【感想】真夜中のたずねびと(新潮文庫)

恒川光太郎 / 新潮文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
1
3
4
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • sourgrapes0923

    sourgrapes0923

    #本 #読了 #恒川光太郎
    『真夜中のたずねびと』

    ・ずっと昔、あなたと二人で
    ・母の肖像
    ・やがて夕暮れが夜に
    ・さまよえる絵描きが、森へ
    ・真夜中の秘密

    5編からなる連作短編集

    立ち止まっていると自分も消滅してしまいそうだった。それが恐ろしく、アキはただひたすらに夏の夕立の下を走った。続きを読む

    投稿日:2023.09.05

  • 葦湯♨️

    葦湯♨️

    他の方も書かれてるように、
    恒川さんの作品の中ではファンタジー要素は少なく、
    現実的な話が多かった。
    よくある話ではないだろうけど、
    実際にありそうな話

    しかし連作というにはあんまり繋がりも感じられず、
    セパで書いてもよかったのでは?という感じもある

    相変わらず読みやすくサクサク進んだ
    明け方まで寝れなかったし残り少しだったので
    夜中に読み切った
    続きを読む

    投稿日:2023.09.04

  • はるぽんぽん

    はるぽんぽん

    途中で読むのが辛くなってくるような、生々しい人の悪意や業。
    特に、殺人事件の加害者家族に降りかかる周囲の悪意が、もう嫌らしくてしんどい。

    投稿日:2023.07.31

  • なつこ

    なつこ

    震災孤児の少女アキから始まる、5つの物語。
    連作ではないのに中途半端に必要ない繋がりがあってかえってややこしい。
    全く別物扱いで良かったと思う。

    死者の声を聞くことができるアキがその能力を持って人探しや人々の救済をしてゆくものとばかり思っていたので…嗚呼。
    再びひとりぼっちとなったアキがその後あんなこんな半生を送り、いつしか人探しを生業とするようになり、運命に翻弄される人々を死者の声をきくことで救う再生物語。
    と勝手に思い込んでいた笑
    想像力が希望的観測過ぎるww

    しかもエピソードは理不尽だったり不可解だったりと読み応えはあるのに結末がない。
    結局、誰かが幸福になったわけでもないし、不幸になったわけでもなく、背負わされた運命に生きる人たちにおこったことの切り抜き。
    起承転!
    え?結どこ?
    私の読解力が低過ぎて読み取れてないのかな…とも思うけど、そうじゃないはずだと思いたい笑

    今年の14冊目
    続きを読む

    投稿日:2023.07.10

  • 沙都

    沙都

    今まで読んできた恒川さんの作品と比較すると、どこか生々しい雰囲気のある作品集だったと思います。それは各短編に災害や殺人など、事件や不幸が絡んでくるからかもしれません。

    一方で完全にリアルを志向した作品でなく、ある部分で現実と幻想が曖昧になる。聞こえてくる死者の声。現実なのか、妄想なのか分からなくなる語り。そして顔をのぞかせる幻想。
    そのあんばいが作品全体に独特の雰囲気を醸し出します。

    あとは、恒川さんらしい語り口が相変わらずいい。けっこう悲惨な状況に置かれる登場人物も出てくるのだけど、語り口自体はそこまで感傷的でないので読みやすい。

    他の恒川作品でもそうだけど、登場人物と物語の中で起きることの距離感が常に一定に保たれているからこそ、現実と幻想が入れ混じっても、違和感なく読めるのではないかと思います。

    好きだった作品は「ずっと昔、あなたと二人で」と「真夜中の秘密」の二編。

    「ずっと昔、あなたと二人で」は、上手く説明できないけれど、美しい物語だと思いました。震災孤児のアキとさまよっていたアキを育てる老婆の奇妙な生活と、アキに課せられた使命を描く物語です。

    アキと老婆、それぞれの抱えた孤独を、幻想と過酷な現実を描くことで表現した作品だと思います。アキの孤独や別れを、幻想と現実を巧みに行き来する描写を通じて表現し、その中でアキの強さと成長、人間関係の悲しさや寂しさを浮き彫りにします。

    作品の空気感といい、絵になりそうなアキと老婆のそれぞれのラストシーンといい、美しさと残酷さ、強さや気高さといったものを感じました。

    「真夜中の秘密」は、レンタル民家を営む語り手が、死体を埋めに来た女性と出会ってしまったことから話が展開していきます。

    この作品について自分は、途中からまったくの幻想、あるいは妄想の世界に入り込んだのではないか、と思いました。でもそんなことは実はまったくどうでもいいことなのかもしれない、とも思います。
    恒川さん流の人生賛歌というか、生きる者へのメッセージというか、不思議な力強さを感じる一編でした。

    生々しい人間の罪や悪意を取り込み、また恒川さんの世界観が広がった作品集だと思います。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.05

  • mai

    mai

    各ストーリーの登場人物同誌の関係性が薄めの連作短編集。

    単行本発売時の「好書好日」のインタビューでも語られているが、これまでの恒川作品の最大の特徴といえば、幻想、ホラーファンタジー。デビュー作「夜市」から続く安定のスタイルを今作品は敢えて角度を変えて現実を描いている。(エッセンスとして多少 非現実的な要素は含まれている。)

    どこにでもいるような普通に生きている人間が、ある日突然何かのキッカケで生活が反転するかもしれない可能性。各主人公が背負う重たく影を持つ現実と、再生へ向かう心理描写がどこかキッパリと清々しく、その対比が絶妙なバランスで読みやすかった。

    とはいえ、個人的にはやっぱり従来の恒川節の世界観が好きなのだなぁ。
    恒川作品でいうと、「夜市」に収録されている「風の古道」がいまだに1位の座に君臨し続けている。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.25

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