
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
真実よりも「納得」が勝ってしまう怖さ!人は物語によって他人をも裁いてしまう存在…… 巻末の読書ガイドを読んで、当時の裁判制度が抑圧されてきた言論の捌け口として機能していたという背景を知り、法廷で事件から逸脱した発言が飛び交っていたことにも納得がいった。 物語中の裁判は事件の真実を明らかにする場というより、社会がじぶんたちの価値観を語り、それを被告一人に押し付ける場になってしまった。陪審員たちはミーチャならやりそうだ、という感覚を最後まで手放さず、意地を通した。が、それは悪意というより、生活感覚や常識に基づいた判断であり、だからこそ否定しきれない怖さがあった。 結局、責任はミーチャ一人に押し付けられたけど、苦しみは兄弟全体に広がり……特にイワンの内面の崩れ方は強く印象に残った。エピローグもたのしみ!
0投稿日: 2026.01.17
powered by ブクログ裁判の話が長かったけれど、それぞれの証言や発言は面白かった。 3人の子どもたちにはそれぞれ高潔なところがある。 それなのに、彼らの父親にはそれを感じることができない。 イワンが最も父親を憎んでいたのだろうと感じる。 そして、スメルジャコフはその憎しみに共鳴して、イワンに近づいたのだろう。 スメルジャコフの濁り方は半端ではない。 その理由もわかる気がする。 それぞれの登場人物の心理が、行間からあふれてくるようで、とても面白かった。
0投稿日: 2026.01.06
powered by ブクログあー面白かった!!!! このドストエフスキーという人は二百年ぐらい時代を先取りしちゃってる、というか普遍的に人間を見透かしちゃってる!! 虹色のルーブル紙幣のように人間は、「真実」とは多面的で、読者もこの大事件に引きずり回されちゃうのだ。 一気読みしてしまった。大声で世界中にお薦めして回りたい最高のエンタメ
0投稿日: 2026.01.04
powered by ブクログ19世紀ロシア社会の激動を背景に描かれた小説であり,きわめて多くの問いを内包し,長く人々を魅了してきた作品である。
0投稿日: 2026.01.01
powered by ブクログミーチャの人間臭さ。イワンの苦悩。アリョーシャの達観。 "彼は最後まで言い切らず、法廷のすみずみまで響きわたる声でわっと泣き出した。それは、彼の声ではないみたいな、新しい声、思いがけない声、はたして彼のどこから湧いてきたのかわからないような声だった。"
15投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ主要人物の内面にスポットライトを当てつつ、同時に「父殺し」が一つの家庭内の不幸な出来事に留まらず、法曹界の闘いやロシアの行く末などの観点も巻き込んでいき、テーマの深さと広さを感じた。
0投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログ自らを社会主義者と言う少年コーリャの登場からイワンとスメルジャコフとの会話、そして裁判で下された驚愕の判決で終わる4巻→ 4巻の最終章である「誤審」の読み応えはすごい。検事補イッポリートの魂の論告もすごいけど、それを見事にひっくり返す他国から呼ばれた弁護士フェチュコーヴィチの弁論がまだ鮮やか。この場面だけ映像で見たいぐらい面白かった。 そこからの判決!!!うおおおおってなった。面白いよドストエフスキー
2投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログようやく最後の4巻目を終えた。 少年たちの章から始まり、ラストの誤審の章まで。 ジェットコースターみたいな激しい展開。 この物語の主人公はカラマーゾフの兄弟の三男、信心深く、誰もが愛したくなる清らかな心の持ち主、アレクセイ。 だとすると、ラストはやっぱり神の存在とは?? 人の心のなかには、神と悪魔が同時に住むものだということ。出目やその後の環境や、取り入れてきたものによって人は作られる。簡単に白とか黒とか言えないのが人間。 この本ではいつもそれを意識させられた。
0投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログカラマーゾフ兄弟のそれぞれの動きが明らかにされて、読みやすかったです。事実とは別に法定ではさまざまな憶測のもとにミーチャを裁こうとしているやりとりが興味深いです。ミステリーとしての面白さが味わえます。
1投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ名作を読もうシリーズ。とっつきやすさから光文社の新訳文庫で。駆け足で進んできてこれにて本編終了。小難しいと思っていたけど、新訳の為か案外読みやすく最後まで楽しく読めた。続編の構想があったとかなかったとか。これがドストエフスキー生涯最後の作品。
1投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ山は越えた。 細部は多分よくわかってない部分も多いが、父の死(殺害)に対する三兄弟それぞれのスタンスがわかる。法廷で検察側が展開した三兄弟のスタンスで持ってロシアという国全体を語ろうとする話法は圧巻だったし、ドストエフスキーがやろうとしていたことがここにきてようやく私にも見えてきたかも。あとはやたら人が発狂するけど、何となく地政学的な要因も大きそうな気がするなど。
1投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
間にいくつもの本を挟みながらやっと読了。3部終盤にカラマーゾフの長男ミーチャが父殺しの容疑で逮捕された。4部はその後のストーリー 最終編「誤審」より 検事のミスリードで長々とした論告に違和感があったところ、弁護人の弁論に納得の展開。個人的には、なにせあの敬虔なアリョーシャが兄を信じてやってないって言っているんだから最後は無罪確定でしょ! 陪審員長の宣言は「有罪」!え? 印象に残った言葉 「父たる者よ、汝の子らを、悲しませるな」「あなたがたの量るそのはかりで、自分も量られるだろう」
5投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ法廷劇だ。こういう小説だったのか、とびっくりする。父フョードルを殺したのは誰か。前巻までの流れで読者は一応の犯人がわかっている。でも、流れはドーミトリィ=ミーチャの有罪に向かう。それが、弁論の展開で大きく揺さぶられ、そういう方向にいくかぁと思ったら、さらにひっくり返る。このあたりの展開は、確かに1巻よりあとは一気呵成、といわれるのもなるほどと思う。 これを書いている段階で、光文社版の最終巻は読み終えているんだけどさ。さらにエピローグが一冊あるのかぁ、と読み終えて、ちょっと先にいくのを躊躇した。それくらい、嘆息する終わりだったんだけどね。実際のところ、最終巻はほとんど解説で、エピローグは普通に短かった。 文学作品としては高峰に位置づく本作だと思うけどさ。面白さはマニアックではなく、俺みたいに万人に通じるものだと思う。読み進めればね。
1投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログボリュームが大きかった…!なんとか読み終えられてよかったです。 どこも読み落としできない場面で、重厚感がありました。
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ圧巻。さすがに面白すぎる。イワンの悪夢、裁判の一連の応酬、、本当にここまで読んできてよかったとそう思わせてくれる面白さ。 フェチュコーヴィチの父親論、大変痺れました。
0投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログ第4巻はコーリャ少年のキャラクターがよい。しかしコーリャ登場も唐突。これは確実に第2の小説につながる。鉄道や爆薬のエピソードは何気なく読んでしまったが、将来ロシア皇帝を暗殺することを暗示しているという解説はなるほど。 裁判は最後に何かどんでん返しがあるかと思ったがあっけなかった。 全体を通して似たような構造の別の話が折り重なっていて重層的という表現がぴったりの小説。第1の小説だけでもいろんな読み方ができる。この懐の深さは確かに世界最高レベル。それでもストーリーはやや中途半端かも。より重要な第2の小説があると言われるとなおさら。
0投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ読了。読み応えがあった。 もちろん現代のミステリーやサスペンスに比べると非常に荒削りだし、いろいろ突っ込みたいところはあるが、第3部からの怒涛の展開で読む手を止められなかった。 村上春樹が『ペットサウンズ』の後書きで 世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。 と言っているらしい。 なんとか読破したことのある側に立つことができました。あとはエピローグ頑張ります。
0投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ読書ガイド入れて700ページあるけど、特に後半が面白すぎて一気に読んだ。 巻末に階級などの解説があるのがありがたい。
0投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。 そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこそ真実でしょ?でも、イワンも悲しいかなもう1人の自分という悪魔に苦しめられてる… そういうのぜーんぶ持って第12編の『誤審』へ。ここはまるでオリエント急行の殺人の後半のように事件の真相が暴かれていくかとおもいきや、ミーチャの態度がおもろすぎて…自滅しかねませんよ! さらに検事と敏腕弁護士との腕の見せどころみたいにもなっていて、思わずうなってしてしまいます。 そして判決をくだすのはなんと、「お百姓たち」。。 お、おまいらに何がわかるんだい!! …ここまでが4巻でした。 カラマーゾフの兄弟は未完の小説と言われていますし、5巻はエピローグということですが、いったいどこまで書かれているんだろうとドキドキしています。
5投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ父殺しの謎が明らかにされてゆく第4巻。カテリーナの本心、イワンとスメルジャコフの3度の対決、圧倒的な法廷シーン。長さを感じさせない700ページ。続きが気になり、そのまま5巻に突入。 読んで良かったと思う絶対的傑作です
1投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ「カラマーゾフの兄弟4」 「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」 ※4.5の感想です これで、亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟全巻を読み終えた。 長くて苦しくて楽しくて、、今まで読んだどの本にも無い読後感だった。 それはこれが、未完の大作であるからということも大きいのかと思う。 ドストエフスキーは、このエピローグまでを第一の小説とし、その13年後を描く第二の小説を念頭に置いて書いていたが、亡くなってしまったから。 にもかかわらず、この完結性の高さという、他に比べようがない(少なくとも自分が読んだ中では。)「人類の奇跡のような」作品。←訳者、亀山郁夫氏の言葉 まずは、第4巻から。 第4巻は、第10編「少年たち」という話から始まるのだけど、これが個人的に素晴らしく良くて、ドストエフスキーの、反抗的でありながらも、少年のもつ純真さや繊細さ、故の暴力性を台詞回しや出来事によって描き切る才に驚愕した。特に、後々まで重要になるコーリャという少年の描写が本当に良くて、、どことなく、スティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」の世界観を思い出させた。(これも傑作中の傑作) イワンの内面が徐々に浮かび上がる中盤、スメルジャコフとの対話のシーンは不穏で不気味、グロテスクで、なんだか自分自身の内面を暴かれているようでどきどきした。 その流れからのミーチャの裁判。 世の中の残酷な事件や、戦争、虐待。 「父殺し」という作中での直接的表現にそれらをあてはめてみると、更に先ほどのイワンの内面描写が他人事ではなく思えて今度はゾッとするのである。 そしてそれらを見つめる「わたし」の俯瞰的目線、それによって台詞の意味が補完される。 5巻にある訳者による解題での「ポリフォニー(多声)性」という手法の巧みさ!読み手により如何様にも読めるという面白味に加えて、最大の主題「神はあるのか」についてもまた、登場人物の言動や行動や、それに伴う結果のそれぞれの違いによって複雑に絡み合って、決して白か黒かでは分つことができない。 その「複雑さ」がリアルで惹きつけられる要因のひとつなのかもしれない。 またしても「二項対立の脱構築」的思考だなと、、 第5巻エピローグは、僅か63ページ。 これで本編自体は完結する。 最後のアリョーシャのスピーチを読んだとき、本当に自然に、ハラハラ涙が出て、心が動くということは多分これのことなんだなと実感した。 これまで積み上げてきた長い物語世界の、一つの側面であり大きな主題でもある、先述した「神はあるか」についての、人間としての最適解というか、本当は全ての人間がこうありたいと願っていると「思いたい」と思える、素晴らしいものだった。 143年前のロシア古典文学が、今もずっと読み継がれている理由が身に染みてよくわかった。 訳者違いで、また何度も読みたい。 素晴らしい読書体験だった。
0投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログエピローグも含め本編読了。感無量です。3ヶ月ほどかかりましたが、後半は噂通り怒涛の展開に一気読みでした。 しかしこんな長い小説なのにひとつの事件を挟んでほんの数日の話なんですよね。 狂おしいほどの一族の愛憎の物語が終わり、しばし呆然としております。 カラマーゾフ家を巡る事件の顛末には、アリョーシャとイワンが語る、神は存在するのか?という命題が通奏低音のように共鳴していてる。ミーチャを通して「罪のない1人を罰するよりも罪ある十人を許す方が素晴らしい」というメッセージが浮かび上がってくる。 新訳だからかユーモアもあって思いの他読みやすかったですね。挫折する感じはなかった。 ロシアという国を批判的に描いてもいて、神と信仰を問う宗教書のようでもあり、恋愛小説でもあり、推理小説でもある。 何より人間の根源的な欲望や魂の救済を全身全霊で描き切ったエネルギーに圧倒されました。
13投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ可愛いペレズヴォンからスタートし、ドアに指を挟んで怪我をするリーザ、悪魔と会話するイワン兄さん『ホザナ!』 アッという間に読み進んでしまいました。 続きが気になるけど、もう読めないのが悔しいです。 もっとキリスト教を知りたくなる本になりました。
0投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログイッポリートによるアレクセイの人物描写がおもしろい。確かに、宗教への傾倒は現実逃避の一形態かもしれない。 p.520-521 「いまやわたしたちの社会においては、あまりにも多くの人間が、こういう絶望を抱えているのです。彼らは冷笑的な態度や社会の退廃におびえるあまり、あらゆる悪がヨーロッパ文明のせいであると独断し、自分たちが言うところの『生みの大地』へ、つまり幽霊を怖がる子どもみたいに、いわば大地の母性的な抱擁に身を投じるわけです。弱り果てた母親のしなびた胸でせめて安らかに眠りたい、怖くておそろしいものを見ずにすむなら、一生涯でも眠りつづけていたいと切に願っているのです。」
0投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログここまで読んできた内容が全て回収されて行く爽快さと、二転三転する展開のジレンマで、読む楽しさを味わえる4冊目だった。 余りにも細かく、記憶の片隅にあった、今までの事柄も引っ張り出され、証言され、論告される。読み返したくなった。
0投稿日: 2023.06.05
powered by ブクログミーチャの運命はどうなってしまうのだろう? 弁護人が定義している神秘主義でなく、神の教えをちゃんと実践するべきらしいけど、難しい。 コーリャ「秩序のために神は必要」アリョーシャ「みんなと同じ」は2巻目を読んだ時に持った感想。 「みんなと同じでも同じ人間になっちゃいけない」神の教えを実践することともに、難しい。
1投稿日: 2023.05.30
powered by ブクログ感想はまとめて最終巻(5巻)に書きます。 ※今の時点で最終巻読了し、感想も書き終わったので、5巻の感想もすぐアップします。
60投稿日: 2023.05.02
powered by ブクログロシアがウクライナ侵攻しているタイミングです。特に最後の章が面白かった。当時の宗教や社会制度に対する著者自身の葛藤を代弁している作品とも言われますが、現在のロシア政権やその問題と重なって見えてくるところがありました。
1投稿日: 2023.04.02
powered by ブクログ登場人物がまた増える。それぞれが個性豊かで外見の描写も細かく面白い。この物語を傍らで見て語っている誰か…語り手が心情を織り込ませてくるたびにこちらもふと我に返って全体を見渡す。
1投稿日: 2022.12.26
powered by ブクログ少年コーリャ登場、イリューシャとの顛末。明かされるイワンとスメルジャコフの秘密。そしてついに裁判が始まる。 700ページある第4部は、さらに会話文の冗長さがマシマシになっていてうんざりしてしまいそうになりつつも、二転三転する怒涛の展開に目が離せないまま一気に読了。 第10編ではコーリャという少年の魅力と、アリョーシャと少年たちの交流に、悲しくも心洗われる。第11編ではイワンとスメルジャコフに焦点があたり、ここから裁判に向けて物語が大きく動いていく。続く第12編では、ミーチャの運命はどうなる?という思いのもとに裁判を見守ることに。証人たちの答弁に一喜一憂させられるのはミステリー小説的な感覚が強い。検事による論告と弁護人の弁論という対決も見どころのひとつ。 筋書きを追うだけでも面白いが、単純に悪人・善人とは言い切れない、個性的な人物たちの魅力とその背景には惹かれる。特にカラマーゾフの兄弟たちはやはり半端ではなかった。様々な苦悩や葛藤が重層的に描かれていて、一読しただけでは消化しきれない深みがあると思った。5巻のエピローグが気になりすぎる。
2投稿日: 2022.09.16
powered by ブクログ第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろわれているのか。 すべてが繊細すぎ、すぐ傷つく。そして、この物語の背景に神キリストが居る。この世界を支配している。それが我々には分からない理由の大半を占めるのかもしれない。
3投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ凄まじいカタルシス。物理的にはいちばん分厚いけれど、体感時間はいちばん短いと思う。散りばめられた細かいサイドストーリーが思わぬところでつながり、異様な説得力を伴って胸に迫る。この物語に賑やかしのモブなんていないことがよくわかる。
2投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ父親=ロシア=フョードル、と恐らくたとえが置き換えられており、かつ、フョードルは「父親ではない」として、ロシアの国としての態度を批判している構図。そもそもこの父親は生物学上の父親ではあるが、父親たる行動はとれていないため、その子供には権利と自由が生まれる、としている。 その偽父親を国民の8割を占める「農民」としてのスメルジャコフ(偽父親の私生児)が、自身の境遇を呪って殺し(状況を誘導してその状況を作り出し)、その罪をロシア貴族階級に負わせようとし、それらを農民たちが支持し(誤審し、または分かっていても罪を着せ)、目論見は成功してしまう。農奴解放がなされ平等化が進むように見えるが、内面的な階級分断は続く、という予言? ミーチェは恐らく「新生ロシアの人民(またはあるべきロシアの人民)」の象徴として描かれており、それらは神秘主義のようなもので覆われてもおり、誤解され、追放されてしまう。内在する良心が「神」として言及されているようにも見え、スメルジャコフの自殺もこの良心の呵責(イワンの影響での無神論者の否定?)が原因と推察した。 それらを見抜いているアリョーシャは、第三者視点として「神」のような位置づけで描かれているようにも見え、一方で「新たな父=あるべきロシア」として、「子供たち」と対比されているようにも見える。 イワンは旧ロシアから新ロシアの移行過程での歪や痛み、移行そのものの象徴であり、苦しみながらも、精神を病みながらも「真実」に辿り着くことを表現している?今後の人民の姿の予言的表現? その他大量の属性は消化できていない。裁判が終わった際にほっとした男性陣、無罪を確信する女性陣、その中での貴賤の違い。当時の性別観が分かっていないため、意図をくみ取れない。など大量の積み残しはあるので、上記の解釈も網羅的ではない。 描かれていない後半パートでは、ロシアの行く末を悲観的に見ているとした場合、シベリア送りの新生ロシア人民に救いもなく、新ロシアとしてのアリョーシャが子どもたちなどに殺されるような構図なのだろうか。 前半パートでは、実は貴族階級だったが生まれの違いにより身分が低くなってしまったスメルジャコフによる、偽父親の殺しであり、農奴解放された農民自身が自分で自分を罰してしまうような形になっているように見えるが、ドストエフスキー自身がロシア人民に何を言いたかったのか?皮肉にもこうなってしまっている、ということなのか、農民自身が変わらないといけないというメッセージなのか。 小説内部に盛り込まれている当時の世相を表す大量の情報の引用など、書く内容の壮大さとともにそれを表現する技法も壮大であり、全てがすべてに意味を持たせているところが、良い意味でのいくつもの解釈をもたらし作品の深さと幅を持たせている。 年表に載せ当時の世相をくみ取る傑作でもあるうえ(詳細な心理描写と全体構造の提示ということで、国家を網羅的に”表現”したと感じる。網羅的に文章化することはほぼ不可能だが、それを”表現”にしてしまうことで小説という単位に落とし込めた)、ドストエフスキーという機構を通じた将来的な予測、研究の対象や錨として参照されることに耐えうる大著だとこの4部を通じて思い知らされた。
2投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ゾシマ長老とフョードルという、二人の「父」を同時に失ったアレクセイ。また、「運命と闘い、自分を救う」ために奔走するドミートリーは、ついに念願のグルーシェニカの愛を手にしたものの、「父殺し」の容疑で逮捕され、早くも別りの運命にさらされようとしていた。そして、カラマーゾフ家との紐帯ばかりか、カテリーナとの愛も断ち切ろうと決意してモスクワに発ったイワンと、同じ日の午後にとつじょ癇癪の「発作」を起こし、今は離れで眠るスメルジャコフとの関係は、いよいよ謎を深めるばかりだった。
2投稿日: 2022.06.23
powered by ブクログすごく面白いミステリだった。明瞭な真実が晒されることはないから、正確にはミステリじゃないかもしれないけど、意外な結末だった。第二部が書かれなかったのが残念でならない……
2投稿日: 2022.05.06
powered by ブクログ一転法廷劇に。 法廷劇で頭に浮かぶのはカミュ『異邦人』。 多分人生初、そしてその後も深く心に残った 法廷劇小説だ。 映画では『十二人の怒れる男たち』 『情婦』『評決』。 これら傑作のモチーフになったのが この『カラマーゾフ』だったのかもと 読んでいて思った。それほど面白く深い。 諸々の絡み合いが巧みで凄い。 今日市図書館で本書の訳者亀山郁夫の本を 読んでいたら『カラマーゾフ』を50回読んだ ドイツの哲学者がいるという。 ウィトゲンシュタインは全文を諳んじるほど 細部を読み込んだらしい。重層的。 村上春樹の6回なんて比じゃないと思った。
2投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ4巻の冒頭「少年たち」。1巻冒頭の「著者より」や亀山先生の100分de名著での解説が無かったら、またドストエフスキーの悪い癖で、主題に関係ない道草かと思ってしまう処。 チョッと小生意気な少年、コーリャの登場と不幸な少年イリューシャの死期。彼らとアリョーシャのやり取りが次の物語の開始となる。 次兄、イワンの物語。 長兄ミーチャは乱暴者で、欠点だらけの人間だが、情熱的だし、嘘つきではない。末っ子のアリョーシャは誰からも好かれる好青年で、信仰に厚い。 イワンは無神論で、頭は良いのかも知れないが、なんか醒めてる人間。イワンとカテリーナの恋愛感情はピンと来ないな。イワンがスメルジャコフと対峙し、事件の全容を明らかにするのが第11篇のポイントかも知れないが、その後のイワンの見る幻との対話に面白さがあった。 学生時代のゼミの前に朝まで勉強し、少ない時間だが少しでも眠ろうとしたんだが、熱を持ったフラフラした頭のなかで、僕と友人がゴチャゴチャ対話し始める。 「だから、オマエのリポートは論拠が怪しいんだよ」「いや、十分な証明を展開しているよ」。会話の上のレベルで「オレもオマエもオレの頭の中なんだから、ゴチャゴチャ言うな。」そのうち、更に一段その上のレベルのオレが「煩い。早く寝ろ」と叱る間もなく、自分と友人の対話がまた始まる。 イワンの見る亡霊。「大審問官」でキリストとの対話(?)があり、此処では悪魔との対話がなされる。ちょっとショボいけど、悪魔と酒を酌み交わしたら面白いかなと考えた。キリストよりは面白いんじゃないかな。 イワンの精神病の発病。罪の意識が引き起こしたということか。 最終の12編「誤審」。面白いけれど、長過ぎ。グル―シェニカがさほど美人じゃないと記述があり、驚く。小悪魔的なグラマーな美女だと思っていたのに。 カテリーナの論述は、やはり復讐なんだろうな。あるいは、錯乱状態で自白するイワンを助けようとしたのかな。 ミーチャは度々裁判官に窘められるが、まあミーチャらしいんだろうな。イワンはもっと兄貴を助けることが出来たんだろうに。まともな精神ではなかったからということなんだが、少々興を削がれた印象だった。
2投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログ2021/7/31 小林秀雄の『信ずることと知ること』というのはここに端を発しているのか。 1〜4巻の中で繰り返し、事実と空想のどちらが正しいのか論争が起きる。ついに4巻の最後で後者が勝利したんだ!と思えば、裁判の判決は前者に傾くどんでん返し。ドストエフスキー自身も最後の最後まで葛藤するテーマだったのだろう。
2投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ二巻同様、次男イワンに翻弄されます。 主となるのは長男ミーチャの振る舞いに対する真偽。 これまでの登場人物が一堂に会し意見をぶつけるさまは予想できるところもあり、そうなの!?と読む手が止まる時もしばしば。 裁判シーンは形式上過去が整理されるのでスポーツのようにわかりやすくなります。 とはいえ、それでも頭を悩ませるのがこの本の特徴です。 カテリーナはなぜその振る舞いを? スメルジャコフって、脇役だと思っていたのに! イッポリート、後からの登場にしてはよくしゃべる、、、などなど。 現場にいるミーチャの気分と重なっていると思うほど混乱します。 極めつきはイワンです。 初めての読書の中で、彼の発言が最も興味深く、わかりません。 誰よりも自分の思考を自覚しているからてしょうか? 『あれ』の存在で、さらに理解が難しくなりました。 最終五巻では彼らの真相に近づけるのか、がんばってみます。
3投稿日: 2021.07.10
powered by ブクログ複雑で発散したような展開のようで、最後はしっかりとまとめてきたって感じ。読み応えあり。解説者が「計算し尽くされた作品」というのが理解できたような気がします。 「人間は悪いことを憎むとか、みんな言ってるけど、心のなかじゃ、みんな悪いことが好きなのよ」p203 「ひょっとしたら見あげた心の持ち主だったかもしれないのに、酒と女遊びがたたって、スウェーデン人みたいに破滅してしもうた」p214
1投稿日: 2021.04.10
powered by ブクログしんどすぎたけど、達成感がすごい。ちなみに5巻のエピローグも読んだ。 再生される映像がモノクロだった。 宗教、哲学、近代思想、サスペンス、恋愛、家族愛、兄弟愛、友情など一つのジャンルに絞れない。 不朽の名作を読むことができて嬉しい。いい経験になった。 暇な大学生は良い春休みの幕開けをした!
1投稿日: 2021.02.07
powered by ブクログカラマーゾフの兄弟 (4) (光文社古典新訳文庫 (KAト1-4)) (和書)2009年06月23日 20:42 2007 光文社 ドストエフスキー, 亀山 郁夫 イワンとスメルジュコフの関係がとても面白かった。 洞察力と関係妄想の繋がりなどが秀逸に結晶化されて作品になってるように感じる。 イワンは発狂しているのかしていないのか分からないが、その精神的現象がとても良く描かれている。 エピローグは短いからこの本でほぼ終わりらしい。
1投稿日: 2020.09.25
powered by ブクログ4巻読了。 ・ミーチャの裁判の結果がでたとこまで。 さいごタイトル、お百姓たちがいじを通しましたって、どういうことだろう? ・怒涛の展開。人々は、博学で弁が立つなぁとだれもかれも。 ・人情とか、1人の人のなかには多面性があるとか綺麗事でなくいきいきと描かれてた。 ・貴族の父殺しは重罪で、道に倒れてて凍えてる虱だらけの農奴とか下男のグリゴーリとかを杵で殴ったりしてもたいして罪に問われないとか、きっちりした身分制度、人々の意識があるなぁと思った。今では人権とかあるけどこの時代のロシア社会が垣間見れるよな。グルーシェニカの召使とか。 ・ロシアの身分制度の説明、階級と官位の説明が、巻末の読書ガイドにあった。ロシア帝国に住む全ての住民が、いずれかの階級に属してたそうだ。 ・うわー裁判の結果!? 二転三転。 ・父殺しを心の底ではみながのぞんでる? ・13のコーリャの鉄道事件にははらはらした。しかし、ベレズフォンが、イリューシャが針を飲ませてしまったと悔やんでたあの犬だったとは! ・イワンは狂ってたのか。スメルジャコフもそうなのか。 読めば読むほど、だれが事実をはなしているかがてんでわからなくなってきた。 イワンと話してた。悪魔、分身、は果たしてスメルジャコフだったのか。スメルジャコフが3千ルーブルほしさに、ほんとにやったのか。みんな妄想なのか。 わけがわからんくなるが、現実ってそういうもんかも。わたしの見ている世界っていったい・・・
3投稿日: 2020.05.19
powered by ブクログp.369 真実ってのは、たいていの場合、気がきかないものですからね。 p.373 苦しみこそが人生だからですよ。苦しみのない人生に、どんな満足があるっていうんです。 人の魂の営みは、決して合理主義的かつ科学的な思考ではとらえきれない。
1投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ1月のとある日曜日が娘の誕生日にあたり、東京都多摩市のサンリオピューロランドに連れて行きました。”誕生日ドンピシャに行くと色々と嬉しいことがある”そうで。日曜日なので、この日は激しく混雑することを覚悟して行きましたが、想像の通りでした。色々とお目当てのアトラクションを楽しむために、役割分担を決め、 ●僕が単独行動で次に行きたいアトラクションに並ぶ(あるいは場所取りをする)。 ●娘と妻が、前のアトラクションが終わったら、並んでいる僕に合流。 ●娘と妻が来たら、僕は次のアトラクションの行列に並ぶ(あるいは場所取りをする)。 と言う流れで、それなりに上手く物事は済みました。アトラクションをまざまざと楽しむ娘の様子を間近で見れないのはちょっとだけ残念ではあったけど、その代わり僕としては贅沢な長時間を読書しつつ、同時に家族に大いに貢献できることになる。人生は予想できない事件に満ちあふれては居るのでしょうが、なかなか珍しい一石二鳥です。それに、屋内施設なので暑いとか寒いとかが無いのが大きい。1月なので、これが屋外施設だったら、流石に泣き出していたかも。 その日は「カラマーゾフの兄弟」の4巻を読み始めていました。普段はlikebookという最近購入した電子ペーパーのタブレットで読んでいるのですが、この日はそういう状況なのでスマートホンで読書。 「キキ&ララ トゥインクリングツアー」の行列に並んでいるときに、第10編「少年たち」が佳境にさしかかってしまって。死病の床に就く少年イリューシャを、気まずい仲になっているコーリャが犬を連れて見舞いに行く場面です。この犬が、ずっとずっとイリューシャが探していた犬、ジューチカだったんですね。イリューシャが「これは・・・ジューチカだ!」と叫ぶくだり。 もう、言葉も無いですね。 涙、涙です。 ドストエフスキー、すごい。ずるいんですよ。読者側はまさかそうなるとは思えない展開なんですよ。 19世紀にロシアで、ロシア語で紙に書かれたただの文字が、140年の時を経てサンリオピューロランドのキキ&ララ トゥインクリングツアーの行列で日本のおっさんを泣かせるんですね。 列の前後には中学生くらいの女子たちが賑やかに並んでいたので、スマホを見つめながら涙を拭っている男のことを、気味悪がられてしまいました。「いや、今泣いているのはイリューシャがもうすぐ死ぬというところで、とうとうコーリャが見舞いに来て・・・」と説明しても事態は好転しないでしょうから、何もしませんでした。もう僕も大人ですから。 ▼「カラマーゾフの兄弟 4」ドストエフスキー。初出は1880年。亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫。2020年1月読了。 「カラマーゾフの兄弟」はもともと作者の意図として「全4部+エピローグ」という構成で書かれています。光文社古典新訳文庫版はこれを忠実に本にしたそうで、第4巻はすなわち第4部になります。 「少年たち」「兄イワン」「誤審」の三つの章から構成されています。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ▼兄弟は、 長男=ミーチャ(元軍人で、財産分与+女の奪い合いで父フョードルと激しく反目。第3部の終わりで父殺しの容疑者として逮捕された) 次男=イワン(インテリで文筆家。無神論を唱えている) 三男=アリョーシャ(元神父見習い。今は還俗している) フョードルの認知していない私生児?=スメルジャコフ(フョードルに料理人として仕えていた。てんかんの持病持ち) の4名であると言えます。 ▼「少年たち」 第2部で登場した、かつてミーチャと一悶着あった貧しい男の、その息子であるイリューシャ。恐らく14歳くらいなのか? そのイリューシャが病気で死の床についています。イリューシャは、いっとき人生に絶望してグレていて、友人たちを皆、敵に回してしまった。そしてジューチカという犬にひどいいたずらをした。ジューチカが死んだのではないかと気に病んでいます。 いろいろあって、カラマーゾフの三男アリョーシャがイリューシャと友人になり、イリューシャを友人たちと仲直りさせています。 イリューシャにはコーリャという親友がいて、このコーリャだけが仲直りに来てくれていない。 物語はコーリャが自分の飼い犬を連れて、とうとうイリューシャをお見舞いに行く、という話です。 そして、第3部の終わりは、連行されるミーチャ、どうなるどうなる?で終わっているのですが、第4部の冒頭は閑話休題的な別線の話。 ただ、読んでいるうちに、ミーチャは裁判待ちの状態で、もうすぐ運命の裁判が行われる、ということが分かってきます。 閑話休題的な章なんですが、これがもう、キラキラと輝く素晴らしさ。 ▼「兄イワン」 運命の裁判の前夜のお話です。 ここで、父フョードル殺害の全貌が読者に明かされます。 (ほかにも、イワンによる「どうせミーチャは有罪になるだろうからシベリアに送られる途中で脱走させよう計画」とか、いろいろありますが) もともと、事件直後からアリョーシャは「犯人はスメルジャコフです」と自信を持って語っているんですね。ただ、証拠は一切無いし、根拠もさほどない。 ただ確かに、スメルジャコフが「てんかんになったふり」をしていたのであれば、犯行は可能なんです。 それでも、とにかくミーチャが犯人であるという状況証拠が多すぎる。なので、誰もスメルジャコフ犯人説には同意しません。 そして、イワンも実はミーチャが殺したのであろうと思っていたんですね。 ただ、イワンが何度かこの章でスメルジャコフを訪ねて話し込んだ結果、スメルジャコフは自ら犯行を認めるのです。 スメルジャコフからすると、3千ルーブルという大金を手にする唯一のチャンスだった。大金を手にして忌まわしきロシアを捨てて、パリに行って人生を手にしたかったんですね。 そして、スメルジャコフは、「自分がその夜、フョードルを殺しかねないことを、イワンさんあなたにだけは僕は事前にほのめかしましたよね?あなたはそれを分かっていて、この町を去った。あのタイミングで僕がフョードルを殺したお陰で、あなたには大量の遺産が転がり込んだ。つまり、殺したのはあなただ。僕は実行犯に過ぎない。裁判で僕を訴えたら、あなたも有罪だ。あなたも人生を全て失うことになりますよ」と、イワンをにやにやしながら脅すんですね。 そもそも、スメルジャコフは、犯行の夜は「てんかんの発作を演じた」んですが、その後本当に持病のてんかんが悪化して、今にも死にそうな体調なんです。 そして、それを聞かされたイワンも、実はノイローゼで発狂寸前の状態。 ですが、イワンは、「お前の思うようにさせない!俺は明日の法廷で真実を晒す!」と宣言してスメルジャコフと別れます。 そして、イワンの葛藤。この葛藤がすごいです。ノイローゼ、発狂?とにかく、幻影を見ます。幻影に出てくる、言ってみればもうひとりの自分と熱い議論を行います。ここンところの熱量、半端ないです。 そんなイワンのヤバイ状態を救ったのは、訪問してきたアリョーシャでした。ただ、アリョーシャが持ってきたのは、「スメルジャコフが首を吊って自殺した」というニュースでした。 ▼「誤審」 章のタイトルが誤審ですから。 運命の裁判です。どうやらこの時代のロシアは、陪審員制でかつ当日結審だったようですね。 証人たちが熱い激論を交わします。男たち、女たちの法廷ドラマ。濃厚。ブルーチーズです。 イワンは真実を述べます。だが、イワンは発狂?寸前で衰弱していて、誰もまともには取り合ってくれません。証拠はありません。 なんだかんだ、つまりは証拠不十分ぢゃないかという流れで無罪か?・・・と思いきや、有罪で終わります。がーん。どうなっちゃうの? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ▼手塚治虫の「アドルフに告ぐ」もそうですが、「カラマーゾフの兄弟」は相当にプロットレベルというか、事前に構成を決め打ちして書かれています。そうでないと書けないような確信犯の語り口に満ちあふれています。(あと、連載終了後しばらくしてドストエフスキーさんが急死しちゃったそうで、「単行本化にあたって大幅に加筆修正」という時間がまったくなかったそうです。)その重厚なトリック感というか、鉄壁の戦略というか、硬軟織り交ぜあの手この手、蝶のように舞い蜂のように刺すが如き。2020年2月現在のリバプールFCのように、無敵にして強烈です。ゲーゲンプレスかと思えばポゼッションからも崩せるしセットプレーでも最強、そして鉄壁の守備という感じです。華麗なテクニックというよりも、とにかく圧力が不気味なまでに強烈、衝撃的です。そして実は、神無き世界、カネとコネに満ちあふれた格差社会の人間関係、家族のモラル、子どもという弱者の晒される悲劇をこれでもかと抉ってきます。的確にツボを圧迫してくるタイ古式マッサージのような痛み、どこを切っても実に現代的な血まみれの叫びが吹き出してきます。そして、同時にハッキリ言って腹が立つくらい読者を焦らしてミステリーとサスペンスを大音量で奏でてきます。もう頭痛がしてきそうなエンターテイメントでもあります。えらいこっちゃな小説でした(まだエピローグがあるけれど)。脱帽です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ▼小説の内容と同じくらい、将来すぐに忘却しそうなのでメモっておくと、サンリオピューロランドは誕生日当日に訪れると、首にそれを証明するカードをぶら下げてくれます。そして、施設内にいっぱいいるスタッフのおねーさんたちが、それを見つけるといちいち「おめでとー」と声をかけてくれて、カードにシールを貼ってくれるのでした。「なんじゃそりゃ!」と思わなくも無いですが、娘はそれでもう大興奮の大満足だったので、これはピューロランドの完勝。脱帽です。
2投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログフョードル+3兄弟のカラマーゾフの男どももなんではあるが、女性たちもなかなかのクセモノですね。怒濤の展開。
0投稿日: 2019.12.20
powered by ブクログついに4巻終わった!引き続き、精神病、読んでいる方が精神を病んできそうなハイな発言、信仰やロシア的なものについての見解批判…となかなか難しい議論が続く。いやほんとうにロシア人というのは、あの固い感じのするロシア語で侃侃諤諤とこういう議論をしているのか、ロシア語を理解して聞いてみたいなあと思った。米原万理さんはカラマーゾフの兄弟を読んだだろうか。もしどこかに感想や解説を書かれていたら読んでみたいなあ。
0投稿日: 2019.04.24
powered by ブクログ19世紀にこの小説が完成しているというのがすごいと思った。同じ人物が作り上げたと思えないほど多彩なキャラクターが様々な哲学を持っており、作者自身が事件の目撃者として登場しているのも面白いし、物語がリアルに感じられる。 社会制度、基本的人権、宗教、科学、司法制度、家族愛、教育、心理描写など、テーマも多岐に渡っている。 状況証拠だけで有罪を問うこと自体、未熟な司法制度と言わざるを得ないが、現代の日本でも起きてることは由々しき事実。 物質と物質を媒介するエーテルの存在が引き合いに出されるなど、アリストテレスの古典的な化学が信じられている時代というのも面白い背景。ロシアの葛藤を伝える点においても作品の魅力の1つとなっている
3投稿日: 2019.03.21
powered by ブクログ途中、次男の幻覚のところで、また薀蓄に走りそうな気配を感じ、止めてくれ~と思ったけど、すぐに終わってひと安心。いよいよ明かされる真相に、意外にもミステリ的ドキドキをかなり感じられたりして、概ね満足度は高かった。中でも最終章、特に弁護側の反論は個人的に出色で、細かく見ればありきたりの論証なんかもしらんけど、こういう作品の中、いかにもエンタメな法廷シーンが組み込まれていることに恐れ入りました。結果は納得しかねるものの、当時のロシアの世相を反映しているものと考えれば、興味深いものとも思える。特にこの第4巻は長かったし、全体も物凄いボリューム感だったけど、意外なくらい、楽しみながら読み進めることが出来た。やっぱり、本作ほどの超名作となると、有無を言わせぬ迫力みたいなものがあるんですね。納得。
0投稿日: 2019.01.08
powered by ブクログ⑩誤審 いよいよ運命の日。朝10時。この町の地方裁判所で、ドミートリー・カラマーゾフの「父親殺し」に対する公判が始まる。この裁判に対する人々の関心は高く、傍聴券はあっという間になくなった。3人の裁判官、検事、弁護士、そして12人の陪審員、皆がそろった。次々に証人が登場し、数々の証言をしていく。ドミートリー(ミーチャ)の精神状態を調べた3人の医師も証言する。その中の一人、年老いた医師の証言。20年以上前のこと、母親がいなくなった後の幼いドミートリーにくるみを一袋プレゼントする。ドミートリーはそのことを覚えていて、大人になって町にもどってきたとき、その医師にくるみの御礼を言いに来る。そんなやさしいところがある。一つのエピソードとして陪審員たちの記憶にとどめられる。アリョーシャの証言が始まる。なぜかここで突然、アリョーシャはある重大な事実を思い出す。それは、カテリーナとグルーシェニカの修羅場を見た後、待ち伏せしていたドミートリーと出会ったときのこと(6月号)。ドミートリーは自分の胸をたたいて「ここでハレンチが行われようとしている」と言っていた。「自分の名誉を回復する方法がある」とも言っていた。アリョーシャはそのとき、兄ドミートリーは単に自分のハート(良心)をさしているとしか思わず、何の疑問もさしはさまなかった。けれど、その後の兄の証言などから考えて、実はその胸には、カテリーナから預かったお金、3000ルーブルのうちちょうど半分の1500ルーブルが入った香袋がぶら下がっていたのだ。そう、兄の言っていることは真実である。それを裏付ける事実を今自分が思い出した。そう言うのだ。この事実、陪審員たちはどう受けとめるのか。カテリーナの証言。ドミートリーに送金を依頼した3000ルーブル。最初からすぐに送ってもらえるものとは思っていなかったと言う。ドミートリーがそのときすごくお金に困っていることを知っていた。このお金が、きっと別の女(グルーシェニカ)のために使われるだろうということも想像していた。それでも、まだそのときには、ドミートリーが自分に対して正直でいてくれるはずだとどこかで信じていたのかもしれない。次に遅れて来たイワンが証言台に立つ。体調はすぐれない。それでも、言わなければいけないことがある。もちろん昨夜自殺してしまったスメルジャコフのこと。イワンは3000ルーブルを法廷に提出して、昨夜スメルジャコフから聞いた話をする。つまり下男のスメルジャコフが主人フョードル・カラマーゾフを殺した上、この3000ルーブルを盗んだのだと。しかし、そんなお金はどこからでも準備できる。スメルジャコフが死んでしまった今となっては、大した証拠にもならない。さらに、イワンは自分がそそのかしてスメルジャコフに父を殺させたのだとまで言う。ここに至って、カテリーナがヒステリーを起こし、もう一つ重要な証拠があると言い出す。裁判の日より以前、カテリーナは一貫してドミートリーの無実を訴えていた。ところが、この裁判の場に及んで突然重要な証拠を持ち出すことになる。それはドミートリーから受け取った手紙だ。そこにははっきりと父親殺しの計画が書かれていた。それは、決定的な有罪の証拠として取り上げられる。どうして、ここでカテリーナがその手紙を取り出したのか。それは、カテリーナの気持ちがそのときイワンの方に強く傾いていたからだろう。イワンが自分を追い込んでいく姿を見ていられなかったのだ。その後、検事や弁護人によるこの事件に対する考え、ドミートリーの性格分析などが語られていく。傍聴人の態度がずいぶんと違う。検事が話している間はシーンとしていた法廷、弁護人が話をし出す場面では拍手喝采が繰り広げられる。実に見事なプレゼンテーションでドミートリーの無実を証明していく。証拠があるわけではない。それでも、検察側が提出する証拠を一つ一つ疑ってかかる。さらに、「父親殺し」「父親殺し」と騒ぎ立てているが、仮に「殺し」をしていたとして、フョードルという人物が本当にドミートリーの父親と言えるようなことをしてきたのか、父親とはいったいどういう存在であるのか、というところまで話は及ぶ。しかし、この点についてはドミートリーは完全に否定している。つまり自分は殺していないと。そして、最後にドミートリーのことば。「父の血に関して、僕は無実です。僕は殺していません。」裁判は夜中まで続いていた。さらに1時間ほどの審議が続いた上で判決が下される。傍聴人は誰一人帰ろうとしない。12人の陪審員たちがどういう結論を出すのか。裁判長がたずねる。「強盗目的で計画的に殺害したのか。」陪審員長の答え「はい、有罪であります。」その後の全ての質問に対して、「有罪であります。」
0投稿日: 2018.10.18
powered by ブクログ裁判シーンも凄かったけど、イワンとスメルジャコフのやり取りが一番気持ちがしんどいながらも一番のめりこんで読めた。 私は三兄弟の中ではイワンが性格的に近い部分があるからかイワンのシーンは読んでて引きずり込まれそうになったところも多かった。 (2022/05/09に再読。感想は再読記録のほうに。)
0投稿日: 2018.03.31
powered by ブクログ4巻まで来て達成感を覚えつつある。 クライマックスの緊張感に圧倒されつつ、第10編のコーリャとアリョーシャの問答、11編のイワンとスメルジャコフとの対話が印象的。 スメルジャコフってよくないね、と思った。
0投稿日: 2018.03.22
powered by ブクログ第3部で展開されたストーリーが第4部では総括される形になった。純文学として読み始めたがいつの間にか犯人は誰なのか、と考えている自分に気づき、いつの間にかミステリーの世界に迷い込んだ感覚がした。とは言ってもやはり純文学。カラマーゾフの兄弟が示す命題は読者の数々だけあると言っても過言ではないほど考えさせられるものがあった。私が考えられるだけで挙げられるテーマの一つとして、「ロシア的なもの」とは何か、それはキリスト社会から派生されるものなのか、それとも猛威を振るう社会主義者、無神論者のものなのかについての追究があるのではないだろうか。カラマーゾフの兄弟は横暴なドミートリー、無神論者であるイワン、敬虔な信者であるアリョーシャ、その他諸々の人物でこれが表現されている。この人物同士でぶつけ合うことによってロシアの様々な軋轢や社会の動きを表現しているのではないだろうか。とにかく、私はこの小説を読んで考えさせる場面が数多くあったことをここに述べておく。
0投稿日: 2017.03.05
powered by ブクログ検事と弁護士のやりとりは息が詰まるような切迫感。結論は出ないのが文学か。スメルジャコフを含む4兄弟が織りなす悲劇。女性の描き方の見事さ。父親という存在の重要性を描いたのは、母性神話がある現代ではかえって新鮮。
0投稿日: 2016.12.11
powered by ブクログ亀山郁夫先生の訳が良くないのかは分からないが。 なんども読んだけれども、奥が深い。が、思い出せるのはとりあえず大審問官。 こんな小説には、滅多にお目にかかれない。
0投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログ使徒のトマスが信じたのは、復活したキリストを見たからではなく、前前から信じた行と思っていたから。 無邪気なふりを装い、先回りして、そういう考えを私に押し付けている。自分からそうした判断を引き出せるよう仕切りに誘導している、 マタイの福音書を、あなたはの量るその秤で、自分も量られるだろう、
0投稿日: 2016.01.14
powered by ブクログ語り手はアレクセイを中心に物語を進めているが、この物語の本当の主役はイワンなのではないかと感じる。 アレクセイは高潔過ぎるしドミートリーはバカ過ぎる。現実離れした兄と弟に比べ彼は最も社会に適合している。市原隼人主演の日本版ドラマでは次男が主人公だったようだが妥当な脚色だと思う。 4巻では裁判のシーンに多くページを割かれているが、当時のロシアの裁判ってこんな風にやっていたの?俄かに信じがたい展開だった。確かにDNA鑑定もない時代なので物的証拠だけで判断するのは難しいとはいえ、検事と弁護士の論述が鬱陶しいくらいに白熱する中、そんなの度返しして陪審員の個人的な感情で判決が決まってしまう事にやりきれなさを感じる。
0投稿日: 2015.08.20
powered by ブクログ2015年13冊目。 4部に渡る大傑作の最終巻。 父殺し事件における長男ドミートリーの罪の有無を巡る裁判がついに行われる。 その有罪無罪を巡る検事イッポリートと弁護士フェチュコーヴィチの弁論は、これまでの物語の中で現れてきた(あるいは現れてはいなかった)事実の解釈が一気になされ、とても見所のあるクライマックスだった。 物語全体を通して、登場人物たちの「高潔でありたいが故の葛藤」がとても印象深い。 読み取り切れていない深さがまだまだあることを確信しているので、続く5巻のエピローグと解題が楽しみだし、何度も読み返したいと思える作品になった。
0投稿日: 2015.01.17
powered by ブクログいままでの巻で一番読みやすいし、面白かった。ミステリー小説のよう。印象に残る言葉も多かった。アリョーシャと話すコーリャ君がかわいい。
0投稿日: 2014.12.08
powered by ブクログ意外にもあんまり入り込めなかった、やっぱり通勤時間に読む本じゃないな、当然なんだが。 多様な角度・人物から色んなことを考えさせるこの作品は世界の名作と呼ぶに相応しい。 しかし発狂というのはロシアっぽい現象と思うのは当方だけかな?あとアリョーシャは相当にたちが悪い奴と思う当方は完全にひねくれ者でしょうか。
0投稿日: 2014.10.19
powered by ブクログあぁ、面白かった。最初はないわー、と思ってたのに、すっかり登場人物に魅了されてしまった不思議ー。 ロシア文学にはまりそうな気配。
0投稿日: 2014.09.29
powered by ブクログようやく読み切りました。 が、まだ私には読み手としての能力が足りていません。 あと、ロシア文化めんどくさい。おまけに舞台が古いし・・・
0投稿日: 2014.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
超大作でした。 700ページという量はダテではないけれども 読んでいてあまり苦痛には感じませんでした。 三兄弟がそれぞれの視点で描かれています。 もちろんメインはミーチャですがね。 法廷の場面とそれに関わる人たち… どこか人事ではないと思いませんか。 ここまで人は、非道を尽くしまくった人間には 残酷だということ。 特に自分よりも劣っている人には。 自覚ないですか? それと、悪魔との遭遇の描写は なかなか面白いものがありました。 人が狂うというのはある種 悪魔に魅入られるのかもしれませんね。
0投稿日: 2014.08.16
powered by ブクログ第4巻は、父殺しをめぐる裁判が中心。登場人物のそれぞれの立場、複雑な感情が一つ一つ明らかになっていく描写は、たしかに名作といわれるだけある。 ただ、やはり自分には冗長すぎて、この作品には今一つ入り込めなかった。何回も読んでこそわかる、というのが古典たる所以なのかもしれないけれど。
0投稿日: 2014.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2014 4/8読了。Amazonで購入。 ミーチャが捕まってしばらく。イワンも街に戻り、公判開始に向けて準備をする。カテリーナとグルーシェニカはいよいよミーチャを巡って嫉妬の争いを深めている。 裁判開始前日、ついに明らかになる事件の真相。ゆれるイワン。そして審理の開始と、驚愕の結末。 決してミーチャがいいやつだなんて思わない、これっぽっちも思わないけど、弁護人がいうようなやつであるのは確かだろうなって、ここまでの分厚い記述を読んできて思う。悪いだけのやつじゃない。 それだけに、そして事件の真相が読者には知らされているだけに、審理の結果は「なんで?!」という感じ・・・お百姓が意地を通した、とは? エピローグをはやく読みたくなってきている。
0投稿日: 2014.04.08
powered by ブクログペテルブルグの弁護士がどうひっくりかえすのか期待したが、予想に反する結果となった。ああ、どうなるドミトリー・・・。 ざーっと読んだ。
0投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログ「カラマーゾフの兄弟」もついに第一の小説のクライマックス(第二の小説は未完)。父殺しの嫌疑をかけられた長男・ドミートリー(ミーチャ)に判決が下る。 息詰まる裁判のシーン。 ゲルツンシトゥーベ医師による証言「ミーチャは、私が与えたくるみの事を20年経っても忘れなかった」というのが印象に残った。ミーチャは粗野で野放図なイメージだが、繊細な優しさも秘めた人物である事を物語っているからだ。 作品全体に言える事だが、解説を読んで初めて気付くことが多い。それだけ多くの秘められた意図があるという事。 いつの日か再読する日が来るのだろうか。
0投稿日: 2013.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間の思い込みがいかにキケンか。いかに真実をかくす危険性があるのか、がよくわかった。でも理解するのが、むずかしい〜
0投稿日: 2013.10.14
powered by ブクログ物語を読み進めていくにあたって、私がとくに注目したのは兄弟の順番とその性格。長男ドミトリーは、原始的な欲望と高潔さを両崖に橋を架けようと葛藤、次男のイワンは無神論者を装いながらも自分自身が神になることを望む、三男は第二部の小説にて時代の新風を背負うはずだった戦う天使。そしてスメルジャコフという「におい」。
0投稿日: 2013.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この巻の前半は時間のスパンがやや大きくなるが、後半の法廷場面では、小説の時間の進行と現実のそれとが同等なくらいに細密に描かれている。また、第2巻あたりで長老ゾシマの物語としてあった神の問題も、ここではすっかり影を潜め、この巻では世俗に徹して語られる。あたかも法廷小説のような展開だが、検事の論告、そして弁護士の弁論はそのいずれもが、ミーチャに起りえたかも知れないことであり、事件に「真相」はあっても、「真実」は計り知れないという思いにもなる。錯乱したイワンを含め、これでカラマーゾフ家は崩壊するのだろうか。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログいよいよミーチャの裁判。 ゴシップ好きな街の人達は面白くてたまらなかっただろう。 街の検事とスター弁護士の対決、令嬢達の恋愛のもつれ、父親殺し、発狂した弟、聖人の弟。 こんな面白い要素のごった煮の裁判、面白くないはずがない。 検事の論告が想像で成り立っている事に恐怖し、弁護士の論告がそれを塗り替えていく事に快哉を叫ぶ。 裁判の間じゅう、無実のミーチャが有罪になってしまう!とハラハラした。 弁護士の論告は拍手の嵐。なのに!このジェットコースター! しかしこんなに確たる証拠がなくても裁判になるのだ。陪審員制の怖さを思った。
0投稿日: 2013.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語はイワンとスメルジャコフの3度にわたる対談、そしてアリョーシャのイワンに対する「父を殺したのはあなたではない!」との言葉を含む対談。法廷での検事・弁護士の論述の対決など緊張感を持って進んでいきます。またここでも第2の小説へ向けた伏線としてイリューシャの死とコーリャ・クラソートキンたち少年がかなりの重要性で登場します。これは第2の小説への繋がりということを考えずしては無意味な章であり、やはりこの小説が未完成であったという事実を改めて痛感しました。これも30数年前に読んだ際にはあまり感じなかった点であり、いかに当時私自身が観念的な読み物としてこの小説を考えていたのかを考えさせられました。 裁判の場面は米国の陪審員制度の問題点と同様の危うさを感じさせてくれるのも、その後私自身が多くの米国の裁判に関する映画を見てきたからだと思いました。
0投稿日: 2013.08.26
powered by ブクログ「カラマーゾフの妹」と並行させて。 法廷モノ、好きなので、結構喰いつく! 人物なんかも手に取るごとく…という感じで、 面白くなってきた。
0投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログミステリとしての展開で見れば、これ見よがしの伏線が効果的。わざとらしい張り方ではあるが、後半の法廷シーンでの大きなポイントとなってくるので、時間をかけて熟成させた甲斐がある。検事と弁護士の攻防は、リーガル・サスペンスの王道とも言うべき展開。両者ともかなり無茶な主張ではあるが、根拠の羅列と、積み上げていく論理に一種のカタルシスを感じてちょっとシビれてしまった。 神と信仰をめぐって論争した際に、イヴァンがアリョーシャに語る「大審問官」は、文学史的に特に有名だが、なぜかここで『ドグラ・マグラ』の“ちゃかぽこ”を思い出すという……。信仰と自由は相容れないもの。信仰から解き放たれた瞬間に真の自由を感じるだろうし、また自由であればあるほど、信仰心は根付かないのではないか。 作中には多くの“賛否”が登場する。角度を変えることによって見えてくるプロ(肯定)とコントラ(否定)。それは信仰と無神論だったり、有罪無罪の評決であったり、異なるふたりの女性であったりする。そういう二面性が根底に横たわっているような印象が強く残った。光と影のコントラストは天使と悪魔を連想させる。結局はそこに帰結するのかな。
0投稿日: 2013.02.05
powered by ブクログ何が真相だというのか。誰が罪を犯したのか。 裁判の攻防に息が詰まる。一気に読ませる感じ。真実に基づき、理性で裁いて、結局は小説を作っているのが裁判か。スメルジャコフのコワレっぷりに、イワンが崩れていく。カテリーナは、“まとも”だと思う。“カラマーゾフ”に屈しないと意地を張り続けるのが彼女のプライド。美しい人。 先に宝塚の舞台を観ていたけど、だいぶ違う結論になっているんだな、と気付いた。向こうはだいぶタカラヅカ的な結末になっている。エンタテイメントとしてのカタルシスはやはり舞台だけど、小説はやはり何年も読ませる、世界の文学に影響を与える結末。
0投稿日: 2013.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ロシア人とは何だろう。カラマーゾフの兄弟は、3人がそれぞれロシア人の典型を表したのだろうか?ロシア人気質というものがあるのだろうが、日本人にはあまり馴染みがない。 世界的に有名な古典であるが、訳者が大変分かりやすく平易な言葉を使っているので、ますます小説のテーマというものが、よく分からない。話はあちこち飛ぶし、どうつながっているのか、よく分からない。登場人物はいずれも饒舌で、そこらへんの主婦が井戸端会議をしているように、脈絡もなく、余計な話を混ぜ込んで喋る。これはロシア人の特徴なのか、それとも小説故にそういう体裁をとっているのか?これも疑問である。 最後にミステリーの法廷物にどきどきわくわくさせられるのだが、意外な結末が待っており。過程と結論が必ずしもミステリーのように論理的につながっていないのが、不思議だ。 このよくわからない展開が、予想できない展開がまた楽しみでもある。 巻末の読書ガイドは、理解を助けてくれるのに、本当に有効である。
0投稿日: 2013.02.02
powered by ブクログ長けりゃいいってもんじゃないだろう。。 長過ぎて前に読んだことを忘れてしまう。。 検事と弁護人の最終弁論150頁も要らないだろ。。 全体を通して言いたいこと何なんだ? ないのか?ひょっとして。いろいろな人、エピソード出して、メッセージてんこもりなのか? だとすれば、この裁判のくだりも別にクライマックスとかいうわけではなく、エピソードのひとつ、ミーチャ編ってことなのか。だってアリョーシャもイワンもほとんどかまない。 それ(ミーチャ編 笑)にしたって、カーチャ、イワンの3角関係、愛憎ドロドロってだけで、特に目を引くところもないしなあ。。 ところで私、岩波版も割と最近読みました。数年前。かけらも覚えてなかった。裁判の結果すら。それだけ印象薄い
0投稿日: 2012.08.22
powered by ブクログ700ページには最初心が折れそうになったけど、圧巻。 登場人物とともに涙がでそうになった。 さすがドストエフスキー。
0投稿日: 2012.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人々は心義(ただ)しい人間の堕落と恥辱を好むと好む 心理学は諸刃の剣 裁判 弁護 法律 あなたに人を裁く権利があるのか ヴォリューム、内容共にシリーズ集大成。 裁判で物語の全容が明らかに! 検事と敏腕弁護士との最終論告での熱い闘い。
0投稿日: 2012.03.29
powered by ブクログ「きみはやっぱり、ぼくらのいまの地球のことばかり考えているんですね!だって、もしかしたら、いまの地球自体、もう十億回も繰り返されているのかもしれないんですよ。そう、いったん寿命を終えて、凍りついて、ひび割れて、粉々に砕けて、構成元素に分解して、それからまた、大気にわけのわからない溶媒が満ちて、それからまたまた彗星が現れて、またまた太陽が現れて、またまた太陽から地球が生まれて、この発展過程が、ひょっとしたらすでに無限回繰り返されてきたかもしれないんです。なにもかも、寸分たがわず、まるきり同じかたちですよ。こいつはちょっとやりきれないぐらい、退屈きわまる話しじゃないですか・・」(イワンの客人)(4巻p.379) いったいどちらを信じるべきなのか。最初の伝説、つまり、なけなしの生活費をなげうち、慈善に身を投じた高潔な衝動のほうでしょうか。それとも、じつにいやらしい、メダルの裏側でしょうか。ふつう人生では、ふたつの両極端の中間に真実を求めるのが常とされています。しかし、今回はそうはいきません。なによりもたしかなのは、最初のケースでの彼はほんとうに高潔であり、第二のケースでの彼はほんとうに卑しいのです。なぜでしょう。それはほかでもありません。彼は、振幅の広い、カラマーゾフ的な気質の持ち主だからです。(イッポリート)(4巻p.526)
0投稿日: 2011.12.16
powered by ブクログ700Pあった4巻目読了です。 長いよね。 救いはオモシロイことです。 ドストエフスキー、恐れるに足りず。 楽しくサクサク読めるんで、みなさんも読んでみてください。 この小説は、私の大嫌いなサヨクの人たちが崇め奉る露文なんで、なんとか難癖をつけてやろうと思って読みだした部分もあるんですが、評判にたがわず確かにオモシロイ。 古典小説の最高峰とされていますが、認めても良いでしょう。 でもドスさんは、川端や三島、カミュのように、読んでいるだけでうっとりするような美文の作家ではありません。 どんな作家か、というと、ひたすら人間とは何者か? 神の存在、不在を通して人は如何に生きるべきか?真理とは何か? なんてことを徹底して考え抜いた作家ですね。 ロシアという獰猛な自然の大地を舞台に、極端な性癖を持つ人間を登場させ、ドスさんは読者に多くの疑問を提出します。 読んでいると、非常に真面目な方だったんだろうな、と思いますね。 真面目過ぎる位、真面目で、粘着的なほどに考え抜く人だった。 ただ今の時代から振り返るに、ニュートン力学的な決定論に基づいた価値観ですよね。 登場人物が語るように、ユークリッド的な世界観が確固なモノとして根本にある。 最近の作家は、量子力学的ですものね。 ユークリッドの平面上の幾何学だけでなく、第5公準のない曲面上の幾何学も持ってくる。 そうでなければ、ユークリッド幾何学に、虚数を取り入れ、複素数平面上に構造を広げてくる。 作家は小説を、幾何の問題でなく、代数方程式の問題として提出してくる。 そんな感じがしますよね。 でもそこまで考えさせるのは、この小説が、ニュートン的、ユークリッド的な世界観をとことん突き詰めているからなんでしょう。 結局、芸術ですら、その時代時代に明らかになった科学の影響からは抜けきれないなんだな、とも感じました。 はあー、残りあと1巻。 300pちょっとなんで一気に行きたいと思っています。 しばらく小説はイイやと思いつつ、読み終えたらまた何か読みだすんだろうな。
0投稿日: 2011.10.13
powered by ブクログ登場キャラクターと一緒にわたしも泣いちゃいそうでした。辛かったです。 こんなに考えさせられる本に出会えたこと、うれしく思います。 エピローグも楽しみ。
0投稿日: 2011.09.05
powered by ブクログ第4巻の厚さには、ちょっと気持ちが萎えそうになりました。 通常の2冊分はある厚み。本も中身も、ぎっしりと重みがあります。 ミーチャの逮捕に合わせ、さまざまな人が大きく動き始めます。 初めに出てきた、コーリャとアリョーシャの宗教談義が、少し微笑ましかったです。 第2巻のイワンの大演説とは比べ物にならないレベル。 私にも話についていけるので、読んでいて楽ですが、それはつまり、コーリャの若さと思慮経験の浅さによるもの。 自分の年齢を指摘されるのが一番嫌だというところが、聡明な中にもコーリャの子供っぽさを見せています。 臥せっているとのことで、なかなか本編に大々的に登場してこなかったスメルジャコフですが、イリューシャに教えた残酷な遊びのくだりで、彼の本性が浮き彫りにされます。 飢えている犬に針をさした肉塊を投げ込んで様子を見るなんて、残忍すぎ。 伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』に登場する警官、城山が、無数のかみそりの刃をさした肉塊を犬の前に投げて楽しむ、というエピソードを読んで、ぞっとしましたが、ここからヒントを得て話に取り入れたのでしょう。 父親がミーチャにボコボコに痛めつけられたり、犬をそんな目に合わせたり、アリョーシャの指に突然かみついたりと、身体が弱いイリューシャには限界を超えたことばかり起こっており、哀れに思えます。 犬の件は、無事解決できてほっとしました。コーリャ、GJです。 コーリャのセリフに、「キリストは本当にヒューマンな人ですし…」(P121)とあって、読んでいてちょっと愉快になりました。微妙に砕けた訳ですね。 大事件に混乱した人々の様子が描かれます。 今回は、リーズの母のホフラコーワ夫人がとてもおもしろかったです。 遠くから見ている分には楽しいですが、面と向かって彼女に話しかけられ続けていたら、もう煉獄にいるような気分でしょう。 聖職者のアリョーシャだからこそできることかもしれません。 彼は『神曲』の世界をさまようダンテのような存在なのでしょうか。 彼女の話から、この事件が、ロシア中でセンセーショナルなニュースとして採り上げられているとわかります。 やはりあの家族は普通ではなかったと知って、少し安心しました。 (全ロシアの人が彼らのような愛憎激しい性格を持っているのかとあやしんでいました) ゴシップ誌を購読している夫人のもとに、自分の記事が書かれた雑誌が届くという皮肉。 嫌がりながらも、どこか陶酔しているような彼女の様子に、俗っぽさが見えます。 ミーシャも一連の新聞記事に目を通したようですが、彼の悲嘆や落胆についてほとんど書かれていないのが、気になっています。 あくまで彼は主体ではなく、人々の受け身役という設定なのでしょうか。 まじめで善良でコケティッシュでずうずうしく厚かましいホフラコーワ夫人。 リーズはとことん閉口しているかと思いきや、今度は夫人とアリョーシャの会話を彼女が立ち聞きしていました。 それを隠さず、アリョーシャを負かさんばかりに堂々としている彼女。 内気でおとなしい性格かと思っていましたが、今回は彼女がかなり性格破綻をしているようでした。 元恋人のアリョーシャにラブレターを渡し、婚約破棄をしてから、彼の兄のイワンへのラブレターを彼に持って行かせるなんて、感覚的についていけません。 それを大人しく預かるアリョーシャも、どうなんでしょう。 とことん天使のように心が澄んでいるということなのか、まえがきで著者が言った通り「アリョーシャは変人」だからなのか。 結局、この物語に登場する女性陣は、誰もが激しい性格なんですね。 「誰もが心身喪失(アフェクト)だ」というくだりがありますが、躁鬱症なのではないかと思うほど感情の振り幅が激しくて、心臓が弱い人や血圧が高い人は、興奮しすぎて命に響くのではないかと、心配してしまいます。 アリョーシャの推理に従い、スメルジャコフに真相をただすイワン。 最後に、意外にあっさりと犯行を認めたことに拍子抜けしました。 あくまでしらを切りとおしていれば、完全犯罪を成し遂げられたかもしれませんが。 イワンの知性にはかなわないと、観念してのことでしょうか。 それともイワンの病気を見抜いてのことでしょうか。 人間の狡猾さと愚かさがないまぜになった、緊張の自白でした。 知能戦でのせめぎ合い、という点で、『Death Note』を少し思い出しました。 裁判のシーンには、非常に長いページが割かれています。 分厚い4巻の半分弱、260ページにも渡る量。 混乱して曖昧な主要人物の答弁の中、弁護人フェチュコーヴィチの弁論は、非常に明快で、名文章で、他人へのいたわりに満ちていました。 尋問に、あまりに三千ルーブルの話が取り上げられたので、今後「三千ルーブル」と聞いたら、すぐにこの物語を連想することとなるでしょう。 はじめから、人々の苛烈さに圧倒されてばかりですが、ふと気付いたことがあります。 それは、この作品における恥の感覚が、ほかの喜怒哀楽の感情に比べて極めて薄いような点です。 恥ずかしいという気持ちはないわけではありませんが、「恥ずかしい→怒り」のようにすぐに変化しているよう。 つまり、恥を元にした別の激しい感情に、すぐすりかわってしまうように思います。 恥ずかしさを噛み締めて、自己嫌悪に陥ったり、我が身を反省して自分を戒めるというように自信の感情と内的に向き合っておらず、すべて外部に出しているような感じ。 恥の感覚を自己の戒めとする日本人とは、相当心理的隔たりがあるような印象を受けました。 物語はほぼ終わりに近づいています。 心をかき乱され、尋常ではなくなっている状態の、三兄弟それぞれの明るからぬ今後が気になります。
0投稿日: 2011.06.17
powered by ブクログこの本を前にしてなにが書けるだろう。そんなことを考える。とりあえず今の自分にはなにも書けない。消化しきれない。未来の自分に紙面を譲る。
0投稿日: 2011.05.29
powered by ブクログ四巻読み終わりました!これはかなり引き込まれます!少年たちとアレクセイとの関わり、イワンとスメルジャコフのやりとり、そして弁護士と検事との法廷での論争。 目まぐるしい展開でした。真相は四巻で大体わかり、あとは五巻のエピローグを残すのみです。 まさか、あんなふうに裁判が終わるなんて。驚きでした。 カラマーゾフももうすぐゴール。やっと見えてきました。
0投稿日: 2011.04.02
powered by ブクログ解説を読むまでは正直なところよくわからない部分が多かった。 当時のロシアについてもう少し知識があればもっと楽しめた気がする。
0投稿日: 2010.12.12
powered by ブクログミーチャの審判の結果が気になって仕方がなかった4巻。 3巻までを読んだときはミーチャが父親を殺したことに疑う余地はないと思っていた。 しかし違う角度から事件を見たら、全く違う真実が見えてくる。 4巻はミステリー小説を読んでいる感覚だ。 有罪か無罪、どちらになるのか本当に予想がつかなかった。 でも最後には判決結果をすんなり受け止めた自分がいた。 しかし、なぜ作者はあの審判結果を選んだのだろうか・・・。
0投稿日: 2010.10.25
powered by ブクログいよいよミーチャの裁判が始まる。「父殺し」に対する市民の関心は高まり、ロシア中が注目することとなる。法廷における登場人物の証言はあまりに激しく演劇的である。当時既にロシアでは死刑はほぼ廃止されており、シベリアへの流刑を巡っての裁判である。裁判前夜のイワンとスメルジャコフの会合が大きな意味を持ってくるのだが...。
0投稿日: 2010.08.05
powered by ブクログ長くかかりましたがようやくここまで来ました。 真の罪とは、罰とは、民衆の裁きとは…。 ロシアの深淵を垣間見たような。深いです。
0投稿日: 2010.02.28
powered by ブクログドミートリーの裁判・スメルジャコフの告白。 スメルジャコフが狡猾すぎて腹が立つ。アリョーシャはどんどんいい子いい子してゆく気がする。カテリーナ・グル―シェニカ2人の女性もガンガン攻めていっていいです。しかしみんなよくしゃべる! イッポリートの犯罪心理うんぬん、あらすじ説明は退屈だったけれど、それだけにフェチュコーヴィチの切り返しがかっこいいし。
0投稿日: 2010.02.08
powered by ブクログ第10編 少年たち ・コーリャという「あと2週間で14歳」の少年が出てくる。これが面白い。自称「社会主義者」。 ・P121 アリョーシャに向かってこう言う。「キリスト教の信仰が奉仕してきたのは、金持ちと有名人だけじゃないですか。下層階級を奴隷状態に押さえつけておくためです」。 第11編 兄イワン ・P259 アリョーシャがイワンに向かって、「あなたは、自分を責め、自分でも認めていました。犯人は自分以外のだれでもない、ってね。でも、殺したのはあなたじゃない、あなたはまちがっている」ってとこ、??と思ったのだけど、P286で解決。 「…で、ひとつ聞くが、おまえはあのとき、おれが親父の死を望んでいるって考えたのか、どうなんだ?」 「考えました」(略) 「じっさいにそのとおりだったんだから…」 って部分。 ・イワンは部屋で、悪魔(中年紳士となってあらわれる)と話す。スメルジャコフの自殺を伝えに来たアリョーシャは、病気のイワンを寝かしつけてやる。 そのあと、すぐ。 P411 「イワンの病気の正体がわかってきた。《誇りたかい決心から生まれた苦しみなんだ、ああ、なんて深い良心の呵責だろう!》彼が信じようとしなかった神と真実が、いまなお屈服を望まない彼の心を征服しようとしていたのだ。」 ここ、衝撃だった。 「良心の呵責」とは、実際には父親を殺してはいないけれど、心で殺した、そうした欲望を抱いたことについて、良心の呵責を感じており、「神の創った世界を信じない」と主張していたイワンの心を、神が征服していようとしている……アリョーシャの発見に、読む側は驚く。 第12編 誤審 弁護士フェチュコーヴィチの、法廷での手腕の鮮やかさが面白い。 グリゴーリーに、寝る前に薬酒を塗り、何倍飲んだかを尋ねる。コップに一杯半。それではドアが開いていたかどうかちゃんと確認できるかわからないのでは?という聞く。 P440 「傍聴人や陪審員たちの胸のうちにも、病気治療の状態で『天国の門を見ていた』可能性があり、おまけに今年が紀元何年かもわからない男の証言に対して、小さな疑念が首をもたげた」 P504 ミーチャの印象をよくするための発言をしていたカーチャが、裏切るシーン。今度はイワンのために自分を犠牲にした。 P536 これは、自分みたいだと思った。検事イッポリートの、ミーチャ評。↓ 「うちあけ話が大好きときて、それにどういうわけか、うちあけたそばから、人々が完全に共感して自分に応じてくれることを要求するわけです。自分の心配や不安のいっさいに立ち入って相槌を打ってほしい、それでいて、自分の気に入らないことはしないでほしいと要求するのです。」 P548 「癲癇のひどい発作に苦しむ患者は、恒常的な、そしていうまでもなく病的な自責の念にかられる傾向がみられるとのことです。彼らは、だれかに対して何らかの『やましさ』を感じ、両親の呵責に苦しみます。そしてしばしば、何ら根拠がないにもかかわらず誇大な妄想におちいり、あらゆる罪や犯罪を、自分のせいであるかのように思い込むのです。」 ※P508からはイッポリート検事の、ミーチャは有罪だとする論が延々と続く。P594からはフェチュコーヴィチ弁護士の反論。どうして殺したとは言い切れるのか、無罪だと主張する展開。 そして、しかし、一番最後に陪審員長が宣言。 「はい、有罪であります!」 こんなことになるとはだれひとり予想していなかった。すくなくとも情状酌量だけはほとんど全員が確信していたのだ。
0投稿日: 2009.11.15
powered by ブクログ図書館で借りた。 「結」にあたる部分。 話の流れに一喜一憂しながら読みました。 そして、幻の第二章が見え隠れしだしました。
0投稿日: 2009.09.02
powered by ブクログ長くて難しい話かと思って敬遠していたけれど、読みだすと止まらなくなるくらい面白かったです。 もし自分にキリスト教に関する知識があれば、もっと色々なことを読み取れただろうなと思います。 個人的には、前半より後半がドキドキして好きです。
0投稿日: 2009.06.08
powered by ブクログ読みやすいとは思うけど、検事や弁護人の論説の長さ、入りにくさはかなりのもの。1〜3巻までスムーズに読み進めてきた人も、中だるみも手助けしてこの辺りで詰り始めるのではないだろうか。もちろん、文章の中身は非常に濃いのであるが、それでも読みにくさ、退屈さを感じてしまうのはおそらく僕の読書経験が浅いからだろう。読むのにかなり時間がかかってしまった。哲学書などを読みなれている人なら簡単に読めると思うが…。 第10篇の『少年たち』が最も読みやすいと思う。別のレビューにも書いたが、この章には重度の中二病であるコーリャ少年と言う人物が出てくる。このくだりが(中二病体験者としては(笑))非常に分かりやすいのだ。新潮文庫の訳でもここはそこそこ分かりやすい章ではあったが、この光文社訳になってより一層分かりやすくなっている。思春期独特の『背伸びした気持ち』を一時でも味わった人なら、間違いなく少年に共感を得るだろう(好感を得ることとは話が別だが)。書かれなかった第2編の小説では、このコーリャ少年が中二病を引きずったままやばい大人になり、反社会的な勢力の中心人物となる予定だったとか何とか。 イワンとスメルジャコフの対談も面白い。読んでいるとまるでスメルジャコフのほうが賢いのではないかと言う気分に襲われる。イワン=インテリキャラ、と言うような感じで言い表すことが容易なだけに、スメルジャコフがある点でイワンに匹敵またはイワンを凌駕する知能を持っているということは極めて意外だ。 ところでイワンは譫妄症→幻覚症、と言うように病の名前が変わっているが、これは一体どう言う事だろう。またこれは現在の病名で言えば具体的に何なのかが気になるところだ。統合失調症ではなさそうだし、一種の熱病かもしれない。しかし熱病と言っても危険な状態にいると意識不明になるとのことだ。 …何の病気だろう。 とか何とかつまらない疑問を抱きつつエピローグへ続く。
0投稿日: 2009.06.01
powered by ブクログコレは面白い!色々と詰まり過ぎていて、ちょっと消化不良を起こすけど、深〜い話だわ。ミーチャは魅力的な人だけれど、だんなにするなら、やっぱりアリョーシャだな。
0投稿日: 2009.05.31
powered by ブクログところどころに読者がつまずく石が配置してあり、読了するのに非常に時間がかかった。 ただ、後半物語がドライブし始めてからはグイグイと引き込まれること請け合い。読了後はかなりの達成感を得られる。 また、何年か後に読みたい本だ。
0投稿日: 2009.04.22
powered by ブクログまさに盛りだくさんの大詰めです。 最初に登場する子供たちとスネギーリョフ家、そしてアリョーシャの話は、本筋とは絡んでこないのだけれど、面白かった。利発な少年コーリャの背伸びっぷりなんかは、程度こそ違え、それなりにみんな経験してきたんじゃないだろうか、特に「カラマーゾフの兄弟」を読もうなんて人間は。 そして、3巻では鳴りを潜めていたイワンとスメルジャコフの不穏な関係が、また復活します。イワンの苦悩も、2巻でのイワンを知っているからこそ、わかりすぎて辛い。 そのあと話は急展開。 まさに息もつかせない緊迫した法廷シーンがクライマックスです。初登場の弁護士がなかなかおもしろかったです。ミーチャをいじめる小悪党たちにことごとく恥をかかせてくれたのでちょっとだけ溜飲も下りました。 それにしても、陪審制って、本当に公平に裁けるのかなぁ。 日本も裁判員制が始まりますし、真実よりも感情に流されて「お百姓が意地を見せる」ような結果にならないのか心配。 さて残すはエピローグのみ! 本編以外の訳者の解題はあまり興味ないんだけど、 あんな終わり方をされちゃぁ、買わないわけにはいかない!
0投稿日: 2009.04.01
powered by ブクログ「第10編 少年たち」。 クラソートキンが思わぬ伏兵で、もう全然読み進められなかった…。とにかく読んでいて苛立つので、通勤時間に読めなくなりました。ううう。 フョードルよりも忌々しいやつが出てくるなんて思わなかったもんなあ。 最後の最後でラキーチンごとき(笑)の入れ知恵かよ、なんてわかってどうでもよくなったのですが、そう、どうでもよくなるんだよこの項…。 読み急ぐ読者としては、3巻後半の盛り上がりそのままにミーチャの裁判だの、壊れゆくイワンだのを読みたいわけですが、なんなんだろうこの構成。 という疑問が残ったため星が4つ。 5巻を読み終えてやっぱり「少年たち」が必要だったわーと思ったらまた評価は変えます。
0投稿日: 2009.01.22
powered by ブクログイワンの幻覚症。スメルジャコフとの対話。そして真実が明らかに。裁判へ。その結末は、・・・つづく。否が応でも最終巻へと読み進んでしまう。
0投稿日: 2008.09.01
powered by ブクログ「唐突に始まる別の物語と審判。」いきなり「少年たち」では、違うストーリーかのようだった。どうしたいのだ、ドストエフスキー・・・。そして審判なのだけれど、誤審なんだってば!あんなにもすごい最終弁論が行われたのに、なぜこんな結果になったのか、不思議過ぎです。彼はやっていないのに!!と、息をもつかせない第4弾。一体彼らはどうなるのか!?最終回に続きます。それにしても、この訳は素晴らしいねぇ。さくさく読めます。
0投稿日: 2008.08.23
