言 利休による、 「形あるものはすべて壊れる。壊れるから美しい。」 「美しさは誤魔化しが効かない。」 『ひとは誰しも毒を持っている。 毒あればこそ生きる力もわいてくる。 肝心なのは、毒をいかに志まで高めるか? 高きを目指して貪り、凡庸であることに怒り、 愚かなまでに励めばいかがか?」 4.こんな方におすすめ 少し違った嗜好の小説を読みたい方。 歴史好きな人には、もちろんおすすめです。 _ _ _ 読書中。 山本さん 初読書です。 2020年読了ベスト10に入ります。 文体から、空気が、怒気が、そしてやんごとなき閑寂が襲ってきます。 いま、季節は秋。 そして、外は雨が降りしきり、室内にも雨音が訪れています。 そんな雰囲気で読むには、あまりに適切な文学の世界です。
19投稿日: 2020.10.17
powered by ブクログ茶湯の美しさを極めようとする利休の過去に迫る内容で、特に過去に遡って話が進んでいくのが斬新で面白かった。茶室の風景や茶をたてる表現が素晴らしく、視覚的なイメージが浮かび上がってくるとても良い作品だと感じた。
0投稿日: 2020.09.18
powered by ブクログ興味はあったが、とても難しそうな本だなと思っていて何年も手が出せなかった本。 人の心はいくつもの面を持っていて奥深い。だけど、人は一度にいくつもの面を見ること、感じることが難しく、関係をこじらせてしまうことがある。 反対に心の面が見えすぎて不安や疑心が生まれる場合もある。じゃあ、人の心はどんな風に形作られて行くのか。 利休の心がカタチ作られる過程を遡りながら、人について学ぶことのできる物語。
1投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログ千利休と周囲の人々が〝あの時の高麗女人”の存在を通じて「利休にとっての茶の湯と美意識」を紐解く物語。利休の侘び茶の方向性は、彼女の死によって決定づけられた。すなわち与えられた境遇を受け入れつつ、生きること・美しいものを愛でることを〝前向きに諦める“気持ち。設えの端々に露見した瑞々しさ・色っぽさという形で露見する、侘びた枯のなかにあるに燃え立つ命のエネルギー。それらが利休の茶を特別なものにし、凛とした気高さを帯びさせている、というのである。言語化の難しい利休の美意識について、ひとつの示唆を与えてくれる。
0投稿日: 2020.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
千利休の繊細な心のうちを茶の湯で表現している様が伝わってくる。 美を心底追求しても死んでしまった恋する人には及ばないとは分かりつつも、自分を犠牲にしてまで美を追求し続けることが罪滅ぼしだったのか・・・
0投稿日: 2020.08.02
powered by ブクログ茶の湯のことはよく知らなかったが、人をもてなす空間を生み出す総合芸術だとしたら、無限の可能性があるのだろう。人と人の関わりに関する芸術ならば、人の生業に関連して、時には生々しい使われ方もするのだろう。 研ぎ澄まされた美意識で、天下人と対峙した千利休。その名前の由来さえ、考えたこともなかった。 長く連れ添った妻が、日常生活でさえ美に妥協しない夫に、時に愚痴めいた感覚を持っているところが妙に心に残った。時をさかのぼりながら、ゲストのように入れ代わり立ち代わり、有名どこの戦国の武将たちの目から利休が描かれるのだが、そんな中で、晩年の夫婦の距離感が、そのまま終わりに繋がっていってたのが、少し驚きだった。
0投稿日: 2020.07.16
powered by ブクログ茶とは何か。 ただの茶ではないか、という言葉が幾度となく出てくる。 それは、やはりただの茶なのであろう。 そこに武士の褒美として、祭り上げられた茶道に、美という価値観が付け加えられたことで、美を汲み取る事の出来る利休が生まれる。 美は誰もが判別できる基準ではない。まして修練を積んでも個人差が大きく出るもの。利休という存在が価値の創造主になった時、天下統一した秀吉の絶対的存在とぶつかるのは必然となった。 美の世界では、秀吉とて利休に比べれば凡人となり、利休は天下になど眼中にない。そして天下人秀吉の一方的なジェラシーの構図が出来上がる。 利休は同じ土俵にいないので、秀吉はぶつかることさえ出来ない。秀吉からすれば、利休がいる限り独り相撲で際限がない。この問題は、原因である利休という存在を消すしか方法が無い。 また信長から特別な家来として茶会を開くことを褒美として与えられた秀吉にとって、茶とは自分の価値をはかる尺度であったとするなら、その尺度となる価値を見出す利休は神のような絶対者でとなっていたとは考えられないだろうか。そうであれば、天下人になっても、絶対手に入らない、「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」、は絶対に叶えられない。 三毒の焔、の章で、むさぼり・いかり・おろかさ、の三つの話がある。利休のむさぼり、つまり美への執着の謎が時間の遡りで解明されてゆく。 侘び茶といえど、艶がなければどうしようもない。 だいじなのは、命の優美な輝き。 緑釉の香合は、利休の茶の原点となる。 再読。 2014.4.16 切腹の時から遡って物語が進んでいく。利休が成熟から未熟な時代へ話が進むのが初めてで面白かった。利休という何か近寄りがたい人物にそっと近づけた感じ。
4投稿日: 2020.07.09
powered by ブクログイメージしていた利休とは違う、体が大きく屈強だったこと 女性関係もそれなりだったこと この時代のお茶は政治的なものだったこと お花の存在の大きさ
0投稿日: 2020.06.29
powered by ブクログ千利休とか茶人、以上。それだけしか知らなかったが、この本を読む事で千利休の歴史を知りながら茶の世界も面白く読むことが出来た。 構成が切腹前夜からどんどん時を遡っていく。 その遡っていくことでこれまでの人物の関わり合いが分かり、そしてその中にずーっと通して出てくる香壺の謎がどんどん解かれていく。 茶の事も歴史も知らなくてもどんどん引き込んでいくこの構成は初めてでワクワクした。 最後に切腹当日で締めくくられる女の感情もまた良し。 良作とはまさにこういう小説。
4投稿日: 2020.06.29
powered by ブクログ時間を遡りながら利休の人生を体験していく。 歴史に弱い私でも最初から最後まで一気に読めた。 秀吉、利休、この時代背景ももっと知りたくなった。 宮部みゆきの解説もgood。 私は利休に何をたずねよう…
0投稿日: 2020.06.17
powered by ブクログ利休の切腹当日から始まり、19歳の恋にまで、章ごとに遡っていく。利休、そして秀吉、利休夫人の宗恩、たえ、そして師匠武野紹鷗や織田信長までが章ごとに語り手として登場し、利休という人を立体的に描いていく。利休が茶の湯の権威者だけではなく、美の追求者として自信満々の人物であったことが見事に描かれている。そして茶の湯のうちに秘めた情熱の源泉は何だったのか?それが19歳・与四郎の時代に。利休のこの若い日の姿は全くの著者のフィクションだと思うが、興味深い解釈だった。19歳の日の逃避行は手に汗を握る。
0投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログやっと読んだ話題作。あとで『火天の城』の作者と気づきました。あれは無名の人々と棟梁の集団の骨太な話なのだが、こちらは利休という人物の造形であります。周りの視点から利休を描き、また時間を遡っていく構成になっている。つまり全部が回想として入ってくる。登場人物は有名人がほとんどだし有名エピソードが大半なのだが、上手いこと読ませるように作ってあるなあと感心した。
0投稿日: 2020.02.28
powered by ブクログ千利休の切腹の日から遡って様々な関係する人(妻の宗恩、秀吉、武野紹鴎等)の思い、関わりを紐解いていく。
1投稿日: 2020.01.26
powered by ブクログ『侘び』の中に『生命力』をいかに込められるか。利休の美学がずば抜けていたのは、多くの人が目指す侘び・寂びをゴールとしているのではなく、むしろその中にいかに艶やかさをさりげなく秘めることができるかを突き詰めていた点だ、と。 この本に出会うまで自分の中で考えたことのない世界に見事に連れていってくれた、素晴らしい歴史小説だと思う。特に、その利久の美学がどのようにして生じ育まれてきたのかを徐々に明らかにしていく構成力と、人心の機微や自然の季節感を微細な表現で綴る描写力に、作者の力量を強く感じた。 以下、私の好きな描写を抜粋すると、 三層の楼閣からは、京の町と東山のつらなりが眺めわたせる。春の陽射しをあびて、三十六峰の若葉が、つい手をのばして触れたくなるほど柔らかげである。 なかはおだやかに明るい四畳半の席である。ふたつの障子窓が、やわらかい光をつくっている。朝の光があまりにも清浄で、ただそこにいるだけで、からだの芯まで清まりそうだ。 むこうに土の壁が見えた。低いところに四角い窓が開いている。先を行く利休が、頭を下げ、腰をかがめ、そこを通った。窓ではなく潜り口であった。 つづいてくぐった家康は、腰を伸ばして、はっと胸を突かれた。 目の前の路地の一木一草までもが利休の手で磨かれたように清らかで、木漏れ日に光る歯朶でさえ、利休に命じられて、風にそよいでいる気がした。 この露地は、まさに閑かさの桃源郷であろう。柿を葺いた茶室の落ち着いた風情が、警戒にこわばっていた家康のこころを、ゆるゆるとほぐしはじめた。 特に3つ目の引用のように、登場人物の動作と周辺の描写が組み合わさって、心情の吐露につながる表現が、利休というテーマ設定に絶妙に合っていたと思います。
0投稿日: 2020.01.26
powered by ブクログ1591年(天正19年)2月28日 利休70歳 朝 利休は死を賜った。――あの下司な猿めが、憤怒がたぎっている。 雷鳴がとどろく中、妻の宋恩と広縁に座った。この雨は天のもてなしであろう。 一畳半の茶室に入り、三人の見届け役とともに茶をまわし飲んだ。助命嘆願を勧められたが詫びることなどなかった。秀吉の勘気にふれたと噂が広まったが身に覚えもなかった。 金に明かした秀吉の作動には飽きが来た。 松籟の音を聞きながら、藤四郎義光の短剣を手にした。 「この狭さでは、首が刎ねられぬ」 「ならばご覧じろ、存分にさばいてお見せせん」 ここから時代が遡る珍しい構成。 利休が信長に認められ、秀吉に重用され、茶道頭に上り詰める。ただただ茶の湯にのめりこみ、侘び,寂び、幽玄の世界を追い求め続けてていく。その美に対する天才的に備わった感性と、修練で、茶道具を見分けていく。 堺商人の間で侘茶が広まった頃、信頼の置ける見利きになった利休は、財を蓄え、美を求めて身の周りをしつらえ、そのためには恐れるもののない物言いと行いで、茶道を極めていった。 秀吉に重用されながらも、金に明かした低俗さに、頭を下げながらも心の声が表ににじみ出ている。それを秀吉は憎悪していた。 天下に並ぶもののない権勢を誇っていたが、利休の審美眼の深さには及ばなかった。 利休は若い頃、忘れられない恋をした。思いつめて、高麗から買われてきた女と駆け落ちしようとした、だが捕まる前に毒の入った茶をたてて心中を図った。女は高貴な生まれで下恐れなかった、利休は果たされず生き残り、女の持っていた緑釉の香合を肌身離さず持っていた。噂で知った秀吉が譲るようにいったが頑として受け付けなかった。 大徳寺に寄進した礼にと、僧侶たちが、利休の等身大の木象をつくり山門に立てた。それが秀吉の逆鱗に触れた。 自刃の原因はそのことになってはいるが、利休の厳しい求道の心と、美に対する天性の感、意に叶わないものを認めない頑固な意地、それが、茶道の奥義を窮めたといえ、凡庸であったり、ただわずかに優れているというおごりを持つ人たちの生き方に沿わなかった。 金と権力が全てに通じ、世の中全てを手に入れることが出来ると思う秀吉。ただ戦いの技に優れ、強運と時には卑屈さも使い分ける計算高い秀吉とは相容れない生き方だった、利休は誇りとともに運命に殉じた。 映画化されたときの利休役の、海老蔵さんのカバーが付いている。死を前にして端然と座った姿が美しい。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ構成が斬新。利休最期の切腹から始まり、過去に遡りながら利休の美学、そこに潜む想い人の影、秀吉との関係が紐解かれていく。 利休がなぜそこまでこだわりの美を追求したのか、そこにはある女への恋慕があった。という切り口でストーリー展開は大変面白いし、なんか人間味を感じてしまう。 秀吉との関係もまた然りで、利休と秀吉、ある意味理想や目的を追求するのに手段を選ばない二人だからこそ、似すぎて結果的に悲劇的な最期になったのでしょうか。 利休を身近に感じることのできる作品でした。
0投稿日: 2019.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
美しいものを得るためには人をも殺す。それが千利休だ。 天下を動かしているのは武力と銭金だけではない。美しいものにも力がある。ただ、美しいものといっても、高価な名物道具だけではなく、枯れ寂びたもの、儚いものにも美しさがある。利休が額ずくのは、美しいものだけであり、権力には死ぬまで額ずくことはなかった。 老古錐となって禅にはげめ、老古錐は、古びて、きっさきの鋭利さをなくした丸く役に立たない錐のことだ。鋭さもほどほどにせよ、という教えを込めた利休と言う名だった。いくら、押し隠しても、利休は鋭い。そこが、秀吉には許せなかったのであろう。利休にしても、そこを隠す事が出来る境地にまでいけなかった、というと、酷すぎるのであろうか。 結局、秀吉は生き、利休は死ぬ。それは、秀吉はどこまでも鋭くなれ、また、それを包み隠すことも、笑いにかえることも出来たということだろう。利休は茶の湯の道を極めたかもしれないが、秀吉は人の道を極めたということ。晩年のことはさておき。 本書の盛り上がりは瓦焼師に茶碗を焼かせるくだりかな。
0投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログ第140回直木賞受賞作 利休の人生、人となりを様々な視点から描いている物語。 マンガ「へうげもの」を思い出しながら読み進めました。 ストーリとしては、秀吉に切腹を命じられ、利休の最後の気持ちが語られるところから、どんどん時間をさかのぼって、様々な人々から、利休について語られていきます。 切腹当日、前日、15日前、24日前、1か月前、3か月前、1年前...といった形です。 それぞれで、利休とかかわりのあった人物との関係が描かれてります。 その中で、利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかさ、それはどんなものであったのか? その背景にあったのは、利休が若いときに知り合った女。 その女とは何があったのか? どんどん時間をさかのぼり、最後、利休19歳の時に知り合った女、その時に起きた出来事が語られるというもの。 史実はいったいどうなのかはわかりませんが、エンターテイメントとしては楽しめました。 しかし、エンターテイメント性という点は「火天の城」の方が面白かったかな...
3投稿日: 2019.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なぜ利休は秀吉から切腹を言い渡されたのか。歴史の授業では習わないため、この理由が気になっていました。本書で千利休に興味を持ち、ほかの千利休関連本も読みたくなりました。
0投稿日: 2019.06.15
powered by ブクログ利休、切腹の謎が明かされる。 と、思って読んでいたが、いまいち消化不良気味。 利休の美への執着は、良く分かった。 しかし、美への執着しか見えてこない。 他の人間的な部分がもう少し見えてくれば、良かったのではないかと思う。
0投稿日: 2019.04.20
powered by ブクログ初兼一。直木賞受賞作。思いの外、楽しめたのは意外でした。時系列が遡っていく手法が、序盤では利休(宗易)対天下人“秀吉”の関係性の変化を、中盤あたりでは秀吉の部下ら、宗易の妾(のち後妻)“宗恩”、先妻“たえ”パートなどをいくつも挟み、終盤に“紹鷗”“信長”を持ってくることに因って利休の成長過程がより効果的に表されているようだ。で、ラストに切腹当日の宗恩を持ってくるとは——何とも言えぬ構成に感服。これは利休と茶道に関する物語をメインに、裏では利休を巡る女たちの物語でもあったのですね。それにしても利休の“美”に対する情熱…いや、執念には狂気すら感じた。芸術とはやはり女体からなのだな——。最後にわたしは「利休さん、あなたに“たずね”れば何でも解決出来るのですね」、と。文句無しの星五つ。
0投稿日: 2019.04.14
powered by ブクログ映画を先に見ていて、原作を後で読みましたが圧倒的に原作の方が良かったです。利休の美に対する意識を様々な角度から書かれていて、茶道をする者として楽しめました
0投稿日: 2019.04.08
powered by ブクログ筆力があることは認めます。しかし、この形式で纏める必要があっただろうか?発端となるエピソードと、その後の成り行きに説得力があるのだろうか?著者の工夫をあざとさを感じた私は傾奇者でしょうかね…
0投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログ歴史小説を普段読まない人でも楽しめる作品。 登場人物の人柄や性格を表す描写に引き込まれた。 特に、利休の不気味なほどの美への執着心がうかがえる描写にゾクッとするものがあった。
1投稿日: 2019.02.05
powered by ブクログ最近読んだ中では抜群に面白かった。 この構成で最後まで行けるのか?を心配させず、 グイグイ進めて、人物や背景に厚みを増していく技量は圧巻。 印象に残る人は、みんな、ギラついてるんだよね。 脂ギッシュというか。 その辺をキレイに描かず、リアルに脂っこい感じと、 美にかかる表現が、対比的になっていて、味わい深いです。
0投稿日: 2019.01.04
powered by ブクログ映画「日日是好日」に誘われて積読からの一冊。歴史の教科書は昔に遡りながら記述すると理解しやすいという意見があるけれど、最期に謎を残す人の一代記も同じなのだろう。そこに至る人生の道筋を遡りつつたどることで、より鮮明に人物が浮かび上がる面白さを知った。お互いにいつ死ぬかわからない武士同士だからと言われれば、そりゃ、お茶を飲むのも一期一会だし余計なものは邪魔でしかないよなあ。美しいのは、これ。なんて正解がなさそうなところで体現したものこそが答えとなる凄さ。一方で、茶の湯の有用性をめぐる黒田官兵衛とのやり取りにみるプラグマティズム。マイブーム到来で茶杓を買ったり、舞台となった茶室の間取りを引っ張ってきてしげしげと眺めたり。
0投稿日: 2018.12.24
powered by ブクログ茶人より、太閤殿下(秀吉)の 軍司の利休の姿を 見ました。利休自刃した後の豊臣政権は衰退して いきます。読者が利休にたずねたい事(聞きたいこと) 何でしょうか?
0投稿日: 2018.11.14
powered by ブクログ利休にたずねよ。何という秀逸なタイトルと呼びかけだろう。歴史小説の真髄がここにある。 私たちは故人に真相を聞くことはできない。 しかし、小説はそれを虚構できる。 真相以上に重要ななにかが生まれる。 陳腐になりがちなものをどこまで真実ならしめ得るか。 私たちの生は、案外、俗物だ。 その俗物性を本作は構成の妙で聖なるものに変えた。 特に、長次郎の章に極まっていたのではないか。 多くの名物が出てくるので、数寄者にはたまらないかと。
1投稿日: 2018.10.10
powered by ブクログ第140回(平成20年度下半期) 直木賞受賞 茶道はまったくに近いくらい知識がないけれど、この作品の描写は読み手に、どんな茶碗、どんな感じの花の生け方、どのような茶室なのかが頭の中に描かせます。 また、時系列の順が逆方向で面白い構成になっている作品でした。 「美」を追求しながら生き続ける利休の頭の中、心の中を恐ろしく感じた。どんなことにも「美」を見出しそうで。生かすも殺すも「美」しだい。利休がお茶を点てている場面もそんなかんじがする。 「利休にたずねよ」というタイトルから、読後、利休がいたら何をたずねようかと考えてみたくなりました。
4投稿日: 2018.10.04
powered by ブクログ作者の目の付け所、そして流れるような利休の所作を彷彿とさせる表現力が素晴らしい! 若いころ遭遇した苦く艶めかしい事件は、利休の心の奥深く闇を刻みこんだ。 否応なしに利休を呑み込んでいく歴史に引きずられながらふと湧き上がる心の闇。 それはいったい何なのか? 当たり前の時間軸じゃなくて、ベールに包まれた利休の心の奥底を時空を超えて少しづつ読み解いていく・・・そんな不思議な感覚で夢見心地なひと時でした。
0投稿日: 2018.09.28利休って足利家の芸術家サロンの一員の子孫だったんだなあ
というよくわからない感想を読み終えて最初に抱きました。 というか、その辺りを突き詰めると、秀吉だって、藤吉郎を名乗っているわけですし、藤原家の末家でもある可能性もあるわけですしねー。実際に近衛家の養子になれたわけですし…。 戦後の復興期には秀吉も信長も身分制の破壊者としての権化の役割として人気でしたが、世情が安定し、機械化が進んだ今違った形の権化が現代人を引き付けるのかもしれませんね。 しかし、利休かっこいい! 普通一貫性のない断章形式の小説は上手くいかないものと相場は決まっているのですが、さすが日本トップの文芸賞を受賞するだけあって、上手い。時系列がさかさまになっているのかな? とにかくよいですよ。 ただ、家は先祖が働いていないから、利休の出自とかを見ると、先祖働いていない病にかかりそうですよ、全く。 星は5つです。
0投稿日: 2018.07.15
powered by ブクログ第140回直木賞。 千利休の生涯についての時代小説。利休の茶の湯へのこだわり、秀吉との確執など、こと細かに描かれている。 人物描写が細かくて理論的。あとがきで「火天の城」と同じ作者だと知って、なるほどと思った。
0投稿日: 2018.06.10
powered by ブクログ美を追い求めた巨人、千利休には秘められた過去があり…。と、ストーリーはあるものの、物語性は薄い。 これは利休と秀吉を取り巻く数寄者たちのやり取りや日常を楽しむ小説だろう。 著者はよく調べていて、文も読みやすい。 著者の利休に対する視線が場面により変わるのも興味部会。あるときは血の通った男として描き、またあるときは美以外のすべてを捨てた非人間的な超人として描く。 茶道に少しでも興味があれば楽しめるだろう。 へうげものと併せて読むと、より楽しめるかも。
0投稿日: 2018.04.11
powered by ブクログこの構成が面白い。秀吉から死を言い渡され、生きるために首を垂れることを拒否した利休の生涯を、Why done it ? よろしく過去に遡っていく。堺の豪商の家に生まれ、何不自由なく成長した千与四郎が、出会い死なせ、共に逝くことのできなかった高麗の女性が、後に利休と呼ばれるようになってもなお、彼の人生を束縛する理由として得心がいった。「三毒の焔」の意味するところが興味深い。貪り、怒り、愚かさの三毒が、人の道を外れる理由とは言い得て妙だ。
1投稿日: 2018.02.23
powered by ブクログ再読。 秀吉と利休の確執の謎を解く。なにより時をさかのぼる描写の仕方が独創的で興味深い。利休の世界に引き込まれる。
0投稿日: 2017.12.11
powered by ブクログ美への常軌を逸した偏執が、利休の生涯とともに茶の湯として完成し、また、死をもって無に帰す、という儚い綴られ方をしている。 真田丸しかり、へうげものしかり、作品によって人物の描かれ方は大きく異なるものだが、この作品の利休は若かりし頃の情熱と、その恋を灯し続けた生涯と、死して無に帰すあっけなさによって描かれている。 また生涯を通じた恋には虚しさが忍び寄り、それは妻によって葬られるという哀しさによって報われるわけだが、これをもって完成、とみなすこともできるかもしれない。 映画ではこのオムニバス形式がどのように描かれているだろうか、と想像しながらページを繰った。映画と合わせて読むと、また見え方が変わるかもしれない。
0投稿日: 2017.11.28
powered by ブクログなかなか良かった。 映画は見てないけど、良さそうな予感がする。 利休のこと、あまり知らなかったけど、こういった利休像もあるんだー、と面白かった。
0投稿日: 2017.11.26
powered by ブクログ千利休の人生を走馬灯のように描いた小説。面白いのは切腹する当日から時間を遡っていくことだ。秀吉に因縁をつけられ切腹を申し付けられた理由がどこにあるのか、利休の過去に答えを求めていく。結局のところは若かりし頃の恋と贖罪にたどり着いたように思う。ただ、タイトルの「利休にたずねよ」の意味がいまひとつわからなかった。もしかして答えが分からないから「利休にたずねよ」なのかもしれない。
0投稿日: 2017.11.16
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、 おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭へと昇り詰めていく。 しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、 艶やかで気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、どのようなものだったのか。 思いがけない手法で利休伝説のベールが剥がされていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。 茶の湯の世界も何もわからない状態で読みましたが、千利休の美への凄まじい拘りが分かりました。 それ以上に梟雄の一人である秀吉公の性格は長く治世を行うには明らかに向いていないであろうという事も。 物に場所に佇まいに拘るのはまあ仕方がないことなのでしょうが、 自分の中に積み重なったものだけで勝負出来ない世界というのは僕には向かなそうです。 持ってるギターが全部燃えたとしても、表現する事に対してなんら支障無く、 自分の中で醸成したもので勝負出来る世界にいてよかったと思いました。 物に拘って命のやり取りしているのが今読むと少し滑稽な感じがしたのは僕の完成の問題。 本自体は素晴らしかったです。
0投稿日: 2017.10.24
powered by ブクログ山本兼一は天才だと思う。そして抹茶が飲みたくなった。それにしても何をたずねるのか最後まで分からない。。。
0投稿日: 2017.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
千利休の切腹の謎を、利休自身の言葉や関係者各々が思い描く利休像から紐解いていく。 利休を慕う者、憎む者、愛する者…その立場・性格によって利休のイメージが様々に映し出される。 美の頂点に君臨するが、表立っては賢くそつなく振舞う利休。 しかしそんな利休も若い頃の秘めた想いを抱えていた…。 利休の謎についての解釈と手法にグイグイ引き込まれた。 ラストまで読み終えると、また初めから読み直したくなる。 それにしても今回の解釈はなんと切ないことか…。 愛と恋の違いについて問いただされた気がする。 緑釉の香合を何故最後に壊しておかなかったのだろうか? 利休は冥土で白い木槿の花を見ることができたのだろうか? 利休にたずねたいことが沢山ある。
4投稿日: 2017.08.20
powered by ブクログ先に市川海老蔵さん主演の映画を観、とても面白かったので原作のこちらも読むことに。利休の切腹を起点に時系列を逆に辿っていくスタイルが興味深い一方、初読み時にはわかりにくいかも。映画とは重点を置いている箇所、描き方の異なる個所があるが、それが補いあう形になって、より一層面白かった。最後まで読んで、もう一度再読し、さらにもう一度映画を観たのですが、それぞれ一層楽しめた。 所作の美しさ、茶室や茶器の様子は、私のように茶の造詣が無い者には原作の文章からだけではイメージしきれない箇所もあるので、その辺りも映像の助けは美しさをより感じさせてくれた。一方で、心情や周辺のできごとなど映画より詳しく世界に浸れるのは原作の良い所。
0投稿日: 2017.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず、そうきたか! て感じでした(笑)。 もう、ネタばらしちゃうけど、利休の切腹直前ていうメインイベントがあって、その後そこに向けて盛り上がっていくのかと思ったら、時間逆戻りで周りの人とのやり取りを追いかけるという…。 ゃー、びっくりした。 で、これあまりに遡るから、真相がわかるのはいいけど、一体どうやって仕舞いつけんねん!と思ってたら、なるほど、死の場面をまた最後に持ってきたか、と。 構成が一番興味深かった(笑)。 あと、利休のあまりに美に執着する様子に驚きつつ。 また、久しぶりに、結構知らないような日本語か多く出る本に出会ってテンション上がったり。 茶室の造りとかも興味あるから、むしろそちらの知識という意味でテンション上がったり。笑 あと、最後の、宋恩をきっと一番愛していたのでは、という宮部みゆきの解説にびっくりしたり(笑)。 あとは、最後の高麗の女の死の場面で・心中とがに始まる、自殺幇助罪と安楽死・尊厳死の関係とか、自殺をすること自体の是非とかを、現代になぞらえて考えてしまった。
0投稿日: 2017.02.22
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当然ながら、天下人の茶とは捉え方が全く違う作品。 利休切腹に至るまでの秀吉との駆け引きや、その運命の受け入れ方。 特に、生涯にわたって、利休の茶に対する姿勢に大きな影響を及ぼした人物として、若き日に救おうとして救いきれなかった高麗の姫の存在がどの章にも見え隠れする。秀吉をはじめ、それを目にした全ての人間を虜にした緑釉の香合の行方は・・・
0投稿日: 2016.08.07
powered by ブクログ利休にたずねよ いったい何を?(゜_。)? そりゃあ、茶道の大先生で今を時めく三千家の祖だし なんでも教えてくれるでしょう…と思って読み始めた一冊 とんでもない一冊でした あの切腹の前日から始まったのです!!(゚ロ゚屮)屮 読み進むごとに、時間をさかのぼり… 利休の人となりが少しずつ分かってきたように思います どうして、命乞いしなかったのか? どうして坊主のようななりをしているのか 家族はどうだったのか・・・ 何を読んでも知らないことばかりですが こんなに有名な千利休の人生も 波乱万丈だったんだ 宗恩の想い 理解できる気がします 時間を忘れて読みふけった一冊です おススメ~ ♪d(´▽`)b♪
0投稿日: 2016.07.02
powered by ブクログ私が利休にたずねるのならば「あなたはこの結末を望んでいたのではないですか…?」と。 愛した女の小指を損ね瑕瑾ある茶の道を求めて独り歩く彼は、最期に自死することによって道を極めようとしたのではないだろうか。
0投稿日: 2016.04.18
powered by ブクログ天下一の茶人であった千利休について書いた本です。 この本では、切腹当日から徐々に時代を遡り、なぜ利休がこのように考えるようになったのか、その背景、いきさつなどがよく分かるような構成になっています。 千利休は美への執着がすさまじく、審美観に対する自信、そしてそれが傲慢さへとつながるなど、典型的なダークサイドへの落ち方のように思えました。 ↓ ブログも書いています。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-b73c.html
0投稿日: 2016.04.16
powered by ブクログ利休切腹の日より、時は随時さかのぼっていく。 忘れられぬ高麗の女。 切腹時の利休の心情が少しずつ紐解かれていく。 2016.3再読。
0投稿日: 2016.03.24
powered by ブクログ茶の湯の美の神髄とはなにか、千利休の到達した思いをエピソードとともに語ります。秀吉と利休という対極に見える二人が、実は「同じ穴のむじな」であるという人間の妙。詫びた風情の中にも命の輝きがあるからこそ美しい、という、美への燃え滾るような執念がどこから生まれてきたものなのか、ひとつの想像を呈する物語です。茶の湯文化に興味のある方には面白いでしょう。他方、女性の扱い方に、ちょっと嫌悪感の残る読後です。
1投稿日: 2016.01.25
powered by ブクログ大雑把には利休というなかなかに自己中な人を中心に、割と自慢を挟みながら、ともかく利休スゲー的なエピソードを連ねるという、これが自伝だったらマジスゲー的な話なわけで。いや、言われてみると利休にたずねよって、わしに尋ねよって感じになって更にワクワクせずにはいられない。まぁ自伝ではないけども。 ぶっちゃけ詫び寂の世界を10%も理解できていないことは間違いないんだけども、それにしてもぐいぐい読ませてしまって、最後にはなんか分からんけど利休△と思わせる展開はなかなかやるぜよ。
0投稿日: 2016.01.06
