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中山元 / 平凡社 (3件のレビュー)
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hisamo99
ハンナ・アーレントの労働,仕事,活動の分類を軸にして,原始的な労働から現在のAIの労働までその時々の哲学者の思想を検討する形で,労働の意味を模索する本。 「かつては労働は人間の活動のごく一部を占める…にすぎなかったが,現代の社会においては,ほとんどすべての活動が労働とみなされるとともに,それはでは労働ではなかった活動もまた,労働としての報酬を要求されるようになる。」(310ページ)「このように現代では労働は,人間の行為の一つの側面であるよりは,人間のほとんどすべての活動のうちにみいだされる営みとなってきた。」(311ページ) 人間のあらゆる行為が生命を維持するための苦しい行為になったということか。 とりあえず色々な議論を学べて良かった。働く意味について考え続けたい。続きを読む
投稿日:2023.10.04
麺とパン
前向きな仕事と苦役の労働の違いを考えさせられた。思想史なので、気軽にという内容でないが読みやすいと感じた。 自己実現ややり甲斐搾取など、働き方に関する議論はいつでもあるし、最近ではAIと労働の関係が…気になる人も多いと思う。続きを読む
投稿日:2023.08.13
tokyobay
労働は人間にとって重要な問題でありながら、哲学的なテーマにはなり難いという印象があった。切り口として経済学だったり政治学だったり、さらには社会学だったりと、多面的な要素があるので、哲学という切り口では…描きにくい部分があるのかもしれない。 本書はその辺の描きにくさを横断的な視点でカバーしており、何かを専門としている大学の先生では中々書けないような著者ならではの充実した内容になっている。ただし、原始時代から情報化社会までを学際的に取り上げているせいか、あまりにも対象範囲が広がってしまい、個々の説明が薄くなってしまっているのは否めない。よって、本書をガイドとし、興味を持った思想家を個別に当たっていくしかない。 また、基本的には欧米的価値観(キリスト教)に基づく思想史になっているので、日本の労働観には必ずしも適合しない部分があるようにも思える。その辺の東西の違いをどう考えていくのかが、今後の課題であろう。続きを読む
投稿日:2023.06.01
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