【感想】続・5G教科書 NSA/SAから6Gまで

服部 武, 藤岡 雅宣 / インプレス標準教科書シリーズ
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
2
0
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • pnictide

    pnictide

    5G技術自体はLTE時代からの拡張技術であったりするので、ゼロからの説明でない部分も多いが、広大な5Gの通信技術や動向を網羅的に記載しようとした2023年10月現在で貴重な日本語書籍。ただし、標準仕様の技術詳細は結局標準化ドキュメントやその解説記事・ブログ・洋書等を読まなければならないので、薄い本で5Gをなんとなく俯瞰した後に、もう1,2段階知識と理解を深める用の位置付けか。業務に近いRANの概観と業務経験は無いが背景知識として知りたかったコア網の概要把握に役立った。続きを読む

    投稿日:2023.10.11

  • 澤田拓也

    澤田拓也

    2023年4月に出版されたこの分野での日本語で読める最新の技術書。仕事上知るべき知識の補充として読み進めた。2018年出版の『5G教科書』の続編だが、日本の5Gも進み、SA (Stand Alone)の商用化も商用展開が始まった機会に改めて知識を充足させるために役に立つ本かと思う。前著では5Gというタイトルながらまだ4G技術であるLTE AdvanceyやEPC比べて他に一般向けによい本もないと思う。

    含まれる内容は、目次を追うと次の通り。
    第一章 5G(第5世代)で進化するモバイル通信の全体像
    第二章 Q&Aで学ぶモバイル通信、5Gの基礎知識
    第三章 5G無線アクセス技術
    第四章 5Gコア・ネットワーク(5GC)の最新動向
    第五章 産業界応用のための5G高度化技術
    第六章 5Gを用いたプライベート・ネットワーク
    第七章 5G時代のスマートフォンOS&端末構成とその特徴
    第八章 台頭する多様な5Gデバイス
    第九章 5GにおけるIoT規格: LTE-M/NB-IoT/RedCap/V2X
    第十章 6Gに向けて動き出したITU・3GPPと世界の動向
    第十一章 5Gに関する国際標準化とフォーラム活動

    個人的には第三章の無線アクセス技術や第五章の5Gコアについてもう少し紙幅を取って丁寧に解説をしてほしいところ。一方で、第七章や第八章のスマホやデバイスの解説は、現在の状況を切り取った解説になっていて、技術解説書として少なくとも数年間のライフタイムを持つ書籍としては切り捨ててもよいパートではないかと感じた。また第二章のQ&Aはこのシリーズの特色だけれども、あえてQ&A形式にせずともよいのではと思う。基本技術やアーキテクチャの導入の章としての位置づけに特化して、スライシングや仮想化など後の章に出てくる内容は、ここで触れずにそれぞれの章節に任せるべきだとも感じる。

    課題は、執筆者が36人もいることかもしれない。監修は入っているものの、表現や深さに違いが出てくるし、またこういった技術書ではその質に大きく関わる章間の有機的な相互参照や十分に考慮された補完がどうしても弱くなる。少し完成まで時間がかかったとしても、ひとりの人が構想と責任をもって全体を書き切るような専門技術の解説書籍がもっと多く出てくるようになればよいなと思っている。

    いずれにせよ、このような少し上級者向けかつ特定業界向けの一般技術解説書は、なかなか出版商業的には難しくなっているのではないかと想像するのだが、社会的意義もあると思うので、頑張って続けてほしいと思っている。


    -----
    『5G教科書』のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4295003778
    続きを読む

    投稿日:2023.05.06

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。