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安徳天皇漂海記
安徳天皇漂海記
宇月原晴明/中央公論新社
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総合評価

36件)
3.8
10
11
5
5
0
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    幻想文学として素晴らしく読み応えのある物語だ。平家物語で海中に身を投げた安徳天皇を軸に、鎌倉幕府三代将軍であり歌人でもある右大臣実朝が前編、東方見聞録のマルコポーロが後編で絡んでいく、その構成だけ見てもなんとも幻想的である。 正直、〜でございます、という文語体で書かれる前編は読みづらくてしょうがないが、実朝の詠んだ歌を上手く物語の設定に沿って配置するなど、手が込んでいて、徐々に盛り上がってくる。 口語体となる後編では一気に幻想が花開く感があり、どんどん読み進められる。 参考文献に太宰治の「右大臣実朝」と澁澤龍彦の「高岳親王航海記」とあるのも胸熱。

    19
    投稿日: 2024.05.05
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    かなり史実に基づきながらも怪異譚と混ざり合った形で,二人の幼い皇帝の死を傷んでいる.安徳天皇に対する実朝の関わり方は独創的で,前半の実朝の滅びに向かって静かに歩んでいるかのような態度は,そういうことだったのかと説得力があった.後半のマルコ・ポーロ編は元寇に安徳天皇が絡んでくるなど,驚きの事実?そして,神話の水蛭子の哀しみに思いを馳せて唐突に終わる.かなりユニークで面白かった.

    0
    投稿日: 2017.11.17
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    亡国、流亡、衰亡、滅亡、興亡、亡者…。読んでいるあいだ、「亡」という文字がずっと頭の隅に引っかかっていた。歴史の中で浮かんでは消える「亡」とはなんなのか、伝奇ものならではの手法でみごとに描いている。お薦め。

    0
    投稿日: 2016.01.10
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    歴史小説かと思ったら、まるで違った。前半は語り部が誘導してくれるけど、後半は自分で持てる限りの想像力を駆使して読まなきゃならない。広がりが予想以上ですよ。

    0
    投稿日: 2013.12.29
  • 哀れ日本と中国の幼帝の運命

    源実朝に仕える人物を通して語られる第一部、場所を中国に変えマルコ・ポーロが語り部となる第二部で構成されたスケールの大きな歴史小説。壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇と元の皇帝・フビライ・ハンに追われた南宋の幼帝が登場する。当時の日本(鎌倉時代)と中国(元の時代)とを相互に絡み合わせてフィクションとして構成しており、発想はユニーク。実朝の詩歌を交えながら、史実として構成された第一部は読みやすかったが、ファンタジー色が強い第二部は骨が折れた。

    1
    投稿日: 2013.11.09
  • こんなアクロバティックな歴史の語りが見たことない

    わずか3歳で即位した安徳天皇は、8歳で迎たえた壇ノ浦の戦いで入水するも、神器の力で琥珀に封じられ、30年後、敵方であった将軍であり稀代の歌人源実朝と邂逅します。その後、魂を救済するために海を越えて運ばれて行くのですが、二部にはなんとクビライ・ハーンとマルコ・ポーロが登場、そして元寇にまで至るという壮大で奇想溢れる物語になっています。複雑に入り組んだこの物語。おもしろいのはその語りの構造。例えば、クビライ・ハーンに、中国の琵琶法師が平家物語を唄い、それを通訳がモンゴル語訳するというシーン。翻訳家・書評家の大森望さんが「翻訳というフィルタを通すことで、見慣れたものがまったく別のものとして立ち上がってくる」と言うように、幾重にも織り込まれた語りの構造は、奇想をただの思いつきにせず、小説内で見事な説得力を持たせています。綿密に資料にあたり、絶妙な飛躍をファンタジーとして成し遂げる宇月原の筆力をもっとも味わえる名作!(スタッフI)

    4
    投稿日: 2013.09.20
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    落人伝説のような物語を想像していたが、まったく違った。 壇ノ浦の後の時代に天子と関わる人々の物語。 『古事記』『平家物語』『東方見聞録』などの史料がつながり、足跡ができていく。 関わりは無いように見える物語がつながっていく様子に驚いた。 第一部と第二部でまったく別の作品にも見えるが、天子を荒ぶる御霊にさせまいと動く物語の軸は一貫している。 軸となる話が幼い天子の入水なので、物語の雰囲気は静かで哀しい。 歴史小説ではなく歴史ファンタジー。 序盤の鎌倉ではゆっくり進む物語に焦れましたが、舞台が移って行くに連れ世界が広がってからは、もう一気に読めちゃう。 おもしろかった。

    0
    投稿日: 2013.03.29
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    幼帝の 御霊包みし 琥珀玉 波間漂い 時を越えゆく 壇ノ浦の合戦で亡くなった安徳天皇をモチーフにしていたので、山口県に住んでるものとして、興味があって読んでみました。 面白かったけど幻想小説としては少し地味かもしれません。

    0
    投稿日: 2012.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    壇ノ浦で入水したはずの安徳天皇が実は・・・、という話はよくあるんだけど、これは琥珀の玉の中で老いもせず生き続けてる、といういきなりなんだかすごい特殊なイメージ。 山田風太郎とかともまた違う、こゆのなんていうんだろ?歴史ファンタジー?伝奇? どこへ連れて行かれるかわからないのが面白くもあり、微妙に不安でもある。 第二章での南宋の少年皇帝がせつなくてしんみり読んでたら最後の最後は古事記にまでさかのぼってく怒濤の展開。 不思議な本だった。一度では消化しきれなかったので、もう一度読みたいです。

    1
    投稿日: 2012.06.26
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    源平の争いの最中、壇ノ浦で入水された安徳天皇。 齢6歳で崩御された幼帝の魂は鎌倉へ、そして中国の抗州へ。。。 物語は2部構成でつづられる。 第一部は三代将軍 実朝時代の鎌倉。 陰謀蠢く鎌倉で、実朝が海外への夢。実朝はなぜ大船建設をしてまで海外への夢を持つに至ったかを、漂う安徳天皇の魂が巻き起こす騒動とともに描かれる。 実朝の従者の視点で、語られる。 第二部は、元朝皇帝フビライ時代の抗州。 元の侵攻により、滅亡寸前の南宋。 南宋最後の皇帝祥興の悲劇を、安徳天皇との不思議な符合をモチーフに描かれる。 当時、元皇帝フビライの側に近侍ていたベネチアの商人マルコポーロの視点で語られる。 第一部と第二部では、文体が全く違います。 第一部では歴史書(主に吾妻鏡)を意識しており、硬派な時代小説と行った雰囲気ですが、二部に入った途端にライトなファンタジー小説風の雰囲気に。 正直、第二部は辛かったです。 荒唐無稽な話も、第一部のような世界観のディティールにこだわっていれば、世界にのめりこめるのですが、第二部は語り口のせいなのか世界観に深みがないため、安っぽいファンタジーを延々読まされているような感想でした。 読了後は、第二部の印象が強いため、第一部のいい部分も記憶が薄れてしまう。 この小説、第一部のみで完結した方がよかったのではないでしょうか?

    0
    投稿日: 2012.02.02
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     壇ノ浦の合戦で入水した幼帝安徳天皇は、琥珀色の玉に包まれて海を漂う・・・。  源実朝が自分の首を捧げることで日本を救う第1部、マルコ・ポーロが黄金の島に辿り着く第2部とも、史実をファンタジーで紡いでいく手法の巧みさに驚かされます。  そして、要所を和歌でバシッと決めるのも素敵であります。  また、ストーリー全体が澁澤龍彦「高丘親王航海記」を下地にしているのですが、かの名作とは味わいの異なる美しさに酔いしれそう。特にラストのへんとか。

    1
    投稿日: 2011.06.09
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    買って、最初の数頁だけ読んで、本棚の肥しになっていた本。 出だしが読みにくい本なのだろう。そういう本はよくある。 久しぶりに手にとって、最後まで、一気に読んでしまった。 舞台は鎌倉時代の初めだが、最後は中国まで、舞台を広げ、スケールのでかいストーリーになっている。

    1
    投稿日: 2011.06.05
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    鎌倉時代の実朝、安徳天皇から、元のクビライ・カーン、マルコ・ポーロまで、どうやって話をつなげるのかと思っていたので意外性にびっくり。 蛭子など古事記のモチーフまで織り交ぜてわたしごのみのミステリーのはずなのですが、全然引っ掛かりませんでした。文章もながれる筆致で読みやすかったのですが、単純に好みでなかったようです。 ざんねん。 

    0
    投稿日: 2011.05.15
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    鎌倉時代が好きなので、面白かった。この作者の他の本はちょっと苦手なのもあったけど、この作品は文句なく感動した。

    0
    投稿日: 2011.01.29
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    第19回 山本周五郎賞 壇ノ浦合戦の折り、二位の尼に抱かれて入水した幼帝・安徳天皇。史実ではそこで安徳帝の生命は絶たれたことになっているが、果たして本当にそうなのだろうか。 歴史ファンタジーを得意とする作者の手にかかれば、実は大きな琥珀の玉に封じられて、夢を通じて源実朝や南宋皇帝、マルコ・ポーロ、クビライ・カーンなどと関わっていく、という壮大で美しい物語へと変貌する。 第一部は、右大臣にまで昇りつめ、気鋭の歌人でありながら名ばかりの将軍として苦悩の日々を過ごした源実朝の近衛兵であったという人物の口から、実朝と安徳天皇との出会いから旅立ちまでが語られ、第二部では、安徳天皇と南宋皇帝の出会いから別れなどについてが第三者によって語られ、マルコ・ポーロやクビライ・カーンなども登場する。 ファンタジー小説によくありがちな、有り得ない設定のオンパレードに辟易する。といった現象は、この小説においては相当軽減されるだとうと思う。なぜなら、時代や場所を超えて幾多の歴史上の人物をつなぎ、実在する詩などを要所で紹介することによって現実味のあるストーリーを作り上げているからだ。 これまでも歴史ファンタジーの名作を書き上げてきた作者だが、その博学博識に支えられた想像力、そして何よりその筆力には脱帽せざるを得ない。 2006年2月/中央公論新社/単行本

    0
    投稿日: 2010.11.05
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    「浪の下にも都のさぶらふぞ。」壇ノ浦の戦いで入水した幼帝。僅か8歳の子供を政争の犠牲にしなくとも…、と此処までは誰しも思う事だが、ここまで圧倒的な世界を創り上げるとは! 神話と史実と虚構が混然一体となった壮大な叙事詩は、無味乾燥な教科書的史実を明らかに凌駕している。 特に第二部の息が詰まる様な叙情的な幻想世界は凄い。酸欠になるかと思った(笑) そして、日本・中国・欧州、異なる世界・時代の事象と伝説が、蜜色の光を浴びてシンクロしていく様が幻惑的で美しい。 作中で或る有名人が語る台詞を引用し締め括りたい。「かかる妖しき話は、無用なる故にそそられる-。」

    1
    投稿日: 2010.07.04
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    それは、ジパングの若き王の物語。稀代の覇王の息子でありながら、もはや騎士ではなくなってしまった、生まれながらの詩人である若き王の物語. 宰相たる叔父と冷徹なる母が、粗暴すぎる武人であった兄を王位から追放し惨殺させrたことが、すべての始まりだったという。 父王の兵が滅ぼしたはずの皇帝、天国でもない地獄でもない煉獄につなぎとめられているかのようなこの少年を守り続ける魔術師の一団、うごめくもう一人の皇帝と貴族たち、古代の神々の宝物、予言する星々、光を失った太陽に月、嫉妬と憎悪に狂う甥、反乱と鎮圧、亡命と挫折、波を渡る夢と雪に散る血、暗殺、それも血縁の手による… (本文より)

    0
    投稿日: 2010.03.24
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     天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ:草薙剣)・八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)――――。謂わずと知れた「三種の神器」である。代々の天皇(すめらみこと)の身を護り、皇位の象徴であるとされる三つの呪物(じゅぶつ)…。しかし、この三つの神器のほかに、実はまだ密かに受け継がれる神器が在った………!? 歴史の表舞台には決して現れることのない、その秘された神器をめぐって流転する物語が、この『安徳天皇漂海記』である。そしてその神器の名は「真床追衾(まとこおうふすま)」と呼ばれる。  鎌倉幕府の第三代征夷大将軍・源実朝(みなもとのさねとも)は武門の棟梁ではあったが、都の風流(ふりゅう)を愛し、敷島の道(歌道)に打ち込んだ、繊弱とも思えるほどの温厚にして心優しい将軍であった。その将軍家・実朝のもとへ、ある時、鴨長明(かものちょうめい)入道が訪れる。長明入道は琵琶をかき鳴らし、平曲を語り、壇ノ浦の合戦における最大の悲劇を物語る。すなわち、安徳帝入水…。時の天皇とはいえ、まだ八つにしかならぬ幼な子が祖母である二位の尼に抱かれて、壇ノ浦の渦巻く潮流に呑み込まれていったあの悲劇を、長明入道は、あろうことか実朝に向かって語り聞かせるのであった。  三代将軍・実朝にとってみれば、安徳帝の悲しく孤独な最期は、父・源頼朝や叔父・源義経らが平氏一門を壇ノ浦へと追い詰め、掃討したゆえの結果であり、都や内裏を敬愛する実朝にとっては、自分が連なる源家が安徳帝を亡き者にしたとの想いに胸のふさがる心地がする。そして鴨長明が、あえて彼に平曲を語って聞かせたのには、一つの理由があったのである。  それは、安徳帝と共に海中へと消えた神剣・草薙剣(くさなぎのつるぎ)の行方。安徳帝が都落ちして後は、後鳥羽天皇が皇統を継いでいたが、この後鳥羽院は草薙剣が手元にないまま、帝位にのぼらねばならなかったという極めて特殊な事情を持っている。それゆえに、後鳥羽院の草薙剣に対する執着には並々ならぬものがあったのだ。ちょうどこの頃、天竺丸(てんじくまる)と名乗る正体不明の男が、平氏の残党であることを匂わせて都を騒がせており、後鳥羽院の密命を帯びていた鴨長明は、その天竺丸の足取りを追っていた。その男が草薙剣についても何かしらの情報を握っていると思われたからである。鴨長明は、後鳥羽院とも懇意の源実朝に、天竺丸が接触してくる可能性があるとして、もしも神剣と天竺丸の行方が知れたなら内裏に報告するようにと釘を刺しに来たのであった。  だが天竺丸は、鴨長明という内裏の隠密の眼を易々とかいくぐって実朝との接触を果たす。そして、彼に「あるもの」を引き合わせるのである。江ノ島の洞穴の奥深くに安置されたそれは、神変不可思議な、この世のものとも思えぬ存在であった。蜜色の、琥珀の如き、楕円のようでもあり瓜形のようでもある、てらりとした黄金色の光を四方に放つ玉の内部に、美しい黒髪と天子のみが着用を許される山鳩色の衣を揺らめかせながら眠る童子がいる。安徳帝・言仁(ときひと)その人である。見れば、小さな胸はかすかに上下し、蜜色の玉の中で帝は確かに生きているようである。そしてその可憐な御手にしっかと握られているのは、まごうかたなき草薙剣。安徳帝は壇ノ浦の合戦から二十数年を経た今でも、童形(どうぎょう)のまま神剣を有し、自らを包んで死と老いから遠ざけている四番目の神器とも共に在ったのであった。その神器こそ「真床追衾(まとこおうふすま)」である。  「真床追衾」――。 それは神代の昔、天孫降臨に際して天照大神が孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上に降ろす時に彼を包んだとされる衾(衣・かいまき・寝具のようなもの)だという。とくに本作品では、物語のずっと後半で明かされることになるが、「真床追衾」は天照大神の祖神(おやがみ)である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の間に最初に生まれた子供・水蛭子(ひるこ)の一部分であると設定されている。水蛭子は生まれつき骨がなく、誕生して三年が経っても自分で立つことが出来ないために伊弉諾尊・伊弉冉尊の手で海に流し捨てられたと伝えられる神で、流される前に自分の体の一部を神々の世界に残してきたのではないかというのだ。そして、自分と同じように幼くして海に流された安徳帝を護る蜜色の玉として、実朝らの前に現れたのではないかと。  天竺丸は壇ノ浦の合戦からずっと、平家に連なる者として、この安徳帝を封じた「真床追衾」に近侍し、後鳥羽院にも安徳帝の存在を暗にほのめかしたらしい。しかし後鳥羽院は、兄である安徳帝(安徳帝は高倉天皇の第一皇子。後鳥羽院は第四王子)のことよりも草薙剣にしか関心を示さなかった為、天竺丸は朝廷に見切りをつけ、「真床追衾」に封じられたままの安徳帝の真の庇護者となってくれるよう、鎌倉幕府の実朝へ直訴したのであった。  玉中の安徳帝に拝謁してからというもの、実朝の一身と生活は幼き帝に捧げられるようになった。安徳帝は蜜色の瓜玉の中で眠っているが、それは決して心を安んじての眠りではない。彼は天皇でありながら海へと沈められ、最早誰にも顧みられなくなった、いわば廃帝であり、その孤独・怨嗟・悲嘆・苦悩・敗北・憤怒などからどうしても逃れ得ぬ荒ぶる魂なのである。安徳帝に玉の中からの出御を願おうとも叶わない。蜜色の瓜玉はいかなる方法をもってしても破壊することが出来ず、幼帝をその中に押し包んだままなのである。安徳帝は、此岸でも彼岸でもない場所で荒御霊(あらみたま)として在り続けなくてはならないのであろうか。実朝は考える。安徳帝の御心を安んじ給うには如何にせば良いか…。  そして実朝は一つの手掛かりを思い起こすのだ。かつて皇太子位にのぼりながら政変によって廃され、しかし荒ぶることなく一生を終えた一人の皇族の在らせられたことを…! 高丘親王――。源平時代に先立つこと四百年近く前、平城天皇の皇子であり、叔父・嵯峨天皇の後継者として立太子せられた貴人。にもかかわらず、父・平城天皇も関わる薬子の変によって廃太子となった皇子。けれども高丘親王が荒御霊や怨霊となって国に仇(あだ)なしたとは全く聞かない。そこにこそ、安徳帝の荒ぶる魂を鎮める方策もあるのではないか。実朝はこう考えて、かつて高丘親王が出家して後、天竺を目指してまず渡唐したように、自らもまた、安徳帝と共に渡宋してみようと思い至ったのであった。  本書ではこのようにして、源実朝が実際に企図した計画の数々が、「真床追衾」に封じられた安徳帝の鎮魂を目的として解釈し直され、語られていく。宋の工人・陳和卿(ちんなけい)を召して巨大な唐船を建造したのも、安徳帝を伴って渡宋せんが為。実朝の私家集であるところの『金塊和歌集』に収められた歌も、安徳帝を庇護することとなった自らの苦悩を綴ったもの。何よりも、甥の公暁(くぎょう:実朝の兄・頼家の子)に二十八歳の若さで暗殺され、首を落とされたのも安徳帝に自分の命と首を奉って、将来迫り来る国難(元寇)を排さんが為。無論、これは伝奇小説なので、源実朝に対する一般的な認識とはかけ離れたものがあるには違いないが、それでも彼の和歌の意味合いや行動といったものが安徳帝の鎮魂というテーマの中では、かえって輝いて見え、ひょっとすると本当に源実朝という人は、安徳帝を荒御霊から和御霊(にぎみたま)へと祀り替えた人物なのではなかったのかと思ってしまうのである。  本書『安徳天皇漂海記』は、第一部・東海漂泊―源実朝篇と第二部・南海流離―マルコ・ポーロ篇に分かれており、第一部のみでは安徳帝の魂は安んじられるまでには至らない。実朝の時代から数十年を経て、かつての大帝国・宋がモンゴル軍によって追われる時代まで、蜜色の「真床追衾」は漂流し続ける。代替わりした天竺丸と大元帝国(ダイオンウルス)の王クビライ・カーンに仕える巡遣使ことマルコ・ポーロによって、蜜色の瓜玉はある場所へともたらされ、そこでやっと安徳帝は安住の地を見出すのであるが、このくだりの不可思議さと幻想世界と恍惚境は、読んだ時のお楽しみとしておこう。  この作品は澁澤龍彦の『高丘親王航海記』や太宰治の『右大臣実朝』など、源実朝に関する幾つかの先行作品に対するオマージュである。私はこれまで源実朝といったところで、特段の感慨というものはなかった。何となく影の薄い、北条氏の言いなりになっていた人物というくらいのイメージしか持っていなかったのだが、この作品を読んで実朝将軍家に対するイメージはがらっと変わってしまった。作者・宇月原晴明氏が巻末に掲げた数多くの参考文献を全部読んでしまいたいくらいに、私は将軍家のことを知りたいと今では思っているのだ。

    1
    投稿日: 2010.02.23
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     日本史上最年少で崩御した天皇、安徳天皇が生きていて、日本に大きな災いをもたらすというようなお話。安徳天皇と源実朝、さらには文永の役までもを結びつける第一章は、オカルトだけれど歴史のミステリーを解いているようで結構面白い。歴史の教科書では、暗殺されたという事実と金槐和歌集の名前だけで消える実朝が、思慮深く優しい人物として魅力的に描かれている。  第二章は若きマルコ・ポーロが、第一章の話の真偽を確かめる話となっている。ここでさらに本筋は古事記にまでつながっていくのだけど、そちらはもうなんだか話が大きすぎてちょっとトンデモ本な感じに(笑)ただ、南宋滅亡のシーンは、まさに壇ノ浦の平家滅亡を彷彿とさせるいいシーンだ。

    0
    投稿日: 2009.12.15
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    前半は実朝に仕える人物の視点から、孤独な将軍実朝の苦悩と、壇ノ浦に沈んだはずの安徳天皇の不思議な運命が描かれます。 雰囲気たっぷりの古典ファンタジー。 澁澤龍彦の「高丘親王航海記」と似ていると思ったら、実朝が高丘親王に惹かれていたということがあったのですね。 後半は南宋の少年皇帝との時空を超えた交流にマルコ・ポーロが絡むというさらに意外な展開!

    1
    投稿日: 2009.09.29
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    これまで読んできたこの人が書いた作品の中で一番短くて漢字が少ないっす(笑) 『高丘親王航海記』が大好きなワタクシにはなんともツボな作品でした それにしても実朝の和歌って綺麗ですね。 技巧に走りすぎず、かといって感情にも走りすぎず、素直な気持ちを歌い上げてる所清清しい。 青年詩人の言葉がこれほどに合う方も少なかろう。 この情景にはこの歌!という作者の選択眼に脱帽。 最期に辿り着くまでの紆余曲折には美しいけれど悲しい情景が続くのですが、終着の情景がまた綺麗なんだな。 よかった。。。 誤った感想かもしれないけれど安堵することができました。

    1
    投稿日: 2009.02.02
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    面白いって話を聞いたので読書。壇ノ浦で海に沈んだ若き天皇。彼を巡る人々によって綴られる一大叙述詩。面白いと言われてたけど、イマイチ。わざわざ難しく書いているんじゃないかと思うほど、読むのが困難。万人受けは間違いなくしないし、ファンとかじゃないと読んでもきついかもしれない。

    0
    投稿日: 2008.01.12
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    表紙を見て、ほーらこんなにキレイ。でも読んでみてイメージもっとキレイ。歴史そんなに詳しくないなりに楽しめました。

    0
    投稿日: 2007.11.26
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    2007.09.弟1部が入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話.第2部はマルコ・ポーロとクビライ・カーンに追われる宋の最後の幼帝.そして安徳天皇と宋の幼帝との話.とっても難しかったけど、それなりに面白い.

    0
    投稿日: 2007.10.01
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     直木賞候補。  面白かったけど、あんまりしっくりこなかった。なんかベタ褒めされてるレビューをよく見るんやけど、あたしはいまひとつ入っていけなかった。古典的な教養がゼロだからいけなかったのかもしれない。  文体も味はあったけど、素直に頭に入ってこないで読みにくかった。これも教養がないからあかんのかもしれない。  設定だけ抜き出して書くと「日本版ダ・ヴィンチ・コード」かなぁ。内容違うし、もっと「小説」やっているのでこれだけを見ると誤解されそうやけど。  あんまりオススメしません。

    0
    投稿日: 2007.09.04
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    ●ひとり1ジャンル作家・宇月原晴明氏による本作は、『高丘親王航海記』を下敷きにして、壇ノ浦の戦いから元寇までを読み替えたもの。 こう言う特殊なタイプの作家さんは、決して一般受けはしませんが、ハマる人はハマります。 歴史・神話・古典文学・神秘的・特殊能力的・バロック的(?)な幻想小説が好きな人に、向いてるのではありますまいか。 私は別にファンてわけではないんですが、皆川博子さんが絶賛していたので、読んでみました。  ●『信長 戴冠せるアンドロギュヌス』の時も感じましたが、こう言う形式の小説は、ベースになるお話とリンクさせる歴史ネタがいかに綺麗に対称化するかで、自分の評価は五割確定。 後の五割は、元ネタを生かしつつ、どれだけ元ネタ越えをしてくれるか。 この元ネタ越えですねえ・・・・。 評価の定まった小説を元にしてるから当然とは言うものの、やはりヘリオガバルスや高丘親王越えは難しい。 多田智満子さんの神秘ゴージャス訳文の見事さは比類ないし、天下の澁澤は言わずもがな。 宇月原作品は決して悪かないし面白いはずなんだけど、どうしても比較しながら読んでしまうよなあ。残念。  ●一般的に評価は高いようなので、時間の無駄ってことにはならないでしょう。 幸福な出会いを味わえるかもしれません。

    0
    投稿日: 2007.08.25
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    第1部は、入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話を実朝側近の目から描いた話。 ◆ 吾妻鏡や古典の文章を引用しているので多少読みづらかったものの詩人王実朝の哀しみがひしひしと伝わってきました。 ◆ 第2部では一転して中国へ。マルコ・ポーロとクビライ・カーン、そしてカーンに追われる宋の最後の皇帝趙へい。 ◆ 二人の哀しい天子の運命。 ◆ 情景の美しさと言葉の美しさ、そして史実をファンタジーとしてまとめ上げた想像力。例の受賞作より面白かったです。 ◆ 実朝を描く作品を探して読みたくなりました。

    0
    投稿日: 2007.06.17
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    あれ?何が面白いのか全然わかりませんでした。物語はスイスイ読み進めましたが、「いつ面白くなるんだろう?」と思ってる間に読み終わってしまった。もうちょっと、読み応えがあるほうが、私は好きです。 「安徳天皇」と聞くと、諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズ『海竜祭の夜』を思い出してしまいます。 装丁は、ミルキーイソベ。この人の装丁は、最初は好きだったけど、どれも一緒ですよね?

    0
    投稿日: 2007.01.27
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    安徳天皇と大宋最後の皇帝の触れ合い、それを見届けるマルコ・ポーロ。二人の悲劇の皇帝の行く末に、かなり引き込まれました。

    0
    投稿日: 2006.09.20
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    タイトルが澁澤の「高丘親王航海記」に似てると思い奥付見たらちゃんと名前が挙がっていたので、ああわざとか、と。とりあえず読んでみようと読み始めたら、なにこれ?面白すぎる!ということで半日で読了。二部構成で、一部は源実朝の近習の一人称、二部はマルコ・ポーロ視点の三人称で書かれている。帯を読んで改変世界もの?と思ったのだけど違った。史実と神話とfictionを巧みに融合した上質のファンタジー、といったところか。文章を読んで浮かんでくるイメージの美しいこと豊かなことといったらもう! 今のところ2006年読んだ本のナンバーワン。読んだ後で山本周五郎賞受賞。直木賞は残念でした。

    1
    投稿日: 2006.09.14
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    ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。 【感想】 http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50690806.html

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    投稿日: 2006.09.13
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    幻想歴史小説(?) 装丁がまずいい!!歴史に翻弄され、彷徨う魂は気高く悲しい。とても映像的な作品だと思いました。

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    投稿日: 2006.08.13
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     第19回山本周五郎賞受賞作の本書。 題名からして澁澤龍彦『高丘親王航海記』へのオマージュなのでしょうか。 素晴らしい!!!ただただそのひと言。史実と虚構が見事に絡み合っていて、夢幻的な物語を紡ぎ出しています。 壮大で豪奢で幻想的な作品世界に酔いしれ、そして滅び行くものへの哀切で、胸が締めつけられる作品です。嗚呼(涙)。  何がすごいって、壇ノ浦での平家滅亡から詩人将軍実朝の死、南宋滅亡、そして元寇まで、時空を超えてずずずずずーーーーーーっと幼帝・安徳天皇で繋がってるってこと。源氏(盛者)への尽きぬ恨み、まだ見ぬ波の彼方の都市への憧れを抱いて神器に封じられて眠る少年天皇の設定が、すんごくいいのよね。鳥肌が立ちました。(三種の神器で行方不明である草薙剣への言及。なるほど!こんな解釈が!) 第1部は側近の人物のモノローグによって綴られる鎌倉最後の将軍である実朝のエピソード。実朝の死の裏には実はこんなことがと、史実の隙間を奇想で膨らませ魅せてくれて、つい信じてしまいそうになります。すごく説得力があるんですよね。今まで見知っていた実朝像とはまるで違う聡明な詩人将軍の姿を見て満足。そしてその非業の死がこう繋がって、そうくるのか!で驚くのと同時に、1章の最後のページで、胸の奥からこみ上げてくるものが。嗚呼。 1章を読んでいて最大の謎は、「この語り手は誰で、なぜなんために誰に対して物語っているのか」だったんですが、2章のマルコ・ポーロ篇で疑問氷解。と同時に、1章がまるごと2章への伏線になっている構成の妙と、その繋ぎ方の滑らかさに舌を巻きました。 2章の前半でメインとなるのは、波の彼方の都市へ向う途中で巡り合った安徳天皇と同様に国なき少年皇帝との交感、そしてその最期。すべてを奪い取られた少年皇帝同士、二人の姿が重なって見えてしまって、ただただ切なくて悲しかったです。 読んでいるうちに次第に強くなってくるのは「安徳天皇の魂は、どうしたら救われ、安らかになるのか?」という思い。広げに広げた風呂敷を、いかに美しく畳むのかと、固唾を飲んで見守っていたんですが!なるほど!そうそう、確かにこの作品は澁澤龍彦『高丘親王航海記』へのオマージュとしての一面も持ってましたもんね!あの人物まで登場させてしまうなんて!と驚きながら、幻想的で荘厳なクライマックスではただただ感動。このクライマックスを見守るためにカーンの目、カーンの耳たる巡遣使マルコ・ポーロが配されていたのね、と納得しました。感動で胸が震えながらも、頭を過るのは「諸行無常、盛者必衰」の平家物語冒頭の言葉。平家を倒した源氏も三代で滅び、源氏に代わった北条氏も、元寇を企て宋を滅ぼした元もまた…。(そうそうマルコ・ポーロと言ったら「黄金の島ジパング伝説」なんですが、上手に作品に取り込んでますな!解釈の仕方に、思わず脱帽です。) 今までに読んだ宇月原作品では『聚楽』が一番好きだったんですが、史実の縛りがあるゆえか、クライマックスがイマイチ盛り上がらなくって不完全燃焼でぶすぶすだったんですが、いやー。この作品は素晴らしいわ! 胸締めつける印象的なエピソードを積み重ねて、最後でどーん。お見事&感涙!滅びゆくものへと投げかける作者の温かい眼差しの存在を感じて胸が熱くなり、そして幻想的かつ壮大なスケールの伝奇ロマンに、ただ酔いしれました。心の琴線までかき鳴らしてくれて、ものすご〜〜く素晴らしい作品ですっ!現時点で、2006年マイ・ベスト1作品で決まり!直木賞は難しいかもしれないけど(おい)、私は好き好き大好きです、この作品(はぁと)。(2006.7.4読了)

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    投稿日: 2006.08.01
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     第1部は源実朝の傍に仕える人物の視点から「吾妻鏡」や「平家物語」や和歌を引用して大秘事について語られています。第2部はマルコ・ポーロの視点でクビライ・カーンや南宋皇帝が出てきます。入水した安徳天皇ですが神器の中に生きたまま眠っています。  2部の方が好きです。幼い皇帝同士が夢の中で語り合う姿は現実を考えるとせつなくなりました。滅びる時はなんと哀しいのだろうと思いました。鴨長明が忍びの者と言われていたり、蒙古襲来の時に起こった神風と言われる不思議の真実は2つの珠のおかげなど歴史の裏の姿が幻想的に書かれている話です。  最後の水蛭子さまがよくわからなかったです...

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    投稿日: 2006.06.23
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    『吾妻鏡』等の古典から、記録や和歌を引き合いに出しながら物語が展開していくのですが、まるで史実かと思ってしまうくらい、のめりこんでしまいました。平家と南宋、二人の幼帝の末路が、哀しすぎて後半は泣けます。 美しい文体と、幻想色が強いので、歴史小説が苦手な方でも読みやすく楽しめる作品かと。

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    投稿日: 2006.06.15
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    平家滅亡の日本と南宋滅亡の中国が、時空を超えてシンクロ。文字を媒介とした幼い少年同士の純粋な交流に癒されます。

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    投稿日: 2006.06.05