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佐川 恭一 / 太田出版 (2件のレビュー)
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ストレンジャー
私の一番好きな作家である佐川恭一氏。 前作が意味不明で今作に対しては期待値爆上がりだったが就活がテーマの作品か… と、あまり興味のバロメータは上がらず。 序盤、読み進めるのが億劫になるような、ありがち…な展開。しかも佐川恭一節に切れ味が感じられない。物語も突拍子もなく、現実離れした内容に若干、辟易。どこかでみたようなモチーフにうんざりしてくるが、何か読ませる作者の思想や主張で乗り越える。AKBのディスカッションのくだりは面白い。その後、これカイジやん!ってとこもある。今作、いかんせん不完全燃焼は否めない。これ本当に佐川恭一が書いたの?と思ってしまう程、らしさがない。 ただ、ただですよ。結構な分量だがサラッと読ませてしまう力量と猿でもわかる哲学というか、小難しくなく、わかりやすいところに本作の良さがあります。結論、今作は作者の新しい一面を見せて頂き、また次作への期待値増し増しになった作品として 非常に良かったとしておきたい。 続きを読む
投稿日:2024.04.09
kanetaya
社会、組織というものへの違和感。 その中の個の振る舞いの不可解さ。 自らを振り返っても、そこに確固たる何かは見つからない。 そうした、「生きづらさ」みたいなものを、劇画調にした「就活」を舞台に開陳し…た本。 「舞踏会」と似た作品。 (僕は舞踏会が好き) 選考に漏れると死ぬ、という設定があまりにも極端で、そこで冷めてしまうのが、イマイチな点。 「MARCH」カードゲームのコンセプトは面白かった。 昨今Jが凋落気味と聞いて心を痛めていたのだが、ジョーカー的に扱ってもらっていたし、作品中のJのみんなも中々よかった。やっぱ女の子だったけど。 「指定校推薦でHに負ける」は意味不明だけど、ある友人が「指定校推薦のみんなのおかげで定員が実質的に減っているから、結果して一般入試の我々は賢そうな顔ができる」と言っていたことを思い出した。彼からは学ぶことが多く、今でもときに様々な発言を思い出すことがある。 しかし。 考えてみれば… MARCHカードゲームにJも加えられている。 と、みれば… 残念としか言いようがないのかもしれない。続きを読む
投稿日:2024.03.28
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