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絲山秋子 / 文春e-book (36件のレビュー)
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miyuki
現代の日本の地方都市、どこにでも起こりそうな日常を描いている。 架空の地方都市で架空の言葉や場所、物質等を作り出し、ストーリーが展開していく。 不思議な小説。
投稿日:2024.04.27
浅葱
黒蟹県という架空の都市を舞台にした、そこに住む人々の短編集。 なんとなく想像はできつつもつまるところ絵を結ばないが雰囲気だけは想像できる世界。架空と現実とがいい具合に混ざっているので、全く存在しないこ…とであってもすんなりと読めてしまう。話の終わりに用意された黒蟹辞典でそれが架空が実際かを判断して、架空であれば頷き実際であって驚く。いかに自分がよくわからいものでも想像で補完して読み進めているのだと実感する。 神という立ち位置はその地に存在し生活をしながら、そこで実際に生きる人とは指先で触れ合うような関わりをする。神にとっては薄い紙越しに見る世界なのかもしれない。だから関わって仕舞えばそれは誰かの見た夢になるのだろう。続きを読む
投稿日:2024.04.25
あおつき
初めて絲山秋子さんを読みましたが、不思議な読書体験でした。 読み始めは馴染みのない田舎文化に入り込めず、期待外れかと思っていたのに、読み終わってみれば、なんだか懐かしさまで感じるほど親しんでいた。 … ふとした場面にはっとする言葉が散りばめられていて、油断ならない。 こういうのが癖になるんだろうなと思います。続きを読む
投稿日:2024.04.21
Masahiro Sera
黒蟹県(架空)を舞台にした短編8話。 独立した話ではなく、登場人物やお店の名前などは共通する。そして異彩を放つのは、所々に現れる神。 神も神だが、登場する人たちも総じて緩い。 読んでて楽しいとはこのこ…とかな。 しかし一方で、教訓的なことや人生訓を想起させるような含蓄のある話もあり、飽きない内容だった。 本文より、 世のおばちゃん方がなぜ飴を持ち歩き、人にくれたがるのか、やっとわかった。唾液の分泌が不安定でふとした弾みに口のなかがカラカラになっていることに気づくのだ。だから飴を持ち歩く。人にあげるということは自分でも舐めていいということだ。不調を隠しつつ愛嬌を前面に出して恩を売る。さっと差し出す迷いのなさと社会性の高さ。これこそがおばちゃんである。 閉経こそ赤飯を炊いたり鏡割りをしたり二階の屋根から餅を投げたりして祝うべきものではないだろうか。これからはいつだって温泉旅行に行けますから誘ってくださいねと紅白饅頭を配ってもいいのではないか。人からもらいたくはないけど。 まあ、それ以前に更年期症状でだるくて動きたくもないのだけれど。 人々は不便でも貧しくても変わらない暮らしが継続することを内心望んでいたりする。見た目の対称性や反復するリズムを好む。予測不能な自由より把握できる不自由を選んでしまう。それなのに退屈する。だからこそぎこちなさやためらい、突然現れる小さな反乱、不穏な気配、刺激に惹きつけられるのではないか。 そうなのか!(?)続きを読む
投稿日:2024.04.20
ボマルツォ
“黒蟹県”なる架空の微妙な県を舞台に、普通の人々と半知半能の神が普通に関わったり関わらなかったりする八編からなる短編集。各編で登場人物が変わったり、神が主人公になったり、前の編の主人公か後の主人公と関…わったりして、黒蟹県のリアリティが補強されていき、架空と現実が混じり合って、なんとも不可思議な黒蟹ワールドを構築している。 植物とか鉱石とか機械とかの名前がサラッと出てくるけど、それが架空だったり、実物だったりして、各編の最後に辞書索引みたく、文中の単語が引かれていて、架空か実物かを解説しているのもクスリとさせられる。なんとも不思議な本だなと思ったら、作者さんの過去作には神が出てくるのが多いらしく、お得意の手法と言えるのかもしれない。誤解を恐れず言えば、長嶋有+万城目学的世界観というか(逆にわからん)。 基本とぼけたような静かな文体で、登場人物や登場神には何も起こらないようでいて、心の中のザワザワやモヤモヤを静かに炙り出していく。全体的には前半軽やかでクスリな場面が多く、後半はちょいと重めな雰囲気になってくる。そして最後は、まぁ、そこは読んでみてはのお楽しみ。 個人的には「なんだかわからん木」がぐっときた。続きを読む
1756868番目の読書家
うーーん、何だか難しかった。 架空と実在に翻弄され、最後までわかったようなわからなかったような…何とも言えない読後感。
投稿日:2024.04.08
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