
総合評価
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powered by ブクログ『ワンちゃん』『老処女』の2作品。両方とも、日本に来た中国人女性の話。 『老処女』の主人公が1961年生まれなので今から10年くらい前の話でしょうか。 『ワンちゃん』は、中国では洋服屋を営んだりデザイナーの仕事をするが稼ぎは元夫に持っていかれてしまう。一念発起し日本へ来て日本人男性と結婚し中国人女性と日本人男性のお見合い業を始める。 『老処女』は日本で児童心理学の博士課程に身おくが上手くいかず中国語講師となる。どちらも実らない恋の話。もう少しうまく立ち回れないものかと。宗教や文化的なものもあるのかな
0投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ日本語を母国語としない人が書いた、芥川賞を取った、その2つの知識だけで読み始めた。読み終わって感じるのは、現代の流れの中で「幸せ」を求めて生きる女性の、強さと弱さ。日本に生きる中国人の女性の目線というのは新鮮だった。 中国と日本のギャップより、そんなものは些細な話で、もつと女性と男性、世代間の違い、働く人と働かない人、自分と他人、そういうところの差が浮き彫りになる小説だった。 「老処女」の方は、読後感が暗いな…
0投稿日: 2018.01.02
powered by ブクログ中国の女性を主人公とした小説2編。中国で生まれ育ち、今は日本で暮らす。中国の家族と文化を背景にした、貧しさ、たくましさ、不運。 異国に一人住んでいて、家族、とくに母親との緊密な連絡については、日本人とはすこし違う感性だと思いました。
1投稿日: 2016.02.22
powered by ブクログ表題作の「ワンちゃん」と「老処女」の2つの短編、150ページ程の薄い本です。 内容的にはどうも好きになれません。主人公に救いがないというか。それでも、遊び人の中国人の夫から逃げ出して日本人と結婚したものの夫と心通わすことのない「ワンちゃん」の方は、姑との関係に救いがあったのですが、「老処女」は悲惨さばかりで。 それにしても母国語でもないのに、これだけの日本語が書けるのですから驚きです。
0投稿日: 2015.02.26
powered by ブクログ(2013.09.30読了)(拝借) 二つの作品が収録されています。「ワンちゃん」と「老処女」です。 中国から日本に来て暮らしている女性が主人公です。中国とも往き来しています。 どこか滑稽ですが、内容は深刻というか重いというか、なかなか考えさせられます。 現代の中国と日本の民間レベルの人々の交流の現実が垣間見える内容になっています。 「ワンちゃん」 主人公は、王愛勤、日本名木村紅。 ワンちゃんは働き者です。中国にいたときは、洋服屋を経営したり、デザイナーをしたりしてお金を稼いでいたのですが、結婚した相手が悪く稼いだ金をみんな持っていかれてしまいます。離婚しても、どこまでも追いかけてきます。そこで日本人と再婚し、日本にやってきました。 再婚した旦那も満足できる旦那ではなかったけれど、無口だし、働きにはゆくので、姑を介護しながら暮らしています。 日本の田舎では、デザイナーの仕事はできないので、日本人男性と中国人女性のお見合いツアーを企画して、日本と中国を行き来しています。 「老処女」 主人公は、万時嬉という中国人女性。 25歳のときに留学生として日本にやってきて、研究生活を送っています。 30歳で博士課程に進み、児童心理学の研究をし、論文作成に挑んでいます。 ところが、中国でのつてがなく、実際のデータを集めることができず、博士と認定できるほどの論文を書くことができず、博士になることは37歳で断念しました。 結婚したいと思いましたが、年齢的に釣り合いのとれる男性はまわりにはいません。 40歳になったとき、中国語講師として採用されました。 このまま独身で一生終わってもいいと決心した頃、歴史の助教授があらわれ運命の赤い糸が見えたのです。 45歳になろうという頃、不正出血に悩ませられることになりました。医者へ行ったら腫瘍ができており、手術を勧められます。追い打ちをかけるように助教授の再婚を知らされます。 ☆関連図書(既読) 「時が滲む朝」楊逸著、文芸春秋、2008.07.10 「すき・やき」楊逸著、新潮社、2009.11.25 (2013年9月30日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 中国人女性の「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働き者。女好きの前夫に愛想を尽かし、見合いで愛媛の旦那のもとへ。姑の面倒をみながら、独身男性を中国への「お見合いツアー」に誘うのだった―。日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した著者による、文學界新人賞を受賞した衝撃のデビュー作。
0投稿日: 2013.09.30
powered by ブクログ姜尚中さんの「姜流」に楊逸さんの記事が載っていて はじめてこの作家を知り、興味をもったので読みやすそう なところからと思い、本書を選んだ。 スルスルと惹きこまれてしまい、感情移入もめいっぱいして 「ワンちゃん」ではワンちゃんと土村さんが一緒になれたら いいのに…と思い、「老処女」では時嬉(シューシー)が中村先生 とくっつかなくてガッカリした。楊逸さん上手いな。 中国と日本で文化も違うのにどちらの主人公にも共感した。
0投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ著者は中国人女性で、23歳まで日本語は全く話せなかったという。 だが、この本で文学界新人賞を受賞、次の本で芥川賞を取るのだ。 「ワンちゃん」という女主人公は中国名が「王」なのでそう呼ばれているが、日本人と結婚したので木村さんでもある。四国の農村の男性と、中国人女性とのお見合いを斡旋している。 人物や背景の描かれ方は、両方の国を知っている彼女でないと描けない。 歴史や時代の流れも読めて面白い。 「人民服を脱ぎ捨てて」人々がカラフルな服を着始める様子なども、その時住んでいたからこそ、描写できるのであろう。 日本人と結婚した中国人の様子も、中国人の立場から見ることができる。
0投稿日: 2013.05.16
powered by ブクログ「ワンちゃん」も「老処女」も、中年女性の恋心がやりきれなくてつらい話だった。 芥川賞の受賞作も読んでみたい。
0投稿日: 2012.07.25
powered by ブクログ『ワンちゃん』と『老処女』の2篇。どちらも日本にいる中国人女性を書いた話。どちらも心に陰がある女性の話なので、すっきりせず、読んでいて申し訳ない気持ちのまま終わる。
0投稿日: 2012.02.16
powered by ブクログ旦那と姑に仕えながら、農村の男たちを中国に連れて行き、集団見合いをさせる中国人女性ワンちゃんを描く表題作と一生独身で行くことを決心したものの大学助教授と出会いにときめきを覚えてしまう中国語講師を描く「老処女」の2編の短編集。2編に共通しているのは、主人公が文革の中国に生まれ、日本には住むものの故郷へのしがらみを捨てきれないということ。中途半端な人生を生きている主人公を描いているせいか、結末や読後感もなんとなく中途半端になってしまっている。ただ、小説としての完成度は高いと思う。設定も面白い。
0投稿日: 2011.09.19
powered by ブクログ日本語を母語としない初の芥川賞作家・楊逸のデビュー作である「ワンちゃん」と「老処女」の2編が入っている。どちらも頑張りやの壮年中国女性。ちょっと泥臭さがあるけれど、それがまた真実味があっていい味を感じる。どちらかというと2編のうちでは表題作でない「老処女」のほうがよかった。
0投稿日: 2011.02.16
powered by ブクログ芥川賞受賞作の前に書かれたデビュー作でしょうか。 日本語の表現が面白い箇所があるのは、学習された言葉だからなのですね。《すき・やき》では、日本語が上手になっていて分らなかった初期の文章が興味深いです。 働き者のワンちゃん、中国でも日本にきてからも苦労の多い生活。 前夫とその間に出来た息子に働いたお金をどんどん吸い取られていくのが可哀相です。現在の日本 文庫では併せて《老処女》というダイレクトなタイトルの作品も読みました。こちらは、作家の意図は分りませんが、45歳の高学歴中国女性が日本の大学で博士号と女の幸せを求めて葛藤する様子がコミカルに感じられて面白かったです。
0投稿日: 2010.08.17
powered by ブクログ日本語を勉強するのは大変なので、それで小説を書くのはいかほどか、と思ってはいたけれど…。 残念ながら、表現がこなれていないので読みにくいのと、 途中で出てくる中国のことわざらしきが、何の事だか説明がないまま話が進んでいってしまうので、 うーむ、つらい…。 そして何よりストーリー。 ワンちゃんのバックグラウンドとシチュエーションからすると、 なんでこういう結末にしたのか…。 もっと面白く、というか楽しめる小説にできたんじゃないかな。
0投稿日: 2010.07.21
