【感想】『縁結び令嬢』がモテ王子の婚活を手伝ったら、なぜか口説かれているのですが!?

ナツ, 篁ふみ / ティアラ文庫
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • いこ

    いこ

    このレビューはネタバレを含みます

    自分に落ち度のないまま、童貞男性の心の声が聞こえてしまう呪いを引き継いでしまったノエル。
    解呪には処女を失うしかないという。
    ……生きにくいにも程がないか、これ。
    童貞男性って完全に拗らせてる人たちの内心を聞いてしまうってことではないか。
    男性不信になってもいいレベル。
    それで処女貰い受けてくれる相手を探すというのが、難易度高い。

    と、ギャグのような設定ながら、読んでみると凄く凄く切ない両片思い話だった。
    もっとコメディよりな展開を想像していたのに、これは嬉しい想定外。

    美形でもてそうな外見ながら、過去のトラウマのせいで女性に触れられることを気持ち悪いとすら思っていたリュカ(童貞)
    童貞男性の内心が聞こえてしまうのに、なぜかお人好し精神は捨てられずにいたノエルは、彼らの心の声と未婚女性の気持ちがマッチングしたときを見計らって橋渡しをしていたがために「縁結び令嬢」として評判が立ち、リュカのご縁結びをする羽目に。
    リュカには早々に心が読めることがばれてしまったために、互いに本心で話し合うようになる。
    お互いが、自分にとって唯一何も取り繕う必要なく話せる相手だった。
    惹かれない筈がないのに。

    「友人」という関係を壊したくないから、自覚の早かったノエルはずっと彼のために本心を言い合える友人を貫き通した。
    本心が顔に出やすいとリュカに言われていたのに。
    リュカに至っては、自身の気持ちに離れ離れになってから気付くという。
    このすれ違いが切ない。

    リュカがまた戻ってきてからは、今度は何故かノエルが心の声を聴けなくなったというのもあり、前とは別の意味ですれ違うことに。
    内心は聞こえている筈だから、自分の恋心が伝わっているのにも関わらずスルーされているとリュカは一人で落ち込むし。
    いや、聞こえなくなっているんですよ。
    でも、解呪は処女を失うこととなっているので、失ってもいないのに聞こえなくなったことを話すと誤解を与えそうで言い出せなかったノエル。
    すれ違うは続くよ、どこまでも。

    という訳で、TL小説にしては二人の一線越えは最後の最後という。
    その分しっかり両片思いを味わえるので、最高でした。
    解呪の本当の方法がまた、二人にぴったりだったのもいい。
    両想いになってからは、君本当に童貞かいと言わんばかりの溺愛ぶりでしたが、リュカ。
    これまで本当に色々苦労した二人なので、幸せいっぱいでいてほしいと思う。
    まあ一番幸せな朝の最高値は毎日更新されたとのことなので、余計な心配かもだが。
    何にせよ、末永くお幸せに!

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    投稿日:2023.05.20

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