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少し変わった子あります
少し変わった子あります
森博嗣/文藝春秋
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総合評価

27件)
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    ここは美しい孤独の生まれる場所、とオビにある。目次は8行。少し変わった子あります、もう少し変わった子あります、ほんの少し変わった…。大学の先生である「私」が予約のたびに場所の変わる名前のない店で、店を出れば二度と会うことのない毎回異なる初対面の若い女性と、とても静かに食事をする話が8話。が、そのまま連作短編集という訳でもない。短い時間に二人だけで交わす会話は、その時々の私に意表を突いた気づきや癒しをもたらしてくれる。が、いい話を聞いたからでも、ましてやパパ活でもない。西島大介の表紙イラストは少し違ったか。

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    投稿日: 2018.12.24
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    なんともとりとめのない、不思議なお話でした。 確実に言えるのは、いままでの森作品とは明らかに違う。 これまでは、一貫して理系的な冷徹さが根っこにあったと思います。 しかしこの作品からは、その冷徹さが意図的に排除されているように感じました。 なんというか、「文系から見た理系」的な感じ。 しかしながら、本作は間違いのない森作品でもあります。 器の形、外観はこれまでと大きく変わっています。 その代わりというか、中身の部分はこれまで以上に濃厚になっていたように思います。 Essayなどで書かれてきた、森博嗣という価値観や視点。 それを物語の勘所に、絶妙な感覚でもって配置されていった感じです。 そして本作での見所は、その空気感にもあると思います。 基本的に、一対一での「対話」によって、物語は構成されています。 閉ざされた空間で、食事をする初対面の男女。 時には会話し、時には沈黙する。 思い話もあれば、軽快な話もある。 このなんとも言えない不思議な空気感というのも、新しいなあと。 そして、「綺麗に食事をする」というのは、やはりcharm pointになりうる。 そのことを、本書を読んで改めて思いました。 こう、日常的な仕草というのは、その人の本性を簡単に暴きだすと思っています。 その中でも、食事という行為は、もう見事なまでに本性が現れると思います。 マナー的なものではなく、もっとこう、「食事」に向かう姿勢というか。 ご飯を食べる姿が綺麗な人というのは、生き様が綺麗な人と言っても過言じゃないと思います。 まーなんというか不思議な作品でした。 「森ミステリィ」を期待して読むと、ちょっと肩透かしかもしれません。 けど、「森作品」を期待して読むのであれば、大満足出来るかと思います。 行ってみたいな。この料理店。

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    投稿日: 2018.11.13
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    不思議だけど夢中になる気持ちはちょっとわかる。 私はほんの少し変わった子がすき。 どきどきフェノメノン的なイメージで読んだから、なかなか予想外でよかった。

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    投稿日: 2018.06.23
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    ひとりでしか入れない料亭で初対面のきれいな所作で食べる女性とごはんを食べる。 流動的な思考。消えた後輩の謎。 C0293

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    投稿日: 2016.11.20
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    んー…微妙ですねぇ…別に読まなくたっていいじゃないか、というような短編集でした…が、まあ、森氏独特の雰囲気みたいのは相変わらず健在ですねぇ…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー まあ、でもあまりミステリはしていないような気が致しますねぇ…てか、これ、文春に載ったんですかね?? なんとなく普通の小説というか、純文学っぽい雰囲気も漂っていますからねぇ… いやー…特にこれといった感想はありませんが、所々に森氏の生きる思想といいますか、人生観みたいなのが滲んでいるような気が致しましたねぇ…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー

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    投稿日: 2016.04.19
  • 世の中というものは

    杳として知れない、ということか? 匿名であることが、最終的にすべてを匿名化してしまう。 最終話が闇に紛れてしまうように。 あれほど、拘っていた鉄塔さえも闇に紛れてしまった。 静寂を楽しむ会話も同席する女性も、そして、例によって女将の顔も。 すべては匿名性のうちに、あやふやなうちに処理されてしまう。 最終話が闇に紛れて、ついには探し続けていた友人の名前さえ紛れてしまうのには、ゾッとしたが、一度きりの場を離れて思い出したときにはホッとした。 それにしても、代償とは何か? ゴジラの話はいくらなんでも忘れそうにないと思われるが、初めての話のように聞かされているのは、やっぱりゾッとした。 何の代償でこうなってしまうのか? すべては闇に紛れてしまう。

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    投稿日: 2015.10.23
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    読んでるうちに、変わった子ってこの先生のこと?って思うようになった。 後半まで読み進めたが返却期限が来てしまったのでまだ途中。 最後どうなるんだろう?

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    投稿日: 2015.06.06
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    一回読んで『?』となったが読み返して妙に納得した。 自己の流動性がそのまま再現されたストーリー。 ミステリ調なのでオチを期待していたがおそらく作者が伝えたいことはそこではなかろう。 『食べる仕草がその人間の生き方を表す』からこそ表面的な食事の作法に気をつけることなく生き方を正そうと思った。 一旦箸をおいて話し始めるような程よい緊張感のある食事を、 もう何年もしていないし、したことがないような気さえする。

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    投稿日: 2013.09.11
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    森博嗣氏の本は初めて読んだ。 これ、すごくおもしろかった!! タイトルと表紙の絵を見て「変わった子供」の話なんだろうと予想していたら全く違っていた。タイトルはまだしも、この表紙の絵は本当に子供みたいで今ひとつと思うのは私だけ??文庫版の表紙のほうがいい。 話の流れにはすぐに引き込まれました。 全体を通して「孤独」がテーマになっている。

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    投稿日: 2012.05.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森博嗣の連作短編集。 一話ごとに見ると悪くない。 舞台設定も素敵だし、文章の雰囲気も私は好き。 ただ、物語るのではなく、メッセージをそのまま語ってしまっている部分も多いように思う。 連作として見ると、登場人物「荒木」の魅力がもっとあると良かった。 あと、正直、また叙述トリックかよ……って思いました。 色々書いたけれど、そんなに悪くない作品。 森博嗣に対して厳しめなのは期待が大きいからです。

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    投稿日: 2011.11.04
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    行方不明になった友人。 消息がわかるかとも、教授は友人が過去に話していたお店に向かう。 友人の消息は分からない。 見ず知らずの女性と食事をする不思議なお店。 女性は毎回異なり、二度と会うことは無い。 特に何が起こるわけではない。 しかし行くたびに何か思うところが出てくる。 果たしてこれはどういう気持ちからなのであろうか。。。 私は……こんなお店に行ったら欲求不満になりそうだ(違) 『スカイ・クロラ』が殺伐を謳ったのなら、この本が表しているのは何だろうか。作風は大きく異なる。 漠然とした不安を持たされ恐怖を感じる人もいるかもしれない。 淡々とした運びに虚無に陥る人もいるかもしれない。 押しつけられないかわりに、感想も人それぞれだと思われる。 個人的には『スカイ・クロラ』のほうが好きだったな。

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    投稿日: 2011.10.22
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    大学教授の小山の後輩、荒木がある日失踪した。 小山は以前荒木から教えてもらっていた店に行ってみることにした。 特別に変わった料理を出すわけではないがその店はとても奇妙な店なのだ。 まず店には名前がない。定まった場所にあるわけでもなく営業はその都度 色々なところを借りて行われる。30代の女将が接待をし、食事には 若い女性が現れ一緒に食事をする。 ただし会うのはその時その場限り、次に予約をしても同じ女性は 二度と現れず別の女性が現れる。 女性たちはそれぞれにタイプが違うが皆共通しているのは 食事のマナーの美しさ。こうして小山は忙しい日々の中でふと時間を作っては この店に通い続けることになる。 だんだんと自分の内なるものを見つめ孤独を愛するようになっていく小山。 女性と小山の会話が特別に面白いわけでもなく なんとなくシトシトと雨が降っているような静けさを感じる展開に 途中で少々飽きてきてしまったのだが最後まで読むと おお・・・ なんというか、これはまるで「世にも奇妙な物語」って感じでした。

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    投稿日: 2011.09.26
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    (収録作品)少し変わった子あります/もう少し変わった子あります/ほんの少し変わった子あります/また少し変わった子あります/さらに少し変わった子あります/ただ少し変わった子あります/あと少し変わった子あります/少し変わった子終わりました

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    投稿日: 2010.09.07
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    【重い荷物を背負って先を急いでいる人間には、地面に埋まりかけている宝石はけっして見つけられない】 見とれるほどきれいな作法を見せる店に通いつめて、ふと人生を考える本。 ちょっと見てみたい。そして少し怖い物語。最後に主人公はどこに行ってしまったのだろうか。 はっとさせられる文章も多数あり。

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    投稿日: 2010.08.26
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    表紙の絵の可愛らしさとタイトルに惹かれて借りてみた。 …何だかなあ、という感じ。期待とは違っていた。 他の人の感想に哲学的とあったが、普段、何となく考えていること、それをちょっとしたきっかけであれやこれや思い出し、そのまま文章にしている、という話。 だからどーした、と言いたくなるような。 とはいえ、途中で投げ出すほどつまらないわけではない。 最後まで読むとちょっとホラーかも。

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    投稿日: 2010.07.08
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    抽象性と具体性のめりはりがおもしろい。 話の筋はなんだかなあ。ぐだぐだしてた気がする。ナゾはナゾのまま。

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    投稿日: 2010.03.11
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    小山が後輩の荒木から勧められた料理店は、一風変わったところだった。場所は訪れるたびに変わり、顔を見せる店員は三十代と思しき女将がひとりだけ。そして、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるのだった。

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    投稿日: 2010.02.16
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    哲学的というのか、理屈っぽいというのか… 大学教授レベルの人の思考過程を理解するのは難しいです。 ほとんど頭の中でのことだけでストーリーがすすんでいくので、物足りない感じがした。

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    投稿日: 2009.06.21
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    謎めいた料理店で出会う「少し変わった子」たちが、あなたを幻想的な世界へと誘う物語。 何か事件が起こるでも、そのからくりを推理し解き明かすでもないので、気負わず読める一冊。 いとう

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    投稿日: 2009.04.15
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    工学部助教授にしてミステリー作家の森作品では、何故かユーモア小説を追いかけてます(笑) タイトルと表紙で、この作品もそうだと思ったんですが・・どうジャンル分けすればいいんだろう。教授が毎回、別の女性と食事する話。コミュニケーションについて、人間心理についてと考えさせる部分も多い。で、謎は謎のまま終わる。設定以外に、特にストーリーもない。ラストは、ばれる伏線をしてうまくまとめている。けっこう、気に入りました。

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    投稿日: 2009.02.13
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    失踪してしまった友人に薦められて、見つけたちょっと不思議なお店の話。 こういう現実的なようで、幻想的なオムニバスストーリーが大好きです。

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    投稿日: 2008.12.13
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    知人に紹介された料理屋。 1人でしか行けない料理屋。 そこは、一緒に食べる人も紹介してくれる奇妙な料理屋さんでした。 ただ一緒に食べるだけで、会話はこちらが望んだ時のみ。 ただ静かに食べるという、それだけの話なのですが 半分ほど読んだ所で「おや?」と思い始めました。 主人公である小山は、後輩にその店を教えてもらいました。 その後、後輩が失踪してしまったので、小山が別の人間に教えた時 もしや…と思ったのですが、最後でやってくれましたw まったく違和感がなく、文章ってすごい! と思った1冊でした。

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    投稿日: 2008.09.18
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    友人から紹介された名前のない、場所も決まっていない不思議な店。 そこに行くと、毎回違う一人の女性と二人きりで食事をする。話が弾む事もあるし、殆ど喋らない事もある。そして、二度とは会わない。 自分も人の話を聞いているのが好きなのでこういう気持ちよく分かります。 ラストの仕掛けはいいね。自分でも気付きかけたんだけどなあ。(6/8)

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    投稿日: 2008.06.19
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    森さんの一連のミステリーはとても好きです。それとは少し違った味の小説が本書です。 はっきりいって好き嫌いあると思いますが、相変わらず文章は洗練されていて、読みやすく、 逆に読みやすすぎて、損した気分になるかも知れないです。 うーん、好き嫌いはでるでしょし、ラストもあまりにも、どこかで読んだような感が残るかも…。 でも、やっぱり、個人的には好きです。料理と、それを食らう(?)女性の描写だけでも、一読の価値はあり。

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    投稿日: 2008.03.13
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    今回はミステリーではありません。同じような場面の展開ですが、ちょっとずつ違います。「世にも奇妙な…」っぽいです。

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    投稿日: 2008.03.02
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    小山が後輩の荒木から勧められた料理店は、一風変わったところだった。場所は訪れるたびに変わり、顔を見せる店員は三十代と思しき女将がひとりだけ。そして、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるのだ。戸惑いつつ、女性たちと会話を続ける小山は、しだいにその店の雰囲気に惹かれていくのだが…。

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    投稿日: 2008.01.09
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    07.12.4 読書中 07.12.12 終読 1日1つのペースで読んでます。なかなか面白い。 最後ちょっと意味がわからなかったけど・・・。

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    投稿日: 2007.12.13