【感想】保健室には魔女が必要

石川宏千花, 赤 / 偕成社ノベルフリーク
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ナオ

    ナオ

    主人公は、中学校の保健室の先生にして魔女。
    自分が考案する「おまじない」を流通させ、もっとも定着させた魔女が選ばれる七魔女決定戦に参加している。
    今日も魔女は、保健室にやってくる生徒たちの悩みをきき、それを解決する「おまじない」を授ける。悩みによりそう短編集。



    ヤングアダルト文庫なのか薄くてあっという間に読めてしまう分量だった。そして、ちゃんとあらすじを読んでいなかったのか、「あ、本当に魔女だったんだ?」ってなった。


    中学校の養護教諭をやっている主人公の魔女。この年頃っていろんなことに悩んだりして、誰かに話を聞いて欲しくて、でも親や友達や先生ではない人に聞いてほしい。保健室の先生ってそれに該当するよなぁって思った。学校の先生だけど学校の先生ではない感じ。成績とか内申とかそういうのから離れてる先生。そんなかんじ。


    この話の中にも出てくる生徒たちも思春期ならでは悩みだったり、セクハラや見た目で悩んでいる子だったりとなかなか複雑。「特別な人になりたい」子の話は、なんだか今どきなかんじがした。インスタやXでのフォロワーが多いほうがいいし、彼女が上げた職業もとにかく目立つ職業だった。そういう職業って「普通じゃない」「特別な人」だもんなぁ。でも、大人になって気がつくことは、特別じゃない仕事をしている人が大勢で、特別な人はほんの一握りで椅子取りゲームがすごいってこと。


    最後の話も「ずるい」といって、とにかく不幸になればいいって言っていた子。でも、主人公と会話をするにつれ、自分の想像力が足りなかったことや「嫉妬」だったことに気がついて良かった。先生があったストーカー事件もそうだけど、「相手のことを知らないくせに、攻撃してくる人たち」ってたくさんいるしなぁ。あの子がちゃんと気づけて良かったよ。


    内容的には、中学生向けな感じだったけど、なかなか面白かったし、大人になった今でも「気を付けないとな…」と思うところはあった。そして、この先生と先生のライバルの「先生」がカッコ良すぎた。



    2024.4.21 読了
    続きを読む

    投稿日:2024.04.21

  • あぽろ

    あぽろ

    中学校の保健室の先生が、実は魔女で、保健室にやってくる生徒たちの悩みに応えて“おまじない”を授ける……設定が面白いなと思った。
    保健室の先生は、いつも一緒にいる担任の先生とかとは違う、別格な存在だと感じる。濃密な関係のない立場から客観的な意見を言えるからだろうか。
    「自分のきらいなところが消えてなくなるおまじない」とか「お母さんにひどいことをいわなくなるおまじない」などの思春期特有の悩みだけでなく、ストーカー被害やセクハラ被害など重たい問題も描かれているところなど興味深かった。生徒の抱える悩みへの主人公の捉え方に一本芯の強さを感じた。
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    投稿日:2023.12.15

  • Yuka

    Yuka

    #保健室には魔女が必要
    #石川宏千花
    #偕成社
    #YA
    #読了
    いい意味で予想を裏切る面白い物語でした。アクションシーンあり、学校のシーンあり。どこか達観した魔女である保健室の先生と未完成な中学生のやりとりが面白い。続編があったら読みたい。 中学校の図書館に是非置いてほしい一冊。続きを読む

    投稿日:2023.11.17

  • なお

    なお

    学校にはおまじないが必要、保健室には魔女が必要…。おもしろい考えだな。悩んだとき、苦しいときに頼るものとして、おまじないは決して悪いものではないんだなぁと感じた。
    ミンちゃん先生の魔女としての力と保健室の先生としての力がいい感じに使い分けられていて、かっこよかった。ただおまじないを流通させればいいんじゃなくて、使わないという選択肢を選ぶところが良いなぁと思った。続きを読む

    投稿日:2023.08.29

  • コプ眠

    コプ眠

    中学保健室の先生、弓浜民生(みんちゃん)は本物の魔女。でも、魔法で色々ごまかして、人として生活している。七魔女の空きが出て、おまじないを多く定着させた魔女が選ばれるため、魔女たちはおまじないの普及に努めている。みんちゃん先生も生徒の悩みに寄り添ったおまじないを作るが、保健室の先生なので、悩みの本質に寄り添って、時にはおまじないに頼らない解決をします。
    自分の嫌いなところを消したい
    胸を小さくしたい
    お母さんにひどいことを言わなくなりたい
    目を大きくしたい
    特別な人になりたい
    嫌いな人を不幸にしたい
    小学校高学年から大丈夫な内容なのですが、この本に限らず石川宏千花の本は、小学生だと消化するのが難しいんじゃないかなぁ、というテーマが混ざっていることが多い気がします。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.10

  • たまネコ♪

    たまネコ♪

    児童書であったがなかなか奥深い1冊であった。
    「保健室には魔女が必要」
    題名から、学生の悩みを魔法で解決するのかと思いきや‥
    揺れ動く思春期時代よ!

    投稿日:2023.03.15

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