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ニーナ・デ・グラモン, 山本やよい / 早川書房 (3件のレビュー)
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こーた
実際の事件は謎に包まれている。その謎に虚構を織りこみ、虚構のなかにさらに虚構が入りこんで、できあがった物語はやがて〈真実〉となる。ポスト・トゥルース蔓延る現代に、小説の技巧はますます存在感を増すばかり…だが(さいきんこの手の小説、多くない?)、虚構と真実の境界をもっとも巧みに行き来した人物こそ、のちのベストセラー作家アガサ・クリスティーなんである。 井上荒野『あちらにいる鬼』、ギリアン・フリン『ゴーン・ガール』やマーガレット・アトウッド『誓願』、さらには村上春樹『1Q84』的取り替え子まで、さまざまな小説が思い出される。 ただ、すべての要素がカチッとハマって、見事回収されてしまうあたりは、巧くできすぎているようにもおもえ、全体として、ややとっ散らかった印象になってしまったのが惜しい。 謎は謎のまま、そっとしておいたほうがいいのかもしれない。続きを読む
投稿日:2023.07.08
羊さん
有名なアガサ・クリスティ失踪事件を題材にしたミステリー。語り手となっているのは、アガサの夫の不倫相手のナン。ナンの辛い過去と行方不明のアガサを探す今とが交互に描かれていく。 失踪事件をモデルにしている…けれど、フィクション。興味深い設定になっていて面白かったけれど、そんな…という気持ちも無くはない。ネタバレにならないように書くことは難しい。続きを読む
投稿日:2023.06.11
ひまわりめろん
思いもかけない偶然を体験したとき神様の存在を信じたくなりますよね なんと本作の主人公ナンが作中で『グレート・ギャッツビー』読んでるんですよw わし読んだばっかりなんですけど 読書の神様はイタズラ好き…やね もちろん『グレート・ギャッツビー』は適当に選ばれたわけではなく、この物語を象徴している作品でもあるわけです 「愛」というかたちのないものや、「結婚」という誓い、縛りというあらゆる見方ができ最高であり最悪であるもの そしてそれらに振り回される愚かな男と女 って『グレート・ギャッツビー』のレビューになっとるやないか! しかも、わりかし分かってるやないか! はい『アガサ・クリスティー失踪事件』です うーん、読まなければ良かったなー クリスティー大佐の浮気相手の名前を実際とは違う名前にしたり、創作した登場人物をたくさん出してフィクション色を強めようと頑張ってるんだけど、そこまでしてクリスティーの失踪事件を題材に選んだ意味がよくわからない サスペンスとしてはよく出来てるとは思うんだけど… ずっーーーーと拭えない「神」への冒涜感 なんでこれ手に取っちゃったんだろ? アガサ・クリスティーを神のごとく崇めてる層にはお勧めできません なんでこれ読んだかなー(知るか!)続きを読む
投稿日:2023.06.02
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