【感想】企業・市場・法

ロナルド・H・コース, 宮沢健一, 後藤晃, 藤垣芳文 / 東洋経済新報社
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • masato-miyake

    masato-miyake

    これがコース・クオリティか.....

    となる本です。論文集です。

    有名どころは第2章の「企業の本質」:取引コスト論の嚆矢となった論文。

    第5章「社会的費用の問題」:後にコースの定理として定式化された論文。

    個人的に好きだったのが第7章「経済学の中の燈台」:公共財供給は個々の経済プレイヤーの私的インセンティブでも条件次第では行えるよ、というもの。

    「別に目新しくはないだろ」と感じる方がいるかもしれませんが、論文執筆時の年代も考慮に入れて読むのがフェアだと思います。
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    投稿日:2011.04.03

  • こね

    こね

    コースの定理で有名なR.H.コースの論文集。数式を使わないし、説明や例示もとても簡潔明瞭でわかりやすい。論文ではあるけれど、すいすい読めて面白い。

    コースの定理が学生時代唯一面白いと思った経済学のトピックだったのだけど、これを読むとコースの問題意識をほとんど理解できていなかったんだってことがはっきりわかった。取引コストがゼロと仮定すれば、権利の所在とは無関係に最適な資源配分が実現する、というのがコースの定理。だけど、ここまではコースにとってはあくまで前提の確認でしかなくて、問題の中心は、現実の通りに取引コストが存在する場合にある。そして、取引コストが存在するために、権利の所在が資源配分に明確に影響する。権利の所在が資源配分に影響するのなら、その権利を規程する法もこれを無視できない。そういう、取引コストの存在が、資源配分に係る制度設計にまで大きな影響を与える、ということこそが、コースの問題意識の中心だったということ。いままでそれを理解しないまま、コースの定理がおもしろい、って言っていたのは本当に片手落ちもいいとこだったのか。

    80年も前の論文集だからいままで敬遠してたんだけど、思いがけず楽しめたし、大きな発見もあった。やっぱり、原典にあたるのが一番だってことなんでしょう。
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    投稿日:2010.07.09

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