【感想】潮風テーブル

喜多嶋隆 / 角川文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 蒼樹

    蒼樹

    【あらすじ】
     海果の店の近くに、大手チェーンが経営するパスタ専門店がオープン。
     台風で家の壁が損傷を受け、その修繕費も用意しなければならないのに、売り上げに影響が出始める。
     一方で、野球選手として復帰するためのトレーニングを開始した一郎も、自分の進むべき道に迷いがあるようで。
     葉山を舞台に描かれる湘南キッチンシリーズ第三弾。

    【感想】
     今回は、STORY STORY YOKOHAMAさんから、特典付きのサイン本をお取り寄せ。
     この湘南キッチンシリーズはお気に入りで、本棚に並べておきたいので、サイン本で欲しかったのです。
     直接サインをいただいたこともあるのですけれどね(^^;;
     もともと喜多嶋さんの作品はメッセージ性の強いものが多いのですが、このシリーズは、かなり直球のストレート。
     何を恥ずかしいと思うか、何を誇りに思うか。それは人それぞれだとは思います。
     けど、私は喜多嶋さんが描く登場人物たちのように、自分に恥ずかしくないよう、背筋を伸ばして、自分の足で一歩一歩地面を踏み締めて、生きていきたい。
     このシリーズでは、1冊目から、貧困差や企業や政治家の不正問題を取り上げていて、今、何を考えるべきか、何を恥じるべきかということについて、考えさせられます。
     私は10代の頃に、喜多嶋さんの小説から「人生の流儀」という言葉を教わりました。
     人生は長く曲がりくねった道だけど、その道を歩く、自分の生きる流儀を決めるのは自分自身。
     哲学とか、政治とか、そんな難しい分野でなくても、身近なところから、考えることは出来ます。
     本作もそんなことを教えてくれる1冊になっていると思います。
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    投稿日:2023.09.24

  • meecyan

    meecyan

    このレビューはネタバレを含みます

    今Melody Fairを聴きながら感想を書いています。
    目を閉じると海果と愛の笑い声が聞こえてくるような気がします。

    この小説は1本のCommercial FilmのようでありLong Movieのようでもあります。
    カメラワークを多彩に切り替え、読者を小説の中へ引きこむマジックを使う、著者、喜多嶋ディレクターが生み出す多彩な映像やセリフ、そしてコピーライティング。
    それらが重なりあった素朴な料理の様でもあり、不思議なカクテルのようでもある小説です。

    飽食の時代に、読者自身が自分を振り返り、警鐘に気づくような作品になっています。
    ※気づけない人もいますけど・・個人差ですから・・
    私は本書を読み進めるにあたって、5回泣きました。
    何処で泣いたか?、この本を手に取った皆さんと同じか否かはわかりませんが、何気ない平凡さ、その平凡を手に入れる事ですら必死に生きて、やっと手入れる幸、そんな、幸せを感じられるような作品に仕上がっています。
    ただ、読者の心を少しだけえぐり取る結果になるかもしれません。
    私はこれで、泣いてしまったのですけどね。

    さて、潮風シリーズの根底にあるのは、貧困と富裕のギャップ。
    日本でもそれは必ず存在しているという事。
    富裕層はそれを理解する事。
    貧困層と書くのははばかられますが、貧困層は前を向いて生きている限り、困った時には必ず助けてくれる人がいるということ。
    助けてもらう事は恥ではなく、前を向いて一生懸命に生きている限り、それは美しく、そして必ず幸せになれるという事。
    だから、何事もあきらめてほしくないというメッセージも込められています。

    全シリーズに、「一生懸命前を向いて生きる」そんな思いが込められていています。
    それを登場人物の生き様に置き換えて、ストーリーを組み立て、読者を感動の涙に誘う小説です。
    今回の「潮風テーブル」もまんまと著者:喜多嶋隆にしてやられた感が否めません。

    それは、のめり込めばのめり込むほど、いつしか登場人物が乗り移ったかのように、小説の中で起きる出来事を疑似体験している感覚に襲われます。
    だからこぞ、プっと笑ったり、涙がこぼれたりするのですよね。

    先にも書きましたけど、
    私も物語りを読み進めるうちに5回は泣いてしまいました。
    なので絶対に電車や会社で読まないほうが良いです。
    ご自宅でリラックスしながら、喜多嶋ワールドを堪能してください。
    そして、登場人物と一緒に、物語りを楽しんでほしいと思います。

    この感想を読む皆様に、もっともっと物語りを楽しんでほしいので、ネタバレは、もう少し経ってから公開する事にします。

    余談ですが、
    私の仲間達で以前、国際NGOチャイルドスポンサーシップや足長育英会に寄付をしていた事もありました。
    今回の慎のCMや、ドキュメンタリーが本当に実現すればよいと個人的には思いました。
    あ・・これはネタばれですね。(笑)

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    投稿日:2023.09.23

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