
総合評価
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powered by ブクログ私にとっての初・向田作品です 恥ずかしながら「名前は知ってるけれど読んだことない有名作家」の一人だった向田邦子さん 脚本家としても活躍されていて、この『霊長類ヒト科動物図鑑』にも黒柳徹子さんなど芸能人の名前やテレビ関係者とのお話がたびたび出てきます。 1981年に飛行機事故で亡くなられた方で、この本は亡くなった後に出版された作品なのですね。 自分が生まれる前のエッセイなのに、人間の根本はそうそう変わらないよね、と教えてくれるお話が多数。(もちろん戦前生まれの著者ならでは感性やお父さんとのお話など、令和の時代では大炎上必至のエピソードもありますが、それはそれで興味深かったりします) 「女性が地図を書けないということは、女は戦争が出来ないということである。(中略)そのへんが平和のもとだと思っていたのだが、地図の描ける女が増えてくると安心していられないのである」女性は地図を読むのが苦手、というのはよく言われることだけれど、それを戦争と結び付けたことはなかったので、この視点は新鮮だった。実際にそれを体験した人にしか持てない視点というのは確かにあって、それはいくら本を読もうが勉強しようが、そっくりそのまま同じものをインストールできるわけではないのだな、と改めて思わされた。 向田さんは自分は器用貧乏で融通が利く方だから割とどんな職業でもできると自負しているが、どうしても無理だと思う仕事が2つあるそう。それは釦屋さんとスパイ。理由は整理整頓が壊滅的にできないから、そして虫がどーしても苦手だから。なぜその理由でこの2つの職業ができないのか。 考え方、お話の作り方がすごく面白いなと思ったエピソード。 また、昔話に出てくるのがなぜじーさんばーさんの夫婦ばかりで、若いカップルや壮年の男女はいないのか、という疑問に対する向田さんの毒のある考え方も良い。昔、子供の世話は老人の役目で、孫に自分たち老人が主人公のお話を聞かせてやっていた。話の中でイキイキと主人公として演じている。あれらは老人の夢や希望を込めたお話達なのではないか、というのです。うーむ
2投稿日: 2025.12.05
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テレビ・ラジオの放送作家であり、直木賞受賞作家の<向田邦子(1929-1981)>さんが、戦前の昭和の郷愁と向田家の思い出を紡いだ52篇のエッセイ集。・・・頑固で意地っ張りの父親、夫と夫の母に仕え、毎日を家事に専念し子育てに励んだ母親の姿を通して、鍛え上げられ、励まされて育った作者の心情をユーモアと皮肉を交えながら語られていく…。鮫の体の下にピタリと吸い付いて、魚の餌のおこぼれを頂戴して生きている『小判イタダキ』。痴漢を捕まえ『警視総監賞』を貰い損ねたエピソ-ド。岐阜羽島駅前の政治家夫妻の銅像と『味噌カツ』。旅客機の離着陸時の不安を綴った『ヒコ-キ』など、珠玉の名編揃い。
10投稿日: 2025.07.16
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やっぱりムシが知らせたんだねと思ってしまうっていう話。 何となくの読まず嫌いで触れずにきた向田邦子作品だったけど、初めて読んでみて天才だと思った。 他のエッセイはもちろん、エッセイ以外の作品も読みたい。 p. 213このところ出たり入ったりが多く、一週間に一度は飛行機のお世話になっていながら、まだ気を許してはいない。散らかった部屋や抽斗のなかを片づけてから乗ろうかと思うのだが、いやいやあまり綺麗にすると、万一のことがあったとき、「やっぱりムシが知らせたんだね」 などと言われそうで、ここは縁起をかついでそのままにしておこうと、わざと活ないままで旅行に出たりしている。 p. 293あの頃は、先生というのは、本当に偉く見えた。 短気ですぐ手を上げる先生もいたし、えこひいきをする先生もいた。鼻をたらした少し頭の弱い生徒に意地の悪い先生もいた。 だが、私たちは先生を尊敬していた。 先生は何でも知っている人であり、教えてくれる人だったからであろう。 今は、先生よりもっと知っている人がたくさんいる。 昔は塾もなく、家庭教師も、テレビもなかった。親も今ほど物知りでなく、掃除洗濯に追われて不勉強だったから、ひたすら先生を立てていた。すこしぐらい先生が間違えても、文句を言わなかった。 先生を偉いと思い、電話口で被りものを取って正座するのは、私たちの世代でお仕舞いなのであろう。
0投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログ向田邦子のマイブームはまだ続いており。とはいえ、随筆集も数冊、短編も数冊しかないのですぐ読み終わってしまうのが悲しい……。 台本をもとになんとかという人が小説にしたてた「向田邦子原作」の長編小説は読む気がせんし、シナリオは苦手だし、ということで残り少ない随筆集と短篇集を大事に読もう……。
1投稿日: 2014.09.30
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一時期向田邦子の本はたくさん買ったが、今は散り散りになってしまい、どの本にどんな事が書いてあったかもうろ覚えである。古本屋で安いのがあった時に買いなおしている。 豆腐 ひと月を豆腐に例える、筆者の感性。筆者とは関係無いが、別の人のエッセイで子供が売り物の豆腐を細かく刻んでしまった話を思い出した。あれは誰の作品だったか・・・ 寸劇 客と主人の手土産を巡るやりとりを寸劇に例える。そんな事したことないなあ。このような事をしているご近所さんは、今どんどん減りつつあるような。 助け合い運動 眼鏡を直すためにもう一つ眼鏡が必要? 懐中電灯を探すためにはもう一つ懐中電灯が必要? 警官を捕まえる警官の気持ちは? 石鹸をきれいにするにはもう一つ石鹸が必要? 同じもの同士の話四題。 子供の頃は、物が高価だったこともあってか、同じものは一つしか持ってはいけない、と思い込んでいた。例えば、傘。ハサミ。爪切り。靴。ラジオ。・・・今はどれもたくさんある。 傷だらけの茄子 台風が接近する時に感じる、不思議な心の昂ぶり。 何か日常を離れ、非日常が現れるような気がして、子供の頃著者と同じような昂ぶりを感じていた記憶がある。停電も多かったし、テレビが突然映らなくなり、しばらくお待ちください という文字だけが画面に移ることもよくあった。テレビの深夜番組などほとんど見なかったが、台風接近時だけはNHKの台風情報をつけっ放しで寝ると、何故かいつもよりテレビとの距離が縮まったような気がした事も思い出す。 雨戸がとても頼もしく思え、雨戸を締めると 安全地帯に逃げ込んだ、という安堵を感じた。今は団地住まいだが、雨戸が無いのでどことなく不安を感じる。 浮気 雑誌や日常のもの、これはここで買う、というのが人によってなんとなく決まっているのを、何らかの理由で別の店で買ってしまい、その後にいつもの店に行ってしまった時の気持ちを浮気にたとえている。気の重い例として美容院をあげている。私にもなんとなく想像できる。 日常的に繰り返す小さな浮気が、大きな本ものの浮気を防いでいると言われれば、そんな気もする。 無敵艦隊 道一杯に広がって歩く主婦の群れ、店で他人とは違う注文(鰻丼を頼んで、鰻は別の皿に乗せてくれ、と注文し 店が躊躇すると激高する)に固執する人、世の中の慣例を理屈で否定(マンションを買って壁の厚みが専有面積に含まれている事に激昂し、壁を壊せと息巻く)する人・・・「こういう人には勝てませんなあ」というタイプを、著者は無敵艦隊に例える。 私も立ち食いそば屋で 月見そばを頼んで、卵はそばに載せず別の皿に入れてくれ、という人に隣り合わせた事がある。で、皿に乗って出てきた卵を、その人はそばの上に落として食べ始めた。何か呪術的な理由でもあったのだろうか? 悪意は無いのだろうが、他人に対する気遣いや、習慣、慣例に対する寛容さが決定的に欠損している人が、どんどん増えていくように思う。 無敵艦隊同士でぶつかって、願わくば相打ちになって沈んで欲しいと思ったりする。 女地図 女が地図を読めない、描けない話 新聞紙 著者は新聞を三つに区分する。 配達され、未読の状態から番組欄を見るため手元に置く「新聞」 日付が変わって「新聞紙(しんぶんし)」 さらに三日も過ぎると「新聞紙(しんぶんがみ)」 今は出番が減ったが、s「しんぶんし」は今で言う包装紙やティッシュの役割を、「しんぶんがみ」は靴の湿り気取りに、活躍した。 私は新聞のスクラップが趣味で、小学校の頃から途切れ途切れに続けているが、最近は多忙でほとんどできなくなってしまった。習慣は恐ろしいもので、スクラップしていない新聞を捨てることができない。で、今押し入れの半分位に古新聞がたまっている。どうしよう。いや思い切って捨てればいいのはわかっているのですけど。 布施 お坊さんに渡すお布施の金額と、タイミングに関する考察。 引き算 著者の数字に対するイメージ。小学校の先生には、子供が算数をわからなくなるパターンの参考になるのでは。 引き算の「隣から借りてくる」というイメージは、私もすっきりしないな、と思った記憶がある。 0、0.1、0.3のように対し、これを温度と混同して0は氷、0.1は氷の少し下、0.3は氷のもう少し下、というイメージは少数とマイナスの数を見事に混同しているが、漢数字で0・三などと縦書きすると、そう思うのも無理ないなと思ったりする。 少年 タイとイスラエルで出会った、2人の少年の思い出。 丁半 賭け事が嫌いでなかった父と、いっさい手を出さなかった母。 女にとって、特に昔の女にとっては 賭け事などに手を出さずとも 嫁ぎ 子を生み 育てる 大博打をこなした上で、 日々 買い物や家事、子育てで 小さなサイコロを振り続けている との考察。 マリリン・モンロー 紋絽という言葉を初めて知った。和服関係の用語は日本人なのにほとんど知らないな。 斬る 新国劇の殺陣を見た事がないのが残念。 知った顔 往来で肉親と思いがけず出会った時の何とも言えない居心地の悪さ。 高校生の頃だったか道の向こうから見知らぬ女の子が手をふりながら近づいてくる・・・と思ったら妹で、何で気づかないの、と怒られた事があった。家の外で見る家族は、家の中とは違って見えると思った次第。 小判イタダキ ご飯を食べる時の「いただきます」という挨拶。私も当然の挨拶と思っているが、昨今は「いただきます」も「ごちそうさま」も無い家庭が多いらしい。なんと寒々しい家族だろう。 勤め人を著者は小判イタダキ、すなわち小判鮫に例える。昨今は吸い付きがいの無い勤務先や、そもそも吸い付かせてもくれない会社が増えているようだ。今なら向田邦子はそのへんどんな感想を書いてくれただろうか。 写すひと 海外旅行と写真にまつわる話。 合唱団 大和撫子女郎花。女郎花って、どんな花か、今ネットで見て初めて知った。大和撫子にしても、女郎花にしても、地味な花だな。 警視総監賞 痴漢を捕まえて警視総監賞を貰えるはずだったのが、父の猛反対で取りやめになり、それと以来賞と名のつくものに縁がなくなっていたが、30年ぶりにいただいた賞が直木賞だった、という話。 白い絵 Aを見たくて出かけたのに、Bを見て帰ってくる という話 海水浴に行って豚小屋を眺めてきた話。 プレスリーを見に行ってバーブラ・ストライサンドを見た話。 ゴヤを見にスペインに行って、「この作品は今日本です」という貼り紙を 見た話。など。 ちびまる子ちゃんの何巻だったか、欲しいものを中途半端に手に入れる女 まる子 というフレーズがあったのを何となく思い出した。 大統領 偉い人に関わる話。タイのシキリット王女、切手になる偉い人、ロナルド・リーガン、葉山良二。 ポスト 右と左 に関する話と ポストに関する話。 旅枕 枕の話題あれこれ。 紐育・雨 レーガン大統領が撃たれた日にニューヨークに居合わせた話。 とげ 猫のとげを抜く話と、心のとげの話。七輪の語源。 軽麺 モナリザとカルメンを題材に、ひとりひとりが持つ異なるイメージの話。 男殺油地獄 コレステロールに始まり、食生活と油の話。 お手本 猫を皮切りに動物の仕草の話 西洋家事 ホテルで非常ベルが鳴った話 あ、やられた 卵、ホチキス、ギザギザ、ビニールに関わる失敗談 味噌カツ スリッパ 安全ピン 安全ピンはやっぱりピンなのだ 安全カミソリはやっぱりカミソリなのだ 安全地帯にいても車にはねられる 絶対安全である事を強要し 危険なものは許さない という姿勢は 最も危険な事と思う。危険なのはわかっているが使わざるを得ないものは世の中にたくさんあって 世の中のために 危険な仕事をしていただいて ありがとうございます と何故感謝できないんだろう。 警察官、漁師、医師、運転手、配達員、自衛隊員、原発関係者・・・ 責め立てるだけだと専門職は誰もいなくなっちゃう。 泥棒 ホテルでの泥棒?遭遇体験。 孫の手 最近孫の手買った。 たっぷり派 見るのはあっさり、味付けはたっぷり という著者。私はたっぷりには抵抗ある。 ヒコーキ 著者のエッセイの中では 最も有名な作品の一つになってしまった。 日々の片付けはしておきたいのだが、縁起をかついでいるわけでもないのに全然片付かない。 ミンク きつねの襟巻きって、なんか子供の頃好きだった。 なかんずく なかんずくって、今聞かないな。 リスク、メリット、デメリット、ノウハウは今や日常後になってしまった。 泣き虫 子供の頃のように喧嘩して泣いたり、悲しくて泣いたりという事は無くなったが、小説や漫画、映画やアニメなどで涙腺が刺激されることは多くなった。 最近では琴浦さんとか、極黒のブリュンヒルテ4巻とか。 良寛さま この円空が着いたアパート、今もあるんだろうか。 お化け 猫にお化けと名付けるセンス。 声変わり 女の声変わり 怖い怖い。 脱いだ 漬物や刺身を何切れにするか との話。気にしたことなかった。 いちじく 子供の頃、いちじくを食べたいと親にねだって 買ってもらったら美味しくなくてほとんど残してしまった事がある。確かファーブル昆虫記で 何かの虫がいちじくを好む みたいな話を読んであこがれたんだったと思う。 ウイスキーでいちじくを煮るっていうのはやってみたいな。 「う」 この話は好き。 虫の季節 そんなに虫が駄目というのが理解できない。 黒い縞馬 黒人の皮膚の色の多様さについて。 兎と亀 著者は兎タイプ。 職員室 今の学校の先生は大変。 電気どじょう 原稿ができない時の言い訳が 出来すぎ。 一番病 一番だったと自慢する人の神経がわからない。ビリ自慢はわかる気がする。 解説 矢口 純
0投稿日: 2013.02.01
powered by ブクログ2013.1.21読了。 巧いなぁ。ヒコーキのエッセイには思わず身震いしてしまったけど。 ヒトっていじらしいねと自分を含め優しく接せられるようになりそうな、そんなエッセイ。
1投稿日: 2013.01.21
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目新しい題材はないのに、ごく日常のありふれた出来事なのに、 「ああ、そうそう!」と新鮮な発見をしたかのような気分になれる。 寺内貫太郎一家の作風と重なるのは当然か。
0投稿日: 2012.06.29
powered by ブクログ昭和の匂いがプンプンです。 エッセイの内容に頷いてしまうのは、私が四半世紀とはいえ昭和時代を生きてきた証しなのかもしれません。
0投稿日: 2012.05.22
powered by ブクログますます向田邦子さんが好きになった! 小説の方は前から好きだったけど、エッセイには手が出なくて。というのも、エッセイで作者の人間性にげんなりしたら、せっかくのお気に入りの小説が色褪せちゃう思ってたから。でも先日、なんとなくBookoffで買ってみた。なんとなく。 なんて、想像力が豊かなことか。なんて素敵な感性をお持ちなのだろうか。蟻を見てたと思うと、いつの間にか宇宙の果てを眺めてる。そんな気持ちよいほどの突拍子のない話の流れが随所にあった。いや、突拍子のない話の流れと思う私はやっぱり、向田さんの感性・想像力の足元にも及ばないんだ。そんな、その“小気味良い”話の展開が、向田さんの小説の好きなところだと、このエッセイを読んでやっと捕らえることができた。 せっかちで、早口で、おっちょこちょいで、昔ながらの心遣いを周りの人に配ることができる向田さんはとてもチャーミングだ。人を知って作品がもっと好きになりそう。向田さんの小説を読み返してみようと思います(・v・)
0投稿日: 2010.05.18
powered by ブクログタイやスペインについてのエッセイが。 ちょうど自分もタイとスペインに旅行したところだったので、非常に興味深かったです。 あと飛行機墜落についてのエッセイがあるところも印象に残りました。
0投稿日: 2010.03.16
powered by ブクログ向田邦子さんが亡くなってもう25年あまりもたつ。ちょうど、今の私くらいの年に、台湾で飛行機に事故に遭い、急逝された。何気ない日常の一こまや、家族のことや、仕事のこと、よく事細かに覚えているなあと感心する。それをさも、その場にいるごとく書いているものだから、つい笑ってしまうことも多い。早く逝きすぎた人だ。
0投稿日: 2007.01.20
powered by ブクログ向田先生は小説よりこういったエッセイが好き。ゆっくり読んでいくとまるで自分がその時代に生きていたかのような錯覚を覚えます。
0投稿日: 2006.04.01
powered by ブクログ1/22 短編小説集「思い出トランプ」を読んで、向田さんに惚れた後にこのエッセイを読みました。やっぱ、いいなぁ
0投稿日: 2006.03.21
powered by ブクログ向田邦子さんが亡くなってもう25年あまりもたつ。ちょうど、今の私くらいの年に、台湾で飛行機に事故に遭い、急逝された。何気ない日常の一こまや、家族のことや、仕事のこと、よく事細かに覚えているなあと感心する。それをさも、その場にいるごとく書いているものだから、つい笑ってしまうことも多い。早く逝きすぎた人だ。
0投稿日: 2006.03.09
