【感想】死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選

フレドリック・ブラウン, 小森収, 越前敏弥, 国弘喜美代, 高山真由美, 武居ちひろ, 廣瀬麻微, 広瀬恭子 / 創元推理文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • あくら

    あくら

    分かりやすい面白さではなく、後からじわじわ来るような面白さが癖になる短編集だった。
    ミステリー、SF、奇妙な味…
    この何とも言えない読み味が良い。
    徐々に這い上がってくる恐怖が味わえる表題作はお見事。
    この不穏さがたまらない。
    『5セントのお月さま』の起承転結はかなり好き。
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    投稿日:2024.01.10

  • 帆掛船

    帆掛船

    2023/12/10読了。
    フルコースの如き構成で、様々な“味”の短編13作品を収載。『殺しのプレミアショー』や引用した『殺意のジャズソング』のようながっつりミステリから『死の10パーセント』や『最終列車』のようなホラーの雰囲気漂う作品まで、作風の幅の広さが際立つ。表題作の『死の10パーセント』は、「○○の××を使ってしまった話」で、小松左京『黒いクレジット・カード』(『牛の首』収載)と共通する。続きを読む

    投稿日:2023.12.26

  • ao-neko

    ao-neko

    ミステリ短編集。フルコースになぞらえて並べられた作品は、一冊読めばおなかいっぱいになります。オーソドックスなミステリあり、奇妙な物語もありで楽しめます。
    お気に入りは「球形の食屍鬼」。密室で起こった死体損壊事件の謎を描いたミステリです。真相がわかってみると、タイトルがあまりにもそのまんまで驚きなのですが。誰がこんな真相にたどり着けますか? ある意味笑える一作でした。
    表題作「死の10パーセント」は、あれがテーマなんだろうな、とするとろくなことにはならないだろうな、ということがわかりますが。それでもやはり恐ろしい……やっぱりあんな取引なんてするものじゃないです。
    「殺意のジャズソング」も見事。謎の襲撃から始まった事件の顛末は、なんとも思いがけないところへ。思いがけず罪を暴かれてしまったあの人だけれど、なんだかとってもすっきりとした読み心地でした。
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    投稿日:2023.11.30

  • tetujin

    tetujin

    ・フレドリック・ブラウン「死の10パーセント」(創元推 理文庫)を読んだ。私はフレド リック・ブラウンをほとんど知らない。どちらかと言ふとSF 作家だと思つてゐた。さうではあるがミステリー作家でもあつ た。「フレッドは“二面を持つ作家”で、SF作家としてもミステリー作家としても同じくら いよく知られていた。」(ウィ リアム・F・ノーラン「序文ーフレッド・ブラウンを思い起こして」13頁)ここではミステリー作家としてのブラウンである。本書では「序文」以外はフルコース仕立てになつてをり、 最初のオードブルから始まつて最後のコーヒーまで13編所収、うち3編は初訳で、それらはいづれも第二次世界大戦前の若い頃の作品である。
    ・オードブルは「5セントのお月さま」、これが「ブラウンの商業誌デビュー作で」(「編者解説」436頁)あり、初訳である。月を望遠鏡で5セントで見せようといふ男の話、最後はそれが「望遠鏡で犯行現場の見物、五十セントだよ!」(26 頁)と変はる。ごく短い作品である。記念すべきデビュー作ゆゑにオードブルにふさはしい。スープは「へま」、これも戦前の作品だが旧訳がある。ただし初出誌のみである。当時、敵国だつたドイツのスパイになれといふ、これもごく短いから、 スープにはふさはしさうであ る。以下、魚料理2,口直し1,コールドミート3,サラダ 1、ローストミート2,デザート1、コーヒー1と続く。魚や 肉料理はさすがに食ひ出があ る、いや、読み出がある。コー ルドミートの「フルートと短機関銃のための組曲」「死の警 告」は初訳、戦前のパルプマガジン発表作である。「組曲」がおもしろい。「日本の大家の有名な作品に類似のアイデアがある」(439頁)らしいが、私はそれを知らない。これも密室物なのであらうか。外から撃たれたといふのだから違ふのだらう、たぶん。個人的にはこのタイトルが気が効いていておもし ろいと思ふ。これがポイントになる。かういふ曲、フルートの 吹き方はどんな楽器でもあり、 それはミステリーにもなるのであらう。ミステリーをよく知つ てゐる人には当然のことであつても、私には決してさうではなかつた。「死の警告」には「犯人のしゃあしゃあとした登場ぶりが、最後まで主人公を苦しめるところ」(同前)とある。私にはこれよりも旧訳のある今一つのコールドミート、「球形の食屍鬼」の方がおもしろかつた。食屍鬼はもちろんグールとのルビがつく。これも戦前のパ ルプマガジン発表作、大江健三郎の「死者の奢り」みたいなも のだといふのはあまりに大雑把だが、検死局の死体置き場とい ふ点では似てゐるとも言へる。 主人公が学生であり、ここのバイトで稼いでゐる点も似てゐる。違ふのは事件性である。こ ちらは殺人事件が起きて主人公はそれに巻き込まれる。密室である。ただし、人が通れないほどの換気扇口が外に開いてゐる。主人公は第一発見者である。さてどうなるか。「金枝篇」を読む主人公ゆゑにポイン トは食屍鬼であらう。といふことで、大江とは全く別の世界が展開する。グールが出てくると ころなどはパルプマガジンにふさはしい。タイトルは原題の直訳である。勘の良い人ならばこれで犯人を推測できてしまひさうである。これ以外は戦後の作 品である。私にはエド・ハンター物2編以外はパルプマガジ ン所収作の方がおもしろかつた。さういふ作品を読んできた といふことがあるかもしれない。ブラウンであらうが誰であ らうが、古くて安つぽいけれど パルプマガジンはおもしろいのである。本書は日本オリジナル 傑作集であるらしい。短編全集もある作家である。それをこのやうに並べるのは一つのアイデ アであつた。
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    投稿日:2023.11.04

  • まふゆん

    まふゆん

    ブラウンのミステリ短編集第三弾。エド・ハンターシリーズから2作品入ってボリュームたっぷりの最高に楽しい一冊!→

    シカゴ・ブルース大好きな私はエドたちがでる2作品がイチオシだけど、それ以外ももちろん良作。
    「5セントのお月さま」は皮肉が効いていてマル(大衆が求めるのは月ではなく……?)
    「球形の食屍鬼」「殺しのプレミアショー」は謎解き部分が好き。
    「愛しのラム」は読み進めると感じる違和感の→

    正体が分かった瞬間に「ああッ……」ってなる。
    「どうしてなんだベニー、いったいどうして」はラストに「うわぁぁぁ」ってなったなぁ。
    「死の警告」のなんとなく感じるコミカルさや「最終列車」の余韻など、ブラウンは空気を描くのが上手いんだよなぁ、としみじみ。

    最高のコース料理でした。満足!
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    投稿日:2023.10.20

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