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植松三十里 / 集英社文庫 (9件のレビュー)
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ハル(司書乃書店)
明治11年、1人のイギリス人旅行作家が日本人青年を通訳にし、日本を記録する旅に出た。 明治維新を経て、日本は欧州列強の仲間入りを果たそうと必死だった。 国の形、人々の風俗や生活、身なり、そして言葉を…変え、近代国家を目指して奔走した。 しかし、たった10年で、人々の生活はそう簡単に変わらない。 地方の貧しい姿を日本の恥と捉え、その姿を世界に晒してほしくないと願う通訳と、貧しい姿が恥ではなく、それを見下す人がいることが恥だと諭した旅行作家……。 彼女が本を通して世界に訴えかけたかったことは何だったのか? 『日本奥地紀行』では描かれない2人の旅の物語続きを読む
投稿日:2024.06.03
こひろ
イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を日本人ガイド伊藤(伊東)鶴吉の視点も併せて読みやすく書き下したもの。 バードの生い立ちや来歴、鶴吉の行く末や父親の最期も語られる。 原書に沿いながらも、バードや鶴…吉の人柄や関係は和らげられているのだろう。 周囲の(日本人の)忠告を無視して大雨で増水した川を敢えて船で渡ろうとしたり、一つ先の宿場に足を伸ばそうとしてろくな宿に泊まれず閉口する辺りは、よく言えば冒険心に富んだ、悪く言えば自尊心の強いわがままな英国婦人そのもの。 原書は未読だが、さらに分量もあり辛辣(率直)な内容と想像する。続きを読む
投稿日:2024.05.10
あだちたろう
旅行記としては興味深く、先が気になってどんどん読み進めた。話は面白かったが、イザベラバードの高慢ぶりが鼻について人物には共感して出来なかった。鶴吉も頑ななところかあったんだな。人と人とがわかりあうのは…難しい。続きを読む
投稿日:2024.05.06
こうへい
『日本奥地紀行』はなかなかの大書なので読んだ事はない。小説なので脚色はあるだろうが、エッセンシャル版日本奥地紀行と思って面白く読めた。 バードの来日時のみではなく一生にも触れ、又、鶴吉が函館で亡き父…の慰霊碑を訪れる所は印象深く残った。 紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。続きを読む
投稿日:2024.05.02
hazel8483
『ふしぎの国のバード』より 史実に近い感じの小説。 ふたりの視点から交互に語られる。 イトー、バードさん、それぞれの 過去がわかるパートがいい。 イトーは幼い頃に死に別れた父との思い出。 父親がわ…りとして気負う気持ちから 母や妹たちにきつく当たってしまったり。 バードさんは妹と過ごした日々。 自分が抱えた病との戦い。 女性冒険家として受ける苦難。 異文化、ジェンダー、ジェネレーション いろいろなギャップを 旅の中でぶつかりあいながら 擦り合わせていく。 旅を終えた後のふたりが 少し描かれているのも嬉しかったです!続きを読む
投稿日:2024.04.14
ぐーたら主婦
以前から興味のあったイザベラ・バード。『日本奥地紀行』にはなかなかハードルが高かったところへ、読みやすそうな植松三十里の本書が刊行された。明治初期でも、歩きやすい大きい街道が整備されていたにもかかわら…ず、誰も歩かないような山道を行きたがるバード。通訳のイトーや馬子らが気の毒になる。山奥なので、ノミやシラミだらけの不潔な宿や、宿の中まで押しかけてくる好奇心丸出しの村人たち。自分も腰痛持ちのくせに、懲りないバードには驚き。 途中から、紙の地図に丸をつけながら読んだら、とても理解が深まり、楽しさが増した。 『ふしぎの国のバード』(マンガ)を注文したので、読むのが楽しみ。続きを読む
投稿日:2024.04.06
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