【感想】人間晩年図巻 1990-94年

関川夏央 / 岩波書店
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • エプロンパパ

    エプロンパパ

    1990年から94年に亡くなった有名無名の人々へのレクイエム。その晩年を、時に追慕の念を込めて、時に辛辣に描く。取り上げられているのは、栃錦、成田三樹夫、幸田文、相田みつを、中村曜子、小池重明、大山康晴、長谷川町子、中上健次と永山則夫、寺田ヒロオ、オードリー・ヘップバーン、金日成、吉行淳之介、音羽信子など。また、その人の死にかこつけて、別の人物の数奇な運命を語るパターンもある。グレタ・ガルボと長谷川泰子、江青と毛沢東、安井かずみと加藤和彦、神永昭夫とヘーシンクそして猪熊功、ハナ肇とクレージーキャッツなど。これだけ調べるのは大変だったろうが、著者が楽しんで書いたのが分かる。同時代を生きた人が多く、共感した。続きを読む

    投稿日:2022.03.15

  • sagami246

    sagami246

    1990年から1994年の間に亡くなられた36人の方についての紹介である。新聞に死亡記事、あるいは、おくやみ欄があるが、それを更に詳しく長くしたものと理解していただければ良い。人間「晩年」図巻という書名であるが、亡くなられた方の「晩年」ばかりではなく、その人がどういう人であったのか、何をなした人なのかという人物紹介となっている。
    また、対象は1990年から1994年の間に亡くなられた方であるが、本書の発行は2016年。直近に亡くなられた方の紹介ではない。例えば「1994年に死んだ人々」として紹介されているのは、安井かずみ、アイルトン・セナ、金日成、吉行淳之介、乙羽信子である。人選には関川夏央の意思・意図が色濃く反映されているはずだと思って、実際に1994年に亡くなられた方のデータベースをネットで調べてみたが、亡くなられた方にこういう言い方はないが、ある意味で順当な(興味深い人物という意味で)人選であった。
    紹介されている36人、私自身が興味を惹かれた人物も多かった。もともと興味を持っていた人もいれば、本書を読んで興味を覚えた人もいる。池波正太郎、江青、尾崎豊、大山康晴、中上健次、太地喜和子、ハナ肇、田中角栄、金正日、オードリー・ヘップバーン等。こうやって並べてみると、人選に共通点があるとすれば、良くも悪しくも波乱万丈の人生を歩んだ人たち、ということは言えるのかもしれない。
    関川夏央は、本書の続編を書き継いでいる。本書の後に、3冊が既に発行されており、間もなく更に1冊が発行される予定だ。関川夏央は非常に好きな作家であり、かなり読んでいるが、このシリーズは、あまり興味が湧かず、これまで読んでいなかった。読まず嫌いだったということが分かり、続きを読むのが楽しみになった。
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    投稿日:2021.12.06

  • boutoumetous

    boutoumetous

     名著『人間臨終図巻』の続きを誰か書いてくれないものかと常々考えていた。関川夏央、まさに「人を得た」思いがする。『「坊っちゃん」の時代』で半ば評伝のような劇画原作を手掛けた人なら、任せて安心だ。漫画家の寺田ヒロオなど、山田風太郎なら選ばなかったかもしれない。ただ、現代史にシフトしたため、自分と同年齢で死んだ歴史上の有名人を探す愉しみが無くなった。続きを読む

    投稿日:2021.04.17

  • 波瀬龍

    波瀬龍

    【由来】
    ・図書館の岩波アラート

    【期待したもの】
    ・田中角栄とか、面白そう。関川夏央ってことは山田風太郎インスパイア?

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

    投稿日:2018.10.28

  • tagutti

    tagutti

    <目次>
    1990年に亡くなった人
    1991年に亡くなった人
    1992年に亡くなった人
    1993年に亡くなった人
    1994年に亡くなった人

    <内容>
    山田風太郎に『人間臨終図巻』があり、それの後継のような形で書かれたもの。いろいろとつながりがあるのだな、と感じた。

    逗子市立図書館
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    投稿日:2018.01.08

  • hito-koto

    hito-koto

    1990年代前半に死んだ人たちの「晩年」をおさめた作品です。関川夏央 著「人間晩年図巻 1990~94年」、2016.5発行です。栃錦(64)、成田三樹夫(55)、幸田文(86)、相田みつを(67)、小池重明(44)、長谷川町子(72)、大山康晴(69)、太地喜和子(48)、オードリーヘップバーン(63)、ハナ肇(63)、田中角栄(75)、吉行淳之介(70)、乙羽信子(70)etc。添えられたエピソードが味わい深いです。大山康晴氏には名セリフがないようですが、自信とユーモアのあった升田幸三氏には。
    団鬼六氏との飛車落ちでの感想戦: 途中まではあんたが絶対優勢だった。(どのへんまでですか?)駒を並べたときまでです。(私の敗因は?)あんたが駒を動かしたことです。(^-^)
    続きを読む

    投稿日:2017.07.30

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