【感想】本の背骨が最後に残る

斜線堂有紀 / 光文社
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
16
20
9
0
0

ブクログレビュー

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  • よもぎまい

    よもぎまい

    ダークファンタジー。残酷で痛々しいのに読むのをやめることが出来ないそんな本。
    斜線堂先生にしか書けない世界観が凄く惹かれた。
    好きな話は【本の背骨が最後に残る】【痛姫婚姻譚】【本は背骨が最初に形成る】
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    投稿日:2024.04.27

  • ないん

    ないん

    残酷なファンタジー。
    毒々しく、禍々しく、痛々しい。
    痛々しい描写が苦手な私としては、そこまで残酷に描写しなくても…と思った。
    それでも漂うダークな耽美な世界観は嫌いではなかった。
    装丁もとても美しい続きを読む

    投稿日:2024.04.25

  • Toshiko

    Toshiko

    美しい装丁、表紙、目次とページをめくる
    滑らかに指に伝わる紙質の良さ
    ダークな背景に白字で7つの物語のタイトルが非常に大きく並んでいる
    もうこの時点ですごいセンス
    (ページの表記も独特だった)
    そしてこの先は美しくも残酷な7つの異世界が待っていた…

    終始独特な世界観に圧倒された
    苦痛をともなう描写が多いので、読む人を選ぶだろうが、この不思議な世界観は一読の価値あり、ぜひお試しを!
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    投稿日:2024.04.16

  • solala06

    solala06

    書き下ろしアンソロジー『異形コレクション』シリーズにて書き下ろされた筆者の採録短編集。
    本来こういった奇想…というか、ファンタジー…というのか…。
    異形コレクションらしい、浮世離れしたダークな世界観を平時から書かれる方なのかどうかを存じ上げないのだが、いや、凄かった。凄まじかった。

    「本の背骨が最後に残る」
    紙の書物が存在しないどこかの国で、物語は”本”と名乗る者たちによって口伝されていた…。
    映画ソイレントグリーンか??と一瞬思いますが、これはもっと何か、その”本”がどう生まれ、そして読まれ、燃やし捨てられるのかといったダークファンタジー。
    すげえ発想だ…。
    しかし本好きは、ついつい続きが気になってしまうに違いない…。

    「死して屍知る者無し」
    ”師が言うように、人は死んだら、なりたい動物に生まれ変わって、またこの町に帰って来られるんだよ”
    そんなことがずっとずっと昔からずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと言い伝えられ、大人も子どももみんなみんなみんなみんなみんなが信じているどこかの町のおはなし。
    これでもう地獄過ぎるし、そりゃそんなんありえんやろ、ペテン師か詐欺師に決まってるだろ…というオチを持ってくるのではなく、その真実と直面した少女は……という展開。それ以上に地獄すぎるでしょ……。
    ちょっと星新一ぽいブラックさな気がする。

    「ドッペルイェーガー」
    イェーガーって、確か狩人って意味だったよな…。
    と思ったら、やっぱりそうだった。
    (なんか完全なるド文系が想像して書いてるからくりや仕組みが分からんけどなんかご都合主義なSF設定電子機器、みたいなのがたくさん出てくるから斜線堂先生、親近感が湧くな…。)
    仮想空間も、コピーロボットも、お気軽に楽しめるようになった時代のいつかのどこかの未来。
    実際には行使できない欲望を抱いた人間は、どうなってしまうのか……??
    これも怖いな…。

    「痛妃婚姻譚」
    なんか…一番怖いのだけど、一番”美しい”恋物語だった気がする……。
    これも斜線堂流SFの一種。
    トンデモ電子機器で他人の痛覚全てをリアルタイムに受け止める美しいお姫様たち”痛妃”たちのおはなし。
    いたひめではなく、”つうひ”と読むようです。
    夜ごと想像を絶する激痛と共にある姫は、何のために、誰のために舞い踊るのか…。

    「金魚姫の物語」
    高橋一生が局所的に雨が降る雨男、を演じるCMが昔やっていましたが、あれは傘をさしている青年という構図でした。
    これは、傘をさそうが屋内にいようが、水中にいようが、決して逃れられない雨に見舞われる謎の奇病?災害?が流行している、どこかの世界のおはなし。
    水もしたる…という慣用句は、”したたる”という程度がいかに生ぬるいかを我々に教えてくれる。
    怖ろしくて、かなしくて、耐え難い死に様になることを余儀なくされるというのはどれほどの恐怖か。

    「デウス・エクス・セラピー」
    そっちかーーーーーーーーーい、というトンデモオチ。
    いや、しかしこれも斜線堂流SF。
    仮想現実といえど何度となく殺される人たちのことは丸無視っていうのが、最高にディストピアしてるな……。
    それにしても残酷血みどろ拷問描写が昨今の作家さんと思えないくらいえげつなくてすごいな、斜線堂先生……。

    「本は背骨が最初に形成る」
    これで”できる”と読みます。
    表題作の続編、というか、前日譚。
    微妙に百合ぽくて良き。
    その”本”は、語る物語のように、どこか淫靡で残酷で、無慈悲で、それは確かにまるで、血の通っていない”紙の本”のような”人でなし”ぶりであったことよ。
    ”本”に魅せられ、魅了され、憧れ恋焦がれ、人の道を外れてしまうのは、もしかしたら、この本を手に取った本好きの私達なのかもしれない。
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    投稿日:2024.04.13

  • 更紗

    更紗

    なんとも奇妙な世界で描かれる物語たち。
    読了後の感想としては、
    内容の不気味さに本を読むことを辞めるべきではないかという警鐘が私の脳内で鳴り響く一方で、物語は私が容易にその世界から脱出することを許さず、ページをめくる手を止めることが出来ない。そして遂に最後まで読み終えてしまった。
    という感覚がある。
    表紙に惹かれて手に取った本だったが、最近読んだどの本とも異なるジャンルで、読み応えのある1冊だった。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.23

  • ななか

    ななか

    物語を語る者が「本」と呼ばれる国で、同じ物語を語る本は相手の誤植を見つけるために正当性をぶつけ合い、負けた方は炎に焼かれ骨になる・・・⋯そんな表題作を初めとした全ての物語が、装画が、溜息が出るくらい美しい。
    ぞっとするほど美しく魅せられた作品です。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.23

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