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芦花公園 / 創元推理文庫 (3件のレビュー)
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いこ
このレビューはネタバレを含みます
解説には「結局人間が一番怖い」説に否定的で、それ以上に理不尽をもたらす存在の方が怖いとあったけれども、正直理不尽に訪れる惨たらしい死、そしてそれをもたらす存在そのものよりも、ここに描かれたキャラたちの生々しすぎる人生の方がよほど怖かった。 結局超常的な存在はフィクションの中でしか存在できないから。 読み手である自分たちが経験することは、恐らくはない。 だから、どこまでも他人事として読める。 例え血肉が吹っ飛ぼうが、全身から血を吹き出そうが、骨が剥き出しになろうが、そういうことをもたらす(この作中なら◯◯と称される存在)太刀打ちできない存在による攻撃にびびることはない。 でも、キャラたちが生きてきた人生は違う。 報われない人生、いじめ、他人を呪う気持ちなどなど、これはフィクションで描かれたとしても、読み手である自分たちが経験できる、もしかしたらもう経験したことだ。 自分に起こりうる話だ。 その生々しさ、遠慮なく書かれたその展開の方が余程堪えた。 そういう意味では気持ちのいい話ではなかったし、ちょっと鬱々もした。 中盤以降に訪れたトンデモ展開で宇宙猫になるまでは。 いや、本気で「???」となったので。 あとラストが割と、うん、そうですね……上げといてそう来るかの展開で、そちらも初読時は「???」となり、最後の一文で結局納得させられるという。 そういう存在でしたね。 なら、あのラストは致し方ないのかも。
投稿日:2024.07.13
ユキマル
仕事の昼休み中に読み進めましたが、休憩が終わる度に続きがとても気になってしまいました。 おかげさまでこの数日間は充実した昼休みを過ごせました! 芦花公園先生の作品は聖者の落角の『僕のヒーローアカデミア…』や今作だと『ハリー・ポッター』など、実在する作品の名前がたまに出てきますが、下手にそのような作品名を出すと作品の雰囲気を損ねてしまいそうなものですが、むしろリアリティや没入感が増す、とても上手い出し方をされている印象を持ちました。 こちらの作品を読まれた方は芦花公園先生のカクヨムにあるとらすの子の後日談?的な話もぜひお読みください。 文句なしの星5です!続きを読む
投稿日:2024.07.10
2130549番目の読書家
初の芦花公園さん。 人間の視野の狭さ、人間は見たいものしか見たがらない、という人の性を個々に描くのが巧みで、読んでいるこちらにもグサグサ刺さってきました。 一見するとライトノベルになるような設定が、重厚な描写や生々しい心理描写や展開で引き込まれました。 次々先が気になり、一日で読了。ホラー小説を読んだ独特の嫌な後味が尾を引いています。(褒めてます) 一体何が起きているのか、真相へ近づいていく様が鮮やかで蠱惑的でもあり、とても面白かったです。
投稿日:2024.07.07
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