【感想】赤と青のガウン(PHP文庫)

彬子女王 / PHP文庫
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
13
9
1
0
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ブクログレビュー

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  • kinako

    kinako

    彬子女王殿下のイギリス留学記をとても楽しく読んだ。文章は柔らかく、かつウィットに富んでいて聡明で優しさに溢れた素敵な方なのだろうと思う。オックスフォード大学で博士号を取得されるのはとてつもない努力をされたのでしょうが、決して偉ぶることなく、苦労されたことや失敗談も書かれています。

    私のような庶民には知る由もない皇室のしきたりなどを知り、私たちには普通のこと(切符を買うことや飛行機を予約すること)に新鮮さを感じられたことのギャップも面白い。イギリスからドイツへ格安航空会社で行ったり、ドイツの空港へ向かうタクシー代を払う時に100ユーロ札が手元から消える時の切なさなど、私たちと同じような感覚なんだ!と勝手に親近感を感じた。もし、サイン会があるならぜひ行きたい(難しいでしょうが)。
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    投稿日:2024.05.25

  • 麻子

    麻子

    このレビューはネタバレを含みます

    自らのための備忘録

     星5つにしようか迷ったほど。とても素晴らしい本でした。オックスフォード大学で博士号を取得するということの重み、努力、才能、意欲、苦悩、喜びなど、読みながら思わず目頭が熱くなるほどでした。

     実は、私は昔から彬子女王の一ファンでした。なぜかといわれても困りますが、あまり多いとは言えないメディア露出ですが、たまにテレビや雑誌で拝見すると、そのチャーミングな容姿と、聡明なご様子が伝わってきました。
     これまで誰かに話したり書いたりしたことはないけれど、彬子女王って素敵な方だなぁと思っていました。

     先日、たまたま本屋さんの中を歩いていたら、この文庫本が目に飛び込んできて、へぇ、私の好きなあの彬子女王が本を書いていらっしゃるのかと思い、衝動買いしてしまいました。


     気さくなお人柄、ユーモアある文章などの通り一遍の褒め言葉はもちろんすべて当てはまっていますが、私がもっとも心を掴まれたのは、博士論文の三本の章のうち、最後の第三章のテーマ「フランクスとアンダーソン亡きあと、大英博物館のコレクションがどのように発展していったか」について、指導教授のジェシカに理解されず、別のテーマ「英国と米国の浮世絵コレクションの比較検討」にすべきだと説得されてしまった箇所(24 進退両難)でした。
     私自身は、オックスフォード大学どころか日本の大学で、英語ではなくもちろん日本語で、しかも博士論文ではなく修士論文を書こうとしただけで、本当に胃に穴があきそうに大変だったという経験がありますが、指導教授との意見の相違とは、もう崖っぷちもいいところだというのは読んでいてこちらの息ができなくなるほどでした。

     この時、彬子女王は、もう一人の指導教授に自らの博士論文への思いを語り、いつの間にか涙をこぼしてしまうというシーンがありますが、私まで涙ぐんでしまいました。本当に気持ちが手に取るようにわかりました。


     皇族というのは、21世紀において益々レゾンデートルが難しい存在になっており、今後の皇位継承などこれまで問題を先送りにしたツケが今になって噴出しています。私自身も皇族の今後の在り方には疑問を持つひとりではありますが、それでも、皇族のお一人がこのような素晴らしい方だということを知って感銘を受けました。

     最後になりましたが、父宮の寬仁殿下の薨去の際の思い出の中を含めて、たったの一度も母宮についての記述がなかったことに、私は心を痛めました。誰しも母から愛され、母を愛する人生を送ることを願っているでしょうが、それが叶わないことがあるのだということ、私自身よく知っているからです。

     素晴らしい本でした。遅ればせながら博士号取得おめでとうございますとお祝いしたくなりました。

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    投稿日:2024.05.23

  • isoken

    isoken

    寛仁親王殿下の第一女子の留学記。知り得ない生活環境や仕組みなど、興味深く読む事が出来た。青春時代は、みな同じ様(ダラダラバイトやちょいと勉強して、無駄時間を費やす)に過ごしているのかと思いきや、こんな学生生活もあるだと感心せざるえないと感じる。彬子女王の人間味を感じれ、大変面白かったです。続きを読む

    投稿日:2024.05.23

  • 本読み好きわん

    本読み好きわん

    面白い! 彬子殿下の努力の様子に感動しました!
    文章力も素晴らしい。下手な小説より読み易く先をドンドン読みたくなりました。

    投稿日:2024.05.22

  • kimagureame

    kimagureame

    好奇心満載で読ませていただきました。

    普通のお嬢さんと同じようだなあと思う反面、皇族としてしかあり得ない驚きの出来事や、パスポートの件や……。
    指導教授との真剣勝負や、お宝発見や、沢山の人と出会い、大英博物館のボランティアスタッフ勤務、そして博士論文の苦労、とても充実した留学だったのだと、「最終報告書」を読み終えて思いました。

    知らない世界を垣間見れて本当に楽しかったです。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.21

  • basil

    basil

    本書、作者名「彬子女王」
    オックスフォード、マートンコレッジで、日本の女性皇族として、初の博士号を取得した、三笠宮彬子女王による、英国留学記。

    文庫版の帯には「生まれて初めて、一人で街を歩いたのは日本ではなく、オックスフォードだったー。」
    また、お正月、お雑煮ではなくて「おひしはなびら」を頂くとの事。(漢字の変換出来なかった( ; ; )
    お正月頃、和菓子店に有る、花びら餅の原型らしい。

    留学中は多くの、恩師、友人知人に支えられ、勿論その立場もあり紹介される人々には恵まれるでしょうが、その人柄の良さが際立つ。
    生き生きとした素直な文章は、好感度大!

    大変な苦労をしつつ勉強をがんばり、母国語以外での論文を書き上げ、博士の印である赤と青のガウンを着られた、彬子女王すてきです!
    続きを読む

    投稿日:2024.05.21

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