【感想】少子化対策したら人も街も幸せになったって本当ですか?

泉房穂, ひろゆき / KADOKAWA
(14件のレビュー)

総合評価:

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  • ke11503k

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    18 先進国が少子化になる理由
    ①娯楽が多い
    1965年に北アメリカで大停電が起き、NYを中心に大きな被害が出た。この年、NYの出生率が爆上がりし、ひそかなベビーブームが起きた。
    1977年のNY大停
    2001年の同時多発テロ
    2005年のハリケーンカトリーナ襲来
    ②女性の社会進出が多い

    22 その具体的な政策を見てみると、代表的なものが、サムボ婚(事実婚)を法律婚と同等に保護する「サムボ法」。婚外子へのサポートが手厚いので、非婚カップルでも子どもがいるケースも珍しくなく、スウェーデンでは婚外子として産まれている(ちなみに日本は約2%)。
     男性の育児休暇取得率が約80%と極めて高いのも特徴。スウェーデンでは、きわめて高いのも特徴(日本は約14%)。スウェーデンでは、パートナー同士の男女で、通算480日の育休を取得することができる。このうち、どちらかが最低90日の育休を取らないと、休み自体が無効になってしまうため、男性の育休取得率が増加したと考えられる。ちなみに、480日のうち390日は給料の80%が保障され、残りの90日は定額給付。

    34 少子化のリスク
    生産力の圧倒的低下
    国外の企業に働き口を求め、優秀な人材が海外へ流出。その結果、日本に残るのは平凡な労働者のみで、そんな日本企業に投資する海外の投資家もいなくなり、経済悪化の悪循環が始まる。

    40 2022年10月、いわゆる団塊の世代と言われる75歳以上の高齢者を対象に、医療費窓口負担を2割から3割に引き上げた。高齢化による若者の負担を減らすために頑張った、菅前首相の功績。不妊治療の保険適用を実現させたのも菅さん。

    41 生涯賃金が大卒2.7憶円、生涯に払う税金は4000万円が相場。国が1000万円を支給しても、元は取れるどころかプラス。2021年に生まれた子どもの数は81万1604にんなので、8億1160万円ほどの支給で済む。

    50 明石市では、18歳までの医療費と、第2子以降の保育料が無料。中間層以上の子育てだと、保育料に月5万・6万は当たり前。そうすると、例えば子どもが3人いれば大体100万円ほど得する計算。明石市に引っ越してくるだけで可処分所得が100万円増える。

    55 5つの無料化・・・予算は全体の1.7%
    ①18歳までの医療費無料
    ②第2子以降の保育料無料
    ③0歳児のおむつ定期便(無料)
    ④中学校の給食費無料
    ⑤プールや博物館など公共の子ども施設の入場料無料

    56 生後3ヶ月~満1歳になるまで、毎月オムツやミルクなどを配達するサービス。ポイントは、配達員がみんな子育て経験がある女性。見守りが本当の目的。

    75 優生保護法の被害者を支援する条例。優生保護法(1948~1996)で障害者が強制的に不妊手術や中絶をさせられた問題で、国の制度では対象外だった配偶者と中絶被害者にも支援金を支給する条例を、自治体として初めて制定。

    111 市長にできないこと
    教育、医療、警察
    市立の学校の建物は市のものですが、働いているのは県の教員なので、人事採用も異動も県の管轄。だから、いじめ問題に介入したくても、市長の言うことを聞いてくれない。一方で、建物の権限は市にあるので、教室の窓ガラスが割れたら弁償するのは市。生徒と教員間でトラブルがあって生徒側が訴えた場合、学校を設置しているのは市だから、被告が市長。建物の破損賠償するのと裁判でごめんなさいするのは市長で、その不祥事を調査する権限や人事に関する権限は一切持てない。

    131 無痛分娩をする際は、麻酔を打つために麻酔医が必ず同席しなければいけない。一方で、個人の産婦人科医院で麻酔医が常駐しているところは、ほとんどない。だから、妊娠した女性に「麻酔なしで痛みを伴って生んだ方が、子どもに対して愛情が育まれる」。女性の意思で自然分娩する分には問題ないが、病院側の事情で強制させるのはいかがなものか。

    139 フランスではPACSというパートナーシップ制度が導入されている。結婚と同等の社会保障が受けられ、別れる時はどちらか一方の申し立てで契約が解消されるので、離婚ほど面倒臭くない。言わば結婚と同性婚の中間みたいな制度で、もともと同性カップルの権利拡大のためにつくられたが、使い勝手がいいので異性カップルにも浸透。

    195 子ども家庭庁
    子どもに関する政策を1つの庁で取りまとめる司令塔機能としての役割を果たすことを想定。厚生労働省や文部科学省、内閣府、地方自治体など複数存在していて、縦割り行政的な側面が非常に強かった。

    199 子どもは親の持ち物で、煮るなり焼くなり好きにせいという意識があった。2000年に介護保険制度が導入され、介護が社会化。お年寄りを家庭が面倒を見る時代から、社会で面倒を見る時代にシフト。同じ年に、児童虐待防止法が施行され、こどもも社会で救うべきだという意識が芽生えた。

    206 大和朝廷から日本は二層構造(国と基礎自治体)。明治維新ではじめて三層となった理由は、鎖国していた日本を近代化するために、中央集権的な体制の下で各地をまとめるため。当時は全国一律の時代だったので、中間管理職としての都道府県をつくって、各エリアに情報を伝達しやすくした。ただ、デジタル時代の今となっては、三層構造である必要はほぼない。その構造がいまだに残っているのが、日本の変革を遅らせている理由の1つ。
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    投稿日:2025.04.08

  • みみり

    みみり

    対談形式ですごく読みやすい。
    論破王のひろゆき氏と、バワハラ辞任の泉氏…これ、どういう対談になるの!?と思っていたけど、フツウにテンポのいい会話で、フツウにおもしろかった。

    社会全体が少子化対策に前向きになったら、世の中はどうなるか。
    良くなると思う。
    私も子どもを生むまでは、電車の中やレストランで騒ぐ子どもはうるさいと思っていた。ひろゆき氏によると、フランスでは子どもが騒ぐことに寛容らしい。いい社会だと思う。公共マナーが大事なのは間違いないけど、社会の目を気にするのは正直言ってツライ。

    もともと読んでみたいと思っていた泉元明石市長の本『社会の変え方』が雑誌VERYに出ていて、そちらを予約しようと図書館で著者名検索にかけたらこの本も出てきた。ひろゆき氏か…うーん、と思いながらもとりあえず予約。1冊しかなくて、ちょうど1年かかって手元に届いた。

    子ども生まれたら1,000万円、私も欲しい!!
    それがあったからと言って、私の場合3人目を生もう!と単純にはならないけれど、もしあったら考えてもいい、くらいには思えたかも。
    子どもを持ってから気付いたけど、日本の政治って政権が変わるたびに政策がコロコロ変わるのが困る。いや、コロコロ変わるのは日本だけじゃないか…。

    泉市長が明石市でやったことは『社会の変え方』ですでに読んだことがあった。
    オムツが無料になる施策のウラには、〈必ず手渡しにすることで親を孤独にしない〉という狙いがあることは、本書を読んでいて改めて感動。ネット宅配の置き配では、こうはいかない。
    来て欲しかったなぁー。私のところにも。
    子育て経験のある女性職員がオムツを持ってきてくれる。それも毎月来てくれて、赤ちゃんの成長を一緒に喜んでくれる。なんと心強いことか。

    個人的には、「泉さんはなんであんなパワハラ発言しちゃうのか」という質問もします!というひろゆき氏の冒頭での紹介が気になって読み進めていたけど、その部分はあんまり参考にならず…。
    アツイ思いがあるのはいい。それが熱量として作用するのもいい。ただ、それで暴言吐いていいことにはならないよね、と思うから、そこを知りたかった。アンガーマネジメントが意味ないっていう人はどうしたらいいのか、どういうところに気をつけているのか、ってところをもう少し知りたかった。

    でも、私は泉さんけっこう好き。すごい勉強家なところも尊敬。国会図書館を使って世界の政治について色々調べるとか、おもしろそう。〈フランス直輸入〉とか〈ルワンダ直輸入〉とか、外国の政治システムを直接明石市でやっちゃう話はおもしろく読んだ。
    こういう政治家が世の中を変えていくんだなぁー。もっとこういう政治家が増えて欲しい。
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    投稿日:2025.02.18

  • さとー

    さとー

    どうして、その政策に取り組もうとしたのか、またどのようなねらいがあったのか等、具体的に知ることができ、興味深かったです。

    投稿日:2024.03.10

  • ファラフェルNo.1

    ファラフェルNo.1

    この本で(ひろゆきのネームバリューで)泉さんのことを初めて知りましたが、とても魅力的な印象を受けました。私の地元の市長になって欲しい〜と思いました。

    投稿日:2023.12.07

  • Ruko

    Ruko

    オーディブルで視聴。

    対談形式だったので、聴く素材としてはピッタリだった。
    欲を言えば、泉市長役とひろゆき役で2人で朗読してくれたらよりリアルだったかもしれない。

    内容としては、何かと世間の耳目を集めている明石市の子育て政策などについて、泉市長とひろゆきが対談するというもの。

    おむつ宅配便には、実は子育て中の母親を孤独にさせない、という真の目的が隠されていたなど、興味深いエピソードが多かった。
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    投稿日:2023.08.19

  • PONTEN design

    PONTEN design

    ■ Before(本の選定理由)
    ひろゆきと明石市長の対談。タブー無しで話をしてくれそうで、面白そう。

    ■ 気づき
    泉さん(明石市長)には敵わない。これは子育て支援や少子化対策でやり込めることは、出来ないだろう。
    それくらい目的が明確で、手段が理にかなっている。

    ■ Todo
    批判するには「周りの迷惑を鑑みない!」くらいしか無いだろう。前澤友作やザッカーバーグなど「悪ガキ」タイプのリーダーなのだ。
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    投稿日:2023.08.06

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